• 内科疾患
  • 内科疾患、その他

【医師監修】大腸がんの検査とは?主な種類・流れ・費用・受診の目安を解説

大腸がんの検査
公開日: 2026.01.26

「健康診断を受けたら便潜血が陽性だった。精密検査はどんな内容なのだろう」
「大腸がんの検査では、どのようなことをするの?」

このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

大腸がんは、早期発見・治療により、治癒が見込まれる疾患です。そのためには、定期的な検査と、必要に応じた精密検査が欠かせません。

この記事では、大腸がんの主な検査方法やその流れ、費用の目安、受けるべきタイミングなどをわかりやすく解説します。大腸がん検査の全体像を把握することで、不安を払拭し、早期受診への一助となれば幸いです。

なお、当院リペアセルクリニックでは、がんの予防医療の観点から、公式LINEによるご相談も受け付けております。「将来的なリスク管理として相談先を確保したい」「最新の医療情報を定期的に得たい」とお考えの方はぜひご登録ください。

\公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ リペアセルクリニック 公式LINE画像

LINE限定で無料オンライン診断を実施中!
>>簡単30秒で診断してみる

大腸がんの検査の種類

大腸がんの検査にはいくつかの種類があり、目的や方法、負担の大きさが異なります。代表的な検査方法は以下の通りです。

  • 便潜血検査
  • 直腸指診
  • 大腸内視鏡検査
  • 注腸X線検査
  • CT検査、MRI検査、超音波検査
  • PET検査

以下に詳しく解説します。

便潜血検査

会社の健康診断や人間ドックなどの集団検診で広く行われているのが、便潜血検査です。(文献1

便潜血検査は、肉眼では確認できない微量な血液が便に混じっていないかを調査するものです。大腸がんやポリープなどの病変によるわずかな出血を捉え、病変の有無をスクリーニングします。

なお、便潜血検査には主に以下の2種類が存在します。

  • 化学法
  • 免疫法

日本で主流となっているのは、食事や服薬の制限のない「免疫法」です。痛みがなく、自宅での検体採取が可能な点が特徴です。

定期的に受けることで大腸がんによる死亡リスクを下げる効果が報告されており、最初のスクリーニング検査として有効といえます。(文献2

直腸指診

直腸指診は、医師が指を挿入し、直腸および周囲のしこりや硬結(硬さ)等の異常を触診によって確認する検査です。(文献1)事前準備が不要かつ短時間で実施できるため、必要に応じて初期の診察時に取り入れられることがあります。(文献3

直腸指診は肛門に近い直腸の病変を見つける目的で行われますが、検査の範囲は指の届く範囲に限られるため、大腸の奥のほうにある病変までは確認できません。

大腸内視鏡検査

症状があるときや、便潜血検査で陽性となったときは、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)でより詳しく調べます。

カメラのついた細い管を肛門から挿入し、大腸全体の粘膜を直接観察します。ポリープやがんがあればその場で切除したり、組織の一部を採取する「生検」を行って詳しく調べたりすることも可能です。(文献1

検査前には下剤を服用した腸管洗浄を行い、大腸内を空にする前処置が必要です。

注腸X線検査

注腸X線検査は、大腸に造影剤(バリウム)を注入してX線撮影を行い、腸の形や狭くなっている部分、腫瘍の有無などを確認する検査です。

大腸の全体像を確認したい場合や、腹部の手術歴・大腸の状態などによって内視鏡が奥まで入りにくい場合などに選択されます。

ただし、凹凸の少ないがんや小さな病変は見つけにくい傾向があり、内視鏡のように検査をしながらの大腸の組織採取はできない点はデメリットです。

なお、正確な検査のためには、大腸内視鏡検査と同様に、事前に下剤を服用して大腸を空にする必要があります。(文献1

CT検査、MRI検査、超音波検査

CTやMRI、超音波検査といった画像検査は、大腸がんの正確な位置や周囲への広がりの程度を評価するために行われます。

これらの検査は、がんの「ステージ(病期)」を判定するために欠かせません。がんの深さや、リンパ節・他の臓器への転移の有無などを確認し、治療方針を決める上で重要な情報を得る役割を果たします。(文献1

PET検査

PET検査は、がん細胞がブドウ糖を活発に取り込む性質を利用し、全身のがんの広がりを一度に調べる画像検査です。「形」を見るCTやMRIと異なり、「がん細胞の活動性」を調べられる点がPET検査の特徴です。

