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パソコン腱鞘炎の症状とは?原因や治し方・予防法も徹底解説!

パソコン腱鞘炎
公開日: 2025.06.30

仕事やゲームなどでパソコンを使っていて、指や手首に耐えられない痛みを感じる方もいるのではないでしょうか。実はパソコン作業による指や手首の痛みは、腱鞘炎の疑いがあります。

日頃のパソコン操作で、指や手首負担がかかって起きる腱鞘炎は「パソコン腱鞘炎」と呼ばれることもある疾患です。パソコンを使うことが多い現代人ならではの病気ともいえるため、特徴や治し方を知っていると重宝します。

本記事では、パソコン腱鞘炎の症状や原因、治し方を解説します。

パソコン腱鞘炎の症状とは?

パソコン腱鞘炎になると、指や手首、腕に痛みや引っかかりの症状が現れます。これらの症状は、日常のパソコン作業に大きな支障をきたすため、早期発見・早期対処が重要です。

症状の現れ方は炎症が起きる部位によって異なり、代表的なものに「ばね指」と「ドケルバン病」があります。

それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。

利き腕の指の引っ掛かり・痛み|ばね指

パソコン腱鞘炎でよく見られる症状として、まず「ばね指」が挙げられます。ばね指は、指の付け根部分に発症する腱鞘炎です。

具体的には、「屈筋腱」と呼ばれる指の曲げ伸ばしに欠かせない腱や、それを覆う腱鞘に過度な負担がかかって発症します。とくにパソコン作業では、長時間にわたるキーボードのタイピングやマウスのクリック操作が主な要因です。

指先を使いすぎると屈筋腱と腱鞘が摩擦し、それによって炎症が生じます。炎症が生じると指を曲げ伸ばす際に痛みを感じるだけでなく、引っ掛かりまで起こるのが特徴です。

親指の痛み|ドケルバン病

腱鞘炎でばね指とともに「ドケルバン病」も、パソコン作業が原因で発症します。ドケルバン病は腱鞘炎のなかでも、手首の親指側に生じるのが特徴です。具体的には、手首から親指にかけて伸びる2本の腱と腱鞘に過度な負担がかかって、痛みや熱感が起こります。

パソコン作業中は手首が反った状態が長時間続きやすく、腱や腱鞘に負担がかかることでドケルバン病を発症するリスクがあります。

腕や肩の痛み

パソコン腱鞘炎では、腕や肩が痛む場合があります。これはとくに、マウスを使って長時間作業する方に多く見られる症状です。

マウスを使う際、手首を動かす一方、マウスを持つ方の利き腕は常に固定されます。しかも、肘が浮いている状態で固定されるため、首や肩に大きな負担を与える場合も多いです。もし、マウスを使う作業が長時間に及べば、肩や腕に痛みやしびれが生じることがあります。

なお、マウスを使わない場合でも同じ姿勢で長時間のパソコン作業により、上腕二頭筋周辺の腱に炎症が起こって腱鞘炎に発展するケースも少なくありません。

パソコン腱鞘炎のチェック方法

パソコン腱鞘炎やマウス腱鞘炎になっているか、または発症しかけているかを確認するには、セルフチェックが有効です。以下の項目で当てはまるものがないか確認してみましょう。

  • 長時間パソコン作業に従事している
  • パソコンのモニターが真正面にない
  • キーボードまで距離がある・キーボードの手前に書類などが置いてある
  • パソコン作業中に足を組んでいる
  • 受話器を耳や肩で挟みながらキーボード入力している
  • パソコンを使っている時に指や手首などを痛めたことがある
  • 指や手首、腕などに違和感がある
  • 頭痛や目の疲れがある
  • 歩く時間が1日30分に及ばない
  • 休憩時間などにスマホを操作することも多い

