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痛風対策に効果的な食事法!安全で健康的な選択肢をご紹介

「痛風と診断されたけど、どのような食事をすればいいの?」「家族の食事にも配慮しないと…」 このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

痛風の予防やコントロールには、適切な食事を摂ることが重要です。しかし、具体的にどのような食材を選び、どうバランスを取ればよいのかわからない方も少なくありません。

今回は、痛風対策に効果的な食事法について詳しく解説します。尿酸値を下げる食材の選び方、避けるべき食品、一日の食事プランなどについても紹介しています。 痛風の悪化を防ぎつつ、ご家族の健康も考えた食生活を送る参考になれば幸いです。

痛風対策に効果的な食事法!安全で健康的な選択肢をご紹介

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痛風と食事の関係

痛風の発症や悪化には、日頃の食生活も大きく影響しています。とくに、プリン体を多く含む食品の過剰摂取は要注意です。ここでは、痛風と食事の関係について解説いたします。

痛風発症と食生活の因果関係

痛風は、体内で作られた尿酸という物質が、腎臓から十分に排出されないために血液中に蓄積し、発症します。尿酸は、プリン体という物質が体内で分解されることで生成されます。

食事から多く摂取すると尿酸の生成量がさらに増加してしまいます。つまり、プリン体を多く含む食品を取りすぎると、尿酸の生成が増え、痛風発作のリスクが高くなるのです。

健康な成人男性の尿酸の1日生成量は約1,000mgといわれています。プリン体の摂取量が多いと、この尿酸の生成量がさらに増加してしまいます。そして、血液中の尿酸値が1dLあたり7.0mg以上になると、痛風発作のリスクが上昇しやすいのです。

つまり、普段の食生活が痛風の発症と深く関係しているといえます。

痛風悪化のリスクを高める食品

痛風のリスクを高める代表的な食品は、以下の通りです。

  1. 肉類(とくにレバー、内臓肉など)
  2. 魚介類(とくにイワシ、サンマ、カツオなど)
  3. ビールなどのアルコール飲料
  4. 果糖の多い清涼飲料水

前述の食品に多く含まれるプリン体が体内で分解されると、尿酸が生成されます。たとえば、レバー100gあたりのプリン体含有量は約400mgで、他の食品と比較すると高い値です。また、アルコールは尿酸の排泄を妨げる作用があるため、痛風のリスクを高めます。ビール1缶(350ml)を飲むと、血中尿酸値が約0.5mg/dL上昇すると言われています。

さらに、果糖は他の糖類と比べて尿酸値を上昇させる作用が強いとされています。したがって、痛風の方は、これらの食品の摂取を控えることが重要です。

痛風の予防のためには、バランスの取れた食事を心がけ、プリン体の過剰摂取を避けることが大切です。プリン体を多く含む食品を控えめにし、な水分を摂取して尿酸を排出しやすくすることが有効です。また、適度な運動を行うと、体重管理や代謝の改善につながり、痛風のリスクを下げることができるでしょう。

痛風に良い食材とは?

痛風の食事療法では、プリン体の摂取を控えることが大切ですが、すべての食品を制限する必要はありません。痛風患者さんでも比較的食べてもよいとされる食材があります。これらの食材は、プリン体が少なく、痛風の改善に役立つ栄養素が豊富に含まれています。ここでは、そのような食材について紹介します。

尿酸値を下げる食材の選び方

痛風対策の食事では、プリン体の少ない食材を中心に選ぶことが大切です。具体的には、野菜類、果物類、低脂肪乳製品、全粒穀物などが推奨されます。これらの食材を中心とした食事は、尿酸値を下げ、痛風発作のリスクを減らすのに役立ちます。

