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【医師監修】ぎっくり腰向けのストレッチ6選!適切な開始時期と具体的な方法も解説
「急にぎっくり腰になってしまった」
「どうしても外せない仕事があるのに腰が痛くて動けない」
「ストレッチをしたら良くなる?」
魔女の一撃とも呼ばれるぎっくり腰は、急性の腰痛であり、日常生活に大きな負担をかけます。
ぎっくり腰経験者の中には、ストレッチにより逆に悪化した方もいらっしゃるでしょう。ぎっくり腰回復のためにストレッチをする場合、適切なタイミングと正しい方法の理解が必要です。
本記事では、ぎっくり腰ストレッチの開始時期や具体的なストレッチ方法、悪化につながるNG行動などを紹介します。
ぎっくり腰で苦しまれている方、過去に何度もぎっくり腰を経験して不安が絶えない方の助けになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
当院「リペアセルクリニック」では公式LINEで、再生医療の情報提供や簡易オンライン診断を行っています。
ぎっくり腰を発症して再発が不安な方、今の自分はストレッチしても大丈夫なのか心配な方は、お気軽にご登録ください。
目次
【前提知識】ぎっくり腰ストレッチの開始時期と注意点
ぎっくり腰ストレッチを実施する前に、ストレッチの開始時期と注意点について解説します。
ポイントは以下の3点です。
- 急性期(1~2日目)のストレッチは逆効果
- 回復期(3日目以降)のストレッチは回復を促進
- 回復期でもストレッチが「逆効果」になるケース
急性期(1~2日目)のストレッチは逆効果
ぎっくり腰発症後1~2日目、いわゆる急性期の腰は、生傷にさらされている状態に近く、炎症が起きています。加えて、筋肉や靭帯に微細な断裂が生じている状態です。
この状況下でのストレッチは、炎症反応を助長するため逆効果です。
筋肉は急激な痛みを感じているときに、無理に伸ばそうとすると、さらなる損傷を防ごうとして強く収縮します。これは、防御性収縮と呼ばれる現象です。防御性収縮が長時間続くと血流が悪化し、筋スパズムと呼ばれる持続的な筋緊張を引き起こします。
急性期のストレッチは、防御性収縮や筋スパズムを引き起こし、結果としてぎっくり腰を悪化させます。
回復期(3日目以降)のストレッチは回復を促進
ぎっくり腰発症後3日目以降、いわゆる回復期におけるストレッチの最大の利点は、血流の改善および筋肉の緊張緩和です。
腰痛が和らいだあとも安静を続けていると、周囲の筋肉が縮こまり、血流を滞らせてしまいます。血流が滞ると、筋肉組織に酸素や栄養が届きにくくなり、痛み物質が蓄積しやすい状態になるのです。
また、安静にし過ぎると、筋肉がやせたり筋肉同士がくっついて固まったりします。筋肉が元の状態を取り戻すためには、ある程度の時間が必要です。そのため、痛みが和らいだ段階のストレッチが、腰痛の慢性化を防ぐ鍵になります。
腰痛がズキズキしたものから重だるいものに変わっている、安静にしていると腰痛が治まっているなどがストレッチを始めてもOKなサインです。
回復期でもストレッチが「逆効果」になるケース
回復期でもストレッチが逆効果になるケースとしては、2つ考えられます。
1つ目は、ストレッチの方法が間違っているケースです。痛みを我慢して伸ばすストレッチは、回復期であっても腰に悪影響を与えます。勢いや反動をつけるストレッチも神経の過剰反応を引き起こし、筋肉を硬直させる原因になります。
2つ目は、ストレッチをすべきではない危険信号、いわゆる「レッドフラッグ」を見落としているケースです。
ぎっくり腰の中には、脊髄神経や内臓疾患、骨の構造破壊などが原因のケースがあります。このような場合、ストレッチは逆効果です。
主なレッドフラッグとしては、以下のようなものがあげられます。(文献1)
- 足にしびれがある
- 足に力が入らない
- 排泄に支障をきたしている
- 安静にしていても激痛が続く
- 夜間も痛みで目が覚める
- 発熱や胸痛、冷や汗、体重減少などを伴う
ぎっくり腰向けのストレッチ6選
この章では、ぎっくり腰向けのストレッチを6種類紹介します。
以下の記事でも腰痛のストレッチについて紹介していますので、あわせてご覧ください。
寝たままできるストレッチ
寝たままできるストレッチとして、以下の2種類を紹介します。
- ドローイン
- 膝抱えストレッチ
ドローイン
ドローインとは、天然のコルセットと呼ばれる腹横筋(ふくおうきん)を活性化させ、腰椎の安定性を高めるストレッチです。(文献2)
ドローインの流れを以下に示しました。