以上の項目で当てはまるものが多いときは、パソコン腱鞘炎やスマホ腱鞘炎の疑いがあります。

加えて、医療機関でも使われる方法として、以下の方法でチェックするのもおすすめです。

【ドケルバン病のチェック方法】

  • フィンケルシュタインテスト:広げた手で親指を内側に折った後、反対側の手で親指を引っ張る
  • フィンケルシュタインテスト変法:親指握った状態でこぶしを作り、手首を小指側に曲げて痛みの有無を確認

【ばね指のチェック方法】

  • 指の付け根部分を軽く押しながら、指を曲げ伸ばす

曲げ伸ばしがスムーズにできないときは、ばね指の疑いがあります。

パソコン腱鞘炎になる原因

パソコン腱鞘炎を引き起こす主な原因は以下の通りです。

  • 過度なタイピング操作
  • パソコン作業時の姿勢の悪さ
  • マウス操作時の利き手への負担

これらの複数の要因が重なり合って症状が現れるのが一般的です。

それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

過度なタイピング操作

過度なタイピング操作は指先に負担をかけ、パソコン腱鞘炎の原因となります。

とくに業務でのパソコン作業では、成果物の提出やメール対応などの迅速さが求められるため、早いタイピングが必要なケースも多くあります。急ぐあまりエンターキーを強めに押す人も少なくありません。

しかし、早いタイピングや強めのキーボード入力は、自然と指先に大きな負担をかけます。もしパソコン作業が毎日長時間に及ぶと、溜まった負担によって指先の腱鞘炎を発症する原因にもなりやすいです。

パソコン作業時の姿勢の悪さ

「パソコン作業時の姿勢の悪さ」も、パソコン腱鞘炎の主要な原因のひとつです。パソコン作業中は、画面やキーボードの位置を確認しながら入力などしていくため、猫背のような悪い姿勢になることもよくあります。

しかし姿勢の悪い状態で作業を続けた場合、肩や腕、手首などに負担がかかります。

猫背になると肩甲骨周りの筋肉が緊張し、肩や腕の動きが制限されてしまいます。その結果、手首に余計な負担がかかって腱鞘炎を引き起こす場合があります。

また、デスクや椅子の高さやキーボードの位置が自分に合っていないのも、パソコン腱鞘炎の原因のひとつです。とくにキーボードやノートパソコンがあまりにも手前側に置かれている状態は、直接手や手首に大きな負担を与えます。デスクや椅子の高さが合っていない状態も、手首や腕に余計な負担がかかるため、腱鞘炎を引き起こす要素となります。

マウス操作時の利き手への負担

パソコン作業中にマウスを長時間使用することで利き手に負担がかかり、これも腱鞘炎を引き起こす原因となります。クリック操作やスクロール操作では、利き手側の人指し指など特定の指に負担が集中しがちです。

加えて、マウスを操作する際は手首を反らした状態になりやすいため、手首の腱や腱鞘にも負担が集中します。

マウス操作では、両手を使うキーボード入力と異なり、利き手の特定の部位に負担が集中する傾向があります。その結果、人差し指や手首で腱鞘炎が発症するリスクを高めます。

パソコン腱鞘炎でできるセルフケア

パソコン腱鞘炎の症状が現れた場合、適切なセルフケアをおこなうことで症状の悪化を防ぎ、回復を促せます。

しかし、セルフケアはあくまで補助的な要素として、症状が重い場合や長期間続く場合は医療機関を受診してください。

ここでは、パソコン腱鞘炎の症状を和らげるために自宅でできる4つの基本的なセルフケア方法をご紹介します。

  • 痛みが出たら手を休ませる
  • サポーターやテーピングで固定
  • 症状に応じた温冷療法
  • 作業中にストレッチを取り入れる

これらの方法を組み合わせて実践することで、より効果的な症状改善が期待できます。

痛みが出たら手を休ませる

パソコン作業で痛みが生じたときは、無理をせず手を休ませてください。早めに休憩を取れば、痛みが和らぎ症状悪化も防げます。とくに仕事中に痛みなどを感じた際には、1時間から2時間に1度は小休止を取ることをおすすめします。

