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関節リウマチの初期症状チェック|痛む場所・こわばりの特徴と受診の目安

関節リウマチの初期症状
公開日: 2021.12.10 更新日: 2026.10.01

関節リウマチとは、免疫の異常により、関節の内側を覆う膜(滑膜)などに炎症が起きる病気です。典型的な初期症状は、朝のこわばりと、指の付け根・指の第二関節・手首・足の指の腫れや痛みが数週間続くことです。

「年齢のせいかもしれない」「しばらく様子を見てもよいのか」と迷い、受診のタイミングでお悩みの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、初期症状のセルフチェックや痛みが出やすい関節、似ている病気との見分け方、受診の目安について解説します。手指や足の関節の違和感が続いている方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

関節リウマチの初期症状【セルフチェック】

関節リウマチの初期症状は、こわばり・腫れ・痛みが特定の関節に数週間以上続くことが特徴です。気になる症状がある方は、以下の項目を確認してみてください。

チェック欄 項目
▢ 朝や昼寝のあとに手指がこわばり、動かすうちに楽になる
▢ 指の付け根・指の第二関節・手首・足の指が腫れて痛む
▢ 腫れた関節を触ると、熱っぽくぶよぶよしている
▢ 腫れや痛みが数週間以上続いている
▢ 痛む関節が増えたり、日によって移り変わったりする
▢ 微熱やだるさが続いている

当てはまる項目がある方は、医療機関での相談をおすすめします。一方、「指の第一関節だけが硬く腫れる」「動かしたときだけ痛い」場合は、別の病気の可能性もあります。

このチェックはあくまで受診の目安です。関節リウマチの診断には、血液検査や画像検査が必要です。

ここからは、代表的な初期症状を詳しく解説します。

以下の記事では、関節リウマチの症状について詳しく解説しています。

朝のこわばり

朝のこわばりとは、関節を動かし始めるときに硬くて動かしにくく、使ううちに楽になる状態です。起きたときにもっとも強く感じるため、この名前で呼ばれます。

昼寝のあとや、長時間座っていたあとなど、関節を動かさなかった後にも起こります。関節の痛みより先に、最初の症状として現れることもあります。

「ぞうきんが絞りにくい」「物を握りにくい」といった形で気づく方も多いです。こわばりが長く続くほど、病気の勢いが強いと考えられてきました。

なお、以前の基準では「1時間以上続く朝のこわばり」が項目の一つでした。現在の分類基準には含まれていないため、時間の長さだけで判断しないことが大切です。(文献1)

関節の腫れ

関節リウマチの腫れは、関節の内側の膜(滑膜)に炎症が起きたり、関節に液体がたまったりすることで生じます。

腫れた部分は触ると柔らかく、弾力があります。熱っぽさを伴うこともあります。はっきり腫れていなくても、「なんとなく腫れぼったい」と感じる程度で始まることもあります。

はじめは痛みだけで腫れがない場合もありますが、通常は腫れを伴います。一方、骨のように硬い腫れは、関節の軟骨がすり減る変形性関節症でよくみられる特徴です。

関節の痛み

関節の痛みは、1つから数カ所の関節で始まり、数週間から数カ月のあいだに次々と別の関節に広がることがあります。いつも同じ関節とは限らず、かわるがわる痛むこともあります。

炎症を伴うため、熱をもったような痛みが特徴です。長い経過では左右の同じ部位に出ることが多いものの、必ず左右対称になるわけではありません。初期は片側だけのこともあります。

また、痛みは天候に左右されやすく、天気が崩れる前や雨の日、寒い日に強まりやすい傾向があります。季節では、春から梅雨にかけて悪化しやすいとされています。(文献2)

全身のだるさ・微熱

関節の症状と並行して、だるさや微熱、食欲の低下など全身の症状が出ることがあります。

関節リウマチは関節だけでなく、全身に炎症が起きる病気です。そのため、指の痛みに全身の症状が加わる場合は、指だけに起きる病気(ヘバーデン結節など)よりも、関節リウマチなどを疑う手がかりになります。

