• その他、整形外科疾患

【医師監修】骨軟化症とは|症状・原因・治療法を解説

骨軟化症
公開日: 2026.01.26

「健康診断でビタミンD不足を指摘された」

「最近、骨がもろくなったと感じる」

このような場合、骨軟化症の可能性があります。骨軟化症は、骨がカルシウムやリンで十分に石灰化されず、骨組織が軟らかくなる疾患です。主な原因はビタミンD欠乏、低リン血症、腎機能低下などです。

適切な診断と治療により改善が期待できますが、放置すると骨変形や日常動作に支障を来す可能性があります。早期の受診と治療が重要です。

本記事では、現役医師が骨軟化症について詳しく解説します。

  • 骨軟化症の症状
  • 骨軟化症の種類
  • 骨軟化症の原因
  • 骨軟化症を放置するリスク
  • 骨軟化症の治療法

記事の最後には、骨軟化症に関するよくある質問をまとめています。ぜひ最後までご覧ください。

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骨軟化症とは

項目 内容
疾患の概要 骨を硬くする成分(カルシウム・リン)が十分に沈着せず、骨が軟らかくなる状態
主な原因 ビタミンD不足、カルシウム・リンの摂取不足、腎臓・肝臓・腸の働きの異常、日光不足
起こる仕組み 栄養やビタミンDの不足により、骨の硬化が不十分な状態
主な症状 身体のだるさ、筋力の低下、歩きにくさ、階段の上り下りのしにくさ
放置した場合の影響 骨の変形、骨折の起こりやすさ、生活動作の制限
骨粗鬆症との違い 骨粗鬆症は「骨の量」が減る。骨軟化症は「骨の質(硬さ)」が低下する
診断に必要な検査 血液検査(ビタミンD・カルシウム・リン)、X線、骨密度検査
治療の基本 ビタミンDやカルシウムの補充、原因となる病気の治療、生活習慣の改善
注意が必要な人 日光をあまり浴びない人、偏食・制限食の人、腎臓や肝臓に疾患がある人、高齢者

文献1)(文献2

骨軟化症は、カルシウムやリンが骨に十分沈着せず、骨が軟化する疾患です。

主な原因はビタミンD欠乏で、その背景として日光不足や栄養の偏り、腎・肝機能障害などがあります。倦怠感、筋力低下、歩行困難などの症状が現れ、進行すると骨変形や骨折のリスクが高まります。

早期に診断し適切な治療を行うことで、骨の強化と症状改善が期待できます。血液検査やX線検査により診断し、ビタミンDやカルシウムの補充が治療の中心となります。

高齢者や日光を浴びる機会が少ない方、食事制限をしている方はとくに注意が必要です。

坂本 貞範
坂本 貞範
骨軟化症は女性に多く、中でも中年女性であり閉経後に多くみられます。

骨軟化症と骨粗鬆症の違い

比較項目 骨軟化症 骨粗鬆症
疾患の性質 骨のミネラル化が不十分で、骨が柔らかくなる状態 骨の量(骨密度)が減って、骨がもろくなる状態
主な原因 ビタミンD不足、カルシウム・リン不足、吸収不良、腎臓や肝臓の異常 加齢、閉経後のホルモン変化、骨吸収の促進
骨の変化 骨の質(硬さ・強度)の低下 骨の量(密度)の低下
主な症状 筋力低下、歩行の不安定さ、だるさ、骨の変形、骨折しやすさ 自覚症状が乏しく、骨折して初めて気づくことが多い
診断方法 血液検査でビタミンD・カルシウム・リンを確認、X線による骨の硬化不全の確認 骨密度検査(DEXA法)で骨量の減少を判定
治療の基本 ビタミンD・カルシウム・リンの補充、原因疾患の治療、栄養と生活習慣の見直し 骨吸収抑制薬・骨形成促進薬の使用、運動・食事の改善
特徴的な発見のきっかけ 歩行の違和感や筋力低下から気づくことが多い 検診や骨折後の画像検査で見つかることが多い

文献1)(文献3

骨軟化症と骨粗鬆症は、どちらも骨が弱くなる点は似ていますが、病態は異なります。骨軟化症は、ビタミンDやカルシウム・リンの不足により骨の石灰化が障害され、骨の質が低下します。

