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【医師監修】第五腰椎分離症とは|初期症状・治し方・後遺症のリスクを解説

「腰の違和感が続く」
「前屈みで重だるい」
日常動作やスポーツ中に感じる腰の痛みは、第五腰椎分離症の可能性があります。初期段階では軽い違和感や一時的な痛みで済むこともあります。 しかし、第五腰椎分離症は放置すると進行し治療が困難になるため、早期診断と適切な治療が欠かせません。
腰の痛みや違和感を感じた場合は、自己判断せずに整形外科などの医療機関を受診することが重要です。
本記事では、第五腰椎分離症について現役医師が詳しく解説します。
- 第五腰椎分離症の初期症状
- 第五腰椎分離症の原因
- 第五腰椎分離症の治し方(治療法)
- 第五腰椎分離症で起こりうる後遺症
- 第五腰椎分離症の予防法
記事の最後には、第五腰椎分離症についてよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
第五腰椎分離症とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 病態 | 腰の一番下の骨(第五腰椎)の後ろ側に起こる疲労骨折 |
| 主な原因 | スポーツでの反り・ひねり・ジャンプなどによる繰り返しの負荷 |
| 起こりやすい人 | 成長期の中高生やスポーツを行う子ども |
| 主な症状 | 運動時の腰の違和感や重だるさ |
| 放置するリスク | 骨癒合不全による慢性腰部症状や分離すべり症への進行 |
| 治療 | 早期発見と安静、装具療法、リハビリによる回復 |
| 予防 | ストレッチや体幹強化による負担軽減、違和感時の早期受診 |
腰椎は、背骨の腰部分を形成する5つの椎骨(第1〜第5腰椎)で構成され、正常な状態では前方の椎体と後方の椎弓が連続しています。分離症は、この椎弓と椎体をつなぐ関節突起間部(または椎弓根部)に疲労骨折が生じ、骨のつながりが失われた状態を指します。
とくに第五腰椎に好発し、成長期のスポーツを行う子どもに多いのが特徴です。(文献1)
身体が柔らかい成長期に、ジャンプや腰の回旋などの動作を繰り返すことで生じ、外傷というよりも慢性的なストレスによって発症します。
一般の人の約5%にみられますが、スポーツ選手では30〜40%が分離症を有すると報告されています。(文献2)
第5腰椎は腰椎の最下部に位置し、構造的および力学的に「反る」や「ひねる」といった動作による負荷を最も受けやすい部位です。さらに骨癒合しにくい傾向があることも報告されています。(文献1)
腰椎分離症とすべり症の違い
| 比較項目 | 腰椎分離症 | すべり症 |
|---|---|---|
| 病態 | 腰の骨の椎弓が疲労骨折して分離した状態 | 背骨の本体(椎体)が前方または後方にずれた状態 |
| 主な原因 | スポーツでの反りやひねり動作の繰り返しによる疲労骨折 | 分離症の進行による不安定性、または加齢による椎間板や靭帯の変性 |
| 起こりやすい年齢 | 成長期の中高生やスポーツをしている子ども | 分離すべり症は若年者、変性すべり症は中高年 |
| 主な症状 | 運動時の腰の違和感、重だるさ、慢性的な腰痛 | 腰の痛みやしびれ、歩行時の足の疲れやすさ、間欠性跛行 |
| 治療法 | 安静、装具療法、体幹筋トレーニングによる保存療法 | 保存療法または進行例での手術療法 |
(文献2)
腰椎分離症は、腰椎の後方部分にある椎弓が、繰り返しの負荷によって疲労骨折を起こし、骨の連続性が失われた状態です。症状が進行すると、分離した椎骨が前方にずれてしまい、腰椎すべり症へ移行する場合があります。
