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腰に違和感を感じる 腰の違和感のせいで生活に支障をきたしている 腰の違和感はぎっくり腰の前兆であると同時に、椎間板ヘルニアの可能性もあります。ぎっくり腰と椎間板ヘルニアは放置しておくと症状が悪化する恐れがあり、対処方法が異なるのです。 また、ぎっくり腰と椎間板ヘルニアの症状は酷似している点も多く、見分け方が難しい側面もあわせもっています。 そこで本記事では、以下について解説します。 ぎっくり腰と椎間板ヘルニアの違い ぎっくり腰と椎間板ヘルニアが併発する可能性 ぎっくり腰になったときの対処法 ヘルニアになったときの対処法 ぎっくり腰と椎間板ヘルニアの違いを知ることで適切に対処できます。ぜひ最後までご覧いただき、ぎっくり腰と椎間板ヘルニアの違いを理解しましょう。 ぎっくり腰とヘルニアの違いとは? 項目 ぎっくり腰(急性腰痛症) 椎間板ヘルニア 発症の仕方 急な動作、重い物を持つ、前かがみの姿勢、朝起きたときなど 椎間板の変性、加齢、長期間の負担、急激な負荷や外傷 主な症状 急に訪れる腰痛(ある瞬間に発生) 徐々に悪化する場合と急激に悪化する場合がある 神経症状 基本的に神経症状はない あり(脚のしびれ・感覚異常・筋力低下など) 診断方法 問診・身体診察が基本 神経学的所見+MRI・CT・X線など画像検査(文献3) 治療方法 安静・鎮痛薬・物理療法・ストレッチなど 保存療法(薬・理学療法)、改善しない場合は手術を検討する必要あり ぎっくり腰とヘルニアの症状には上記のような違いがあります。どちらも発症の仕方や症状が似ている部分はありますが、一般的にヘルニアの方が重い症状です。 ぎっくり腰とヘルニアの症状について詳しく解説していきます。 ぎっくり腰の症状 前提としてぎっくり腰の原因は特定できませんが、以下3つの要因で症状が引き起こされます。 筋肉疲労の蓄積 急な動作や重い荷物を持つなど 骨格の歪み ぎっくり腰の症状としては、腰にズキッとした違和感を感じ、動くのが難しい状態のことを指します。(文献2) 病院での診断方法は主に問診・身体診察が基本です。治療方法としては安静・鎮痛薬・物理療法・ストレッチなどが挙げられます。 以下記事ではぎっくり腰の症状を詳しく解説しております。ぎっくり腰は自己判断や放置にリスクが伴いますので、早めの受診がおすすめです。 ヘルニアの症状 ヘルニアの症状には種類があります。その中でも代表的なのは椎間板ヘルニアです。 主な症状は手足のしびれや筋力の低下などの違和感や腰痛のようなズキッとした感覚に襲われます。 ぎっくり腰は問診・身体診察が基本なのに対し、代表的な椎間板ヘルニアは神経学的所見+MRI・CT・X線など画像検査が必要です。(文献1)保存療法(薬・理学療法)で改善しない場合は手術も視野に入れる必要があります。 以下記事ではヘルニアの症状について詳しく解説しております。ヘルニアに対しての自己判断はリスクが高いため、早期発見が大切です。 ぎっくり腰とヘルニアは併発する可能性がある 起因 併発の仕組み 症状の特徴 ヘルニア 椎間板ヘルニアによる神経圧迫や腰部の負担増加が原因でぎっくり腰を発症する可能性あり。 長時間座っていると違和感が増すことが多い。 ぎっくり腰 ぎっくり腰で急激な腰の負担がかかり、椎間板が損傷してヘルニアを引き起こすことがある。 ぎっくり腰の違和感が長引き、脚にしびれや違和感が出ることがある。 ぎっくり腰とヘルニアは互いに影響し、併発する可能性があります。併発するケースを解説するので、参考にしていただけますと幸いです。 ヘルニアが原因でぎっくり腰を発症する場合 ヘルニアが原因でぎっくり腰を発症するケースは主に椎間板ヘルニアによる神経圧迫や腰部の負担増加です。椎間板ヘルニアの症状があると、腰の筋肉が緊張しやすくなったり、腰のストレスがかかりやすくなります。 そのため、急な動作や前かがみになった際にぎっくり腰を発症しやすくなります。椎間板ヘルニアの方は急な動作や重い荷物を持つなど、腰にストレスのかかる動作には注意が必要です。 ぎっくり腰が原因で椎間板ヘルニアを発症する場合 ぎっくり腰で腰にかかる負荷が大きくなると、椎間板(背骨のクッション部分)にも強い圧力がかかり、椎間板の内部を傷つけることになります。 椎間板の内部に負荷がかかることで、髄核(ゼリー状の組織)が飛び出してしまい、椎間板ヘルニアの発症につながります。 ぎっくり腰が長引く・違和感を感じる際は椎間板ヘルニアを併発する前に早めの受診が大切です。 ぎっくり腰になったときの対処法 ぎっくり腰になったときの対処法は以下の5つです。 楽な姿勢で安静にする 市販の鎮痛剤や鎮静成分を含む湿布を使用する 負担のかからない程度に適度に動く 15分程度の患部の冷却 医療機関の受診 ぎっくり腰になったときは重いものを持ち上げたり、姿勢を急に変えたりする行動は控えましょう。 以下で対処法を詳しく紹介します。 また、ぎっくり腰の原因や治療については以下の記事で詳しく解説しています。ぎっくり腰にお悩みの方はぜひ参考にしていただけますと幸いです。 1.楽な姿勢で安静にする ぎっくり腰になったときは無理な姿勢は取らず、腰に負担のかからない楽な姿勢をとることが大切です。 ぎっくり腰になった人の大半は仰向けで脚を伸ばして寝るのが難しい状態といえます。 発症直後、腰に違和感を感じるときは腰に負担がかからない楽な姿勢をとるようにする、膝の下にクッションを入れ、腰と膝を軽く曲げて寝る、膝を軽く曲げて横向きに寝るなどが有効です。 大半の場合、症状は1週間ほどで和らぎますが、改善が見られない場合は当院の受診をおすすめします。 2.市販の鎮痛剤や鎮静成分を含む湿布を使用する 応急処置として、湿布やロキソニンなどの市販薬の使用が効果的です。 湿布を選ぶ際は鎮静成分が含まれている、ロキソプロフェン・ジクロフェナク・インドメタシンなどの成分が含まれているものを選びましょう。(文献3) 湿布の中には鎮静成分が含まれていないもの(例:保湿成分メインの湿布や局所刺激成分のみの湿布など)もあるので、不安な方は薬局に相談するのがおすすめです。 また、湿布で肌荒れやかゆみを感じる場合はすぐに使用を中断する様にしましょう。 3.負担のかからない程度に適度に動く ぎっくり腰になったときは負担のかからない程度に適度に動くことも大切です。腰痛を気にするあまり動かないでいると、筋力低下や慢性化のリスクがあります。 どうしても動けないときに無理する必要はないものの、簡単な家事や近くのものを取りに行く程度であれば、回復を促進してくれます。症状が軽減した段階で適度に動くことは、筋肉の硬直を防ぐために重要です。 無理のない範囲で少しずつ、身体を動かすようにしましょう。 4.15分程度の患部の冷却 方法 内容 目安時間 冷却(初期対応) 氷嚢や冷却パックをタオル越しに使用する 15〜20分おき、1時間おきに繰り返す 症状が引いたら 入浴や蒸しタオル、カイロで血行促進 症状の軽減後に行う ぎっくり腰で炎症を起こした患部の冷却は応急処置としても有効な手段です。楽な姿勢で身体への負担を減らし、症状始めの48時間ほどは患部を冷やすと炎症を抑えられます。 氷嚢や冷却パックをタオル越しに15〜20分冷やします。この流れを1時間おきに繰り返しましょう。症状が引いてきた段階で入浴や蒸しタオル、カイロを使って血行を促進し、筋肉の強張りを和らげられます。 