• 頭部
  • 頭部、その他疾患

三叉神経痛になりやすい人の特徴とは?主な原因や日常で意識すべき行動を現役医師が解説

三叉神経痛になりやすい人
公開日: 2026.03.31

顔に突然、電気が走るような鋭い激痛を感じ「もしかして三叉神経痛?」と不安になっていませんか。

三叉神経痛は、50〜60代の中高年層や女性、また動脈硬化のリスクがある人に多く見られる疾患です。その原因の多くは、変形した血管が三叉神経の根元を圧迫し、神経の膜が傷ついて痛みの信号が暴走してしまうことにあります。

この記事では、三叉神経痛になりやすい人の特徴や突然起こる痛みの原因を詳しく解説します。

「この痛みは一生続くのか」と一人で悩まず、まずは正しい知識を身につけ、適切な治療へつなげましょう。

当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。三叉神経痛について気になる症状がある方は、ぜひ登録をご検討ください。

\公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ リペアセルクリニック 公式LINE画像

LINE限定で無料オンライン診断を実施中!
>>簡単30秒で診断してみる

目次

三叉神経痛になりやすい人の特徴

三叉神経痛の発症には、加齢や血管の変化、神経の異常などが関係するとされています。ここでは、リスクが高いと考えられる人の特徴を解説します。

50代〜60代の女性

三叉神経痛は、中高年の女性に多い傾向です。

三叉神経痛のなかで最も頻度が高い「典型的三叉神経痛」の発症平均年齢は50代前後とされ、加齢とともに発症リスクが高まる傾向があります。

これは、のちに解説する「動脈硬化」が進みやすい年代であるためと考えられています。(文献1

一方、40代以下の若年者で三叉神経痛様の症状がみられる場合は、典型的な三叉神経痛だけでなく、多発性硬化症といった別の疾患に伴う二次性三叉神経痛の可能性も考慮しなければなりません。(文献1

高血圧や脂質異常症などの動脈硬化リスクが高い人

高血圧や脂質異常症などにより動脈硬化が進行している人も、三叉神経痛を発症しやすいと考えられています。(文献1

三叉神経痛は、脳内の血管が蛇行・屈曲し、三叉神経の根元を圧迫することで発症するとされています。(文献1

動脈硬化は脳内の血管を蛇行・屈曲させる要因の一つです。そのため、動脈硬化のリスク因子である高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病がある人は、神経への接触や圧迫が起こりやすく、三叉神経痛のリスクが高いといえます。

多発性硬化症の人

多発性硬化症の人は、三叉神経痛が合併するケースがあります。(文献1

多発性硬化症は、神経を包む膜(髄鞘:ずいしょう)が傷つき、神経の信号がうまく伝わらなくなる疾患です。

三叉神経の根元付近や脳幹でこのような変化が起こると、神経が過敏になり、少しの刺激でも強い痛み(三叉神経痛)を感じやすくなります。

脳腫瘍・脳血管奇形のある人

脳腫瘍や血管奇形などが三叉神経を圧迫して顔面に激しい痛みが生じることもあります。

原因となる腫瘍には類上皮腫(るいじょうひしゅ)や髄膜腫(ずいまくしゅ)などがあげられ、この2つは典型的三叉神経痛との区別が極めて難しい疾患です。(文献1

三叉神経痛の約15%は、こうした血管圧迫以外の疾患が原因という報告もあります。

片頭痛の既往がある人

片頭痛のある人は、ない人と比べて三叉神経痛を起こしやすいという報告もあります。なかでも「キラキラした光が見える」といった前兆を伴う片頭痛では、その傾向が強いとされています。(文献2

片頭痛と三叉神経痛は、いずれも三叉神経のまわりで起こる疾患です。そのため「痛みの感じ方」や「血管の反応」などに共通する体質が影響している可能性が考えられます。

しかし、なぜ片頭痛の人に三叉神経痛が多い理由や詳しい仕組みについて、完全には解明されていないのが現状です。

三叉神経痛の主な症状

三叉神経痛で特徴的な症状は、以下のとおりです。(文献1

  • 顔の片側にあらわれる突然の痛み
  • 電気ショックのような鋭い痛み
  • 洗顔や食事などの日常のごく軽い刺激が「引き金(トリガー)」

こうした特徴を持つため、患者さんは痛みを恐れて顔を洗えない、歯を十分に磨けない、固いものを噛めない、といった日常生活上の支障をきたすことも少なくありません。

痛みは「電気が走る」「ビリッとくる」「突き刺されるような」「ズキンとする」などと表現されることが多く、通常は一瞬〜数秒、長くても2分以内と短時間で治まります。(文献1