逆に痛みなどがあるにもかかわらず、放置して作業を続行すると、症状がより悪化しかねません。痛みや腫れを感じたら、まずは安静にすることが大切です。

サポーターやテーピングで固定

パソコン腱鞘炎になった際には、手首や指をサポーターやテーピングで固定するのもおすすめです。サポーターやテーピングで指や手首の動かせる範囲を制限することで、患部の負担を抑えられます。

仕事などで作業を中断できない場合でも、サポーターを活用することで負担を軽減しながら作業を続けられます。 ただし、すでに腱鞘炎の症状が見られる状態であるため、こまめな休憩は欠かせません。

症状に応じた温冷療法

症状に応じた温冷療法も、パソコン腱鞘炎に対するセルフケアでよく使われる方法です。腱鞘炎の症状が見られ始めて間もない急性期には、患部を冷やします。アイスパックや氷嚢などをタオルで巻いて患部に当てると、痛みや腫れを緩和できます。

症状が落ち着く慢性期の場合は、反対にに患部を温めます。患部をぬるま湯につけることで血行が改善され、症状が和らいだり腱などの柔軟性が高まったりする効果が期待できます。

作業中にストレッチを取り入れる

作業中の休憩時間にストレッチするのもおすすめです。休憩に合わせてストレッチすることで、痛みが和らいだり、血行の促進で腱の動きをスムーズにできたりします。

業務中でも短時間でできるストレッチをいくつかご紹介しましょう。

【背中のストレッチ】

  1. 座った状態で両手を前に突き出す
  2. 胸を後ろに引いた状態で背中を丸める
  3. この状態を30秒間キープする

【胸のストレッチ】

  1. 座った状態で両手を後ろで組む
  2. 肩甲骨を引いて胸を張る
  3. 背中が丸くならないように腕を上げる
  4. 胸が伸びたら、その状態で30秒間キープ

【前腕のストレッチ】

  1. 一方の腕を前にまっすぐ伸ばす
  2. 手を上側や下側に反らせる(痛みを感じない程度に伸ばす)
  3. それぞれの方向で10秒間キープ・5セットおこなう
  4. 反対の腕でもストレッチ

ただし、これらのストレッチは指先や手首に強い症状や違和感があるときは、無理せずに控えてください。

パソコン腱鞘炎の予防法

パソコン腱鞘炎は長時間のパソコン作業や姿勢の悪さが原因で、指先や手首に発症します。

このため、日頃からパソコンを使った作業の時間や姿勢、作業環境などを見直すことで予防が可能です。

パソコン腱鞘炎の予防法には、主に以下の方法があります。

こまめに休憩を取る

普段から長時間パソコン作業をおこなっている方は、こまめに休憩を取ることが大切です。パソコン腱鞘炎は、指先や手首をいたわることなくパソコン作業で使いすぎると発症します。

1時間から2時間に1度、10分程度の休憩を入れて指や手首を休ませるだけでも、腱鞘炎の予防効果が期待できます。

手指のストレッチを取り入れる

こまめな休憩に加えて、手指のストレッチも取り入れましょう。疲労が溜まった手指のストレッチで、血行が促されるとともに手指の腱や腱鞘の柔軟性を高められます。

パソコン腱鞘炎は手指などの腱や腱鞘が硬くなって症状が現れるため、日頃からストレッチを習慣づけることで腱鞘炎の発症を防止できます。手指のストレッチの方法は次のとおりです。

  1. 指を1本ずつ、手の甲側に反らしていく
  2. それぞれの指で何セットかこなす

なお、長時間のストレッチは余計に腱鞘炎のリスクを高めるため、指1本につき10秒程度のストレッチをゆっくりとおこないましょう。

姿勢を改善する

パソコン腱鞘炎の予防には、作業中の姿勢の改善も欠かせません。パソコン作業中に背中を丸める姿勢は、肩や腕、指先に負担がかかり、腱鞘炎のリスクを高めます。

姿勢を改善する際のポイントは、次のとおりです。

  • 背筋をまっすぐ伸ばし、あごは軽く引く
  • 椅子には深めに腰かける
  • 肘は直角に曲げる一方、手首は曲げないようにする
  • 足の裏はつま先からかかとまでしっかりつける(膝は90度に・足は組まない)
  • マウスはなるべく身体に近いところに置いて操作

