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ばね指のテーピング方法を現役医師が解説|正しい巻き方と注意点も紹介

Trigger finger taping
公開日: 2025.12.13

「ばね指のテーピング方法を知りたい」

「正しい巻き方と注意点を知りたい」

指の曲げ伸ばし時のひっかかりや痛みを伴うばね指は、家事や仕事に支障をきたすこともあります。

ばね指の症状に補助的な方法として有効なのが、自宅で行えるテーピングです。指の動きをサポートし、負担を軽減することで日常生活の動作を助けることが期待されます。

本記事では、現役医師がばね指に対する正しいテーピング方法を手順・注意点・セルフケアとともに解説します。最後によくある質問もまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

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ばね指のテーピング方法|正しい巻き方

テーピング方法 詳細
用意するテープの種類と選び方(伸縮性テープ・非伸縮テープの違い) 伸縮性は動作の妨げが少なく、非伸縮性は固定力が高いため、症状や活動に応じて使い分ける
巻き方の手順 巻き方のコツは強く巻きすぎず血流を妨げない程度にし、指先の変色やしびれがあればすぐに外す

テーピングは、ばね指による指の引っかかりを抑え、負担を軽減する目的で用いられます。正しい方法で巻くことで、日常生活での不便を和らげるとともに、腱の安定にもつながります。

一方、誤った巻き方は効果を損なうだけでなく、皮膚トラブルや血流障害を引き起こす可能性があります。そのため、テープの種類や使用手順を理解して行うことが大切です。

用意するテープの種類と選び方(伸縮性テープ・非伸縮性テープの違い)

種類 特徴 メリット 注意点 選び方のポイント
伸縮性テープ ゴムのように伸び縮みする素材 日常生活の動作を妨げず負担軽減。初心者向けの使いやすさ 固定力は弱め。強く引っ張ると血流障害の恐れ 日常生活で使う場合に適する
非伸縮性テープ 伸びない素材で強い固定力 関節の動きを制限し腱への負担を減らす 皮膚トラブルや血流障害のリスク。長時間使用に不向き 動きをしっかり制限したい場合に短時間使用推奨

テーピングには、伸縮性と非伸縮性の2種類があります。伸縮性テープは関節の動きを保ちながら負担を分散できるため、日常生活の動作を続けながらサポートしたい場合に適しています。

非伸縮テープは固定力が高く、動きを制限したいときや症状が強い場合に有効です。ただし、固定が強すぎると血流障害や皮膚トラブルを起こす可能性があるため、短時間の使用が望まれます。症状の程度や生活スタイルに合わせて、適切な種類を選択することが大切です。

巻き方の手順

手順 詳細
準備するもの キネシオテープや伸縮性テーピングテープを13~15cm、幅2.5~3cmにカット。はさみを用意
1.指を伸ばした状態にする 固定することで腱鞘や腱への負担を軽減する
2.テープの貼り方 1本目は第二関節の手の甲側から手首に向けて少し引っ張り気味にまっすぐ貼る。2本目は1本目と交差するように斜めに貼り指を包む。
3.巻き始めと巻き終わりの貼り方 テープ端は引っ張らず肌を傷めないように貼る。ゆるみと締め付けを調整

テーピングは指の付け根から始め、関節をやや曲げた状態で貼付します。引っかかりやすい部位を覆うように腹側から背側へ斜めに回し、2〜3周重ねて指全体を支えます。

最後は基部で固定し、軽く握ったり伸ばしたりして動きを確認します。目的は完全な固定ではなく、腱を支えつつ動きを抑えることです。強く締めすぎず、血流が保たれているかを確認してください。

指先が赤黒くなる、またはしびれが出た場合は直ちに外し、再調整します。かゆみやかぶれが生じた場合も同様です。テーピングは長時間の連続使用を避け、毎日貼り替えて皮膚を休ませながら行うことが推奨されます。

ばね指に対するテーピングの効果

テーピングの効果 詳細
動きの制御と腱の安定化 指の関節の動きを適度に制限し、腱の過剰な負担を防ぐことによる安定化
リハビリと心の支え 完全固定ではないため日常のリハビリと併用可能で、精神の安定を提供
炎症症状の緩和 関節の負担分散による炎症悪化の抑制と症状緩和効果