ただし症状が引いてきた段階で血行がよくなるという理由で入浴や蒸しタオルで温めすぎるのは逆効果です。温めすぎると引いた炎症が再発する可能性があるので、注意が必要です。 5.医療機関の受診 治療法 内容 薬物療法 消炎鎮痛剤(NSAIDs)や筋弛緩剤を使用し、炎症を抑える 理学療法 ストレッチやリハビリを行い、筋力を強化して負担を軽減する(文献4) 神経ブロック療法 症状を感じる神経に局所麻酔薬やステロイドを注射し、一時的に症状を抑える 椎間板内酵素注入療法 椎間板に酵素(コンドリアーゼ)を注入し、飛び出た髄核を縮小させる 手術療法 突出した椎間板を取り除く手術を実施する(内視鏡手術や除圧術など) ぎっくり腰が改善しない場合は、医療機関の受診をおすすめします。自己判断での対処はリスクを伴います。 なかなか改善しない、治るのか不安と感じているなら、医師に相談すれば不安が解消できるかもしれません。 少しでも気になることがあれば、医師に相談し、ぎっくり腰の改善に前向きな気持ちになれます。前向きな気持ちは治療にとっても大切です。 早くから治療を始めた方が効果を得やすいため、気になる場合は気軽にご相談ください。ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けております。 ヘルニアになったときの対処法 治療法 内容 薬物療法 消炎鎮痛剤(NSAIDs)や筋弛緩剤を使用し、炎症を抑える 理学療法 ストレッチやリハビリを行い、筋力を強化して負担を軽減する 神経ブロック療法 症状を感じる神経に局所麻酔薬やステロイドを注射し、一時的に症状を抑える 椎間板内酵素注入療法 椎間板に酵素(コンドリアーゼ)を注入し、飛び出た髄核を縮小させる 手術療法 突出した椎間板を取り除く手術を実施する(内視鏡手術や除圧術など) ヘルニアになったときの対処法は以下の5つ。 薬物療法 理学療法 神経ブロック療法 椎間板内酵素注入療法 手術療法 これから紹介する対処法は、必ず医師の診断を受けた上で行いましょう。 1.薬物療法 薬物療法とは消炎鎮痛剤(NSAIDs)や筋弛緩剤を使用し、炎症を抑える療法です。 腰椎椎間板ヘルニアにより生じる腰下肢痛に対する薬物療法として、世界各国で鎮痛薬、筋弛緩薬、抗うつ薬などによる治療が一般的に行われています。(文献4) しかし、薬物の効果が現在の医学研究において信頼性の高い証拠(エビデンス)がまだ見つかっていません。 薬物療法は根本的な治療ではなく、あくまで対症療法として有効です。薬物療法は根本的な解決ではなく、症状を一時的に和らげるものであることは覚えておきましょう。 2.理学療法 理学療法とはストレッチやリハビリを行い、筋力を強化して負担を軽減する療法です。腰椎椎間板ヘルニアの治療では、運動療法(筋力トレーニング・ストレッチ・持久力強化)が効果的とされています。 ただし、この療法は発症を防ぐ1次予防としての効果は十分に証明されていません。 一方で、再発を防ぐ2次・3次予防として期待を寄せられており、運動を続けることでVAS値の軽減、休業期間の短縮、再発率の低下が期待されています。 コルセットについては、ヘルニア発症自体を防ぐ効果(1次予防)は証明されていません。しかし回復の手助けや、再発防止に役立つとされています。 また、認知行動療法(不安やストレスを軽減する心理療法)はヘルニアの再発防止に効果があると期待されています。 3.神経ブロック療法 神経ブロック療法の種類 特徴 硬膜外ブロック療法 脊髄を包む膜(硬膜)の外側にある空間に局所麻酔薬を注入する。炎症を抑える効果もある 神経根ブロック療法 X線画像を見ながら、圧迫されている神経に局所麻酔薬と抗炎症薬を直接注入する ブロック療法(椎間板造影) X線画像を用いて障害された椎間板を特定し、そこに局所麻酔薬と抗炎症薬を注入する 神経ブロック療法とは症状の原因になっている神経の部位やその周りに細い特殊な神経ブロック針で局所麻酔などを注入する療法です。 神経ブロック療法は一時的な療法や診断には有効ではあるものの、根本的な治療として有効であるエビデンスが存在しないため、リハビリや生活習慣の改善と併用が推奨されています。(文献4) 4.椎間板内酵素注入療法 コンドリアーゼと呼ばれる酵素を椎間板内に注入し、髄核を化学的に溶解して神経の圧迫を軽減する療法です。 椎間板内酵素注入療法の所要時間はおおむね30〜60分で、3時間の安静後にゆっくり歩行を開始します。手術の時間は30〜60分程度で、入院は1日程度で短期間なのもメリットです。 注意点としては、アナフィラキシー(かゆみ、蕁麻疹などの皮膚症状、腹痛、吐き気などの消化器症状、視野が狭くなるなどの視覚症状)を引き起こさないために、コンドリアーゼの投与は生涯に1度のみ投与が許可されています。 神経や血管、消化管に近い部位を針で刺すため、損傷のリスクがあります。国内第Ⅱ/Ⅲ相試験及び第Ⅲ相試験(薬剤発売前の臨床試験)では、一時的な腰痛や下肢痛の悪化が約30%報告されています。 しかし、2019年の時点では椎間板内酵素注入療法で死亡した事例は報告されていません。椎間板内酵素注入療法を受ける際は、必ず医師と相談し、過去にコンドリアーゼの投与歴がないことを確認した上で進めましょう。 5.手術療法 椎間板ヘルニアの治癒は原則、薬物療法、理学療法、神経ブロック療法などの保存療法が中心で行われます。しかし3か月間の保存療法で改善されない場合や3カ月も待機できない場合には手術が推奨されています。 手術ではLOVE法と呼ばれる一部骨を削った後に脊髄をよけてヘルニアを切除する手術を行い、手術後1〜2日で歩行練習やリハビリを開始します。 薬物療法、理学療法、神経ブロック療法でも症状が改善しない場合は、医師に相談し、手術を検討するのも1つの方法です。 腰に違和感を感じる方は早めの受診がおすすめ 腰に違和感を感じる方はぎっくり腰・間板ヘルニアに限らず早めの受診をおすすめします。ぎっくり腰と椎間板ヘルニアの症状には似た部分も多いものの、対処法が異なります。 ぎっくり腰が原因で間板ヘルニアを併発することもあれば、ヘルニアが原因で併発することもあるので、少しでも不安に感じた方は早めに当院に相談ください。 当院「リペアセルクリニック」では、ぎっくり腰・椎間板ヘルニアをはじめとする症状に対して再生医療(幹細胞治療)を提供しています。 再生医療(幹細胞治療)は損傷した椎間板や神経組織の再生を目指し、症状の軽減や機能の回復を期待できます。 腰に関するちょっとした悩みでも当院「リペアセルクリニック」にご相談いただけますと幸いです。ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 参考文献 (文献1) 日本整形外科学会「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン(改訂第 3 版)」2021年 https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.php?file=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00645.