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頚椎捻挫(むち打ち)を早く治す方法とは?首が痛む方向けに現役医師が解説!
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「首(または腕)が痛く、1日でも早く治す方法が知りたい」
「首の痛みは日常生活にも影響するため、できるなら通院せず治したいけれど可能なの?」
頚椎捻挫が発症していると、首や腕の痛みだけでなく、しびれ、頭痛、めまいなどの症状が起きます。
早く治したい一心から、自宅でストレッチや軽い運動をしてしまうと、症状を悪化させてしまう恐れがあります。
そこで今回は現役医師の立場から、頚椎捻挫を早く治す方法をまとめました。
受傷からの期間別でどのような治療がおすすめなのかも解説したので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
【予備知識】頚椎捻挫を早く治す方法の前に押さえておきたい注意点
まず把握してもらいたいのが頚椎捻挫は、よく耳にする「むち打ち症」と同じ意味である点です。
自動車で運転中に追突事故に遭ったり、スポーツ中の衝突により首が過剰に動いたりすると起こる症状です。
首の筋肉や靭帯に損傷が起こる症状として知られています。そこで改めて頚椎捻挫の症状と治るまでの期間をお伝えします。
頚椎捻挫の主な症状
頚椎捻挫の症状として代表的なのは、主に首や腕の痛み、しびれなどが挙げられます。
しかし代表的な症状以外にも、以下の症状があるため注意しましょう。
- 腕の脱力感
- 肩こり
- 頭痛
- めまい
- 耳鳴り
- 動悸
- 倦怠感 など
以下の表では、タイプ別で症状や考えられる発症の原因をまとめました。
タイプ |
症状 |
発症の原因 |
頚椎捻挫型 |
首や腕の痛み |
首回りの筋肉や靭帯が引き伸ばされ発症する |
神経根症状型 |
手、指、腕のしびれ |
神経が圧迫されて脳からの伝達が伝わらなくなり発症する |
バレ・リーウー型 |
頭痛、耳鳴り、吐き気、難聴、視力低下 など |
事故後の安静(急性期の対応)が不十分だと発症しやすい |
脊髄型 |
足の感覚異常、排尿と排便のしにくさ |
脊髄の損傷から動きにくくなり発症する |
以下の記事では、頚椎捻挫の後遺障害等級についても触れているので、あわせて参考にしてください。
頚椎捻挫を治すまでの期間
頚椎捻挫が治るまでの期間は、患者様の容態によって異なりますが、1〜3カ月で症状が軽快するでしょう。
早ければ1〜2週間の方もいれば、6カ月かけても症状が残っている方もいます。
もしも6カ月経っても治らない場合は、後遺障害としての申請をするのがおすすめです。
以下の記事では、頚椎捻挫の後遺障害等級についても触れているので、あわせて参考にしてください。
頚椎捻挫を早く治す方法
頚椎捻挫を早く治したい場合、受傷してからの期間によって対処方法が異なります。
順番に早く治す方法を解説していきます。
早めの受診がおすすめ(1週間以内)
頚椎捻挫を受傷したら、あまり症状を感じていなくても早めに受診するのがおすすめです。
時間が経ってから急速に症状が出てくるケースがあるため、痛みを感じていなくても受診を検討してください。
受傷後すぐ(急性期)は、首に負担をかけないのが望ましいため、首を固定する「頚椎カラー」の装着が1つの選択肢になります。
患部に対し、リハビリを実施してしまうと、炎症が悪化する恐れがあるため、注意しましょう。
鎮痛剤の処方をしてくれる場合もあるため、まずは病院を受診するのが早く治る方法として挙げられます。
激しい運動を控える(〜2週間)
首の筋肉や靭帯に損傷が起こっている状態のため、受傷から2週間経過するまでは症状が軽いケースでも安静にしましょう。
むやみに動かし過ぎると症状を長引かせる原因になります。
「亜急性期」と呼ばれる時期になり、理学療法士によるリハビリを開始しながら早く治していきましょう。
物理療法として、温熱や低周波などによる治療も実施するケースがあります。
どれも自宅ではできない治療法になるため、専門医から適切なアドバイスを受けるのがおすすめです。
無理のない範囲でストレッチする(6カ月前後)
痛みが落ちついてきたら痛みが出ない範囲で首や肩周りを動かしましょう。
同時に、受傷から6カ月以上経っても以下の症状を感じる方は要注意です。