「疲れがたまっているだけ」と見過ごしやすい症状のため、関節の症状とあわせて記録しておきましょう。

関節リウマチの初期症状が出やすい関節・出にくい関節

関節リウマチかどうかを考えるときは、「どこの関節が痛むか」が大きな手がかりになります。出やすい関節と出にくい関節は以下のとおりです。

分類 主な関節
出やすい関節 ・指の付け根
・指の第二関節(指先から2番目の関節)
・手首
・足の指の付け根
ほかの病気で症状が出やすい関節 ・指の第一関節(指先に一番近い関節)
・親指の付け根(手首寄りの関節)
・足の親指の付け根

これらの関節は、変形性関節症(足の親指の付け根は痛風も)でよく症状が出ます。そのため関節リウマチを見分ける手がかりになりにくく、関節リウマチかどうかを判断する目安となる基準(分類基準)でも、評価の対象から外されています。(文献1)

第一関節だけに症状がある場合は、ヘバーデン結節など別の病気を考えます。ここでは、部位ごとの特徴を解説します。

手指・手首

関節リウマチの初期症状は、指の付け根や指の第二関節、手首に出やすいのが特徴です。

手指の症状は、日常の細かい動作で気づくことが多いです。

  • ボタンをかけにくい
  • ペットボトルや瓶のふたを開けにくい
  • 小さな物をつまみにくい
  • 指輪がきつくなった

こうした変化が数週間続く場合は、腫れている関節の場所を確認してみてください。

足の指・足の裏

関節リウマチは、足の指の付け根や足の裏の痛みから始まることもあります。

「少し歩くと足先や足の裏が痛い」といった症状は、靴が合わないせいや外反母趾のせいと思い込みやすいものです。

靴を替えても痛みが続く場合や、足の指の付け根が腫れている場合は、関節リウマチの可能性も考えて受診を検討しましょう。

膝・肘・肩

関節リウマチは、肘や膝など大きな関節から始まることもあります。

現在は60歳代の発症がもっとも多く、高齢で発症する方も増えています。(文献3)そのため、膝などの痛みを「年齢のせい」と決めつけないことが大切です。

一方、両肩や首、腰の筋肉の痛みとこわばりが中心の場合は、リウマチ性多発筋痛症という別の病気も考えられます。後述の「関節リウマチと初期症状が似ている病気と見分け方」で詳しく解説します。

関節リウマチと初期症状が似ている病気と見分け方

関節の腫れや痛みが出る病気は、関節リウマチ以外にもたくさんあります。痛む場所と腫れの質感を比べると、見分ける手がかりになります。

主な病気の違いは以下のとおりです。

病名 痛む場所 腫れの質感 こわばりの特徴 多い年代
関節リウマチ 指の付け根・第二関節・手首・足の指 柔らかく熱っぽい 朝や安静後に強く、動かすと楽になる 60歳代が最多、女性に多い
ヘバーデン結節・ブシャール結節 指の第一関節・第二関節 骨のように硬い 軽いことが多い 閉経期前後の女性
ばね指(腱鞘炎) 手のひら側の指の付け根 押すと痛むしこり 朝に指が引っかかりやすい 手をよく使う方、中高年の女性
リウマチ性多発筋痛症 両肩・首・腰やお尻まわりの筋肉 関節の腫れは目立ちにくい 朝が最もつらく、午後に軽くなる 50歳以上、70〜80歳代に多い
全身性エリテマトーデス 手指など複数の関節 腫れは軽いことが多い 朝のこわばりが出ることがある 20〜40歳代の女性
乾癬性関節炎 指の第一関節を含む手足の関節 指全体が腫れることがある 朝のこわばりが出ることがある 乾癬(皮膚の病気)のある方

自己判断は難しいため、表はあくまで目安としてご覧ください。それぞれの病気について解説します。

ヘバーデン結節・ブシャール結節(変形性手指関節症)

ヘバーデン結節・ブシャール結節は、指の関節が骨のように硬く腫れて変形する病気です。第一関節に起こるものをヘバーデン結節、第二関節に起こるものをブシャール結節と呼びます。

女性に多く、閉経期前後に発症しやすいとされています。初期に赤みや痛みが出ることもありますが、腫れは骨のように硬いのが特徴です。血液検査の炎症の値は、正常であることが多いです。(文献4)

腫れが柔らかく熱をもつ関節リウマチとは、この点が見分けの手がかりになります。

ばね指(腱鞘炎)

