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甲状腺を半分摘出したら後遺症は出る?合併症リスクや体調不良の対処法も解説

甲状腺がんはどんな病気?治療後の合併症や後遺症について詳しく解説
公開日: 2024.09.03 更新日: 2025.02.10

甲状腺を半分摘出手術の予定があり「手術したら後遺症は出るのだろうか」と不安に感じている人もいるかもしれません。

実際、甲状腺を半分摘出する手術のあと、声かれやホルモンバランスの乱れ、体調不良といった症状が現れるケースがあります。

この記事では、甲状腺半分摘出で起こりうる後遺症や合併症、具体的な対処法をわかりやすく解説していきます。

本記事で適切な知識と対処法を知ることで、甲状腺の手術の不安が少しでも和らげられれば幸いです。

また、当院「リペアセルクリニック」では、後遺症治療として、再生医療を行っております。

後遺症リスクが不安な方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。

甲状腺の半分摘出したときに現れる主な後遺症

甲状腺を半分摘出する手術を受けた後、声や体調に変化を感じる方がいます。

これは手術が声帯やホルモン分泌、カルシウム吸収に影響を与えるためです。

術後の起こりうる主な後遺症は以下のとおりです。

  • 声がかすれるなどの声帯への影響
  • ホルモンバランスの乱れ
  • カルシウム不足が引き起こす体調不良
  • 手術による傷跡の痛みや違和感

ここでは、手術後に起こりやすい後遺症について、わかりやすく説明します。

声がかすれるなどの声帯への影響

甲状腺の近くには、声帯を動かすための神経(反回神経)が通っています。

手術でこの神経が傷つくと、声がかすれたり、出にくくなったりする場合があります。

これは「反回神経麻痺」と呼ばれる後遺症です。(文献1

程度には個人差があり、一時的なものから長引くものまでさまざまです。

また、声が低くなる、話し続けると疲れるなどの症状も後遺症として挙げられます。

ホルモンバランスの乱れ

甲状腺は、体の代謝を調整するホルモンを分泌する臓器です。

半分摘出すると、ホルモンの分泌量が減少しホルモンバランスが乱れるケースがあります。

女性の場合は、月経不順や更年期障害のような症状が現れることもあるでしょう。

また、甲状腺ホルモンが不足すると、全身の倦怠感やむくみ、体重増加などが起こる可能性もあります。

カルシウム不足が引き起こす体調不良

甲状腺の裏側には、カルシウムのバランスを調整する副甲状腺があります。

手術で副甲状腺が傷つくと、カルシウム不足に陥り、手足のしびれや筋肉のけいれんが起こる場合があります。

また、長期的には骨がもろくなるなどのリスクも考えられますので、日常的にカルシウムを含む食品を意識して摂取するのも大切です。

手術による傷跡の痛みや違和感

甲状腺の手術では、首元に切開を行うため傷跡が残ります。

傷跡は時間の経過とともに薄くなっていきますが、体質によっては、赤く盛り上がったり、痛みやかゆみを感じたりするケースもあるでしょう。

また、傷跡が気になって首元を隠す服装ばかりになってしまうなど、精神的なストレスを感じる可能性もあります。

甲状腺摘出で起こりやすい合併症・後遺症

甲状腺の摘出手術は、以下のような術後に特有の合併症や後遺症が発生する可能性があります。

  • 反回神経麻痺
  • 甲状腺機能低下症
  • 副甲状腺機能低下症
  • 乳糜漏(にゅうびろう)

ここでは、4つの合併症や後遺症について、手術後に起こりやすい主な症状と特徴を詳しく説明します。

反回神経麻痺

反回神経は甲状腺の裏側を通り、声帯を動かす筋肉を支配する重要な神経です。

左右に1本ずつ存在し、片側が損傷すると声帯が動きにくくなり、声がかすれる反回神経麻痺が生じます。

手術中のわずかな刺激でも麻痺を引き起こす可能性があり、多くは半年以内に改善しますが、まれに永続的に残る場合もあります。

また、左右両方の反回神経が損傷した場合、声を出せないだけでなく呼吸困難に陥り、命に関わる危険性があるため、迅速な対応が必要です。

反回神経麻痺の治療法

反回神経麻痺によるかすれ声が改善しない場合は、声帯に対する手術で症状を和らげる方法があります。

また、両側の反回神経麻痺で呼吸が困難な場合には、喉仏の下に空気の通り道を作る気管切開が必要になる場合もあります。

甲状腺機能低下症

甲状腺がんの手術では、甲状腺を摘出する必要があります。

とくに半分以上を摘出すると、甲状腺ホルモンの分泌が低下する可能性があります。

また、ホルモンが不足すると代謝バランスが乱れ、体調を崩しやすくなるのが特徴です。

この状態を甲状腺機能低下症と呼びます。

甲状腺機能低下症の治療法

治療には甲状腺ホルモン剤の内服が必要です。

この薬で不足したホルモンを補充しますが、基本的に生涯にわたって服用を続ける必要があります

副甲状腺機能低下症

副甲状腺は甲状腺の裏にくっついており、左右2個ずつ存在する臓器です。

非常に小さな臓器ですが、副甲状腺ホルモンという物質を分泌して血液中のカルシウムやリン濃度を調節する働きがあります。

甲状腺がんの手術で甲状腺を摘出する際に副甲状腺も一緒に摘出されたり、副甲状腺を栄養する血流の低下などにより、術後に副甲状腺機能低下症を起こす可能性があります。

副甲状腺機能低下によって副甲状腺ホルモンが不足すると、血液中のカルシウム濃度が低下し、手や口のしびれやけいれんを引き起こすテタニーと呼ばれる症状が生じる可能性があります。

