-
- 手部、その他疾患
- 手部
第二関節を曲げると違和感がある 指が思うように曲がらない ある日突然、第二関節を曲げると感じたことの無い違和感に襲われ、不安を抱えながら過ごしている方もいらっしゃることでしょう。 その症状は、ブシャール結節と呼ばれる第二関節の病である可能性があります。ブシャール結節は、指の第二関節(PIP関節)に起こる変形性関節症の一種です。 放置しておくと、関節の変形や炎症が拡大し、重症化する恐れがあります。 第二関節が痛む「ブシャール結節」の病状について 指の第二関節が痛む「ブシャール結節」の初期症状 指の第二関節が痛む「ブシャール結節」の原因 ブシャール結節の治し方 ブシャール結節を再発させないための対策 指の第二関節が痛む方からよくある質問 本記事では、指を曲げると痛い第二関節が、ブシャール結節である可能性について解説します。記事の最後には、指の第二関節が痛む方からよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 指の第二関節が痛む「ブシャール結節」とは 項目 詳細 主な症状 第二関節の腫れ・変形、こわばり、痛み、動きの悪化、粘液嚢腫 原因 加齢、遺伝、女性ホルモン減少、指の酷使 診断 X線検査 治療 薬物療法、装具療法、リハビリ、手術(重度の場合) 日常生活の注意点 指の酷使を避け、適度な休息とストレッチ ブシャール結節とは、指の第二関節に起こる変形性関節症の一種であり、主な症状としては、関節のこわばりや違和感、水ぶくれのような炎症が起こります。 2025年現在の医学では、明確な原因が解明されておらず、症状改善のエビデンスも乏しい病です。 しかし、ホルモンバランスの乱れや、加齢に伴う変化が原因との研究も進んでおり、女性が発症しやすい病といわれています。 ブシャール結節は、放置すると重症化するリスクが高いため、早期発見が大切です。 指の第二関節が痛む「ブシャール結節」の初期症状 症状 詳細 指の第二関節の違和感 軽度の違和感、こわばり、腫れなど 指の第二関節の腫れやこわばり 関節が太くなったように感じる、曲げ伸ばしがしにくい 指の第二関節の動きが悪くなる 以前のようにスムーズに指を動かせない 指の第二関節が変形する 関節がコブのように膨らむ、指が曲がったままになる ブシャール結節は、指の第二関節に腫れやこわばりが現れる病気です。初期症状に気づき、早めに対処すれば、症状が悪化するのを防げます。 ブシャール結節の初期症状について、解説します。 指の第二関節に違和感がある 違和感の種類 具体例 ズキズキするような違和感 第二関節がズキズキ、チクチクする こわばり 関節が硬く感じる、曲げ伸ばしがしにくい 腫れ 関節が太くなったように感じる、指輪がきつく感じる 感覚の変化 しびれ、ピリピリ感、触ると違和感がある その他 関節が熱を持っているように感じる、引っかかるような感覚がある 指第二関節に違和感を覚える主な理由としては、関節軟骨の変性と炎症です。明確な原因は判明していないものの、加齢や指の酷使により軟骨が摩耗、変形で生じるものといわれています。 また、関節を包む関節包や靭帯が硬くなり、動きを制限されるのも違和感を覚える原因です。 ちょっとした疲れと見過ごされやすく、放置しておくと重症化する恐れがあります。症状を進行させないためにも、早期発見と医療機関の受診が大切です。 指の第二関節の腫れやこわばり 変化 詳細 症状 滑膜(かくまく)の炎症 軟骨摩耗 → 滑膜刺激 → 炎症 → 関節液過剰分泌 関節の腫れ 骨棘(こつきょく)の形成 関節不安定化 → 骨過剰形成(骨棘) 関節動作の制限 → こわばり 関節周囲組織の変化 炎症・骨棘形成 → 靭帯・腱の硬化 → 柔軟性低下 関節のこわばり悪化 ブシャール結節初期の腫れやこわばりは、関節軟骨の変性と炎症が主な要因です。明確な原因は解明されていませんが、加齢や指の酷使により軟骨が摩耗し、変形が生じるものといわれています。 関節の状態が不安定になり、骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨の突起が形成されることで、炎症やこわばりを発症させ、関節周囲の靭帯や腱などの組織を硬くし、柔軟性を低下させます。 指の第二関節の動きが悪くなる 原因 詳細 結果 軟骨の減少と変形 軟骨の摩耗と変形により、関節の隙間が狭まり可動域が制限される スムーズな動きが妨げられる、可動域の制限 関節周囲の炎症 軟骨のすり減りにより、関節周囲に炎症が起こる 腫れや痛みによる動きの制限 骨棘(こつきょく)の形成 関節の変形が進むと、骨棘と呼ばれる骨の突起が形成される 物理的な動きの妨げ、可動域の制限 軟骨の減少と変形は関節の隙間を狭め可動域を制限し、炎症は腫れや違和感を引き起こし、動きを妨げます。 症状が進行すると骨棘(こつきょく)が形成され、症状悪化につながるため、医療機関の受診が必要です。 指の第二関節が変形する 原因 詳細 結果 軟骨の摩耗 関節の軟骨がすり減り、骨同士が直接接触しやすくなる 関節の隙間がなくなる 骨棘(こつきょく)の形成 軟骨の摩耗が進むと、関節周囲に骨の突起(骨棘)が形成される 関節の変形が進行する 炎症による関節包のゆるみ 関節の炎症により、関節を包む関節包がゆるむ 関節が屈曲方向に曲がり始める 粘液嚢腫(ねんえきのうほう)の発生 関節の炎症により、関節包壁がゆるみ、粘液嚢腫ができる 関節が腫れ、変形する 遺伝的要因・ホルモンバランスの乱れ 原因は明確ではないものの、遺伝やホルモンバランスの乱れが関与している可能性がある 関節の変形を促進する ブシャール結節の初期に変形が現れるのは、軟骨の摩耗、骨棘(こつきょく)の形成、関節包のゆるみ、粘液嚢腫(ねんえきのうほう)の発生が複合的に作用するためです。 変形の症状は、ホルモンバランスの影響を受けやすい女性が受けやすいといわれています。しかし遺伝やホルモンバランスの乱れが直接関与しているかは、明確なエビデンスはありません。 指の第二関節が痛む「ブシャール結節」の原因 原因 詳細 手先の酷使 デスクワーク、スマホ操作、家事など、指に負担のかかる作業の繰り返し 加齢に伴う変化 関節軟骨の摩耗、関節周囲組織の変性 ホルモンバランスの乱れ 更年期、妊娠・出産時のホルモン変動 腎臓機能の低下 腎機能低下に伴う代謝異常、関節への影響 ブシャール結節の明確な原因は判明しておらず、確証的なエビデンスが存在しません。 ただし、原因は主に手先の酷使や、ホルモンバランスの乱れといわれています。ブシャール結節が発症する原因について解説します。 手先の酷使 手先の酷使は、関節軟骨への過剰な負荷と微細な損傷の蓄積を招きます。デスクワークやスマホ操作など、指先を長時間酷使する作業は、第二関節に繰り返しストレスを与えるため、注意が必要です。 関節へのストレスが蓄積すると、軟骨が徐々に摩擦を起こし、変形をきたします。酷使による炎症が慢性化すると、関節の安定性が損なわれ、変形を進行させる原因になります。 加齢に伴うもの 加齢に伴う変化 詳細 影響 軟骨の摩耗 弾力性低下、摩耗 関節の動きが制限される、炎症・違和感が生じる 骨の変化 骨密度低下、骨棘形成 関節の動きを妨げる、変形を引き起こす 関節周囲組織の変化 靭帯・腱の柔軟性低下、関節の不安定化 関節に負担がかかる、変形が進行する 加齢はブシャール結節を進行させる原因の一つです。 加齢は、関節軟骨の質的変化と修復能力を低下させます。長年の使用により軟骨は徐々に摩耗し、弾力性を失い、軟骨の損傷が進行しやすくなります。この状態が続くと、関節に過剰な負荷がかかり、重症化につながります。 ホルモンバランスの乱れ 原因 詳細 関連性 女性ホルモンの減少 更年期におけるエストロゲンの減少 関節の炎症や変形を促進する可能性 妊娠・出産時のホルモン変化 妊娠や出産に伴うホルモンバランスの変動 関節の状態に影響を与える可能性 ブシャール結節が進行する原因は、ホルモンバランスの乱れです。とくに40代以降の女性に多く見られます。 40代以降になると、女性ホルモンであるエストロゲンが変動し、軟骨の代謝や関節の柔軟性を維持する役割が衰えるため、関節の変形や炎症が起こりやすくなると考えられています。 しかし、ホルモンバランスの乱れがブシャール結節の直接的な原因であるエビデンスは、まだ確立されていません。 腎臓機能の低下 要因 腎臓の働き 腎機能低下時の影響 ブシャール結節への影響 ミネラルバランスの乱れ 体内のミネラルバランスを調整 カルシウムやリンなどのミネラルバランスが崩れる 関節軟骨の変性や骨棘の形成が促進され、ブシャール結節の発症や進行につながる 炎症性物質の蓄積 老廃物や炎症性物質を排出 老廃物や炎症性物質が蓄積しやすい 関節に炎症や変性を引き起こす ホルモンバランスの乱れ ホルモンを産生 ホルモンバランスが乱れる 関節の健康に影響を与える 腎臓は体内のバランスを整える大切な役割を持っています。腎機能が低下すると、ミネラルの調整がうまくできず、カルシウムやリンのバランスが崩れ、関節の変化を引き起こす原因になります。 しかし、腎臓機能低下とブシャール結節の関連性について明確なエビデンスはないのが現状です。 ブシャール結節の治し方 治療法 概要 具体的な方法 期待できる効果 保存療法 手術をせずに症状を和らげ、関節の機能を維持する治療法 薬物療法(抗炎症薬など)、理学療法(ストレッチ・筋トレ)生活習慣改善(体重管理・食事療法) 症状を和らげ、関節の負担を減らし、進行を遅らせる 手術療法 保存療法で改善しない場合に行う手術による治療法 関節固定術(関節を固定する)関節形成術(変形を整える) 症状の軽減、関節の変形改善、生活の質の向上 再生治療 身体の回復力を活かし、関節の機能を再生させる治療法 PRP療法(血小板を活用)幹細胞治療(損傷組織の修復) 症状が軽減し、関節の機能を再生・修復する可能性がある 現代の医療では、ブシャール結節を治す(完治)ための治療はありません。しかしブシャール結節の進行を遅らせ、症状を改善していくことは可能です。 ブシャール結節を改善させる、有効な治療法を解説します。 保存療法 治療法 目的 具体的な方法 注意点 安静・関節の保護 関節への負担を軽減し、炎症を抑制 指の酷使を避け、テーピングやサポーターで関節を保護 保護具は適切なサイズを選び、長時間の使用は避ける 薬物療法 症状を緩和し、炎症を抑制 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛薬を使用、関節内にステロイド薬を注射 薬は医師の指示に従い、副作用に注意する 物理療法 関節の動きを改善し、違和感を緩和 温熱療法、マッサージ、ストレッチなど 違和感がある場合は中止し、医師に相談する 保存療法は、ブシャール結節の進行を遅らせることが目的です。初期の段階では安静にし、必要に応じて、テーピングやサポーターで関節を保護します。 また、医師の診断に基づいた薬物療法と、関節の硬直を防ぐ温熱療法やマッサージを組み合わせることで、ブシャール結節の症状改善を目指します。 保存療法では、薬剤の副作用や、ストレッチなどによる違和感が出る可能性もあるため、少しでも異変を感じた場合はすぐに中止し、医師に相談しましょう。 手術療法 手術の種類 手術の概要 有効な症状 メリット デメリット 関節授動術 変形した骨や滑膜を切除し、関節の動きを改善する 比較的初期の変形が軽度な場合 関節の動きが改善し、違和感が軽減 手術リスク(感染症、神経損傷)があり、効果に個人差がある 人工関節置換術 変形した関節を人工関節に置き換え、機能を回復させる手術 重度の変形や痛みがある場合 重度の変形や痛みの改善が期待でき、生活の質が向上する リハビリが必要、人工関節の耐久性に限界がある 手術療法は、ブシャール結節の症状が改善されない場合に検討されます。手術の有無や内容は、患者の症状や生活状況を考慮した上で、医師が判断します。 手術を受ける前に、医師と十分な相談をした上で、メリット・デメリットを理解しておくことが大切です。また、手術は保存療法で改善しないときの最終手段です。 手術を検討する場合は、術後のリハビリ期間なども考慮しましょう。 再生治療 再生医療は、PRP療法や幹細胞治療など、自身の組織を活用し関節機能の改善を目指す治療法です。損傷した軟骨や組織の修復を促し、違和感の軽減などの効果が期待されます。 自身の細胞を用いるため、アレルギー反応のリスクが低く、手術療法と比べて、身体への負担も少ないのがメリットです。 再生医療を受ける際は、医師と相談した上で、検討するようにしましょう。 以下の記事では当院の再生医療について詳しく紹介しています。 ブシャール結節を再発させないための対策 指の酷使を避ける 指の関節を温める 適度な運動とストレッチ 食生活に気をつける ブシャール結節を再発させないためには、これから紹介する対策と実践が大切です。結節を再発させないための対策について解説します。 指の酷使を避ける ブシャール結節を再発させないためには、指の酷使をさけることが大切です。長時間のスマホの操作や、パソコン作業は指を長時間酷使しやすい状況であり、再発の危険性があります。 また、指に負荷のかかる重い荷物を持ち上げたり、押さえたりする作業も控えましょう。指への負担を防止ためにも、必要に応じてサポーターやテーピングを検討しましょう。 指の関節を温める 指の関節を適度に温めることで、血行を促進させます。温めることで、関節の柔軟性が向上し、再発防止につながります。 ただし、急性期の炎症がある場合は、温めることで症状が悪化する可能性があるため、注意しましょう。 適度な運動とストレッチ 運動の種類 方法 期待できる効果 指のストレッチ 指をゆっくり伸ばし、数秒間キープする、無理のない範囲で繰り返す 関節の柔軟性を高め、こわばりを防ぐ 軽い握力トレーニング 柔らかいボールやスポンジを軽く握り、ゆっくりと力を入れたり抜いたりする 指の筋力を維持し、関節への負担を減らす 関節回し運動 指の関節を円を描くようにゆっくり回し、柔軟性を高める 関節の動きをなめらかにし、症状を軽減す 温めながらの運動 温かいお湯に手を浸しながら、指をゆっくり開閉する リラックスした状態で血流を促せる 軽度な運動や負荷のかからない程度のストレッチは、ブシャール結節を再発させない手段として有効です。 また、運動やストレッチを行う際は、運動前後のウォーミングアップと運動後のクールダウンをセットで行います。 運動やストレッチは自己流ではなく、医師の指示に従い、違和感があれば中止しましょう。 食生活に気をつける ブシャール結節を再発させないためには、バランスの良い食生活を意識しましょう。とくに、関節の健康維持に必要なカルシウムやビタミンDなどを中心にバランスの良い食事を取り入れます。 また、ブシャール結節にはエクオール含有食品が有効とされていますが、現在発表されているエビデンスは確証が低いため、過信は禁物です。(文献1)(文献2) エクオール含有食品を摂取する場合は、個人差があり、すべての人に効果はありません。実施する場合は医師と相談し、あくまでも補助的な治療法であることを認識しておきましょう。(文献3)(文献4) 指の第二関節が痛い方は躊躇なく医療機関を受診しよう 指の第二関節が痛い方は躊躇なく医療機関を受診しましょう。指の第二関節を曲げると痛い症状は、ブシャール結節である可能性が高く、放置しておくと重症化につながります。 また、指の第二関節の痛みがなかなかひかない方は、再生医療を検討してみてはいかがでしょうか。再生医療は、ブシャール結節の進行を抑え、回復を促します。ブシャール結節をはじめとする指の異常にお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にて当院へお気軽にお問い合わせください。 指の第二関節が痛む方からよくある質問 指の第二関節が痛いのですがブシャール結節以外の可能性もありますか? 関節リウマチ、ヘバーデン結節などの症状である可能性もあります。 関節リウマチは、免疫機能が関節を攻撃し、炎症を引き起こす病気であり、ヘバーデン結節は、指の第一関節(指先から一番近い関節)にできる骨の隆起です。 いずれの症状も、早期発見と早期治療が必要なため、医療機関を受診する必要があります。 以下の記事では、関節リウマチ、ヘバーデン結節の症状について詳しく解説しています。 【関連記事】 関節リウマチの全貌!症状、治療、診断基準まで徹底解説 手指に起こる原因不明のヘバーデン結節!どんな病気なのか?その症状と治療法について ブシャール結節は何科を受診すれば良いですか? ブシャール結節は、手外科または整形外科の受診が推奨されます。いずれも、ブシャール結節だけでなく、関節リウマチやヘバーデン結節など、類似した症状を鑑別してくれます。 手外科専門医が見つからない場合や、まずは一般的な診察を受けたい場合は、整形外科を受診するのがおすすめです。 ブシャール結節は男性でも発症しますか? 男性でも発症する可能性があります。発症率は女性に比べて低めです。しかし、男性ホルモンの影響や遺伝的要因、指の酷使などが原因で発症する可能性があります。 しかし、エビデンスが存在しないため、明確な原因は不明です。 ブシャール結節の症状改善にはどのくらいかかりますか? 症状や改善にかかる時間、選択する治療法で異なるため、明確な基準がありません。気になる方は医療機関を受診しましょう。 ブシャール結節と診断されましたが入浴は問題ないでしょうか? 湯船に浸かるのは、問題ありません。入浴時は、ぬるま湯(38〜40度程度)に設定し、ゆっくり浸かるようにしましょう。 また、入浴は炎症が酷い場合などは控えましょう。 参考文献 (文献1) 医療法人社団ミッドタウンクリニック「吉形医師のエクオール含有食品を用いた研究論文が、医学専門誌に掲載されました」Tokyo Midtown Clinic, 2018年5月9日 https://www.tokyomidtown-mc.jp/academic/2018050913814/(最終アクセス:2025年3月17日) (文献2) 公益社団法人女性の健康「エクオール│エストロゲン様作用を持つ食品成分」公益社団法人 女性の健康とメノポーズ協会 https://www.meno-sg.net/hormone/healthcare/1906/(最終アクセス:2025年3月17日) (文献3) 石見 佳子,東泉 裕子.「腸内細菌が作り出す大豆イソフラボン代謝産物の有用性と安全性 エクオールの可能性」『化学と生物』, pp.1-4, 2013年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/51/2/51_74/_pdf(最終アクセス:2025年3月17日) (文献4) 内山成人.「大豆由来の新規成分 エクオール の最新知見」『シリーズ─研究小集会(第20回)大豆部会』pp.1-8, 2015年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/62/7/62_356/_pdf(最終アクセス:2025年3月17日)
