• 関節リウマチ
  • ひざ関節
  • 膝部、その他疾患

関節炎とリウマチの違い|症状・原因・治療法などを現役医師が解説

関節炎とリウマチの違い
公開日: 2023.09.10 更新日: 2026.07.31

関節の痛みや腫れが続き、「関節炎とリウマチは何が違うのか」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。

関節炎は、関節に炎症が起きている状態の総称です。

一方、関節リウマチは、主に手足をはじめとする複数の関節に炎症が生じる病気です。進行すると軟骨や骨が傷つき、関節の変形や機能低下につながる場合があります。

関節の痛みを加齢によるものだと思っていても、関節リウマチや別の病気が隠れている可能性があるため、症状の特徴を知り、必要に応じて受診することが大切です。

本記事では、関節炎とリウマチの違いを、症状・痛み方・検査方法・治療法の観点から現役医師が解説します。関節の痛みや腫れが気になる方は、受診を検討する際の参考にしてください。

なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、膝などの関節症状に用いられている再生医療に関する情報や症例を配信しています。簡易オンライン診断も実施していますので、関節の痛みでお悩みの方はぜひご登録ください。

\公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ リペアセルクリニック 公式LINE画像

LINE限定で無料オンライン診断を実施中!
>>簡単30秒で診断してみる

関節炎とリウマチの違い【一覧表】

比較項目 関節炎 関節リウマチ
定義 関節に炎症が起きている状態の総称 免疫の異常によって滑膜に炎症が起こる病気
症状

・関節の痛み、腫れ、熱感、可動域の低下など

・症状の出方は原因によって異なる

・朝のこわばり、関節の痛みや腫れが左右対称に現れやすい

・倦怠感や微熱を伴う場合もある

痛み

・原因によって異なる

・変形性関節症では、立ち上がりや歩き始めに痛みが出やすい

手指や手首など複数の関節に痛みが現れ、腫れや熱感、朝のこわばりを伴いやすい
診断・検査 X線、MRI、超音波などで骨や軟骨、周囲組織の状態を確認し、原因を調べる 腫れている関節数や症状の持続期間、血液検査、画像検査などを組み合わせて総合的に判断する
治療法 原因に応じて、鎮痛薬、湿布、関節内注射、リハビリテーション、手術などを行う 抗リウマチ薬、生物学的製剤、JAK阻害薬などを用いて炎症や関節破壊の進行を抑える

関節炎は、関節に炎症が起きて痛みや腫れなどが生じている状態の総称です。

特定の病名を指す言葉ではなく、関節リウマチや痛風、変形性関節症、感染症など、さまざまな病気によって引き起こされます。

一方、一般に「リウマチ」と呼ばれる関節リウマチは、免疫の異常によって関節の内側を覆う滑膜に炎症が起こる病気です。

関節炎を伴う代表的な疾患の一つであり、30~40代の女性に多い傾向があります。(文献1

なお、関節リウマチは膠原病の一種であり、病状によっては肺や心臓などの臓器にも影響が及ぶ点が、ほかの関節炎との違いです。

症状の違い

関節炎に共通する症状は、関節の痛みや腫れ、熱感、動かせる範囲の狭まりなどです。

ただし、症状が現れる部位や左右差は、関節炎を引き起こしている病気によって異なります。

関節リウマチでは、起床時に関節が動かしにくくなる「朝のこわばり」が初期症状として現れる場合があります。こわばりが30分以上続くこともあり、手指や手首などの小さな関節に痛みや腫れが出やすいのが特徴です。症状は左右対称の複数の関節に現れることが多いものの、片側だけ、または一つの関節だけに生じるケースもあります。

関節リウマチでは、関節症状に加えて倦怠感や微熱、食欲不振などの全身症状を伴うことも少なくありません。炎症が続くと、手指を動かしにくい、物をつかみにくい、歩行が難しいといった日常動作への影響が現れます。左右対称かどうかだけで判断せず、朝のこわばりや腫れが続く期間もあわせて確認することが大切です。

痛みの違い

関節炎の痛み方は、原因となる病気によって異なります。

たとえば変形性関節症では、立ち上がるときや歩き始めなど、関節を動かし始めた際に痛みが出やすく、進行すると動作中だけでなく安静時にも痛む場合があるのです。

一方、関節リウマチでは、関節の痛みに加えて腫れや熱感、朝のこわばりを伴うのが特徴です。手指や手首など複数の関節に症状が現れ、左右対称になりやすいものの、片側や少数の関節だけに出るケースもあります。