分離症の段階では安静やリハビリで回復が期待できますが、進行してすべり症になると神経が圧迫され、下肢のしびれや痛みが生じることがあります。
両者は進行の段階が異なる疾患であり、早期発見と適切な治療が、すべり症への進行を防止する上で大切です。
以下の記事では、腰椎すべり症について詳しく解説しています。
第五腰椎分離症の初期症状
| 初期症状 | 詳細 |
|---|---|
| 運動時の腰の違和感・重だるさ | スポーツ中や練習後に腰の奥に感じる鈍い違和感や重だるさ |
| 運動後や翌日のこわばり・張り感 | 運動の翌朝に腰の筋肉が張って動きづらくなる感覚 |
| 身体をひねる・反らすときの局所的な違和感 | 腰を反らす・ねじる動作時に同じ部位に生じるピンポイントの違和感 |
| 安静で軽減し再発を繰り返す違和感 | 休むと和らぐが、運動を再開すると再び現れる繰り返しの違和感 |
第五腰椎分離症の初期には、運動時に腰の奥に重だるさや違和感を覚えることが多く、運動後や翌日にかけて腰の張りやこわばりを感じる場合があります。
身体を反らしたりひねったりする際に、特定の部位へ違和感が集中するのも特徴です。
安静にすると一時的に症状が和らぐものの、運動を再開すると再び症状が現れることが少なくありません。このような症状は、早めの受診と適切な対応が必要です。
以下の記事では、腰椎分離症のセルフチェックについて詳しく解説しています。
運動時の腰の違和感・重だるさ
第五腰椎分離症では、腰の椎弓に繰り返しの負荷がかかることで疲労骨折が生じ、亀裂部位に炎症が起こります。
炎症による腫れや血流増加が違和感や重だるさを引き起こし、骨の安定性低下により周囲の筋肉や靭帯への負担が増加します。とくに腰を反らす・ひねる動作では分離部に刺激が加わり、症状が強く出やすくなります。
安静にすると症状は一時的に軽くなりますが、運動を再開すると再発しやすく、早期の診察と適切な治療が進行を防ぐために重要です。
運動後や翌日のこわばり・張り感
運動後や翌日に感じる腰のこわばりや張り感は、第五腰椎分離症の初期にみられる症状のひとつです。
運動による繰り返しの負荷で腰の筋肉が緊張し疲労が蓄積すると、硬さや張りを感じやすくなります。また、分離部の炎症や腰椎の不安定性によって筋肉や靭帯に過度な負担がかかり、張りや違和感が強まることがあります。
睡眠中に十分な回復が得られない場合は、翌朝まで症状が続くこともあり、単なる筋肉痛と自己判断してストレッチやマッサージを続けると、症状を悪化させる恐れがあります。
安静にしても違和感が取れない場合は、疲労骨折の有無を確認するため、早めに整形外科を受診しましょう。
身体をひねる・反らすときの局所的な違和感
第五腰椎分離症では、腰をひねる・反らす動作時に特定部位の違和感が生じることがあります。これは椎弓の疲労骨折部にストレスが集中し、炎症反応が生じるためです。
骨折部が偽関節化すると、局所的な不安定性が増し、動作時の違和感が顕著になります。また、炎症により周囲の筋肉・靭帯・神経が刺激されることも症状の一因です。
これらの動作では腰椎に通常より強い負荷がかかるため、骨折部周囲の組織が伸展・圧迫され、症状が増強します。このような特徴的な症状がある場合は、早期に整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
安静で軽減し再発を繰り返す違和感
第五腰椎分離症では、椎弓に生じた疲労骨折部に負担がかかることで違和感が現れます。安静にすると一時的に症状は和らぎますが、骨の癒合が不十分なまま動作を再開すると、負荷がかかり違和感が再発しやすくなります。
コルセットによる固定で一時的な安定が得られても、治癒には時間がかかるため、早期の無理な運動再開は禁物です。