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b(最終アクセス:2025年2月21日) (文献2) 公益社団法人日本整形外科学会「症状・病気をしらべる https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/acute_low_back.html(最終アクセス:2025年2月21日) (文献3) 厚生労働省 「鎮痛・鎮痒・収れん・消炎薬(パップ剤を含む)製品群No. 57」 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/01/s0117-9d36.html¥(最終アクセス:2025年2月21日) (文献4) 伊藤俊一 「エビデンスに基づく理学療法 ―理学療法診療ガイドラインを読み解く―」 連載第9 回 腰椎椎間板ヘルニア 理学療法診療ガイドライン」『理学療法学 第 42 巻第 6 号』pp.1-6,2015年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/42/6/42_42-6kikaku_ito_toshikazu/_pdf?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス:2025年2月21日)
2025.02.28 -
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「お尻の奥が痛い」「足にしびれがある」といった症状が続くと、「いつ治るのだろう」と不安になる方も多いのではないでしょうか。 梨状筋症候群が回復するまでの期間に症状の程度や患者さまによって差があり、軽度であれば数週間で改善することもありますが、慢性化している場合は数カ月以上かかるケースもあります。 本記事では、梨状筋症候群が治るまでの期間の目安について症状の程度別に詳しく解説します。 なお、適切な治療を受けずに梨状筋症候群を放置してしまうと、神経の圧迫が悪化し、歩行が難しくなるなど日常生活に影響するリスクがあります。 具体的な治療法や回復を妨げる行動についても紹介しているので、梨状筋症候群にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。 梨状筋症候群を早く治したい方は、自己細胞を用いて早期改善を目指す「再生医療」も選択肢の一つです。 \梨状筋症候群の早期改善を目指す再生医療とは/ 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて、損傷した神経の再生・修復を促すことで「梨状筋症候群」の根本改善を目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 梨状筋症候群を少しでも早く治したい 痛みやしびれを根本的に治したいが、手術は避けたい 保存療法などの治療を続けているが、期待した効果が得られない >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、お気軽にご相談ください。 まずは「梨状筋症候群」の治療について無料相談! 梨状筋症候群が治るまでの期間|症状の程度別に解説 梨状筋症候群が治るまでの期間は、症状の重さや治療への取り組み方によって大きく異なります。ここでは、症状の程度を以下3つに分け、回復期間の目安を解説します。 軽度の場合は2週間〜1カ月程度で改善する 中等度の場合は1〜3カ月の治療期間が必要 重度・慢性化している場合は3カ月以上かかることも ただし、上記の期間はあくまで目安です。同じ程度の症状でも、生活習慣や体の状態によって回復にかかる期間は異なります。 軽度の場合は2週間〜1カ月程度で改善する 痛みやしびれが軽く、日常生活に大きな支障がない場合は、2週間〜1カ月程度で症状が改善することが多いです。 また、軽度の症状であれば、ストレッチや生活習慣の見直しといったセルフケアで十分な効果が期待できます。 さらに、梨状筋症候群は「長時間の座位を避ける」「こまめに体を動かす」など、梨状筋への負担軽減を意識すると、回復が早まりやすくなります。 中等度の場合は1〜3カ月の治療期間が必要 痛みが続き、「座っていると辛い」「歩くと違和感がある」といった状態では、1〜3カ月程度の治療期間が必要になることがあります。 中等度の症状では、セルフケアに加えて、医療機関でのストレッチ指導や薬物療法などを組み合わせながら、経過を見ていくことが一般的です。(文献1) ただし、回復期間は日常生活での姿勢や体の使い方にも左右されます。治療と並行して、座り方や作業環境の見直しを行うと、回復を早められる可能性があります。 また、早期改善を目指す場合、近年の治療では、痛みやしびれの原因となる神経を治療する「再生医療」も選択肢の一つです。 >>再生医療の治療について確認する 重度・慢性化している場合は3カ月以上かかることも 痛みやしびれが長期間続いていたり、再発を繰り返したりする場合は、3カ月以上の治療期間が必要になることがあります。 慢性化した梨状筋症候群では、保存療法だけでは十分な改善が得られないケースもあるため、症状が長引く場合は、医療機関で詳しい検査を受け、治療方針を見直すことが重要です。 症状が改善しない場合は、専門医への相談を検討しましょう。 また、重度の梨状筋症候群は、自己細胞を用いて神経痛の改善を目指す「再生医療」も選択肢となる場合があります。 「つらい神経痛を根本的に治したい」という方は、ぜひ再生医療について確認してみてください。 >>再生医療の治療について確認する 梨状筋症候群の症状 梨状筋症候群とは、お尻の奥深くにある梨状筋が、坐骨神経を圧迫することで起こる症状です。 梨状筋症候群の主な症状は、以下のとおりです。 臀部から太もも、ふくらはぎにかけての痛み 股関節の動きに伴う痛み それぞれ詳しく解説します。 臀部から太もも、ふくらはぎにかけての痛み 梨状筋症候群では、お尻から太もも、ふくらはぎや足先まで痛み・しびれが広がることがあります。電気が走るようなピリピリとした感覚や、ジーンと響くような感覚、焼けるような痛みなど、症状の現れ方は人によってさまざまです。 このような症状は一般的に「坐骨神経痛」と呼ばれます。ちなみに、坐骨神経痛は病名ではなく、坐骨神経が圧迫・刺激されることで起こる痛みやしびれの総称です。梨状筋症候群は、坐骨神経痛を引き起こす原因の一つとなります。 なお、坐骨神経痛を引き起こす原因には、梨状筋症候群以外にも腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)などがあります。 以下の記事では、坐骨神経痛について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。 股関節の動きに伴う痛み 梨状筋症候群では、股関節を動かすと痛みが増すことがあります。 梨状筋は、股関節を外側に回す働きをする筋肉です。股関節を内側や外側に回したり、曲げ伸ばししたりする際に梨状筋が伸縮し、坐骨神経を刺激します。坐骨神経への刺激に伴い、痛みが生じてしまうのです。 とくに、股関節を外側に回す動きは梨状筋を強く収縮させるため、痛みを感じやすいです。 また、階段の上り下りや足を組む動作など、日常生活の動作でも痛みが生じる場合があります。 梨状筋症候群の主な治療法と治るまでの考え方 梨状筋症候群の治療法は、症状の程度によって異なります。