痛みがあらわれる主な部位は、あごや歯ぐき、唇など、三叉神経が支配している部分の一部です。発作後は痛みが誘発されない「不応期」があるのも特徴です。(文献1

【分類別】三叉神経痛の原因

三叉神経痛の原因はひとつではなく、血管による圧迫・他の疾患による影響・原因不明のものに大きく分類されます。

原因によって治療方針が異なるため、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

【典型的三叉神経痛】血管による神経の圧迫・変形

三叉神経痛のうち、もっとも多いタイプが「典型的三叉神経痛」と呼ばれるものです。これは血管が三叉神経の根元を圧迫することで起こると考えられています。(文献1

加齢や動脈硬化などの影響で血管が硬くなったり蛇行したりすると、三叉神経の根元に触れやすくなり、その刺激で神経の膜が傷つきやすくなります。

この結果、電気がショートしたように神経が過敏に興奮し、電撃が走るような顔面の痛みが生じるのです。

【二次性三叉神経痛】他の疾患による神経の圧迫・損傷

「二次性三叉神経痛」は、別の疾患が原因で三叉神経が圧迫・損傷されて起こるものです。二次性三叉神経痛の主な原因は、以下のとおりです。(文献1

  • 脳腫瘍(髄膜腫や類上皮腫など)
  • 多発性硬化症などの脱髄疾患
  • 脳血管奇形(動静脈奇形など)

これらの病変が三叉神経の近くにできると、神経が直接圧迫されたり、神経の一部が壊れたりして痛みが生じます。

40代以下の比較的若い年齢で三叉神経痛様の痛みが出た場合や、電撃痛に加えて顔のしびれ(感覚鈍麻)を伴う場合には、この二次性三叉神経痛を強く疑う必要があります。

【特発性三叉神経痛】検査で原因特定ができない

「特発性三叉神経痛」は、MRIや電気生理学的検査などをおこなっても、はっきりとした血管圧迫や腫瘍といった原因が見つからないタイプです。(文献1

画像検査では明らかな異常が見つからないものの、典型的三叉神経痛と同じように片側の顔に電撃のような痛みが繰り返し起こるケースは少なくありません。

診断の際には、まず腫瘍や多発性硬化症などの二次性の原因を除外した上で、「特発性」と判断することが重要です。

三叉神経痛になりやすい人が意識すべき日常生活の注意点

三叉神経痛は、日常生活の工夫によって痛みの誘発を減らしたり、症状の悪化を防いだりできる可能性があります。

無理のない範囲で対策を取り入れましょう。

日常生活で痛みの引き金(トリガー)となる行動を避ける

三叉神経痛では、日常のごく軽い刺激がトリガーとなって激しい痛みが誘発されやすくなります。顔を洗う、歯を磨く、ひげを剃る、食事で噛む、会話をする、といった何気ない動作でも工夫が必要です。

たとえば、以下のような対策があげられます。

  • 柔らかめの歯ブラシを使う
  • 食感の軟らかい食事を心がける
  • 痛みが出る側はそっと洗う
  • 冷たい風が直接当たらないようマスクやマフラーで保護する

日常生活ではこれらをできるだけ意識し、刺激となる行動を避けるようにしましょう。

十分な睡眠をとり、不安・ストレスを軽減する

三叉神経痛の人は、強い痛みから睡眠不足や不安、気分の落ち込みを抱えやすく、これらがさらに痛みの感じ方を強くする悪循環に陥ることがあります。

実際に海外の研究では、三叉神経痛の人はうつ病や不安障害のリスクが高まるといった報告も存在します。(文献3)(文献4

このようなリスクを軽減するには、毎日同じ時間に寝起きする、寝る前のスマートフォン操作やカフェイン摂取を控えるなど、睡眠の質を整える習慣が大切です。

すでに三叉神経痛による不安や落ち込みが強い場合は、心療内科や精神科での相談も検討しましょう。

高血圧・肥満などの生活習慣病予防に努める

高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は動脈硬化を進め、血管の硬化・蛇行によって三叉神経を圧迫しやすくする一因となります。

