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【医師監修】腰痛時は動いた方がいい?安静が必要なケースやおすすめの運動を解説

腰痛 動いた方がいい
公開日: 2026.05.31

「腰痛があっても動いた方がいいって本当?」

「昔は安静にした方がいいって聞いたけれど」

「自分の腰痛はどちらなんだろう」

このように迷われている腰痛患者様も多いことでしょう。

結論から申し上げますと、腰痛には動いた方がいいケースと安静が必要なケースが混在します。

本記事では、動いた方がいい腰痛とその理由、安静が必要な腰痛などを中心に解説します。

動いてもいいのか、安静にすべきかの判断がつかずにお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

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腰痛で動いた方がいいとされる理由

以前は「腰痛が起きた場合は安静が望ましい」とされていました。しかし近年では、多くの専門医が軽い運動を続けるように勧めています。

腰痛診療ガイドライン2019においても、「急性腰痛に対しては、安静よりも活動性維持の方が有用である」と記載されています。身体を適度に動かすことで血流改善や筋肉の柔軟性維持が期待でき、筋力低下や関節の硬化を防ぎやすくなるためです。(文献1)

ただし、無理に動く必要はありません。強い痛みがあったり、動かすことで痛みが強くなったりする場合は安静にしてください。

腰痛でも動いた方がいいケース

腰痛でも動いた方がいいケースとしては、主に以下の2つがあげられます。

  • 動くと少し楽になる腰痛
  • 慢性的な腰痛

動くと少し楽になる腰痛

「朝だけ腰が痛い」もしくは「長時間座っていると痛い」といった場合は、動くことで症状が和らぐことがあります。

長時間の同じ姿勢は、筋肉のこわばりや柔軟性低下を引き起こす要因のひとつです。

厚生労働省の資料でも、同じ姿勢が長時間続くことは腰痛リスクであると示されています。とくに、座った姿勢は腰に負担をかけます。(文献2)

定期的に身体を動かしたり姿勢を変えたりしましょう。

慢性的な腰痛

腰痛が慢性的に続いている方の場合、無理のない範囲での運動が必要です。

腰痛診療ガイドライン2019においても、「3か月以上続く慢性腰痛では、適度な運動が有用である」と示されています。(文献1)

ウォーキングやストレッチ、体幹トレーニングなどは、無理なくできる運動です。

厚生労働省でも、これらの運動は、腰痛の改善や再発予防につながる可能性があるとしています。(文献3)

腰痛が悪化しない程度に身体を動かしてみましょう。

腰痛で安静が必要なケース

安静が必要な腰痛は、主に以下の2種類です。

  • 強い痛みで身体を動かすことが困難な腰痛
  • 動くことで痛みが悪化する腰痛

強い痛みで身体を動かすことが困難な腰痛

ぎっくり腰直後の強い腰痛により、立つ、歩く、寝返りを打つといった日常生活動作が困難な場合は、安静が必要です。

急性腰痛と呼ばれる強い腰痛では、発症直後に炎症が強くなっています。このときに無理に動くと、炎症の悪化や、筋肉および関節への負担増のリスクがあります。

この時期は、楽な姿勢で安静を保ちましょう。

以下の記事では、ぎっくり腰が起きたときの寝る姿勢について解説しています。あわせてご覧ください。

動くことで痛みが悪化する腰痛

身体を動かすことで腰痛が生じる、もしくは悪化する場合は、原因となる動作を避けながらの安静が必要です。(文献4)

とくに、前かがみ動作や腰をひねる動作で腰痛が生じている場合は、筋肉や椎間板などに大きな負担がかかっています。

腰痛があるときは、「少し動くと楽になるか」「動くと悪化するか」を確認しながら活動量を調整しましょう。

腰痛時におすすめの体の動かし方

腰痛時におすすめの体の動かし方を以下に示しました。ポイントは「無理のない範囲」です。

  • 無理のない範囲で日常生活を続ける
  • 症状に応じて軽いストレッチを取り入れる
  • 定期的に姿勢を変える

無理のない範囲で日常生活を続ける

腰痛時は、痛みを悪化させない範囲で日常生活を続けることが大切です。具体例を以下に示しました。

  • 家の中を歩く
  • 軽い家事を行う
  • 短時間散歩する

長期間の安静は、筋力低下や活動量の減少を招き、腰痛の慢性化につながる恐れがあります。

ただし、痛みを我慢して無理に活動する必要はありません。「動いて悪化しない範囲」を目安に活動量を調整しましょう。

症状に応じて軽いストレッチを取り入れる

腰痛時は筋肉の緊張や柔軟性の低下によって、動き始めに痛みが出やすくなります。とくに、長時間座位が続く方は、腰に加えて股関節や太ももの筋肉も硬くなりやすい状況です。

症状が落ち着いているときの軽いストレッチは、筋肉のこわばり軽減や柔軟性維持につながります。

ただし、勢いをつけたストレッチや痛みを我慢した動作は、症状悪化につながるため避けましょう。「気持ちよく伸びる程度」を目安に、無理のない範囲で行うことが大切です。

下記の記事で、腰痛時のストレッチを紹介しています。あわせてご覧ください。

定期的に姿勢を変える

同じ姿勢が続くと腰回りの筋肉が緊張し、血流が低下して腰痛が生じやすくなります。

厚生労働省の腰痛予防対策指針でも、長時間同じ姿勢を避ける重要性が示されています。(文献2)

30〜60分ごとに立ち上がる、少し歩く、座り方を変えるなど、こまめに姿勢を変えて、腰への負担を分散させましょう。ただし、腰を急にひねったり反ったりするなど、大きな動きは控えてください。

下記の記事では、長時間の座り姿勢と腰痛の関係について解説していますので、あわせてご覧ください。

腰痛時にやってはいけない行動

腰痛時にやってはいけない行動は主に以下の3点です。

  • 痛みを我慢して激しい運動をする
  • 痛みが軽いときも安静を続ける
  • 自己判断で放置する

痛みを我慢して激しい運動をする

ぎっくり腰発症直後といった痛みが強いときは、腰に炎症が起きている状況です。この時期に無理に体を動かすのは、炎症を助長するため避けましょう。

無理に動かすことで、筋肉や関節、椎間板などへの負担も増し、症状悪化につながる可能性もあります。痛みが強い状態での運動は推奨されません。

痛みが軽いときも安静を続ける

腰痛が軽減しているときも安静を続けることは、体力や筋力低下を引き起こす要因の1つです。また安静が長期間続くと、心理的にも影響を及ぼし、腰痛の慢性化リスクを高めることが指摘されています。

近年では、必要以上の安静が慢性腰痛の一因になると指摘されています。可能な範囲で、いつも通りの日常生活を過ごしましょう。

自己判断で放置する

自己判断での腰痛放置は禁物です。とくに、しびれや筋力低下、発熱、排尿障害などを伴う腰痛では、神経障害や感染症など重篤な疾患が隠れている可能性があります。(文献5)

また、慢性的な腰痛でも、痛みを我慢し続けることで日常生活や精神面へ影響が及ぶケースがあります。

市販薬やセルフケアだけで改善しない場合や、症状が長引く場合は、医療機関で原因を確認しましょう。痛みの程度だけでなく、症状の経過や全身状態にも注意する必要があります。

医療機関を受診すべき腰痛

腰痛の多くは自然に軽快します。ただし、医療機関での診察が必要なケースもあります。

以下のような症状があるときは、早めに医療機関を受診しましょう。(文献5)

  • 足がしびれる
  • 足に力が入らない
  • 排尿や排便に支障をきたしている
  • 発熱している

これらの症状を伴う場合は、神経障害や感染症、内臓疾患などが隠れている可能性があります。

また、転倒後に生じた腰痛や、安静にしていても続く腰痛、数週間以上改善しない腰痛の場合も、早めに医療機関を受診してください。

下記の記事では、内臓由来の腰痛について解説しています。あわせてご覧ください。

腰痛時に行われる主な治療

本章では、腰痛時に行われる主な治療として3種類紹介します。

  • 保存療法
  • 手術療法
  • 再生医療

保存療法

腰痛に合わせて身体を動かす、もしくは安静にするといった対応でも改善されない場合、整形外科を受診しましょう。内臓疾患や感染症など重篤な原因がなければ、腰痛に対する保存療法が行われることが一般的です。

主な保存療法を以下に示しました。

  • 薬物療法
  • ブロック注射
  • 運動療法(ストレッチや筋力強化など)
  • 物理療法(電気治療や温熱療法など)

保存療法は腰痛の状況にあわせて行われます。

手術療法

手術療法が検討されるケースは主に以下のとおりです。

  • 保存療法で腰痛が改善されない場合
  • 歩行障害やしびれ、排尿障害などの症状がある場合
  • 脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアなどが疑われる場合

手術方法としては、全内視鏡下脊椎手術や脊椎固定術、リゾトミー、椎間板切除術、椎弓切除術などがあげられます。

慢性腰痛の手術方法やリスクなどを以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。

再生医療

脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアが原因の腰痛患者様や、手術を避けたい患者様の場合、再生医療も選択肢の1つです。

当院では「自己脂肪由来幹細胞治療」を実施しています。患者様の身体への負担を抑えるため、腹部の脂肪から幹細胞を採取しています。

当院では腰痛の場合、培養した幹細胞を脊髄腔内へダイレクトに注射する方法が一般的です。

以下の記事では、腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアにおける再生医療の症例を紹介しています。あわせてご覧ください。

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動いた方がいい腰痛と安静が必要な腰痛を見極めて対応しよう

以前は、「腰痛の場合は安静」と言われることが多かったものですが、近年ではむしろ動いた方がいいとされています。

しかしこれは、「強い腰痛を我慢して動かす」といった意味ではありません。動くと楽になる腰痛や、慢性腰痛の場合は動いた方がいいといった解釈です。

本記事を参考に、腰痛時にやってはいけない行動も理解しつつ、自分の腰痛は動いた方がいいものか安静が必要なものかを見極めて対応しましょう。

しびれや脱力がある、排尿や排便に支障がある、発熱している場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

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腰痛でお悩みの方や、医療機関受診の目安について相談したい方は、お気軽にご登録ください。

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腰痛時の運動と安静に関するよくある質問

腰痛にすぐ効くストレッチはありますか?

腰痛に対するストレッチの効果は、症状や原因によって異なります。強い炎症が生じている急性腰痛の場合は、ストレッチによって症状が悪化する可能性があるため避けましょう。

一方で、筋肉の緊張や柔軟性低下が関与している腰痛では、軽いストレッチによって痛みが和らぐ場合があります。腰痛時のストレッチは、勢いをつけず「気持ちよく伸びる程度」で行いましょう。

安静時に腰痛が起きる原因は何ですか?

安静時にも腰痛が生じる原因は複数存在します。主に考えられるのは、腰椎圧迫骨折のほか、感染症やがん、尿管結石といった内臓疾患です。(文献4)

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症では、安静時でも神経症状が出る場合があります。安静時の腰痛が長期間続く場合や、発熱・しびれなどを伴う場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。

参考文献

(文献1)

腰痛診療ガイドライン2019|公益社団法人日本整形外科学会・一般社団法人日本腰痛学会

(文献2)

職場における腰痛予防対策指針|厚生労働省

(文献3)

標準的な運動プログラム|厚生労働省健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~

(文献4)

腰痛|MSDマニュアル家庭版

(文献5)

腰痛|公益社団法人日本整形外科学会