これらを意識して、姿勢を改善してみてください。

予防グッズなどでデスク環境を整える

姿勢の改善とともに、腱鞘炎予防グッズなどでデスク環境を整えることも有効な対策です。具体的に以下の方法があります。

  • デスクや椅子を適切な高さに調整(デスクは60~72cm、椅子は37~43cmの範囲で)
  • ディスプレイは40cm以上離す(上端部分が目の少し下に来る程度に)
  • ノートパソコンはスタンドで目線の高さを調整
  • リストレストやアームレストなど手や腕の負担を軽減するグッズの導入
  • エルゴノミクスマウス(人間工学に基づいたマウス)の活用もあり

デスク環境を整えて、体への負担を軽減しましょう。

まとめ|パソコン腱鞘炎では長時間の作業は禁物

パソコン腱鞘炎は長時間のパソコン作業で、指や手首などに疲労が溜まって発症する疾患です。発症すると、仕事や日常生活に影響を与えます。

パソコン腱鞘炎になったときは、なるべく指や手首を安静にして、適度にストレッチすることが重要です。また、予防する方法として正しい姿勢を心掛けたり、デスク環境を整えたりする方法もあります。

パソコンを使うシーンが多い現代人にとって、パソコン腱鞘炎は誰もが発症する可能性のある身近な病気です。作業の合間にこまめに休憩を取るなどして、対策をしましょう。

パソコン腱鞘炎になった場合は、安静にするほかにも再生医療の治療選択肢もあります。

詳しくは、公式ラインで公開している無料の再生医療ガイドブックをご覧ください。

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パソコン腱鞘炎でよくある質問

パソコン腱鞘炎が左手に発生することはある?

パソコン腱鞘炎は左手に発生することもあります。

キーボードは両手で使用するため、右利きの方でも左手にパソコン腱鞘炎を発症します。とくに、シフトキーやCtrlキー、Tabキーなど左手で操作することが多いキーを頻繁に使う場合は、注意が必要です。

また、左利きでマウスを左手で操作する方は、左手に症状が現れやすくなります。

パソコン腱鞘炎が肘に出てくることはある?

パソコン腱鞘炎が肘に現れることはあります。パソコン作業中が原因で肘に現れる腱鞘炎は、「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」と呼ばれる症状です。テニスプレーヤーに多いことで知られるテニス肘は、パソコン操作が日常的な方にとっても身近な存在です。

パソコン作業では、キーボード入力やマウス操作の際に指を頻繁に動かすと、手や手首を反らす動作が増えます。この手や手首を反らす動作に影響を与えているのが、肘の外側の筋肉です。そして日頃からパソコン作業が多くなりすぎると、肘の外側の筋肉に大きな負担がかかり、ついにはテニス肘を発症します。

とくに作業中の姿勢やデスク環境が悪い場合は、猫背などで肘に与える負荷が大きくなる分、テニス肘の発症リスクが高まるため、姿勢には注意が必要です。

パソコン腱鞘炎は労災認定されますか?

パソコン腱鞘炎は、症状によっては労災認定されるケースがあります。以下の条件に当てはまる場合は、労災認定の可能性が高いです。

  • 6ヵ月以上にわたって、職場で長時間パソコンを使った反復作業に従事している
  • 業務内容と腱鞘炎の症状に明らかな因果関係がある
  • 専門医による診断がある
  • 発症の時期やきっかけがはっきりしている

ただし、業務との因果関係の証明や証拠集めにハードルがあるため、労災認定が難しいケースもあります。

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