一方、骨粗鬆症は加齢やホルモン変化により骨の量が減少し、骨密度が低下する疾患です。

骨軟化症は血液検査で、骨粗鬆症は骨密度検査で診断されます。原因を見極め、適切な治療を受けることが大切です。

以下の記事では、骨粗鬆症について詳しく解説しています。

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骨粗しょう症の原因は?骨がもろくなる要因や骨量を上げる予防策を解説

骨軟化症とくる病との違い

観点 くる病 骨軟化症
発症時期 成長期の子どもでの発症 成長が終わった成人での発症
骨の状態 成長軟骨帯の石灰化障害による成長異常 既存骨の石灰化不良による質の低下
主な変化 骨の変形や身長の伸び悩み 骨のもろさ・変形・骨折しやすさ
主な症状 O脚・X脚、胸郭や歯の異常 筋力低下、歩行不安定、疲れやすさ
診断・治療目的 骨の成長と形の正常化 骨の強度回復と骨折予防

文献1)(文献4

くる病と骨軟化症はいずれも骨の石灰化が妨げられる疾患であり、発症年齢と骨の発達段階が異なるのが特徴です。くる病は成長期の子どもに発症し、成長軟骨帯の障害により骨変形や身長の伸び悩みがみられます。

一方、骨軟化症は成人に発症し、既に形成された骨の質が低下して骨折しやすく、歩行障害を生じやすくなります。いずれもビタミンDやカルシウム不足が背景にあり、適切な診断と治療により改善が期待できる疾患です。

以下の記事では、くる病について詳しく解説しています。

骨軟化症の症状

症状 詳細
歩行時の違和感・疲れやすさ 歩く際のふらつきや重だるさ、長距離歩行での疲労増加
下肢の筋力低下と動作の不安定さ 立ち上がりや階段昇降の困難、バランス低下による転倒リスク
骨の変形や骨折しやすくなる変化 背骨や下肢の形態変化、軽微な負荷での骨折発生

骨軟化症の症状は、初期には歩行時のふらつきや重だるさ、長距離歩行での疲労感として現れます。進行すると下肢の筋力低下により、立ち上がりや階段昇降が困難となり、バランス低下から転倒リスクが高まります。

放置すると背骨や下肢の変形が進行し、軽い負荷でも骨折しやすくなります。一方で、症状は徐々に進むため早期には気づきにくいのが特徴です。違和感を覚えた場合には、早めの受診が重要です。

歩行時の違和感・疲れやすさ

原因・仕組み 詳細
骨のミネラル化不全による支持力低下 骨の石灰化不足により骨が柔らかくなり、体重支持能力が低下する状態
筋肉への負担増加と筋力低下 骨の弱さを補うため筋肉に過剰な負担がかかり、とくに下肢・骨盤周囲の筋力低下を招く状態
骨の変形やバランス不良 骨格の歪みや関節への過負荷により身体バランスが不安定になる状態
微小骨折(偽骨折)による負荷感 骨の脆弱化に伴う小さな骨損傷が蓄積し、歩行時の違和感や疲労感が増強する状態
初期症状の自覚しづらさ 明らかな変形や骨折がない初期段階では、だるさや歩きにくさが加齢や運動不足と誤認されやすい状態

文献5

骨軟化症における歩行時の違和感や疲れやすさは、骨の石灰化不足により体重支持能力が低下することが原因です。

骨の弱さを補うため筋肉に過剰な負担がかかり、下肢や骨盤周囲の筋力低下を招きます。さらに骨格の歪みによりバランスが不安定となり、微小骨折が蓄積することで負荷感が増強します。

初期段階では明らかな変形がなく、症状が加齢や運動不足と誤認されやすいため、見過ごされることが多い点に注意が必要です。

坂本 貞範
坂本 貞範
じっとしていても痛みが出現したり、左右の関節が両方とも急激に痛くなってきた場合に受診が推奨されます。

以下の記事では、膝蓋軟骨軟化症(ランナー膝)の原因を詳しく解説しています。

下肢の筋力低下と動作の不安定さ

原因・仕組み 詳細
骨の石灰化不足による支持力低下 骨のミネラル沈着不全による骨の柔軟化と下肢・骨盤の支持力低下
近位筋の筋力低下(太もも・骨盤まわり) 骨異常に関連した筋機能低下と立ち上がり・歩行時の負荷増加
骨・筋肉の協調性の乱れ 骨不安定性を補う過剰な筋活動に伴う動作時の不安定性と疲労蓄積
バランス障害と歩行の不安定化 骨・筋・関節機能の総合的低下による動作・姿勢保持の困難
加齢や他疾患との見分けの難しさ 症状進行が緩徐で、加齢性筋力低下や整形外科疾患と類似した経過

