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【医師監修】三叉神経痛の痛みに漢方薬は有効?代表的な種類と注意点を解説
三叉神経痛では、顔の片側に突然電気が走るような激しい痛みが起こります。「薬の副作用がつらい」「もっと体に合った治療法はないのだろうか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
三叉神経痛の治療には西洋薬が一般的です。しかし、一人ひとりの体質に合わせて痛みの緩和を目指す漢方薬も選択肢の一つです。
本記事では、三叉神経痛に用いられる代表的な漢方薬の種類や期待できる効果、副作用リスクなどを解説します。ご自身に合った適切な治療を見つけるための参考にしてください。
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目次
【前提知識】三叉神経痛の治療課題について
三叉神経痛とは、顔の感覚を伝える三叉神経が血管などに圧迫されることで生じる激しい顔面痛のことです。洗顔や歯磨きなどの日常動作がきっかけで、数秒から数十秒にわたって強い痛みが突然起こります。
治療の第一選択は、カルバマゼピンなどの抗けいれん薬の服用です。しかし、西洋薬の使用は、眠気やめまい、ふらつきといった副作用が現れやすく、薬の減量や休薬が必要になるケースも少なくありません。このような治療課題から、副作用対策や痛みの緩和を目指して漢方薬を併用、あるいは選択する場合があります。
三叉神経痛に漢方薬が用いられる理由
三叉神経痛の治療において、西洋薬だけでなく漢方薬が用いられることには理由があります。主に、西洋医学的な作用への期待と漢方特有の体質改善(随証治療)の2つのアプローチから、痛みの緩和を目指せる点がメリットです。
以下で、三叉神経痛に漢方薬が用いられる理由を詳しく見ていきましょう。
西洋医学的な抗けいれん作用が期待できるため
三叉神経痛の治療において、漢方薬は西洋医学的な抗けいれん作用を期待して用いられます。漢方薬のなかには、西洋薬と似たアプローチで神経痛に働きかけるものがあります。
たとえば、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)や芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)などは、けいれんを鎮める働きや痛覚過敏を和らげる効果が期待できる漢方薬です。
カルバマゼピンの副作用が強くて十分な量を飲めない場合には、漢方薬を併用することで、西洋薬の量を減らしながら痛みのコントロールを目指せる場合があります。
漢方薬特有の随証治療ができるため
漢方特有の随証治療ができる点も、漢方薬を取り入れるもう一つの理由です。随証治療とは、一人ひとりの体質や症状に合わせて漢方薬を選ぶ治療法です。
漢方薬を取り入れる際、まずは以下のような身体の状態から痛みの原因を特定していきます。
- 冷え
- ストレス
- 体内の水分バランスの乱れ など
病名だけで漢方を決めるのではなく、患者一人ひとりの体格や顔色、胃腸の強さなどを総合的に判断し、全身のバランスを整えながら痛みの緩和を目指します。体質改善を目指しながら痛みを和らげるアプローチは、漢方薬ならではのメリットです。
三叉神経痛によく用いられる代表的な漢方薬
三叉神経痛によく用いられる代表的な漢方薬は次の3つです。(文献1)(文献2)
- 五苓散(ごれいさん)
- 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
- 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
それぞれの特徴を紹介するので、ご自身の症状や体質と照らし合わせながら、漢方薬選びの参考にしてください。
五苓散(ごれいさん)
三叉神経痛の治療でよく用いられる漢方薬の一つが五苓散です。利水作用により神経周囲のむくみを軽減することで、鎮痛効果を発揮します。
三叉神経痛は、神経の根元が血管に圧迫されて周囲に浮腫が生じることで痛みが起こります。五苓散は体内の余分な水分を取り除く働きがあり、むくみやすい体質の方や、水分代謝の異常がみられる場合によく用いられる漢方薬です。
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主な対象・体質 |
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期待できる働き |
体内の余分な水分を取り除く(利水作用) |
五苓散は水滞による神経の圧迫や痛みを和らげるための選択肢になります。
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
三叉神経痛の発症にストレスの関与が疑われる場合には、柴胡桂枝湯も選択肢の一つです。柴胡桂枝湯は、三叉神経が傷ついたときの痛覚過敏に有効とされており、精神的な緊張が痛みを引き起こしている場合や、抗けいれん薬の副作用を抑えたいときに用いられます。
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主な対象・体質 |
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|---|---|
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期待できる働き |
痛覚過敏を和らげる |
なお、五苓散などほかの漢方薬と併用されるケースもあります。柴胡桂枝湯は、ストレスや神経の高ぶりが痛みに影響している場合に有効です。
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
桂枝加朮附湯は、冷えを伴う三叉神経痛の痛みに適しています。桂枝加朮附湯には、体を温める生薬や、水分代謝を促す生薬などが配合されています。血流が悪いことによる冷えや、神経周囲のむくみ、しびれを伴う痛みに作用する点が特徴です。
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主な対象・体質 |
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|---|---|
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期待できる働き |
体を温めて水分代謝を促すことで、冷えや神経周囲のむくみを改善する |
桂枝加朮附湯は、主に冷えや血行不良が痛みの原因となっている三叉神経痛に選ばれます。
そのほかの漢方薬
三叉神経痛の治療にあたり、個別の症状や体質に合わせてそのほか漢方薬が用いられる場合もあります。
小柴胡湯(しょうさいことう)や桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)も有効性が報告されている漢方薬です。(文献3)カルバマゼピンとの併用、または単独で用いられます。
また、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は筋肉のけいれんを伴うような痛みに処方される場合があります。
三叉神経痛に用いられる漢方薬にはさまざまな種類があるため、自身の症状や体質に合わせて選択しましょう。
漢方薬を服用する際の注意点
三叉神経痛の治療で漢方薬を服用するときは、いくつか気をつけるべき注意点があります。漢方薬は自然の生薬から作られていますが、決して「副作用がなく誰にでも安全」というわけではありません。
以下で、注意点を3つ解説するので、ぜひ参考にしてください。
市販薬と併用する場合は必ず医師に相談する
三叉神経痛の治療でカルバマゼピンなどの西洋薬を処方されている場合、自己判断で市販の漢方薬やサプリメントを併用するのは避けましょう。薬の組み合わせによっては、作用が強く出すぎたり、思わぬ相互作用を引き起こしたりするリスクがあるからです。
漢方薬の併用によって西洋薬の量を減らせるケースもありますが、そのためには専門的な判断が必要です。必ず事前に主治医や薬剤師に相談し、指示に従って服用してください。
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副作用のリスクがある
漢方薬を服用する際は、副作用のリスクがあることを理解しておきましょう。体質に合わない漢方薬を服用すると、さまざまな不調が現れる可能性があるため注意が必要です。
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軽度な副作用 |
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|---|---|
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重大な副作用 |
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漢方薬ならいくら飲んでも安全といった認識は誤りです。必ず用法用量を守り、決められた量を服用しましょう。
異常を感じたときは直ちに服用を中止する
漢方薬を飲み始めてから、少しでも普段と違う様子があれば、直ちに服用を中止してください。体調の変化は重篤な副作用の初期症状である可能性があります。とくに、以下のような症状が現れた場合は注意が必要です。
- 発熱
- ひどい空咳
- 手足のしびれ
- 全身のだるさ
- 尿の色の変化(黄褐色〜赤褐色)など
服用を中止したら、すぐに処方された病院や薬局へ連絡し、医師または薬剤師の診察と適切な処置を受けましょう。
三叉神経痛に対する漢方薬は専門家に相談して服用しよう
三叉神経痛の治療において、漢方薬は西洋薬とは異なる視点から痛みの緩和を目指せる有効な選択肢の一つです。しかし、漢方薬の効果を引き出すためには、自身の体質や痛みの原因を見極める必要があります。
間違った選び方をすると効果が得られないばかりか、副作用のリスクも高まります。自己判断で市販薬を選ぶのではなく、まずは専門のクリニックや漢方薬局に相談し、自分に合った処方をしてもらいましょう。
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三叉神経痛に対する漢方薬に関するよくある質問
市販の漢方薬でも効果が得られますか?
ドラッグストアなどで購入できる第2類医薬品のなかにも、三叉神経痛の緩和に用いられる漢方薬があります。
ただし、市販薬は安全性を考慮して医療用の漢方薬よりも成分量が少なく設定されていることが一般的です。また、自身の体質に合ったものを選ばないと十分な効果は期待できません。市販の漢方薬を購入する際は、事前に薬剤師や登録販売者に相談しましょう。
漢方薬は痛みが出たときだけ飲めばよいですか?
痛みが出たときだけの頓服として使えるかどうかは、処方される漢方薬や具体的な症状によって異なります。
漢方薬の種類によっては、五苓散のように比較的早く効果が現れるものもあります。一方で、漢方薬は基本的に体質改善を目的に継続して服用するケースがほとんどです。
自己判断で飲み方を変えず、必ず医師や薬剤師の指示通りに服用してください。
三叉神経痛に効くお茶や自分でできる対処法はありますか?
飲むだけで神経痛が治るお茶というものは存在しません。しかし、体を温めてリラックス効果を高めることは痛みの緩和に役立つ場合があります。そのため、ノンカフェインの温かいハーブティーなどを日常に取り入れるのは良い習慣だといえます。
また、冷たい風に当たる、硬いものを噛むといった痛みを誘発する動作を避けることも、自分でできる身近な対処法の一つです。
参考文献
三叉神経痛に対して漢方薬が有効であった症例の検討|伊勢崎市民病院麻酔・ペインクリニック科
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed1982/54/2/54_2_383/_pdf
三叉神経痛に対する漢方療法ー病名治療と随証治療ー|大阪歯科大学歯科医学教育開発センター
三叉神経痛に対する小柴胡湯・桂枝加芍薬湯併用療法の効果|日本ペインクリニック学会誌
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspc1994/3/2/3_2_92/_pdf



