2025.03.31 -
- 手部、その他疾患
- 手部
ブシャール結節は変形関節症の一種で、関節が腫れて痛みが出たり指が曲がりにくくなったりする症状が見られます。症状が悪化すると関節が変形するだけでなく、日常生活に支障をきたす可能性があります。 症状を悪化させないためには、指先に負担をかける行動を避けることが大切です。本記事では、ブシャール結節でやってはいけないことを解説します。 似た病気のヘバーデン結節との違いや症状緩和を図るマッサージ法も紹介するので、回復へ向けた治療プランが知りたい方は参考にしてください。 ブシャール結節でやってはいけないこと ブシャール結節でやってはいけないことは、ヘバーデン結節と共通しています。ヘバーデン結節はブシャール結節と似た病気で、いずれも指の関節に起こる変形性関節症になります。 ブシャール結節でやってはいけないことは、以下の通りです。 指先に過度な負荷をかける 重いものを持つ 患部を過度に温める ブシャール結節の症状回復には、指先に負担をかける行動を避けるのが重要です。指先を使う必要があるときは、テーピングで固定してできる限り負担をかけないようにしましょう。 ブシャール結節とヘバーデン結節の違い ブシャール結節とヘバーデン結節は似た病気ですが、発生部位や症状などに違いが見られます。主な違いは、以下の4つです。 発症部位 症状 発生頻度 原因 混同されがちなブシャール結節とヘバーデン結節の違いを以下で詳しく解説します。 発症部位 ブシャール結節とヘバーデン結節の発症部位は、以下の通りです。 ブシャール結節 ヘバーデン結節 人差し指から小指までの第2関節(PIP関節:近位指節間関節) 人差し指から小指までの第1関節(DIP関節:遠位指節間関節) ブシャール結節とヘバーデン結節は、発症する関節に違いが見られます。症状が見られる関節に注目すると、発症部位がどちらか判断できます。とはいえ、どちらか見極めるのは難しいため、発症した際は早めに医療機関を受診しましょう。 症状 ブシャール結節とヘバーデン結節における症状の違いは、以下の通りです。 ブシャール結節 ヘバーデン結節 第2関節の腫れ・痛み・変形 第1関節の腫れ・痛み・変形 ブシャール結節とヘバーデン結節の症状は似ていますが、発症する部位に違いがあります。ただし、痛みはブシャール結節の方が強いため、日常生活に支障が出やすい点に注意が必要です。 いずれも変形が進行すると関節を動かしにくくなり、ペンや箸が使えない、もしくはペットボトルの蓋を閉められないなど、物を強く握る動作が困難になります。 また、ブシャール結節とヘバーデン結節は骨の変形が進むと、関節近くにミューカスシストと呼ばれる水ぶくれができる場合があります。 ミューカスシストが破れたり潰れたりすると、感染症により骨髄炎が発症する可能性がある点も押さえておきましょう。 発生頻度 発生頻度は、ブシャール結節よりヘバーデン結節の方が高い傾向にあります。一般的には、ヘバーデン結節が発症し、進行によりブシャール結節が生じるケースが多く見られます。 ただし、ヘバーデン結節とブシャール結節は自己判断しにくい病気です。双方を見極める際は、問診や触診、レントゲン検査を行い診断します。 症状が見られた際は、自己判断せず早めに専門機関へ受診しましょう。なお、当院「リペアセルクリニック」では、メール相談やオンラインカウンセリングを受け付けております。ヘバーデン結節とブシャール結節どちらかわからずお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 原因 ブシャール結節とヘバーデン結節は、いずれも原因が明確にわかっていません。しかし、主な原因は以下のように考えられています。 加齢による関節の老化 遺伝的な要因 女性ホルモンの原因 指の酷使 ほかの病気により併発 など ブシャール結節とヘバーデン結節は40歳以降の女性、とくに閉経後の女性に多く発症することから、女性ホルモンが影響している可能性が指摘されています。 女性は閉経すると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少し、腱や関節に炎症が起きやすくなります。このことから、ブシャール結節とヘバーデン結節の原因の1つとして女性ホルモンが考えられます。 また、ブシャール結節とヘバーデン結節はピアニストや調理師など指先に負担がかかる仕事をしている場合にも、発症しやすいといわれています。 ブシャール結節をほっとくとどうなる?放置するリスク ブシャール結節を放置すると症状が悪化し、以下のリスクが生じます。 関節が変形する ミューカスシストが生じる 日常生活の動作が困難になる テレビのリモコンが押せなかったり、包丁が握れなかったりと日常生活に影響を与えます。また、ブシャール結節は重症化すると手術が必要です。 指を曲げる機能を担う腱を切除するほか、変形がひどい場合は人工関節置換術などを行う場合もあります。ブシャール結節は放置すると症状が進行する可能性もあるため、重症化を避けるためにも早期治療が大切です。 ブシャール結節の症状緩和を図るマッサージ法 ブシャール結節を発症した際に症状緩和を図る方法として、マッサージが効果的です。症状回復へ向けた代表的なマッサージ法は、以下の4つです。 手のひらを開閉する動きを繰り返す 関節を押す 関節を曲げ伸ばしする 手の甲の皮膚を伸ばす マッサージ法のやり方を以下で解説するので、ブシャール結節の早期回復を図れるよう無理のない範囲で取り入れましょう。 手のひらを開閉する動きを繰り返す 手のひらを開閉する動きを繰り返すと、水かき部分の筋肉を鍛えられます。水かき部分とは、指と指の間の皮膚部分で、マッサージを取り入れると関節痛を緩和する効果が期待できます。 やり方は、以下の通りです。 平らな場所に指を閉じた状態で手のひらをつける 指と指の間をできる限り大きく広げた状態をキープする 1と2の動作をゆっくり繰り返す 開閉の動きは、無理のない範囲でゆっくり時間をかけて行うのがポイントです。 関節を押す 関節を押すマッサージは、指の変形を防ぐのに効果的です。ブシャール結節が進行して指が変形すると、手術が必要になる場合もあるため症状が悪化しないよう取り入れましょう。 やり方は、以下の通りです。 平らな場所に痛みがある方の手のひらをつける 手をつけたら指を軽く広げる もう片方の手で上から指関節を抑える 手のひらでゆっくりプレスしたままキープする 1から4の動作を繰り返す 指先に過度な負荷をかけると逆効果となるため、強く押しすぎないよう注意しながら行うのがポイントです。 関節を曲げ伸ばしする 関節を曲げ伸ばしするマッサージでは、可動域を広げられます。ブシャール結節では、指の曲げ伸ばしの可動域が狭くなると痛みが生じるため、マッサージにより広げる訓練を取り入れるのが効果的です。 やり方は、以下の通りです。 痛みを感じる手を軽く握る 指を広げ、親指以外の4本を付け根から直角に曲げた状態で伸ばす 親指以外の4本指の第1関節と第2関節を曲げる 1から3の動作を繰り返す 指を動かしすぎず、無理のない範囲でゆっくりマッサージするのがコツになります。 手の甲の皮膚を伸ばす 手の甲の皮膚を伸ばすマッサージでは、指関節における筋肉の柔軟性を高められるため可動域を広げられる効果が期待できます。曲げ伸ばしの可動域が狭くなり痛みが生じないよう、柔軟性を高めましょう。 やり方は、以下の通りです。 壁に手をつけるように指先を上向きにした状態で伸ばす 片方の手で手のひら側から手の甲側へ向けて指関節を伸ばす 30秒程度行い元に戻す 1~3の動作を繰り返す 気持ち良いと感じる程度に、手のひらの筋肉をゆっくり伸ばすのがポイントです。 ブシャール結節における再生医療の可能性 ブシャール結節は症状が悪化し、変形がひどい場合は人工関節置換術と呼ばれる手術が必要になる可能性もあります。再生医療は、人工関節または手術を避けたい場合の選択肢の1つです。 再生医療の1つ「分化誘導」による関節治療では、幹細胞を神経や骨といった特定の組織に分化するように誘導します。 当院「リペアセルクリニック」では、幹細胞を冷凍せず投与に合わせて都度培養し、生存率を高めています。また、再生医療は入院が不要で日帰りで治療を受けられる点が特徴です。 当院ではメール相談やオンラインカウンセリングを受け付けておりますので、ブシャール結節の治療に関する悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/ まとめ・やってはいけないことを理解しブシャール結節の悪化を防ごう ブシャール結節でやってはいけないことには、指先に過度な負担をかけたり重いものを持ったりする行動が挙げられます。似た病名となるヘバーデン結節も同様の行動を避けることが、症状緩和へ向けた対策になります。 ブシャール結節を放置すると関節が変形するほか、日常生活に支障をきたすリスクが生じる点に注意が必要です。症状の進行状況によっては手術を要する場合もあるため、早期治療が大切といえます。 また、手術を避けたい場合の治療法には、再生医療があります。ブシャール結節を発症した際にやってはいけないことへの理解を深め、早期回復へ向けて症状を悪化させないようにしましょう。 ブシャール結節でやってはいけないことに関するよくある質問 ブシャール結節とコーヒーの関係性は? ブシャール結節の発症とコーヒー摂取との間に直接的な因果関係は、現在のところ科学的に証明されていません。 一部ではヘバーデン結節とコーヒー摂取の関連性について言及されることがありますが、明確な医学的根拠に基づくものではありません。 ただし、ヘバーデン結節とカフェインには相関関係が報告されています。カフェインには血流を悪くする可能性があるといわれており、ヘバーデン結節やブシャール結節の原因の1つに血行不良が考えられています。そのため、カフェインを含む飲み物を避けるのも予防策の1つです。 ブシャール結節は難病指定されていますか? ブシャール結節は難病指定されていません。発症原因が明確になっていませんが、ブシャール結節は指の関節における変形関節症です。難病指定されている結節性硬化症とは異なる病名のため、混在しないよう注意しましょう。 ブシャール結節は治りますか? ブシャール結節は指関節の軟骨がすり減り、変形により痛みや腫れなどの症状を引き起こす変形性関節症の一種です。完全に元の状態に戻す根本的な治療法は現状確立されていませんが、症状の進行を抑制し、痛みを軽減させるさまざまな治療法は存在します。 症状が進行すると日常生活に支障が出てくる場合もありますが、適切な治療と予防により症状の進行を遅らせて痛みの緩和が期待できます。 治療法としては、まず保存療法で症状の回復を図り、改善が見られない場合は手術を行うのが一般的です。
2025.03.31 -
- 手部、その他疾患
- 手部
ドケルバン病とは、手首の親指側に位置する腱鞘で起こる炎症です。しかし、腱鞘炎とどのような違いがあるのかわからず、戸惑う方も多いでしょう。 腱鞘炎は炎症が起こる部位によって病名が異なり、ドケルバン病はその一種で手首の親指側に痛みが生じる場合に起こる病気です。 本記事では、ドケルバン病と腱鞘炎の違いを解説します。腱鞘炎の一種となるバネ指との違いもまとめているので、腱鞘炎について正しく理解したい方は参考にしてください。 \まずは当院にお問い合わせください/ ドケルバン病と腱鞘炎の違い ドケルバン病と腱鞘炎の違いは、以下の通りです。 ドケルバン病 手首の親指側に位置する長母指外転筋腱(ちょうぼしがいてんきんけん)と短母指伸筋腱(たんぼししんきんけん)と呼ばれる腱鞘で起こる炎症 腱鞘炎 体中に位置する腱鞘で起こる炎症の総称 つまり、ドケルバン病は腱鞘炎の一種になります。手首の親指側に痛みを感じる場合は、ドケルバン病の可能性が高いといえます。腱鞘炎は炎症が起こる部位によって病名が異なることを覚えておきましょう。 【腱鞘炎の一種】ドケルバン病とバネ指の違い 手や手首の腱鞘炎は、ドケルバン病とバネ指の2つが代表的です。ドケルバン病とバネ指の違いは、以下の4つです。 症状 発症部位 原因 治療期間の目安 項目別に違いを解説するので、ドケルバン病とバネ指の異なる点を知りたい方は参考にしてください。 症状 ドケルバン病とバネ指における症状の違いは、以下の通りです。 ドケルバン病 バネ指 親指を動かしたり力を入れたりすると親指側の手首に痛みを感じる 親指側の手首まわりが腫れる 親指側の手首まわりに力が入らなくなる 指が伸ばしにくいと感じる 指を動かす際に引っかかりを感じる 指が曲がらなくなる ほかの指も動かしにくくなる ドケルバン病とバネ指は、いずれも指の動かしにくさを感じる場合があります。ただし、ドケルバン病の方が、指を動かした際に痛みを伴いやすい点が違いになります。 いずれの症状が見られたとしても、指が動かしにくかったり伸ばしにくかったりする場合は、放置せず早めに治療を受けましょう。 発症部位 ドケルバン病とバネ指は、発症部位に違いが見られます。主な発症部位は、以下の通りです。 ドケルバン病 バネ指 手首の親指側に位置する腱鞘あたり 親指・中指・薬指のAIプーリー(手のひらの付け根あたり) バネ指は、主にA1プーリーと呼ばれる組織で発症します。症状が悪化するとAIプーリーで引っ掛かりを感じ、押すと痛みを伴いやすい点がバネ指の特徴です。 ただし、バネ指を放置すると関節が硬くなって動かしにくくなる拘縮(こうしゅく)を引き起こします。 拘縮は、指の付け根から1番目の関節で起こる点も押さえておきましょう。腱鞘炎を疑った場合は、痛みや違和感を覚える部位をチェックしてみると、ドケルバン病とバネ指どちらか判断できます。 原因 ドケルバン病とバネ指を引き起こす主な原因は、以下の通りです。 ドケルバン病 バネ指 原因 手指の酷使やホルモンバランスの変化により、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱で腱鞘炎が起こり、靭帯性腱鞘内(じんたいせいけんしょうない)でスムーズに動かせなくなる 手指の酷使やホルモンバランスの変化により、腱と靭帯性腱鞘の間に炎症を起こし、滑りが悪くなる 好発しやすい人の特徴 更年期の女性 妊娠出産期の女性 手指を使うスポーツ・仕事をしている人 糖尿病患者 リウマチ患者 透析患者 など ドケルバン病とバネ指は、いずれも手指の使い過ぎによって発症します。なかには、スマートフォンの使い過ぎが原因の症例も見られます。 ドケルバン病とバネ指は原因から見極めにくいため、どちらの症状が発症しているか判断する際は医療機関で検査・診断しましょう。 治療期間の目安 ドケルバン病とバネ指の治療期間は症状によって異なり、数週間〜数カ月が目安になります。早期治療した場合は、4週間〜6週間ほどで症状の改善が期待できます。 早期回復には、安静に過ごすことが大切です。とはいえ、乳幼児をお世話したり手指を使う仕事をしていたりと、なかには安静に過ごすのが難しい方もいます。 手や指を使う必要がある際は、テーピングを使用してできる限り負担を軽減しましょう。安静にしていても症状の回復が見られない場合は、医療機関に相談するのがおすすめです。 【腱鞘炎】ドケルバン病を放置すると生じるリスク 腱鞘炎の一種となるドケルバン病を放置すると、症状が重症化して痛みにより指を動かせなくなる場合があります。放置により重症化した場合、日常生活において以下の支障をきたす可能性があるため注意が必要です。 箸が持てなくなる ペットボトルの蓋が開けにくくなる 硬貨を持てなくなる タオルが絞れなくなる フライパンが持てなくなる など ドケルバン病をはじめとする腱鞘炎は、慢性化しやすいだけでなく手や指に影響を及ぼすため、仕事や日常生活に支障をきたす可能性があります。 手や指に違和感を覚えた際は仕事や日常生活に影響を与えないよう、早めに医療機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、メール相談やオンラインカウンセリングを受け付けております。ドケルバン病の症状回復が見込めずお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 腱鞘炎の重症度(チェックポイント) 腱鞘炎は安静に過ごしているうちに、症状の回復が見込める場合もあります。しかし、注意しなければ手術が必要になるほど重症化するケースも珍しくありません。 腱鞘炎の重症度をチェックするポイントは、以下の通りです。 日常生活に支障をきたす 手首の腫れが悪化している 指の動きに異常をきたしている 手にしびれがある 症状の悪化を防ぐためにも、ご自身に該当するものがないかチェックしていきましょう。 日常生活に支障をきたす 手首や指の痛みが強く、日常生活で支障が出ている場合は症状が進行している可能性が考えられます。症状の進行が考えられる主な状況は、以下の通りです。 痛みで眠れない 物を持ち上げると痛い ペンを握ると痛い 仕事や家事に影響を及ぼすほどの痛みを感じる場合は、悪化しているケースがあります。症状が進行しないためにも、生活に支障をきたしているときは早めに医療機関を受診するのがおすすめです。 