軽度であればセルフケアで改善することもありますが、症状が強い場合は医療機関での治療が必要です。 「早く治したい」気持ちは当然ですが、無理に回復を急ぐと症状が悪化することもあります。自分の症状に合った治療法を選び、焦らず取り組むことが大切です。 ここでは、以下の治療法を解説します。 保存療法が基本 手術療法が検討されるケース 梨状筋症候群に対する再生医療 上記に併せて「治るまでの考え方」も紹介するので、ぜひ参考にしてください。 保存療法が基本 梨状筋症候群の治療は、手術を行わない保存療法が基本です。梨状筋の緊張を和らげ、炎症の抑制を目的として、以下のような治療が行われます。 治療法 内容 ストレッチ 梨状筋を伸ばすことで神経への圧迫を軽減する 薬物療法 痛み止めや消炎鎮痛剤で痛みや炎症を抑える 温熱療法 温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる 注射療法 局所麻酔薬やステロイド薬を注射し、痛みと炎症を抑える (文献1) 多くの場合、保存療法を一定期間続けることで症状の改善が期待できます。症状の程度に応じて治療内容が調整されるため、医師と相談しながら進めていきましょう。 手術療法が検討されるケース 保存療法を数カ月間継続しても症状が改善しない場合や、他の疾患が疑われる場合は、手術療法が検討される場合があります。 ただし、梨状筋症候群で手術が必要となるケースは稀です。手術を検討する際は、医師による慎重な判断が前提となります。 梨状筋症候群に対する再生医療 「現在の治療で十分な改善が得られないが手術は避けたい」という方には、再生医療という選択肢もあります。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて、損傷した神経の再生・修復を促すことで「梨状筋症候群」の根本改善を目指す治療法です。 主に「幹細胞治療」と「PRP療法」の2つがあります。 再生医療の種類 詳細 幹細胞治療 組織の修復に関わる働きを持つ「幹細胞」を患部に投与する治療法 PRP療法 血液中の血小板に含まれる成長因子などが持つ、炎症を抑える働きや組織修復に関与する働きを利用した治療法 いずれも手術や入院が不要で、身体への負担が少ないことが特徴です。 以下のような方は、ぜひ再生医療をご検討ください。 梨状筋症候群を少しでも早く治したい 痛みやしびれを根本的に治したいが、手術は避けたい 保存療法などの治療を続けているが、期待した効果が得られない >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、梨状筋症候群に対する再生医療について無料カウンセリングを実施しております。まずは一度ご相談ください。 まずは「梨状筋症候群」の治療について無料相談! 自宅でできる梨状筋ストレッチ 梨状筋症候群の改善や予防には、自宅でのストレッチが効果的です。梨状筋を伸ばすことで、坐骨神経への圧迫を軽減し、症状の緩和が期待できます。 梨状筋ストレッチの手順は、以下のとおりです。 仰向けに寝て、両膝を立てる 右足を左足の膝の上に乗せる 左太ももの裏を両手で持ち、ゆっくりと胸に引き寄せる この姿勢を30秒間保持する 反対側も同様に行う なお、ストレッチは無理のない範囲で行いましょう。また、朝起きたときやお風呂上がりなど、体が温まっているタイミングが効果的です。 ただし、痛みが強い場合は無理にストレッチを行わず、医療機関を受診してください。 梨状筋症候群の回復を遅らせる3つのやってはいけない行動 梨状筋症候群は、日常生活での行動が回復に大きく影響します。以下のような行動は、症状を悪化させたり、回復を遅らせたりする可能性があるため注意が必要です。 長時間同じ姿勢で座り続ける 痛みを我慢してハードな運動を続ける 痛みが引いたからと予防策をやめる それぞれ詳しく解説します。 長時間同じ姿勢で座り続ける デスクワークや車の運転などで長時間同じ姿勢を続けていると、梨状筋が圧迫され、坐骨神経への刺激が強まります。 とくに、足を組んだり、片方に体重をかけたりする姿勢は、梨状筋への負担が大きくなるため注意が必要です。 長時間座る必要がある場合は、1時間に1回程度は立ち上がって歩いたり、軽いストレッチを行ったりしましょう。また、椅子に座る際は足を組まない意識も大切です。 痛みを我慢してハードな運動を続ける 痛みがあるにもかかわらず、無理に運動を続けると、炎症が進行して治療期間が延びる可能性があります。 とくに注意が必要な運動は、以下のとおりです。 長距離ランニング 重量挙げ 急な方向転換を伴うスポーツ(サッカー、テニスなど) 運動を再開する際は、段階的に強度を上げていくことが重要です。痛みが完全に治まるまでは激しい運動を避け、医師や理学療法士の許可を得てから復帰しましょう。 痛みが引いたからと予防策をやめる 梨状筋症候群は、治療によって一時的に症状が改善しても、生活習慣や筋緊張の影響により再発しやすい疾患とされています。 ある研究では、注射治療を受けた患者様の68%以上が痛みの再発を経験し、その多くが「治療後3カ月以内に起こった」と報告されています。(文献2) 痛みが消えても、筋肉の柔軟性が完全に回復したわけではありません。また、姿勢の癖や生活習慣は簡単には変わらないため、意識的な予防策の継続が重要です。 まとめ|梨状筋症候群は治るまでの期間を理解して適切に対処することが大切 梨状筋症候群が治るまでの期間は、軽度で2週間〜1カ月程度、中等度で1〜3カ月程度、重度・慢性化している場合は3カ月以上が目安となります。 早期に対処し、適切なセルフケアを続けることが、回復を早めるためのポイントです。 症状が長引く場合や、セルフケアで改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。 なお、梨状筋症候群を早く治したい方は、自己細胞を用いて早期改善を目指す「再生医療」をご検討ください。 \梨状筋症候群の早期改善を目指す再生医療とは/ 先述のとおり、再生医療は患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した神経の再生・修復を促すことで早期改善を目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 梨状筋症候群を少しでも早く治したい 痛みやしびれを根本的に治したいが、手術は避けたい 保存療法などの治療を続けているが、期待した効果が得られない >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひ一度ご相談ください。 まずは「梨状筋症候群」の治療について無料相談! 梨状筋症候群の治るまでの期間に関するよくある質問 最後に、梨状筋症候群の治るまでの期間に関するよくある質問に回答します。 梨状筋症候群は完治する? 梨状筋症候群が治らない場合はどうすればいい? 以下でそれぞれの内容について確認しましょう。 梨状筋症候群は完治する? 梨状筋症候群は、適切な治療と予防を続けることで完治が期待できる疾患です。多くの場合、保存療法で症状改善が期待できます。 ただし、痛みが消えただけでは完治とはいえません。筋肉の柔軟性が回復し、再発しにくい状態になるまでには時間がかかります。 症状が消失した後も、最低3カ月程度は予防策の継続が推奨されます。 