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【医師監修】トリガーポイント注射とは|副作用や効果が出るまでの期間を解説

「肩こりや腰の違和感が長く続く」
「整形外科でトリガーポイント注射を勧められたが不安」
注射治療と聞くと、副作用や身体への影響が気になり、受けるべきか迷う方は多いでしょう。
トリガーポイント注射は、筋肉の緊張が強い部位に薬剤を注入し、こわばりや筋膜由来の症状を和らげる治療です。肩・首・腰といった慢性的な症状に対して行われています。
本記事では、現役医師がトリガーポイント注射について詳しく解説します。副作用や効果が出るまでの期間なども合わせて紹介し、記事の最後にはよくある質問をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
トリガーポイント注射とは
トリガーポイント注射とは、筋肉内に生じた硬いしこり(トリガーポイント)に局所麻酔薬を注入し、筋肉の過度な緊張をほぐすことで症状の軽減を図る治療です。
トリガーポイントは押すと強い痛みや違和感が生じる圧痛点で、筋肉の持続的な緊張によって形成されます。
首・肩・背中・腰など、慢性的な筋肉由来の症状に対して検討され、整形外科やペインクリニックで筋肉の状態を評価した上で実施されます。
以下の記事では、鵞足炎の治療法のひとつとしてトリガーポイント注射について解説しています。
トリガーポイント注射が適用される主な疾患
| 適用される疾患 | 概要 |
|---|---|
| 筋膜性疼痛症候群 | 筋肉や筋膜にトリガーポイントが形成され、首・肩・背中・腰などに症状が現れる状態 |
| 緊張型頭痛 | 首や肩、頭部の筋肉の緊張が関与する頭痛 |
| 顎関節症(筋肉由来) | 咬筋や側頭筋など顎周囲の筋肉の緊張に関連する症状 |
| 慢性的な腰部筋筋膜症 | 腰部の筋肉にトリガーポイントが形成されることで生じる腰周囲の症状 |
トリガーポイント注射は、筋肉の過度な緊張や筋膜の異常に関連する症状に対して検討されることがあります。
筋膜性疼痛症候群のほか、緊張型頭痛・顎関節症・腰部筋筋膜症など、筋肉の緊張が関与する慢性的な症状に適用されます。
以下の記事では、トリガーポイント注射の適用が検討される疾患について詳しく解説しています。
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トリガーポイント注射と他の注射治療との違い
| 注射治療 | 主な作用部位 | 目的・特徴 |
|---|---|---|
| トリガーポイント注射 | 筋肉(トリガーポイント) | 筋肉の過度な緊張の緩和を目的とした治療 |
| 神経ブロック注射 | 神経・神経周囲 | 神経伝達の調整を目的とした治療 |
| ハイドロリリース注射 | 筋膜 | 筋膜の癒着の改善を目的とした処置 |
| 神経幹内注射 | 神経幹 | 神経の炎症や刺激の軽減を目的とした治療 |
| ステロイド注射 | 関節・腱周囲 | 炎症反応の抑制を目的とした治療 |
| ボトックス注射 | 筋肉 | 筋肉の過度な収縮の抑制を目的とした治療 |
トリガーポイント注射は筋肉内の硬結部位に薬剤を注入し、過度な緊張をほぐす治療です。
神経ブロックや関節内注射など他の注射治療とは、アプローチする組織と目的が異なります。
どの治療が適切かは症状の原因によって変わるため、診察・検査で評価した上で選択されます。
以下の記事では、他の注射治療について詳しく解説しています。
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【効かない?】ブロック注射の効果とは?持続期間や副作用のリスクを医師が解説
トリガーポイント注射が効かない場合
| 効かない主な理由 | 内容 |
|---|---|
| 症状の原因が筋肉ではない | 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など神経・脊椎由来の症状 |