ばね指は、指を曲げ伸ばしするときに引っかかる症状が特徴です。手のひら側の指の付け根に、押すと痛むしこりができることが多いです。

関節そのものではなく、指を動かす腱の通り道に炎症が起きる病気です。主に1本の指に起こります。

ただし、関節リウマチの初期にも腱鞘炎(ばね指)が起こることがあります。複数の指で繰り返す場合や、関節の腫れを伴う場合は、医療機関を受診しましょう。

リウマチ性多発筋痛症

リウマチ性多発筋痛症は、両肩・首・腰やお尻まわりの筋肉に痛みとこわばりが出る病気です。50歳以上で発症し、70〜80歳代に多くみられます。

比較的急に始まり、2週間以内に典型的な症状がそろうことが多いです。朝がもっともつらく、午後には軽くなる傾向があります。発熱を伴うこともあります。(文献5)

手指の小さな関節が中心の関節リウマチとは、痛む場所が異なります。

以下の記事では、リウマチ性多発筋痛症について詳しく解説しています。

乾癬性関節炎

乾癬性関節炎とは、皮膚に赤みやかさぶた状のはがれが出る「乾癬」に、関節炎が合併した病気です。

関節リウマチでは起こりにくい指の第一関節にも炎症が起こる点が、見分けのポイントです。特徴的な症状は以下のとおりです。

症状 特徴
皮膚の症状 ・皮膚が赤くなり、白っぽくはがれ落ちる
爪の変化 ・爪に小さなくぼみができる
・爪が分厚くなり、水虫のような見た目になる

皮膚の症状より先に、関節の症状が出ることもあります。関節の痛みとあわせて皮膚や爪の変化がある場合は、その点も医師に伝えましょう。

全身性エリテマトーデス

全身性エリテマトーデスとは、全身に炎症症状が現れる自己免疫疾患(免疫が自分の体を攻撃してしまう病気)です。発症には、遺伝や感染症、紫外線などが関わると考えられています。

関節リウマチと似ている症状は、関節の痛みや腫れです。ただし、関節リウマチとは異なり骨や軟骨の破壊は起きにくいのが特徴です。20〜40歳代の女性に多い病気です。

特徴的な症状は以下のとおりです。

症状 特徴
蝶形紅斑
(ちょうけいこうはん)
・鼻から両頬にかけて蝶の羽のように現れる発疹
・目立つ赤色が特徴でかゆみはない
円板状ループス ・顔面や頭、耳たぶなど円盤状に現れる発疹
・かゆみはなく経過に伴い白くカサカサした状態になる

日光を浴びるとこれらの症状が出現または悪化するおそれがあります。

初期症状を放置するとどうなる?関節リウマチの進行過程

関節リウマチは、こわばり・腫れ・痛みといった初期症状から始まり、軟骨の破壊、骨の破壊、関節の変形へと進みます。進行すると、日常生活に支障が出ることもあります。

症状は2年を過ぎると、治療をしても完全な回復が難しくなります。そのため、できれば半年以内に治療を始めることが必要です。(文献2)

医師は進行の程度を「関節破壊の程度(ステージ)」と「日常生活への影響(クラス)」の2つで判断します。進む速さには個人差がありますが、ここではそれぞれの目安を解説します。

関節破壊の進行度(ステージⅠ〜Ⅳ)

ステージは、レントゲン検査で関節の壊れ具合を確認して判断するものです。自覚症状だけでは判断できません。各ステージの目安は以下のとおりです。

ステージ 関節の状態 自覚しやすい変化
ステージⅠ(初期) 骨や軟骨の破壊はない こわばり・腫れ・痛み
ステージⅡ(中等期) 軟骨が薄くなり、関節のすき間が狭くなる 痛みや動かしにくさが続く
ステージⅢ(高度進行期) 骨と軟骨が壊れる 関節の変形が目立ち始める
ステージⅣ(末期) 関節が壊れて動かなくなる 関節がほとんど動かせない

初期症状が出ている段階は、ステージⅠにあたることが多いです。この時期に治療を始めることが、関節を守るうえで大切です。

日常生活への影響(機能障害のクラスⅠ〜Ⅳ)

