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【医師監修】腰痛と肥満の関係とは|肥満解消法と腰痛治療についても詳しく解説

腰痛と肥満
公開日: 2026.05.31

「太ったためなのか、腰が痛くなってきた」

「肥満状態が続くと、腰痛も悪くなるのではないか」

「痩せるために運動した方が良いと思うが、動くと腰痛が悪化しそうで怖い」

腰痛と肥満、両方で悩まれている方も一定数いらっしゃることでしょう。

腰痛と肥満は密接な関係があり、肥満により悪化する腰痛も存在します。

本記事では、腰痛と肥満の関係、肥満解消法、肥満による腰痛の治療法などを紹介します。

今まさに腰痛と肥満でお悩みの方の助けになりますので、ぜひ最後までご覧ください。

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腰痛と肥満の関係

腰痛と肥満は密接に関係しています。

肥満により腰痛が発症もしくは悪化する原因としてあげられるものは、主に以下の3点です。

  • 物理的負荷が増大する
  • 姿勢バランスが崩れる
  • 体内環境が悪化する

物理的負荷が増大する

肥満による体重増加は、腰への物理的な負担を増大させます。

山形大学医学部の研究結果では、BMIが4年間で5%増加すると、腰痛の発症リスクが11%高くなることが示されています。(文献1)

BMIとは【体重(㎏)】÷【身長(m)×身長(m)】で計算される体格指数です。

日本肥満学会の基準では25以上を肥満と定義しています。(文献2)

姿勢バランスが崩れる

肥満による内臓脂肪の蓄積は重心を前方へと移動させ、バランスを保つために姿勢が変化します。いわゆる「反り腰」です。

反り腰は姿勢バランスが崩れた状態であり、腰椎や椎間板への圧迫を強め、慢性的な腰痛を引き起こす要因となります。

以下の記事で、自分が反り腰かどうかを確認する方法を紹介していますので、あわせてご覧ください。

体内環境が悪化する

肥満状態では、脂肪細胞が肥大化します。肥大した脂肪細胞からは、TNF-αやレジスチンなどの物質が分泌されます。これらは、炎症促進性サイトカインと呼ばれるものです。(文献3)

これらの物質により生じた炎症が、腰椎周辺の神経や組織の感受性を高めます。その結果、通常よりも痛みを感じやすくなるのです。

肥満により悪化しやすい腰痛

肥満の影響で悪化しやすい腰痛は、主に以下の3種類です。

  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 変形性腰椎症

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアとは、椎骨(背骨)と椎骨の間に存在している椎間板の内容物が外に飛び出してしまう疾患です。外に飛び出したゼリー状の内容物が神経を圧迫したり刺激したりするために痛みが生じます。

椎間板ヘルニアの80%は腰に発生します。いわゆる、腰椎椎間板ヘルニアです。(文献4)

腰椎椎間板ヘルニアの主な症状を以下に示しました。

  • 腰痛
  • 臀部痛
  • 下肢のしびれや脱力

腰椎椎間板ヘルニアの原因は、肥満のほか、悪い姿勢での作業や重いものを持ち上げる動作などです。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは、腰の神経の通り道である脊柱管が狭くなり、腰から脚に伸びている神経が圧迫される疾患です。主な症状を以下に示しました。

  • 腰痛
  • 下肢のしびれや筋力低下
  • 間欠性跛行(かんけつせいはこう)

間欠性跛行とは、腰痛のために長時間歩けず「歩いては休む」を繰り返すものです。

腰痛は歩いているときに限らず、立っているだけでも生じます。逆に、背中を曲げたり座ったりすると腰痛が軽減します。

馬尾神経が圧迫されるタイプでは、排尿障害や便通異常といった膀胱直腸障害が現れる場合があり、症状によっては早期の治療判断が必要になります。

変形性腰椎症

変形性腰椎症は、肥満による整形外科疾患の1つです。過度な体重を長期間にわたり支え続けることで、腰痛や腰の動かしにくさなどが生じます。

BMIが1増えるごとに、変形性腰椎症発症のリスクが1.1倍程度増えるとの研究データもあります。(文献5)

肥満に関係する原因もしくは関連する健康障害の1つが変形性脊椎症であり、変形性腰椎症は変形性脊椎症の一部です。

以下の記事では、変形性腰椎症の方がやってはいけないことについて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

腰痛の方に適した肥満解消法

腰痛の方に適した肥満解消法として、この章では3種類紹介します。

  • 食事管理
  • 寝たままできるストレッチ
  • 水中運動

食事管理

肥満解消のためには、体格に適したエネルギー摂取量が求められます。しかし、急激な減量はタンパク質やビタミン、ミネラルなど身体に必要な栄養素まで不足するリスクがあります。

主食と主菜、副菜をバランス良く食べましょう。肥満に伴う慢性的炎症を抑制するためにも、野菜や果物に含まれる抗酸化物質を豊富に含む食材を取り入れることが必要です。主な食材は、にんじんやトマト、パプリカ、ブロッコリーなどです。

間食は、曜日や時間を決めて食べましょう。

寝たままできるストレッチ

肥満の方の場合、立った姿勢および座った姿勢でのストレッチは腰に負担をかけてしまい、かえって逆効果です。

そこでおすすめなのが、寝たままできるストレッチです。腰への負担を最小限に抑えながら筋肉を活性化させるため、腰椎の安定性が高まります。

寝たままできるストレッチの代表例は、両膝抱えストレッチやドローインなどです。

以下の記事でも、寝たままできるストレッチを紹介していますので、あわせてご覧ください。

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【関連記事】

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水中運動

水中運動は、水温や浮力、水圧、抵抗などの水の特性を利用した運動です。水中ウォーキングやアクアビクスなどが挙げられます。具体的な効果を以下に示しました。

  • 筋肉の緊張が緩和される
  • 体力や筋力の向上が期待できる
  • 全身をバランスよく鍛えられる

初めて水中運動を行う場合は、医師による健康チェックを受けることをおすすめします。事故防止のため、専門家の指導を受けつつ実施しましょう。

体調が悪いときは運動を中止してください。

肥満による腰痛の治療法

肥満による腰痛の治療法としては、主に以下の4つがあげられます。

  • 痛みを和らげる治療
  • 肥満に対する治療
  • 手術療法
  • 再生医療

痛みを和らげる治療

痛みを和らげる主な治療法は、消炎鎮痛剤およびブロック注射です。

消炎鎮痛剤

急性腰痛や、慢性腰痛の悪化による強い痛みがある場合は、湿布や内服薬などの消炎鎮痛剤で痛みを和らげる選択肢があります。

消炎鎮痛剤の主な役割は、体内で炎症を引き起こす物質の生成を抑えることです。

主な消炎鎮痛剤としてはNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)やアセトアミノフェンなどがあげられます。

消炎鎮痛剤については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

ブロック注射

ブロック注射は、神経やその周りに局所麻酔薬やステロイドなどを注射して、痛みを一時的に遮断する方法です。ただし、すべての慢性腰痛に効果があるとは限りません。

一定回数施行しても腰痛の改善が見られない場合は、別の治療法への切り替えが検討されます。

肥満に対する治療

肥満に対する主な治療は、栄養指導と運動指導です。

栄養指導

医療機関での栄養指導は、腰痛の程度や肥満の状況(身長・体重・BMI)、基礎代謝量などに基づいたものです。

医師や管理栄養士により設定された1日のエネルギー摂取量や目標体重に基づき、個別の食事計画が作成されます。

自己流のダイエットで陥りがちな栄養の偏りやリバウンドを防ぐため、管理栄養士が生活環境に合わせ栄養指導を実施します。

運動指導

運動指導では、医師や理学療法士が腰痛および肥満の状況を評価した上で、腰に負担をかけない運動プログラムを設定します。

肥満がある方の場合、いきなり激しい運動をすると腰痛を悪化させるリスクがあります。そのため、インナーマッスルの強化や姿勢矯正を中心とした、その方に合った効果的な運動を指導します。

手術療法

痛みを和らげる治療や肥満に対する治療でも腰痛が改善されない、歩行障害や排尿障害などがあるときは、手術療法が選択肢に加わります。

主な手術方法は、全内視鏡下脊椎手術や脊椎固定術、リゾトミーなどです。

以下の記事で腰痛の手術について詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

再生医療

手術を避けたい場合や、さまざまな事情で手術が困難な場合は、再生医療も選択肢としてあげられます。

再生医療とは、ヒトが持っている「再生する力」を用いた治療です。体内でさまざまな役割を果たせる「幹細胞」の修復力を活かしています。

当院では、患者様の腹部の脂肪から採取した幹細胞による「自己脂肪由来幹細胞治療」を実施しています。当院の腰痛治療では、培養した幹細胞を脊髄腔内へダイレクトに注射する方法が一般的です。

手術しなくても治療できる時代です。

腰の痛みは手術しなくても治療できる時代です。

腰痛と肥満の関係を理解した上で適切な治療を受けよう

腰痛と肥満は深い関係にあり、肥満を放置すると腰痛悪化のリスクも高まります。

肥満解消と腰痛治療で共通しているのは、食事管理および運動です。自分自身で食事管理や運動を続けても、腰痛および肥満が改善されない場合は、医療機関での指導が必要になってきます。

腰痛治療としては、消炎鎮痛剤やブロック注射を用いた痛みの緩和や手術療法、再生医療などがあります。肥満を含めた身体状況を加味して、自分に合った腰痛治療を受けましょう。

当院リペアセルクリニックでは、公式LINEによる簡易オンライン診断や再生医療の情報提供を行っています。

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腰痛と肥満に関するよくある質問

痩せたら腰痛は治りますか

痩せることで腰痛が治るケースも報告されています。主な理由としては、以下の3点があげられます。

  • 体重減少により腰への負担が軽減される
  • 反り腰が改善される
  • 肥大した脂肪細胞から分泌される炎症促進物質が減少する

しかし、ヘルニアや脊柱管狭窄症などの疾患が原因の腰痛では、痩せるだけで治ることは難しい状況です。

肥満が解消されても腰痛が続く場合は整形外科を受診し、原因を明らかにした上で、適切な治療を受けましょう。

腰痛解消ストレッチで簡単なものはありますか

本記事で紹介した両膝抱えストレッチやドローインは、比較的簡単で腰に負担がかからないものです。

それ以外には、太ももの筋肉を伸ばすストレッチがあります。やり方を以下に示しました。

  • 仰向けに寝た状態で、片側の股関節と膝を90度に曲げる
  • 両手で膝裏を支えたまま、膝の曲げ伸ばしを数回繰り返す
  • 痛みのない範囲で、足先を天井に向けるように膝をゆっくり伸ばす

参考文献

(文献1)

BMIが4年間で5%増加すると、6年後の腰痛リスクが約10%高くなり、その影響は、握力が弱い人に著明|山形大学医学部

(文献2)

あなたの肥満、治療が必要な「肥満症」かも!?|一般社団法人日本肥満学会

(文献3)

肥満と炎症|オレオサイエンス

(文献4)

椎間板ヘルニア|MSDマニュアル家庭版

(文献5)

肥満症に伴う各々の健康障害の発症・進展とBMIの関係と減量による改善効果|一般社団法人日本肥満学会