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【医師監修】肘のクリーニング手術とは?野球選手が気になる復帰までの期間を解説

野球肘
公開日: 2022.04.25 更新日: 2025.02.12

関節ねずみ(関節遊離体)による痛みの改善にはクリーニング手術という選択肢があります。

クリーニング手術を受けることで悩まされていた痛みから解放されて、日常生活やスポーツを楽しめます。

とはいえ、いったいどのような手術なのか、どれくらいの日数や費用がかかるのか、不安に思う方も少なくないでしょう。クリーニング手術の内容や適応、経過について本記事にて詳しく説明していきます。

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クリーニング手術とは?

野球肘に注意

クリーニング手術とは、関節内に遊離した軟骨成分や骨成分のかけら(関節ねずみ)、また新たに形成された骨棘(骨にできるトゲのような突起)を関節鏡を使って取り除く手術方法です。

関節ねずみと呼ばれる遊離体はただ存在しているだけでは無症状ですが、関節内が挟まると曲げ伸ばしに障害が出たり、強い痛みが出現したりします。

症状が強い人やスポーツに支障が出ている方は、整形外科でのクリーニング手術が推奨されます。

関節ねずみ(関節内遊離体)の治療法

クリーニング手術は関節ねずみに対して行う手術ですが、関節ねずみが確認されたとしても経過観察になることがあります。

  • 関節運動への影響が少ない場合は経過観察になることもあります。
  • 動かしても痛みがない
  • 骨軟骨片が完全に剥がれておらず安定している

上記のような状況では、荷重制限や運動制限などの保存療法が選択される場合があります。ただし、関節ねずみは移動するため、痛みが生じる部位や強さはときによってさまざまです。

病状が進行し、スポーツや生活に支障がある場合は手術での治療も検討しましょう。

野球選手がなりやすい野球肘の治療にも有効

野球肘とは、投球動作を繰り返し行うことで発症する肘の障害です。離断性骨軟骨炎や軟骨損傷、靭帯損傷、将来的に合併する可能性が懸念される変形性肘関節症などを含めた複数の病態を示しています。

長年に渡る投球動作により少しずつ骨や軟骨部分に変形が起こったり、関節ねずみが形成されたりし、肘関節の屈伸運動の困難さや痛みが出現します。症状が進行し、安静時でも痛みが続く場合や、痛みが引いても再び痛みが出てしまう場合は、クリーニング手術を検討してみると良いでしょう。

手術しなくても治療できる時代です。

スポーツ外傷は⼿術しなくても治療できる時代です。

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部位別のクリーニング手術法

クリーニング手術は主に、肘関節や膝関節の遊離体に対して行われますが、肩関節や足首の関節に対しても適応となる場合があります。

ここでは、部位別のクリーニング手術の特徴をそれぞれ解説していきます。

肩関節に対するクリーニング手術

肩関節に対するクリーニング手術(鏡視下滑膜切除)は、肩の痛みの原因となっている組織を取り除くために行われます。MRIなどでは確認できなかった病変を直径2〜10mmの細長いビデオカメラを手術部位に挿入して、映像を確認しながら行う手術方法です。

  • 野球による投球障害で関節唇(かんせつしん)に損傷がある場合
  • リウマチなどによる炎症が滑膜(かつまく)にある場合
  • 痛みで夜も眠れない場合

上記のような状況がクリーニング手術の適応となり、術後は痛みが軽減する可能性があります。手術時間は1時間程度と短時間で完了するため、体への負担は少なく済むでしょう。

肘関節に対するクリーニング手術

肘関節に対するクリーニング手術は、関節ねずみの除去(鏡視下遊離体摘出術)やとげのように変形した軟骨の切除(鏡視下骨棘切除)などが実施されます。投球動作などで肘関節を酷使する野球選手に実施されることが多いです。

全身麻酔下で行われ、肘を小さく切って細い関節鏡と手術器具を挿入し、肘部の痛みや引っ掛かりの原因となっている病変部位を切除・摘出します。

通常、1~2時間にて完了し、術後2週間程度から日常生活動作への制限が緩和されます。

膝関節に対するクリーニング手術

膝関節に対するクリーニング手術は、加齢などによって起こる変形性膝関節症に対して適応です。擦り切れた半月板や遊離軟骨、骨棘、増殖した滑膜などを除去し、痛みや歩行能力が改善できます。

