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低カリウム血症の症状を医師が解説!原因や治療法も紹介

Hypokalaemia Symptoms 1
公開日: 2025.06.29 更新日: 2026.07.31

「手足に力が入らない」「筋肉がこわばる」「体がだるい」といった症状が続いている場合は、低カリウム血症が関係している可能性があります。

カリウムは筋肉や神経、心臓の働きを維持するために欠かせないミネラルであり、血液中の濃度が低下すると全身にさまざまな不調が現れることがあります。

症状が進行すると不整脈や呼吸困難など重篤な状態を招くおそれもあるため、早めに原因を把握して適切な対応を取ることが大切です。

この記事では、低カリウム血症の主な症状や原因、治療法、入院が必要となる基準などを詳しく解説します。低カリウム血症の症状に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

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低カリウム血症とは?

低カリウム血症とは、血液中のカリウム濃度が正常値より低下した状態を指します。一般的には、血清カリウム値が3.5mEq/L未満になると低カリウム血症と診断されます。(文献1

カリウムは筋肉や神経、心臓の働きを正常に維持するために欠かせないミネラルであり、不足すると手足の脱力感や筋力低下、筋肉のけいれんなどの症状が現れることも少なくありません。

さらに、重症化すると不整脈や呼吸筋の機能低下を招き、命に関わるケースもあるため注意が必要です。症状の現れ方や重症度は、血液中のカリウム濃度や低下する速度によって異なります。

【重症度別】低カリウム血症の主な症状

低カリウム血症の症状は、血清カリウム値の低下の程度によって異なります。軽度では自覚症状が現れない場合もありますが、症状が進行すると筋肉や心臓の働きに影響を及ぼし、重篤な状態につながるおそれがあるため注意が必要です。

ここでは、重症度に応じた主な症状を以下の2つに分けて解説します。

  • 軽度~中等度の症状
  • 重度の症状

各段階で現れる症状の違いを把握し、低カリウム血症の早期発見や適切な対応につなげましょう。

軽度~中等度の症状

軽度の低カリウム血症では、自覚症状が現れないケースも少なくありません。しかし、血液中のカリウム濃度がさらに低下すると、筋肉や消化器、腎臓など全身にさまざまな症状が現れるようになります。

症状は徐々に進行する場合が多く、日常生活の中で「手足がだるい」「息切れしやすい」と感じる程度から始まることもあります。(文献2

なお、低カリウム血症と似たような症状でギランバレー症候群があります。ギランバレー症候群の症状や原因については以下の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。

筋肉の症状

カリウムは筋肉の収縮を正常に保つために欠かせないミネラルです。不足すると筋肉の働きが低下し、次のような症状が現れることがあります。(文献3

  • 手足の脱力感
  • 筋力低下
  • 筋肉痛
  • 筋肉のこわばり
  • 筋肉のけいれん

症状が進行すると、階段の上り下りや重い荷物を持つ動作が難しくなることもあります。

消化器関連の症状

カリウムは腸の動きを維持する役割も担っています。不足すると消化管の働きが低下し、以下のような症状がみられることがあります。

  • 腹痛
  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 便秘
  • お腹の張り

症状が強くなると腸の動きが著しく低下し、腸閉塞に似た状態を引き起こす場合もあるため注意が必要です。

腎臓関連の症状

低カリウム血症は腎臓の機能にも影響を及ぼします。水分バランスを調整する働きが低下し、次のような症状が現れることがあります。

  • 多尿
  • 多飲
  • 夜間頻尿
  • 強い喉の渇き

尿量が増えることで脱水を招き、さらにカリウム不足が悪化する悪循環に陥るケースもあります。そのため、尿量や水分摂取量の変化にも注意が必要です。

重度の症状

低カリウム血症が重症化すると、筋肉や心臓、呼吸機能に重大な影響を及ぼすことがあります。主な症状は以下のとおりです。

  • 呼吸困難
  • 呼吸筋麻痺
  • 四肢麻痺
  • 不整脈
  • 胸痛
  • 意識障害

血清カリウム値が2.5mEq/L未満になると、呼吸筋麻痺や重度の不整脈など、命に関わる症状を引き起こす可能性があります。

不整脈は突然死の原因となることもあるため、緊急の治療が必要となるケースも少なくありません。

重度の低カリウム血症が疑われる場合は、速やかに医療機関で適切な治療を受けることが重要です。

低カリウム血症の原因

低カリウム血症の主な発症原因は以下の3つです。

  • 薬の副作用
  • 食事や生活習慣
  • 慢性疾患や体の機能低下

これらの複数の原因が重なって低カリウム血症を発症する場合もあります。ご自身に当てはまる原因を把握したうえで、医師に相談しながら治療方針を検討することが大切です。

薬の副作用

低カリウム血症は、特定の薬剤の副作用によって引き起こされることがあります。薬の作用によって尿中へカリウムが多く排泄されたり、血液中のカリウムが細胞内へ移動したりすることで、血清カリウム値が低下します。(文献1