完治までの期間には個人差があります。少しでも違和感を覚えたら、早めに医療機関を受診しましょう。 梨状筋症候群が治らない場合はどうすればいい? 保存療法を続けても症状が改善しない場合は、まず治療法の見直しを検討しましょう。 より専門的な医療機関(ペインクリニックや大学病院など)を受診したり、治療内容を変更したりすることが有効な場合もあります。 また、根本的な治療には手術療法が検討されますが、近年の治療では、自己細胞を用いた「再生医療」という選択肢もあります。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて、損傷した神経の再生・修復を促すことで「梨状筋症候群」の根本改善を目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 保存療法などの治療を続けているが、期待した効果が得られない 痛みやしびれを根本的に治したいが、手術は避けたい このまま治らないのではないか不安を抱えている >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、お気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) Piriformis syndrome, diagnosis and treatment|PubMed (文献2) Recurrence of piriformis syndrome: One year follow up post ultrasound guided injection therapy
2025.02.09 -
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腰や首の痛み、痺れ、悩んでいませんか? それは、背骨のクッションである椎間板が潰れ、神経を圧迫する椎間板ヘルニアかもしれません。 ぎっくり腰のような激しい痛みから、長時間デスクワークによる慢性的な痛みまで、その症状は様々です。 実は、トップアスリートでも椎間板ヘルニアの有病率が高いという報告もあるほど、身近な疾患なのです。 この記事では、椎間板ヘルニアの代表的な症状5選と原因や保存療法・手術療法といった治療法まで、詳しく解説します。 もしかしたら、あなたの痛みや痺れの原因がわかるかもしれません。 https://youtu.be/4AOGsB-m63Y?si=OXYtRw-021UiEI73 椎間板ヘルニアの症状と原因5選 椎間板ヘルニアは、背骨同士のクッションとなる椎間板が、まるで潰れて神経を圧迫するような状態です。腰や首に発症し、多くの人が悩まされています。 この椎間板ヘルニアによって引き起こされる代表的な症状5つと、その原因について、詳しく説明していきます。 ①腰痛:急性期の特徴と慢性期の特徴 腰痛は、椎間板ヘルニアの最も代表的な症状です。 「ぎっくり腰」のように、突然激しい痛みが生じる場合(急性期)と、徐々に痛みが強くなっていく場合(慢性期)があります。 急性期:急性期は、重量物を持った時や、急に体をひねったときなどに起こりやすく、その場で動けなくなるほどの激痛を伴うこともあります。 私の患者さんでも、くしゃみをした瞬間、激痛で動けなくなり救急車で運ばれてきた方がいました。 慢性期:慢性期は、加齢に伴って椎間板がすり減ったり、長時間のデスクワークや悪い姿勢などによって、じわじわと症状が現れることが多いです。 まるで、長年使い続けたクッションが、少しずつへたっていくように、椎間板も徐々に変性していきます。 初期は軽い違和感程度ですが、放っておくと重症化し、日常生活に支障をきたすようになることもあります。 特徴 急性期 慢性期 痛みの始まり方 突然 徐々に 痛みの程度 激しい 軽い~中等度 期間 数日~数週間 数ヶ月~数年 原因 急な動作、重量物を持つ 加齢、長時間のデスクワーク、悪い姿勢など ②下肢の痛みやしびれ:坐骨神経痛との関係性 椎間板ヘルニアは、腰だけでなく、臀部や太ももの後ろから、ふくらはぎ、足先など、下肢にも痛みやしびれを引き起こすことがあります。 これは、飛び出した椎間板が、腰から足にかけて伸びている「坐骨神経」という神経を圧迫するためです。 坐骨神経痛の症状は、おしりから太ももにかけての痛み、ふくらはぎの外側や足の裏のしびれ、足首や足指の動きが悪くなるなどがあります。 これらの症状は、片側の足に現れることが多く、咳やくしゃみをすると痛みが強くなることがあります。 特に、トップアスリートでは、一般人口よりも椎間板ヘルニアの有病率が高いという報告もあります。 これは、脊柱への継続的な圧力と、微小外傷の蓄積が原因と考えられています。アスリートに限らず、普段から、腰の負担を軽減するため、姿勢や運動を心がけることが大切です。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 ③排尿・排便障害:重症例での症状 椎間板ヘルニアが重症化すると、まれに排尿や排便のコントロールが難しくなることがあります。 これは、「馬尾神経」と呼ばれる、膀胱や直腸の働きをコントロールする神経が圧迫されることで起こります。 尿が出にくい、残尿感がある、便が出にくい、便秘になるなどの症状が現れたら、すぐに医療機関を受診してください。 馬尾症候群は、緊急手術が必要な重篤な状態です。 早期発見、早期治療が予後を大きく左右するため、少しでも異変を感じたら、ためらわずに専門医に相談することが重要です。 ④遺伝的要因:家族歴との関連 椎間板ヘルニアは、遺伝的要因が直接的に関係しているという明確なエビデンスは、現在のところありません。 しかし、家族に椎間板ヘルニアになった人がいる場合、椎間板の構造や強度などが似ている可能性があり、将来的に発症するリスクが少し高くなる可能性も考えられます。 ⑤加齢や生活習慣:肥満や喫煙の影響 加齢:加齢は、椎間板ヘルニアの大きなリスク要因の一つです。年齢を重ねると、椎間板の水分が減少すると、もろくなってしまい、ヘルニアになりやすくなります。 これは、乾燥したスポンジがもろくなりやすいのと同じようなイメージです。 肥満:肥満もリスクを高める要因です。過剰な体重は、椎間板に大きな負担をかけるためです。 喫煙:喫煙は、椎間板への血流を悪くし、椎間板の変性を促進するため、間接的にヘルニアのリスクを高める可能性が指摘されています。 日頃から、バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙などを心がけることで、椎間板ヘルニアのリスクを軽減することができます。 特に、肥満の方は、適切な減量指導を受けることで、椎間板への負担を軽減し、症状の改善を期待できます。 椎間板ヘルニアの検査と治療法4選 椎間板ヘルニアの検査方法と治療法について、不安を少しでも和らげ、治療に前向きに取り組めるよう、わかりやすく解説します。 検査で何がわかるのか、どんな治療の選択肢があるのか、一緒に見ていきましょう。 画像診断:MRI、CT、レントゲンの役割と使い分け 椎間板ヘルニアの検査には、主にMRI、CT、レントゲンといった画像診断を用います。 それぞれの検査の特徴を、身近なもので例えて説明します。 MRI検査: MRI検査は、強力な磁石と電波を使って体の内部を、まるでゼリーの中身を見るように鮮明に画像化します。 