手首の腫れが悪化している 安静にしているにもかかわらず、手首の腫れが悪化している場合は炎症が強くなっている可能性があります。一般的に、腱鞘炎は治療を進めていくと炎症が引いて痛みが軽減するためです。 症状の改善が見込めない場合、悪化により次第に手首や指の動きが制限されるケースも少なくありません。症状の回復にも時間がかかってしまう可能性があるため、腫れが引かないときは放置せず医療機関を受診しましょう。 指の動きに異常をきたしている 指の動きに異常がある場合は、腱鞘炎が悪化している可能性が考えられます。指や手首がスムーズに動かず、動作が困難な状態だと保存療法での改善が見込めない場合もあるためです。ひどい場合は、起床時に指が曲がったまま伸びないケースも珍しくありません。 また、指を曲げた際、引っかかるような感覚があるときも注意が必要です。腱鞘炎は症状が進行してしまったり慢性化したりすると、手術が必要になるケースがあります。 手術を避けるためにも、初期症状の段階で治療を適切に行うことが重要です。 手にしびれがある 腱鞘炎において、手のしびれを感じた場合は注意が必要です。手のしびれや麻痺の症状が見られた場合は、神経が圧迫されている可能性が考えられます。 症状が進行しているケースがあるため、手にしびれを感じた場合はすぐに医療機関を受診しましょう。 しびれにより指の力を入れられず、けがをするリスクも生じます。 腱鞘炎でしびれによる違和感を覚えた場合は、重症度が高い可能性が考えられるため、自然に治ると放置せず医療機関に相談するのが重要です。 腱鞘炎の症状が悪化した際は再生医療を検討するのも手段の1つ 腱鞘炎の症状が悪化し、日常生活に支障を及ぼす場合に適した治療法の1つが再生医療です。再生医療の1つとなるPRP療法は、血液に含まれる血小板成分を抽出する治療法になります。ご自身の血液を利用するため体への負担が少ないだけでなく、手術や入院が不要です。 PRP療法は手術を避け、日常生活を送りながら腱鞘炎の治療を受けたい場合に適した治療法になります。 「リペアセルクリニック」では、メール相談やオンラインカウンセリングを受け付けておりますので、治療に関する悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。 ドケルバン病と腱鞘炎の違いを理解して適切な治療を受けよう ドケルバン病は腱鞘炎の一種で、炎症が起こる部位によって病名が違います。腱鞘炎はドケルバン病とバネ指に分類され、症状や発症部位に違いが見られます。 いずれも一般的には安静にすると自然治癒が期待できますが、日常生活に支障をきたしたり手がしびれたりした場合は症状が進行している可能性があるため注意が必要です。 重症度が高いと手術を行う必要もあるので、違和感を覚えた場合は医療機関を受診しましょう。また、保存療法で改善が見込めない場合は再生医療を検討するのも手段の1つです。 ドケルバン病と腱鞘炎の違いを理解して、適切な治療プランを検討しましょう。
2025.03.31 -
- 手部、その他疾患
- 手部
ドケルバン病は腱鞘炎の一種で、手首を中心に痛みを引き起こします。この痛みで悩んでいる方のなかには、「病院へ行くべきか」と疑問を持つ方も多いでしょう。 日常生活で手を使わずに過ごすことは難しく、ドケルバン病を放置すると症状が悪化するリスクが高まります。適切な治療を受けるためにも、手首に痛みを感じる場合は、悪化する前に病院に行くべきです。 今回は、ドケルバン病になったら病院へ行くべき理由や放置するリスクを解説します。簡単にできるセルフケア方法もまとめているので、ぜひ参考にしてください。 ドケルバン病は悪化する前に病院へ行くべき ドケルバン病は悪化する前に治療を始めることで、痛みや症状を軽減し、回復を早められます。ドケルバン病の具体的な受診目安は、以下の通りです。 手首に強い痛みを感じる 手首から親指の付け根まで痛みが広がっている 痛みや症状が1〜2週間ほど続く ドケルバン病の初期には、痛みを感じる動作をやめると症状が改善する場合がほとんどです。しかし、再び動作をしたときに、あらためて痛みが現れるケースも珍しくありません。痛みが強く、日常生活に支障をきたすようであれば、早めに医療機関を受診しましょう。 ドケルバン病の原因やセルフチェック方法を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 ドケルバン病になったら病院へ行くべき理由 ドケルバン病になったらなぜ病院へ行くべきなのか、主な理由は以下の3つです。 痛みを繰り返す可能性があるため 別の疾患との区別が難しいため 症状によって注射療法や手術療法を必要とするため 以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。 痛みを繰り返す可能性があるため ドケルバン病は痛みを繰り返す可能性が高く、なかなか自然治癒に至らない疾患です。そのため、できるだけ早めに病院へ行き、適切な治療を受けることをおすすめします。 日常生活では手首や親指を使う動作が多く、その分、ドケルバン病による痛みは繰り返したり長引いたりしやすくなります。 また、症状が悪化すると、日常生活や仕事にも支障が出るようになるため注意が必要です。 別の疾患との区別が難しいため ドケルバン病の症状は、ほかの疾患と類似しているため、病院へ行って診断を受けておくと安心です。 たとえば、ドケルバン病と似たような症状の疾患として、リウマチや細菌感染症などが挙げられます。仮にリウマチのように手の関節痛を引き起こす疾患である場合、重症化すると関節の腫れ、手や指の変形などが生じる可能性があります。 ドケルバン病を含む腱鞘炎と別の疾患を区別することは簡単ではありません。ドケルバン病が疑われる場合は、自己判断をせず、病院へ行くようにしましょう。 症状によって注射療法や手術療法を必要とするため ドケルバン病の初期には、安静と痛みのコントロールで症状が改善する場合がほとんどです。しかし、保存療法で症状が改善しない場合には、注射療法や手術療法を検討する必要があります。 ドケルバン病の症状の程度に応じて、以下のようにさまざまな治療法があります。 治療法 症状の程度 治療内容 安静 軽度 患部を安静にする 装具(サポーターなど)を使って手首を固定する 薬物投薬 軽度 湿布や塗り薬で炎症を抑える 抗炎症薬(ロキソニンやカロナールなど)を内服する ステロイド注射 中度 腱鞘内ステロイド注射をして炎症を抑える 症状に応じて複数回にわたって注射する 手術 重度 腱鞘切開手術をおこなう 手首の親指側の腱鞘を露出させ、腱の通っている方向にあわせて切開する 症状や痛みの程度によって適切な治療法が異なるため、医師に相談の上、自分に合った方法を選択しましょう。 ドケルバン病は放置するほど完治までに時間がかかる ドケルバン病は放置するほど、症状が悪化し、完治までに時間がかかります。 たとえば、ドケルバン病の症状が現れているにもかかわらず手首を使い続けると、親指や前腕にも痛みが広がる可能性があります。また、関節が固まって動かしにくくなり、手術が必要になるリスクも少なくありません。 ドケルバン病は早期に治療を始めれば、保存療法で症状の改善が見込める疾患です。日常生活や仕事への影響を長引かせないためにも、ドケルバン病は放置しないようにしてください。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。ドケルバン病の症状がなかなか改善せずにお困りの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 ドケルバン病と腱鞘炎の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。 \まずは当院にお問い合わせください/ ドケルバン病の主なセルフケア方法 ドケルバン病ですぐに病院へ行けない場合や、少しでも痛みをやわらげたい場合は、以下のようなセルフケアがおすすめです。 セルフマッサージをする 指や手首のストレッチをする テーピングやサポーターを使用する 自宅で気軽にできる方法ばかりなので、ぜひ参考にしてください。 セルフマッサージをする ドケルバン病による炎症を抑えるためには、軽いセルフマッサージが効果的です。手首や親指の付け根を優しく揉みほぐすことで血行が促進され、痛みの軽減が期待できます。 具体的には、1回あたり30秒前後、1日3回を目安に親指の付け根周辺を反対の手のひらで軽くマッサージしましょう。手首や親指をマッサージする際は、力を入れすぎず、リラックスした状態でおこなうことがポイントです。 手首や指のストレッチをする ドケルバン病のセルフケア方法として、手首や指のストレッチがあります。軽いストレッチは、手首や親指周辺の筋肉、関節の可動域を保つことにつながり、痛みを予防する効果が期待できます。 ドケルバン病に有効なストレッチ方法は、主に以下の3つです。 手首のストレッチ 手のひらを前に向ける 反対の手で指先を掴む ゆっくりと手首を後方に引っ張る 親指のストレッチ 手のひらを上に向ける 反対の手で親指を軽く引っ張る 手首の回転運動 手のひらを下に向ける ゆっくりと手首を回転させる 時計回りと反時計回りにそれぞれおこなう なお、痛みを感じたらすぐにストレッチを中止してください。とくに痛みが強い場合は、無理にストレッチをすると症状が悪化する可能性があるので注意しましょう。 ドケルバン病のストレッチ方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。 テーピングやサポーターを使用する テーピングやサポーターの使用も、ドケルバン病のセルフケア方法の一つです。痛みがある場合は、テーピングやサポーターで親指や手首を固定すると、無理な動きから関節を保護し、炎症の悪化を防げます。 とくに家事や仕事などで手を使う動作が避けられないケースでは、サポーターの使用によって、日常生活における負担を軽減できます。 また、テーピングは市販の伸縮性があるもので十分です。親指の第2関節から手首の親指側に1本、親指の第1関節からもう1本テープを貼り、患部を固定します。 テーピングやサポーターを使用し、患部にかかる負担を減らせると、症状の改善が期待できます。 ドケルバン病の治療における再生医療の可能性 保存療法やステロイド注射などで症状の改善がみられない場合は、再生医療による治療も選択肢の一つです。再生医療には、幹細胞を採取・培養して注射する幹細胞治療や、血液を利用するPRP療法などがあります。 リペアセルクリニックでは、関節の炎症に対する再生医療をおこなっています。当院の幹細胞治療では、米粒2〜3粒ほどの脂肪から十分な量の細胞を培養できるため、従来の治療法と比較して身体への負担が少なくて済む点が特徴です。 再生医療による治療法や具体的な症例については、以下のページで詳しく解説しています。 なお、リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。ドケルバン病の治療法でお悩みの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 まとめ・ドケルバン病の受診目安を把握して病院を受診しよう ドケルバン病は、初期であれば患部の安静や痛みのコントロールによって、症状の改善が期待できます。しかし、痛みが強い場合や、症状が1〜2週間ほど続く場合には、自己判断せずに病院を受診するようにしてください。 ドケルバン病は悪化すると、手首や指の関節が固まって動かしにくくなったり、痛みの範囲が広がったりして、ステロイド注射や手術が必要になる可能性があります。 セルフケアに取り組みながらもなかなか症状が改善しない場合は、早めに病院へ行きましょう。
2025.03.31 -
- 手部、その他疾患
- 手部
「ストレッチでドケルバン病の痛みは改善する?」「どんなストレッチをすればいい?」と悩んでいませんか? ドケルバン病の症状を和らげるには、日ごろから手首や指のケアを意識することが大切です。日常的にストレッチを取り入れると痛みの緩和が期待できます。 本記事では、自宅や職場などで手軽にできるストレッチ方法を紹介します。さらに、ストレッチを行う際の注意点や予防法も解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 ドケルバン病とは ドケルバン病は狭窄性腱鞘炎(きょうさくせいけんしょうえん)とも呼ばれ、腱鞘炎の一種です。手首の親指側にある2本の腱が通っている、腱鞘というトンネル状の組織が炎症を起こし、痛みが生じます。 指の腱鞘炎の一種である「ばね指」とは異なり、指の曲げ伸ばしで引っかかる症状はなく、親指の付け根や手首の痛みが主な特徴です。 ドケルバン病の主な症状 親指を動かすと、親指側の手首が痛む 親指側の手首が熱を持つ 手首の親指側が腫れる ドケルバン病になる原因 親指・手の使いすぎ 女性ホルモンの変化 ドケルバン病になりやすい人の特徴 手や指をよく使う仕事をしている人 手や指をよく使うスポーツをする人 長時間スマートフォンを片手で操作する人 妊婦や更年期の女性 ドケルバン病になる人は女性の割合が多く、中でも妊娠出産期や更年期の時期であり、女性ホルモンの変化が関係しています。 美容師やピアニスト、ゴルファーなど、手や親指を酷使する職業の人はドケルバン病になりやすいとされています。また、スマートフォンを親指で操作する習慣もドケルバン病を引き起こす一因です。 日ごろの何気ない動作で手や手首に負担をかけているかもしれません。手首が痛くなったら、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。 \まずは当院にお問い合わせください/ ドケルバン病においてストレッチは有効なのか ドケルバン病の治療は安静が基本ですが、ストレッチも有効です。ストレッチは腱の働きを高め、腱鞘を広げて圧迫を取り除き、柔軟性を改善する効果があります。 逆に手首や親指を動かさないよう安静にしすぎても関節が衰えてしまい、動きが悪くなってしまう場合もあるので注意が必要です。 ドケルバン病は手を使う頻度が多ければ多いほど、発症しやすく治りにくくなります。痛みを放置していると、手を動かせなくなるケースもありますので日ごろのケアが大切です。 無理をせず、できる範囲で適度なストレッチをして、症状の緩和を目指しましょう。 ドケルバン病のストレッチ方法3選 ドケルバン病の症状を和らげる効果が期待できる、手軽なストレッチを3つ紹介します。場所を選ばず、いつでもできてコストもかからないので、仕事の合間や休憩時間に取り入れて習慣にしましょう。 ストレッチ自体はドケルバン病の根本的な治療にはなりませんが、無理のない範囲で続けると、手首の負担を減らし、症状の悪化を防ぐのに役立ちます。 指のストレッチ方法 ドケルバン病を防ぐための、血行を良くする指のストレッチは以下の通りです。できる限りリラックスした状態でストレッチを行いましょう。 痛みの症状がある方の手首を反らす 手の指を一本持つ 指を10秒間甲側へ反らす 他の指も同様にストレッチする 1~4を2、3回繰り返す このストレッチでは指の筋肉がほぐれ、腱の負担が軽くなります。継続して行うと柔軟性が向上し、手や指の負担を軽減する効果が期待できます。 手首のストレッチ方法 次は、手首周りの血行をよくするストレッチ方法です。以下の手順でストレッチをしてみましょう。 手首の痛みがある方の腕を前に伸ばす 手のひらを下に向ける 反対側の手で指をつかむ ゆっくりと手前へ引っ張る 10秒間伸ばしゆっくりと戻す また、以下のストレッチ方法もあります。 手を机やテーブルに置く 反対の手で人差し指から小指をつまむ 10秒間ゆっくり反らせる 反対側の手も同様にストレッチする いずれも複数回、繰り返しストレッチしてみましょう。自宅や職場などでも簡単に行えるので可能な範囲で取り入れることが大切です。 腕のストレッチ方法 ドケルバン病はひどくなると腕にも痛みが広がります。腕のストレッチは、手首を反らす動きや手を握るときに使う長橈側手根伸筋(ちょうとうそくしゅこんしんきん)を伸ばすことが重要です。この筋肉は親指側の手首を支える役割があり、ドケルバン病において負担がかかりやすい腕の筋肉の一つです。 椅子に座る 右ひじを伸ばして前に出す 右手のひらをお腹の方向に向ける 左手で指の付け根をつかむ 右手は楽にして力を抜き左手を手前に引っ張る 反対側の手も同様に行う 長橈側手根伸筋のストレッチには筋肉の緊張をほぐす効果があるため、ドケルバン病の痛みを和らげる効果が期待できます。ストレッチは、入浴後の全身が温まった状態で行うとより効果的です。 【悪化する?】ドケルバン病のストレッチで注意すべきポイント ドケルバン病においてストレッチは症状緩和の効果に期待ができますが、方法や強さに注意が必要です。 ストレッチを行う際に注意すべきポイントは下記の通りです。 リラックスした状態でゆっくり行う 素早く繰り返さない 無理に伸ばさない 痛みが強いときは無理に行わない ストレッチのやり方を間違えてしまったり、無理に引っ張ったりすると、悪化してしまう可能性もあります。痛みを伴わず、気持ちよく伸びている程度でストレッチを行いましょう。痛みが出た場合はすぐにストレッチをやめて、手首を休めることが大切です。 ドケルバン病になったらやってはいけないこと ドケルバン病になったら避けるべき行動は、以下の通りです。 長時間手を使う 重いものを持ち上げる 痛みを放置する 以下で、それぞれ見ていきましょう。 長時間手を使う パソコンやスマートフォンの長時間の継続的な作業は避けましょう。パソコンの作業においては、マウスに手を置いてクリックをしたり、キーボードで文字を入力したりする動作が指や手首の負担につながります。スマートフォンの片手操作も指に負担をかけています。 長時間手を使う作業をする場合は、反対の手を使う工夫をして、利き手の負担を減らすことが大切です。 また、こまめに休憩をはさみ、手首や指を軽く動かしたり、ストレッチを取り入れたりすると負担が和らぎます。 重いものを持ち上げる 重いものを持ち上げる動作は、指や手首への負担が大きくなります。とくに赤ちゃんを抱っこして頭を支える際に、親指を広げて支えると負担がかかり、発症の一因にもなっています。育児や介護において人を抱き上げる機会が多い人は注意が必要です。 重いものを持ち上げたり運んだりするときは、手を体幹に引き寄せて、必要に応じて両手を使いましょう。 痛みを放置する ドケルバン病の痛みは放っておかないようにしましょう。初期症状は軽いかもしれませんが、治療タイミングが遅くなると完治に時間がかかるケースも少なくありません。指や手首の痛みや腫れ、熱、動かしづらさなどの初期症状が出たらなるべく動かさないようにします。 また、症状があるのに放置すると痛みの範囲が広がり、手首だけではなく、前腕にも痛みが広がる可能性もあります。 痛みや違和感が出たら、無理をせずに早めに病院を受診してください。早めに適切な対処をすると悪化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えられるでしょう。 ドケルバン病におけるストレッチ以外の予防法 ドケルバン病にはストレッチを継続的に行う以外に下記の予防法があります。日々の生活の中で気を付けるようにしましょう。 手首と親指を長時間使わないようにする パソコンを長時間作業するときは1時間に一度休憩をはさむ スマートフォンは両手で操作する サポーターをつける ドケルバン病を予防するためには、手や指を酷使しないことが大切です。普段から長時間同じ作業をしないように意識し、マウスの代わりにテンキーを使ったり、キーボードの位置を調整したりして、手首にひねりが加わらないようにします。 また、サポーターで手首の過度な動きを制御したり関節を保護したりすると、症状緩和の効果が期待できるでしょう。 ドケルバン病はストレッチで症状の改善を図ろう ドケルバン病は症状が軽傷のうちに、ストレッチを意識的に取り入れることで痛みの改善や予防が期待できます。手首や指の血行を良くし、筋肉の緊張をほぐすと、痛みが和らぐ可能性があります。 また、ドケルバン病では手首と指を安静にすることも大切です。長時間手や指を使う作業をするときは、こまめに休憩をとり、利き手を酷使しないように心がけましょう。 ストレッチを続けても痛みが改善しない場合や、かえって悪化する場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。 \まずは当院にお問い合わせください/