推奨される食品とその理由

以下の表は、痛風の方に推奨される食品とその理由です。

食品 理由 含有量の例
  • ・キウイフルーツ
  • ・オレンジ
  • ・さくらんぼ
  • ビタミンCが豊富で、尿酸の排泄を促進
  • 100g当たりのビタミンC含有量
  • ・キウイフルーツ約90mg
  • ・オレンジ約50mg
  • ・さくらんぼ約10mg
  • 低脂肪乳製品
  • ・プリン体が少なく、カルシウムが豊富
  • ・カルシウムは尿酸の排泄を促進
  • 100g当たりのカルシウム含有量
  • ・低脂肪牛乳約120mg
  • ・ヨーグルト約110mg
  • 全粒穀物
  • ・ビタミンB群が豊富で、プリン体代謝を助ける
  • ・食物繊維が豊富で、便通を改善
  • 玄米100g当たりのビタミンB1含有量:約0.4mg
  • 大豆製品
  • ・プリン体含有量が低く、尿酸値を上げにくい 
  • ・良質なタンパク源で、動物性タンパク質の代替に適している 
  • ・イソフラボンが豊富で、抗酸化作用がある
  • ・木綿豆腐100g当たりのプリン体含有量:約6mg 
  • ・納豆50g当たりのプリン体含有量:約約18〜22.5mg
  • 注意:納豆は栄養価が高いですが、プリン体含有量も無視できません。適量を守りましょう

これらの食品を上手に取り入れることで、痛風患者さんでも栄養バランスの取れた食生活を送ることができます。ただし、どのような食品でも食べ過ぎは避けるべきです。個人差があるため、医師や管理栄養士との相談の上、自分に合った食事療法の実践が大切です。

痛風に悪い食品を避ける方法

痛風の予防と管理には、プリン体の多い食品を避けることが欠かせません。プリン体含有量が100gあたり200mg以上の食品は、とくに痛風のリスクを高める可能性があります。ここでは、制限が必要な食品と、その代替案について見ていきます。

プリン体が多い食品の一覧と代替案

以下の表は、プリン体を多く含む食品と、その代替案をまとめたものです。痛風患者は、これらの高プリン体食品を控え、代わりに低プリン体の食材の選択を意識するのが大切です。

  • 高プリン体食品
  • プリン体含有量 (mg/100g)
  • 低プリン体の代替案
  • レバー
  • 300-600
  • 大豆製品(豆腐、納豆など)
  • イカ、タコ
  • 200-300
  • 白身魚(タラ、カレイなど)
  • カツオ、マグロ
  • 200-400
  • 青背魚(サバ、アジなど)
  • 鶏肉の皮
  • 200-300
  • 鶏むね肉(皮なし)
  • ビール
  • 10-20 (100ml当たり)
  • ノンアルコールビール

前述した食品を控える代わりに、大豆製品、白身魚、野菜中心の食事に切り替えるのがよいでしょう。

大豆製品は良質なタンパク質源で、プリン体が少なく、豆腐100gあたりのプリン体含有量は約50mgです。また、野菜は尿酸値を下げる働きがあるビタミンCが豊富に含まれています。

アルコールと痛風の関係

アルコールは尿酸の排泄を阻害し、体内の尿酸を増加させます。とくにビールは、アルコールに加えてプリン体も含むため、尿酸値を上昇させる作用が強いのです。ビール大瓶1本(633ml)には約100-200mgのプリン体が含まれており、これは高プリン体食品とされる量です。

痛風患者は可能な限りアルコールを控え、どうしても飲む場合は、ビールではなく、ワインや焼酎などのプリン体を含まない酒を選び、適量(1日平均純アルコール20g程度)を心がけましょう。

実践!痛風対策のための一日の食事プラン

ここでは、痛風患者におすすめの一日の食事プランを紹介します。家族の健康も考慮しながら、バランスの取れた食事を心がけましょう。

朝食:痛風に優しいメニューの提案

忙しい朝でも、簡単に作れて栄養バランスの取れたメニューを選ぶと続けやすいでしょう。

メニュー 材料
  • 全粒粉トースト+野菜スープ
  • 全粒粉パン、野菜(お好みで)、コンソメなど
  • オートミール+低脂肪ヨーグルト+フルーツ
  • オートミール、低脂肪ヨーグルト、お好みのフルーツ
  • 豆乳スムージー+ビタミンCの多い果物
  • 豆乳、バナナ、ビタミンCの多い果物(キウイ、オレンジ、イチゴなど)

朝の忙しい時間帯でも、これらのメニューなら短時間で準備できるでしょう。全粒粉トーストと野菜スープ、オートミールとヨーグルト、豆乳スムージーなど、痛風の方に適したメニューといえます。

昼食と夕食:家族も喜ぶ健康的な選択

家族みんなで楽しめるような、バランスのよい食事の例を紹介します。

メニュー 材料
  • 茶わん蒸し+野菜サラダ+玄米ご飯
卵、だし汁(干ししいたけや玉ねぎなど)、野菜(レタス、きゅうり、トマト、にんじん、ブロッコリーなど)、玄米など
  • 豆腐ハンバーグ+蒸し野菜+キノコスープ
豆腐、ひき肉、野菜、キノコ、だし汁など
  • さわらの塩焼き+野菜炒め+もずく酢
さわら、野菜、もずく、酢など