飛び出した椎間板の状態や、神経がどれくらい圧迫されているかを正確に把握できます。特に、神経根症状を伴う腰椎椎間板ヘルニアの診断においては、MRIが不可欠です。 CT検査: CT検査は、X線を使って体の断面を撮影し、輪切りにした野菜のように内部構造を写し出します。 MRI検査ほど鮮明ではありませんが、骨の輪郭をとらえるのが特徴で、椎間板ヘルニアに伴う骨の異常や、ヘルニアの石灰化の有無などを確認するのに役立ちます。 レントゲン検査: レントゲン検査は、X線を使って骨を撮影する、健康診断などでもよく用いられる検査です。 椎間板ヘルニア自体はレントゲンに写りませんが、骨の変形や異常がないかを確認し、他の骨の病気を除外するために用います。 これらの検査を組み合わせて行うことで、より正確な診断が可能になります。 保存療法:薬物療法、理学療法、安静の重要性 椎間板ヘルニアの治療は、まず保存療法から始めます。保存療法は、手術をせずに痛みやしびれなどの症状を和らげることを目的とした治療法です。 薬物療法: 痛みや炎症を抑える薬、神経の働きを助ける薬、筋肉の緊張を緩和する薬などを、患者さんの症状に合わせて処方します。 鎮痛剤は、痛みを感じにくくする効果があり、炎症を抑える薬は、腫れや熱感を抑えることで痛みを軽減します。 神経の働きを助ける薬は、神経の修復を促進し、しびれなどの症状を改善する効果が期待できます。 理学療法: 専門の理学療法士による指導のもと、ストレッチや運動、マッサージなどを行います。 硬くなった筋肉を柔らかくすることで血行を促進し、痛みを軽減する効果があります。 安静: 痛みが強い時期には、安静にすることが重要です。安静にすることで、炎症が治まり、痛みが軽減されます。 しかし、長期間の安静は、筋力低下や体力低下につながるため、医師の指示に従って適切な安静期間と活動量を調整することが大切です。 北米脊椎協会(NASS)のガイドラインでも、適切な安静の重要性が強調されています。 これらの保存療法を6週間から3ヶ月ほど続け、それでも症状が改善しない場合や、症状が悪化する場合には、手術療法を検討します。 手術療法:適応と種類、術後のリハビリテーション 保存療法で効果が得られない場合や、重度の神経麻痺がある場合などには、手術療法を検討します。 手術の主な目的は、飛び出した椎間板を取り除き、神経の圧迫を解消することです。 手術の適応: 排尿・排便に障害が出たり、日常生活に支障が出るほどの神経麻痺がある場合は、緊急手術が必要になることもあります。 特に、馬尾症候群の場合は、24~48時間以内の緊急手術が必須です。それ以外の場合でも、保存療法を数ヶ月試しても症状が改善しない場合は、手術の適応となることがあります。 具体的な適応は、医師が患者さんの症状や検査結果などを総合的に判断します。 手術の種類: 椎間板ヘルニアの手術には、顕微鏡手術、内視鏡手術など、いくつかの種類があります。 顕微鏡手術は、顕微鏡を使って患部を拡大して行うため、より精密な手術が可能です。 内視鏡手術は、小さな傷で行えるため、体への負担が比較的少ないというメリットがあります。 どの手術法が適しているかは、ヘルニアの状態や患者さんの状態によって異なります。 胸椎椎間板ヘルニアのように、稀なケースでは、ヘルニアの位置や石灰化の有無によって、胸腔内切開術や後外側切開術などのアプローチを選択する必要もあります。 術後のリハビリテーション: 手術後は、早期からリハビリテーションを開始することが重要です。 リハビリテーションでは、筋力トレーニングやストレッチ、歩行訓練などを行い、日常生活への復帰を目指します。 手術は体に負担がかかるため、手術のメリットとデメリットをよく理解し、医師と十分に相談した上で、手術を受けるかどうかを判断することが大切です。 しかし、手術をしても、しびれや痛みが残ったり、『手術前よりも後遺症がひどくなった』という方も一定数おられます。 術後の後遺症の場合は、神経は一度損傷すると、戻らないことがあると、医師はよく言います。 そんな方に、リペアセルクリニックでの国内ではほとんど行われていない、脊髄腔内にダイレクトに幹細胞を投与する再生医療を行なっています。詳しくはこちらで説明しています。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 <実際に行った、患者様の声> https://youtu.be/zRaQYBJNrS8?si=dz3vaREdJJnD65HL https://youtu.be/3yN5q8_ATpc?si=YNTbuXIalfV4Z0Me 他の疾患との鑑別:坐骨神経痛、脊柱管狭窄症との違い 椎間板ヘルニアは、坐骨神経痛や脊柱管狭窄症といった他の疾患と症状が似ていることがあります。 坐骨神経痛: 坐骨神経痛は、腰からおしり、太ももの裏側、ふくらはぎにかけて伸びる坐骨神経が圧迫されることで起こる症状です。 椎間板ヘルニアが坐骨神経痛の原因となることもありますが、梨状筋症候群など、他の原因で坐骨神経痛が起こることもあります。 脊柱管狭窄症: 脊柱管狭窄症は、背骨の中を通る脊髄神経の通り道である脊柱管が狭くなることで、神経が圧迫されて起こる病気です。 加齢に伴う骨や靭帯の変化によって脊柱管が狭くなることが主な原因です。 椎間板ヘルニアと同様に、腰痛や足のしびれ、痛みなどの症状が現れますが、間歇性跛行(しばらく歩くと足が痛くなり、休むと痛みが治まる)といった特徴的な症状がみられることもあります。 これらの疾患は症状が似ているため、必ず、専門医による適切な診断を受けることが大切です。 ▼脊柱管狭窄症について、併せてお読みください。 参考文献 Yamaguchi JT and Hsu WK. "Intervertebral disc herniation in elite athletes." International orthopaedics 43, no. 4 (2019): 833-840. Danazumi MS, Nuhu JM, Ibrahim SU, et al. "Effects of spinal manipulation or mobilization as an adjunct to neurodynamic mobilization for lumbar disc herniation with radiculopathy: a randomized clinical trial." The Journal of manual & manipulative therapy 31, no. 6 (2023): 408-420. Kögl N, Petr O, Löscher W, et al. "Lumbar Disc Herniation—the Significance of Symptom Duration for the Indication for Surgery." Deutsches Arzteblatt international 121, no. 13 (2024): 440-448. Court C, Mansour E and Bouthors C. "Thoracic disc herniation: Surgical treatment." Orthopaedics & traumatology, surgery & research : OTSR 104, no. 1S (2018): S31-S40. "[Guideline for diagnosis, treatment and rehabilitation of lumbar disc herniation]." Zhonghua wai ke za zhi [Chinese journal of surgery] 60, no. 5 (2022): 401-408. van der Windt DA, Simons E, Riphagen II, et al. "Physical examination for lumbar radiculopathy due to disc herniation in patients with low-back pain." The Cochrane database of systematic reviews , no. 2 (2010): CD007431. Kreiner DS, Hwang SW, Easa JE, et al. "An evidence-based clinical guideline for the diagnosis and treatment of lumbar disc herniation with radiculopathy." The spine journal : official journal of the North American Spine Society 14, no. 1 (2014): 180-91. Zhang AS, Xu A, Ansari K, et al. "Lumbar Disc Herniation: Diagnosis and Management." The American journal of medicine 136, no. 7 (2023): 645-651.
2025.02.09 -
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この記事を読んでいる方は「椎間板ヘルニアのPLDD手術で失敗したらどうなるのだろう」と不安になっているのではないでしょうか。 椎間板ヘルニアのPLDD手術は、メスを使わないため出血が少なく、全身麻酔の必要もないため、患者さんの負担の少なさが特徴です。しかし、適応できるヘルニアは限られ、自分の状態に合うかをよく見極める必要があります。 本記事では、椎間板ヘルニアのPLDD手術について、失敗と言われる例や失敗を防ぐポイント、失敗した際の対処法などを詳しく解説します。記事を最後まで読めばPLDD手術の注意点がわかり、より失敗の少ない施術を検討できるでしょう。 【効果なし?】ヘルニアのPLDDが失敗だったと言われる3つの例 椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が飛び出して神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こす病気です。その治療法として、経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD:Percutaneous Laser Disc Decompression)が注目を集めています。 しかし、PLDDはすべての患者さんにとって最適な治療法とは限りません。 「ヘルニアのPLDDが失敗だった」と言われる主な例は以下の3つです。 十分な効果が得られずに痛みが続く 合併症や後遺症が起こる ヘルニアが再発する 本章の内容をもとに、PLDDが失敗だったと言われる例を確認しておきましょう。 なお、PLDD手術の詳細は、以下の記事で詳しく説明しています。 十分な効果が得られずに痛みが続く もともと効果が期待できない人が手術を受けた場合、術後も痛みが続いて「PLDDに失敗した」と思う可能性があります。 PLDDは、局所麻酔で1ミリmm程の穴から針を挿入し、レーザーを椎間板中心部に照射します。髄核を一部蒸発させて内圧を下げることで、神経を圧迫していたヘルニアが引き戻され、腰痛やしびれが改善する手術です。 適するヘルニアの大きさや症状には限りがあり、残念ながら他の手術法の方が良い方におこなわれて「効果がなかった」となるケースもあります。 PLDDが適するヘルニアの種類については、記事の後半で説明します。 合併症や後遺症が起こる PLDDはリスクが少ないと言われていますが、以下のような合併症が起こるケースもあります。 手術後の感染 レーザーの影響による骨壊死 レーザーの誤照射や針による損傷 どんな手術にもリスクは存在します。メリットだけでなくデメリット・リスクなども事前によく確認するようにしましょう。 ヘルニアが再発する 手術後に痛みが改善しても、その後ヘルニアが再発して「PLDDは失敗だった」と思うケースも考えられます。 PLDDの治療成功率は約70%で比較的高い傾向ですが、約5%の確率で再発するといわれています。(文献1) ただしPLDD以外の手術であっても、手術後の再発リスクはゼロではないことが多いでしょう。 手術を受ける前に再発リスクについて確認し、PLDDを受けるべきか検討することが大切です。 当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアのPLDDにおける後遺症の治療に再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。従来の点滴による投与方法のほかに、より神経の再生にアプローチしやすい「脊髄腔内ダイレクト注射」も選択可能です。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」から気軽にお問い合わせください。 ヘルニアのPLDD手術で失敗しないためのポイント3選 リスクが少ないといえども、PLDD法が失敗する可能性はあります。治療を後悔しないために大切な内容は、以下のとおりです。 自分のヘルニアにPLDD手術が適しているかチェックする 費用や期待できる効果を事前に確認する 手術後の注意点を守る 本章の内容をもとに、PLDDの失敗を防ぐための知識を身に着けておきましょう。 自分のヘルニアにPLDD手術が適しているかチェックする 椎間板ヘルニアには、PLDDが適するものと適さないものがあります。 ここからの内容をもとに、自分のヘルニアが、PLDDに適しているかどうかを確認しましょう。 症状が似ている「脊柱管狭窄症」とヘルニアの見分け方については、以下の記事をごらんください。 PLDDが適している可能性が高いケース 椎間板ヘルニアに対してPLDDが適する可能性が高いケースは、以下のとおりです。(文献2) 内容 詳細 神経根の圧迫による症状である 以下の典型的な症状がある: 下肢への放散痛(坐骨神経痛) 腕への放散痛など 画像診断でヘルニアが確認され、症状と一致する 椎間板の突出が神経根を圧迫しているのが明確である とくに椎間板が全体的に膨らんだような形になっているヘルニア(膨隆型:ぼうりゅうがた)は良い適応 保存的治療(薬物療法、物理療法など)で十分な改善が見られない 数週間から数カ月の保存的治療後に効果が不十分な場合、PLDDを検討することがある 医師の説明を良く聞き、相談した上で手術を受けるか検討するようにしましょう。 