主に原因となる薬剤は以下のとおりです。

薬剤の種類 低カリウム血症を引き起こす仕組み
利尿薬(ループ利尿薬・サイアザイド系利尿薬)

尿とともにカリウムが排泄される

糖質コルチコイド(ステロイド薬) 腎臓からのカリウム排泄を促進する
インスリン製剤 血液中のカリウムを細胞内へ移動させる
β2刺激薬(気管支拡張薬など) カリウムを細胞内へ移動させる
一部の抗菌薬・抗真菌薬 腎臓からのカリウム排泄が増加する場合がある

利尿薬やステロイド薬を長期間使用している方は、低カリウム血症を発症しやすくなります。また、糖尿病治療でインスリンを使用している場合や、喘息治療でβ2刺激薬を使用している場合も注意が必要です。

服用中の薬の影響が気になる場合は、自己判断で中止せず、医師と相談しながら定期的に血液検査を受けてカリウム値を確認しましょう。

食事や生活習慣

偏った食事や不適切な生活習慣が低カリウム血症の発症リスクを高めます。極端なダイエットや偏食により、カリウムを含む食品の摂取量が不足するためです。

たとえば以下の行動が、体内のカリウム喪失を促進します。

  • 野菜や果物を避けた食事
  • 加工食品中心の食生活
  • 過度な飲酒
  • 嘔吐を繰り返す摂食障害

バランスの取れた食事と規則正しい生活習慣を心がけることが予防の基本となります。

慢性疾患や体の機能低下

低カリウム血症は、慢性疾患やホルモン異常、腎臓の機能障害が原因で発症することがあります。

体内でカリウムを調節する機能が低下したり、尿中への排泄量が増えたりすると、血液中のカリウム濃度が正常値を下回ります。

原因となる主な疾患は以下のとおりです。(文献4

  • 原発性アルドステロン症
  • クッシング症候群
  • Bartter(バーター)症候群
  • 慢性腎疾患
  • 慢性的な下痢や嘔吐を伴う消化器疾患

低カリウム血症を繰り返す場合は、基礎疾患が隠れている可能性もあります。原因となる疾患の治療とあわせて、血液検査によるカリウム値の定期的な確認を続けることが大切です。

低カリウム血症の治療法

低カリウム血症の治療は重症度に応じて段階的に行われ、適切な方法の選択が大切です。

主な治療法は以下のとおりです。

  • カリウムが豊富な食品を摂取する
  • サプリメントや飲み薬で補給する
  • 注射薬で補給する

症状や血液検査の結果に基づいた治療法を選択していきましょう。

カリウムが豊富な食品を摂取する

軽度の低カリウム血症では、カリウムを多く含む食品を積極的に摂取すると、治療や再発予防につながる場合があります。

主な食品と100g当たりのカリウム含有量は以下のとおりです。(文献5

食品名(100g当たり) カリウム量(mg)
アボカド 590
バナナ 360
ほうれん草 690
納豆 690
木綿豆腐 110
刻み昆布 8,200

カリウムは毎日の食事から無理なく補給できますが、腎機能が低下している方は注意が必要です。腎臓の働きが低下すると、体内にカリウムが蓄積しやすくなり、高カリウム血症を引き起こすおそれがあります。

そのため、自己判断でカリウムを多く摂取するのではなく、医師や管理栄養士の指導に従いながら食事内容を調整することが大切です。

サプリメントや飲み薬で補給する

中等度の低カリウム血症では、医師の処方による薬物療法が効果的です。

経口カリウム製剤やカリウム保持性利尿薬により、効率的にカリウム値を改善できます。代表的な薬剤は、塩化カリウム徐放錠やK.C.L. エリキシル® (塩化カリウム)などです。