ばね指は腱と腱鞘の動きが障害され、痛みや引っかかりを生じる疾患です。テーピングは治療や日常生活のサポートとして有効な手段のひとつです。

指の動きを制御し腱を安定させることで負担を軽減し、自然な動作を補助します。リハビリの支援や再発への不安軽減に役立ち、炎症による痛みや腫れを抑えて症状悪化を防ぐことが期待されます。

動きの制御と腱の安定化

ばね指は腱鞘炎の一種で、腱鞘に炎症が起こることで腱の動きが妨げられ、指に引っかかりや突っ張り感が生じます。テーピングは関節の動きを部分的に制御し、腱が過剰に引っ張られるのを防ぐことで摩擦や負担を減らします。

腱を安定させて動きを滑らかにし、炎症悪化を防ぐことで日常動作を補助しますが、テーピングはあくまで補助的手段であり、改善しない場合は早期の受診が必要です。

リハビリと心の支え

効果 詳細
柔軟性の向上 固くなった腱や関節のこわばりをほぐすこと
筋力の強化 指を支える筋肉の強化による腱への負担軽減と再発予防
正しい動きの再学習 無理のない指の動かし方の習得による誤使用の防止
不安の軽減 治療内容や回復見通しの説明による患者の不安軽減
モチベーションの維持 小さな改善を共有することで治療継続の意欲向上

リハビリテーションは、ばね指の回復に向けた身体的な機能改善だけでなく、精神面の支えとなる重要な治療法です。

腱や関節の柔軟性向上と筋力強化により正しい指の動きを取り戻し、再発を予防します。同時に回復見通しの理解が不安を和らげ、持続的な回復を促します。

炎症症状の緩和

ばね指の痛みは、腱と腱鞘の摩擦によって炎症が生じることが原因です。テーピングで指の動きを制御することで、炎症部位への刺激を減らし、症状の悪化を防げます。

さらに、適度な圧迫は腫れや熱感を抑えるとともに血流のうっ滞を改善し、痛みの軽減や治癒の促進に寄与します。とくに指の動作時に強い痛みを訴える場合、テーピングは有効であり、日常生活や家事・育児における症状の進行予防にも有用です。

ばね指のテーピングにおける注意点

注意点 詳細
寝る前は外して皮膚を確認する 就寝前にテーピングを外し、皮膚の赤みやかぶれを確認する
テープの扱いに注意する(巻き方・強さ・皮膚への影響) テーピングは強く巻かず端を引っ張らないように貼り、血行障害があれば外し、汗や汚れによるかぶれを防ぐためこまめに交換する
改善しないときは医療機関へ テーピングしても改善が見られない場合や悪化する場合は早めに医療機関を受診すること

テーピングは補助的な手段であり、正しく行わなければ逆効果となる場合があります。皮膚トラブルや血流障害を防ぐためには、巻き方や使用時間への注意が欠かせません。一時的に症状が軽減しても改善が見られない場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。

以下の記事では、ばね指でやってはいけないことについて詳しく解説しています。

寝る前は外して皮膚を確認する

テーピングを長時間貼付すると血流障害や皮膚トラブルを生じる可能性があり、とくに就寝中は無意識の圧迫で指先の血流が阻害されることがあります。

そのため、就寝前には一度テープを外し、皮膚の赤みやかゆみの有無を確認し、清潔を保つことが重要です。必要に応じて新しいテープに貼り替えることで、固定を継続しながら皮膚への負担を軽減できます。

テープの扱いに注意する(巻き方・強さ・皮膚への影響)

ポイント 詳細
巻き方に注意する 関節をまたぐように貼り、ばね指の動きを抑制。指全体をぐるぐる巻きにせず、正しい位置で軽く固定
強さに注意する きつく巻き過ぎると血行低下、しびれや冷えの原因。ゆるすぎると固定効果が不足。動かしにくいが血流維持の強さが目安
皮膚への影響に注意 長時間の使用でかゆみ・赤み・かぶれ発生の可能性。肌が弱い場合は低刺激テープ選択。異常時は速やかに除去