低プリン体の食材を使った、栄養バランスの取れたメニューを揃えました。茶わん蒸しや豆腐ハンバーグなど、家族みんなが喜ぶ献立でしょう。

痛風の方も、おいしく食事を楽しみながら、健康管理がしやすいです。

家族の好みに合わせつつ、プリン体の少ない食材を使ったメニューを心がけましょう。

表に挙げたメニューは、プリン体が比較的少なく、痛風患者に適していると考えられます。しかし、個人差があるため、自分の尿酸値や体調に合わせて、医師や管理栄養士に相談しながら、食事プランを調整することが大切です。

痛風の食事療法は、バランスの取れた食生活が基本です。毎日の食事で、プリン体の少ない食材を選び、野菜や果物、低脂肪乳製品などを積極的に取り入れることで、尿酸値をコントロールしつつ、家族みんなで健康的な食卓を囲むことができるでしょう。

食生活の習慣改善とその効果

痛風の予防と管理には、継続的な食生活の改善が欠かせません。ここでは、食事の管理がもたらす長期的な効果と、合わせて実践したい生活習慣の改善策を紹介します。

食事の管理がもたらす長期的な健康効果

適切な食事療法を継続することで、以下のような長期的な健康効果が期待できます。

  • 健康効果
詳細
  • 尿酸値の低下
プリン体の摂取量を1日400mg以下に抑えると、尿酸値が低下する可能性があり、痛風発作のリスクを減少させる可能性がある
  • 尿酸排泄の促進
十分な水分摂取により、尿酸の排泄を促すことができる。また、ビタミンCには尿酸排泄を促進する可能性がある
  • 腎機能の保護
高尿酸血症が長期間続くと、腎臓に負担がかかり、腎機能が低下する可能性がある。適切な食事療法により尿酸値をコントロールすることで、腎機能の保護につながる可能性がある
  • 尿路結石の予防
高尿酸血症は尿路結石の危険因子の一つである。十分な水分摂取と適切な食事療法により、尿路結石のリスクを下げやすい

腎臓病と尿路結石は、痛風患者にとって重要な合併症であり、食事療法はこれらの予防にも役立ちます。

ただし、腎臓病や尿路結石がある場合の具体的な食事指導は、病状に応じて個別に行う必要があります。医師や管理栄養士と相談しながら、適切な食事療法を実践することが大切です。

痛風予防のための追加の生活改善策

食事療法と合わせて、以下のような生活習慣の改善策を実践することが重要です。

  • 生活習慣
改善策
  • 運動不足
1回30分以上の中等度の運動(早歩きなど)を週5回、または1回20分以上の高強度の運動を週3回行うことを目標とする。適度な運動は尿酸値を下げ、血行を促進する効果が期待できる
  • 喫煙
禁煙する。喫煙は尿酸値を上昇させる要因の一つであり、禁煙により尿酸値が0.5~1.0mg/dL程度の低下が期待できる
  • 肥満
BMIを25未満に維持することを目標に、適正体重の維持に努める。肥満は尿酸値を上昇させる要因の一つである

まとめ・生活全般を見直して痛風対策を!

生活全般を見直し、健康的な習慣を身につけていきましょう。

痛風の予防と管理に食事が果たす役割は非常に大きいといえます。プリン体の多い食品を控え、尿酸値を下げる食材を積極的に取り入れましょう。

そして家族の健康も考慮しながら、バランスの取れた食生活を実践することです。これらを継続的に行うことで、痛風の悪化を防ぎ、健やかな毎日を送ることができるはずです。

50歳をすぎると、痛風のリスクが高まります。仕事や家庭の責任を果たしながら、自分の健康管理を怠りがちになることもあるでしょう。しかし、食生活の改善は、あなたの健康を守る確かな一歩となります。専門家のアドバイスを参考に、家族の理解と協力を得ながら、無理のない範囲で食事の改善に取り組んでいきましょう。

痛風と向き合う日々は決して楽ではないかもしれません。しかし、正しい食の選択を心がけることが、あなたの健康を守る確かな一歩となるでしょう。ご家族の健康も考えながら、バランスの取れた食生活を実践していきましょう。

 

監修:医師 渡久地 政尚

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