文献1

骨軟化症では、骨の石灰化が不十分となり骨が弱くなることで、下肢の体重支持能力が低下します。その結果、歩行時に筋肉や関節に過剰な負担がかかり、下肢の筋力低下や疲労が生じやすくなります。

骨の脆弱性と筋力低下に伴う関節負荷の増大でバランスが崩れ歩行障害や転倒リスクが高まるため、加齢や運動不足と区別するための適切な検査と栄養評価が必要です。

骨の変形や骨折しやすくなる変化

原因・仕組み 詳細
骨の石灰化不足による硬さの低下 カルシウム・リンの沈着不全に伴う骨軟化と強度の著明な低下
オステオイド(未石灰化骨)の蓄積 骨基質へのミネラル沈着不全により、弾力のみで硬度を欠く骨の増加
骨への日常負荷による変形進行 体重負荷や動作反復による骨のたわみ・歪曲、下肢・脊椎の変形
偽骨折(微小骨折)の発生 外傷を伴わずに骨内部に微小な亀裂・損傷が生じる病態
骨構造の不安定化による姿勢変化 支持性低下に起因する姿勢乱れ、歩行バランス障害、O脚・X脚傾向

文献1

骨軟化症では、カルシウムやリンが骨に十分沈着せず、硬さと強度が低下します。日常の体重負荷により徐々に変形や偽骨折が進行し、姿勢や歩行に影響を及ぼします。

これは骨量が減る骨粗鬆症とは異なり、石灰化不足が原因です。変形が進行すると元に戻りにくいため、早期の診断と治療、ビタミンDや栄養状態の評価が必要です。

骨軟化症の種類

種類 詳細
ビタミンD関連の骨軟化症 ビタミンD不足や代謝低下による骨の硬化不全
低リン血症による骨軟化症 リン不足に伴う骨形成障害や骨脆弱化
薬剤性の骨軟化症 抗てんかん薬などの薬剤によるビタミンD代謝障害

骨軟化症にはいくつかのタイプがあり、原因によって治療の方向性が異なります。ビタミンD関連の骨軟化症は、加齢や栄養不足、腎機能低下によりビタミンDが十分に働かず、骨が硬化しにくい状態になります。

低リン血症による骨軟化症は、リンが不足することで骨形成が障害され、骨が脆くなることが特徴です。

また、薬剤性の骨軟化症は抗てんかん薬などが影響し、ビタミンD代謝が乱れることで起こります。原因に応じた治療が必要となるため、血液検査や服薬歴の評価が欠かせません。

ビタミンD関連の骨軟化症

種類 原因 特徴
ビタミンD欠乏性骨軟化症 食事からのビタミンD不足、日光不足、消化吸収障害による吸収低下 骨の石灰化不十分による骨の柔らかさ・弱さ、成人で頻度が高い
ビタミンD抵抗性骨軟化症 ビタミンDの作用不全、FGF23過剰による低リン血症 骨のミネラル化不良、骨変形や歩行障害、血液検査で低リン血症・高ALP

文献2)(文献6)(文献7

骨軟化症には、ビタミンDが不足する欠乏性と、十分に働かない抵抗性があります。欠乏性は栄養や日光の不足、吸収障害が原因で、骨の石灰化が障害されます。

一方、抵抗性はホルモン異常により低リン血症が生じ、骨変形や歩行障害が現れるのが特徴です。

抵抗性では通常のビタミンD補充のみでは改善が得られず、リン製剤や特殊治療を要します。いずれも早期診断と原因に応じた治療が重要です。

低リン血症による骨軟化症

項目 内容
病態の特徴 骨の石灰化に必要なリンの不足や過剰排泄による骨の硬さ低下
遺伝性タイプ FGF23過剰産生による尿中リン排泄増加、X染色体優性低リン血症(XLH)など
後天性タイプ 腎疾患や腫瘍によるリン排泄促進、腫瘍性骨軟化症など
メカニズム 骨基質にリンが沈着しにくく未石灰化骨が増加し、骨の質の低下
臨床像 若年期から成人に発症(遺伝性)、中高年に筋力低下や歩行障害(後天性)
検査所見 低リン血症、骨代謝マーカー上昇(ALP高値)
その他の要因 アルミニウムなどのミネラル化妨害因子による骨軟化症の悪化