テーピングを強く巻きすぎると血流が妨げられ、しびれや指先の変色を招くことがあります。重ね巻きは必要最小限にとどめ、皮膚への刺激を避けるため清潔な状態で貼付することが重要です。

皮膚が敏感な方は、低刺激タイプのテープを選ぶことをおすすめします。適切に行うためには、正しい位置に適度な強さで巻き、皮膚の状態を定期的に確認することが重要です。

改善しないときは医療機関へ

理由 詳細
症状が長期間続く可能性があるため テーピングなどの保存療法は初期症状緩和に有効だが、数週間~数カ月続く場合は病状進行の可能性
自己判断だけでは適切な治療が難しいため 重症化や合併症防止には専門医の正確な診断と評価、必要に応じた画像検査が重要
テーピングだけで症状が和らがないこともあるため 初期療法で効果不十分な場合は注射や手術など他の治療法の検討が必要
症状悪化のサインを見逃さないため 痛みや腫れの増加、指の動き著しい制限など悪化の兆候があれば早期受診推奨
適切な治療開始が早期回復につながるため 医師による新たな保存療法やリハビリ、生活指導など幅広い対応で早期回復を促進

ばね指は、初期にはテーピングなどの保存療法で症状が和らぐこともあります。しかし、数週間から数カ月経っても改善が見られない場合は病状が進行している可能性があります。

自己判断では正確な診断が難しく、重症化や合併症を防ぐためには医師の評価が欠かせません。必要に応じて画像検査が行われることもあります。

テーピングで効果が不十分な場合は、注射や手術などの治療が検討されます。痛みや腫れの増加や指の動きの制限といった悪化のサインがあるときは、早期受診が重要です。適切な治療を早く始めることで、リハビリや生活指導など幅広い対応が可能となり、回復もスムーズになります。

糖尿病や関節リウマチなどの背景疾患が隠れていることもあるため、改善が見られないときは自己判断せず医師に相談することが大切です。

テーピング以外にできるセルフケア

セルフケア 詳細
指を休ませる・使い方を工夫する 指の過度な使用を避け、安静を保つこと。仕事や趣味での使い過ぎ防止
温熱・冷却や湿布でケアする 症状に応じて患部を温めて血流促進または冷やして炎症抑制。湿布の適切な使用
ストレッチや軽い指の運動を取り入れる 固まった関節や腱の柔軟性向上のため軽いストレッチやグーパー体操を行うこと

ばね指のセルフケアでは、まず指を無理に使用せず休ませることが重要です。次に、血流を改善し炎症を抑える目的で、温熱療法や冷却療法、湿布を活用することが効果的です。さらに、固くなった腱や関節の柔軟性を維持するためには、痛みのない範囲でストレッチや軽い運動を継続的に行うことが推奨されます。

これらを組み合わせて取り入れることで、症状の緩和と再発予防につながります。加えて、テーピングを併用し、指の使い方を工夫することも有効です。日常生活において指への負担を減らすことが、セルフケアの重要なポイントとなります。

以下の記事では、ばね指の治療法について詳しく解説しています。

【関連記事】

ばね指の治療法まとめ|原因から手術の判断基準まで徹底解説

【医師監修】バネ指を放置するとどうなる?自然に治るケースと受診すべきサインを解説

指を休ませる・使い方を工夫する

ばね指のセルフケアでは、まず指を無理に使わず休ませることが重要です。ばね指は、腱と腱鞘の摩擦による炎症疾患であり、同じ動作の繰り返しや長時間の使用は症状悪化の原因となります。