2025.03.31 -
- ヘバーデン結節
- 手部
ヘバーデン結節は、指の関節が変形し痛みや腫れが生じる病気です。初期症状が軽いため見過ごされがちですが、進行すると日常生活に支障をきたす可能性があります。 また、ヘバーデン結節と診断された方の中には「コーヒーは控えた方がいいのか」と悩む方もいるでしょう。 本記事ではコーヒーがヘバーデン結節に与える影響について解説します。さらに、食事で気を付けるポイントや、積極的に摂りたい食品についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。 【基礎知識】ヘバーデン結節とは ヘバーデン結節は、指の第1関節が変形し痛みが生じる、変形性膝関節症の一種です。加齢や指の使い過ぎにより、骨と骨の間にある関節軟骨がすり減って、骨同士がぶつかるようになり炎症が起こります。 ヘバーデン結節の症状や原因、なりやすい人の特徴は以下の通りです。 ヘバーデン結節の主な症状 指の第1関節が変形して曲がる 痛みや腫れ 指のこわばり 水ぶくれ(ミューカスシスト)のようなものができる場合もある ヘバーデン結節になる原因 不明 ホルモン分泌量の低下 ヘバーデン結節になりやすい人の特徴 40代以降の女性(特に更年期以降) 手や指をよく使う人 肥満の人 ヘバーデン結節の症状が出る指は主に人差し指から小指で、第1関節の甲側に2つのコブ(結節)ができるのが特徴です。 ヘバーデン結節の症状は40代以降の女性に多くみられ、更年期以降の女性ホルモン分泌量の低下が一因と考えられています。また、発症しやすい人の特徴は、長年農作業をしている人や裁縫、刺しゅう、ピアニストなど手や指を酷使する人です。 ヘバーデン結節が進行すると、指が変形する可能性があります。症状がある場合は放置せずに、早めに医療機関を受診しましょう。 \まずは当院にお問い合わせください/ コーヒーがヘバーデン結節に及ぼす影響 ヘバーデン結節の人は「コーヒーを控えた方がいい」と聞いたことがあるでしょう。しかし、現時点ではコーヒーがヘバーデン結節に影響を及ぼすという医学的根拠はありません。一方で、コーヒーに含まれるカフェインや砂糖が炎症を引き起こしている可能性があります。 ここでは、コーヒーがヘバーデン結節に及ぼす影響について解説します。 カフェインが及ぼす影響 コーヒーに含まれるカフェインが、ヘバーデン結節の症状を悪化させるという医学的根拠はありません。しかし、血流への影響が痛みを悪化させている可能性があります。 カフェインには交感神経を刺激し血管を収縮させる作用があるため、血流が悪くなり痛みがひどくなる可能性が考えられます。また、「カフェインを減らしたら改善した」という声もあるようです。 カフェインが気になる方は、コーヒーをカフェインレスに変えたり、緑茶や紅茶の代わりにルイボス茶やハトムギ茶を飲んだりするのもよいでしょう。 砂糖が及ぼす影響 砂糖を過剰に摂取しすぎると炎症を引き起こし、ヘバーデン結節の悪化につながる可能性があります。砂糖を摂りすぎると、体内のたんぱく質と結びつき、細胞や肝臓に炎症を引き起こします。慢性的な炎症は、関節の痛みや腫れを悪化させる要因です。 コーヒーに砂糖を多めに入れる習慣がある方は、知らないうちに過剰摂取している可能性があります。 糖分は必要不可欠な栄養素ですが、適切な量でバランスよく摂取しましょう。 ヘバーデン結節になったら食べてはいけないもの ヘバーデン結節になったら控えた方がいい食べものは下記の3つです。 糖分の多い食品 リン酸を多く含む食品 アルコール飲料 摂りすぎると、炎症や痛みを促進させる可能性があります。ヘバーデン結節の方は、過剰に摂取しないよう気を付けましょう。 糖分の多い食品 日常的に糖分の多い食べものを摂取していると、関節の痛みや炎症を悪化させる可能性があります。糖分を多量に摂ると血糖値が上昇し、関節周りの炎症を引き起こしやすくなります。 以下は、日常的によく食べるものの中で糖分や糖質が多い食品です。 チョコレートやケーキ 甘い飲み物 白米やパン 調味料 チョコレートやジュース、甘い食べものはもちろん、炭水化物は消化されるとブドウ糖に変わり血糖値を引き上げます。 糖分や糖質の摂取を減らす意識をすると、関節の負担を軽減できるでしょう。 リン酸を多く含む食品 ヘバーデン結節の症状がある方は、リン酸を多く含む食品を過剰に摂取しないようにしましょう。特に加工食品に多く含まれるリン酸は、カルシウムの吸収を妨げ、骨や関節に悪影響を与える可能性があります。 リン酸を多く含む食べものは以下の通りです。 インスタント麺 ハムやソーセージなどの加工食品 スナック菓子 ファストフード リン酸は食品添加物に多く含まれているため、加工食品やカップ麺などを頻繁に食べる方は、摂りすぎに注意しましょう。 アルコール飲料 ヘバーデン結節になったら、アルコールの摂取は控えましょう。アルコールを飲むと血管が拡張して、関節周りの痛みを促進させる可能性があります。 飲酒後に指の痛みが強くなったり、腫れがひどくなるという症例も報告されているため注意が必要です。また、過剰な飲酒は腎臓に負担をかけ、腎機能の低下を引き起こす要因となります。 腎機能が低下するとカルシウム代謝に影響を及ぼし、骨が弱くなり、ヘバーデン結節の症状が悪化する恐れがあります。 お酒を飲む際は適量を守り、飲み過ぎないように意識することが大切です。 ヘバーデン結節になったら食べたほうがいいもの ヘバーデン結節になったら食べたほうがいいものは次の3つです。 大豆製品 青魚 乳製品・小魚 ヘバーデン結節には、これを食べれば症状が改善するというものはありませんが、食べるものを意識すると炎症や痛みが軽減できる場合があります。 以下で詳しく解説します。 大豆製品 ヘバーデン結節の症状がある方は、納豆や豆腐、味噌などの大豆製品を積極的に摂るようにしましょう。ヘバーデン結節患者の8割以上が女性であり、特に更年期以降の方が多いため、女性ホルモンが関係している可能性があると言われています。 更年期になると卵巣機能が低下して、エストロゲンの分泌が乱れ、関節の痛みや変形が起こりやすくなると考えられています。 大豆製品に含まれるイソフラボンはエストロゲンと似た働きを持つ成分です。イソフラボンを含む大豆製品を摂ると、エストロゲンの減少による影響を補い、関節の痛みや変形の進行を抑える効果が期待できます。 食事から取り入れやすい大豆製品を活用し、ヘバーデン結節の症状緩和を目指しましょう。 青魚 サバやイワシなどの青魚は、ヘバーデン結節の痛みを緩和する効果が期待できます。青魚に多く含まれるDHAとEPAは、抗炎症作用がある脂肪酸です。DHAとEPAには炎症を抑える働きがあるため、痛みや腫れの軽減に役立つと考えられています。 サバやイワシは焼き魚として食べるのはもちろん、缶詰でも手軽に入手できるので、日ごろの食事に取り入れやすい食材です。 ヘバーデン結節の症状がある方は意識して青魚を食べるようにしましょう。 乳製品・小魚 乳製品や小魚は、ヘバーデン結節の症状がある方は積極的に摂った方がよい食べものです。乳製品や小魚にはカルシウムが豊富に含まれており、骨や関節の強化に役立ちます。 カルシウムは骨の生成だけではなく、細胞の機能や神経伝達においても重要な働きをします。生きるうえで血液内に一定のカルシウムが存在していなくてはなりません。 血中のカルシウムが不足すると、歯や骨から補うことになります。血中のカルシウムが不足した状態が続くと、歯や骨密度が低下して、もろくなってしまうのです。 ただし、マグネシウムが不足していると摂取したカルシウムが骨に届かず、炎症部分に沈着してしまう可能性があります。カルシウムとマグネシウムをバランスよく摂ることが大切です。 ヘバーデン結節における再生医療の可能性 ヘバーデン結節の治療法には主に、「保存療法」「手術療法」「再生医療」があります。多くの方は、炎症や痛みを抑えて指の機能をできるだけ維持するために保存療法を選択されます。 しかし、保存療法で十分な改善がみられない場合、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療では身体の自然治癒力を高め、損傷した組織や機能を修復・再生を目的としています。主な治療法として、生きた幹細胞を活用する幹細胞治療や血液を利用するPRP療法があり、手術せず治療できる点が特徴です。 リペアルセルクリニックでは、ヘバーデン結節の痛みや変形に対する再生医療を行っています。保存療法で効果を感じにくい方や手術を避けたい方は一度ご相談ください。 ヘバーデン結節におけるコーヒーと食事の関係を正しく理解しよう コーヒーがヘバーデン結節に及ぼす影響については、現時点では医学的根拠がありません。しかし、コーヒーに含まれるカフェインや砂糖が、痛みや炎症を促進させる可能性はあるでしょう。 日ごろから糖分や糖質を控えめにして、アルコールの摂取を減らすなど食事に気を付けると、痛みや炎症の緩和が期待できます。 どのような食べものを選ぶべきか正しく理解して、ヘバーデン結節の症状をやわらげるために食生活を見直してみましょう。
2025.03.31 -
- 手部、その他疾患
- 手部
乾癬性関節炎かもしれないけど、何科を受診するべきかわからない 乾癬性関節炎の症状別の受診先を知りたい 関節に腫れや違和感、皮膚の発疹に爪の変化が現れ、乾癬性関節炎の症状かもしれないと思っても、何科を受診するべきかわからないとお悩みではないでしょうか。 乾癬性関節炎とはどんな症状なのか 【症状別】乾癬性関節炎の受診先 乾癬性関節炎の診断基準 乾癬性関節炎になった場合の治療法 乾癬性関節炎は症状によって受診先が変わります。また、乾癬性関節炎についても詳しく紹介します。 乾癬性関節炎でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。 乾癬性関節炎とは 原因 説明 免疫異常 自己免疫の働きが過剰になり、関節や皮膚に影響を与えることがある 遺伝的要因 家族に乾癬や関節炎のある場合、発症リスクが高まる可能性がある 環境要因 感染症や気候の変化などが影響し、症状が出ることがある 皮膚の乾癬 乾癬を発症している人は、関節の症状が現れることがある 乾癬性関節炎(PsA)は、乾癬(皮膚の疾患)と関節炎が合併した疾患です。日本人では乾癬を発症した方の10~15%に発症すると言われています。(文献1) 症状は多岐に渡り、以下に分類されます。 末梢関節:手足の指の第1関節(DIP関節)を中心に、左右非対称に多関節が侵される 腱付着部炎:アキレス腱や膝蓋腱など、腱・靭帯といった骨に付着する部位に違和感が生じる 指趾炎:手足の指がソーセージの様に腫れることがあり、特に足の第3・4趾によく見られる 脊椎関節炎:背骨や仙腸関節に炎症が起こり、腰痛を発症する(安静時に強くなり、動き出すと改善する) 爪病変:爪の一部の剥離、肥厚、凹みなどの変化が見られる (文献1)(文献2) 2025年現在時点では、乾癬性関節炎が引き起こされる明確な原因やエビデンスは存在せず、根本的な治療法も見つかっていません。 (文献3) 症状が進行し、関節の変形などが引き起こされ、日常生活に支障をきたす可能性があります。 症状の種類としては、関節・皮膚・その他の症状(爪や眼など)があります。症状が合併する可能性もあり、早期の診断と適切な治療が大切です。 【症状別】乾癬性関節炎の受診先 症状 推奨される受診科 説明 皮膚症状 皮膚科 皮膚の発疹や爪の変化が主な症状の場合は、皮膚科を受診 関節症状 リウマチ科(膠原病科) 関節の腫れやこわばりが主な場合は、リウマチ科(膠原病科)を受診 皮膚症状と関節症状の両方 科が連携している医療機関 皮膚症状と関節症状が両方ある場合、専門科が連携している医療機関を選ぶのが望ましい 乾癬性関節炎の受診先は、症状によって異なります。そこで本項目では、症状別で乾癬性関節炎の受診先を解説します。 また、乾癬性関節炎の初期症状について詳しく知りたい方は以下の関連記事をご確認ください。 皮膚症状の場合|皮膚科 乾癬性関節炎の症状が主に皮膚の場合、皮膚科の受診が推奨されます。 乾癬の発症から時間が経過していない場合、別の皮膚病である可能性も高いです。皮膚科を受診する際は、皮膚の症状だけでなく、関節の違和感についても伝えましょう。 関節症状の場合|リウマチ科(膠原病科) 乾癬性関節炎では、関節の腫れ、こわばり、動かしたときの違和感などが現れます。 関節の違和感は炎症によるもので、放置すると関節の変形や可動域の制限につながります。 リウマチ科であれば、関節の炎症や変形を適切に診断し、ダメージを抑えるための治療を受けられます。 関節の違和感に悩まれている方は、早めにリウマチ科を受診し、治療を受けることが大切です。 皮膚症状と関節症状の両方がある場合|科が連携してる医療機関 乾癬性関節炎の関節症状は、関節リウマチと似ている部分が多いです。そのため、皮膚科とリウマチ科が連携している医療機関への受診が推奨されます。(文献3) 乾癬性関節炎は、皮膚科とリウマチ科の両方の診療が必要な疾患です。乾癬の治療と関節の炎症の管理を並行しないと、治療のバランスが崩れることがあります。 また、科が連携している医療機関であれば、皮膚もしくは関節に異常をきたした場合に早期に察知し、適切な治療を受けやすくなります。 関節リウマチについては、以下の記事で詳しく解説しています。 乾癬性関節炎の診断基準 項目 詳細 点数 現在の乾癬 皮膚または爪に活動性の乾癬病変がある 2点 乾癬の既往歴 過去に医師によって乾癬と診断されたことがある 1点 乾癬の家族歴 家族(一親等、二親等)に乾癬の人がいる 1点 爪の病変 爪に特徴的な変化(陥凹、剥離、肥厚など)がある 1点 指炎 指全体がソーセージのように腫れている 1点 リウマトイド因子陰性 リウマトイド因子が陰性である 1点 レントゲン所見 手足のレントゲンで特徴的な骨の変化がある 1点 乾癬性関節炎の診断基準の1つとして、CASPAR分類基準(Classification Criteria for Psoriatic Arthritis)があります。(文献3) CASPAR分類基準は表の項目で計算し、当てはまるごとに点数が加算されて、合計で3点以上に乾癬性関節炎と評価されます。 CASPAR分類基準の中でも、現在の乾癬が当てはまる場合は2点加算され、それ以外の項目は1点加算です。 ただし、CASPAR分類基準は診断方法の1つであり、診断は臨床症状や他の検査結果も総合的に判断され、症状の有無を医師が判断します。 CASPAR分類基準で、3点以上の方は医療機関を受診しましょう。 乾癬性関節炎になった場合の治療法 治療法 有効な理由 薬物療法 炎症を抑える薬や免疫を調整する薬により、関節や皮膚の症状を管理しやすくなる 運動療法 関節の可動域を維持し、筋力を保つことで、関節の機能低下を防ぐ 食事療法 抗炎症作用のある食品を摂取し、体内の炎症を抑え、症状の悪化を防ぐ可能性がある (文献4) 2025年現在、乾癬性関節炎の明確な治療法は見つかっていません。しかし、適切な治療を行うことである程度症状をコントロールし、日常生活や仕事への支障がない状態を目指せます。 主な治療法としては、薬物療法、運動療法、食事療法の3つがあり、症状によって治療法が異なります。 治療法について、詳しく紹介します。 