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痛風予防の対策8選|生活習慣を見直して尿酸値を下げよう

痛風 対策
公開日: 2024.11.11 更新日: 2025.08.31

「尿酸値を下げる具体的な対策は?」
「痛風の予兆が現れた際に発作を防ぐ方法はある?」

痛風を予防するには、食事内容などの生活習慣の見直しが重要です。病状によっては、薬物療法も検討しなければなりません。

本記事では、主に以下について解説します。

適切な対策をとらないと、痛風だけでなく尿路結石や腎臓の障害などを引き起こす恐れがあります。本記事を尿酸値の改善に役立ててください。

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痛風予防の対策8選

痛風予防の対策8選は以下の通りです。

それぞれの詳細を解説します。

1.尿酸値を上げる原因を理解する

痛風を予防するには、まず尿酸値が上がる原因を正しく理解することが大切です。尿酸値が高くなる原因は、ほとんどが生活習慣の乱れです。

代表的なものには、ビールの飲み過ぎや野菜の不足、肉類に偏った食生活などが挙げられます。尿酸値を改善して痛風発作を予防するには、食生活の見直しが大切ということです。

肥満傾向である方は、運動を取り入れる必要もあるでしょう。病状によっては、薬物療法の検討も必要です。まずは医療機関を受診して医師に相談してください。

2.定期的に健康診断を受ける

痛風予防において、定期的に健康診断を受けることは重要です。健康診断で尿酸値の経過を確認すれば、高尿酸血症を早期に発見できるためです。

とくに以下に該当する方は、尿酸値が上がりやすい傾向であるため、定期的に健康診断を受けてください。

  • 大食いや早食いをする方
  • お酒をたくさん飲む方
  • 無酸素運動をよくする方
  • 肥満の方
  • 家族に痛風歴がある方
    文献1

すでに「尿酸値が高め」と指摘された方や、高尿酸血症と診断された方は、定期的に医療機関を受診して、尿酸値の管理をしましょう。

3.プリン体の多い食事は避ける

プリン体を多く含む食事を摂ることは、尿酸値を高める大きな原因です。

以下を参考にして、1日のプリン体の摂取量が400mgを超えないようにしましょう。文献4

プリン体含有量(100gあたり) 食品
非常に多い(300mg以上) 鶏レバー、マイワシの干物、白子、あん肝の酒蒸し、太刀魚、ちりめんじゃこなど。
多い(200〜300mg) 豚レバー、牛レバー、マイワシ、カツオ、マアジの干物、サンマの干物、大正エビなど。
中等量(100〜200mg) 鶏ささみ、砂肝、鶏手羽、皮付き鶏もも、鶏皮、するめいか、カキ、あじ、あさり、マグロ、ブリ、牛モモ、ほうれん草の芽、ブロッコリースプラウトなど。
少ない(50〜100mg) ほうれんそう葉、カリフラワー、ほたて、うなぎ、牛ヒレ、豚ヒレ、豚ロース、牛ロース、牛タン、ボンレスハム、豚バラ、牛バラなど。
非常に少ない(50mg以下) 野菜全般、穀類、卵類、乳製品、豆類、きのこ類など。

文献2)(文献3

外食やコンビニなどで食事をする際も、上記の表を参考にプリン体を過度に摂取するのは控えてください。

4.尿酸値を下げる食事を摂取する

ビタミンやミネラルを豊富に含む野菜類、海藻類、イモ類などは、尿酸の排泄を促進させる働きがあります。また、特定の食べ物や飲み物の中には、尿酸値を下げる効果を期待できるものがあります。

具体的には以下の通りです。

  • バナナ
  • 低脂肪ヨーグルト
  • チェリー
  • カツオ
  • レモン
  • 低脂肪牛乳
  • ワイン
  • 緑茶

日々の食事の中に、以上のような食べ物や飲み物を取り入れてみても良いでしょう。

ただし、ワインで尿酸値を下げる効果を得られるのは、1日150mL程度までと飲酒量の目安があります。そのため、ワインであっても飲み過ぎないようにしてください。(文献6)また、ビールや蒸留酒は尿酸値を上げるため注意が必要です。

5.十分な水分補給をする

十分な水分補給は痛風予防において重要です。水分をたくさん摂ることで、尿と一緒に尿酸を排泄できるためです。 反対に、水分を十分に摂取しないと、尿酸の排泄が滞って血液中の尿酸値が上昇しやすくなります。