意識的に指を休ませ負担を軽減することで、炎症の鎮静が期待されます。無理に使い続けると関節の動きが制限され、場合によっては手術が必要になります。

早期のセルフケアと、日常生活の工夫(重いものを両手で持つ、指先ではなく手のひら全体を使うなど)が症状進行の予防につながります。

温熱・冷却や湿布でケアする

湿布の種類 特徴 メリット 注意点 ポイント
冷湿布(冷感タイプ) メントールなどで冷たく感じるタイプ 炎症や熱感がある急性期に心地良い使用感 冷却効果は感覚的。長時間使用で皮膚がかぶれる可能性あり 急性期の炎症や腫れに適している
温湿布(温感タイプ) カプサイシンなどで温かく感じるタイプ 血流促進でこわばりや慢性的違和感の緩和に有効 強い炎症時には腫れや不快感を悪化させる場合がある。かゆみや赤み発生時中止

慢性期のこわばりや血流障害に適している

冷湿布と温湿布は症状に応じて使い分けることが重要です。冷湿布はメントールによる冷感で炎症や腫れが強い急性期に適し、腱や腱鞘の炎症を和らげます。

温湿布は刺激成分により温かく感じられ、慢性的なこわばりや血流不良の改善に効果的です。湿布は成分によって炎症や不快感を軽減する補助的手段であり、症状に応じた適切な使用が求められます。症状が長引く場合は、医師の診察を受ける必要があります。

ストレッチや軽い指の運動を取り入れる

運動名 詳細
グーパー体操 指を大きく広げて3秒キープ、軽く握って2秒キープ、10回繰り返し
指反らしストレッチ 曲がっている指を痛みのない範囲でゆっくり反らせる、1日3セット
関節はさみストレッチ 痛む指の関節を反対の指で優しくはさみ、軽く握る動作を繰り返す、1日3セット
腕・手首のストレッチ 前腕の筋肉をほぐして指への負担を軽減

軽いストレッチや指の運動は、ばね指の改善に有効なセルフケアです。腱と腱鞘の滑りを改善して動きを円滑にし、筋肉や腱の柔軟性を保つことでこわばりを防ぎます。さらに血流を促進することで、炎症の抑制や組織の修復にも効果が期待できます。

具体的な方法としては、指の開閉を繰り返すグーパー体操、指を痛みのない範囲で反らすストレッチ、関節を優しくはさむ運動、腕や手首のマッサージなどです。ストレッチや指の運動を継続的に行うことで、症状の緩和と再発予防につながります。

テーピングで改善しないばね指は医療機関を受診しよう

テーピングは一時的な補助にすぎず、根本的な治療にはなりません。症状が長引く場合や日常生活に強い影響が出ている場合は、整形外科や手の外科を受診してください。早期に適切な治療を受けることで、重症化を防ぎ、回復を早めることができます。

テーピングで改善しないばね指でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院は、ばね指の治癒に有効である再生医療を選択肢のひとつとしてご提案しています。

再生医療は、従来の手術とは異なり、自分の細胞や組織の働きを利用して傷んだ部分の修復を促す治療法です。手術と比べて身体にかかる負担が少なく、傷口からの感染や大きな切開に伴う合併症のリスクを抑えられる点が特徴です。また、薬物治療のように長期間薬を使用しないため、副作用の心配が少ないことも大きなメリットです。

ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。

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ばね指のテーピングに関するよくある質問

テーピングはどの指でも同じ方法で巻けますか?

テーピングの基本的な巻き方はどの指でも共通していますが、指の形や動きに応じて工夫が必要です。とくに親指は関節の可動域が大きく、固定が難しいため、厚めのテープを使用したり装具を併用したりする場合があります。

人差し指から小指は基本的な巻き方で対応できますが、いずれの指でも血流を妨げず指先を覆わないことが効果的なテーピングのポイントです。

テーピングと湿布や塗り薬は併用できますか?

テーピングと湿布や塗り薬は併用できますが、使用方法に注意が必要です。

湿布や薬を患部に直接貼ったり塗ったりしてから、その上にテープを重ねると、テープの密着が悪くなり剥がれやすくなります。また、皮膚トラブルの原因になるため、湿布や薬の上にテープを重ねるのは避けましょう。

皮膚を清潔にしてからテーピングを行うか、湿布や薬の使用とテーピングを時間帯で分けることが望ましいです。併用方法に不安がある場合は医師や薬剤師に相談し、適切に使用することが推奨されます。