薬物療法 薬の種類 代表的な薬 役割 注意点 鎮痛薬 アセトアミノフェン NSAIDs(イブプロフェン ロキソプロフェン 違和感を和らげる NSAIDsは胃腸障害に注意が必要 疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs) メトトレキサート サラゾスルファピリジン レフルノミド 関節の進行を遅らせる 効果が出るのに時間がかかり、定期的な検査が必要 生物学的製剤 TNF阻害薬 (インフリキシマブ、アダリムマブなど) IL-17阻害薬 (セクキヌマブ、イキセキズマブなど) JAK阻害薬(トファシチニブなど) 炎症を抑える 感染症のリスクに注意が必要 (文献3) 薬物治療は医師の診断のもと薬が処方されます。薬の種類によって、役割や症状改善の効果に違いがあるものの、乾癬性関節炎の改善が望めます。 薬物治療を行う際は、自己判断で薬の量や飲むペースを決めずに医師の指示に従います。 また、副作用が出た場合は使用を中止し、医師へ相談しましょう。 運動療法 運動の種類 目的 具体例 解説 ポイント 関節可動域訓練 関節の動きを良くする 関節をゆっくり動かすなど 関節の柔軟性を保ち、動きをスムーズにします 負荷のかからない範囲で行い、違和感があれば、すぐに中止する 筋力強化訓練 関節を支える筋肉を強化する 軽いダンベル操作など 関節の動きを安定させる 無理のない回数から始め、徐々に増やしていく 有酸素運動 健康状態を改善させる ウォーキングや水泳など 心肺機能を高め、全身の血行をよくする 長時間続けられる、軽い運動を選ぶこと (文献1)(文献3) 運動療法は関節の動きの改善や筋肉強化に役立ち、乾癬性関節炎の症状を軽減できます。 運動療法を行う場合は、自己判断ではなく、医師の指示のもと行うようにしましょう。 また、どの運動を行う場合でも負担が少ないものを選び、無理のない範囲で徐々に慣らしていくのが大切です。 もし、運動療法中に違和感や腫れが発生した場合は運動を中止し、医師に相談しましょう。 食事療法 栄養素 役割 食品の具体例 推奨される食品 オメガ3脂肪酸 炎症を抑える 青魚(サバ、イワシ、マグロ)、亜麻仁油、えごま油 抗酸化物質 関節のダメージを軽減 緑黄色野菜、果物、ナッツ類 ビタミンD 免疫調整、骨の健康維持 魚介類、卵、きのこ類 カルシウム 骨の健康維持 乳製品、小魚、緑黄色野菜 食物繊維 腸内環境を整え、免疫調整 野菜、果物、海藻、きのこ類 栄養素 起こりうる症状 食品の具体例 避けるべき食品 飽和脂肪酸 炎症悪化の可能性 肉の脂身、バター、ラード トランス脂肪酸 炎症を引き起こす可能性 加工食品、揚げ物、マーガリン 精製された炭水化物 血糖値の急上昇、炎症悪化の可能性 白米、パン、麺類、菓子類 過剰な糖分 炎症悪化の可能性 炭酸飲料、菓子類、果物ジュース グルテン グルテン過敏症の場合、炎症悪化の可能性 小麦、ライ麦、大麦 乾癬性関節炎を治す食べ物はありません。しかし、食事で症状の改善は目指せます。 大事なのは、推奨されている食事を普段の食事で、継続的に取り入れることです。 乾癬性関節炎の改善に役立つ食事としておすすめなのが、塩分控えめの和食料理です。 逆に乾癬性関節炎を悪化させる特定の食品はありませんが、過剰な糖分や精製された炭水化物は太りやすく、乾癬悪化につながります。 特定の食品を摂取、避けるだけでは 乾癬性関節炎の改善にはつながらず、食事の取り方に気を付ける必要があります。 具体例としては、腹八分目の食事や暴飲暴食を避けるなどです。乾癬性関節炎だからといって厳密に食べるべき、食べてはいけない食品はなく、バランスの良い食事を日頃から意識すること大切です。(文献5) 乾癬性関節炎の疑いがある方は皮膚科・リウマチ科で早めの受診を 乾癬性関節炎の疑いがある方は、早めの皮膚科・リウマチ科の受診をおすすめします。 乾癬性関節炎の疑いがあるものの、どの科を受診して良いのかわからず診療を躊躇われている方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。 再生医療を活用し、乾癬性関節炎の回復を促します。 辛い乾癬性関節炎の症状でお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にお問い合わせください。 参考文献 (文献1) 一般社団法人 日本リウマチ学会「乾癬性関節炎(PsA)」 一般社団法人 日本リウマチ学会 ホームページ, 2022年5月22日 https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/kansenseikansetsuen/(最終アクセス:2025年3月12日) (文献2) 朝比奈 昭彦「癬性関節炎の不可逆的関節破壊進行阻止のための早期発見と治療を目指した診療ガイドライン策定に関する研究」『厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)』pp1-170, 2019年 https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/download_pdf/2018/201811014B.pdf(最終アクセス:2025年3月12日) (文献3) 「乾癬性関節炎(psoriatic arthritis: PsA)」慶應義塾大学病院医療・健康情報サイトKOMPAS ,2024年7月9日 https://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000611.html(最終アクセス:2025年3月12日) (文献4) 朝比奈昭彦ほか,「乾癬性関節炎診療ガイドライン 2019」『日本皮膚科学会ガイドライン』pp1-59, 2019年 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/PsAgl2019.pdf(最終アクセス:2025年3月12日) (文献5) S Upala&A Sanguankeo(2025).Effect of lifestyle weight loss intervention on disease severity in patients with psoriasis: a systematic review and meta-analysis,PubMed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25920774/(Accessed:2025-03-12)
2025.03.31 -
- 糖尿病
- 脳卒中
- 足部、その他疾患
- 頭部
- 手根管症候群
- 脊椎
- 内科疾患、その他
- 手部、その他疾患
- 脊柱管狭窄症
- 手部
- 足部
- 内科疾患
「最近なぜか、寝起きに手足がしびれている」 「病気が原因ではないかと不安」 このようなお悩みを抱えている方も多いことでしょう。 寝起きに手足がしびれる原因は、寝ているときの姿勢から脳血管疾患までさまざまです。 この記事では寝起きに手足がしびれる原因を中心に解説します。 日常生活の中で行える対処法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。 寝起きに手足がしびれる原因 寝起きに手足がしびれる原因としてあげられるのは、主に以下の5つです。 寝ているときの姿勢 神経系疾患 糖尿病による神経障害 脳血管疾患 その他の疾患 寝ているときの姿勢 寝起きに手足がしびれる原因の1つが、寝ているときの姿勢です。 腕に頭をのせて寝た 腕を頭より上にして寝た 狭い場所で寝たために寝返りを打てなかった このような体勢が長時間続くと、手足の神経が圧迫されてしまい、しびれを引き起こします。 枕が合わないこともしびれの一因です。枕が高すぎると、あごを強く引いた体勢になります。その結果生じるのが、肩や肩甲骨周辺の筋緊張です。筋肉の緊張が血行不良を引き起こし、しびれにつながります。 神経系疾患 変形性頚椎症や脊柱管狭窄症、手根管症候群、椎間板ヘルニアなどの疾患により、神経が圧迫されて、手足のしびれが生じるケースもあります。 神経系疾患と手足のしびれの関係については、以下の記事でも解説していますのであわせてご覧ください。 糖尿病による神経障害 糖尿病の三大合併症の1つが神経障害です。手足のしびれは、感覚神経の障害に分類されます。 高血糖が続くと神経に栄養を与える血管に傷がつきます。その結果血流が悪くなり、神経の働きが障害されるのです。 糖尿病による神経障害では、手足のしびれのほか、感覚の低下や筋力の低下などの症状も現れます。(文献1) 糖尿病の合併症については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 脳血管疾患 脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管疾患でも、手足のしびれが起こります。 手足のしびれ以外に、手足の麻痺や激しい頭痛、視野の異常などの症状が現れたら、速やかに脳神経外科を受診しましょう。 チェックポイントは「ACT-FAST」です。(文献2) Face:顔の片方がゆがむ Arm:片方の腕に力が入らない Speech:いつもどおり話せない Time:時間を空けずに ACT:救急車を呼ぼう 脳血管疾患は命に関わるものなので、迅速な行動が大切です。 その他の疾患 過換気症候群や更年期障害などでも、手足のしびれが起こる場合があります。 過換気症候群とは、強い不安や緊張などが原因で、何度も激しく息を吸ったり吐いたりする状態です。 息を吸ったり吐いたりを繰り返した結果、血液中の二酸化炭素濃度が低くなり、血液がアルカリ性に傾きます。血液がアルカリ性に傾くと、血管が収縮されてしまい、手足のしびれが生じるのです。 更年期障害の場合、女性ホルモンの低下が手足のしびれに関係しているとされています。 寝起きに手足がしびれるときの対処法(セルフケア) 寝起きに手足がしびれるときに自分でおこなえる主な対処法(セルフケア)は、以下の3つです。 寝る姿勢や枕を調整する 身体を温める 身体を適度に動かす 寝る姿勢や枕を調整する 寝る姿勢や枕の調整に関してのポイントを、表に示しました。 ポイント 調整方法 寝る姿勢 横向きで寝るときは、しびれやすい方を上にする あおむけで寝るときは、膝の下にクッションを入れるか腕の位置を少し高くする 枕選び 横幅50㎝以上、奥行き35㎝以上 中央が低く両サイドが高めの立体的な形 自然に立った姿勢をそのままキープできる高さが望ましい 1日の約3分の1は、睡眠時間です。筋肉の緊張や神経の圧迫がない自然な姿勢が、手足のしびれ予防のポイントといえるでしょう。 身体を温める しびれる部分を温めたり、揉んだりすると血流が改善されて、しびれがやわらぐこともあります。具体的な方法は、ゆっくりお風呂につかる、やさしくマッサージするなどです。 ただし、神経障害の方は皮膚の感覚が鈍くなることがあるため、やけどに注意する必要があります。寒いときも、長時間ストーブの前に座らないように心がけましょう。カイロで温めるときは肌に直接当てず、決められた時間を守ってご使用ください。 身体を適度に動かす ウォーキングやストレッチなどの適度な運動を行うことで、血流改善によるしびれの緩和が期待できます。 手を握ったり開いたりする、手首や足首をゆっくり曲げ伸ばしするなどもストレッチの一種です。 ただし、症状が強いときには無理に動かさず、安静にしましょう。 下記の記事では、手根管症候群による手のしびれを自分で治すためのストレッチが紹介されています。あわせてご覧ください。 まとめ|セルフケアを行っても寝起きに手足がしびれるときは医療機関を受診しよう 寝起きに手足がしびれる原因は、寝るときの姿勢から脳血管疾患までさまざまです。 自分でできるセルフケアもありますが、ケアを続けても手足のしびれが改善されない場合は、放置せず医療機関を受診しましょう。 とくに、手足が動かない、ろれつが回らないなどの症状を伴う場合は、脳血管疾患の可能性があります。命に関わることもあるので、ためらわず救急車を呼びましょう。 糖尿病を治療している中で、徐々に手足のしびれが出てきた方は、神経障害の可能性があります。早めに主治医へ相談しましょう。 手足がしびれ解消のためには、セルフケアや治療が大切です。 当院「リペアセルクリニック」では、しびれの原因となる脳卒中や糖尿病などの疾患に対して再生医療を提供しています。 手足のしびれでお悩みの方は、当院へお気軽にご相談ください。 寝起きに手足がしびれることに関するよくある質問 ここでは、寝起きに手足がしびれることに関するよくある質問を2つ紹介します。 手足がしびれるときは何科に行くと良いでしょうか? 手足がしびれるときの受診先としてあげられるのは、整形外科や神経内科、脳神経外科などです。整形外科の中でも脊椎(背骨)疾患の治療を行っているところが望ましいでしょう。 整形外科や神経内科などの受診歴がない場合は、主治医に相談しましょう。主治医に紹介状を書いてもらうことで、受診がスムーズに進みます。 しびれが急に出てきて、手足の麻痺があるときは早急に脳神経外科を受診しましょう。脳血管疾患の可能性が高く、一刻を争います。 更年期になると朝起きたら手がしびれるのはなぜですか? 原因として考えられるものが、女性ホルモンの1つ、エストロゲンの減少です。エストロゲンの減少は、自律神経の乱れにも関係しています。自律神経の乱れが、血流の悪化、ひいては手のしびれにつながっています。 エストロゲン減少の影響としてもう1つあげられるのが、皮膚の乾燥です。乾燥した皮膚は敏感であるため、しびれを感じやすくなるといわれてます。 参考文献 (文献1) 出口尚寿,西尾善彦.「糖尿病性末梢神経障害」『日本内科学会雑誌』108(8), pp.1538-1544, 2019 https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/108/8/108_1538/_pdf (最終アクセス:2025年3月20日) (文献2) 厚生労働省「みんなで知ろう! からだのこと」厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202410_006.html (最終アクセス:2025年3月20日)
2025.03.31 -
- 糖尿病
- 脳卒中
- 足部、その他疾患
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 頭部
- 手根管症候群
- 脊椎
- 脊柱管狭窄症
- 足部
- 内科疾患
「手や足のしびれが続いて困っている」 「何か病気があるのだろうか?」 このようにお悩みの方も多くいらっしゃることでしょう。 手足のしびれを引き起こす病気はさまざまです。なかには原因がわからないものもあります。 本記事では、手足のしびれを引き起こす病気を中心に解説します。 しびれが続くときの受診先や、病気の予防法なども解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。 手足のしびれの原因となる病気 手足のしびれを引き起こす病気は、以下の5つです。 脳神経系の病気 脊髄(脊椎)神経系の病気 末梢神経系の病気 内科系の病気 その他の病気 それぞれの病気について解説します。 脳神経系の病気 手足のしびれを引き起こす脳神経系の病気としては、主に以下のようなものがあげられます。 脳梗塞 脳出血 一過性脳虚血発作 脳腫瘍 ここで紹介する症状がある場合は、すぐに救急車を呼んで脳神経外科を受診しましょう。 脳梗塞 脳の血管が詰まって血液が流れなくなり、酸素および栄養不足のため、脳細胞が死んでしまう病気です。 手足のしびれのほかに、手足が麻痺して動かない、ろれつが回らないといった症状が見られます。意識障害を起こすこともあります。 脳梗塞は命に関わる病気でもあるため、これらの症状が現れたら早急に医療機関を受診しましょう。 脳梗塞の症状に関しては、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 脳出血 脳の血管が切れて出血した結果、脳細胞が障害を受ける病気です。 手足のしびれや麻痺、ろれつが回らないなど、脳梗塞と同じような症状のほか、激しい頭痛や吐き気といった症状も見られます。 脳出血も命に関わる病気であるため、早急な受診が必要です。 脳出血の症状に関しては、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 一過性脳虚血発作 一時的に脳の血流が悪くなり、酸素や栄養が不足する病気です。 手足のしびれや麻痺、感覚の低下といった症状が出ますが、通常は24時間以内に消失します。(文献1) 一過性脳虚血発作は、脳梗塞や脳出血の前触れともいわれています。症状が現れてすぐに消えた場合でも、放置せずに医療機関を受診しましょう。 脳腫瘍 その名のとおり脳に発生する腫瘍で、脳そのものにできる「原発性脳腫瘍」と、他の臓器から転移した「転移性脳腫瘍」にわかれます。 症状は、手足のしびれや麻痺、頭痛、吐き気などです。視野が狭くなったり、視力が低下したりといった眼科症状が見られる場合もあります。 脊髄(脊椎)神経系の病気 手足のしびれを引き起こす脊髄(脊椎)神経系の病気は、主に以下のとおりです。 変形性頚椎症 頚椎椎間板ヘルニア 脊柱管狭窄症 後縦靱帯骨化症 変形性頚椎症 頚椎(首部分の背骨)内の椎間板の高さが減ったり、椎骨(背骨の一部)に骨のとげができたりするといった変化が生じる病気です。 首や肩が痛むほか、手の神経が圧迫されることにより、手のしびれも出てきます。 頚椎椎間板ヘルニア 頚椎をつないでいる椎間板が変形して飛び出し、脊髄や神経根が圧迫される病気です。 手や腕、首、肩にしびれや痛みが生じたり、足のもつれや歩行障害などが出たりします。首を動かすと痛みが強くなります。 以下の記事で、頚椎椎間板ヘルニアの初期症状を解説していますので、あわせてご覧ください。 脊柱管狭窄症 腰椎(腰部分の背骨)の変形により神経の通り道である脊柱管が狭くなり、神経が圧迫される病気です。50代から80代の方に多いとされています。 手足のしびれ以外には、間欠性跛行や膀胱直腸障害などの症状が見られます。 