文献1)(文献2

低リン血症による骨軟化症は、骨の石灰化に必要なリンが不足、または過剰に排泄されることで骨の硬さが低下する病態です。

背景には、遺伝性のFGF23過剰産生による尿中リン排泄増加(XLHなど)や、腎疾患・腫瘍による後天性のリン排泄促進(腫瘍性骨軟化症など)があります。

リンが不足して未石灰化骨が増えることで骨の質が低下し、年齢により発症や筋力低下・歩行障害が起こります。

薬剤性の骨軟化症

項目 内容
発症のしくみ ビタミンDの働きやカルシウム・リンの利用を妨げる薬剤の影響による石灰化不良
主な影響部位 腎臓・腸管のミネラル代謝障害、尿細管からのミネラル喪失
起こりやすい薬剤 抗てんかん薬、胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプ阻害薬)、アルミニウム含有制酸剤、鉄剤など
臨床像・特徴 筋力低下、歩行異常、骨の脆弱化、骨折しやすさ
検査所見 血液中のカルシウム・リン・ビタミンD代謝異常、骨代謝マーカーの異常
治療のポイント 薬剤の影響を評価し、可能な薬の見直しや補充療法の実施

文献8)(文献9

薬剤性の骨軟化症は、一部の薬がビタミンDやカルシウム・リンの利用や代謝に影響し、骨の石灰化が不十分になり骨が弱くなる状態です。

抗てんかん薬、胃酸分泌抑制薬、アルミニウムを含む制酸剤などが関与することがあり、腎臓でのミネラル喪失を引き起こす場合もあります。

筋力低下や歩行の異常がみられるほか、検査でミネラルや骨代謝マーカーの異常が認められることがあります。

治療では薬剤との関連性を確認し、必要に応じて薬の見直しを検討しましょう。

骨軟化症の原因

原因 詳細
ビタミンD不足・代謝異常 食事・日光不足や吸収障害、腎機能低下によるビタミンDの不足や代謝低下
リンの代謝異常 腎疾患や遺伝性疾患によるリン不足や過剰排泄による骨の硬化不全
抗てんかん薬などの薬剤性 薬剤によるビタミンDやミネラル代謝への影響による骨の石灰化不良

骨軟化症の原因は、主にビタミンD関連、リン代謝異常、薬剤性の3つに分類されます。ビタミンD欠乏では、食事や日光不足、吸収障害、腎機能低下による代謝障害が背景にあります。

リン代謝異常では、腎疾患や遺伝性疾患によるリンの不足や過剰排泄により、骨の石灰化が障害されます。

薬剤性では、抗てんかん薬などの長期服用がビタミンDやミネラル代謝に影響を及ぼすことが原因です。

ビタミンD不足・代謝異常

項目 詳細
発症のメカニズム ミネラル沈着不良による骨の硬化不全
ビタミンDの役割 カルシウム・リン吸収促進と骨への供給補助
不足・異常が起こりやすい要因 日光不足、食事不足、消化吸収障害、代謝異常
骨への影響 未石灰化骨の蓄積による骨の柔軟化と強度低下
臨床所見 骨折や変形のリスク増大、血中ミネラル異常、骨代謝マーカー異常
改善の意義 ミネラル化の回復と骨の強度改善の可能性

文献10

ビタミンDは、カルシウムやリンの吸収と骨への沈着を促す重要な栄養素です。ビタミンDが不足すると、骨にミネラルが十分沈着せず骨が軟化し、骨軟化症を引き起こします。

日光や食事の不足、消化吸収障害、代謝異常などが原因となり、ビタミンD不足が長期化すると骨折や変形のリスクが高まります。

坂本 貞範
坂本 貞範
一番お手軽で良いのは日光浴です。1日15〜30分程度行ってください。
窓越しはNGで紫外線がカットされてしまいます。

リンの代謝異常

項目 詳細
過剰なリンの腎からの排泄(腎性リン喪失) 腫瘍や遺伝性障害によるFGF23過剰産生に伴うリン再吸収不全
先天性の遺伝子異常 X連鎖性低リン血症(XLH)などによるリン保持不全
腎臓や尿細管の機能異常 腎機能低下や尿細管障害によるリン再吸収障害
ミネラル供給不足 血中リン低下による骨へのミネラル供給不足
未石灰化骨の増加 骨基質にミネラルが沈着できず未石灰化骨が蓄積
骨の脆弱化 骨の強度低下による骨変形・骨折・歩行異常

