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PLDDに効果はあるのか|合併症のリスクも含めて検討しよう

pldd 効果
公開日: 2024.03.05 更新日: 2025.10.31

腰椎椎間板ヘルニアの治療でPLDDを検討している方の中には、「本当に効果があるのか」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

PLDDは体への負担が少ない低侵襲の治療として注目されていますが、選択する際には医学的な根拠に基づいた理解が欠かせません。

本記事では、PLDDにどのような効果があるのか、信頼性の高い論文データに基づいて解説していきます。

また、合併症のリスクも解説するので、PLDDで治療すべきか迷っている方は参考にしてみてください。

なお、当院「リペアセルクリニック」では、PLDD後の後遺症に対する治療として再生医療を導入しており、公式LINEにて情報提供および簡易オンライン診断を行っております。

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PLDDの効果【データを基に解説】

PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)は、腰椎椎間板ヘルニアに対する治療法のひとつですが、その効果に関しては信頼できるデータに基づいた理解が重要です。

ここでは、医学論文に記載された統計データをもとに、PLDDの有効性と安全性について詳しく解説します。

保存療法と比較して約7倍の疼痛改善効果

PLDDの疼痛軽減効果は、従来の保存療法と比較して大幅に優れていることが示されています。

医学論文によれば、薬物療法や理学療法などの保存的治療を受けた患者群では、6カ月後の痛みの程度を示すスコア(VASスコア:視覚的アナログスケール)が平均4.1%しか減少しなかったのに対し、PLDDを受けた群では同期間で平均30%もの有意な減少が確認されました。(文献1

さらに、機能評価のひとつである「Macnab基準」においても、PLDDを受けた患者の約39.8%が「優良」または「良好」と評価され、生活の質の改善が裏付けられています。

この報告から、PLDDは保存療法と比べて、約7倍の疼痛軽減効果を示す治療法といえます。

成功率70〜89%|合併症率は0.3〜1.0%

PLDDの有効性は、長期的かつ国際的なデータでも明らかにされています。

オーストリアのグラーツ大学脳神経外科によると、1986〜2009年にかけての23年間の集計で、PLDDの成功率は70〜89%という高水準で推移していたと報告しています。(文献2

一方で、合併症発生率は0.3〜1.0%と非常に低く、主な合併症は椎間板炎に限られていました。また、再発率も4~5%に抑えられており、長期的な予後も比較的安定しています。