切る範囲が小さく済むため、傷が目立たない点や術後の入院期間が短くなるのが特徴です。

変形性膝関節症の中でも、クリーニング手術で改善するのは軽症レベルで、重度になるとクリーニング手術では対応が難しくなります。重症の場合は別の手術が必要となるため、症状に合った手術を選択しましょう。

足首に対するクリーニング手術

足首に対するクリーニング手術は、変形性足関節症に対して実施されることがあります。

関節鏡を見ながら原因となっている骨棘や滑膜、遊離軟骨などを除去し、足首の関節可動域拡大や痛みの改善が目的です。

他の部位と同様に、足首の関節周囲を小さく切り、関節鏡と手術器具を挿入して手術を行います。

クリーニング手術後に復帰までの期間

クリーニング手術後、復帰までにかかる期間はそれぞれの状態や手術内容、手術部位によって異なります。

日常生活への完全復帰は手術後2~3か月程度、スポーツの再開は3~6か月程度が復帰の目安です。手術直後は安静にして痛みや腫れを改善に努め、約2週間後から関節運動を開始していきます。

2カ月ほど経過したら、症状を見ながら軽めのトレーニングを開始し、本格的な競技復帰に備えていきましょう。

復帰までの期間はあくまで目安であり、術後の経過やリハビリの効果などは個人差があります。クリーニング手術後の復帰時期は医師と相談しながら決めていきましょう。

クリーニング手術にかかる費用

クリーニング手術にかかる費用の目安は20~30万円程度です。手術を行う部位や医療機関、入院期間、細かな手術内容によって費用は異なるので注意しましょう。

手術前後の入院期間は4日間程度ですが、入院期間が延びれば部屋代や施設利用費なども増えていきます。手術前後の診察代やリハビリの料金も発生するため、正確な費用は各医療機関に問い合わせて確認してください。

まとめ|クリーニング手術は関節ねずみに対して有効な治療法

クリーニング手術は、関節ねずみによる痛みや可動域制限に対して効果のある治療方法です。手術にかかる費用は20~30万円、入院期間は約4日間と短く、日常生活や仕事への影響が少なく受けられます。

日常生活への完全復帰は2~3カ月、スポーツへの復帰は3~6カ月が目安の期間です。早く回復したい方や治癒力を高めたい方は再生医療の利用も検討してみましょう。

リペアセルクリニックでは、再生医療について無料電話相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。

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クリーニング手術についてのQ&A

クリーニング手術を検討されている方に向けて、よくある質問への回答をご紹介します。

最近、話題となっている再生医療や野球選手がよく受けているトミー・ジョン手術との違いについて説明していきますので、ご確認ください。

再生医療との関連性は?

最近注目されている再生医療とは、自然治癒力を最大限に引き出す医療技術です。

スポーツや仕事に早く復帰したいと希望される方は、クリーニング手術とPRP療法の併用を検討してみてください。

PRP療法は自分の血液から抽出した高濃度の血しょう成分を患部に注射する治療法です。プロアスリートの治療にも採用されている治療法で、治癒・再生速度を2~3倍以上速める効果が期待できます。

まれにない出血がみられることがありますが、数日間で自然消失します。症状が気になる場合は診察にお越しください。

トミー・ジョン手術との違いは?

トミー・ジョン手術とは、損傷した肘の内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)を切除し、健康な腱の一部を肘の靭帯につなげる手術方法です。前腕部(肘から下の部分)や下腿(膝より下の部位)、お尻、膝から腱を摘出することが多く、大谷翔平選手も受けたことで有名になりました。

野球選手の場合は、競技復帰まで1年程度のリハビリが必要です。損傷部位である肘だけでなく、摘出してくる別の部位も切開する必要があるため、クリーニング手術よりも体への負担は大きくなります。

監修者

坂本 貞範(医療法人美喜有会 理事長)

坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)

Sadanori Sakamoto

再生医療抗加齢学会 理事

再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。

「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。

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