また、骨が完全に癒合せず偽関節となる場合には、わずかな動きでも違和感が残ることがあります。症状を繰り返す場合は、医師の診察を受けて骨の癒合状態を確認し、適切な治療とリハビリが必要です。
第五腰椎分離症の原因
| 原因 | 詳細 |
|---|---|
| 繰り返される腰部へのストレスと過度な運動負荷 | ジャンプ、反り、ひねり動作などによる腰椎への繰り返しの衝撃や疲労の蓄積 |
| 成長期特有の骨の未熟性と構造的脆弱性 | 成長期は骨が未成熟で強度が不十分なため、椎弓部に疲労骨折が生じやすい時期 |
| 体幹筋力の不足とアンバランス | 腹筋や背筋の筋力低下、左右差による腰椎への過剰な負担 |
| 不良姿勢と柔軟性の低下 | 猫背や反り腰などの姿勢不良、股関節や太ももの筋肉の硬さによる腰部ストレスの増加 |
第五腰椎分離症における主な原因は、繰り返される腰部への負荷と成長期の骨の脆弱性です。とくにスポーツ中の腰を反らす・ひねる動作の反復により、椎弓部に疲労骨折が生じやすくなります。
体幹筋力の不足や柔軟性の低下、不良姿勢が加わることで、腰椎への負担はさらに増大します。競技レベルや練習量が増加する成長期は症状が進行しやすいため、適切なコンディショニングと十分な休養が大切です。
以下の記事では、野球で多い怪我のひとつである腰椎分離症について詳しく解説しています。
繰り返される腰部へのストレスと過度な運動負荷
第五腰椎分離症は、成長期の骨が未成熟な時期に腰部への反復負荷が加わることで発症します。
とくに11〜15歳頃は骨の強度が不十分で、反復する腰部への負荷によって発症しやすい時期です。
第五腰椎は上半身と骨盤の境界に位置し、体重や動作によるストレスが集中しやすいため、分離症の好発部位です。
過度な練習や休養不足により骨の修復が追いつかない場合、負荷が蓄積し症状が進行します。なお、骨格形態・柔軟性・筋力バランスなどの個人差も発症リスクに影響するため、同じ環境下でも発症有無に差がでます。
成長期特有の骨の未熟性と構造的脆弱性
第五腰椎分離症の発症には、成長期における骨の未成熟性が大きく関与しています。成長期の骨は骨化が不完全で成長軟骨が多く存在するため、反復負荷に対する耐久性が低い状態です。
また、急速な骨格の成長に対して筋肉や靭帯の発達が追いつかないことで、腰椎周囲へのストレスが増大します。とくに体重負荷や動作時のストレスが集中しやすい部位であり、未成熟な骨では疲労骨折が生じやすくなります。
過度な運動負荷や休養不足により骨の修復能力を超えた負担が継続すると、分離症の発症リスクが高まります。成長期の骨の脆弱性を理解し、適切な休養とトレーニング管理を行うことが重要です。
体幹筋力の不足とアンバランス
体幹筋は腰椎の安定性維持に重要な役割を果たしており、筋力不足や筋バランスの乱れは第五腰椎分離症の発症リスクを高めます。
腹筋・背筋のバランスが崩れると、腰椎に不均等な負荷がかかり、椎弓部へのストレスが集中します。また、体幹筋が不十分な状態でジャンプやひねり動作を行うと、腰椎の安定性が低下し、疲労骨折が生じるため注意が必要です。
背筋のみを強化し腹筋が弱い場合、腰椎の前後バランスが崩れ症状を悪化させる可能性があります。予防には、バランスの取れた体幹筋力強化と、股関節・ハムストリングスの柔軟性維持が不可欠です。
不良姿勢と柔軟性の低下
不良姿勢や柔軟性の低下は、第五腰椎分離症の発症や悪化に関与します。猫背や前かがみ姿勢、腰を反らした姿勢を長時間続けると、腰椎の特定部位に負荷が集中し、椎弓部への疲労骨折が生じやすくなります。
不良姿勢は筋バランスを崩して骨への負担を増やし、柔軟性の低下とともに腰椎へのストレスを高めるため、日常生活での姿勢改善やストレッチ、適度な運動が欠かせません。
第五腰椎分離症の治し方(治療法)
| 治療法 | 詳細 |
|---|---|
