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高周波熱凝固法にデメリットはある?慢性難治性疼痛への効果と副作用を紹介

高周波熱凝固法 デメリット
公開日: 2024.03.29 更新日: 2025.10.31

高周波熱凝固法は高周波の電磁波から放出される熱を用いて、神経を構成するタンパク質の一部を凝固させる治療法です。

局所麻酔剤やステロイド製剤を用いた神経ブロックでは十分な効果が得られない際に行われる治療法として知られています。

比較的長期にわたり痛みを抑えられる治療法ですが、後遺症や合併症を起こす可能性についても知っておかなければなりません。

本記事では高周波熱凝固法の効果やメリット・デメリットについて解説します。

高周波熱凝固法の後遺症や合併症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。

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高周波熱凝固法を受けるメリットとその効果

高周波熱凝固法を受ける主なメリットと効果は以下のとおりです。

  • 長期的に痛みを抑える効果が期待できる
  • パルス高周波法は低温で神経を傷つけにくい
  • 手術ではないため日帰りで実施できる

それぞれについて解説します。

長期的に痛みを抑える効果が期待できる

高周波熱凝固法のメリットの一つが、長期的に痛みを抑える効果が期待できる点です。

症状を引き起こしている神経を特定した上で高周波の電磁波で凝固させると、比較的長期にわたり脳に痛みが伝達されるのを阻害します。

効果の持続期間には個人差がありますが、凝固の程度により半年から1年以上効果が持続するケースも少なくありません。

一般的な神経ブロックの効果が数時間から数週間ほどしか持続しないことを考えると、生活の質を向上させる上で大きなメリットといえるでしょう。

高周波熱凝固法の対象となる主な疾患は以下のとおりです。

  • 頚椎・腰椎椎間板ヘルニア
  • 頚部・腰部脊柱管狭窄症
  • 仙腸関節障害
  • 腰椎すべり症
  • 腰椎椎間関節症
  • 三叉神経痛など

ただし、高周波熱凝固法の適応症例は病院やクリニックにより異なります。

パルス高周波法は低温で神経を傷つけにくい

高周波熱凝固法と似た治療法の一つがパルス高周波法です。

高周波熱凝固法は70℃から90℃の温度で電磁波をおよそ120秒間流し、熱の力で神経を構成するタンパク質を凝固させます。(文献1

パルス高周波法は42℃の電磁波をおよそ300秒流し、間欠的に電気的刺激を与えるのが特徴です。

比較的低温の刺激のため神経を傷つけにくく、しびれや脱力感などの副作用を引き起こすリスクが低いメリットがあります。

整形外科やペインクリニックなどでは、症状のあらわれ方や程度に応じて、高周波熱凝固法とパルス高周波法のどちらが適しているか判断した上で実施しています。

手術ではないため日帰りで実施できる

高周波熱凝固法のメリットの一つが、手術ではないため日帰りで実施できる点です。

局所麻酔剤やステロイド製剤を用いて行う神経ブロックと同じく、高周波熱凝固法の施術も痛みを引き起こしている神経の近くに針を挿入して高周波の電磁波を流します。

高周波熱凝固法の治療には、およそ0.5mmから0.7mmと細い針が用いられます。

治療に伴う痛みが少ない上、切開して行う手術に比べて非常に傷口が小さく、外来で治療が受けられるため入院の必要がありません

局所麻酔剤やステロイド製剤を用いたブロック注射に比べると、副作用のリスクが比較的低い点も高周波熱凝固法のメリットの一つです。

高周波熱凝固法の主なデメリット・副作用

高周波熱凝固法のデメリット・副作用としては以下の例が挙げられます。

  • 神経を焼くため感覚が鈍くなることがある
  • 身体の状態によっては受けられない可能性がある
  • 術後でも後遺症や合併症のリスクがある
  • 一度治った慢性難治性疼痛も再発する可能性がある
  • 保険診療の適用外となる場合があり費用が高くなることがある

それぞれについて解説します。

神経を焼くため感覚が鈍くなることがある

高周波熱凝固法のデメリットの一つが、電磁波で神経を焼くため術後に感覚が鈍くなるケースがある点です。

高周波熱凝固法では痛みの原因となる神経の近くに針を挿入し、ピンポイントで高周波の電磁波を流すのが特徴です。

針から放出される電磁波が神経内部のイオン分子を振動させると、分子運動が活発化した組織が高温となり、神経を構成する一部のタンパク質を変性させます。(文献2

高周波熱凝固法により変性した神経は、脳に痛みを伝達する機能を失うため、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などに伴う疼痛の改善に効果的です。

一方で、神経が変性すると周囲の皮膚の感覚が鈍くなるリスクがあります。

運動神経の鈍麻による脱力感が生じたり、筋力の低下を引き起こしたりする可能性がある点も、高周波熱凝固法のデメリットの一つです。

高周波熱凝固法によって感覚が鈍くなった状態は、神経が自然に再生されるまで続きます。

身体の状態によっては受けられない可能性がある

高周波熱凝固法のデメリットの一つに、身体の状態によって施術が受けられない点も挙げられます。

以下に該当する方は、高周波熱凝固法の治療を受けられない可能性があります。

  • 抗凝固薬・抗血小板薬を服用中の方
  • ペースメーカー・除細動器を使用している方
  • 局所麻酔に対するアレルギーをお持ちの方
  • 妊婦・妊娠の可能がある女性および授乳婦