クラスは、関節リウマチが日常生活にどの程度影響しているかを示す目安です。ステージと違い、ある程度はご自身でも判断できます。

クラス 生活の状態
クラスⅠ 健康な人とほぼ同じように生活や仕事ができる
クラスⅡ 多少の障害はあるが、普通の生活ができる
クラスⅢ 身の回りのことは何とかできるが、外出時などには介助が必要
クラスⅣ 寝たきりや車いすの生活で、身の回りのことがほとんどできない

「ボタンがかけにくい」「箸が使いにくい」と感じ始めたら、生活への影響が出始めているサインです。早めに医師へ伝えましょう。

中期以降に起こる関節の変形

関節リウマチが進行すると、関節の骨や軟骨が壊れて変形し、関節を動かせる範囲が狭くなります。主な変形は以下のとおりです。

起こりうる関節の変形 特徴
尺側偏位(しゃくそくへんい) 手の指が小指側に傾いた状態
スワンネック変形 指の第二関節が反り、第一関節が曲がった状態
ボタンホール変形 指の第二関節が曲がり、第一関節が反った状態
外反母趾(がいはんぼし) 足の親指が外側に曲がり、足の人差し指にぶつかったり乗り越えたりした状態
ハンマートー 足の指が折れ曲がったような状態
屈曲拘縮(くっきょくこうしゅく) 膝や肘が伸ばしきれなくなった状態

首の関節がずれやすくなると、後頭部の痛みや手のしびれ、手に力が入りにくいといった症状が出ることもあります。また、肘の外側や腰骨の上など、圧迫されやすい部位の皮膚の下にしこり(リウマチ結節)ができることがあります。

一度変形した関節は、手術以外で元に戻すのが難しいとされています。

関節以外の症状

関節リウマチは、関節以外にも症状が出ることがあります。全身の症状としては、疲れやすさや脱力感、体重減少、食欲低下などがみられます。

肺に炎症が起きて硬くなる間質性肺炎を合併すると、息切れや、痰を伴わない咳(から咳)が出ます。肺のまわりに水(胸水)がたまることもあります。

涙や唾液が出にくくなるシェーグレン症候群を伴う場合もあります。

まれに、血管に炎症が起きて発熱などを引き起こす「悪性関節リウマチ」というタイプもあります。なお、関節の症状が強いリウマチを指す言葉ではありません。

以下の記事では、関節リウマチの合併症である間質性肺炎について詳しく解説しています。

関節リウマチが疑われるときの受診の目安と検査

関節リウマチは、早く見つけて早く治療を始めるほど、関節を守りやすい病気です。「何科に行けばよいのか」「どのような検査をするのか」がわかると、受診のハードルも下がります。

ここでは、受診の目安と、医療機関で行う検査について解説します。

  • 何科を受診する?受診の目安
  • 医療機関で行う主な検査
  • 診断に使われる分類基準(2010年ACR/EULAR)
  • 受診前にメモしておきたい4つのこと

それぞれ詳しく解説します。

何科を受診する?受診の目安

関節リウマチが気になる場合は、リウマチ科・膠原病内科、またはリウマチ専門医のいる整形外科に相談しましょう。膠原病内科は、免疫の異常で全身に炎症が起きる病気(膠原病)を診る内科です。

近くの専門医は、日本リウマチ財団の医療機関検索で探せます。

受診の目安となる症状は以下のとおりです。

  • 関節の腫れや痛みが数週間続いている
  • 痛む関節の数が増えてきた
  • 朝のこわばりが毎日のように続いている
  • 関節の症状に加えて、微熱やだるさがある

1つでも当てはまる場合は、早めに受診しましょう。

医療機関で行う主な検査

関節リウマチの診断では、血液検査と画像検査を組み合わせて判断します。主な検査は以下のとおりです。

検査 わかること
リウマトイド因子(RF) ・関節リウマチの方の70〜80%程度で陽性になる
・健康な人でも陽性になることがあり、高齢者では4〜5人に1人が陽性
抗CCP抗体 ・関節リウマチに特徴的な自己抗体
・関節リウマチの方の70〜80%程度で陽性になる
・関節リウマチ以外で陽性になることは少ない
CRP・赤沈(赤血球沈降速度) ・炎症があると値が上がる血液検査で、体の中の炎症の強さを調べる
画像検査 ・レントゲンで骨が欠けていないか(骨びらん)を確認する
・関節エコーやMRIでは、より早い段階の炎症を確認できる

