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関節リウマチと膝の関節炎とは?症状と治療について医師が解説

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関節リウマチと膝の関節炎!症状と治療について医師が解説

関節リウマチは全身の関節に炎症が起こり、痛みや腫れを起こす病気です。

進行すると関節の変形や機能の障害を残してしまいます。

関節リウマチでは膝の痛み、膝の腫れも非常に多い症状の1つです。膝が痛いときは、変形性膝関節症で年のせいと思うかもしれませんが、もし関節リウマチだった場合に放置していると、悪化してしまう可能性もあります。

この記事では関節リウマチによる膝関節炎の症状や治療法について解説していきます。膝の痛みでお困りの方はぜひ参考にしてみてください。

リウマチ 膝
rheumatism knee

関節炎、関節リウマチとは

関節炎とは様々な原因で関節に炎症を起こしている状態の総称であり、関節リウマチは関節炎を起こす病気の1つです。

関節リウマチでは、自分の体を細菌やウイルスから守る免疫の異常によって関節の滑膜に炎症が起こり、痛みや腫れを起こしてしまいます。関節リウマチは無治療のままで放置してしまうと、関節が変形したり、痛みだすなど、機能的な障害をきたしてしまいます。

関節リウマチの主な原因

関節リウマチの多くは40-60歳代ごろの中高年の女性に発症します。正確な原因はまだ明らかになっていませんが、自己免疫疾患と考えられており、自分の組織に対して攻撃する抗体が作られてしまい、関節内の滑膜という組織にリンパ系の細胞が集まって炎症性の物質が作られることが原因と考えられています。

発症には遺伝的な要因や喫煙、歯周病などが関連しているとわかっています。発症すると関節炎によって痛みや腫れを起こし、進行すると関節の変形を生じてしまうため、早期の発見と治療が大切です。

リウマチによる膝関節炎の症状

関節リウマチで多い症状は手や足の指の腫れ、痛み、朝のこわばりなどです。また、膝関節で滑膜が増殖して、炎症を起こすと膝関節炎をきたしてしまいます。

膝関節炎の主な症状は、膝が腫れる、膝に水が溜まる、歩く時や階段での痛み、膝が曲がらないなどです。膝の痛みは膝裏に起こることが多く、曲げ伸ばしの時に音が生じることもあります。

また、炎症が強い場合には安静にしていても激痛を感じたり、歩けないくらいの痛みを生じる場合もあります。

膝関節炎、放っておくとどうなる?

膝関節炎を放置しておくと、関節の軟骨がなくなってしまい、徐々に関節の変形が進んでいきます。その結果、徐々に膝の曲げ伸ばしが難しくなり、骨同士がぶつかることによって痛みが悪化してしまいます。関節の変形を生じさせないためにも、早期の発見と治療が大切です。

リウマチによる膝関節炎の診断方法

診断は問診、身体診察と血液検査、画像検査などを組み合わせて総合的に行います。これは関節が腫れて、痛む病気は複数あり、検査だけで関節リウマチと診断できない場合があるからです。そのため、関節リウマチの診断基準を使用して診断を行います。

現在では2010年に米国、欧州リウマチ学会が合同で発表した分類基準を使用することが一般的です。

以下の4項目についてそれぞれ点数をつけ、合計して6点以上であれば関節リウマチと診断します。

  • 診断基準

  • ①症状がある関節の数
  • ②症状が続いている期間
  • ③血液検査での炎症反応の数値
  • ④血液検査でのリウマトイド因子や抗CCP抗体の数値

血液検査では、リウマトイド因子や抗CCP抗体が重要で、多くの関節リウマチで陽性になります。しかし、両方とも陰性でも関節リウマチである場合や、陽性でも関節リウマチではない場合もあります。また、炎症反応は活動性を反映する指標ですが、リウマチ以外でも上昇することがあります。

画像検査は診断基準には含まれませんが、単純レントゲン写真では骨びらんという、骨の透亮像がみられる場合があります。また関節エコーやMRI検査も滑膜炎の範囲、程度を評価するのに有用です。

膝の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。

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リウマチによる膝関節の治療法

治療の基本は、薬物治療です。リウマチと診断した早期から、抗リウマチ薬を開始します。また、痛みの程度に応じて炎症を抑えるステロイドや、鎮痛薬を併用します。

お薬を開始しても膝関節炎の症状が続く場合にはサポーターを使用したり、膝関節に注射をする方法があります。しかし、膝関節炎が治まらず、関節の変形や破壊が進行した場合には、人工関節置換術などの手術治療が行われます。

抗リウマチ薬の種類

抗リウマチ薬には複数の種類があります、日本リウマチ学会による2020年のガイドラインから代表的なお薬を紹介します。

第一段階ではメトトレキサートが推奨されます。世界中で使用されている薬剤で有効性が高いことから関節リウマチ治療の第一選択となっています。

メトトレキサートに複数の抗リウマチ薬を併用しても炎症が治らない場合には第二段階の治療として、生物学的製剤やJAK阻害薬というお薬が使用されます。バイオテクノロジーを用いて製造されたお薬で、非常に効果が高いのですが、同時に自己免疫を抑える作用があるため、専門医に処方してもらうことが必要です。

  • 抗リウマチ薬

  • ・メトトレキサート
  • ・生物学的製剤
  • ・JAK阻害薬

関節リウマチはこれまで治療が難しく、関節の変形が進行してしまう患者さんも多かったのですが、現在では薬剤の種類も多くなっており、効果が高いお薬もあるため、適切に治療することで症状を抑えることが可能になってきています。

まとめ・関節リウマチと膝の関節炎!症状と治療について医師が解説

関節リウマチによる膝関節炎は、日常生活に大きな影響を与える深刻な疾患です。

膝の痛みや腫れを放置すると、関節の変形や機能障害が進行し、歩行困難や日常生活の質の低下を招く恐れがあります。しかし、早期発見と適切な治療を行うことで、症状の進行を抑え、生活の質を維持することが可能です。

関節リウマチの診断には、問診や身体診察、血液検査、画像検査が用います。特に、リウマトイド因子や抗CCP抗体の検査結果が重要な診断指標となり、診断基準に基づいて総合的に判断されます。

治療の中心は薬物療法です。メトトレキサートをはじめとする抗リウマチ薬や、症状に応じたステロイド、鎮痛薬が用いられます。これらの薬剤によって炎症を抑えることで、関節の損傷を防ぐことができます。症状が重い場合や薬物療法が効果を示さない場合には、人工関節置換術などの外科的治療が検討されることもあります。

関節リウマチの治療は、専門医の指導のもとで継続的に行うことが重要です。

自己判断で治療を中断したり、放置したりせず、定期的な診察と検査を受けるよう心がけましょう。また、日常生活では関節に負担をかけないように注意し、適度な運動やストレッチを取り入れることが大切です。

関節リウマチによって膝関節炎が起きている場合は、放置してしまうと関節の変形、破壊が進行してしまい、人工関節手術が必要になることもあります。そのため、早期に発見、治療することが大事な病気です。

最後に、関節リウマチは生活習慣や環境要因とも関連しているため、喫煙や不規則な生活を避け、バランスの取れた食事やストレス管理を心がけることもが大切です。

関節リウマチの早期発見と適切な治療を通じて、健康的で快適な生活を維持しましょう。

No.S151

監修:医師 加藤 秀一

 

▼関節リウマチについて以下も参考にされませんか
関節リウマチしてはいけないこと

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