| 保存療法 | 安静やコルセット固定による骨の安定化と癒合促進、体幹筋トレーニングやストレッチによる再発予防 |
| 薬物療法 | 炎症や筋緊張を和らげるための消炎鎮痛薬や筋弛緩剤の使用 |
| 手術療法 | 骨癒合が得られず症状が持続する場合に行う椎弓固定や骨片除去などの外科的治療 |
| 再生医療 | 損傷部位の修復を目的とした自己由来幹細胞や成長因子を用いる再生促進療法 |
治療は安静とコルセットによる固定から始め、症状が軽減した後にリハビリで体幹筋を鍛えて再発を予防します。
保存療法で改善が得られない場合は薬物療法により炎症を抑制し、重症例では手術療法を検討します。
再生医療は損傷部位の修復を目的とした治療法ですが、実施可能な医療機関は限られており、すべての症例に適応できるわけではありません。受診前に実施施設を確認し、医師と相談することが重要です。
以下の記事では、腰椎分離症の治療法について詳しく解説しています。
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保存療法
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 骨折の自然治癒を促す | 安静と負担制限によって骨の自然な癒合を促進する治療法 |
| コルセットで骨への負担を減らす | 腰を固定して骨折部への動的負荷を軽減し、痛みの緩和と骨癒合を促す方法 |
| 運動制限により骨折部の悪化防止 | スポーツや過度な動作を控え、炎症や偽関節の形成を防止する治療法 |
| リハビリで筋力強化と柔軟性維持 | コルセット除去後に体幹筋を鍛え、柔軟性を保つことで再発を予防する訓練法 |
| 手術に比べ身体への負担が少ない | 保存療法で多くの場合は改善し、外科的手術を避けられる低侵襲な治療法 |
軽度の第五腰椎分離症では、まず安静と装具(コルセット)による固定が基本です。
スポーツ活動を一時中止して骨癒合を促す期間を確保し、成長期の骨の高い修復能力を活かして腰への負荷を抑えることで、疲労骨折や分離部の自然癒合が期待できます。
初期段階の分離症に対して、装具使用・安静・体幹運動を組み合わせた保存療法により、94.3%の骨癒合率が報告されています。(文献3)
症状軽減後は、医師の指導のもと体幹筋力トレーニングを開始し、医師の許可を得て段階的にスポーツ活動へ復帰します。
薬物療法
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 炎症と痛みの軽減 | 骨折部の炎症を抑え、消炎鎮痛薬(NSAIDsなど)で痛みを和らげる症状緩和法 |
| 筋肉の緊張緩和 | 筋弛緩薬により腰部のこわばりや違和感を軽減し、動きを改善する治療法 |
| 治療効果の促進 | 痛みのコントロールにより、リハビリや保存療法を継続しやすくする支援療法 |
| 重症時の追加治療 | 強い痛みや神経症状に対して行う神経ブロック注射などの補助的治療法 |
| 副作用と使用期間への注意 | 胃腸障害などの副作用防止のため、医師の指示に従い適切に使用する管理法 |
薬物療法は、炎症や痛みを軽減し、日常生活やリハビリを円滑に行うための補助的治療です。非ステロイド性抗炎症薬や筋弛緩薬により、症状の緩和と動作時の負担軽減が図れます。
症状が強い場合には、神経ブロック注射などの注射療法を併用することがあります。副作用のリスクを避けるため、服用量や期間については医師の指示に従いましょう。
手術療法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 保存療法で治癒しない場合の最終手段 | 骨の癒合が得られず痛みが続く際に行う安定化のための治療法 |
| 骨の動揺を抑え、症状を改善 | スクリュー固定により骨のぐらつきを防ぎ、神経圧迫や痛みを軽減する治療法 |