これらの結果から、PLDDは高い成功率と低い合併症率を兼ね備えた、安全性と有効性の両面で信頼性のある治療法といえます。

3年後も効果が持続|年齢に関わらず有効

PLDDの治療効果は一時的なものではなく、長期的に維持されることが示されています。

42名を対象とした3年間の追跡研究では、治療後3カ月で臨床症状が有意に改善し、その効果が3年間にわたり持続していました。(文献3

また、年齢別の効果比較においても、45歳以下および45歳超の両グループで同様に良好な治療成績が確認されています。

年齢によって治療効果に差は見られず、PLDDは幅広い年代の患者にとって有効な選択肢のひとつです。

手術後の日常生活への復帰は平均1週間

PLDDのメリットのひとつが、術後の回復が早い点です。

複数の研究によれば、PLDDの治療が成功した患者は、平均して1週間以内に通常の日常生活に復帰していました。(文献2

外来で実施できるため全身麻酔を必要とせず、身体への負担が少ないという特徴が背景にあります。

また、手術後のリハビリテーションが短期間ですむことも、早期回復に寄与しています。

結果として、仕事や家庭生活への影響を最小限に抑え、早期の社会復帰を可能にしています。

PLDDは効果が期待できても合併症のリスクがある

PLDDは、椎間板ヘルニアに対する低侵襲な治療法として注目されています。

成功率が高く回復も早い一方で、一定の合併症リスクが存在します。

ここでは、PLDDの主な合併症リスクについて解説します。

神経障害

PLDDでは、レーザーの熱によって神経根に障害が及ぶリスクがあります。

主に照射範囲の誤りや過剰な出力が原因で、まれに術後のしびれや感覚異常、疼痛の悪化が現れることがあります。術者の技術と経験が重要な治療法です。

とくに、術中に使用する針の挿入角度やレーザーのパルス設定が適切でないと、周辺神経への熱損傷を引き起こす可能性があります。

また、術後の神経学的評価も欠かせません。

炎症

PLDDの治療では、椎間板内での熱反応や物理的刺激により、非感染性の炎症(無菌性椎間板炎)が生じるケースがあります。

炎症によって術後一時的に疼痛が強くなる場合もありますが、通常は消炎鎮痛薬で管理可能です。

エネルギー設定と照射時間の適切な管理が重要であり、実績がある医療機関で施術してもらう必要があります。

また、治療後数日以内に発熱や局所の痛みが増した場合は、感染症との鑑別が重要となるため、医師の診察を早期に受けましょう。

ヘルニアの再発

PLDDの術後も、椎間板にかかる力や加齢による変性によって再発が生じる場合があります。

蒸散量が不十分な場合や、術後の生活管理が不適切な場合に再発リスクが高まるのです。

報告によると、PLDDの再発率は約4~5%とされています。(文献2

ただし、肥満や重労働など椎間板に過度な負担がかかる状況では再発率が上昇する可能性があるため、医師による生活指導とフォローアップが極めて重要です。

椎間板損傷

レーザー照射による過熱や針の位置が不適切な場合、椎間板の線維輪に損傷を与えることがあります。

損傷が進行すると椎間板の変性や再突出の原因となるため、術者による照射出力の調整と正確な針の操作が重要です。

また、椎間板損傷は術中には見逃されやすいため、術後の画像検査や定期的なモニタリングによって早期に変性の兆候を見つける体制が望まれます。

感染症

PLDDは皮膚から椎間板にアプローチするため、無菌操作が不十分な場合には感染症のリスクがあります。

とくに、椎間板炎は重大な合併症であり、予防のためには抗生物質の使用や術中の滅菌管理が不可欠です。

早期の症状把握と治療介入が重症化を防ぐ鍵となります。

感染予防としては、術直前の抗菌薬投与やディスポーザブル機器の使用、清潔操作の徹底が基本です。

術後は倦怠感や発熱、患部の疼痛増強がないか、注意深く観察する必要があります。

PLDDを避けたい方へ|再生医療という治療選択肢

手術を伴う治療に不安を感じる方には、再生医療という選択肢もあります。

再生医療とは、本来の機能を失った組織や細胞に対して、自分自身の幹細胞や血液を用いる治療法です。

幹細胞は、細胞環境に応じて異なる細胞に変化する能力を持ち、PRP(多血小板血漿)に含まれる成長因子には、炎症を抑える働きがあります。

体への負担を抑えた治療を検討している方にとって、手術を伴わない選択肢になっています。

当院「リペアセルクリニック」では、脂肪由来の幹細胞を用いた治療や、PRP療法を実施しています。

いずれの治療法も入院や手術は不要で、日帰りでの対応が可能です。

ヘルニアに対する再生医療について、詳しくは以下をご覧ください。

手術しなくても治療できる時代です。

ヘルニアのお悩みに対する新しい治療法があります。

まとめ|PLDDの効果と合併症リスクを見極めよう

PLDDは体への負担が少なく、日常生活への早期復帰を希望する方にとって検討しやすい治療法のひとつです。

一方で、神経障害などの合併症リスクもあるため、慎重な検討が求められます。

とくに、保存療法や他の選択肢と比較検討する際には、医師による十分な説明と理解が不可欠です。

当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアの術後の後遺症や神経に関する悩みに対して、再生医療の「自己脂肪由来の幹細胞治療」を提供しています。

幹細胞の投与方法として、静脈点滴に加え、脊髄腔内への直接投与も行っており、損傷部位への到達経路の工夫に取り組んでいます。

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PLDDの効果に関するよくある質問

PLDDの費用は?

PLDDは公的健康保険の対象外であるため、治療にかかるすべての費用が自己負担です。

手術そのものの費用にとどまらず、適応の判断に必要な診察や検査、治療後の薬剤処方なども含まれます。

医療機関によって金額は異なりますが、数十万円程度の費用がかかるケースが一般的です。

PLDDの費用感については、以下の記事でも詳しく解説しています。

PLDDの手術中や手術後の痛みはどのくらい?

PLDDは、皮膚に小さな針を刺すだけの低侵襲な治療法であり、一般的な手術に比べて術中や術後の痛みが少ない点が特徴です。

施術ではまず局所麻酔を行い、針を刺したときの痛みを感じにくくする工夫がされています。

また、メスで皮膚を切開する必要がないため、術後に傷口の痛みで悩まされることもありません。

PLDDは身体への負担が少なく、手術に伴う痛みを抑えやすい治療法といえるでしょう。

PLDDに治療のデメリットはある?

PLDDは体への負担が少ない治療法とされていますが、いくつかの注意点もあります。

たとえば、術後に新たな腰痛やしびれ、筋肉の張りを感じるなど、今までになかった症状が現れるケースがあるのです。

術前より悪化するとは限りませんが、まれに数週間続く場合もあります。

また、神経根炎や椎間板炎、感染症などの合併症が起こる恐れもあり、適応を誤ると十分な改善が得られません。

PLDDを選択する際には、リスクも含めて事前に十分な説明を受けた上で慎重に検討しましょう。

PLDDに後遺症はある?

PLDDは、術後に後遺症が残る可能性も完全には否定できません。

後遺症には、次のような症状があります。

  • 神経障害:術後に新たなしびれや感覚異常が残る
  • 慢性的な痛み:炎症が長引き、椎間板や隣接組織の変性により疼痛が継続する
  • 椎間板の変性・損傷進行:照射による熱刺激が線維輪や隣接構造に影響を与える
  • 再発性ヘルニア:時間の経過とともに症状が再燃する

頻度として高くはないものの、術前適応の判断や術中操作、術後管理を慎重に行わなければリスクが高まる点に留意しておきましょう。

PLDDは厚生労働省に認可されている先進医療?

かつては、厚生労働省が定める「先進医療」として認められていた時期があり、手術費用のみが自費扱いで、診察や検査などは保険適用が可能でした。

しかしながら、平成24年に「有効性や効率性が十分に示されていない」として、先進医療の対象から除外されています。

したがって、現在ではすべてが自由診療として取り扱われており、治療を検討する際には事前に費用の確認が重要です。

ヘルニアの治療でPLDDに失敗はある?

PLDDは低侵襲で体への負担が少ない治療法とされていますが、効果が得られず失敗と感じるケースもあります。

治療の適応が不十分だった場合や、椎間板の変性が進行していた場合などは、症状が改善しないことがあるのです。

また、再発や別の治療を検討せざるを得ないケースもあるため、PLDDを検討する際は、事前に治療の限界や再施術の可能性についても確認しておきましょう。

PLDD手術で失敗があるかに関しては、以下の記事もご覧ください。

参考文献

(文献1)
Comparative Efficacy of Percutaneous Laser Disc Decompression (PLDD) and Conservative Therapy for Lumbar Disc Herniation: A Retrospective, Observational, Single-Center Study|PubMed

(文献2)
23rd Anniversary of Percutaneous Laser Disc Decompression (PLDD)|PubMed

(文献3)
Efficacy evaluation of percutaneous laser disc decompression in the treatment of lumbar disc herniation|PubMed