文献7)(文献10

リンは骨の石灰化に不可欠なミネラルで、その代謝異常により骨軟化症が発症します。

主な原因は、腫瘍や遺伝性疾患によるFGF23過剰産生に伴う腎性リン喪失、X連鎖性低リン血症などの遺伝子異常、腎機能低下や尿細管障害によるリン再吸収障害です。

血中リン濃度が低下すると骨へのミネラル供給が不足し、未石灰化骨が蓄積します。その結果、骨の強度が低下し、骨変形や骨折、歩行障害を引き起こします。

抗てんかん薬などの薬剤性

項目 詳細
ビタミンDの働き低下 抗てんかん薬によるビタミンDの不活性化促進
カルシウム不足 腸管でのカルシウム吸収低下と低カルシウム血症
副甲状腺ホルモンの増加 二次性副甲状腺機能亢進による骨吸収促進
リンの喪失 尿細管障害によるリン再吸収障害と低リン血症
骨の弱化 未熟な骨基質の蓄積による骨痛・変形・骨折
発症リスク増大 長期服用、併用薬、日光不足などによる影響

文献11)(文献12

抗てんかん薬は肝臓の薬物代謝酵素を誘導し、ビタミンDの分解を促進することで活性型ビタミンDを減少させます。

その結果、カルシウム吸収が低下し、血中カルシウム濃度の低下や副甲状腺ホルモンの過剰分泌により骨軟化症を引き起こします。

尿細管障害によるリン喪失も加わり、長期投与や多剤併用でリスクが高まるため、定期的なビタミンD補充と骨代謝のモニタリングが重要です。

骨軟化症を放置するリスク

放置するリスク 詳細
歩行困難・身体機能低下の進行 筋力低下や痛みによる歩行障害、日常動作の制限
骨折リスクの上昇 軟化した骨の脆弱性による軽微な外傷での骨折
骨の変形や姿勢の変化が進む可能性 骨の弱化・未石灰化による骨変形や姿勢異常の進行

骨軟化症を放置すると、症状は徐々に進行し生活の質が著しく低下します。筋力低下や骨痛により歩行が困難となり、日常動作にも支障をきたします。

骨の脆弱化が進むと、軽微な外傷でも骨折を起こしやすくなり、脊椎や大腿骨の骨折は寝たきりの原因となります。

さらに骨の変形が進行すると、背骨の湾曲や下肢の変形により姿勢異常が生じ、一度変形した骨を元に戻すことは困難です。早期に診断し適切な治療を開始することで、これらの合併症を予防し症状の改善が期待できます。

坂本 貞範
坂本 貞範
治療で改善する病気が、放置することで寝たきりになってしまいます。手遅れならないように注意してください。

歩行困難・身体機能低下の進行

骨軟化症を放置すると、歩行困難や身体機能の低下が進行します。これは、ビタミンDやリンの不足により骨の石灰化不全となり、下肢の骨が体重を支えにくくなるためです。

骨が弱い状態では、太ももや臀部の筋肉に負担がかかり、筋力低下や疲労感、歩行時のふらつきが生じます。症状が進行すると、骨変形や偽骨折により歩行バランスが崩れ、階段昇降や長距離歩行が困難となり、転倒リスクが高まります。

低リン血症を伴う場合は筋肉痛やけいれん、全身倦怠感が増強し、重症例では歩行不能や寝たきりに至ることもあります。そのため、早期診断と治療により進行を防ぎ、生活の質を維持することが欠かせません。

以下の記事では歩行障害について詳しく解説しています。

骨折リスクの上昇

項目 内容
骨の偽骨折の進展 未石灰化骨による細かな亀裂が日常動作で拡大し骨折へ進展
軽微な衝撃での骨折 骨強度低下による転倒・階段昇降での骨折発生
骨癒合の遅延と変形 低リン血症やFGF23異常による骨形成障害と変形癒合
多発骨折とQOL低下 多部位骨折による機能障害・呼吸不全・寝たきりリスク