- あお向けに寝て両膝を60~90度の角度に立てる
- 肛門を軽く引き締める(骨盤底筋を意識する)
- 鼻から大きく息を吸ってお腹を膨らませる
- 口からゆっくりと息を吐きながら、お腹をへこませる
- おへそを背骨に近づけるようなイメージで、5〜10秒かけて吐き切る
- お腹をへこませたまま、浅い呼吸を続けて10〜30秒間キープする
これを5~10回×3セットを目安に行いましょう。
膝抱えストレッチ
大殿筋と呼ばれる、背中からお尻にかけての筋肉を伸ばすストレッチです。
手順を以下に示しました。
- あお向けに寝て、片方の膝を両手で抱える
- 息を吐きながら、ゆっくりと膝を胸に近づける
- お尻から腰にかけて心地よく伸びるところで15〜30秒間キープする
左右交互に3〜5セット試してみましょう。
ストレッチのときは、腰が床から大きく浮かないようにしてください。また、鋭い腰痛みが出たら即座に中止しましょう。
座ったままできるストレッチ
座ったままできるストレッチとして、以下の2種類を紹介します。
- 骨盤のストレッチ
- 腰ひねりストレッチ
骨盤のストレッチ
腰回りの背骨の緊張を和らげるためのストレッチです。
手順を以下に示しました。
- 背筋を伸ばして、椅子の前に浅く腰かける(足は軽く開く)
- 両手は骨盤の近くに置く
- 息を吐きながら、おへそを覗き込むようにして背中を丸める
- 息を吸いながら胸を張り、腰を軽く反らせる
背中を丸めるときには骨盤を後ろに倒し、腰を反らせるときは骨盤を前に倒すイメージです。
腰ではなく骨盤を転がすような意識でストレッチしてみましょう。
腰ひねりストレッチ
腰全体をほぐすためのストレッチです。
- 背筋を伸ばして座り、片手で椅子の背もたれをつかむ
- 息を吐きながら、ゆっくりと上半身を後ろへひねる
- 呼吸を止めずに10〜15秒キープする
- 反対方向も同じようにストレッチする
猫背でストレッチすると腰への負担が増します。ストレッチのときは、必ず骨盤を立てた状態で行いましょう。
立ったままできるストレッチ
立ったままできるストレッチとして、以下の2種類を紹介します。
- これだけ体操
- 腰方形筋アクティベーション
これだけ体操®
これだけ体操®は、東京大学医学部特任教授であり医学博士の松平浩氏が考案した腰痛予防のストレッチです。(文献3)
本記事ではこれだけ体操®のうち、腰椎のアライメント(骨格の配列)を整えることで椎間板への負担軽減を目指すストレッチを紹介します。
手順を以下に示しました。
- 足を肩幅より少し広めに開いて立つ
- 両手のひらを腰骨の近くに当てて、指先は下に向ける
- 息を吐きながら、両手で骨盤を前方へ押し出すように胸を広げる
- 3秒間キープしてから、元の姿勢に戻す
この動作を数回繰り返しましょう。腰を反らさず、骨盤を押し込むイメージです。
腰方形筋アクティベーション
体幹の安定に関係する、腰方形筋にアプローチするストレッチです。
手順を以下に示しました。
- 壁の横に立ち、壁に手を付ける
- 壁とは反対側へ体をゆっくり倒していく
- 壁についた手で壁を押し返すように力を入れる
- 30秒〜1分程度姿勢を保持する。
壁を押し返すときには、力を入れ過ぎないようにしましょう。
ぎっくり腰の悪化を防ぐやってはいけない行動
ぎっくり腰の悪化を防止する主な行動は、以下の3点です。
- 前屈やひねり動作を加える
- 痛みを我慢して伸ばす
- ぎっくり腰の直後に腰を温める
前屈やひねり動作を加える
ぎっくり腰の多くは、背骨のクッションである椎間板のひび割れや、腰を支える筋肉・靭帯の損傷が原因です。この状態での前かがみやひねり動作は、損傷に拍車をかけます。
前かがみは、直立時の約1.5倍〜2倍腰に負担がかかる状態です。(文献4)
ぎっくり腰のときに、前かがみで腰に負担をかけると、ひび割れた椎間板から中身(髄核)が飛び出し、さらに重い状態に悪化する可能性があります。いわゆる椎間板ヘルニアです。
痛みを我慢して伸ばす
ぎっくり腰の直後は、筋肉が細かく断裂し内出血を起こしている状態です。腰痛を我慢して伸ばすことは、ふさがろうとしている傷を無理やり広げるようなものです。
ぎっくり腰を発症し、痛みが強い時期はストレッチが腰痛悪化のリスクとなります。代わりに「痛くない範囲で、楽な姿勢を保つこと」を心がけましょう。
ぎっくり腰の直後に腰を温める
ぎっくり腰の直後は「温めたら血行が良くなって痛みが和らぐ」という考えが当てはまりません。
ぎっくり腰の直後は、強く炎症が起きている状態です。そこに熱を加えると、血流が良くなりすぎて痛み物質がさらに広がり、症状悪化につながります。
急性期と呼ばれるぎっくり腰直後のときは、安静にして腰を冷やしましょう。冷たいタオルや保冷剤、氷のうなどを使います。
ストレッチでも改善しないぎっくり腰の治療方法
発症直後に安静を保ち、痛みが和らいでからストレッチを実践しても、ぎっくり腰が改善しないケースもあります。
その際は、医療機関での治療が必要です。この章では3種類の治療方法を紹介します。
ぎっくり腰の医療機関受診目安については、以下の記事でも解説しています。あわせてご覧ください。
保存療法
ぎっくり腰の主な保存療法には、薬物療法、運動療法、物理療法があります。詳細を表に示しました。(文献5)
| 治療法 | 方法 | 詳細 |
|---|---|---|
| 薬物療法 |
|
痛みの信号を遮断し、生活の質(QOL)を維持するのに有効。 椎間板や靭帯の損傷を元に戻すものではない。 |
| 運動療法 | ストレッチもここに含まれる。 | 急性期以降の運動は、血行を促進し回復や再発予防につながる。 |
| 物理療法 | 電気刺激や牽引などが含まれる。 |
血流改善や筋肉の緊張緩和に関係する。 深部の組織損傷を修復する直接的な効果は限定的である。 |
手術療法
激しいしびれをはじめとする神経症状が続き、日常生活に支障をきたす場合は、手術も選択肢に含まれます。
ぎっくり腰の症状が椎間板ヘルニアなどに起因する場合、椎間板に対する手術療法の選択肢の一つにPLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)が挙げられます。
椎間板にレーザーを照射して内部の圧力を低下させる治療法で、従来の手術と比べて身体への負担が少ないとされますが、合併症や再発のリスクも存在します。
PLDD治療については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
【関連記事】
PLDD治療のメリット・デメリット|後遺症や費用感についても言及
再生医療
保存療法での効果が充分に得られない、手術は避けたいといった場合の選択肢としてあげられるものが再生医療です。
再生医療とは、ヒトが持っている「再生する力」を用いた治療法です。
ヒトの細胞の中には、身体機能を修復する役割を持つものが存在します。これは幹細胞と呼ばれるものです。
当院では、患者様の腹部の脂肪から採取した幹細胞を培養し、点滴や注射で患部に投与する「自己脂肪由来幹細胞治療」を実施しています。
腰の痛みは手術しなくても治療できる時代です。
ぎっくり腰ストレッチの開始時期を守り悪化や再発を防ごう
ぎっくり腰ストレッチで大切なポイントは、始める時期と正しい方法です。
発症直後のストレッチは逆効果であり、3日目以降の回復期に入った時期がストレッチに適したタイミングです。
しかし、間違った方法でストレッチしたり、レッドフラッグと呼ばれる症状があるのにストレッチしたりすると、悪化するリスクもあります。
本記事で紹介したストレッチを正しいタイミングで行い、悪化や再発を防ぎましょう。
必要に応じて、医療機関での治療も選択肢になります。
当院リペアセルクリニックでは、公式LINEによる簡易オンライン診断や再生医療の情報提供を行っています。
ぎっくり腰発症後の対処法がわからない方や、ストレッチについて詳しく知りたい方、医療機関を受診すべきかどうかお悩みの方は、お気軽にご登録ください。
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ぎっくり腰のストレッチに関するよくある質問
ぎっくり腰のストレッチで即効性の高いものは何ですか?
以下の2つがあげられます。
- キャットアンドカウ:四つんばいになり、背中を丸めると反らすを交互に行う
- ハムストリングのストレッチ:あお向けで片足を軽く持ち上げて太もも裏を伸ばす
本記事で紹介した「寝たままで膝を抱えるストレッチ」も即効性があるとされます。ただし、痛みが強いときは安静を優先にしてください。
ぎっくり腰ストレッチにうつ伏せでできるものはありますか?
以下に示した方法があります。
- うつ伏せの状態で深呼吸する
- 枕やクッションを胸の下に入れて、さらに深呼吸する
- 両肘を床につけて、上半身を少し持ち上げた状態で深呼吸する
- ゆっくりと肘を伸ばしつつ、痛気持ち良いと思えるところで約10秒キープする
痛みが強くなった場合は即座に中止しましょう。このストレッチも、発症直後には禁忌です。
参考文献
腰痛予防における理学療法の基礎心理社会的要因を踏まえて|公益社団法人日本理学療法士協会



