一般的には、がんが疑われたあと、ステージ(病期)の分類や治療方針の決定、転移・再発の確認などに用いられます。

検査当日は、5〜6時間前から糖分を含む飲食物の摂取を控える必要があります。正確な検査の実施のためにも、医師や技師の指示を必ず守りましょう。(文献4

大腸がんの検査にかかる費用の目安

大腸がんの検査費用は、保険診療の自己負担3割の場合で以下のとおりです。

検査

自己負担3割の場合の費用

便潜血検査

数百円

直腸指診

診察料に含まれる

大腸内視鏡検査

約6,000円

注腸X線検査

約5,000円

CT・MRI

約10,000円

超音波検査

約2,000円

PET検査

数万円(保険適用は限られる)

ただし、実際にかかる費用は、医療機関の方針や検査内容、造影剤の使用の有無などによって変わります。

便潜血検査は自治体によるがん検診でも広く取り入れられており、保険適用にはならないものの0円~1,000円程度で受診できるケースが多く見られます。

補助を受けずに自主的に検診を受ける場合の費用は、1,000円~2,000円程度が目安です。具体的な検査費用は、受診前に医療機関へ確認しておきましょう。

大腸がんの検査の流れ

大腸がんの検査の一般的な進め方と所要時間は、以下の通りです。(文献1

ステップ

検査内容

所要時間

1

健康診断で便潜血検査を実施、または症状を医師に伝える

採便:数分(自宅で実施)

結果:数日〜1週間

2

便潜血が陽性、または症状がある場合は精密検査へ進む

・大腸内視鏡検査

・注腸X線検査(大腸バリウム)

・大腸CT検査(CTコロノグラフィー)

・大腸内視鏡検査:10〜30分(※前処置含め半日程度)

・注腸X線検査(大腸バリウム):約15〜30分

・大腸CT検査(CTコロノグラフィー):約10〜20分

3

大腸内視鏡検査で異常が確認されたらポリープ切除や生検を実施し、がんであるかの確定診断を行う

ポリープ切除を含む大腸内視鏡検査:15〜30分

結果:1~2週間

4

CTや超音波検査によりがんの広がりやステージを確認、治療方針を決定する

・腹部CT検査:10〜30分

・腹部超音波検査(エコー検査):10~15分

なお、それぞれの検査によって事前の準備や注意点、所要時間は異なるため、受診前には必ず医師や医療機関からの指示をよく確認しておきましょう。

大腸がんの検査を受けるタイミング

検査を受ける目安は、年齢や症状の有無などによって異なります。ここでは、以下のような代表的な目安を解説します。

  • 40歳を超えたら1年に1回
  • 健康診断で「要精密検査」となったとき
  • 便に血が混じる、いつもと便が違うなどの症状が現れたとき

本章を参考に、ご自身の適切な受診タイミングをご検討ください。

40歳を超えたら1年に1回

日本のがん検診ガイドラインでは、40歳以上の成人に対して年に1回の便潜血検査が推奨されています。大腸がんは、早期の場合、自覚症状がないケースも多いため、定期的な検診が重要です。(文献5

毎年の検査を習慣にすることで、早期発見による治癒率の向上が期待できます。

健康診断で「要精密検査」となったとき

健診や人間ドックで「要精密検査」や「便潜血陽性」といった判定を受けた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

便潜血検査で陽性だった場合は、大腸内視鏡検査をはじめとする精密検査が必要です。(文献6)がん以外の要因で便に血が混じっている可能性もありますが、放置すると重大な病気を見逃す恐れがあります。

不安を放置せず、医学的な診断を得ることが精神的な安定にもつながるでしょう。

便に血が混じる、いつもと便が違うなどの症状が現れたとき

血便や排便時の出血、細くなった便など、便の様子に変化が見られるときは、早めの受診がすすめられます。また、便秘と下痢を繰り返す、腹痛、貧血気味などの症状も見逃せません。(文献1

このような変化は、大腸がんの症状のひとつでもあります。とくに40代以降でこうした症状が続く場合は、がんの有無にかかわらず、一度しっかりと検査を受けておくと安心です。

便の異常と大腸がんの関係については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

大腸がん検査による早期発見の重要性

大腸がんは、早期発見によって治癒率を高められ、体への負担も最小限に抑えられます。本章では、大腸がんのステージ基準や早期発見できた場合の予後について解説します。

大腸がん検査で判定される進行度(ステージ)の基準

大腸がんの進行度は、「ステージ(病期)」と呼ばれる分類で判断されます。これは、がんの大きさや深さ、リンパ節や遠隔臓器への転移の有無によって決まるものです。(文献1