| 症状の慢性化 | 長期間続く筋肉の緊張状態・複数回治療が必要なケース |
| 生活習慣による筋肉負担 | 長時間同一姿勢・過度な筋肉使用など負担継続 |
| 治療効果の個人差 | 体質・症状の原因・筋肉状態の違い |
トリガーポイント注射は筋肉の硬結を対象とした治療のため、原因が神経や脊椎にある場合は効果が限定的です。
慢性化した症状では複数回の治療やリハビリとの併用が必要になることもあります。また、姿勢や生活習慣による負担が続けばトリガーポイントが再形成されるため、生活習慣の見直しや運動療法を組み合わせることが大切です。
トリガーポイント注射の効果
| 効果 | 詳細 |
|---|---|
| 筋肉の過度な緊張を和らげる効果が期待される | トリガーポイントへ薬剤を注入することによる筋肉の収縮緩和・筋肉の緊張を軽減 |
| 筋肉の血流改善につながることがある | 筋肉の緊張緩和に伴う局所血流の改善・筋肉内の代謝環境の改善 |
| 筋肉の動作改善が期待できる | 筋肉の柔軟性回復による関節可動域の改善・日常動作の円滑化 |
トリガーポイント注射で筋肉の緊張がほぐれると血流が改善し、代謝環境の回復につながります。
筋肉の柔軟性が回復すると関節の可動域が広がり、日常動作の改善を通じて筋肉由来の症状の軽減につながるとされています。
筋肉の過度な緊張を和らげる効果が期待される
| 効果 | 詳細 |
|---|---|
| トリガーポイントを直接処置 | 筋肉内の硬いしこり(トリガーポイント)への薬剤注入による筋肉の緊張の緩和 |
| 筋肉と神経刺激の連鎖の遮断 | 神経刺激の伝達抑制による筋肉の緊張と刺激の悪循環の軽減 |
| 筋肉の血流環境の改善 | 筋肉の緊張の緩和による局所血流の回復・筋肉内代謝環境の改善 |
| 筋肉の柔軟性と動作の改善 | 筋肉の柔軟性回復による関節可動域の改善・日常動作の円滑化 |
(文献1)
トリガーポイント注射は、筋肉内の硬結部位に薬剤を注入し、過度な緊張をほぐす治療法です。
硬結を直接処置することで筋肉の収縮が緩み、神経刺激と筋肉の緊張による悪循環が断たれることがあります。緊張がほぐれると血流が改善し、柔軟性や動作の回復につながります。
筋肉の血流改善につながることがある
| 改善につながる理由 | 詳細 |
|---|---|
| 筋肉の緊張緩和による血管圧迫の軽減 | トリガーポイント処置による筋収縮の緩和・筋肉内血管の圧迫軽減 |
| 酸素や栄養の供給改善 | 血流回復による酸素・栄養供給の改善・筋肉の代謝環境の調整 |
| 代謝産物の排出促進 | 乳酸など筋肉内代謝産物の排出促進・局所環境の改善 |
筋肉の緊張が続くと血管が圧迫されて血流が低下しますが、硬結部位に薬剤を注入して緊張をほぐすことで血流が回復しやすくなります。
血流が改善すると酸素や栄養が届きやすくなり、代謝産物の排出も促されます。
筋肉の動作改善が期待できる
トリガーポイントは筋肉の一部が持続的に収縮した状態で形成され、筋肉の動きや関節の可動域を制限します。
硬結部位に薬剤を注入して収縮をほぐすことで筋肉本来の動きが戻りやすくなり、首・肩・腰などの可動域の拡大につながります。
緊張が緩むとストレッチや運動療法にも取り組みやすくなるため、身体機能の改善にはリハビリとの併用が重要です。
トリガーポイント注射の効果が出るまでの期間
| 時期 | 変化の目安 |
|---|---|
| 注射直後(数時間以内) | 局所麻酔薬の作用による筋肉の緊張緩和・一時的な状態変化 |
| 注射後1〜3日程度 | 効果を感じ始めるケースが多い時期 |
| 注射後1〜2週間程度 | 効果が安定して現れる場合がある時期 |
| 効果の持続期間 | 数週間程度持続することがある状態変化 |
(文献4)
注射直後は局所麻酔薬の作用による一時的な変化がみられることもあり、その後24〜72時間ほどで効果を感じ始めるケースが多いとされています。(文献4)
さらに注射後1〜2週間ほどで状態が安定し、筋肉の緊張がほぐれることで身体の動きが改善するケースもあります。
ただし、効果の現れ方には個人差がある点は注意が必要です。
トリガーポイント注射の効果の持続時間
| 時期 | 持続時間の目安 |
|---|---|
| 注射直後〜数時間 | 局所麻酔薬の作用による一時的な筋肉の緊張緩和 |
| 数日〜数週間程度 | 筋肉の緊張緩和による症状軽減の持続 |
| 約1カ月程度 | 症状軽減が続くケースが多い期間 |
| 数週間〜数カ月 | 個人差による効果持続期間 |
注射直後から数時間は局所麻酔薬の作用で筋肉の緊張が緩んだ状態が続き、その後数日〜数週間にわたって症状の軽減が持続するケースが多いとされています。(文献5)
その後、首・肩・腰など筋肉の状態が整いやすくなることで、約1カ月程度効果が続く場合もあると報告されています。(文献6)
トリガーポイント注射の副作用
| 副作用 | 詳細 |
|---|---|
| 注射部位の腫れや内出血 | 注射による皮下組織や血管刺激に伴う局所の腫れ・皮下出血 |
| めまい・気分不良などの体調変化 | 注射刺激や局所麻酔薬の影響、緊張反応などに伴う一時的な体調変化 |
| まれに感染などの合併症 | 注射部位への細菌侵入による感染や炎症などの合併症 |
トリガーポイント注射は注射を伴う医療行為のため、一般的な注射と同様に副作用が生じる可能性があります。
注射部位の腫れや内出血といった局所反応のほか、注射刺激や局所麻酔薬の影響によるめまい・気分不良などの一時的な体調変化がみられることもあります。
まれに注射部位の感染・炎症などの合併症が生じることがあるため、体調の変化が続く場合は早めに医療機関へ相談してください。
注射部位の腫れや内出血
針が皮膚や皮下組織を通過する際に周囲の血管へ刺激が加わり、注射部位に腫れや内出血が生じることがあります。
また、針の刺激や薬剤注入によって局所の組織が一時的に反応し、軽い腫れや違和感が現れる場合もありますが、多くの場合一時的であり、数日ほどで自然に落ち着くとされます。
めまい・気分不良などの体調変化
トリガーポイント注射の副作用として、処置への緊張や針の刺激をきっかけに自律神経が反応し、血圧や心拍数が一時的に変化する「迷走神経反射」によってめまい・気分不良・吐き気などが起こりやすくなります。
局所麻酔薬の作用によるふらつきが現れる場合もありますが、いずれも一時的なことが多く、横になって安静にすることで落ち着きます。
まれに感染などの合併症
トリガーポイント注射は、針を挿入する処置のため、まれに注射部位で感染が生じます。
針の刺激によって一時的な炎症反応が起こり、発赤や腫れがみられる場合もあります。いずれも軽度で経過とともに落ち着くことがほとんどです。
体調や免疫機能、基礎疾患の状態によっては注意が必要なため、気になる症状が続く場合は早めに医療機関へ相談しましょう。
トリガーポイント注射を受ける際の注意点
| 注意点 | 詳細 |
|---|---|
| 基礎疾患や服用中の薬を事前に医師へ伝える | 持病や服用薬の情報共有による合併症リスクの確認・治療可否の判断 |
| 体調がすぐれない場合は無理に治療を受けない | 発熱や体調不良時の処置回避・身体への負担軽減 |
| 治療後に体調の変化がある場合は医療機関へ相談する | 注射後の体調変化や異常症状への早期対応 |
トリガーポイント注射を受ける際は、事前に基礎疾患や服用中の薬を医師へ伝えましょう。
持病や薬の影響によっては、処置方法の調整や慎重な判断が必要になる場合があります。また、発熱や体調不良がある場合は無理に治療を受けず、体調が整ってから実施することが望まれます。
さらに治療後にめまい、腫れ、体調の変化など気になる症状が続く場合には、早めに医療機関へ相談することが大切です。
基礎疾患や服用中の薬を事前に医師へ伝える
トリガーポイント注射の治療前は、基礎疾患や服用中の薬を医師へ伝える必要があります。
局所麻酔薬やステロイドなどを使用するため、持病や体質によって使用できる薬剤や量が異なります。
抗凝固薬・抗血小板薬の服用状況や薬剤アレルギー、感染症の有無などの事前の情報共有は、適切な治療判断を行う上で欠かせません。
体調がすぐれない場合は無理に治療を受けない
発熱や感染症がある場合はトリガーポイント注射は延期が検討されます。
体調が不安定なまま治療を受けると副作用が出やすくなるだけでなく、本来の症状との区別がつきにくくなり、治療効果を正確に評価できない可能性があります。
治療後に体調の変化がある場合は医療機関へ相談する
治療後の軽い腫れや違和感は、多くの場合数日以内に落ち着きます。
ただし、注射部位の強い赤み・腫れ・発熱がみられる場合は感染などの合併症が疑われるため、早めに医療機関を受診しましょう。
しびれや筋力低下など神経症状が続く場合も、医師による評価が必要です。
トリガーポイント注射で改善しない症状は当院へご相談ください
トリガーポイント注射はすべての症状に適用されるわけではなく、神経の圧迫や関節の変性など別の原因が関係している場合は異なる治療の検討が必要です。
症状が長く続く場合や改善がみられない場合は、原因を改めて評価することが大切です。
トリガーポイント注射で改善しない症状についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、症状や状態によっては、再生医療を用いた治療を検討いただけます。
再生医療では、脂肪由来幹細胞やPRP(多血小板血漿)などを用いて組織の修復や炎症環境の調整を促し、筋肉や腱など運動器の状態の改善を目指す治療法です。筋膜性疼痛症候群などの筋骨格系の症状では、再生医療によって機能や生活の質の改善がみられた報告もあります。
ご質問やご相談は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。
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トリガーポイント注射に関するよくある質問
トリガーポイント注射は保険適用になりますか?
トリガーポイント注射は、医師の診断に基づき筋肉・筋膜由来の症状と判断された場合、健康保険が適用されます。
3割負担の場合、注射自体の費用は数百円程度が目安ですが、初診料・再診料・検査費用なども加わるため実際の支払いはそれ以上になります。
医療機関や治療内容によっては自費診療となる場合もあるため、詳しくは受診する医療機関に確認してください。
トリガーポイント注射を受けないで治療する方法はありますか?
トリガーポイント注射を受けなくても、ストレッチや運動療法などの理学療法、鎮痛薬や筋弛緩薬などの薬物療法といった保存的治療が検討されます。
また、再生医療が治療選択のひとつとして検討される場合もあります。
再生医療では血液や細胞を利用して組織の回復を促す治療が行われることがあり、筋膜性疼痛症候群ではPRP(多血小板血漿)注射により症状や身体機能の改善がみられた報告もあります。(文献7)
ただし適応には条件があるため、興味がある場合は再生医療を実施している医療機関へ相談しましょう。
以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。
トリガーポイント注射に依存性はありますか?
使用する薬剤は主に局所麻酔薬であり、依存性はありません。ただし、姿勢や生活習慣による筋肉への負担が続く場合はトリガーポイントが再形成され、定期的な治療が必要になる場合もあります。
注射と併せてストレッチ・運動療法・姿勢改善に取り組むことで、症状の再発予防につながります。
参考文献
How Trigger Point Injections Work and Who Needs Them|Active Pain Relief & Wellness
Trigger Point Injections|Cleveland Clinic logo
How Long Do Trigger Injections Provide Relief? | COMMONWEALTH SPINE & PAIN SPECIALISTS




















