脳梗塞の様々な後遺症を改善する具体的なリハビリ方法と期間の目安
目次
脳梗塞の様々な後遺症を改善する具体的なリハビリ方法と期間の目安とは
「脳梗塞の後遺症を改善する方法について知りたい。」
「脳梗塞のリハビリについて具体的な方法を知りたい。」
こんな悩みを抱えている方はいませんか?
脳梗塞を発症すると、適切な治療を受けても後遺症が残ることがほとんどです。後遺症を改善し、元の日常生活に戻るためにも、長期間のリハビリが欠かせないのです。
そこで今回は、脳梗塞の後遺症や改善する方法、リハビリについて説明しますので、ぜひ参考にしてください。
脳梗塞の後遺症は改善できるのか?
脳梗塞にはさまざまな後遺症や合併症があり、その後の回復の仕方もさまざまです。
脳梗塞のリハビリは、自立生活を取り戻し、生活の質を向上させるのに役立ちます。脳梗塞の影響を受けた脳の部分に応じて、さまざまなリハビリを行います。
脳梗塞のリハビリには多くの職種が関わります
以下のように脳梗塞のリハビリには、さまざまな専門家が関与します。
医師や看護師かかりつけの医師は、神経科医や理学療法とリハビリテーションの専門家と同様に、あなたのケアを指導し、合併症の予防に役立ちます。 理学療法士ウォーキングやバランスの維持などの動きを再学習するのに役立ちます。 作業療法士着替え、入浴、家事のスキルなどのより自立した活動的な生活を送るのをリハビリを通して助けます。 |
さらに、感情的、社会的リハビリに焦点を当てた専門職もあります。
ソーシャルワーカーソーシャルワーカーは、医療、福祉、介護などにおいて、相談員として支援を行い、日常生活を送る上で、困り事や問題を抱えている方に対して援助や支援の調整を行います。 心理学者これらの専門家は、あなたの思考スキルを評価し、あなたの精神的および感情的な精神衛生上の懸念に対処するのに役立ちます。 |
脳梗塞のリハビリの結果に影響を与える要因は?
脳梗塞の回復には個人差があります。どれだけ多くの能力を回復させられるか、またどれくらい早く回復できるかのを予測するのは困難です。
一般的に、脳梗塞リハビリの成功は次の要素に依存します。
身体的要因脳梗塞の重症度など 感情的要因モチベーションや気分など 社会的要因友人や家族のサポートなど 治療上の要因リハビリの早期開始や有無やリハビリチームのスキルなど |
回復率は一般に、脳梗塞後の数週間から数ヶ月で最も大きくなります。
脳梗塞からの回復は、長期間にわたって必要であり、途中で挫折してしまうことはよくあることです。
改善に向けて最大限の効果を得るのに長時間かかることを理解しておきましょう。
脳梗塞のリハビリの具体的な方法と期間の目安とは
リハビリ計画は、脳梗塞の影響を受けた体の部位や能力の種類によって異なり、主に以下の3つの時期に分けられます。
①急性期のリハビリ : 発症〜 48 時間以内
急性期のリハビリとしては、運動機能の改善などが含まれます。
運動機能の回復訓練全身の筋力と協調運動を改善するのに役立ちます。これらには、バランス、歩行、さらには飲み込むために使用される筋肉が含まれます。 歩行器、杖、車椅子、足首装具などの移動補助具の使い方を学んだり、ベッドから立つ、座るなどの離床訓練も必要です。 関節の可動域訓練特定の運動や治療は、筋肉の緊張(痙縮)を緩和し、可動域を取り戻すのに役立ちます。 看護師や理学療法士が行う他動的運動と自分で動かす自動運動に分けられます。 |
②回復期のリハビリ : 3〜6 ヶ月
回復期では、日常生活に戻ることを目的とし、主に以下のようなリハビリを行います。
機能的電気刺激弱った筋肉に電気を流して収縮させることで、筋肉に運動の仕方を再学習させることができます。 ロボット訓練ロボット装置は、障害のある手足が反復運動を行うのを支援し、手足の強さと機能を回復するのを助けます。 言語機能訓練失語症などの後遺症が残ったら、読み書きや言葉の言語機能の訓練を行います。 作業療法作業療法と言語療法は、記憶、処理、問題解決、社会的スキル、判断力、安全意識などの認知能力の喪失を手助けすることができます。 心理的評価と治療脳梗塞後の後遺症として心理的なケアも大切です。カウンセリングを受けたり、支援グループに参加したりすることもできます。 |
③維持期のリハビリ : 回復期以降
維持期では退院後に主に日常生活を取り戻すためにストレッチなどの軽めの運動から始めます。
退院前に、患者さんとその家族は、病院のソーシャルワーカーやケアチームと協力して、最適なリハビリ環境を決定する必要があります。
ここで考慮すべき要因には、適用される保険、患者さんとその家族にとって何が最も便利かなどがあります。
病院の外来病院または診療所の外来に通います。 専門的な介護施設介護施設で受けられるケアの種類はさまざまです。 自宅でのリハビリ自宅でリハビリを行うことで、柔軟性が高くなります。ただし、専門のリハビリ機器を利用できない可能性があります。また、在宅プログラムの保険適用範囲は大きく異なります。 |
最良の選択肢について、医師や家族としっかりと話し合うことが大切です。
脳梗塞のリハビリで気をつけるべきポイントは?
脳梗塞の後遺症を改善するためにリハビリが有効ですが、気をつけるべきポイントについてみておきましょう。
残された能力も同時に鍛えながらリハビリを行うこと
失われた機能を取り戻すことに執着しがちですが、健常な機能を維持することも大切です。
例えば、片麻痺で健常な方を鍛えることで、後遺症を残した部位のサポートを行うことが可能です。バランスよくリハビリを行うことを心がけましょう。
リハビリは無理をせずじっくり行うこと
リハビリはすぐに効果が出るわけではないため、焦らないことが大切です。
また、痛みが出たら、リハビリは中止しましょう。無理にリハビリを行うと逆効果になってしまいます。
脳梗塞のリハビリに関するよくあるQ&A
最後に、よくある質問について Q & A でまとめましたので、参考にしてください。
Q ,脳梗塞のリハビリはいつから始めるべき?
A ,一般的には、脳梗塞のリハビリを開始するのが早ければ早いほど、失われた能力やスキルを取り戻せる可能性が高くなります。
脳梗塞のリハビリは、脳梗塞発症後 24 時間から 48 時間以内の入院中に開始するのが一般的です。
Q ,脳梗塞のリハビリはどのくらい続けますか?
A ,脳梗塞リハビリが必要な期間は、脳梗塞の重症度と関連する合併症によって異なります。
ほとんどの場合、長期間にわたるリハビリが必要であり、数か月または数年続く可能性があります。
脳梗塞の様々な後遺症を改善する具体的なリハビリ方法と期間の目安/まとめ
いかがでしたでしょうか。
脳梗塞の後遺症は、適切な治療とリハビリを行って改善を目指すことができます。その為には、退院後の日常生活でも継続的なケアが必要になってまいります。
今回の記事では、実際のリハビリの方法や気をつけるべき点について解説してきました。脳梗塞から早く仕事復帰するためには、入院期間中早い段階からのリハビリを適切に行うことが不可欠です。
今回の記事で、改めてリハビリについて理解し、活用してみてください。
No.S101
監修:医師 加藤 秀一