ステージ

状態

ステージ0

がんが粘膜の中にとどまっている

ステージⅠ

がんが大腸の壁にとどまっている

ステージⅡ

がんが大腸の壁の外まで広がっている

ステージⅢ

がんがリンパ節に転移している

ステージⅣ

腹腔内でがん細胞が散らばる、あるいは広範囲への転移が認められる

ステージの進行度に応じて、がんが腸の壁を越えて周囲に広がったり、他の臓器に転移したりするリスクが高まります。このステージ分類は、今後の治療方針を決める上でも重要な指標です。

大腸がんの進行速度については、以下の記事を参考にしてください。

検査で早期発見できれば予後は良好

大腸がんは、早期に見つかれば治る可能性の高いがんとされています。

下の表は、大腸がんのステージ別の5年生存率です。5年生存率とは、「がんと診断されてから5年後に生存している人の割合」を指します。(文献1

ステージ

5年生存率

ステージⅠ

92%

ステージⅡ

84%

ステージⅢ

65~81%

ステージⅣ

21%

がんを早期に発見することで、命にかかわるリスクを大きく減らせます。定期的に大腸がん検査を受診しましょう。

大腸がんは治療後も定期的な検査が必要

大腸がんは、治療が終わったあとも再発に注意が必要です。治療後も5年ほどは定期的な検査や経過観察が欠かせません。再発が見つかった場合は、再治療を行い治癒を目指します。(文献7

治療が終わっても安心せず、医師の指示に従って定期検査を継続することが、長期的な健康維持につながります。

大腸がん検査を受けて早期発見・早期治療につなげよう

大腸がんは、早期の段階で見つかれば治療の選択肢も広がり、良好な経過が期待できる病気です。症状が出にくいがんでもあるため、定期的な検査を受けておくことが、健康を守る上で重要です。

とくに40歳を過ぎた方や、ご家族に大腸がんの既往がある方、便に異常を感じた方は、早めに医療機関での検査をご検討ください。

検査によって現在の状態を正確に把握することが、安心にもつながります。

当院では、大腸がんに関する相談を受け付けています。受診に関するご相談は、公式LINEからも受け付けておりますので、「検査について詳しく知りたい」「不安なことを気軽に相談したい」といった方は、お気軽にお問い合わせください。

\無料オンライン診断実施中!/

無料の再生医療ガイドブックはこちらから!>>

大腸がんの検査に関するよくある質問

大腸がんの検査は何科を受診すれば良いですか?

大腸がんの検査を希望する場合は、「消化器科」や「胃腸科」「肛門科」といった専門の診療科を受診するのが一般的です。

受診先に迷う場合は、かかりつけの内科に相談するのも一つの選択肢です。必要に応じて、検査ができる専門機関を紹介してもらえる場合があります。

また、市区町村など自治体が実施しているがん検診を活用するのも良いでしょう。対象年齢や検査内容、費用の助成制度などが設けられている場合もあるため、お住まいの自治体の広報や保健センターの案内を確認してください。(文献8

大腸がん検査でひっかかったらどうすれば良いですか?

健康診断や自治体のがん検診で便潜血検査が「陽性」と判定された場合は、できるだけ早めに精密検査を受けることが大切です。(文献6

通常は、消化器内科や胃腸科などを受診し、大腸内視鏡検査を行う流れになります。内視鏡検査では、がんやポリープなどの異常があった場合、その場で組織を採取する「生検」や、必要に応じてポリープの切除を行うことも可能です。

検査後は、採取した組織を病理検査で詳しく調べた上で、数日後に結果が説明されます。

大腸がんとポリープの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

参考文献

(文献1)
患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2022年版|大腸癌研究会

(文献2)
有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン 2024 年度版|国立がん研究センター がん対策研究所

(文献3)
1.大腸がん検診検査法のまとめ|がん情報サービス 国立研究開発法人国立がん研究センター

(文献4)
PET検査とは|がん情報サービス 国立研究開発法人国立がん研究センター

(文献5)
「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン」2024年度版|国立がん研究センターがん対策研究所

(文献6)
大腸がん検査について|国立がん研究センター中央病院

(文献7)
大腸がん(結腸がん・直腸がん)治療|がん情報サービス 国立研究開発法人国立がん研究センター

(文献8)
大腸がん検診|前橋市