文献1

骨軟化症では、骨の石灰化が不十分なため骨が軟化し、微小骨折が徐々に進行して完全骨折に至ります。

軽微な外傷でも大腿骨や脊椎の骨折を起こしやすく、骨折治癒の遅延により再骨折を繰り返し、歩行能力が低下します。

低リン血症があると骨形成がさらに障害され、変形したまま治癒して慢性的な機能障害を残す可能性があり、早期の治療が必要です。

以下の記事では、骨折について詳しく解説しています。

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足首の疲労骨折とは?捻挫との違いや痛みの特徴、治療法を解説

骨の変形や姿勢の変化が進む可能性

項目 内容
下肢変形の進行 骨の軟化による体重負荷でのO脚・X脚の進行
類骨蓄積と変形固定 未石灰化骨基質の増加による骨変形と姿勢異常の固定
筋力低下と痛みによる悪循環 下肢筋力低下と疼痛による変形進行と歩行障害
胸郭・脊椎変形 肋骨・脊椎の変形による呼吸障害と姿勢異常

文献1

骨軟化症では、骨が軟化し体重を支えきれず、O脚やX脚などの下肢変形が徐々に進行します。

未石灰化骨の蓄積により骨が変形しやすくなり、放置すると姿勢異常が固定化することが、骨変形や姿勢変化が進行する主な原因です。

筋力低下や疼痛により歩行障害がさらに悪化し手術が必要になる場合があり、胸郭や脊椎の変形により呼吸機能や姿勢にも影響が及んで生活の質が低下します。

骨軟化症の治療法

治療法 詳細
栄養補充療法(ビタミンD補充・カルシウム補充・リン補充) 低栄養や代謝異常に伴うミネラル不足の是正による骨の石灰化促進
原因疾患に対する治療 腎疾患・遺伝性疾患・内分泌異常など原因疾患の改善による骨代謝正常化
原因薬剤の調整 薬剤性骨軟化症を想定した薬剤の評価と必要な見直しや変更

骨軟化症の治療は、原因に応じた多角的なアプローチが基本となります。最も重要なのは、ビタミンDやカルシウム、リンの補充による栄養療法で、骨の石灰化を促進します。

とくにビタミンD不足が関与する例では、活性型ビタミンD製剤の投与が効果的です。また、腎疾患や遺伝性疾患、内分泌異常など背景にある原因疾患の治療も並行して行います。

さらに、特定の薬剤が原因となっている場合には、薬剤の見直しや変更も検討されます。治療は長期にわたることが多いため、医師の指導のもとで継続することが大切です。

栄養補充療法(ビタミンD補充・カルシウム補充・リン補充)

項目 詳細
ビタミンD補充 腸管でのカルシウム・リン吸収改善による骨石灰化の再開
カルシウム補充 低カルシウム血症の是正と副甲状腺過剰抑制による骨密度改善
リン補充 低リン血症の改善による骨形成材料の供給とミネラル化促進

文献6

ビタミンDやカルシウム、リンが不足すると骨の石灰化が進まず、柔らかい骨が増えて骨の強度が低下します。栄養補充療法では、これらの不足を補うことで腸管吸収が正常化し、血中のミネラル濃度が改善されます。

カルシウム補充は副甲状腺ホルモンの過剰分泌を抑え、骨折予防や筋力維持に効果があるため、医師の指導のもと継続しましょう。

原因疾患に対する治療

骨軟化症の治療では、栄養補充とともに原因疾患への対応が重要です。たとえば腫瘍性骨軟化症(TIO)では、腫瘍がFGF23などのホルモンを過剰に産生し、腎臓でリンが過剰に排泄されることで骨が脆弱化します。

この場合、原因となる腫瘍を摘出することが第一選択とされており、摘出により血中リン濃度や骨のミネラル化が改善し、多くの患者で骨の強度回復が報告されています。文献12