| 低侵襲で早期の機能回復が可能 | 小切開で筋肉への負担を軽減し、早期の社会復帰を目指す治療法 |
| 適応は慎重に判断 | 症状の強さや生活への支障を考慮し、医師が適応を決定する |
第五腰椎分離症の手術療法は、保存療法で症状が改善しない場合に検討される治療法です。手術では分離した骨をスクリューで固定し、腰椎の安定性を回復させます。
第五腰椎分離症が進行して腰椎分離すべり症に移行した場合や、神経根・馬尾神経の圧迫により下肢のしびれ、筋力低下、膀胱直腸障害などの神経症状が出現した場合には、除圧と固定術が必要です。
ガイドラインでは、保存療法で改善が得られない場合、神経症状を伴う場合、高度なすべりを認める場合が手術適応とされています。(文献4)
手術の実施にあたっては、症状の程度・日常生活への影響・年齢・活動レベルなどを総合的に評価し、医師と相談の上で決定します。
以下の記事では、腰椎分離症を含む腰痛の症状に対しての手術療法について詳しく解説しています。
再生医療
再生医療は、患者自身の脂肪から採取した幹細胞を用い、身体が持つ自然な回復力を活かす治療法です。
幹細胞には、他の細胞へ変化する分化能という性質があり、損傷した組織の修復を促す働きがあります。こうした幹細胞の特性を活かし、第五腰椎分離症などの整形外科疾患への応用に関する研究も進められています。
ただし、再生医療を実施できる医療機関は限られており、すべての症例が適応となるわけではありません。治療を検討する際は、医師と相談することが大切です。
以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。
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第五腰椎分離症で起こりうる後遺症
| 起こりうる後遺症 | 詳細 |
|---|---|
| 腰椎分離すべり症への進行と構造的不安定性 | 分離部のずれによる腰椎の不安定化や、椎体の前方すべりによる脊椎構造の変化 |
| 慢性的な腰部症状と可動域制限 | 長期的な腰痛やこわばりの持続、前屈・後屈など動作制限の出現 |
| 体幹の筋力低下とバランス・姿勢の変化 | 腰部を支える筋肉の弱化による姿勢の乱れや動作時のバランス不良 |
| 神経症状(下肢のしびれや筋力低下) | 神経根の圧迫による脚のしびれ、脱力、感覚鈍麻などの神経障害症状 |
第五腰椎分離症では、骨の分離部が進行すると腰椎が前方へずれる腰椎分離すべり症を生じ、脊椎の構造的不安定性を招くことがあります。
その結果、慢性的な腰痛や可動域の制限、体幹の筋力低下による姿勢の乱れ、神経圧迫による下肢のしびれや筋力低下などが生じることがあります。これらを防ぐには早期の診断と適切なリハビリ・治療が欠かせません。
以下の記事では、腰椎分離症で起こりうる後遺症について詳しく解説しています。
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腰椎分離すべり症への進行と構造的不安定性
| 観点 | 詳細 |
|---|---|
| 腰椎分離すべり症への進行 | 椎弓の疲労骨折によって骨の連続性が失われることで、第五腰椎椎体が前方へ移動し、腰椎分離すべり症へ進行する可能性がある状態 |
| 構造的不安定性 | 分離部の支持力低下により腰椎の安定性が損なわれ、体幹の動作時に椎間板や周囲組織へ過剰な負荷がかかる不安定な構造的状態 |
第五腰椎分離症は、椎弓の疲労骨折により腰椎後方の支持構造が失われ、腰椎が不安定な状態となる疾患です。この不安定性により、第五腰椎椎体が前方へ滑る腰椎分離すべり症へ進行することがあります。
不安定な腰椎には動作時の負荷が集中し、椎間板や周囲の筋肉・靭帯に過剰なストレスがかかることで、すべりがさらに進行します。