関節リウマチでは、朝起きてすぐに手を握りにくい、ボタンを留めにくいといった場面で異変に気づくことがあります。

ただし、痛む時間帯や動作だけで原因を判別することはできません。痛みや腫れが長引く場合や、複数の関節に症状が広がっているときは、医療機関で原因を確認しましょう。

診断・検査方法の違い

関節炎の診断では、問診や触診に加えて、X線、MRI、超音波などの画像検査を行います。

骨や軟骨、腱、滑膜などの状態を確認し、変形性関節症や外傷、感染症といった原因を絞り込むことが目的です。

関節リウマチが疑われる場合は、画像検査だけでなく、以下の項目を組み合わせて総合的に判断します。

  • 腫れている関節の数や部位
  • 症状が続いている期間
  • リウマトイド因子(RF)
  • 抗CCP抗体
  • CRPや赤沈などの炎症反応
  • X線で確認できる骨や軟骨の変化
  • MRIや超音波で確認できる滑膜の炎症

関節リウマチは、血液検査の結果だけで確定できる病気ではありません。RFや抗CCP抗体が陰性でも発症している場合がある一方、陽性でも関節リウマチとは限らないのです。

また、X線では骨が欠けたように見える「骨びらん」や関節裂隙の狭小化など、関節破壊を示す変化がないか確認します。

初期段階ではX線に変化が現れないこともあり、MRIや超音波検査で滑膜炎の有無や範囲を調べる場合があります。

変形性関節症やほかの膠原病など、似た症状を示す疾患との区別も含めて判断する点が、一般的な検査との違いです。

治療法の違い

関節炎の治療は、原因となる病気に合わせて選びます。

変形性関節症では、鎮痛薬や湿布、関節内注射などで症状を抑えながら、筋力トレーニングや可動域訓練といったリハビリテーションを行う方法が一般的です。

一方、関節リウマチでは、痛みを和らげるだけでなく、免疫の異常による炎症や関節破壊の進行を抑える治療が必要になります。

主に用いられる薬は以下のとおりです。

  • 従来型合成抗リウマチ薬(メトトレキサートなど)
  • 生物学的製剤
  • JAK阻害薬
  • 非ステロイド性抗炎症薬
  • 副腎皮質ステロイド

日常生活では、関節へ過度な負担をかけない範囲で体を動かし、栄養バランスのとれた食事や禁煙を意識することも大切です。

薬物療法を続けても関節破壊が進み、歩行や日常動作に支障が出ている場合には、人工関節置換術などの手術が検討されます。

関節リウマチの治療内容については、以下の記事でも詳しく解説しています。

関節炎とは

関節炎とは、関節に炎症が起こり、痛みや腫れ、熱感、動かしにくさなどが生じている状態の総称です。

特定の病名ではなく、さまざまな病気や外傷によって引き起こされます。

主な原因は以下のとおりです。

  • 加齢・肥満などによる軟骨のすり減り
  • 転倒やスポーツなどによるけが
  • 細菌やウイルスによる感染
  • 関節への繰り返しの負担
  • 尿酸などの結晶の沈着
  • 免疫の異常

変形性関節症は軟骨のすり減り、痛風は尿酸の結晶が関節にたまることで炎症が起こります。

関節リウマチも関節炎を引き起こす病気の一つですが、加齢や外傷ではなく、免疫システムが自身の関節を誤って攻撃することが主な要因です。

関節炎の症状や経過は原因によって異なります。

急に強い痛みが現れる場合もあれば、動作時の違和感から少しずつ進行するケースもあるため、関節炎という言葉だけでは原因となる病気まで特定できません。

膝関節炎を放置するリスク

膝関節炎を放置すると、炎症や関節への負担が繰り返され、軟骨のすり減りや骨の変形が進む可能性があります。

可動域も狭くなり、膝を曲げ伸ばししにくくなるため注意が必要です。

症状が悪化すると、次のような場面で不便を感じやすくなります。

  • 椅子や床から立ち上がる
  • 階段を上り下りする
  • 長い距離を歩く
  • 膝を曲げて靴下を履く
  • 正座をする

痛みのために外出や運動を控えるようになると、膝を支える筋力が落ち、さらに動きにくくなる悪循環にもつながりかねません。保存的な治療を続けても痛みや機能障害が強い場合は、症状に応じて高位脛骨骨切り術や人工膝関節置換術などが検討されます。