以下を参考にして、生活習慣病予防に取り組みましょう。

  • 血圧の管理(減塩や適度な運動、必要な薬の継続)
  • 体重コントロール
  • 糖尿病や脂質異常症の治療の継続

これらは三叉神経周囲の血管環境を整える意味でも大切な行動です。すでに治療中の疾患がある場合は、かかりつけ医の指示に従い、適切な治療を続けましょう。

痛みを感じたら我慢せず早めに脳神経外科を受診する

三叉神経痛は自然治癒が難しく、放置すると痛みの頻度や強さが増してしまうことがあります。(文献5

電気が走るような片側の顔の痛みが繰り返し起こる場合は、我慢せず早めに医療機関を受診し、正確な診断を受けましょう。

とくに、歯科で「虫歯はない」と言われたのに顔の痛みが続く場合や、痛みとともに顔のしびれがある場合は、MRI検査が可能な脳神経外科・神経内科で原因を特定することが重要です。

三叉神経痛の主な治療法

三叉神経痛の治療は、薬物療法を基本とし、症状や原因に応じてブロック療法や手術などを組み合わせます。

具体的には以下のような治療法が挙げられます。

  • 薬物療法で神経の異常興奮を抑える
  • 神経ブロック療法で痛みの伝導を遮断する
  • ガンマナイフ治療で痛みを調節する
  • 手術(微小血管減圧術)で根本治療を目指す

薬物療法で神経の異常興奮を抑える

三叉神経痛の薬物療法の第一選択は、ナトリウムチャネル阻害薬であるカルバマゼピンです。(文献1

カルバマゼピンは神経の興奮を伝えるナトリウムチャネルの働きを抑えることで、電気ショックのような痛みを和らげます。(文献6

ただし、ふらつきや眠気、肝機能障害、発疹などの副作用が比較的多いため、投与開始後数カ月は定期的な採血検査や用量調整が必要です。(文献1

市販の鎮痛薬では効かない顔の強い痛みにお悩みの場合は、自己判断せず、まずは医療機関を受診して適切な診断と薬の処方を受けましょう。

【関連記事】

三叉神経痛に使われる薬とは?副作用や薬が効かない場合の治療法の選択肢を医師が解説

【医師監修】テグレトールとは|効果や副作用を詳しく解説

神経ブロック療法で痛みの伝導を遮断する

薬が使えない場合や、薬だけでは十分に抑えきれない場合には、局所麻酔薬や高周波熱凝固などを用いる神経ブロック療法がおこなわれます。(文献1

これらは三叉神経やその枝の近くに針を刺し、痛みの信号が脳へ伝わる経路を一時的またはある程度長期にわたり遮断する方法です。(文献1

開頭手術に比べると体への負担が少ない一方で、効果は時間とともに薄れて痛みが再発する場合があるため、「対症療法」として位置づけられます。

薬の副作用が心配な方や、痛みが強くて日常生活に支障が出ている方は、この治療法が適しているか医師に相談してみましょう。

ガンマナイフ治療で痛みを調節する

ガンマナイフ治療は、開頭せずに三叉神経の根元付近に高精度の放射線を照射し、痛みの感じ方を変える治療法です。(文献1

神経そのものを大きく壊さない範囲で線量を調整し、痛みの信号のみを弱めることを目指します。

典型的三叉神経痛の患者のうち、高齢の方や全身麻酔のリスクが高い方など、手術が難しい症例にも適応され、数週間〜数カ月かけて徐々に痛みが軽くなるケースが多いとされています。(文献1

持病や年齢を理由に手術に不安を感じている方も、体に負担の少ない治療法を選べる可能性があるため、一人で悩まず専門医に受診・相談してみましょう。

手術(微小血管減圧術)で根本治療を目指す

典型的三叉神経痛の原因となっている「血管による神経の圧迫」を直接取り除く根本的な治療が、微小血管減圧術(MVD)です。(文献1

耳の後ろを小さく開頭し、手術用の顕微鏡を使って三叉神経を圧迫している血管を神経から離して固定し、再び当たらないようにします。(文献7

典型的三叉神経痛に対しては長期的な痛みのコントロールに優れ、根治的な治療と位置づけられています。

しかし、開頭手術である以上、出血や感染、聴力障害などのリスクも伴うため、年齢や全身状態を踏まえて専門医とよく相談して決めることが大切です。

三叉神経痛になりやすい人の特徴にあてはまったら医療機関受診も検討しよう

50〜60代の女性、高血圧や動脈硬化のリスクがある方、多発性硬化症・片頭痛・脳腫瘍などの持病がある方は、三叉神経痛を起こしやすいとされています。

こうした特徴にあてはまり、「片側の顔に電気が走るような一瞬の激痛」が繰り返し起こる場合は、早めに脳神経外科や神経内科を受診して、三叉神経痛かどうかを確認してもらいましょう。

リペアセルクリニックでは、「この痛みは本当に三叉神経痛?」といった心配がある方の相談も受け付けています。ぜひ当院の公式LINEをご活用ください。

\無料オンライン診断実施中!/

無料の再生医療ガイドブックはこちらから!>>

三叉神経痛になりやすい人に関するよくある質問

三叉神経痛と間違えやすい病気・疾患はありますか?

三叉神経痛は虫歯や歯髄炎などの歯の病気と間違えやすく、とくに口の中に痛みのトリガーがある場合は、歯の痛みとの区別がつきにくくなります。

歯科で治療をしても痛みがなかなか良くならないケースでは、三叉神経痛や舌咽神経痛などの神経の痛み(非歯原性疼痛)が隠れていることもあります。

そのほか、以下のような疾患との鑑別が必要です。(文献1

  • 顎関節症(顎の関節や咀嚼筋の痛み)
  • 副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)
  • 群発頭痛
  • 舌咽神経痛
  • 持続性特発性顔面痛

三叉神経痛は「電気が走るような一瞬の激痛」が特徴的ですが、痛みの部位や性質によっては他の疾患との見分けは困難です。気になる痛みがある場合は脳神経外科や頭痛外来など、専門医を受診しましょう。

三叉神経痛の痛みはずっと続きますか?

三叉神経痛の痛みは発作性であり、数秒〜長くても2分以内の短い激痛が間欠的に繰り返し起こるのが特徴です。

発作と発作のあいだには、まったく痛みがない時間が続く、あってもごく軽い違和感程度という人も多くみられます。

一方で、1日中じりじり焼け付くような痛みが続く場合は、三叉神経痛ではなく、他のタイプの神経障害性疼痛や持続性特発性顔面痛など、別の疾患である可能性も考えられます。

「痛みがずっと続く」「典型的三叉神経痛と違う気がする」と感じるときには、自己判断せず、専門医に相談しましょう。

三叉神経痛は仕事を休むほど痛みがありますか?

三叉神経痛の痛みは、会話や食事、パソコン作業など、日常の仕事が一時的にまったく手につかないほどの激痛になる場合があります。

痛みへの恐怖から、話す・食べる・顔を動かすこと自体を控えてしまい、仕事や家事に支障が出る人も少なくありません。

そのため、発作が頻繁に起こる時期には、医師の診断書に基づいて、通院や薬の調整、手術前後の準備・療養のために仕事を休むことが必要となるケースもあります。

まずは痛みのコントロールを優先し、主治医と相談しながら治療計画と働き方を一緒に検討していくことが大切です。

参考文献

文献1
標準的神経治療:三叉神経痛(2021)|日本神経治療学会

文献2
Increased risk of trigeminal neuralgia in patients with migraine: A nationwide population-based study|PubMed

文献3
Risk of psychiatric disorders following trigeminal neuralgia: a nationwide population-based retrospective cohort study|PMC

文献4
Evaluation of Sleep Quality, Depression and Anxiety Levels in Trigeminal Neuralgia Patients|Turkish Journal of Sleep Medicine

文献5
三叉神経痛|東邦大学医療センター大森病院脳神経外科

文献6
テグレトール錠100mg/テグレトール錠200mg/テグレトール細粒50%添付文書|独立行政法人医薬品医療機器総合機構

文献7
脳血管障害微小神経血管減圧術(三叉神経痛・顔面けいれん)|東京女子医科大学脳神経外科