間欠性跛行や膀胱直腸障害といった症状については、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 後縦靱帯骨化症 頚椎の後ろにある、背骨を安定させる靱帯(後縦靱帯)が骨のように硬く変化して脊髄を圧迫するもので、厚生労働省が定める指定難病の1つです。(文献2) 症状としては、肩こりや手のしびれ、こわばり、痛みなどがあります。病気が進行すると、箸が使いにくい、字が書きにくいといった症状も出てきます。 末梢神経系の病気 手足のしびれを引き起こす末梢神経系の病気としてあげられるのは、手根管症候群や足根幹症候群などです。 手根管症候群 手根管と呼ばれる手首のトンネル部分で神経が圧迫されて、手指のしびれや痛みが発生する病気です。 中高年の女性に多く、進行すると親指の筋肉が痩せてしまい、ものを掴みにくくなります。 足根管症候群 足根管と呼ばれる内くるぶしのトンネル部分で、神経が圧迫されたり傷ついたりするために、足裏や足首にしびれや痛みが生じる病気です。 足の痛みはピリピリとした感じのもので、立ったり歩いたりしたときや、特定の靴を履いたときに生じます。足の冷えや感覚異常を伴う場合もあります。 内科系の病気 内科系の病気によっても、手足のしびれが生じます。代表的なものが、糖尿病性神経障害や閉塞性動脈硬化症です。 糖尿病性神経障害 糖尿病の合併症の1つが、神経障害です。 神経障害は、高血糖が続いたことで血流が悪くなり、手先や足先まで酸素や栄養を含んだ血液が届きにくくなるために起こります。 神経が障害された結果、手足のしびれが生じます。 閉塞性動脈硬化症 動脈硬化により血管が狭くなる、もしくは詰まるために血流が悪くなる病気です。手足の血管が狭くなったり詰まったりすると、しびれや冷たい感覚が生じます。 足の血管に閉塞性動脈硬化症が起こり、進行すると、間欠性跛行と呼ばれる歩行状態になります。 間欠性跛行とは、歩いているうちに足に痛みやしびれが生じて、休憩すると治まるものです。 その他の原因 ビタミン欠乏や更年期障害、うつ病、精神的ストレスなどが原因で手足のしびれが生じる場合もあります。 手足がしびれる病気の前兆をチェックする方法 手足のしびれはさまざまな病気の前兆として現れることがあります。 しびれの特徴からどのような疾患の可能性があるのかをチェックしましょう。 疾患名 しびれの特徴 脳血管疾患 (脳梗塞や脳出血) 片方の手足だけがしびれる 手足が麻痺する、ろれつが回らない、意識障害がある 変形性頚椎症 全体的に手がしびれる 首の後ろを動かすと手のしびれが悪化する 頚椎椎間板ヘルニア 手足のしびれに痛みを伴うことがある 手根管症候群 手の親指や人差し指、中指がしびれる 手首を酷使したあとにしびれが生じる 手足のしびれと病気の前兆について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。 手足がしびれるときに受診する病院 手足のしびれが起きる原因はさまざまです。しびれのために病院を受診する際は、しびれ以外の症状や、現在かかっている病気などから受診する科を決めましょう。 ここでは、3つの科について解説します。 脳神経外科 手足のしびれ以外に、片側の手足が動かない、ろれつが回らない、言葉が出てこないなどの症状がある場合は、脳梗塞や脳出血の可能性があります。 この場合の受診先は脳神経外科です。脳梗塞や脳出血の場合は、一刻も早い治療が必要なため、救急車を呼んで早急に受診しましょう。 整形外科 手足のしびれ以外に、腰や手足の痛み、間欠性跛行などの症状がある場合は、整形外科を受診しましょう。 受診時には、医師が状況を把握しやすいように、症状がある部位や出現時期などを伝えると良いでしょう。 内科 糖尿病や高血圧、高脂血症といった内科疾患があり、しびれ以外に症状がない場合は、内科(かかりつけ医)を受診しましょう。 とくに糖尿病治療中で手足のしびれが生じている場合は、神経障害を起こしている可能性が高いため、早めの受診が必要です。 手足がしびれる病気の予防法 手足がしびれる病気の種類はさまざまです。ここでは、3種類の病気について予防法を解説します。 脳神経系の病気 末梢神経系の病気 内科系の病気 脳神経系の病気の予防法 脳梗塞や脳出血、いわゆる脳卒中の予防で大切なことは、高血圧の予防・改善です。高血圧の予防・改善には、日常的な減塩を心がけることが効果的です。 また、糖尿病や高脂血症といった生活習慣病のほか、喫煙、過度な飲酒なども脳血管を痛めます。生活習慣病予防のためにも、バランスの良い食事や適度な運動を心がけましょう。 脳卒中は再発予防も大切です。 当院「リペアセルクリニック」では、脳卒中の後遺症治療・再発予防として再生医療(幹細胞治療)を行っております。 再生医療について詳しくは、以下のページをご覧ください。 末梢神経系の病気の予防法 ここでは手根管症候群の予防について解説します。 手根管症候群の予防や悪化防止のために大切なのは、手を酷使しないことです。とくに、手首を曲げる動作は、神経の通り道である手根管を狭くしてしまいます。 パソコン作業が多い方や、工具(ドライバー)を仕事でひんぱんに使う方は、手首を休める時間を意識して取りましょう。 糖尿病や甲状腺機能低下症の方は、手根管症候群を発症しやすいといわれています。定期的に検査を受けて、病状を確認しましょう。その上で、手首のしびれが見られた場合は、放置せずに整形外科を受診してください。 内科系の病気の予防法 内科系の病気の中でも、糖尿病は生活習慣の改善で予防できます。 糖尿病予防の主なポイントは次の通りです。 栄養バランスの良い食事や腹八分目を心がける ウォーキングやサイクリングといった適度な運動を続ける 適正体重を保つ 毎年健康診断を受ける 喫煙者は禁煙を検討する アルコールは適量を守る 糖尿病患者の方は、病気を放置せずに治療を継続しましょう。 再生医療は、糖尿病治療における新たな選択肢です。 糖尿病治療としての再生医療については、以下のページで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。 まとめ|手足のしびれの病気が疑われる際は早めに病院へ 手足のしびれを引き起こす病気は数多くありますが、原因がわからないものも少なくありません。 脳血管疾患のように命に関わる病気が原因のこともあるため、手足のしびれが続くときは放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、しびれの原因となる脳卒中やヘルニア、糖尿病などに対して再生医療を行っています。手足のしびれでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 手足のしびれの病気に関するよくある質問 皮膚の表面がピリピリする原因は? 主な原因は、痛みを伝える神経が損傷されるために起こる神経障害性疼痛や、帯状疱疹などです。 神経障害性疼痛の場合は、痛み止めやブロック注射などの治療があります。帯状疱疹の治療は抗ウイルス薬の内服、もしくは点滴がメインの治療法です。 手足のしびれの治し方は? 原因になっている病気がある場合は、その病気を治療します。同時に、しびれをおさえる治療も行います。 しびれの主な治療法としては、消炎鎮痛剤やビタミン剤の内服があげられますが、病気によっては手術が必要です。 しびれが続くときは、医療機関で適切な治療を受けましょう。 参考文献 (文献1) 国立研究開発法人 国立循環器病研究センター「一過性脳虚血発作は、早期に完成型脳梗塞を発症する可能性が高い」国立研究開発法人 国立循環器病研究センターホームページ, 2024年9月27日 https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/scd/cvmedicine/tia-torikumi/ (最終アクセス:2025年3月20日) (文献2)難病情報センター「後縦靱帯骨化症(OPLL)(指定難病69)」難病情報センターホームページ https://www.nanbyou.or.jp/entry/98 (最終アクセス:2025年3月20日)
2025.03.30 -
- 頭部
- 手根管症候群
- 脊椎
- 手部
「最近、手がしびれる…」そう感じたことはありませんか? 手のしびれでよく思いつくのは、首のヘルニア、脳梗塞や脳出血などでしょう。 しかし、他にも、『これ知っておけばよかった』という病気もあります。 今回は、手のしびれを引き起こす5つの主な原因と、そのメカニズムを分かりやすく解説します。 最近は、スマホやパソコンを長時間使う環境が増えてきましたよね。あと重たいものをよく持つ方も、注意が必要です。 さらに、ご自身でもある程度、セルフチェックできるような項目も紹介します。 手のしびれの原因5選とメカニズム 「最近、手がしびれるなぁ…」と感じて、不安を抱えていませんか?手のしびれは、人生で一度は経験することがあるぐらい、よく見られる症状です。 軽いしびれだからと言って、放っておくと後々治療しにくくなることもあります。 神経の障害というものは一度傷ついてしまうと、一生後遺症として残ることもよく見られます。 今回は、手のしびれの原因で、私が診察でよく経験してきた、5つの病気について、詳しく説明したいと思います。ぜひ最後まで読んでみてください。 頚椎症・椎間板ヘルニア まず、首の骨(頚椎)に原因がある場合があります。 頚椎症:頚椎症は例えるなら、長年使い続けた家の柱や梁が歪んだり、ひびが入ったりするようなものです。 加齢とともに、首の骨も変形したり、骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨のとげができたりします。 その結果、首の骨の近くを通る神経が圧迫され、手のしびれを引き起こします。特に、長時間のパソコン作業などで猫背姿勢になっている方は要注意です。 椎間板ヘルニア:椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッション材(椎間板)が、まるでパンパンに膨らんだ風船のように飛び出し、神経を圧迫する病気です。 若い方でも、急に重いものを持ち上げた時などに発症することがあります。 ぎっくり腰のように、激しい痛みやしびれに突然襲われることもあります。 頸椎のヘルニアだと、手と足がしびれる可能性があり、腰椎ヘルニアだと、手のしびれは出ませんが足はしびれることはあります。 胸郭出口症候群 次に、胸郭出口症候群について説明します。 胸郭出口症候群は、首から腕、指先へと伸びる神経や血管の通り道である「胸郭出口」が狭くなり、神経や血管が圧迫されて手のしびれや痛み、だるさなどを引き起こします。 胸郭出口は、鎖骨と肋骨の間の狭い通路のような場所です。なで肩の方や、重い荷物を持つことが多い方は、この通路がさらに狭くなりやすい傾向があります。 神経や血管の通り道が、圧迫されて狭くなることで、しびれや冷感などの症状がでてきます。 整形外科の外来では、この胸郭出口症候群の症例は少ないので、医師からしても、なかなか診断に至るまで、時間がかかることがよくあります。 そして、診断されたら、私はまずリハビリと筋トレをしっかりやっていただいてます。経験上、リハビリと筋トレすることで、多くの方は治っています。 手根管症候群 手首にも、手のしびれを引き起こす原因が潜んでいます。 手根管症候群は、手首の手根管と呼ばれるトンネルの中で、正中神経という神経が圧迫されることで起こります。 この神経は、親指、人差し指、中指、そして薬指の半分に感覚を伝える役割を担っています。 手根管症候群になると、これらの指にしびれや痛み、時には腫れぼったい感じも現れます。特に、妊娠中や更年期を迎えた女性に多く見られます。 これは、ホルモンバランスの変化によって手根管が腫れやすくなるためと考えられています。また、手をよく使う仕事や趣味を持つ方にも発症しやすいです。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 末梢神経障害 末梢神経は、脳や脊髄から体の各部につながる神経のネットワークです。 末梢神経障害は、このネットワークが障害されることで、手足のしびれや痛み、感覚の異常などが現れます。 糖尿病やビタミン不足などが原因となることが多く、両手両足にしびれが現れることが多いです。 私の経験では、糖尿病を持っている方は、頚椎や腰椎のヘルニアによるしびれがでやすい方が多かったです。 やはり、糖尿病では神経が障害を受ける分、しびれやすくなるのでしょう。 脳卒中 最後に、最も注意が必要な原因として脳卒中があります。脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳の機能が障害される病気です。 手のしびれだけでなく、片側の手足の麻痺、ろれつが回らない、意識障害など、重篤な症状が現れます。 手のしびれが片側だけに現れる場合や、他の神経症状を伴う場合は、脳卒中の可能性を疑い、すぐに医療機関を受診する必要があります。 脳出血を起こしても、小さかったり、初期の時は、ほとんど症状が現れない場合が多く、少し進行して、歩くときに膝折れがする、しびれが出てきたなどを感じて、病院に行く方もよくおられました。 その時点で、CTやMRIをとらなければ、見過ごされることも考えられますので、疑いがあれば、CTやMRIを、医師に相談して撮影してもらいましょう。 手のしびれは、様々な原因で起こります。原因によって治療法も異なりますので、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。 手のしびれの前兆とセルフチェック 「最近、手がしびれる…」と感じたら、放っておかずに、まずはセルフチェックしてみましょう。 手のしびれは、誰しも一度は経験する身近な症状ですが、実は重大な病気のサインである可能性も潜んでいます。 早期発見・早期治療のためにも、ご自身のしびれをよく観察し、セルフチェック項目を確認することで、適切な医療機関の受診につなげることができます。 しびれの場所・範囲・時間帯 しびれの場所 手のしびれを感じた時、まず確認すべきことは「どこがしびれているか」です。 親指、人差し指、中指にしびれがある場合は、手根管症候群の可能性が考えられます。これは、手首にある神経の通り道が狭くなることで、神経が圧迫されて起こる病気です。 Point! 薬指の内側と外側を、指でなぞってみてください。もし中指側だけが痺れているなら、高い確率で手根管症候群と思われます。 そして、両手の母指球筋を比べてみて、平らになって、筋肉が痩せていると注意です。これがみられたら、進行した手根管症候群となります。 経験上、痺れが弱くても、母指球筋が小さくなっていたら、手術をして、これ以上悪くならないようにした方がいいでしょう。 進行すると、服のボタンが付けにくくなったり、お箸が持ちにくくなります。そうなると、手術しても、後遺症として戻らなくなる確率が高くなるのです。 一方、小指や薬指にしびれがある場合は、肘部管症候群の可能性も考えられます。これは、肘の神経の通り道が狭くなることで起こるしびれです。 よく、椅子などに肘の内側をぶつけると、指まで痺れることがありますよね。それは、肘部管症候群の原因である尺骨神経によるものです。 また、手の甲側がしびれる場合は、橈骨神経麻痺の可能性も考えられます。橈骨神経麻痺は、腕の外側から手の甲にかけて走る神経が圧迫されることで起こります。 例えば、腕枕をして寝てしまった後に、手がしびれている経験はありませんか? これは、橈骨神経が圧迫されたことによる一時的な麻痺によるものと考えられます。ひどい場合は、手のひらがだらんと垂れて、動かなくなることもよくみられます。 『朝起きたら、いきなり手が動かない』と心配されますが、2〜3ヶ月ほどリハビリなどをして様子を見れば、ほとんどの方は治ります。 急に手が動かなくなると、脳の病気かな?とかなり驚きますよね。。。 しびれの範囲 しびれの範囲も重要なポイントです。 もし、しびれが手全体に広がっている場合は、頸椎症や胸郭出口症候群などの、首や肩の神経が圧迫される病気が原因かもしれません。 手根管症候群では、手首より先の方しかしびれは出ません。 さらに、片方の手だけがしびれる場合は、脳卒中の可能性も考えられます。 脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりする病気で、手足の麻痺や言語障害など、命に関わる危険な症状を引き起こす可能性があります。 もちろん、頚椎症でも、片方だけのしびれもよくみられます。 しびれの時間帯 しびれが続く時間にも注目しましょう。 一日中しびれが続いているのか、特定の時間帯だけなのか、あるいは一時的なものなのか。こうした時間的な変化も、診断の重要な手がかりとなります。 例えば、夜間や早朝にしびれが強くなる場合は、手根管症候群の可能性が高くなります。 動作との関連性(特定の姿勢、動作で悪化など) 次に、手のしびれと、特定の姿勢や動作との関連性をチェックしてみましょう。 例えば、パソコン作業やスマートフォン操作など、手首を酷使する作業の後でしびれが悪化する場合は、手根管症候群の可能性があります。 また、首を後ろに反らすと手のしびれが悪化する場合は、頸椎症の可能性が高まります。 逆に、腕を頭の上に上げることでしびれが軽減する場合は、胸郭出口症候群の可能性も考えられます。 日常生活の中で、どのような姿勢や動作がしびれを悪化させるのか、または軽減させるのかを把握することは、原因を特定する上で非常に重要です。 随伴症状(痛み、感覚異常、脱力など) 手のしびれとともに、他の症状が現れることもあります。これらの随伴症状も、原因特定の重要な手がかりとなります。 例えば、しびれとともに、鋭い痛みを感じる場合は、神経腫瘍の可能性も考えられます。 神経腫瘍とは、神経に発生する腫瘍のことで、良性のものから悪性のものまで様々な種類があります。 稀なケースでは、指の神経に叢状(そうじょう)シュワン腫という良性腫瘍が発生し、鋭い痛みやしびれを伴うことがあります。 また、しびれとともに脱力感や、感覚が鈍くなるなどの症状が現れる場合は、神経の損傷がより深刻な状態である可能性があります。 