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尿酸値と筋トレの関係性を医師が解説!上昇の原因や正しい運動法を紹介

尿酸値と筋トレの関係性を医師が解説!上昇の原因や正しい運動法を紹介
公開日: 2025.03.31

「筋トレで尿酸値は上がるの?」

「プロテインは影響する?」

と疑問に思ったことはありませんか?

実は、筋トレと尿酸値には深い関係があり、誤った方法で行うと尿酸値が上昇するリスクがあります。

本記事では、筋トレによる尿酸値上昇の原因や、高尿酸血症の方でも安全に運動を続ける方法を医師が詳しく解説します。

正しい知識を身につけ、健康を維持しながら筋トレを続けましょう。

尿酸値は筋トレで上昇することがある|考えられる4つの原因

筋トレは健康維持に役立つ運動ですが、方法によっては尿酸値を上昇させる原因になります。

ここでは、筋トレが尿酸値に及ぼす影響として考えられる4つの原因を解説します。

  • 筋肉分解で生じるプリン体が尿酸値を上昇させるから
  • 運動後の一時的な脱水が尿酸濃度を高めるから
  • 強度の高い筋トレほど尿酸値が上がりやすいから
  • プリン体が多いプロテインを摂取しているから

とくに、高強度の筋トレや食生活の影響で、一時的に尿酸値が上がる場合があります。

適切な対策を知り、健康を維持しながら安全に筋トレを続けましょう。

筋肉分解で生じるプリン体が尿酸値を上昇させるから

筋トレを行うと、筋肉が一時的にダメージを受け、修復の過程で分解されます。

その際、筋肉内でプリン体が生成され、尿酸として体内に蓄積されます。

主に高強度のトレーニングでは筋肉の分解が激しくなり、尿酸値が上がりやすくなるのが特徴です。

適度な筋トレは健康に良い影響を与えますが、過度なトレーニングは尿酸値上昇の原因となるため、無理をせず適切な回復時間の確保が大切です。

運動後の一時的な脱水が尿酸濃度を高めるから

筋トレ中は汗をかくことで体内の水分が失われ、脱水になりやすくなります。

とくに、高温多湿の環境や長時間のトレーニングでは脱水が進み、尿酸値が急上昇する場合もあります。(文献1

対策としては、運動中・運動後にこまめな水分補給を心がけることが重要です。

強度の高い筋トレほど尿酸値が上がりやすいから

スクワットやデッドリフトなどの高負荷トレーニングでは、筋肉のエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)の消費が激しくなります。