進行により神経根や馬尾神経が圧迫されると、腰痛や下肢のしびれ、重症例では膀胱直腸障害が出現するため、早期診断と適切な治療が必要です。
慢性的な腰部症状と可動域制限
第五腰椎分離症が慢性化すると、骨癒合が得られず偽関節が形成され、持続的な炎症により慢性腰痛を引き起こします。
腰椎の不安定性によって筋肉や靭帯が過緊張し、血流低下やこわばりから可動域が制限され、骨変形や骨棘による神経圧迫で腰痛や下肢のしびれ・筋力低下が生じます。
慢性化を防ぐためには、早期診断と適切な治療、継続的なリハビリが欠かせません。
体幹の筋力低下とバランス・姿勢の変化
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 体幹の筋力低下 | 腹筋・背筋の弱化による腰椎支持力の低下と骨・靭帯への負担増加 |
| バランス・姿勢の変化 | 筋力不均衡による重心の乱れと反り腰・猫背など不良姿勢の形成 |
| 負荷の集中 | 不安定な姿勢や動作による特定部位への力の偏りと椎弓への繰り返しのストレス |
| 再発と進行リスク | 筋力・姿勢の乱れが慢性化し、腰椎の不安定化や再負傷につながる可能性 |
第五腰椎分離症の後遺症として、体幹の筋力低下や姿勢の乱れがみられることがあります。
体幹筋が弱まると腰椎の安定性が損なわれ、骨や靭帯への負担が増し、痛みや再発のリスクが高まります。
筋力の不均衡や不良姿勢により腰椎に偏った負荷がかかり動作時のストレスが蓄積するため、バランスの取れた筋力トレーニングと正しい姿勢の維持が大切です。
神経症状(下肢のしびれや筋力低下)
第五腰椎分離症では、骨の分離部が不安定となり炎症が生じることで、周囲に形成される骨棘が神経を圧迫し、下肢のしびれや痛みを引き起こすことがあります。
分離すべり症へ進行すると、椎体の前方すべりにより脊柱管が狭窄し、神経圧迫が増強されます。
その結果、筋力低下や感覚障害が出現し、重症化すると膀胱直腸障害をきたすこともあるため、早期診断と適切な治療が必要です。
第五腰椎分離症の予防法
| 予防法 | 詳細 |
|---|---|
| 体幹強化と柔軟性の向上 | 腹筋や背筋を中心とした体幹トレーニングにより腰椎の安定性を高め、股関節やハムストリングスの柔軟性を維持する予防法 |
| 正しいフォームと姿勢の習慣化 | スポーツ動作や日常姿勢での反り腰・猫背の改善と、腰を支えるための安定した軸の維持 |
| 成長期に応じた運動量の管理 | 骨が未成熟な時期に過度な練習や繰り返し動作を控え、十分な休息と回復を確保する運動管理法 |
第五腰椎分離症の発症や再発を防止するには、腰に負担をかけにくい身体の使い方を習慣化するのが基本です。
とくに成長期のアスリートは、筋力と柔軟性のバランスが崩れやすいため、体幹の安定性を高めるトレーニングが有効です。また、フォームの乱れや
過剰な練習量もリスクとなるため、日々の姿勢と運動量の適切な管理が予防につながります。
体幹強化と柔軟性の向上
第五腰椎分離症の予防には、体幹の強化と柔軟性の向上が欠かせません。体幹の深層筋(腹横筋や多裂筋など)を鍛えることで腰椎が安定し、過度な負担や疲労骨折の防止に寄与します。
また、筋持久力を高めることで長時間の運動や姿勢保持が可能となり、股関節やハムストリングスの柔軟性を向上させることで骨盤の動きが円滑になり、腰椎への負担が軽減されます。
これらのトレーニングは正しい姿勢の維持にもつながり、第五腰椎分離症の予防に有効です。プランクやドローイン、軽いストレッチなどを日常的に取り入れることが効果的です。(文献5)
正しいフォームと姿勢の習慣化
第五腰椎分離症を予防するには、正しい姿勢とフォームの習慣化が不可欠です。正しい姿勢を保つことで腰椎の生理的前弯が維持され、骨や筋肉への過剰な負担を防止します。