RFが陽性でも、関節リウマチとは限りません。反対に、高齢で発症した関節リウマチでは、RFも抗CCP抗体も陰性のことが多いとされています。(文献6)

診断に使われる分類基準(2010年ACR/EULAR)

関節リウマチの診断の目安として、2010年に米国と欧州のリウマチ学会が合同で発表した分類基準が広く使われています。以前の1987年の基準では、早い段階の患者様を診断しにくかったためです。

1カ所以上の関節に腫れを伴う炎症があり、ほかの病気が除外できる場合に、以下の4項目を点数化します。

  • 症状がある関節の数
  • RF・抗CCP抗体の値
  • CRP・赤沈の値
  • 症状が6週以上続いているか

合計6点以上で関節リウマチと分類されます。(文献1)最終的な診断と治療の開始は、診察や画像検査の結果もあわせて医師が判断します。

4項目のうち「関節の数」と「症状が続いている期間」は、ご自身でも記録できます。

受診前にメモしておきたい4つのこと

受診前に症状をメモしておくと、診察で症状を正確に伝えやすくなります。分類基準の項目にあわせて、以下の4つを記録しておきましょう。

  1. 腫れや痛みのある関節の場所と数(手足の絵に印をつけると伝わりやすい)
  2. 症状が始まった日(6週以上続いているか)
  3. 朝のこわばりが続く時間
  4. 発熱やだるさの有無、家族に関節リウマチの方がいるか、喫煙や歯周病の有無

関節の腫れは、日によって引いていることもあります。腫れているときにスマートフォンで写真を撮っておくと、受診日に症状が落ち着いていても伝えやすくなります。

関節リウマチの治療方法

関節リウマチの治療は、早い段階で抗リウマチ薬を始め、症状がほとんどなく病気が落ち着いた状態である「寛解(かんかい)」を目指すのが基本です。

近年は薬の進歩により、病気の進行を抑えられるようになってきました。生物学的製剤やJAK阻害薬も、抗リウマチ薬の一種です。主な治療方法は以下のとおりです。

  • 薬物療法
  • 生活指導・リハビリテーション
  • 再生医療

ここでは、それぞれの概要を解説します。

薬物療法

薬物療法は、関節リウマチの治療の中心です。主に使われる薬は以下のとおりです。

薬の種類 治療上の特徴
従来型の抗リウマチ薬 ・免疫の異常に働きかけ、病気の進行を抑える
・治療の基本となる薬で、代表的な有効成分はメトトレキサート(製品名:リウマトレックスなど)
生物学的製剤 ・炎症を引き起こす物質の働きを抑える注射や点滴の薬
・従来型の抗リウマチ薬で効果が不十分な場合に使う
・代表的な有効成分はアダリムマブ(製品名:ヒュミラ)、トシリズマブ(製品名:アクテムラ)など
JAK阻害薬 ・炎症を伝える体内の信号を抑える飲み薬
・従来型の抗リウマチ薬で効果が不十分な場合に使う
・代表的な有効成分はトファシチニブ(製品名:ゼルヤンツ)、バリシチニブ(製品名:オルミエント)など
痛みを抑える補助薬 ・痛み止め(消炎鎮痛薬)やステロイドで、痛みや炎症を一時的に和らげる
・病気の進行を抑える薬と組み合わせて使う

治療を始めたあとも定期的に効果を確認し、目標に届かない場合は薬の種類や量を見直します。

生活指導・リハビリテーション

生活指導とリハビリテーションは、薬で炎症を抑える治療と並行して行うものです。

炎症が強い時期は、関節を休ませることが大切です。腫れや痛みが落ち着いたら、関節を動かして動く範囲を保ちましょう。関節は保温を心がけ、冷房の風を直接当てないようにします。

