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アキレス腱断裂の予防と再発予防策を医師が解説!

公開日: 2023.06.01
更新日: 2024.10.07

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アキレス腱断裂の予防と再発予防策を医師が解説

アキレス腱断裂の予防には、ふくらはぎの柔軟性を保ち、使いすぎを防ぐようにするのが大切です。また、アキレス腱断裂後は、適切なトレーニングをして再発予防をします。

本記事では、アキレス腱断裂の予防方法や再発予防策を紹介します。日頃からスポーツをする方はもちろん、運動不足でスポーツを始めようとする方も、アキレス腱断裂の予防にぜひ参考にされてください。

アキレス腱断裂 予防

アキレス腱断裂とは?原因や症状を解説

「アキレス腱断裂」とは、踵にあるアキレス腱が、スポーツや仕事などで生じる負担で断裂する怪我です。

まずはアキレス腱断裂がどのような怪我なのかを解説して、断裂が生じる原因を紹介します。

アキレス腱断裂の原因

30〜40歳代のスポーツ実施中によく見られます。また、加齢によってアキレス腱が老化したり、使いすぎて負担が蓄積したりすることがアキレス腱断裂の原因です。

アキレス腱は足首の後ろ側にあり、ふくらはぎの筋肉である腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋が合流して踵につく部分の腱です。腓腹筋とヒラメ筋は合わせて下腿三頭筋(かたいさんとうきん)と呼び、つま先立ちを可能にします。

スポーツなどの動作で、下腿三頭筋が強く働いたり、急にアキレス腱が伸ばされたりしたときの衝撃で断裂してしまいます。

アキレス腱断裂の症状

アキレス腱が断裂すると、誰かに足をけられたような感覚や「ブツッ」というアキレス腱が切れた音を自覚する場合があります。

また、断裂により次のような症状がみられます。

  • 1 ,歩行障害
  • 2 ,断裂部の痛み
  • 3 ,つま先立ちが困難
  • 4 ,断裂部がへこむ

それぞれの症状について解説します。

1 ,歩行障害

断裂した直後は、うまく踏ん張れず、歩くことが難しくなります。しかし、しばらくするとべた足で歩ける場合も少なくありません。

2 ,断裂部の痛み

断裂部の痛みがありますが、強い痛みは一時的でその後は痛みが少ないこともあります。

また、断裂部を抑えると痛みがあります。

3 ,つま先立ちが困難

つま先立ちは下腿三頭筋の強力な筋力が必要になります。そのため、アキレス腱断裂により下腿三頭筋の力がうまく発揮できなくなると、つま先立ちが難しくなります。

体重をかけずにつま先を下に向けるよう足首を動かすことは可能です。

4 ,断裂部がへこむ

完全にアキレス腱が断裂すると、断裂した部分がへこんだように見えるのが特徴です。しかし、部分的な断裂だと、腫れによりへこみがあまりわからない場合もあります。

アキレス腱断裂の予防

アキレス腱が切れやすい人の特徴は、アキレス腱の老化による柔軟性や筋力の低下が挙げられます。そのため、柔軟性や筋力を保つことがアキレス腱の予防に大切です。

具体的には次のような方法があります。

  • ・下腿三頭筋のストレッチ
  • ・下腿三頭筋の筋力トレーニング
  • ・日常生活やスポーツ時の工夫

それぞれの方法やポイントについて解説しますので、実践可能なものから取り入れましょう。

下腿三頭筋のストレッチ

下腿三頭筋の柔軟性を高めアキレス腱にかかる負担を減らすようにしましょう。下腿三頭筋は腓腹筋とヒラメ筋が合流した筋肉です。それぞれの筋肉によってストレッチの方法が違うので注意しましょう。

まずは腓腹筋のストレッチ方法を紹介します。

 腓腹筋のストレッチ

  • 1.    立った状態で左足を後ろに引く
  • 2.    右足の膝を曲げながら体重を前にかけていく
  • 3.    左足の膝は伸ばして踵を地面から離さないようにする
  • 4.    左足のふくらはぎが伸びているのを感じながら30秒キープする
  • 5.    脚を左右変えて同じようにする。

腓腹筋ストレッチ

 

次にヒラメ筋のストレッチ方法です。

 ヒラメ筋のストレッチ

  • 1.     しゃがんだ状態で左脚を立てて片膝立ちになる
  • 2.     左足に体重をかけるように前に重心を移動させる
  • 3.     左足の踵が地面から離れないようにする
  • 4.     左足のふくらはぎが伸びているのを感じながら30秒キープする
  • 5.     脚を左右変えて同じようにする。
    ヒラメ筋ストレッチ

ヒラメ筋は膝を曲げながらストレッチをかけるのがポイントです。膝を曲げると腓腹筋が緩んだ状態になるので、ヒラメ筋を単独でストレッチできます。

下腿三頭筋の筋力トレーニング

下腿三頭筋のトレーニングとしては、立った状態でゆっくり踵の上げ下ろしをする「カーフレイズ」が有名です。

カーフレイズ

膝を伸ばした状態と曲げた状態の両方で行うと、腓腹筋、ヒラメ筋を両方鍛えることができます。

バランスがとりづらい方は椅子やテーブルを持って行うと良いでしょう。

カーフレイズ

10回を最初の目標にして、ふくらはぎが疲れない程度に取り組みましょう。

日常生活やスポーツ時の工夫

日常生活で運動不足を解消して、散歩や前述のストレッチや運動でアキレス腱を若々しい状態に保つことが大切です。

また、スポーツ時に急に激しい運動をするのではなく、事前のストレッチや軽めの体操など取り入れ、アキレス腱にいきなり強い負荷をかけないようにしましょう。

スポーツ医療の治療

アキレス腱断裂の再発予防

一度アキレス腱が断裂すると、修復まで腱がもろい状態ですので再断裂のリスクをともないます。そこで再発予防の方法を解説します。

適切なトレーニングの実施

アキレス腱の修復の状態に合わせて、適切なトレーニングやケアをする必要があります。アキレス腱断裂には手術をする場合と、手術をしない保存療法の場合があります。どちらの場合でも、いきなり激しいトレーニングは禁物です。

最初は怪我した部分以外からトレーニングを行い、徐々に下腿三頭筋に負荷をかけて筋力を戻していきます。そして、必要に応じてスポーツ動作の練習をしていき、競技復帰を目指します。

再発を予防するためには、整形外科を受診して、医師や理学療法士などの専門家の指導のもとで、適切なトレーニングを実施しましょう。

アキレス腱へ無理な負荷をかけない

激しい運動を控えたり、ストレッチなど事前の準備なく運動をしないようにしたりなどアキレス腱へ無理な負担をかけないようにしましょう。

サポーターやテーピングを活用して、アキレス腱にかかる負担を軽くするのも良いでしょう。

まとめ・アキレス腱断裂を予防するために日頃からストレッチや運動を心がけよう

アキレス腱の断裂を予防するために、下腿三頭筋のストレッチや筋力トレーニングを日頃から行い、柔軟性や筋力を保つようにしましょう。

また、運動不足で急に激しい運動をしたり、ストレッチをせずにスポーツをすることは避けましょう。

再断裂のリスクは不適切なトレーニングや無理な運動で高まります。医師や理学療法士などの助言をしっかり受けて、適切な方法でスポーツなどに復帰するようにしましょう。

本記事で紹介したストレッチや運動は誰でも簡単に実践できます。運動不足を感じる方は、アキレス腱断裂予防のために、今日から実施しましょう。

この記事がご参考になれば幸いです。

スポーツ外傷は⼿術しなくても治療できる時代です。

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