- 強い痛みは無いけれど首や肩周りが突っ張る
- なんとなくスッキリしない など
上記のような症状を感じる方は「慢性化」している恐れがあります。
筋肉や靭帯の損傷は安静にしていれば治りますが、筋肉の緊張状態は安静にしていると、どんどん固まってしまい、緊張状態が強くなってしまいます。
つまり、慢性化しないためにも適度なストレッチが必要になるのです。
デスクワークやスマホを見る習慣が多い現代人のほとんどが負担のかかる姿勢が続いています。
姿勢を治すためには肩甲骨や胸椎(両方の肩甲骨の間にある背骨)を動かすような体操や顎を引く運動、胸前の筋肉をほぐすストレッチをしましょう。
なお、頚椎捻挫が治っていない原因を確かめるには、MRI検査が選択肢として挙げられます。
以下の記事では、MRI検査の所要時間や注意点をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
早く治すなら週3の通院がおすすめ
捻挫を1日でも早く治したいのであれば、週3回の通院をおすすめします。
頚椎捻挫は受傷後、1週間以内の受診をおすすめしたように、時間の経過とともに急速な変化が伴うケースが大半です。
首や腕に負担をかけないよう固定したりリハビリを案内し始めたりする時期が、患者様によって異なるからです。
症状によって通院の頻度が異なるので、あくまで1つの基準として捉えてもらえると幸いです。
なお、症状や適切なリハビリなどでお困りでしたら、当院ではオンラインカウンセリングも実施しております。
「いつまでに治りそうなのか」「今の症状では何をすべきか」など、気になる方は以下からご連絡ください。
病院受診時の流れ
頚椎捻挫を早く治す方法を取り入れるため、病院の受診を検討している方に向け、実際の流れをお伝えします。
一般的な病院での受診時、以下の流れになるケースが大半です。
- 診断
- 安静
- リハビリ
それぞれ何を実施するのか、詳しく解説していきます。
受診
頚椎捻挫の受診は基本的に「整形外科」を選択しましょう。
整形外科は、頚椎捻挫や関節リウマチなど、慢性疾患を主に取り扱っています。
専門学校で3年間勉強し「柔道整復師」に合格した方が施術する整骨院とは異なり、医学部合格後、最低でも6年間の勉強と臨床実習が医師には必要です。
理学療法や物理療法を始め、CTやMRI検査など、正確な医学的な知識をもとに治療してもらうには、整形外科がおすすめです。
しかし、整形外科にはリハビリテーション専門のスタッフ(理学療法士や作業療法士)がいない整形外科もあります。
できれば理学療法士や作業療法士のいる整形外科を選択しましょう。
安静
頚椎捻挫を受傷したら、最初のうちは患部を安静にしておくのが無難です。
症状の重さにもよりますが、軽度であれば投薬(薬物療法)を行います。
症状が重い場合は頚椎カラーを装着し、少しでも患部を安静できるようサポートしていきます。
頚椎捻挫は症状の重さに関係なく急性期の症状を早く落ち着かせることが、早く治す方法として挙げられるのです。
リハビリ
頚椎捻挫で骨折や脱臼が発症していない限り、少しずつ痛みがない程度のリハビリを行います。
整形外科で専門的な知識と経験がある理学療法士や作業療法士になるリハビリ指導が始まります。
理学療法士や作業療法士が在籍していない整形外科の場合、温熱療法や牽引療法、電気治療を施しているので、受診時に治療方法を確認しておきましょう。
以下の記事では、頚椎捻挫の治療方法について、自宅でできる対処法を紹介しています。
悪化予防の観点から、ぜひ参考にしてください。
まとめ・頚椎捻挫をすぐに治したいなら受診してもらおう!
頚椎捻挫を早く治す方法は、すぐに受診し安静にしておくのがおすすめです。受傷直後は興奮状態で痛みを感じない場合もありますが、数日経ってから症状が出る可能性もあります。
仮に痛みを感じていなくても「受傷したら痛みがなくても受診」と考えておきましょう。
首回りの組織が損傷している可能性もあるため、スポーツだけでなくストレッチも含めて無理に首を動かすのは控えるのが無難です。
患部を動かすのは、痛みが落ち着いたらリハビリを実施しましょう。
動かさない期間が長くなってしまうと筋肉が固まってしまい、慢性化する可能性もある点に十分気をつけましょう。当院ではオンラインカウンセリングをはじめ、メール相談も承っております。
頚椎捻挫を早く治す方法を専門医からのアドバイスを受けたい方を含め、お気軽にお問い合わせください。