• 関節リウマチ
  • 内科疾患

関節リウマチの診断基準とは|2010年分類基準と検査の流れをわかりやすく解説

関節リウマチ 診断基準
公開日: 2024.07.22 更新日: 2025.10.07

「両手の関節がこわばっている気がする」

「朝になるとこわばりが強くなる」

「もしかしたら関節リウマチなのではないか」

手足や指などの関節に腫れやこわばりといった症状があると、関節リウマチを疑う方も多いことでしょう。医療機関で、「関節リウマチの疑いがある」と説明された方もいらっしゃるのではないでしょうか。

関節リウマチは、免疫異常により関節に炎症が生じる疾患です。しかし、関節炎症は他の疾患でも起こり、関節リウマチには確定的な診断基準が存在しません。そのため関節リウマチは、症状や各種検査所見などを総合的に判断した上で診断されます。

そこで本記事では、関節リウマチの診断で用いられる分類基準や、各種検査の役割について詳しく解説します。

当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。

関節リウマチの診断基準について知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください

\公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ リペアセルクリニック 公式LINE画像

LINE限定で無料オンライン診断を実施中!
>>簡単30秒で診断してみる

関節リウマチの診断基準

関節リウマチには、単一の症状で確定診断できる診断基準が存在しません。(文献1)

そこで使われるのが、分類基準と呼ばれるものです。従来は、1987年の米国リウマチ学会による基準が用いられていました。しかし、この基準では早期のリウマチ患者を診断できないケースがあったため、2010年に新たな分類基準が発表されました。詳しい内容は、次の章で説明します。

なお、分類基準はあくまで診療の目安として用いられるものです。実際は、医師が患者の症状や発症経過、検査結果などを総合的に判断した上で診断すると知っておきましょう。

関節リウマチの概要や症状などは、下記の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

関節リウマチの診断スコア|2010年分類基準の内容

2010年に、米国および欧州リウマチ学会が合同で新しい分類基準を発表しました。この分類基準は、関節の腫れや炎症があり、それらの症状が他の疾患で説明がつかない場合に適用されるものです。(文献1)(文献2)関節症状、血液検査、症状の持続期間について点数を合計し、6点以上であれば、関節リウマチの可能性が高いとされます。

関節症状の評価

関節症状については、症状が出ている関節の部位と数を数値化して評価します。詳細を表に示しました。(文献1)(文献2)

症状が出ている関節の部位と数 点数
大関節1か所 0点
大関節2~10か所 1点
小関節(大関節症状の有無を問わない)1~3か所 2点
小関節(大関節症状の有無を問わない)4~10か所 3点
11か所以上の関節(小関節1か所以上を含む) 6点

大関節とは、足や膝、ひじ、肩、股関節などを指します。小関節は、手や足の指、手関節などです。

血液検査で調べる項目

血液検査では、血清学的検査と炎症反応の2種類を調べます。(文献1)(文献2)

血清学的検査の項目は、リウマトイド因子と抗CCP抗体の2種類です。詳細を表に示しました。

検査結果 点数
2種類とも陰性 0点
1種類が陽性かつ、数値が基準値の3倍以下 2点
1種類が陽性かつ、数値が基準値の3倍より大きい 3点

炎症反応の項目は、CRP値と赤血球沈降速度の2種類です。詳細を表に示しました。

検査結果 点数
2種類とも正常値 0点
2種類のうちいずれかが異常値 1点

症状の持続期間

症状の持続期間も点数にカウントされます。詳細を表に示しました。(文献1)(文献2)

症状の持続期間 点数
6週間未満 0点
6週間以上 1点

診断における挑戦と注意点

早期の関節リウマチでは、典型的な症状や血液検査の異常が見られないことがあり、診断が難しい場合もあります。

また、他の関節疾患との区別も重要です。専門医は、豊富な経験をもとに総合的に判断します。

診断後も、定期的に患者の状態をモニタリングし、治療方針を適宜見直すことが必要です。

また症状や検査結果の変化を見逃さず、適切な治療を続けることが重要です。

血液検査および画像検査の役割

関節リウマチの主な検査としてあげられるのが、血液検査と画像検査です。この章では、各検査の役割を紹介します。

血液検査

免疫に関する検査としては、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体などがあります。

リウマトイド因子陽性は、リウマチ患者の約70~80%に見られます。しかし、リウマトイド因子は膠原病や肝臓病などリウマチ以外でも陽性を示すことがあるため、単独での診断は難しい状況です。(文献3)

抗CCP抗体もリウマチ患者の約70~80%で陽性を示します。リウマトイド因子とは異なり、リウマチ以外で陽性になることは少ないとされています。(文献3)

炎症に関する検査としてあげられるものが、CRPや赤血球沈降速度です。CRPは、全身の急性炎症を表す指標であり、赤血球沈降速度は、慢性的な炎症の指標です。この2つはリウマチ以外の炎症性疾患でも高値を示します。そのため、炎症の検査単独で関節リウマチを診断するのは難しいといえるでしょう。

関節リウマチの血液検査については、下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

画像検査

画像検査としては、単純X線検査、MRI検査、関節超音波検査などがあげられます。(文献4)

X線検査で確認できる所見は、主に以下のとおりです。

  • 関節周辺の軟骨の腫れ
  • 関節付近の骨の萎縮
  • 関節の変形
  • 骨びらん(関節周囲の骨が破壊される所見)

骨びらんは、リウマチの進行とともに見られる所見です。(文献4)

MRI検査では、関節の内部を覆う滑膜や骨の炎症などを調べます。MRI画像を有効に活用すると早期診断に役立ちます。

超音波検査は、骨びらんの有無や滑膜の厚み、血流などを調べることにより、関節破壊や炎症の状況を確認できる検査です。診察で確認できなかった関節の炎症を診ることも可能とされます。

検査所見は診断における重要な指標ですが、症状や発症経過も大切な判断材料です。検査結果が正常でも症状が持続する場合は、再度医療機関を受診してください。

なお、治療方法については再生医療という選択肢もあります。

当院「リペアセルクリニック」で行っている、関節リウマチに対する再生医療については以下の記事をご覧ください。

関節リウマチの診断基準を知った上で正しい診断を受けよう

関節リウマチの診断では、主に2010年分類基準が用いられます。しかし、この基準は関節リウマチの特徴を把握するための目安であり、確定診断に用いるものではありません。分類上の数値や検査所見に加えて、医師による総合的な診断が必要です。

検査結果が正常であっても症状が続く場合は、自己判断せず再度医療機関を受診しましょう。

関節リウマチは、早期診断と早期治療が重要であり、進行を防ぐためにも、早めの受診が望ましいといえます。

当院、リペアセルクリニックではメール相談オンラインカウンセリングを実施しています。関節リウマチの診断基準や現在の症状について疑問や不安をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

\無料オンライン診断実施中!/

無料の再生医療ガイドブックはこちらから!>>

関節リウマチの診断基準に関するよくある質問

関節リウマチの検査は何科で受けるものですか

基本的には、リウマチ科や膠原病科、もしくはこれらの科を標榜している整形外科です。自宅近くにこれらの診療科がない場合は、かかりつけの内科医を受診しましょう。リウマチの疑いがある場合は、かかりつけ医が紹介状を書いてくれるケースが多いため、それを持って専門の科を受診する流れになります。

公益財団法人日本リウマチ財団や、公益社団法人日本整形外科学会のホームページで専門医を探すことも可能です。

関節リウマチは検査をしたらすぐにわかりますか

関節リウマチは、検査をしたらすぐにわかるものではありません。関節リウマチの症状は、他の疾患による症状と類似していることも多く、診断が容易ではないためです。

レントゲンや超音波検査などは、検査結果がすぐに出ますが、MRI検査や各種血液検査は、結果が出るのに数日かかります。検査結果に加えて、患者の症状や医師の診察所見も加えて診断するため、確定診断には時間がかかると覚えておくと良いでしょう。

参考文献

(文献1)

関節リウマチの診断|公益財団法人日本リウマチ財団

(文献2)

関節リウマチと診断するための基準|リウマチe-ネット

(文献3)

診断のための検査|公益財団法人日本リウマチ財団

(文献4)

関節リウマチの画像診断|臨床リウマチ