その他、手のむくみや冷感なども、しびれの原因疾患によっては伴うことがあります。 過去の病歴 過去の病歴も、手のしびれの原因を特定する上で重要な情報です。 糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、末梢神経障害という合併症を引き起こし、手のしびれにつながる可能性があります。 また、過去に神経系の疾患を患ったことがある場合も、再発や新たな病気が隠れている可能性も考慮に入れる必要があります。 健康診断の結果や過去の治療歴なども含め、できるだけ詳細な情報を医師に伝えましょう。 ▼高血圧の症状はありませんか?併せてお読みください。 危険信号(麻痺の進行、意識障害など) 手のしびれとともに、麻痺の進行や意識障害、ろれつが回らない、激しい頭痛などの症状が現れた場合は、一刻を争う事態です。 これらは脳卒中のサインである可能性が非常に高く、緊急の医療処置が必要となります。 また、片側の手足だけがしびれる、顔の半分がしびれる、言葉が出てこない、呂が回らないといった場合も、脳卒中の前兆である可能性があります。 これらの症状が現れた場合は、直ちに救急車を呼ぶか、近くの医療機関に連絡してください。 手のしびれの治療法と予防ケア 「手のしびれ」と聞くと、つい軽く考えてしまいがちですが、実は様々な原因が潜んでおり、中には放置すると深刻な事態を招く病気も存在します。 早期発見・早期治療が何よりも重要です。適切な治療とケアによって、しびれを軽減し、快適な日常生活を取り戻せる可能性は十分にあります。 ここでは、手のしびれの主な治療法と、日常生活での予防ケアについてご説明します。 薬物療法 手のしびれの原因や症状に合わせて、様々な薬が用いられます。 例えば、神経の炎症や痛みを抑える薬、血行を改善する薬、神経の働きを助けるビタミン剤などがあります。 神経の炎症が強い場合は、ステロイド薬を使う場合もあります。これは、強力な消炎効果を持つ薬ですが、副作用にも注意が必要です。 また、糖尿病性の神経障害には、血糖コントロールを改善する薬も重要です。 しびれに効く薬は、最近色々と出てきてはいますが、しびれは薬でなかなか治りにくい部類となります。 どの薬を使うかは、医師があなたの症状や体質を考慮して慎重に判断しますので、自己判断で薬を飲んだり、やめたりすることは絶対に避けてください。 理学療法・作業療法 薬物療法だけでなく、理学療法や作業療法も重要な役割を担います。 理学療法:理学療法では、ストレッチやマッサージ、温熱療法などによって、硬くなった筋肉や関節を柔らかくし、血行を促進することで、しびれを和らげます。 胸郭出口症候群では、両腕の重みを支える筋肉をしっかり鍛えることが大切です。 作業療法:作業療法では、日常生活動作の練習や、自助具(日常生活を補助する道具)の使用指導などを通して、しびれがあっても支障なく生活できるようサポートします。 例えば、手根管症候群の患者さんには、手首のストレッチや、手首を安静に保つための装具の使用指導が行われます。 装具療法 手首や指を固定するサポーターや、頸椎を支えるコルセットなどの装具は、患部を安静に保ち、神経への負担を軽くしてくれます。 特に、手根管症候群や腱鞘炎など、手首の使い過ぎが原因で起こるしびれには効果的です。 装具の種類や使用方法も様々ですので、医師や理学療法士の指導のもと、自分に合った装具を選び、正しく使用することが大切です。 例えば、就寝時に手首を固定する装具を装着することで、夜間のしびれを軽減できる場合があります。 手術療法 多くの場合、薬物療法、理学療法、装具療法などの保存療法で症状が改善します。 しかし、神経の圧迫が非常に強い場合や、保存療法で効果が見られない場合には、手術が必要となることもあります。 例えば、手根管症候群では、母指球筋が痩せてきたり、服のボタンが付けにくくなる巧緻障害などが出た場合は、速やかに、神経を圧迫している靭帯を切開して神経を解放する手術が必要です。 頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアが原因の場合は、首の骨の手術が必要になることもあります。 我々の手術の基準として、筋力低下、尿が出にくいなどの膀胱直腸障害となります。しびれに関しては、我慢ができないぐらいなら、手術を選択することもあります。 手術療法は最終手段であり、患者さんの状態に合わせて慎重に判断されます。 日常生活での注意点と予防法 日常生活での心がけも、手のしびれの予防や改善に大きく貢献します。 長時間同じ姿勢を続けることや、手首や指に負担がかかる作業を繰り返すことは避けましょう。 パソコン作業やスマートフォンの操作をする際は、こまめに休憩を取り、ストレッチをすることを心がけてください。 また、デスクワークをする際は、正しい姿勢を保ち、椅子や机の高さを調整することも重要です。 正しい姿勢を保つことで、首や肩への負担を軽減し、胸郭出口症候群などの予防にもつながります。 栄養バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠も、健康な神経を維持するために不可欠です。 そして、もし手のしびれを感じたら、自己判断せずに、早めに医療機関を受診しましょう。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 MacGillis KJ, Mejia A, Siemionow MZ. "Hand compression neuropathy: An assessment guide." The Journal of family practice 65, no. 7 (2016): 462-71. Saeki Y, Hattori Y, Mane SA, Doi K. "Plexiform Schwannoma of Digital Nerve." The journal of hand surgery Asian-Pacific volume 28, no. 5 (2023): 609-613. Thapa L, Amatya R, Maharjan S, Gaurishankar N, Shrestha AM, Bhattarai S, Singh SN, Gongal DN, Devkota UP. "Cheiro-Oral Syndrome." Kathmandu University medical journal (KUMJ) 16, no. 62 (2018): 196-198. Slouma M, Zarrouk Z, Maatoug F, Dhahri R, Amorri W, Gharsallah I, Metoui L, Louzir B. "Fibrolipoma of the Median Nerve: An Overview." Current rheumatology reviews 18, no. 4 (2022): 298-304.
2025.02.15 -
- 頭部、その他疾患
- 手部、その他疾患
- 脊椎、その他疾患
突然ですが、手足のしびれや筋力低下を感じたことはありませんか?もしかしたら、それはギラン・バレー症候群の初期症状かもしれません。 聞き慣れない病名かもしれませんが、年間10万人あたり1~2人が発症する身近な病気で、2021年のLancet誌では世界で最も一般的な急性弛緩性麻痺の原因と報告されています。 免疫システムが誤って自分の神経を攻撃してしまうこの病気、実は風邪や下痢といった感染症がきっかけで発症することも。 重症化すると呼吸困難に至るケースもありますが、早期発見・早期治療で後遺症を最小限に抑えることが可能です。 この記事では、ギラン・バレー症候群の症状、原因、治療法、予後まで、詳しく解説します。正しく理解し、もしもの時に備えましょう。 ギラン・バレー症候群を理解する3つのポイント ギラン・バレー症候群は、あまり聞き慣れない病名かもしれません。しかし、誰にでも起こりうる可能性のある病気であり、決して他人事ではありません。 正しい知識を持つことで、早期発見・早期治療につながり、後遺症を最小限に抑えることができるのです。 この章では、ギラン・バレー症候群を理解するための3つのポイントを、わかりやすく丁寧に解説します。 ギラン・バレー症候群とは? ギラン・バレー症候群は、自分の免疫システムが誤って自分の末梢神経を攻撃してしまう自己免疫疾患です。通常、免疫システムは細菌やウイルスなどの外敵から体を守る大切な役割を担っています。 しかし、ギラン・バレー症候群では、この免疫システムが正常に機能せず、味方であるはずの神経を攻撃してしまうのです。 この攻撃によって末梢神経が炎症を起こし、神経を覆うミエリン鞘という部分が損傷を受けたり、神経線維そのものが障害されたりします。 その結果、脳からの指令が筋肉にうまく伝わらなくなり、手足のしびれや筋力低下といった症状が現れます。 ギラン・バレー症候群は、世界中で年間10万人あたり1~2人が発症すると言われており、年齢や性別を問わず、誰にでも起こりうる病気です。 小児から高齢者まで、どの年齢層でも発症の可能性があり、男性にやや多い傾向が見られます。 2021年のLancet誌の報告によれば、ギラン・バレー症候群は世界で最も一般的な急性弛緩性麻痺の原因であり、多くの患者さんが進行性の運動弱化の前に、上気道感染症などの先行感染症を経験するとされています。 ギラン・バレー症候群は、一般的には急速に症状が進行しますが、自然に回復していくことが多いのも特徴です。 多くの患者さんは数ヶ月で回復に向かいますが、約20%の方は1年後も何らかの後遺症が残る可能性があります。また、再発する可能性も2~5%程度存在します。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 ギラン・バレー症候群の原因とメカニズム ギラン・バレー症候群の明確な原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、多くの場合、風邪や下痢などの感染症がきっかけとなって発症すると考えられています。 例えば、カンピロバクター・ジェジュニという細菌による食中毒が、ギラン・バレー症候群の引き金になることが知られています。 2022年のInternational Journal of Molecular Sciencesに掲載された研究では、ギラン・バレー症候群の約3分の1はカンピロバクター・ジェジュニ感染が原因であると報告されています。 これらの感染症に対して、私たちの体は免疫システムを活性化させ、体内に侵入してきたウイルスや細菌を攻撃します。 しかし、この免疫反応が過剰に起こったり、制御が効かなくなったりすると、本来攻撃すべきでない自分の神経を攻撃してしまうことがあるのです。 これがギラン・バレー症候群の発症メカニズムの一つと考えられています。 具体的には、病原体の表面構造と神経の構成成分が類似している場合、免疫システムがこれらを誤認識し、神経を攻撃してしまう「分子模倣」という現象が関与していると考えられています。 カンピロバクター・ジェジュニ関連のギラン・バレー症候群では、この分子模倣によって引き起こされる自己抗体媒介性免疫プロセスが関与している強力な証拠があるとされています。 ギラン・バレー症候群を引き起こす可能性のある感染症には、カンピロバクター・ジェジュニ以外にも、サイトメガロウイルスなどのヘルペスウイルス、マイコプラズマ属の細菌、腸管系のウイルスなどが挙げられます。 また、ジカウイルス感染症やCOVID-19の後に発症するケースも報告されています。 さらに、免疫チェックポイント阻害薬という、一部のがん治療薬の副作用として発症するケースもあるため、注意が必要です。 患者さんの約60%で、抗ガングリオシド抗体という物質が血液中に見つかることが知られています。 これは、免疫システムが神経の特定の部分を攻撃している証拠と考えられています。 ギラン・バレー症候群の種類と分類 ギラン・バレー症候群は、大きく分けて「脱髄」が優勢なタイプと、「軸索」が侵されるタイプの2つに分類されます。 脱髄が優勢なタイプ:神経線維を覆っているミエリン鞘という部分が壊れてしまうことで、神経の情報伝達が阻害されます。 代表的なものとして、急性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(AIDP)が挙げられます。これはギラン・バレー症候群の中で最も一般的なタイプです。 軸索が侵されるタイプ:神経線維そのものが傷ついてしまうことで、神経の情報伝達が阻害されます。 代表的なものとして、急性運動軸索神経障害(AMAN)が挙げられます。 また、フィッシャー症候群(またはミラー・フィッシャー症候群)と呼ばれるタイプも存在します。 これは、眼球運動障害、体のバランスがとりにくくなる運動失調、腱反射の消失といった症状が見られますが、手足の筋力低下はあまり見られないという特徴があります。 2013年のNeurologic clinics誌に掲載された論文では、このフィッシャー症候群を含め、純粋感覚型変異、自律神経症状の限定的な発現、咽頭・頸部・腕神経叢型パターンなど、他のまれな表現型の変異についても報告されています。 これらの種類によって、症状や経過、予後が異なる場合があるため、正確な診断が重要です。 ギラン・バレー症候群の症状と診断 ギラン・バレー症候群は、初期症状が他の病気と似ていることが多く、診断が難しい場合があります。 風邪のような軽い症状だと安易に考えて放置してしまうと、後遺症が残ってしまう可能性もあるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。 この章では、ギラン・バレー症候群の代表的な症状と、どのように診断されるのかについて詳しく解説します。 初期症状:しびれや筋力低下 ギラン・バレー症候群の初期症状は、両手足の指先にしびれやチクチクするような感覚が現れることが多いです。 まるで手袋や靴下を履いているような感覚で、左右対称に症状が現れる点が特徴です。 患者さんの中には、「最初は足が少しジンジンするだけだったのに、数日のうちに両足全体がしびれて、歩くのもつらくなった」と訴える方もいます。 このように、症状の進行は非常に速く、数時間から数日のうちに急速に悪化していく場合もあるため注意が必要です。 また、しびれと同時に、筋力低下も現れ始めます。具体的には、次のような症状が現れることがあります。 ボタンを留める、箸を使うといった細かい動作が難しくなる。 ペットボトルの蓋を開けられない。 文字を書くのが困難になる。 歩行がふらつく。 階段の上り下りが難しくなる。 これらの初期症状は、風邪や疲れなど、他の原因によるものと勘違いしやすいので注意が必要です。 特に、症状が急速に悪化する場合は、ギラン・バレー症候群の可能性を疑い、すぐに医療機関を受診することが大切です。 症状の進行:歩行困難や呼吸麻痺 ギラン・バレー症候群の初期症状が現れてから数日~数週間で、筋力低下はさらに進行し、手足の麻痺へと繋がっていきます。 「最初は足がしびれる程度だったのが、今では杖がないと歩けない」というケースも珍しくありません。 症状が進行すると、歩行が困難になるだけでなく、日常生活における様々な動作に支障をきたすようになります。 例えば、衣服の着脱、食事、洗面、トイレといった動作が一人では行えなくなることもあります。 さらに重症化すると、呼吸に必要な筋肉や、食べ物を飲み込むための筋肉も麻痺し、呼吸困難や嚥下障害を引き起こす可能性があります。 最悪の場合、人工呼吸器の装着や経管栄養が必要となるケースもあり、まさに生命の危険に晒される状態となります。 2015年のPrimary care誌の報告によれば、認識されず、または治療されなかった場合、ギラン・バレー症候群は著しい罹患率と死亡率につながる可能性があります。 診断方法:神経伝導検査や髄液検査 ギラン・バレー症候群の診断は、患者さんの症状や経過、神経学的診察、神経伝導検査、髄液検査などの結果を総合的に判断して行います。 2014年のNature reviews. Neurology誌に掲載された論文では、腰椎穿刺と電気生理学的検査は、診断を裏付け、脱髄型と軸索型のGBSを鑑別するのに役立つと報告されています。 神経伝導検査:神経伝導検査では、神経に電気刺激を与えて、その伝わる速度や反応を測定します。ギラン・バレー症候群では、神経の伝導速度が遅くなったり、反応が弱くなったりするといった異常が見られます。 これは、神経線維を覆っているミエリン鞘という部分が損傷を受けたり、神経線維そのものが障害されていることを示しています。 髄液検査:髄液検査では、腰椎穿刺という方法で採取した髄液を調べます。 ギラン・バレー症候群の特徴的な所見として、髄液中のタンパク質が増加している一方で、細胞数は正常であるという「蛋白細胞解離」が見られます。これは、神経に炎症が起こっていることを示唆する重要な指標です。 ギラン・バレー症候群と類似する疾患との鑑別 ギラン・バレー症候群は、他の神経疾患と症状が似ている場合があり、鑑別が難しいケースもあります。 特に、重症筋無力症、ボツリヌス症、ポリオ、ダニ麻痺症、ウエストナイルウイルス感染症などは、ギラン・バレー症候群と似たような症状を示すことがあります。 これらの疾患とギラン・バレー症候群を鑑別するためには、症状の持続時間や対称性、感覚異常の有無、自律神経症状の有無など、様々な要素を考慮する必要があります。 医師は、これらの要素を詳細に確認することで、正しい診断を下し、適切な治療方針を決定します。 例えば、重症筋無力症は、ギラン・バレー症候群とは異なり、筋力低下が日内変動を示すことが多く、また、眼瞼下垂や複視などの眼症状を伴うことが多いです。 ボツリヌス症は、眼球運動障害や嚥下障害、構音障害などの症状が特徴的で、ギラン・バレー症候群のように四肢の筋力低下が対称性に起こることは少ないです。 このように、それぞれの疾患に特徴的な症状や経過を把握することで、鑑別が可能となります。