ATPが分解される際にプリン体が生成されるため、結果的に尿酸値が上がりやすくなります。(文献2

そのため、短時間で高強度のトレーニングを繰り返すと、尿酸値が急激に上昇するリスクが高まるため注意が必要です。

適度な強度で筋トレを行い、無理な高重量トレーニングを避けることが大切です。

プリン体が多いプロテインを摂取しているから

筋トレ後の栄養補給としてプロテインを摂取する人は多いですが、種類によっては尿酸値を上げる可能性があります。

主にタンパク質であるプロテインには、プリン体を含む種類もあるためです。

また、プロテインを飲んで激しい筋力トレーニングを行うことも、間接的に尿酸値を上げる原因になりかねません。

そのため、プロテインの摂取量に注意した上で、バランスの良い食事と組み合わせて、尿酸値の急上昇を防ぎましょう。

痛風の方に向けた、避けたい食品とおすすめメニューについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

\まずは当院にお問い合わせください/

尿酸値が高い人が筋トレするときの注意点

尿酸値が高い人でも、正しい方法で筋トレを行えば健康を維持できます。

しかし、誤ったやり方では尿酸値がさらに上昇し、痛風のリスクが高まる可能性があります。

本章では、尿酸値が高い人が安全に筋トレを続けるためのポイントを4つ解説します。

  • 有酸素運動中心のメニューにする
  • こまめな水分補給を心掛ける
  • 食事でプリン体摂取を控える
  • 検査前は激しい筋トレを控える

それぞれ詳しく解説しているので、筋トレを日常的に行う方は参考にしてください。

有酸素運動中心のメニューにする

尿酸値が高い場合は、無酸素運動よりも有酸素運動を中心に取り入れるのがおすすめです。

ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなどは、尿酸値を下げる効果が期待できます。(文献3

一方、スクワットやデッドリフトなどの高負荷トレーニングは筋肉の分解が進みやすく、尿酸値が上昇する原因になるケースがあります。

以上のことから、筋トレを行う際は負荷の軽いメニューを意識し、無理のない範囲で続けていきましょう。

こまめな水分補給を心掛ける

尿酸値が高い人にとって、水分補給はとくに重要です。

体内の水分が不足すると尿酸の排出が滞り、血中濃度が上昇しやすくなります。

運動中は汗によって水分が失われるため、意識的にこまめな水分補給が大切です。

とくに高温多湿の環境では発汗が増えるため、運動前・運動中・運動後とこまめな水分補給を心がけましょう。

水だけでなく、ナトリウムやカリウムなどの電解質を含むスポーツドリンクを取り入れると、体内のバランスを保ちながら尿酸の排出を促せます。

食事でプリン体摂取を控える

筋トレと並行して食事内容を見直すのも、尿酸値の管理には欠かせません。

プリン体を多く含む食品(レバー、魚卵、アルコール類)は控えめにし、野菜や乳製品、豆類などを積極的に摂ることが望ましいです。(文献4

また、プロテインを摂取する際にも注意が必要です。

タンパク質は筋肉の回復に欠かせませんが、プリン体を多く含む食材の過剰摂取は尿酸値上昇の原因となるため、適量を心掛けることが重要です。

以下の記事では、尿酸値を抑えて痛風を予防する方法について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

検査前は激しい筋トレを控える

健康診断の前に激しい筋トレを行うと、一時的に尿酸値が上昇する可能性があります。(文献2

これは、筋肉の分解や脱水が影響するためです。

そのため、検査前日の夜に高負荷のトレーニングを行うと、通常よりも高い尿酸値が測定される場合があるため注意が必要です。

正確な数値を把握するためにも、検査の数日前からは軽めの運動にとどめ、体を休める時間を確保しましょう。

まとめ|適度な筋トレと水分補給で尿酸値を管理しよう

この記事では、筋トレが尿酸値に与える影響について解説しました。

筋肉の分解や脱水、高負荷トレーニング、プリン体を多く含むプロテインの摂取などが、尿酸値上昇の原因となるケースがあります。

しかし、適度な有酸素運動の取り入れやこまめな水分補給、プリン体を控えた食事を意識すると、尿酸値を管理しながら安全に筋トレを続けることが可能です。

また、健康診断前には激しい筋トレを避けると、正確な尿酸値を把握しやすくなります。

本記事を参考に、無理のない運動習慣を継続しながら、健康的な体づくりを目指してみてください。

また、筋トレをしていても、尿酸値が下がらず体調不良が出てしまう場合もあります。

お悩みがある方は、ぜひ当院リペアセルクリニックの「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。

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尿酸値と筋トレの関係性についてよくある質問

尿酸値は運動で下がる?

適度な有酸素運動は、尿酸値を下げる効果が期待できます。

一方で、高強度の筋トレは筋肉の分解を引き起こし、一時的に尿酸値を上昇させる場合があります。

そのため、尿酸値が高い人は、ウォーキングや軽いジョギングを取り入れ、無理な高負荷トレーニングを避けるのが理想的です。

定期的に健康チェックを行いながら、バランスの取れた運動を続けていきましょう。

健康診断の前に筋トレをすると尿酸値が上昇する?

健康診断の前日に激しい筋トレを行うと、筋肉の分解や脱水により、尿酸値が一時的に上昇することがあります。(文献2

正しい数値を測定するためにも、健康診断の数日前からは高負荷なトレーニングは控えるようにしてください。

また、診断前日は水分をしっかり摂り、尿酸の排出を促しましょう。

尿酸値を上げない筋トレや食生活について相談したい方、また痛風の症状や治療方法について知りたい方は、当院リペアセルクリニックの「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。

参考文献

(文献1)
甲佐町「痛風発作を予防しよう~総合保健福祉センター「健康だより」」(2024年) https://www.town.kosa.lg.jp/q/aview/171/10926.html(最終アクセス:2025年3月15日)

(文献2)
斉藤篤司、大柿哲朗 九州大学_異なる運動様式の最大運動が運動後の血清尿酸濃度に及ぼす影https://api.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/736/024_p033.pdf(最終アクセス:2025年3月15日)

(文献3)
日本痛風・尿酸核酸学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」2022年追補版https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00476_supplementary.pdf(最終アクセス:2025年3月19日)

(文献4)
厚生労働省「高尿酸血症」健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~2024年 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-007(最終アクセス:2025年3月19日)

監修者

坂本 貞範(医療法人美喜有会 理事長)

坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)

Sadanori Sakamoto

再生医療抗加齢学会 理事

再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。

「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。

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