日常生活では、太い持ち手のペンや瓶のふたを開ける道具など、関節に負担をかけにくい道具を使うのも一つの方法です。

リハビリテーションでは、関節の動く範囲や握力を保つ軽い運動を行います。関節への負担を減らし、変形を防ぐための装具を使うこともあります。

再生医療

再生医療は病気の進行を抑える薬の代わりにはなりませんが、薬で炎症を抑えても関節の痛みが残る場合に選択肢の一つとしてご検討いただけます。再生医療は、患者様ご自身の細胞や血液を用いる治療法です。

当院で行っている再生医療は以下のとおりです。

再生医療の種類 詳細
幹細胞治療 患者様の脂肪から採取した幹細胞を培養し、患部に投与する治療方法
PRP療法 患者様の血液から血小板を濃縮し、患部に投与する治療方法

いずれも入院の必要はなく、日帰りで受けられます。症状や状態によって適応が異なり、効果には個人差があるため、医師とご相談のうえ検討することが大切です。

当院で行った関節リウマチに対する再生医療の症例については、以下の記事をご覧ください。

【症例記事】
関節リウマチで膝関節の痛みが取れない・40代女性
関節リウマチ・高濃度PRPで手首の痛みが激減!

関節リウマチの治療を続けても関節の痛みが残ってお悩みの方は、当院の公式LINEからお気軽にご相談ください。

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関節リウマチになりやすい人

関節リウマチは男性より女性に多く、男性の約3倍とされています。以前は30〜50代の女性に多いといわれていましたが、2020年代では60歳代の発症がもっとも多くなっています。高齢で発症する場合は、男女差が小さくなります。(文献3)

原因は完全にはわかっていません。免疫の異常に、遺伝や感染したウイルス・細菌の影響が関わると考えられています。また、喫煙や歯周病も発症のリスクを高めます。

「若くないから」「男性だから」関節リウマチではない、と思い込まないことが大切です。禁煙や丁寧な歯磨きなど、日頃の生活習慣にも気を配りましょう。

朝のこわばりや指の腫れが続いたら早めにリウマチ科を受診しよう

関節リウマチの初期症状は、朝のこわばりと、指の付け根・指の第二関節・手首・足の指の腫れや痛みです。指の第一関節だけが硬く腫れる場合は、ヘバーデン結節など別の病気の可能性もあります。

放置すると軟骨や骨の破壊が進み、関節が変形することがあります。できれば半年以内に治療を始めることが大切です。腫れや痛みが数週間続く方、痛む関節が増えてきた方は、リウマチ科や膠原病内科などを早めに受診しましょう。

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関節リウマチの初期症状に関するよくある質問

ここでは、関節リウマチの初期症状についてよくいただく質問にお答えします。

関節リウマチの前兆となる症状は?

朝のこわばりが、関節の痛みより先に最初の症状として現れることがあります。

また、だるさや微熱などの全身の症状が先に出ることもあります。気になる症状がある方は、本記事のセルフチェックで確認してみてください。

片側の指だけが痛い場合も関節リウマチの可能性はある?

片側の指だけでも、関節リウマチの可能性はあります。

初期は1つから数カ所の関節から始まることが多く、必ず左右対称に症状が出るわけではありません。片側だけでも、腫れが数週間続く場合は受診をおすすめします。

血液検査でリウマトイド因子が陰性ならリウマチではない?

陰性でも、関節リウマチではないとは言い切れません。

リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体が陽性になるのは、関節リウマチの方の70〜80%程度です。とくに高齢で発症した場合は、どちらも陰性のことが多いとされています。

診断は、症状や診察、画像検査の結果をあわせて判断します。

関節リウマチでしてはいけないことは?

腫れて熱をもつ関節を無理に使うことは避けましょう。炎症が強い時期に関節を酷使すると、痛みや腫れが悪化するおそれがあります。

そのほか、以下の点にも注意が必要です。

  • 関節を冷やす(冷房の風を直接当てるなど)
  • 喫煙を続ける
  • 自己判断で受診を先延ばしにする
  • 自己判断で薬をやめる

気になることがあれば、主治医に相談しながら治療を続けましょう。

参考文献

(文献1)

関節リウマチ新分類基準(ACR/EULAR2010)|日本リウマチ学会

(文献2)

初めから起こる症状|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター

(文献3)

関節リウマチについて|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター

(文献4)

変形性関節症|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター

(文献5)

リウマチ性多発筋痛症|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター

(文献6)

診断のための検査|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター