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鵞足炎のトリガーポイントを医師が解説|直接的なアプローチで改善を目指そう

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公開日: 2025.03.31

膝の内側が痛む鵞足炎は、膝の内側下部(脛骨の内側面)にある縫工筋(ほうこうきん)・薄筋(はくきん)・半腱様筋(はんけんようきん)が付着する「鵞足(がそく)」と呼ばれる部分の滑液包に炎症が起こった状態です。(文献1

鵞足炎は身近な障害で、ランナーやゴルファーなどのスポーツ愛好家だけでなく、日常生活で階段昇降や歩行を繰り返す人も発症します。

とくに筋膜が硬くこわばった部分(トリガーポイント)が形成されると、膝の痛みが慢性化しやすくなります。

鎮痛剤やアイシングなどによる一時的なケアだけでは、深部にある原因へ十分に働きかけられない場合があるため、痛みをくり返さないためにもトリガーポイントは重要な要素です。

本記事では鵞足炎とトリガーポイントの関係を掘り下げることで、膝の痛みを根本から理解できるようになります。長引く膝の内側痛に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

鵞足炎のトリガーポイント

鵞足炎は、表面的な炎症を軽減しても痛みが消えないこともあり、その背後に隠れているのが「トリガーポイント」です。トリガーポイントとは、筋膜や筋線維の一部が硬くなり、押すと響くような痛みを引き起こす部位を指します。

鵞足部に関わる縫工筋・薄筋・半腱様筋だけでなく、大腿四頭筋や内転筋群、膝周辺の複数の筋肉で硬結が生じる場合もあり、その影響で膝の内側痛が続くことがあります。代表的な筋肉と、そのトリガーポイントが生じやすい具体的部位および分類は次のとおりです。

筋肉名 主なトリガーポイント部位 分類 痛みの関連先
縫工筋(ほうこうきん) 太もも前面内側の筋腹 筋膜内(筋腹) 膝の内側(鵞足部)に刺すような痛みを飛ばすことが多い
薄筋(はくきん)

太もも内側中央の筋腹

脛骨内側(鵞足)付着部

筋膜内(筋腹)腱・骨膜付着部

内もも~膝下内側にヒリヒリとした痛みや関連痛を起こす
半腱様筋(はんけんようきん)

太もも後面中央の筋腹

脛骨内側(鵞足)付着部

筋膜内(筋腹)腱・骨膜付着部 膝裏からふくらはぎ内側にかけてズキズキと痛みが放散
大腿四頭筋(内側広筋・大腿直筋など)

内側広筋の筋腹

大腿直筋の付着部(下前腸骨棘付近)

筋膜内(筋腹)腱付着部 膝のお皿周辺や膝の前内側にうずく痛み、膝折れ感
内転筋群(長内転筋・短内転筋・大内転筋等) 股関節に近い筋腹大腿骨内側上顆付近(骨膜) 筋膜内(筋腹)腱・骨膜付着部 内もも~膝内側への深い痛み・しびれ感が出やすい

膝の内側痛がある場合、これらの筋膜・腱・骨膜付着部で形成されたトリガーポイントを適切にケアしなければ、鵞足炎の炎症が落ち着いても痛みが長引いたり再発をくり返すため注意が必要です。(文献2)(文献3

「膝の内側の痛み」が長引く理由とトリガーポイントの関係

鵞足炎が慢性化しやすい背景には、筋膜のこわばりが深く絡んでいます。炎症はアイシングや安静である程度落ち着く場合がありますが、筋膜や筋繊維が硬くなった状態を放置していると、膝をかばいながら動かす状態が続いてしまうからです。

鵞足部だけでなく、太もも全体や股関節周辺でトリガーポイントが形成されると、膝を曲げ伸ばしするたびに刺激が伝わり、痛みが抜けにくくなります。

一般的な炎症ケアだけで不十分なケースも多く、痛みの原因が筋膜に潜んでいると意識しないまま過ごすと症状の長期化を招いてしまいます

専門的な視点でトリガーポイントを捉え、膝を動かしやすい環境へ整えていくことが、痛みの根本解決へ向けた第一歩になります。

鵞足炎のトリガーポイントをセルフチェックする方法

鵞足炎によるトリガーポイントがある場合、レントゲンやMRIでは異常を発見しにくいケースがあります。

ここでは、自身で簡単にトリガーポイントの有無を確認できる方法を紹介します。

チェックポイント 解説
1.膝周辺の筋肉を指で圧してみる

まずは太ももの前側、内側、膝のすぐ上あたりをやさしく押してみてください。

圧迫したとき、鋭い痛みがあるか確認しましょう。痛みを感じた場合、筋肉内のトリガーポイントの可能性があります。

2.しこりの有無を探る

トリガーポイントは「筋肉にできたしこり」にたとえられます。硬く盛り上がった部分を感じる場合は、関連痛と呼ばれる周辺への痛みの広がりを伴うことがあります。(文献4

膝の内側だけでなく、大腿四頭筋や内転筋までチェックすると、思わぬ部分が痛みの引き金になっていることがわかるかもしれません。

3.レントゲン・MRIに写りにくいことを認識する トリガーポイントは画像検査で発見が難しいため、整形外科などで異常なしと診断されても、実はトリガーポイントが潜んでいる場合があります。

セルフチェックによって「ここを押すと膝の内側にビリッと響く」部分を見つけたら、トリガーポイントの存在が疑われます。

放置すると鵞足炎の回復を遅らせる一因になるので、必要に応じて専門の医師や治療家へ相談してください。

誤ったセルフケアで悪化させないために

トリガーポイントが気になり、自分で強く押してしまいがちです。しかし、強い刺激を与えると筋繊維がさらに損傷してしまい、痛みが増したり炎症を誘発したりするリスクもあります。

自己流のケアはやりすぎると逆効果になりやすいため、以下の点に注意してください。

注意点 解説
過度なマッサージを避ける トリガーポイントは筋肉が敏感な状態になっています。入念に揉みほぐせば良いわけではなく、過剰な刺激が筋線維を痛め、症状を増悪させる可能性があります。
痛みが強いときは安静を優先する ある程度のセルフケアは大切ですが、痛みが強いときは膝や太ももを酷使しないよう安静を心がけましょう。
専門医へ相談する

鵞足炎が慢性化しているときや、セルフケアで改善が見られないときは専門クリニックの受診をおすすめします。

局所へ的確にアプローチする治療法がありますので、早めに適切な処置を受けると回復の見込みが高まります。

セルフチェックでトリガーポイントの疑いがあっても、自己流のケアだけで鵞足炎を根本的に解消することは難しいです。膝の内側痛が気になるときは専門医による正確な診断と、適切な治療プランのもとで対策を進めてみましょう。

なぜ鵞足炎のトリガーポイントができるのか?主な原因とリスク要因

鵞足炎は、膝の内側に集まる筋肉が使いすぎや血流不足によって硬くなりやすく、その結果トリガーポイントが形成されて痛みが長引くケースがあります。鵞足炎のトリガーポイントが生じる主な原因とリスク要因について整理します。(文献5

主な原因 リスク要因
1.オーバーユースと筋疲労 ストレッチを怠った状態で長距離ランニングや過度な坂道走行など、膝の内側に大きな負荷がかかる運動を反復して行うと、筋肉が微細損傷や疲労を重ねて血行が悪化し、トリガーポイントを生みやすくなります。
2.姿勢の乱れや筋力のアンバランス 内股やO脚のように姿勢が乱れた状態での生活が続くと、膝に不自然な力が集中し、筋肉が過度に緊張してトリガーポイントが形成されやすくなります。
3.肥満 生活習慣が乱れ、肥満になると膝に負担がかかり、トリガーポイントを生み出しやすくなります。
4.鵞足炎以外の炎症 足首や股関節などの不調が膝に波及して鵞足炎を悪化させたり、鵞足炎と混合されやすい膝の変形性関節症を発症すると副次的に膝に負担がかかり、トリガーポイントを生み出す可能性があります。

鵞足炎の症状や原因は下記の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご確認ください。

\まずは当院にお問い合わせください/

 

トリガーポイントにアプローチする鵞足炎の治療法

鵞足炎による膝の内側痛を根本から改善していくには、炎症の沈静化だけでなく、筋膜や筋肉内部のトリガーポイントへ適切にアプローチする治療法が必要です。ここでは鵞足炎に対して考えられる治療方法を紹介します。

治療法 説明
トリガーポイント注射

トリガーポイント注射は、筋肉のしこりが生じている部分(トリガーポイント)へ直接薬液を注入して痛みや緊張を和らげる施術です。

トリガーポイント注射をすると、凝り固まった筋繊維をリセットし、血流を促しながら筋肉を正常な状態へ近づけられます。(文献6

薬物療法 鎮痛剤(イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム)を内服し、鵞足炎の痛みや腫れを短期的に和らげます。(文献7
理学療法(フィジカルセラピー)

理学療法(フィジカルセラピー)では、専門の理学療法士の指導のもとで膝周囲の筋肉の柔軟性と筋力を改善する運動をします。

ハムストリング(太もも裏)や大腿四頭筋など膝に関与する筋群のストレッチや筋力強化エクササイズによって関節の可動域や安定性を高め、痛みの軽減と再発予防が期待できます。(文献7

装具の使用とテーピング

必要に応じて膝関節への負担を軽減するための補助具の利用を推奨されています。

足のアーチや膝の角度の問題が鵞足炎の一因となっている場合には、靴の中にインソールを入れて膝の位置関係を矯正し、鵞足部への過度な負荷を減らせます。また、膝にテーピングを貼って筋肉や腱をサポートする方法は、動作時の痛みを和らげるのに役立ちます。(文献8

多血小板血漿(PRP)療法

近年、難治性の鵞足炎に対する新たな選択肢としてPRP注射療法が試みられることもあります。

これは患者自身の血液を採取して血小板が濃縮された血漿(けっしょう)部分を抽出し、炎症部位に注入する再生医療です。PRPに含まれる成長因子によって組織の治癒や修復を促すことが期待され、痛みの軽減への効果も認められています。(文献8

上記の選択肢から、鵞足炎による痛みの強さや生活スタイルに合わせた治療を選ぶと良いでしょう。治療を続けやすい方法や通院ペースを考慮しながら、根本的な改善を目指してみてください。

また、当院では再生医療のスペシャリストとして上記で紹介した多血小板血漿(PRP)療法についても取り扱っておりますので、気になる方は以下の記事をご確認ください。

\まずは当院にお問い合わせください/

 

再発を防ぐには?トリガーポイントへの継続的なケアが重要

膝の内側に痛みが生じる鵞足炎は、筋肉や腱が硬くなった状態が長く続くと痛む部分をかばうような歩行や運動フォームがクセになってしまいます。その結果、トリガーポイントが残り一時的に治療しても痛みが再燃しやすくなります。

ハードな運動だけでなく、姿勢が悪いまま過ごすことでも膝へのストレスが繰り返され、症状がぶり返す危険もあります。痛みが軽減してきた段階でも、姿勢や柔軟性を適宜チェックし、股関節や太ももの筋力アップを図るなどのリハビリを続けましょう。

日頃から膝周りを丁寧にほぐすウォーミングアップやクールダウンを行い、ランニングシューズやインソールのサイズを見直してみてください。日常的に膝へ負担をかける動作が多い方は、とくに意識的にセルフケアやストレッチを継続すると良いでしょう。(文献9

鵞足炎を再発させないポイントとしては、定期的な専門医のフォローや理学療法士などのサポートが挙げられます。専門家によるアドバイスを受けながら運動量を調整し、筋膜や筋肉のこわばりを早めに解消すると、膝の状態を安定させやすくなります。痛みがなくなってからも膝周囲のケアを怠らず、トリガーポイントを常に意識したメンテナンスを心がけましょう。

鵞足炎のトリガーポイントを自分でケアする!効果的なセルフケア法

鵞足炎は膝の内側で炎症が起こる状態ですが、セルフケアで緩和できるようになると、回復の手がかりをつかみやすくなります。そこで、日常生活の中で意識しやすいセルフケアの要点をいくつか挙げます。

まず、膝の内側を押したときに筋肉のこわばりや鋭い痛みがある場合は、無理に動かそうとせず休息を優先しましょう。膝に負担のかかる動作を続けると炎症がぶり返す恐れがあります。痛みが軽く感じられるようになったら、ストレッチを念入りに行い、膝周辺や太ももの内側を適度にほぐすよう心がけてください。

身体が固い方は、ウォーミングアップやクールダウンなど短時間でもこまめに伸ばす工夫をすると、筋肉が緊張しにくくなります。

アイシングも有効です。鵞足炎が疑われるときは患部を冷やして炎症を落ち着かせると楽に動かしやすくなります。ただし皮膚へ直接氷を当てるのは避け、タオルで包んだ保冷剤を1日3回まで、15分程度ずつ当てる方法が望ましいです。炎症が強いときはアイシングを優先し、痛みが落ち着いてきたら温めて血行促進を図るように切り替えると、筋肉や腱の回復を助けやすくなります。

それでも痛みが続くときは、医療機関や整体など専門家の診断を受け、状態に合わせたケア方法を学ぶのを推奨します。鵞足炎の症状を放置すると悪化のリスクがあるため、気になるときは早めの対処を心がけてください。すでに強い痛みがある方は、まずは医師の診断を受けてからセルフケアやリハビリを検討しましょう。

関連記事:鵞足炎とは?なりやすい人とは?セルフケア方法とは

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鵞足炎のトリガーポイントを理解して痛みを根本から解消しよう

鵞足炎は膝の内側にある筋肉や腱が炎症を起こしやすい状態ですが、その背後にはトリガーポイントが潜んでいるケースが多いです。単に痛み止めを使用したり、しばらく安静にして炎症を落ち着かせても、根本要因であるトリガーポイントが改善されなければ、再び同じ痛みを繰り返すおそれがあります。

膝に強い負担がかかるスポーツをしている方や、年齢を重ねて筋肉が硬くなっている方こそ、トリガーポイントをほぐして血流を整えてみてください。鵞足炎が継続している方は、ハードな動作やトレーニングを一時的に控え、本記事で紹介した治療法を活用すると膝の健康を長く保てるでしょう。

膝の内側痛が慢性化している方や、従来の治療に限界を感じている方は、当院へ一度相談してみてはいかがでしょうか。症状の程度や生活スタイルに合わせた治療を行い、日々の動作やスポーツをもっと快適に楽しめるよう痛みを根本から解消する提案をいたします。

\まずは当院にお問い合わせください/

 

参考文献

(文献1)オクノクリニック「痛みと身体のQ&A鵞足炎(がそくえん)」慢性痛治療の専門医による痛みと身体のQ&A(オクノクリニック公式サイト)2021年公開https://okuno-y-clinic.com/itami_qa/pes-anserine-bursitis.html(最終アクセス:2025年3月22日)

(文献2)トリガーポイントによる大腿・膝・下腿の痛み(やまだカイロプラクティック・鍼灸院) https://www.yamadachiroshinkyu.com/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E5%A4%A7%E8%85%BF-%E8%86%9D-%E4%B8%8B%E8%85%BF%E3%81%AE%E7%97%9B%E3%81%BF/(最終アクセス:2025年3月22日)

(文献3)<あなたの膝痛はどのタイプ?>膝痛のタイプ別エクササイズ~前面の痛み編~(ひじりボディケアー)https://triggerpoint-therapy.com/20190902-2/(最終アクセス:2025年3月22日)

(文献4)木村裕明監修「関連痛とは?痛みの場所と原因となるトリガーポイントは異なる場合が多い」メディカルノート, 2015年9月6日 https://medicalnote.jp/contents/150730-000007-WGTNWS(最終アクセス:2025年3月22日)

(文献5) American Academy of Orthopaedic Surgeons (AAOS), “Pes Anserine (Knee Tendon) Bursitis” (OrthoInfo), Updated Sept 2021 https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases–conditions/pes-anserine-knee-tendon-bursitis (Accessed:2025-03-22)

(文献6) 井関雅子「当院における疼痛治療 - トリガーポイント注射を中心に」(疼痛治療レポート) Trigger Point .net(ビタカイン製薬医療関係者向けサイト), 2020年 https://triggerpoint-net.vitacain.co.jp/healthcareworkers/pain-treatment/articles/vol1 (最終アクセス:2025年3月22日)

(文献7) Mayo Clinic. Knee bursitis – Diagnosis and treatment. Mayo Clinic, 2022. https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/knee-bursitis/diagnosis-treatment/drc-20355506  (Accessed:2025-03-22)

(文献8)Cleveland Clinic. Pes Anserine Bursitis: What It Is, Symptoms & Treatment. Cleveland Clinic, 最終更新日 2025年3月5日. https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/pes-anserine-bursitis (Accessed: 2025-03-22)

文献9)大阪平川接骨院/鍼灸治療院グループ『鵞足炎(がそくえん) – ひざの内側が痛い』https://osaka-hirakawa.jp/symptom/knee/gakusokuen/ (最終アクセス日: 2025年3月22日)

監修者

坂本 貞範(医療法人美喜有会 理事長)

坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)

Sadanori Sakamoto

再生医療抗加齢学会 理事

再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。

「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。

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