また、薬剤性骨軟化症の場合は、原因となる薬剤を中止または変更することで症状が改善するケースもありますが、自己判断はせずに医師の判断のもと行いましょう。(文献1

このように、栄養補充だけでは根本的な改善につながらないことがあるため、原因疾患の特定と治療が再発防止や長期的な改善に不可欠です。

原因薬剤の調整

原因薬剤の調整は、薬剤性骨軟化症の進行を抑える上で欠かせません。

抗てんかん薬やリファンピシンはビタミンDの代謝を妨げ、イホスファミドはリンの喪失を引き起こします。

これらの薬剤を中止または変更することで血中ビタミンDやリンが自然に改善し、骨の石灰化が再開されます。

また、アルミニウム含有製剤の変更で未石灰化骨の蓄積を防ぎ、てんかん治療では非酵素誘導型薬剤への変更で発作管理と骨保護の両立が可能です。

さらに、こうした薬剤調整を栄養補充療法と併用することで改善が促進され、歩行機能の回復や変形進行の抑制が期待されます。

骨軟化症の症状や原因を把握して早期治療に努めよう

骨軟化症は、適切な診断と治療により改善が期待できる疾患です。腰や脚の違和感、歩行時の疲れやすさ、筋力低下などに気づいた場合は、加齢の影響と決めつけず医療機関を受診しましょう。

早期発見と治療により骨の状態を改善し、日常生活の質を維持できる可能性があります。

ビタミンD不足の指摘を受けた方、慢性腎臓病や消化器疾患のある方、抗てんかん薬を長期服用している方は骨軟化症のリスクが高いため、定期的な血液検査や画像検査で骨の状態を確認しましょう。

骨軟化症の症状でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、骨軟化症の治療において、有効な選択肢のひとつとして再生医療を提案しています。

再生医療は自身の細胞を利用し、骨の修復や組織再生を促進する治療法です。幹細胞治療やPRP療法により、炎症を抑えながら骨の癒合を促し、運動機能の回復が期待できます。

坂本 貞範
坂本 貞範
基本的には従来治療が適応ですが、再生医療によって骨再生促進する効果があるため治癒の促進が可能であり、組織修復能力の向上が行えます。

ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。

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骨軟化症に関するよくある質問

骨軟化症は完治しますか?

原因を特定し適切に治療することで改善が期待できます。

ビタミンDやリン不足が原因の場合は栄養補充で骨のミネラル化が回復しますが、腎疾患や腫瘍が背景にある場合はその治療が不可欠です。

ビタミンD不足は日光浴だけで補えますか?

日光浴で皮膚がビタミンDを生成しますが、季節・居住地域・外出時間・服装などに左右されるため、必要量を安定して確保するのは難しいです。

したがって、日光浴だけに頼らず、医師の指導のもと食事療法などを組み合わせることが現実的といえます。

骨軟化症と診断された際に受けられる助成制度はありますか?

制度 詳細
指定難病医療費助成制度 一部の骨軟化症(ビタミンD抵抗性・FGF23関連など)が対象
助成内容 通院・検査・薬の費用負担を軽減
対象条件 指定された病型に該当する場合のみ
申請方法 診断書や申請書などを自治体に提出
注意点 すべての骨軟化症が対象ではないため事前確認が必要

骨軟化症のうち、特定の病型は指定難病として医療費助成の対象となりますが、すべてが該当するわけではありません。

助成を受けるには診断書などの申請手続きが必要です。対象となるか、また申請方法については、主治医や自治体の窓口で確認しましょう。

参考文献

(文献1)

骨軟化症|一般社団法人日本内分泌学会

(文献2)

ビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症(指定難病238)|難病情報センター

(文献3)

骨粗鬆症と骨軟化症の鑑別|MSDマニュアルプロフェッショナル版

(文献4)

くる病・骨軟化症の診断マニュアル

(文献5)

Osteomalacia|Penn Medicine

(文献6)

ビタミンD欠乏症および依存症|MSDマニュアルプロフェッショナル版

(文献7)

238 ビタミン D 抵抗性くる病/骨軟化症

(文献8)

Drugs that may harm bone: Mitigating the risk|Cleveland Clinic Journal of Medicine

(文献9)

慢性B型肝炎治療薬adefovirにより生じた薬剤性骨軟化症による全身痛の1例|J-STAFGE

(文献10)

低リン血症と内分泌疾患|日本内科学会雑誌 109 巻 4 号

(文献11)

科学研究費補助金研究成果報告書

(文献12)

Diagnosis and Management of Tumor-induced Osteomalacia: Perspectives From Clinical Experience|Journal of the Endocrine Society AN OPEN ACCESS PUBLICATION