なお、膝関節炎の原因が関節リウマチであれば、影響は膝だけにとどまりません。関節の破壊や変形が進むほか、全身の炎症に伴って肺疾患や心血管疾患などを合併する場合があります。

膝の腫れや痛みが続くときは、単なる加齢による変化と決めつけず、医療機関で原因を確かめることが必要です。

リウマチとは

リウマチは、一般に「関節リウマチ」を指します。免疫システムの異常によって関節に慢性的な炎症が起こる病気です。本来は細菌やウイルスなどから体を守る免疫が、自分自身の関節を誤って攻撃します。

炎症は関節の内側を覆う滑膜から始まり、滑膜が腫れた状態が続くと軟骨や骨が徐々に傷つき、関節の変形や動かしにくさにつながる場合があります。

なお、関節リウマチが発症する詳しい仕組みは、現在も明らかになっていません。

発症には遺伝的な要因だけでなく、次のような環境要因が関係すると考えられています。

  • 喫煙
  • 感染症
  • ストレス
  • 女性ホルモンの変化

複数の要因が重なって発症すると考えられており、家族に関節リウマチの方がいても、必ず発症するわけではありません。

リウマチを放置するリスク

関節リウマチを治療せずに放置すると、滑膜の炎症によって軟骨や骨の破壊が進み、関節が変形する可能性があります。仮に、骨同士が癒着して関節の動きが失われると、元の状態に戻すことは困難です。

関節機能が低下した場合、日常生活では次のような動作が難しくなります。

  • 物をつかむ
  • ボタンをかける
  • 箸やペンを使う
  • 立ち上がる
  • 歩く

影響は関節だけに限りません。関節リウマチに伴う全身の炎症により、間質性肺炎や虚血性心疾患など関節以外の合併症が生じることもあります。

病状によっては生命予後に関わるため、早い段階から炎症を抑え、関節破壊の進行を防ぐ治療が必要です。

関節リウマチの症状を和らげる生活習慣

関節リウマチによる関節の痛みやこわばりには、薬物療法だけでなく、関節への負担を減らす生活上の工夫も必要です。

ここでは、体や関節の冷えを防ぐ方法と、食事・姿勢など日常生活で見直したい点を解説します。

体や関節を保温する

関節のこわばりは、入浴などで温めると和らぐことがあります。入浴で体を温めるほか、長袖や長ズボン、ひざ掛けなどを利用しましょう。

冬場だけでなく、夏の冷房にも注意が必要です。冷たい風が直接当たらないようにし、室内でも衣類やブランケットで調整してください。

ただし、赤みや熱感が強い場合は温めるのを避け、医療機関に相談しましょう。

食事や姿勢などの日常生活を見直す

関節リウマチでは、薬物療法と並行して、関節への負担を減らす生活を意識します。

特定の食品だけで炎症を抑えられるわけではないため、主食・主菜・副菜を組み合わせ、栄養が偏らない食事を心がけましょう。

日常生活では、以下の点に注意してください。

  • 長時間同じ姿勢を続けず、適度に体勢を変える
  • 重い荷物を片手だけで持たない
  • 膝に痛みがある場合は、正座や深くしゃがむ姿勢を長く続けない
  • 痛みが強い日に無理な運動をしない
  • 関節の状態に合ったストレッチや運動を継続する
  • 喫煙している場合は禁煙に取り組む
  • 十分な睡眠と休息を確保する

安静にしすぎると筋力や関節の動かせる範囲が低下する一方、炎症が強い時期に無理をすると症状が増す場合があります。掃除や買い物などの家事は一度に済ませようとせず、休憩を挟みながら関節への負担を分散させましょう。

関節リウマチで避けたい生活習慣については、以下の記事でも詳しく解説しています。

関節の痛みがあるときは何科を受診する?