ドラッグストアで買えるサプリメントでカリウムを補う方法もあります。

ただし、カリウムのとり過ぎは体に負担をかけるおそれがあるため、使用前に医師や薬剤師に相談し、決められた量と使い方を守りましょう。

注射薬で補給する

注射によるカリウム補給は、カリウムを血管に直接入れる方法で、体内にすばやく吸収されるのが特徴です。必要な量を細かく調整できるため、医師の判断により効率よく不足分を補えます。

血液中のカリウム値が2.5mEq/L未満の場合や、心電図に異常が出ている場合は、緊急の対応が必要になり、注射薬の投与が検討されます。

低カリウム血症の入院基準と入院期間

低カリウム血症の入院判断は血清カリウム値と症状の重篤度により決定されます。

国立がん研究センターの日本臨床腫瘍研究グループが示している重症度の目安では、血液中のカリウム濃度が3.0〜2.5mEq/Lの場合、「入院が必要なレベル」と定義しています。

カリウム濃度の数値だけでなく、四肢の麻痺や呼吸困難などの重篤な症状がある場合も緊急入院の対象です。

入院期間は症状の程度によって異なりますが、症状が軽度の方は数日〜1週間程度で退院できたという報告があります。重度の場合は、長期的な入院が必要となる可能性があります。

低カリウム血症の症状が出たら早めの受診を心がけよう

手足の脱力感や筋力低下、不整脈、息苦しさなどの症状が続く場合は、低カリウム血症が疑われます。

軽度では自覚症状がないこともありますが、重症化すると呼吸障害や重篤な不整脈を招くおそれがあるため、早めに原因を確認し、適切な治療を受けることが大切です。

リペアセルクリニックでは、再生医療というアプローチで慢性的な痛みや機能障害に向き合っています。

メール相談やオンラインカウンセリングも行っており、専門スタッフが丁寧にお話を伺った上で、一人ひとりに合った治療法をご提案いたします。

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低カリウム血症の症状に関するよくある質問

低カリウム血症は治療すれば治りますか?

低カリウム血症は適切な治療により改善できる疾患です。

軽度から中等度の場合、食事療法や内服薬により数日から数週間で正常値に回復します。ただし、原因となる基礎疾患がある場合は、その治療も並行して行う必要があります。

治療後も定期的な検査により再発を防ぎ、長期的な健康管理を続けていく意識が大切です。

低カリウム血症の治療期間はどれくらいですか?

治療期間は重症度と原因により大きく異なります

軽度の場合、食事療法や経口薬により短期間での改善が多く見られます。ただし、中等度~重症例や慢性疾患が原因の場合は、入院治療や長期的な管理が必要になる場合もあります。

個人差があるため、医師と相談しながら治療計画を立て、焦らずに治療を継続していきましょう。

低カリウム血症は高齢者が発症しやすいですか?

高齢者は若年者と比較して低カリウム血症を発症するリスクが高い傾向にあります。

加齢により腎機能が低下し、カリウムの調節能力が衰えたり、高血圧・心疾患の治療で利尿薬を服用する機会が多かったりするためです。

また、食事摂取量の減少や消化吸収能力の低下も影響を与えます。高齢の方は定期的な血液検査と適切な食事管理により、予防と早期発見に努めることが重要です。

低カリウム血症の初期症状は?

低カリウム血症の初期症状は、手足のだるさや脱力感、筋肉のこわばり、疲れやすさなどが代表的です。ただし、軽度では自覚症状が現れないことも少なくありません。

症状が進行すると筋力低下や筋肉のけいれん、便秘、不整脈などがみられる場合があります。

疲労や加齢による不調と似ているため、症状が続く場合は原因の確認が大切です。

低カリウム血症の症状が出る数値の目安は?

一般的に、血清カリウム値が3.5mEq/L未満になると低カリウム血症と診断されます。ただし、症状の現れ方には個人差があり、3.5mEq/L未満でも自覚症状がないケースも少なくありません。

一方、2.5mEq/L未満まで低下すると、筋力低下や呼吸筋麻痺、不整脈など重篤な症状が現れる可能性が高まります。症状だけで判断せず、血液検査による確認が重要です。

参考文献

(文献1)
低カリウム血症 | MSD マニュアル プロフェッショナル版

(文献2)
重篤副作用疾患別対応マニュアル 低カリウム血症 | 厚生労働省 

(文献3)
低カリウム血症 | MEDLEY

(文献4)
内分泌疾患 原発性アルドステロン症| 難病情報センター13 

(文献5)
食品成分データベース | 文部科学省

(文献6)
共用基準範囲対応CTCAE v5.0 Grade定義表 | 国立がん研究センター日本臨床腫瘍研究グループ