抗凝固薬や抗血小板薬など血液が凝固しにくい状態にある方は、高周波熱凝固法をはじめとする神経ブロックを受けるべきではありません。(文献3

ペースメーカーや除細動器を使用している方が高周波熱凝固法の治療を受けると、電磁波により機器に悪影響を及ぼす可能性があります。

局所麻酔薬に対するアレルギーをお持ちの方は、術前の麻酔剤の投与によりアナフィラキシーショックを起こす恐れがあるため注意が必要です。

妊婦や妊娠の可能性がある女性、授乳婦に関しても高周波熱凝固法の治療は推奨されていません。

術後でも後遺症や合併症のリスクがある

高周波熱凝固法の治療を受けた後に、以下の後遺症や合併症を発症するケースがあります。

症状 具体的な症状
後遺症 しびれ・チクチクした感覚・出血・熱傷など
合併症 感染・知覚鈍麻・運動障害など

高周波熱凝固法で神経に変性が生じると、手足のしびれやチクチクとした感覚などの後遺症を生じる可能性があります。

針を刺した場所に出血を起こしたり、熱により火傷を起こしたりするケースも珍しくありません。

稀な例ですが針を刺入した場所に細菌が入り込んで感染症を発症したり、神経ブロックの作用で知覚鈍麻が生じたりするケースもあります。

高周波熱凝固法は原則として運動神経は対象外ですが、治療の際に誤って傷つけてしまうと運動障害を発症する可能性があります。

一度治った慢性難治性疼痛も再発する可能性がある

高周波熱凝固法のデメリットの一つが、一度は治ったと思われた慢性難治性疼痛が再発する可能性がある点です。

高周波熱凝固法によって消失した痛みが再発する主な理由は以下のとおりです。

  • 原疾患が改善していない
  • 神経が再生する
  • 効果が不十分

高周波熱凝固法により消失した痛みが再発する理由の一つが、原因となる疾患が改善していない点です。

たとえば腰椎圧迫骨折が原因で痛みが生じている場合、高周波熱凝固法の治療で一時的に痛みが緩和しても、骨折自体が治らなければ痛みが再発しがちです。

また、高周波熱凝固法で焼いた神経が再生すると、痛みのサインが再び脳へと伝達されはじめる可能性があります。

痛みの原因によっては、高周波熱凝固法の治療だけでは不十分なケースもあります。

保険診療の適用外となる場合があり費用が高くなることがある

高周波熱凝固法のデメリットの一つが、保険診療の適用外となった場合に費用が高くなる可能性がある点です。

高周波熱凝固法は多くが健康保険の適用範囲内で受けられますが、場合によっては自費診療となるケースがあります。

高周波熱凝固法と似た治療法のパルス高周波法の場合、健康保険が適用されるのは1カ月の間に一度だけです。

1カ月に二回以上の治療を受ける場合、二回目以降の治療は自費診療が原則です。

自費診療の際にいくらかかるかは、病院やクリニックごとに異なります。

健康保険が適用されるケースでも、治療内容に応じて自己負担額が異なるため事前の確認が必要です。

高周波熱凝固法の術後後遺症でお悩みの際は再生医療もご検討ください

高周波熱凝固法の治療を受けた後に後遺症が発生した場合や、なかなか後遺症が改善しない場合の選択肢として幹細胞治療が期待されています。

幹細胞治療には他の細胞へ変化する分化能という能力があり、神経系の疾患やスポーツ外傷、変形性関節症などさまざまな症状が適応対象です。

当院リペアセルクリニックでは患者様自身の脂肪細胞から抽出した幹細胞を培養・増殖させ、点滴・注射を用いて患部に注入します。

手術の必要がなく大きな傷跡が残るリスクがない上、日帰りで治療を受けられる点がメリットの一つです。

日帰りできる!再生医療を受ける際の流れ 3ステップ

再生医療は手術の必要がなく大きな傷跡が残らない上、回復までに要する日数も短い点が特徴です。

当院リペアセルクリニックにおける再生医療は、以下の流れで実施するのが基本です。

1.脂肪採取:米粒3粒ほどの脂肪組織を採取
2.細胞培養・増殖:採取した幹細胞を培養・増殖
3.患部への投与:幹細胞を点滴・注射で患部に注入

当院リペアセルクリニックの再生医療では、患者自身の脂肪細胞から幹細胞を抽出し、培養・増殖させたのちに患部へ投与します。

細胞の培養には約1カ月かかりますが、培養後の投与・治療自体は1日で終わります。自己の細胞を用いた治療法のため副作用のリスクが少なく、拒絶反応の心配がない点がメリットの一つです。

再生医療の詳しい治療内容や適応症例については、以下のページをご覧ください。

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高周波熱凝固法のメリット・デメリットを考慮して治療法を選択しましょう

高周波熱凝固法は電磁波によって生じた熱の作用により、神経を構成するタンパク質の一部を凝固させる治療法です。

神経を凝固させることで痛みのサインが脳へ伝えられるのをブロックする点が特徴で、局所麻酔剤やステロイド製剤を用いた神経ブロックでは十分な効果が得られない場合に適用されます。

比較的長期にわたり痛みを抑えられる上、入院の必要がなく日帰りで治療を受けられる点がメリットです。

一方で、知覚神経の鈍麻や感染症、運動障害などの合併症や、チクチクした感覚や手足のしびれ、火傷などの後遺症が生じる可能性があります。

高周波熱凝固法により合併症や後遺症が生じた場合は、再生医療も有効な選択肢の一つです。

再生医療に興味がある方や、高周波熱凝固法の合併症・後遺症にお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」お気軽にご相談ください。

参考文献

(文献1)
神経ブロック|一般社団法人日本ペインクリニック学会

(文献2)
治療機器:高周波熱凝固装置|2020年6月748号医機学

(文献3)
神経ブロック|一般社団法人日本ペインクリニック学会