推奨されている1日の水分摂取量は2L以上です。(文献2)なお、アルコール飲料や加糖飲料は、尿酸値を高めるため水分に含めないでください。

6.運動習慣を取り入れる

運動は肥満やメタボリックシンドロームを改善して、尿酸値を下げる効果が期待できます。ただし、筋トレや短距離走などの無酸素運動は、尿酸値を高める恐れがあります。

運動内容は、以下のような有酸素運動が効果的です。

  • ウォーキング
  • ジョギング
  • サイクリング
  • 水泳
  • 社交ダンス

運動は継続が大切です。少なくとも1回10分以上の有酸素運動を1日30〜60分は取り入れましょう。文献2

すでに痛風を発症したことがある方は、関節に負担がかかり発作を誘発する恐れがあります。医師と相談して運動内容を決めましょう。

7.節酒と禁煙を心がける

節酒と禁煙は痛風予防において重要です。アルコール飲料は、プリン体が豊富に含まれている場合が多いです。また、たとえプリン体の少ないアルコール飲料でも、アルコール自体に尿酸値を高める働きがあるため節酒を心がける必要があります。

尿酸値への影響を少なくする1日のアルコール摂取量の目安は、以下の通りです。

アルコール飲料 1日の飲酒量の目安
ビール 350〜500mL
ウイスキー 60mL
日本酒 1合

ワインは1日148mLまでであれば、尿酸値への影響はないと報告があります。(文献2)タバコに関しては、痛風に直接影響があるわけではありませんが禁煙を推奨します。高尿酸血症の合併症である尿路結石や、その他高血圧などさまざまな病気のリスクを高めるためです。

8.ストレスをためないようにする

ストレスは尿酸値を高める恐れがあります。ストレスは尿酸を産生させる物質を内臓脂肪や肝臓、小腸などで活性化させてしまうためです。文献5

また、ストレスは高尿酸血症の合併症である尿路結石の発症に関係していると報告もあります。痛風を予防するためには、休息や余暇活動を行いストレスの軽減をすることも大切です。

痛風発作の予兆が起きた際の対策

痛風は発作が起こる予兆の段階で、コルヒチンという薬を内服すれば予防できます。

痛風の予兆を示す症状は以下の通りです。

  • むずむず、チクチクなどの患部の違和感
  • 熱っぽさ
  • だるさ

ただし、発作が起きてしまったあとに内服しても効果は期待できません。コルヒチンの処方に関しては、医師に相談してください。

まとめ|適切な対策を実施して痛風を予防しよう

痛風を予防するには、多くの場合に生活習慣の見直しが必要です。プリン体がたくさん含まれる食事は避けて、野菜類や海藻類などをバランス良く食べましょう。

バナナや低脂肪ヨーグルト、チェリーなどの尿酸値を下げる効果が期待できる食べ物を摂取しても良いでしょう。アルコール飲料は尿酸値を高めるため節酒も必要です。

肥満傾向である方は、1回10分以上の有酸素運動を1日30〜60分取り入れることを推奨します。すでに尿酸値が高めと指摘されている方は、定期的に医療機関を受診して、尿酸値の経過を見るようにしましょう。

痛風対策に関するよくある質問

食べてはいけない食事はある?

痛風予防において食べてはいけない食事をまとめると、以下の通りです。

  • レバーや干物などのプリン体が豊富に含まれる食べ物
  • ビールなどのプリン体が豊富に含まれるアルコール飲料
  • 果糖が豊富に含まれる清涼飲料水

以上は、尿酸値を高めてしまうため、多量摂取は控えるようにしてください。

痛風は1日で治る?

痛風は、発作が起きたあとに痛みが引いたからといって1日で治るわけではありません。発作を完全に落ち着かせるには、数日から数週間は必要です。

また、尿酸値が改善しなければ、発作が再度起こるリスクが高いです。治療を進めていない方は、医療機関を受診してください。

参考文献

(文献1)
痛いだけじゃない痛風の怖さ|千葉県医師会

(文献2)
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン|日本痛風・核酸代謝学会

(文献3)
魚介類50gあたりの脂質とプリン体の関係|厚生労働省

(文献4)
高尿酸血症と食事|厚生労働省労災疾病臨床研究事業

(文献5)
ストレスが高尿酸血症の発症に関与するメカニズムを解明|名古屋大学

(文献6)
血清尿酸値の低下作用が示唆される食材および食材に含まれる物質の作用機序|一般社団法人日本痛風・尿酸核酸学会