長時間の同一姿勢を避け、定期的に身体を動かすことも大切です。重量物を持ち上げる際は、腰椎を屈曲させず膝関節を使用するなど、適切な動作を意識することで腰椎への負荷を軽減できます。
また、座位姿勢では、深く腰掛けて背もたれを活用することが大切です。体幹筋力と柔軟性を維持することで、正しい姿勢を保ちやすくなり、腰椎へのストレス軽減に寄与します。
成長期に応じた運動量の管理
成長期は骨の成長が急速に進む一方で、筋肉や靭帯の発達が追いつかず、腰椎への負担が増えやすい時期です。
過度な運動を続けると疲労骨折や分離症のリスクが高まるため、運動量の管理が欠かせません。十分な休養を取り入れて疲労を回復させることが予防の基本です。
また、同じ動作や種目に偏らず、多様な運動で全身のバランスを整えることも大切です。腰痛を感じた場合は早期に医療機関を受診し、骨の癒合を促す適切な治療を受ける必要があります。
改善しない第五腰椎分離症は当院へご相談ください
第五腰椎分離症で腰の違和感が長引いたり、痛みを繰り返したりする場合は、分離部が癒合していない可能性があります。
そのまま放置すると、腰椎の不安定性が進行し、慢性的な腰痛や神経症状などの後遺症を招く恐れがあります。症状が続く場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
第五腰椎分離症についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、第五腰椎分離症に対して再生医療を用いた治療を行っています。
第五腰椎分離症に対する再生医療は、損傷した椎弓に対して患者自身から採取した幹細胞を用い、身体が本来もつ自然な修復力を活かして根本からの改善を目指す治療法です。損傷した組織の修復を促すことで、第五腰椎分離症の改善が期待できます。
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第五腰椎分離症に関するよくある質問
第五腰椎分離症を早く治す方法はありますか?
早く治すための近道は、焦らず「適切な安静」と「段階的なリハビリ」を行うことです。
症状が軽減しても早期に運動を再開すると骨癒合が遅延するため、医師の許可が得られるまで安静を保ちましょう。
復帰後も体幹筋力トレーニングを継続することで、再発予防と競技への円滑な復帰が可能になります。
第五腰椎分離症と遺伝は関係ありますか?
腰椎分離症は、遺伝的素因が関与している場合があります。
激しい運動歴がなくても発症することがあり、家族内発症がみられるケースでは、遺伝的要因の関与が示唆されます。
子どもが第五腰椎分離症と診断された場合に注意すべきことはありますか?
第五腰椎分離症と診断された場合、成長期の未成熟な骨を保護するため、運動量や内容を慎重に管理し、過度な負荷や腰を反らす・ひねる動作を避けるようにしましょう。
症状がある場合は早期に整形外科を受診し、医師の指示に従って安静やコルセット装着などの治療を行い、十分な休養を確保します。
また、カルシウム、ビタミンD、タンパク質を含むバランスの取れた食事と規則正しい生活習慣を維持し、全身のバランスを整える運動や柔軟性トレーニングを取り入れることで、疲労蓄積を防ぎ、回復を促進します。
参考文献
Characteristics of lumbar spondylolysis: L5 versus non-L5|BMC Musculoskeletal Disorders
「腰椎分離症・分離すべり症」|公益財団法人 日本整形外科学会
腰部・体幹障害予防とアスレティックトレーニング|日本アスレティックトレーニング学会誌 第5巻 第1号 19-25(2019)
