副甲状腺機能低下症の治療法

治療には、カルシウム製剤の内服と、カルシウム吸収を助けるビタミンDの補充が行われます。

副甲状腺をすべて摘出した場合は、生涯にわたり服用が必要です。

一方、副甲状腺が一部でも残されている場合、機能が回復し補充が不要になるケースも少なくありません。

乳糜漏(にゅうびろう)

乳糜漏(にゅうびろう)は、リンパ液が漏れ出す稀な合併症です。

手術後に首元の腫れや液体が滲み出るような症状が見られる場合に疑われます。

発症すると治療が必要となるため、早期の診断が重要です。

乳糜漏の治療法

多くの場合は安静や圧迫によりリンパ液の漏出を止められますが、まれに再手術が必要となり、漏れている箇所を閉じる処置を行うケースもあります。

\まずは当院にお問い合わせください/

甲状腺半分摘出後の後遺症を和らげるには?

甲状腺の半分を摘出した後、後遺症の発生や生活の変化に不安を感じる方は少なくありません。

しかし、適切なケアを行えば症状を和らげ、生活の質を保つことができます。

本章では、後遺症を軽減するための具体的な方法を4つ紹介します。

  • 医師の指示に従い薬物療法やリハビリを行う
  • 規則正しい生活を送りバランスの取れた食事を心がける
  • ストレスを溜めないように適度な運動や休息を取る
  • 術後後遺症に対する再生医療を検討

術後の不安解消のためにも、チェックしておきましょう。

医師の指示に従い薬物療法やリハビリを行う

手術後、甲状腺ホルモンの不足や声の変化が現れる場合があります。

これらの症状に対処するためには、医師が処方する薬を服用したり、音声リハビリなどが効果的です。

とくにホルモン補充療法は、甲状腺ホルモンのバランスを維持するために重要です。

医師の指導に従い治療を継続していけば症状が改善する可能性が高まります。

規則正しい生活を送りバランスの取れた食事を心がける

ホルモンバランスを整えるためには、生活習慣の見直しが必要です。

栄養バランスの良い食事を意識し、カルシウムやビタミンDを多く含む食品を取り入れるのがおすすめです。

また、十分な睡眠を確保し、生活リズムを整えると体調の安定が期待できます。

健康的な生活習慣が後遺症の軽減に役立つでしょう。

ストレスを溜めないように適度な運動や休息を取る

術後のストレスは体調を悪化させる要因となるため、適度な運動やリラクゼーションが重要です。

たとえば、軽いウォーキングやヨガなど、無理のない範囲で体を動かしていると、ストレスの軽減が期待できます

さらに、心の健康を保つためには、休息やリフレッシュの時間を積極的に取り入れていくのも効果的です。

術後後遺症に対する再生医療を検討

近年、術後の後遺症治療の選択肢として注目されているのが「再生医療」です。

たとえば、損傷した声帯や甲状腺組織の再生を促す治療法が研究されています。

再生医療はまだ一般的ではありませんが、興味のある方は医療機関や専門医に相談して治療法を検討してみるのも良いでしょう。

まとめ|甲状腺摘出後の後遺症と対策は理解しておこう!

甲状腺の半分を摘出すると、声の変化や体調の変化といった後遺症が起こる可能性があります。

ただし、適切な治療や生活習慣の見直しによって症状を和らげられます

本記事で紹介した対策を活用し、不安を減らしながら術後の生活を前向きに過ごしていきましょう。

また、当院「リペアセルクリニック」では術後の後遺症に対して再生医療を行っております。

新しい治療法に興味がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。

\まずは当院にお問い合わせください/

甲状腺を半分摘出した際の後遺症に関する質問

甲状腺摘出後に疲れやすいのはなぜですか?

甲状腺摘出後に疲れやすくなる理由は、甲状腺ホルモンの不足が関係しています。

分泌量が減るとエネルギーの生産が低下し、倦怠感や疲労感を感じやすくなるのです。

しかし、適切なホルモン補充療法を行えば、これらの症状を改善できる可能性がありますので、気になる方は早めに医師に相談してみましょう。

甲状腺手術のデメリットはありますか?

甲状腺手術には、後遺症や合併症が発生するリスクがあります。

具体的には、声がかすれる反回神経麻痺や、ホルモンバランスの乱れ、副甲状腺の機能低下などが挙げられます。

ただし、事前にリスクを把握し、術後のケアをしっかり行えば多くの症状を予防・軽減することが可能です。

また、当院「リペアセルクリニック」では術後の後遺症が気になる方へ、手術や入院の必要がない「再生医療」を提供しています。

まずはお気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。

\まずは当院にお問い合わせください/

参考文献

(文献1)

小川真.甲状腺術後嗄声の頻度およびリスク因子と音声改善手術の問題点.日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌2016(33,4)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaesjsts/33/4/33_224/_html/-char/ja

監修者

渡久地 政尚

渡久地 政尚 医師 (医療法人美喜有会)

Masanao Toguchi

日本再生医療学会 所属

日本内科学会 所属

再生医療の可能性を追求しながら、体への負担が少なく効果的な治療を提供し、患者様が早期に活動的な生活に戻れるよう、丁寧な診療を心がけてまいります。

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