腰部脊柱管狭窄症の手術費用と入院期間は?リハビリまでの流れも解説
投稿日: 2022.12.12更新日: 2024.11.06
「腰部脊柱管狭窄症の手術費用はいくらかかる?」
「腰部脊柱管狭窄症の入院期間はどのくらい?」
腰部脊柱管狭窄症は、足の痺れや痛みで歩けなくなる病気で、症状が悪化すると手術による治療が必要になります。
どのような手術やリハビリをするのかはもちろんですが、手術費用や入院期間がどのくらいかかるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
これから手術を検討されている方に向けて、腰部脊柱管狭窄症の手術費用や入院期間、手術からリハビリまでの流れを詳しく解説します。
最後まで読んでいただければ、腰部脊柱管狭窄症の保険適用や高額療養費制度の内容を含め、手術や治療に関わる全体の内容を理解できるはずです。
目次
腰部脊柱管狭窄症の原因と症状
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)はさまざまな原因で、背中にある神経の通り道が狭くなり、神経を圧迫するときに症状が出ます。
まずは腰部脊柱管狭窄症の理解を深めるためにも、原因や症状を紹介します。
・腰部脊柱管狭窄症の原因 ・腰部脊柱管狭窄症の症状 |
腰部脊柱管狭窄症の原因
腰部脊柱管狭窄症は多くの場合、加齢によって脊柱が変形して、神経を圧迫するのが原因で起こるものです。
脊柱は小さな積み木のような骨が積み重なってできており、後方の脊柱管と呼ばれる空間に脳から伸びた神経(脊髄:せきずい)が通っています。
また、脊髄から枝わかれした神経は脊柱の左右の隙間を通って、手足につながり感覚や運動を司っています。
脊柱の変形のため、これらの通り道が狭くなってしまうと、神経にダメージを与えてしまい、腰部脊柱管狭窄症の症状につながるのです。
加齢による変形の他には、骨の代謝障害や生まれつきの変形によるものなどがあります。
腰部脊柱管狭窄症の症状
腰部脊柱管狭窄症は、お尻から脚全体にかけての痺れや痛み、脱力といった神経の症状が特徴です。
また、ある程度の距離を歩くと、痛みや痺れなどが悪化して歩けなくなります。
しかし、数分間休憩して前屈みの姿勢を取ると、再び歩けるようになる間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状がみられます。
症状が悪化すると、排泄の障害や性機能が不全になるなどの膀胱直腸障害(ぼうこうちょくちょうしょうがい)が出る場合もあるでしょう。
上記の症状に思い当たる節があるときは、早めに医療機関で相談するのをおすすめいたします。
当院「リペアセルクリニック」では、メール相談を始め、電話相談でオンラインカウンセリングを行っております。気になる症状がある方は、お気軽にお問い合わせください。
腰部脊柱管狭窄症の手術費用・入院期間
腰部脊柱管狭窄症は、状態に合わせて手術の方法が異なるため、手術費用や入院期間は手術内容に応じて変わります。
以下では、手術ごとの費用や入院期間の目安を紹介します。
・手術費用の目安 ・入院期間の目安 |
手術費用の目安【除圧術で25〜40万円ほど】
費用は除圧術の場合、25〜40万円程度かかります。
一方、除圧固定術は、60〜85万円程度で、除圧術に比べて費用がかかる傾向にあります。
術式や入院期間、リハビリの量などによって費用に差が出ますので、手術を検討する病院でしっかり確認しましょう。
入院期間の目安【平均1〜2週間ほど】
内視鏡を使用した手術の場合、入院期間は1〜2週間程度です。
病院や状態によっては、1週間以内で退院が可能な場合もあります。
入院期間は除圧術のほうが固定術に比べて短くなります。また、手術カ所が多いほど入院期間が長くなる場合が多いです。
また、腰部脊柱管狭窄症にヘルニアなどが合併している場合も、入院期間が長くなります。
腰部脊柱管狭窄症の治療方法
腰部脊柱管狭窄症の治療方法は、まずは手術をしない保存療法を行うのが一般的です。
以下で、保存療法と手術療法の詳細を見ていきましょう。
・腰部脊柱管狭窄症の保存療法 ・腰部脊柱管狭窄症の手術療法 |
腰部脊柱管狭窄症の保存療法
腰部脊柱管狭窄症の保存療法は、次のようなものがあります。
・薬物療法 ・神経ブロック注射 ・運動療法 ・生活指導 |
薬物療法では、痛み止めや神経の働きを改善する薬を服用します。
神経ブロック注射は、傷害された神経に麻酔薬を注射して、一時的に神経の働きを麻痺させる形で、痛みの軽減や神経症状の改善を図るのが目的です。
また、腰部の負担を軽くするために、運動や生活を工夫しながら、症状の改善や悪化の予防を図ります。
上記を試しても回復しなかったり、症状が悪化したりする場合は手術の適応となります。
腰部脊柱管狭窄症の手術療法
腰部脊柱管狭窄症の手術は大きく分けて「除圧術」と「除圧固定術」の2種類があります。
除圧術 | 神経を圧迫している背骨の一部を取り除いて、圧迫されている部分の除圧をする手術 |
除圧固定術 | 除圧術をしたあとに、その部分を別のカ所の骨を移植して固定する手術 |
背骨の狭窄だけでなく、ずれがあったり変形が強かったりする場合は、除圧術をすると背骨の関節が不安定になります。
そのため、除圧に加えて固定する必要があり、除圧固定術が適応されるのです。
最近では小型のカメラを使用して、わずかな傷で手術を行う内視鏡での手術が多くなっています。
手術は全身麻酔で行われ、手術カ所や状態によりますが、1〜3時間以内で終了する場合が多いです。
傷口が小さくて回復も早いため、従来の切開して行う手術に比べて入院期間が短くなっています。
腰部脊柱管狭窄症の手術からリハビリまでの流れ
腰部脊柱管狭窄症で内視鏡手術をした場合、早期からベッドを離れて体を動かせます。
以下では、手術からリハビリまでの流れを解説します。
手術の翌日からリハビリ開始
手術当日は安静にしますが、翌日からリハビリが始まります。
ベッドから起きたり、座ったりといった動きを確認したあと、経過が良好であれば、コルセットを装着して歩くのも可能です。
コルセットは術後の背骨が安定するまで約3カ月間装着する必要があり、手術の翌日から正しい装着方法を習得するのが重要です。
2日目以降は状態に応じて積極的なリハビリを実施
2日目以降は歩行練習を含めて、活動的な生活を送るためのリハビリがしっかり行われます。
歩行が安定してくると、階段の昇降や屋外での歩行も開始して、退院が可能な状態まで回復を目指します。
ただ、中腰の作業や重い荷物を持つなどの動作は、腰に負担がかかるため、しばらく行ってはいけません。
退院までに、日常生活における注意点もしっかりと理解を深めておくのが重要です。
退院後も必要に応じて外来でのリハビリを受ける場合があります。
まとめ|腰部脊柱管狭窄症の手術費用を把握して手術とリハビリに備えよう
腰部脊柱管狭窄症は症状が悪化して、手術を勧められても、手術の費用や入院期間、リハビリまでの流れを知らないと不安になるのも仕方ありません。
本記事で紹介した内容を参考に、少しでも不安を減らしていただけると幸いです。
腰部脊柱管狭窄症により神経症状が悪化すると、日常生活を送るのに支障をきたします。手術が必要になる前に、早めに整形外科を受診して症状の悪化を防ぎましょう。
また、当院「リペアセルクリニック」では、幹細胞を使った再生医療による治療を行っています。
術後の後遺症でお困りでしたら、ぜひ以下の問い合わせ先からご相談ください。
【リペアセルクリニックへのご相談方法】 |
腰部脊柱管狭窄症の再生医療における事例は、以下の動画もご参考になれば幸いです。
腰部脊柱管狭窄症の手術費用に関わるQ&A
腰部脊柱管狭窄症の手術費用について、よくある質問と答えをまとめています。
Q.腰部脊柱管狭窄症の手術費用は保険適用になりますか?
A.はい、基本的には保険適用になります。
ただし、手術方法によっては保険適用外の場合もあるので注意が必要です。
事前に医療機関で、手術費用が保険適用なのか詳細を確認しておきましょう。
Q.腰部脊柱管狭窄症の手術費用は高額療養費制度の対象ですか?
A.はい、基本的には高額療養費制度の対象です。
高額療養費制度では、医療機関などを利用した際に、1カ月の合計支払い金額において、上限を超えた部分のお金が戻ってきます。
上限金額は、年収や所得に応じて変わるのが特徴です。
ただし、治療方法によっては、高額療養費制度の対象外になる場合もあります。
腰部脊柱管狭窄症の手術をする前に、医療機関で高額療養費制度が使えるのかを必ずご確認ください。