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貧血で眠くなる理由は主に3つ|対処法と医療機関を受診のサインも解説

貧血 眠い
公開日: 2025.04.30

「寝ても寝ても眠い状態が続く」

「眠いのは貧血も関係していると聞いた」

「貧血の検査を受けた方が良いのだろうか」

このように悩まれている方は多いでしょう。女性の場合、月経前後や月経中に眠気が強くなる方も少なくありません。

本記事では、貧血で眠くなる理由や対処法を解説します。セルフケアを続けても眠気が続く場合や、眠気が強くなる場合は、専門医に相談してみましょう。

いつも眠い理由は貧血のせいかもしれません!

眠気が続く原因として、貧血が考えられます。

貧血が眠気を引き起こす理由は、主に以下の3つです。

  • 血液中の酸素不足
  • 睡眠の質の低下
  • 月経の影響

血液中の酸素不足

貧血とは、赤血球の中にあるヘモグロビンの量が不足した状態です。ヘモグロビンは、血液に酸素を行きわたらせる働きがあります。

貧血によりヘモグロビンが不足すると、血液中の酸素が不足し、その影響で脳の活動も低下します。眠気は、脳の活動低下によるものです。そのほかにも判断力の低下や頭がぼんやりするなどの症状があらわれます。

貧血の方は、体内への酸素運搬能力が低下しているため、筋肉や他の組織もエネルギー不足の状態です。そのため、通常の日常生活でも疲れやすくなっています。

貧血の症状については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

睡眠の質の低下

貧血が原因で、睡眠の質が低下するケースもあります。代表的なものが、むずむず脚症候群です。

むずむず脚症候群とは、脚の奥に不快な感覚が生じるものです。不快な感覚としては、主に以下のようなものがあげられます。

  • むずむずする
  • ピリピリする
  • 虫が這っているような感じがする
  • かゆみがある

むずむず脚症候群の特徴は、安静にしていると症状が出現もしくは増強し、足を動かすと症状が軽減される点です。

夜に症状が出現しやすいため、寝付けなかったり、何度も目が覚めたりします。そのため睡眠の質が低下して、眠い状況が続くのです。

月経の影響

女性の場合は、月経も眠気に関連しています。

女性は月経による出血が毎月あるため体内から鉄分が失われることが多く、鉄欠乏性貧血を引き起こしやすいです。そのため、体内で酸素不足が起きやすく、眠気を生じやすいといえます。

1回の月経による出血量は、20〜140mlが正常範囲であり、140ml以上の出血があると月経過多状態とされます。(文献1)

また、月経前の2週間はとくに眠気を生じやすい時期です。ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れ、体温変動の少なさなどが、理由としてあげられます。

貧血が原因で眠いときの対処法

貧血が原因で眠いときの対処法としてあげられるのは、主に以下の2つです。

  • 生活リズムの見直し
  • 食生活の見直し

生活リズムの見直し

眠いときの対処法の1つが、生活リズム、とくに睡眠リズムの見直しです。

起床後すぐに日光を浴びると体内時計がリセットされ、睡眠と覚醒のリズムが整います。

日中、光を多く浴びることにより入眠前に「メラトニン」が適切に分泌されます。メラトニンは、就寝の1~2時間前に眠気をもよおすホルモンです。(文献2)

眠気が出てきたタイミングで寝室に入り、静かな環境で就寝すると、質の良い睡眠が得られます。睡眠の質が高まると、眠気の改善に繋がります。

就寝前にスマートフォンやタブレット、パソコンなどの強い光を浴びると、メラトニンの分泌が抑制されて、睡眠が妨げられます。スマートフォンやタブレットを寝室に持ち込むことは、睡眠の質低下につながるため、おすすめできません。

食生活の見直し

貧血の多くは、体内の鉄分不足による鉄欠乏性貧血です。毎日の食事を通じて、鉄分やビタミンB12、ビタミンC、葉酸、タンパク質など赤血球やヘモグロビンの材料になるものを摂り続けましょう。

貧血が改善されると、眠気が軽減する可能性も高まります。

食生活の見直しについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

医師に相談すべき眠気の症状

前章で紹介した対処法を試してもなお眠気が続く場合や、この章で紹介する症状がある場合は、放置せずに医療機関を受診し、医師に相談しましょう。

眠気のため気絶してしまう

貧血が重度の場合、強い眠気や疲労感が生じます。血液中の酸素不足により、脳の血流量が低下し、結果として脳が正常に機能するためのエネルギーが失われるためです。

脳の血流量が減少すると、一時的に意識を失ってしまうこともあります。いわゆる「気絶」「失神」と呼ばれる症状です。

眠気以外に動悸や息切れといった症状がある

平担な道を歩いているだけで動悸や息切れがする場合は、貧血が重症化している可能性があります。

貧血が進行すると、体内への酸素供給量も低下し、平地を歩くといった軽い動作でも体に負担がかかります。酸素供給量を増やすため、平常時よりも心臓の動きが速くなったために生じるのが動悸です。

酸素供給量低下によるもう1つの症状が、息切れ(呼吸困難)です。貧血の方は、血液中の酸素量を増やすため、速く深い呼吸になっています。

貧血で強い眠気を感じる場合は専門医に相談しよう

貧血は血液中のヘモグロビン値が低下して、身体が酸素不足になっている状態です。身体が酸素不足であるために、結果として脳の活動も低下して、眠気につながります。

貧血によりむずむず脚症候群が引き起こされると、睡眠の質が低下します。これも眠気につながる原因の1つです。

女性の場合、月経のために鉄欠乏性貧血を起こしやすく、月経周期の関係で眠くなることもあります。

本記事で紹介した対処法を実践しても眠気が続く場合や、気絶する、動悸・息切れが強いときなどは、貧血が重症化していることが考えられるため、医療機関を受診しましょう。

リペアセルクリニックでは、貧血治療に関するご相談にも対応いたします。メール相談オンラインカウンセリングも実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

貧血と眠気に関するよくある質問

貧血のため眠いと感じるときは何科を受診すると良いでしょうか

最初は内科を受診すると良いでしょう。血液検査で、ヘモグロビンや赤血球数といった貧血関連の数値を調べて、必要であれば総合病院や大学病院などの血液内科を受診する流れです。この場合、内科医師が紹介状を書くことが一般的です。

女性の方で、「生理中に貧血のような症状がある」「生理中に眠気が強くなる」などの状況であれば、婦人科受診も選択肢として考えられます。

貧血で眠いのは鉄剤の副作用でしょうか?

鉄剤の主な副作用は、吐き気や胸やけ、腹痛といった消化器症状です。他にも湿疹や皮膚のかゆみなどの副作用があります。

眠いのは、貧血による影響が強いと考えられます。

薬について不安や心配ごとがある場合は、主治医もしくは薬剤師に相談しましょう。

 

参考文献

(文献1) 札幌大谷大学・札幌大谷大学短期大学部 保健室「月経時、出血量が多く悩んでいませんか?」2024年

https://www.sapporo-otani.ac.jp/wp/wp-content/themes/sapporo-otani/images/campuslife/support/hokehshitu_letter_2411.pdf(最終アクセス:2025年4月18日)

(文献2) 厚生労働省「眠りのメカニズム」健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~, 2023年01月23日

https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-002(最終アクセス:2025年4月18日)

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