関節の痛みがある場合は、まず整形外科を受診するのが一般的です。

整形外科では、関節や骨、筋肉、靱帯などの状態を診察し、必要に応じてX線やMRIなどの画像検査を行います。転倒やスポーツのあとに痛みが出た場合や、関節を動かしたときに症状が強くなる場合も、整形外科が主な受診先です。

一方、以下の症状がある場合は、リウマチ科や膠原病内科も候補になります。

  • 複数の関節に痛みや腫れがある
  • 左右対称に症状が現れている
  • 朝のこわばりが続く
  • 微熱や倦怠感などの全身症状を伴う
  • 関節の痛みが長引いている

受診先に迷うときは、かかりつけの内科や近くの整形外科へ相談し、症状に応じて専門の診療科を紹介してもらいましょう。

関節の症状でお悩みの方は当院へご相談ください

関節炎は、変形性関節症や痛風、関節リウマチなど、さまざまな原因で起こります。

朝のこわばりや左右対称の腫れが続く場合は関節リウマチが疑われますが、症状だけで原因を判断することはできません。

関節の痛みが長引いている方は、まず医療機関で診断を受け、病気に合った治療を進めていきましょう。

当院「リペアセルクリニック」では、関節症状に対する再生医療を行っています。当院の再生医療には、脂肪由来の幹細胞を用いる幹細胞治療と、血小板に含まれる成長因子の働きを活用するPRP療法があります。

いずれも入院や手術を必要とせず、日帰りで施術を受けられる治療法です。

また、公式LINEでは、再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。「階段の上り下りがつらい」「正座ができない」「手術以外の選択肢も知りたい」とお悩みの方は、ぜひご登録ください。

\無料オンライン診断実施中!/

無料の再生医療ガイドブックはこちらから!>>

関節炎とリウマチの違いに関するよくある質問

関節リウマチの初期症状は?

関節リウマチの初期には、朝起きたときの手指のこわばりや、関節の腫れ・痛みが現れるのが特徴です。こわばりが30分以上続き、物を握りにくい、ぞうきんを絞りにくいと感じる場合もあります。

手指や手首など左右の同じ関節に症状が出やすいほか、膝や肩が腫れるケースも少なくありません。全身のだるさや微熱を伴うこともあるため、症状が続く場合は医療機関で原因を確認しましょう。

関節リウマチの初期症状については、以下の記事で詳しく解説しています。

関節炎と腱鞘炎の違いとは?

関節炎は、関節の内部や周囲に炎症が起こり、痛みや腫れ、熱感などが生じている状態です。

一方、腱鞘炎は関節炎の一種ではなく、腱と腱を包む腱鞘の間に炎症が起こる病気を指します。腱鞘炎では、指の付け根や手首に痛み、腫れ、熱感が現れやすく、指や手首を繰り返し使うことで発症する場合があります。

代表的な病気は、親指側の手首が痛む「ドケルバン病」と、指の曲げ伸ばしで引っかかりが生じる「ばね指」です。

関節炎と腱鞘炎は炎症が起こる場所が異なるものの、痛む部位が近いため区別しにくいケースがあります。指や手首の症状が続く場合は、痛みの場所や動かしたときの変化を医療機関で確認してもらいましょう。

関節炎が治る期間は?

関節炎が治るまでの期間は、原因となる病気や炎症の程度、治療を始める時期によって異なります。

数日から数週間で症状が落ち着く場合もあれば、変形性関節症や関節リウマチのように、長期的な治療や症状の管理が必要になることも珍しくありません。

たとえば、細菌感染によって起こる化膿性関節炎では、基本的な治療期間は6週間程度が目安です。

ただし、感染の広がりや関節の状態によっては、治療が長引く可能性もあります。関節炎という名称だけでは、治療期間を判断できません。関節の腫れや痛み、発熱が続く場合は、原因に合った治療を受けることが大切です。

化膿性関節炎の治療期間については、以下の記事で詳しく解説しています。

関節リウマチに似た症状は?

関節リウマチと似た関節痛や腫れ、こわばりが現れる病気には、次のようなものがあります。

  • 膠原病
  • 線維筋痛症
  • 変形性関節症
  • 腱鞘炎
  • 化膿性関節炎
  • 痛風
  • 脊椎関節炎

たとえば、変形性関節症では関節を動かし始めたときに痛みやすく、痛風では足の親指の付け根などに突然強い痛みが現れる傾向があります。

化膿性関節炎では、強い腫れや熱感に加えて、発熱や倦怠感を伴う場合もあるため注意が必要です。

一方、線維筋痛症では関節だけでなく全身の筋肉にも痛みが広がり、脊椎関節炎では腰や背中を含む複数の関節に炎症が起こることがあります。

症状が似ていても原因や治療法は異なるため、痛みの部位や現れ方だけで関節リウマチと判断することはできません。

参考文献

(文献1)
「関節リウマチ」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる