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変形性股関節症|人工関節手術のリスクについて

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変形性股関節症|人工関節の手術のリスクを説明します

変形性股関節症と診断された場合、「薬物療法」や「運動療法(リハビリ)」といった「保存治療」以外に、「手術療法」という選択肢があります。

しかし、変形性股関節症での手術療法は、股関節を人工関節に置換える文字通り「人工股関節置換術」といい、手術としても大掛かりな部類になります。

医療機関で、人工関節を勧められた場合、以下のようなお悩みや、心配をされるのではないでしょうか?!

  • 人工関節にする手術を勧められた場合の心配やお悩み
  •  
  • ・今ある自分の関節を人工物に取り換える違和感や恐れ
  • ・摩耗や緩みで数年後に再手術が必要な場合があること
  • ・人工関節にすることで変えなばならない生活スタイル
  • ・一度、人工関節にすると引き返せないこと
  • ・合併症の不安、万一細菌が入ると怖い再手術(3~10%)
  • ・長い手術時間や全身麻酔、輸血の心配
  • ・接続する脆くなった骨への影響
  •  
  • 知れば知るほど不安に思われるのも当たり前だと思います。

そこで今回は、「変形性股関節症の人工関節手術(人工関節置換術)」について、以下のような疑問やお悩みにお答えできればと思います

人工関節置換術のリスク

変形性股関節症の人工関節手術のリスクについて

変形性股関節症に関わらず手術は、手術であるかぎり、他の病気や、けがの手術と同じように必ずリスクは伴います。逆にリスクが一切ない手術は存在しません。

そのため、「変形性股関節症の手術に限ってリスクはない」ということは言えません。しかも手術を受ける人によってリスクは様々、「高い、或いは低い」「大または小」があります。

そのため、手術を行うためには前もって多くの検査が必要となります。

その結果、リスクが大きいと判断されれば、手術自体を受けることはできません。つまり、手術による治療は、手術をしないよりもリスクがあるともいえるのです。

高齢者の変形性股関節症の人工関節手術のリスク

高齢者の方が変形性股関節症の人工関節手術を行う場合は、リスクが高くなる可能性があります。医療機関での治療過程で「あとは手術しかない」と言われたとしても、医師に納得いくまで説明を受けて、よく検討する必要があります。

「こんなはずでは無かった」とならないように注意しましょう。

高齢者の場合、股関節はもちろんのこと、骨そのものが脆くなっていることがあり、骨ではないチタン合金、クロム合金などといった人工的に作った股関節を今ある自分の股関節に置き換えるため、体内の骨と接合する必要があります。

接合には、骨ではない合金などといった異物を取り付けるために、「セメント(骨セメント)」や、「セメントレス」といった2つの接合方法があり、患者の骨の状態を見て判断されます。

素材や技術は日々、進歩を続けていますが、どうしても一長一短があります。

  • 人工関節、身体(骨)との接合、固定方法上のリスク

  • ・セメント:当初は非常に強固だが経年で緩む危険性がある。
  • ・セメントレス:緩みにくい反面、安心できる(固定が定まる)まで6か月ほど必要。

しかし、いずれの手術であっても、成功しても、セメントはもちろん、セメントレスであったとしても時間とともに緩む可能性は0ではありません。将来に再手術というリスクという可能性を考えておくべきです。

また、特に女性の場合、事前の検査で骨粗鬆症の罹患率が高く、骨密度が低ければ、人工関節は丈夫でも周囲の骨に対して骨折というリスクがあることを注意しなければなりません。

人工関節の接合

手術の合併症、手術で感染症が重篤化するリスク

人工関節の可否、骨だけの問題ではなく、身体の免疫機能そのものが低下している場合、変形性股関節症の手術が無事終わったあとでも、その後に感染症を引き起こせば重篤になる可能性があります。

一度感染症を引き起こしてしまうと傷の治りが悪くなるため、結果として再手術が必要となり人工股関節を取り替えなければならないような事態になる恐れもあります。

感染症をおこしてしまう確率を0%にすることはできず大変危険なので、免疫機能についても十分に検査をして、変形性股関節症の手術に適応するかどうかを検討しなければなりません。

それ以外にも全身麻酔のリスク、輸血のリスクなど検討しなければならないことは数多くあります。

これらは、けして大げさに申し上げているのではなく、実際に人工関節手術を受ける前に説明を受ける内容です。

保存療法では人工関節を避けることはできない

保存療法とは、内服薬や外用薬などの薬物を利用する薬物療法や、ウォーキングなどの軽い運動を行い股関節周囲や足の筋力を高めるリハビリテーション、運動療法があるのですが、これら地道な努力を行なっているにもかかわらず痛みが緩和されずに効果を感じられないという人もいます。

また、初期のころは多少でも効果を感じることができたけど、徐々に効果が低くなるという場合もあります。

このように保存療法は、コツコツできる範囲で行っていても効果が感じられず、常に痛みがあり、日常生活に支障をきたすようであれば、手術を受けたほうが良いと判断される場合もあり、保存療法等リハビリを行っているからと人工関節の手術を避けられるものではありません。

人工関節、術後のリスク

変形性股関節症の手術を受けて、めでたく成功した場合でも注意は必要です。

実は、術後の日常生活にこそリスクが潜んでいます。

そこで手術後にどのような生活を心がければ良いのかを事前に知っておきましょう。そうすることで手術を受けた後も、危険を回避しながら安全に過ごすことができます。

日常的に自分の姿勢や動作に注意しなければなりません

変形性股関節症の手術を終えた直後、リハビリをすることで体の調子が徐々に戻ってきます。上手くいけば痛みも改善し、無理をしなければ日常生活を送ることができるようになるでしょう。

しかし、常に気を付けなければいけないことがあります。それは、股関節への配慮です。

ご注意いただきたいのは、股関節を無理に内側にひねるような姿勢は、脱臼を起こしてしまう恐れがあります。また、あぐらや正座、しゃがむ動作などの姿勢は、変形性股関節症の手術の後におこなうと非常に危険です。

つまり、和風の床に直接座るような生活スタイルから、椅子やベットで過ごせる洋風の生活へ意識してチェンジしていく必要があります。この辺りも家族の理解を得ながら進めていきましょう。

もしもの場合、再手術になることもあるので、このあたりは十分に注意しなければなりません。

手術後の細菌による感染に注意(皮膚炎や歯周病も)

変形性股関節症の手術の後に起こるリスクは脱臼などだけではありません。感染症にも十分注意が必要です。

感染は、手術した部位だけの問題ではありません。手術後の感染を防ぐためには「水虫」や、「皮膚炎」などにも注意すべきです。足まわりを清潔に保っておくことが大切です。

また虫歯、歯槽膿漏などの症状によって細菌が入り、感染が起こす可能性もあるため、常に口腔内を清潔にしておくことも重要です。必要であれば手術の前に歯科、口腔外科などに通い、オーラルケアをしておけば更に安心です。

変形性股関節症|人工関節を選択する場合に知っておきたいこと

変形性股関節症の手術は、手術中だけでなく手術後の生活にもリスクが伴います。なるべく危険を避けて手術を受けるようにしましょう。

事前に手術内容を理解しておく(納得する)

変形性股関節症の手術で、自身の股関節を人工の股関節に置き換える手術を行う場合、手術中、術後の感染リスクや、人工股関節が入ることによるリスク。どのような生活が待っているのかなどを十分に説明を受け、理解しておくことが必要です。

事前に手術内容を把握しておくことで、手術をしたその日から危険を回避できるような対策をとれるようにもなります。また、知識を持っていれば手術を受ける前に股関節に負担のかからない生活環境を整えるなどの対応を取ることも可能になります。

いずれにしても変形性股関節症の手術を行うことが自分にとって本当に最善なのか検討し、危険が多いと感じるようであれば、まずは薬物療法や、運動療法で痛みを改善することを優先したほうが良いかもしれません。

これら主治医ともよく話し合って、納得して手術を受けるようにしてくださいね。今の時代、他の医療機関でセカンドオピニオン受けるという手もあります。手術は最終手段です。

信頼できる医療機関を選択する(自身で納得できること)

自分はもとより、家族の同意を得て変形性股関節症の手術を決断したなら、多くの症例を持ち、信頼できる先生がいたり、設備が整った病院である等の基準も大切です。普段から通いなれて気心が知れた医療機関という手段もあります。

選び方としては今やネット社会です。情報は検索することで過剰なほど得られます。

変形性股関節症の手術を行っている医療機関は全国に多くありますがインターネットや、口コミを参考にしながら事前に情報収集しましょう。

手術に関して家族や信頼できる友人などの意見を聞ければ聞き、ご自分でメリットはもちろんですが、リスクもしっかりと理解し、納得した上で手術を受けましょう。後戻りはできないので注意してください。

手術後リハビリをしっかりと行う

変形性股関節症の手術が成功したあと大切なのはリハビリです。

急がず、コツコツ気長に継続して人工股関節を体に慣らしていくことが大切です。手術後の危険のリスクを少なくするためにも前向きに取り組んで回復を目指しましょう。

歩行が問題なくできるようになっても無理は禁物。転倒などの危険性もあります。自信がつくまでは杖を使うなど危険を回避する方法を取り入れることも大切です。

変形性股関節症|人工関節以外の選択肢「再生医療」という先端医療

変形性股関節症の手術は、症例を有した信頼のできる医療機関であれば、基本的に安全に受けることができるます。

しかし、手術である以上、危険が全くないというわけではないため、手術後の生活に不安を感じている人や年齢の問題、骨密度や再手術の可能性、感染のリスク、何より人工のもので置き換える違和感に恐怖を感じておられる方にご紹介したいのが近年注目されている先端治療である「再生医療」という手段です。

手術を決断する前に自分に可能性がないか調べてみてはいかがでしょうか。上手くいけば手術というリスクを回避して改善を目指すことができるかもしれません。

再生医療の可能性

再生医療は、患者自身の細胞を利用するため、拒絶反応やアレルギーなどの副作用が少なく、安全性に優れた治療方法です。また、人工股関節を入れるというような大掛かりな手術ではないので、感染のリスクが少ないのも魅力です。

変形性股関節症で、従来の治療方法ではあまり痛みの改善効果が期待できなかった人や、手術の危険要素がどうしても不安であるという人にとって、再生医療は選択肢の一つになるでしょう。

> 股関節の再生医療について詳細

まとめ・変形性股関節症|人工関節手術のリスクについて

今回は、変形性股関節症の手術における「リスク」について紹介しました。これは脅しなどではなく、危険性やリスクを知識として知っておき、理解しておくことが自らを守ることに繋がると判断したためです。

医療機関で納得のいく説明を受けるためにも手術の実際とリスクを知っておき、疑問点は臆すること質問できるようになって欲しいと思います。

手術を検討する場合は、手術そのものだけでなく、手術後の生活についても事前にしっかりと理解し、信頼できる医療機関を選ぶこと、自分自身はもちろんのこと、家族も納得してもらった上で手術を受けることが大切です。

また、最後にご紹介した再生医療は、手術を避けることができる危険の少ない最先端の医療として注目を集めています。変形性股関節症の治療においても効果を期待することできます。

いずれにしましても、手術はもちろん、治療にあたってはしっかりとした実績を持った専門医や医療機関にご相談になってください。以上、変形性股関節症の人工関節手術のリスクと術後の注意点について記させて頂きました。

人工関節の話が出たり、人工関節置換術の説明を受けたり、変形性股関節症でお悩みの場合、参考にしていただければ幸いです。

 

▼以下もご覧ください
変形性股関節症の保存療法|治療効果を上げるための注意

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