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 ギラン・バレー症候群の治療法と予後 ギラン・バレー症候群は、適切な治療を行うことで多くの場合回復に向かう病気です。 しかし、重症化すると呼吸困難など生命に関わる危険性もあるため、早期の診断と治療開始が非常に重要です。 ここでは、ギラン・バレー症候群の治療法と予後について、より詳しく解説していきます。 治療方法:免疫グロブリン療法や血漿交換 ギラン・バレー症候群の治療の中心は、免疫グロブリン療法と血漿交換です。 これらの治療は、免疫システムの働きを調整することで、誤って自分の神経を攻撃している状態を鎮め、症状の改善を促します。 2021年のLancet誌の報告によれば、免疫グロブリン療法と血漿交換は同等の効果があり、どちらの治療法も発症早期に開始することが重要であるとされています。 免疫グロブリン療法:免疫グロブリン療法は、健康な人の血液から精製された免疫グロブリンを、点滴で投与する方法です。 免疫グロブリンは、過剰に反応している免疫システムのバランスを整え、神経への攻撃を抑える働きがあります。 点滴による投与のため、入院が必要となるケースが多いです。 副作用として、まれに頭痛、発熱、吐き気、血管痛などがみられることがあります。 これらの副作用は一過性であることがほとんどですが、気になる症状が現れた場合は、速やかに医師に相談することが大切です。 血漿交換:血漿交換は、血液中の液体成分である血漿を専用の機器で取り出し、神経を攻撃している抗体などを含む血漿成分を除去し、代わりに新しい血漿やアルブミン製剤を補充する方法です。 この治療法も入院が必要となります。 副作用としては、血圧の低下、アレルギー反応、出血、血栓塞栓症、低カルシウム血症などがみられることがあります。 免疫グロブリン療法と血漿交換は、どちらも有効な治療法ですが、患者さんの状態やアレルギーの有無、合併症の有無などによって、どちらが適しているかは異なります。 医師とよく相談し、最適な治療法を選択することが重要です。 2014年のNature reviews. Neurology誌に掲載された論文では、静脈内免疫グロブリンと血漿交換は効果的な治療法であることが証明されていると報告されています。 リハビリテーション:機能回復のための運動療法 ギラン・バレー症候群では、筋力低下や麻痺といった症状がみられるため、リハビリテーションも治療の重要な一部です。 リハビリテーションの目的は、低下した身体機能の回復を促し、日常生活への復帰をスムーズにすることです。 リハビリテーションの内容は、患者さんの病状の進行度や年齢、体力、合併症の有無などを考慮して、個別に設定されます。 初期段階で症状が重い時期には、関節の拘縮を防ぐため、関節可動域訓練や寝たきり状態を防ぐための体位変換などが中心となります。 症状が軽快してくると、筋力トレーニングや歩行訓練、日常生活動作訓練など、より積極的な運動療法が開始されます。 理学療法士や作業療法士などの専門家と連携しながら、無理のない範囲でリハビリテーションに取り組むことが大切です。 焦らず、少しずつ身体機能の回復を目指していくことが重要です。 予後:後遺症や再発の可能性 ギラン・バレー症候群の予後は、多くの場合良好で、数ヶ月から1年程度で回復に向かいます。 2015年のPrimary care誌の報告では、多くの症例は後遺症を残さずに回復しますが、そうでない場合は、著しい持続的な衰弱が残る可能性があるとされています。 しかし、患者さんによっては後遺症が残る場合もあり、軽度の筋力低下やしびれ、倦怠感などが挙げられます。また、稀に再発することもあります。 予後は、発症時の症状の重さ、治療への反応、年齢、基礎疾患の有無など、様々な要因によって影響を受けます。 重症例や高齢者の場合、後遺症が残る可能性が高くなる傾向があります。 再発は2~5%程度とされています。再発した場合も、初回と同様の治療が行われます。 最新の治療法と研究 ギラン・バレー症候群の治療法は、現在も研究開発が続けられています。新しい治療薬の開発や、既存の治療法の改良など、様々な研究が行われています。 例えば、補体阻害剤などの新しい治療薬の臨床試験が進行中です。これらの治療薬は、神経へのダメージをさらに軽減する効果が期待されています。 また、国際的な共同研究も盛んに行われており、ギラン・バレー症候群の病態解明や新たな治療法の開発に役立てられています。 2021年のLancet誌の報告では、全てのギラン・バレー症候群患者への治療アクセス改善と、神経損傷の程度を制限できる効果的な疾患修飾療法の開発が必要であるとされています。 ギラン・バレー症候群の日常生活の注意点 ギラン・バレー症候群を発症すると、日常生活に様々な支障が出てきます。症状が落ち着くまでは、無理をせず安静にすることが大切です。 また、日常生活を送る上での工夫も必要になります。 日常生活の注意点: 転倒のリスクを減らすために、手すりや杖などを活用する。 入浴時には、滑り止めマットを敷いたり、浴槽の縁に手すりを取り付けたり、シャワーチェアを使用するなど転倒防止に努める。 トイレには、補助便座や手すりなどを設置する。 衣服は、着脱しやすいものを選ぶ。ボタンやファスナーの代わりに、マジックテープやゴム紐を使用するのも良いでしょう。 食事の際は、介助が必要な場合は家族などに手伝ってもらう。食事内容も、食べやすいように工夫する。 また、精神的なサポートも重要です。不安や恐怖、焦りを感じやすい時期なので、家族や医療従事者と積極的にコミュニケーションをとるようにしましょう。 周囲の理解とサポートが、回復への大きな力となります。 まとめ ギラン・バレー症候群は、末梢神経が自分の免疫システムに攻撃される自己免疫疾患です。 手足のしびれや筋力低下といった症状が現れ、進行すると歩行困難や呼吸麻痺に至ることもあります。 原因は明確には解明されていませんが、感染症がきっかけとなることが多いと考えられています。 治療は免疫グロブリン療法や血漿交換、リハビリテーションなどがあり、多くの場合、数ヶ月から1年で回復に向かいます。 しかし、後遺症が残る場合や再発の可能性もあるので、早期発見・早期治療が大切です。少しでも異変を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。 症状が改善した後も、日常生活で無理をせず、周りのサポートを受けながら、焦らずに回復を目指してくださいね。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 Shahrizaila N, Lehmann HC, Kuwabara S. "Guillain-Barré syndrome." Lancet (London, England) 397, no. 10280 (2021): 1214-1228. Finsterer J. "Triggers of Guillain-Barré Syndrome: Campylobacter jejuni Predominates." International journal of molecular sciences 23, no. 22 (2022): . Dimachkie MM, Barohn RJ. "Guillain-Barré syndrome and variants." Neurologic clinics 31, no. 2 (2013): 491-510. van den Berg B, Walgaard C, Drenthen J, Fokke C, Jacobs BC, van Doorn PA. "Guillain-Barré syndrome: pathogenesis, diagnosis, treatment and prognosis." Nature reviews. Neurology 10, no. 8 (2014): 469-82. Ansar V, Valadi N. "Guillain-Barré syndrome." Primary care 42, no. 2 (2015): 189-93. ギラン・バレー症候群ガイドライン2023
2025.02.10 -
- 手部、その他疾患
- 手部
関節が腫れてしこりができると、痛みや不便さを感じるだけでなく「ガン(悪性腫瘍)なのでは?」と心配になりますよね。 後述で詳しく解説しますが、見分け方のポイントを簡潔に述べると以下の通りです。 関節にしこりができたら、ガングリオンや粉瘤(ふんりゅう)、脂肪腫(しぼうしゅ)といった良性腫瘍のほかに、がんを含む悪性腫瘍の可能性も。 ガングリオンも悪性腫瘍も見た目はよく似ているため、今のうちから見分けるポイントを知っておくと安心です。 今まさに体に気になるしこりは出来ていませんでしょうか。 今回の記事では、ガングリオンと悪性腫瘍の見分け方を詳しく解説します。 また、ガングリオン以外にも体の不調を感じている方や、「手術しない治療法」について興味がある方は、ぜひ当院の公式LINEにご参考ください。 ここでしか配信されない未来を見据えた予防方法など、有益な情報を各種配信してまいります。 ガングリオン・悪性腫瘍とは ガングリオンと悪性腫瘍の見分け方をチェックする前に、それぞれの病気の特徴を理解しましょう。 ガングリオンとは ガングリオンとは、一般的に関節の周囲に発生する「こぶ状に膨らんだしこり」です。全身の関節にできますが、発生頻度として多いのは、手首の甲や手のひら側の指の付け根です。 2つの骨がつなぐ関節を保護する「関節包」のなかの滑液(関節を保護する潤滑油)が、ガングリオンの袋に流れ込んで濃縮することによりしこりができます。しかし、ガングリオンができる原因は、まだ明確にはわかっていません。 ガングリオンは無症状のケースもありますが、しこりが大きくなると血管や神経を圧迫し、痛みやしびれがあらわれる場合があります。関節にできるしこりは悪性腫瘍のケースもあるので、ガングリオンと疑われるしこりができたら一度専門医に診てもらうと良いでしょう。 以下の記事では、手首にガングリオンができた場合の治療法や再発防止の対策を解説しています。手首にガングリオンができている方は、参考にしてみてください。 なお、関節にしこりができて腫れている場合、脂肪腫(しぼうしゅ)や粉瘤(ふんりゅう)などガングリオン以外の病気の可能性もありますが、どちらも良性腫瘍です。 悪性腫瘍とは 悪性腫瘍とは、異常な細胞が周囲の組織に広がったり、他の臓器に転移したりして生命に悪影響を与える腫瘍のことで、代表的なものに「がん」があります。 がんの種類や発症部位によっては、ガングリオンと同様に身体の関節部分にしこりを作ることがあります。 悪性腫瘍は放置すると進行して生命を脅かす可能性があるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。 気になるしこりや痛み、違和感がある場合は、自己判断せずに必ず専門医の診察を受けましょう。 また、当院(リペアセルクリニック)では関節の痛みやしこりでお悩みの方に、先進的な治療の選択肢として「再生医療」をご提案しています。 当院では患者様ご自身の細胞を用いた再生医療に特化しており、手術に代わる、あるいは手術後の回復をサポートする治療法として多くの実績があります。 再生医療の専門スタッフが症状やお悩みについて詳しくお伺いしますので、悪性腫瘍について不安がある方はメールまたはお電話にてお気軽にご相談ください。 ガングリオンと悪性腫瘍の見分け方のポイント ガングリオンと悪性の腫瘍には、以下のような特徴があります。具体的には、触った感じやしこりの特徴の違いが見分けるポイントです。 ガングリオン 悪性の腫瘍 触った感じ やわらかく弾力がある 触っても痛くない場合がある 硬くゴツゴツしている 触ると痛みがある しこりの特徴 大きくなったり小さくなったりを繰り返す しこりはゆっくり大きくなる 自然に消失する場合がある 急速に大きくなる 自然に小さくはならない しこりが周りと遊離して動く これらの特徴は、見分けるポイントにはなりますが、自己判断は危険です。自分では良性腫瘍のガングリオンだと思っていても、実は悪性腫瘍の可能性があるためです。 関節のしこりに気づいたら、早めに医療機関を受診して専門医に診てもらいましょう。 また、手術不要の改善方法として新たな選択肢になっている「再生医療」をご存じでしょうか? 薬に頼りたくない方にもご検討いただける治療方法になっていますので、興味がある方は当クリニックの公式LINEからご確認ください。 ガングリオンと悪性腫瘍の治療方法の違い ここでは、ガングリオンと悪性腫瘍の治療法の違いを解説します。 ガングリオンの場合 ガングリオンの治療は、主に「保存的療法」と「外科的療法」の2つです。 【保存的治療法のポイント】 注射器で内容物を吸引し排出する 外来でできる処置のため身体にできる傷が少ない ガングリオンの袋は残るため再発の可能性がある 【外科的治療法のポイント】 手術でガングリオンを袋ごと取り除く 術後は創部を保護し部位によっては固定が必要 術後リハビリが必要なケースもある 麻酔をして切開をするため保存的療法より負担が大きい ガングリオンの袋ごと摘出するため再発の可能性は低い どちらの方法でも再発の可能性はゼロではありません。一般的に、まずは保存的治療をおこない、再発を繰り返す場合には外科的治療が検討されます。 腱や筋肉の損傷に効果的な治療法の1つに「再生医療」があります。人間の自然治癒力を活用した治療なので、身体への負担を最小限にすることが期待できます。 現在当院では、無料で最新医療に関する情報をお届けしていますので、どのような治療が行われているか興味がある方は以下からLINEにご登録ください。 悪性腫瘍の場合 ガングリオンではなく「がん」だった場合には、以下のような方法で治療をおこないます。 手術療法 化学療法(抗がん剤治療) 放射線療法 がんの種類や進行具合にもよりますが、これらの治療方法を組み合わせて治療を進めていきます。 まとめ|ガングリオンと悪性腫瘍を画像や症状を参考に見分けよう ガングリオンと悪性腫瘍の見分け方のポイントは、触った感触やしこりの特徴です。気になるしこりができた場合は、以下の表を参考に、自分のしこりの特徴と照らし合わせてみてください。 ガングリオン 悪性の腫瘍 触った感じ やわらかく弾力がある 触っても痛くない場合がある 硬くゴツゴツしている 触ると痛みがある しこりの特徴 大きくなったり小さくなったりを繰り返す しこりはゆっくり大きくなる 自然に消失する場合がある 急速に大きくなる 自然に小さくはならない しこりが周りと遊離して動く ただし、専門家でなければ正確に見分けるのが難しいです。ガングリオンだと思って様子を見ていたものが、悪性腫瘍である可能性もゼロではありません。 自己判断は危険なため、しこりや痛みが気になった時点で病院を受診するのが良いでしょう。 また、長引く関節や膝の痛みといったような様々な後遺症に対して、身体にメスを入れず、患者様の負担が少ない「再生医療」が効果的です。 リペアセルクリニックは再生医療を専門とするクリニックで、手・指の症状や関節の症状に対して、手術を避ける切らない治療法として注目されています。 当院では再生医療に関する無料のガイドブックや最新情報を配信しておりますので、どのような治療なのか知りたい方はLINEからご入手ください。 ガングリオンをはじめとした体の痛みや違和感でお悩みの方は、早期発見・早期治療のために、今すぐリペアセルクリニックの無料電話相談をご利用ください。 ガングリオンや悪性腫瘍に関するよくある質問 最後にガングリオンや悪性腫瘍に関するよくある質問と回答をまとめます。 ガングリオンは再発しますか? ガングリオンは、治療をしても再発を繰り返すケースのある病気です。 手術でガングリオンの袋ごと取り除く治療をすれば、再発の可能性は低くなります。しかし、注射吸入でガングリオンの中の液体を抜くだけの治療の場合、再発率は60%前後といわれています。(文献1) 再発を繰り返す場合は、手術の検討が視野に入ってくるでしょう。 ガングリオンの再発を防ぐ対策はありますか? ガングリオンの再発を防ぐには、治療後の過ごし方が肝心です。 治療をおこなった後は、まずは患部を安静にして過ごしましょう。患部に負荷がかかれば、関節液が再び漏れだす可能性があり、再発のリスクが高まります。 痛みやしびれ、関節の動きにくさなどがなくなると、つい普段通りの生活をしてしまいます。しかし、再発のリスクを下げるために、医師から告げられた安静期間は、必ず守るようにしましょう。 ガングリオンが痛いときの対処法が知りたいです 気になるほどの痛みであれば、病院を受診しましょう。症状の程度によっては、注射器でガングリオンの内容物を吸引したり、ガングリオンの袋を取り除く手術をしたりする必要があります。 痛みが気にならなければ、安静にして様子を見る選択肢もあります。ガングリオンは自然に消えるものもあるためです。 ただし、しこりはガングリオンではなく悪性腫瘍である可能性もゼロではありません。早期発見・早期治療のためにも、痛みを感じた時点で専門医に診てもらうのが良いでしょう。 以下の記事では、ガングリオンが痛いときの対処法を解説します。痛みがあるときにやってはいけない行動も紹介しているので、すでにガングリオンの症状が出ている方は参考にしてみてください。 ガングリオンに似ている脂肪腫は悪性ですか? 脂肪腫は、良性の腫瘍です。脂肪腫は脂肪組織で構成されており、しこりが柔らかいのが特徴です。 以下の記事では、頭にできるコブについて解説しています。コブの種類や受診が必要なケースも紹介しているので、気になるコブが頭にある方は参考にしてみてください。 参考文献 文献1:https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/67/4/67_371/_pdf/-char/ja >>公式LINE限定で再生医療のさらに詳しい情報を配信中!
2024.09.12