腰椎椎間板ヘルニアについては、以下の記事で詳しく解説しています。 PLDDが適していない可能性が高いケース PLDDが適さない可能性が高いケースは、以下のとおりです。 内容 理由・解説 椎間板の破裂や大きな脱出がある PLDDは椎間板の小さな突出に対して効果的だが、大きな脱出や破裂には適さないため 重度の椎間板狭窄や脊椎管狭窄がある PLDDによる改善が難しく、他の手術的治療が必要な可能性があるため 椎間板感染症や腫瘍がある PLDDの適応外であるため 椎間板以外の原因による症状がある 椎間板ヘルニア以外の原因で症状が出ている場合は、PLDDが適さないため 例) 筋肉の緊張 関節の問題など PLDDの適応は状態や症状によって異なるため、専門医による詳細な診断と評価が欠かせません。他の治療方法との比較検討も含めて、専門医と十分に相談しましょう。 PLDD以外の手術法については、以下の記事で詳しく説明しています。 費用や期待できる効果を事前に確認する PLDD手術を受ける前は、以下の4点を確認しておきましょう。 費用 期待できる効果 副作用 治療後の経過観察やリハビリの必要性 痛みがつらいときは、「早く痛みを取り除きたい」という一心で手術を決断しがちです。しかし、手術後のトラブルや失敗を減らすには、費用や副作用、術後のケアなども事前に確認すべきです。 気になる点は必ず質問し、疑問を残さないようにしましょう。 PLDDの費用については、以下の記事で解説しています。 手術後の注意点を守る PLDDは、身体に与える負担が小さい治療です。しかし、治療後には以下のような注意点を守る必要があります。 術後は安静にし、医師の指示に従って徐々に活動を再開する 痛みやしびれが再発した場合は、早めに医師に相談する 定期的な通院やリハビリなどのフォローアップを受け、症状の変化に注意する 手術後の不十分なケアによる再発防止にも、注意点は大切な役割を果たします。 PLDDの有効性や手術後の痛みについては、以下の記事も参考にしてみてください。 ヘルニアのPLDDで失敗したら再生医療を検討しよう PLDDは、ヘルニアによる短期的な痛みの軽減に有効であると考えられます。しかし、変性した椎間板そのものの修復はできません。 PLDDの他に、椎間板ヘルニアに対する治療選択肢としては、再生医療があります。 再生医療の一つである「幹細胞治療」は、身体から採取した幹細胞を培養して投与する治療法です。椎間板ヘルニアによる神経損傷や変性した椎間板に対する治療として実施されています。 また、PLDDと再生医療を組み合わせることで、椎間板ヘルニアの痛みの軽減と椎間板の修復・再生の両方を目指すアプローチとなる可能性があります。。 ただし、再生医療は治療費が高額になる可能性があるため、費用と効果のバランスを考慮する必要があります。 まとめ|ヘルニアのPLDDで失敗しないためのポイントを知っておこう PLDDは、椎間板ヘルニアの治療に有効な選択肢ですが、すべての患者さんに適するわけではありません。 治療を受ける前には、自分の状態がPLDDに適するかを理解し、医師と十分に相談することが重要です。また、治療後の適切なケアとフォローアップも欠かせません。 患者さんご自身が積極的に情報を収集し、自分に適した治療法を選択することが、後悔しないための鍵となるでしょう。 当院「リペアセルクリニック」では、ヘルニアにおけるPLDDの失敗や後遺症に関して再生医療(幹細胞治療)を提供しています。 もし術後の後遺症にお困りであれば、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」にご相談ください。 PLDDのヘルニア手術の失敗が気になる人によくある質問 PLDDを失敗しない名医を探す方法はありますか? どんな手術にもリスクはあります。 そのため、「絶対失敗しない名医」ではなく、「自分が信頼できる医師」を探す方が現実的ではないでしょうか。 医療機関を探す際は、以下のポイントを確認しましょう。 病院や医師の実績 納得できる説明がされたか なお、PLDDは自由診療のため、金額をはじめとする詳細は医療機関によって異なります。他の手術方法も念頭に置き、自分に合う治療法・医師を探してみてください。 PLDDが失敗する確率はどのくらいですか? 文献によってばらつきがありますが、PLDDが有効な症例に対して行った場合の成功率は75~89%というデータがあるため、失敗する確率は11~25%程度とわかります。(文献3) しかし、効果がなく、失敗する確率が高いヘルニアの人にPLDDがおこなわれる可能性を考えると、正確な失敗率は何とも言えません。 自分の症例にどの程度の確率でPLDDの効果が期待できるかは、医師へ確認してみるのが良いでしょう。 当院「リペアセルクリニック」では、PLDD手術の失敗例や後遺症に対して再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。相談は無料で受け付けておりますので、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」まで気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) 石井克典ほか,椎間板ヘルニア髄核組織の光学特性の算出と経皮的レーザー椎間板減圧術の最適波長に関する一考察.2010;31(2):152-157 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslsm/31/2/31_2_152/_pdf(最終アクセス:2025年2月25日) (文献2) 中溝 寛之ほかレーザーによる経皮的椎間板減圧術 (PLDD法) の経験.中四整会誌.1997;10 (2): 229-233. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcsoa1989/10/2/10_2_229/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年2月17日) (文献3) Hellinger J. ,Technical aspects of percutaneous laser disc decompression (PLDD),Lasers in Surgery and Medicine, 1999.Dec;16(6):325-31. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10204439/(最終アクセス:2025年2月17日)
2024.03.15 -
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腰椎椎間板ヘルニアによる慢性的な痛みやしびれに悩む方の中には「手術は避けたいが、痛みを改善したい」と思う方も多いでしょう。 放置すると症状が悪化し、歩行困難や日常生活への影響が深刻になることもあるので、適切な治療を選んで早めに対処することが重要です。とくにPLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)は、低侵襲で回復が早い治療法として注目されています。 手術よりも身体的負担が少なく、日帰りも可能ですが、効果や後遺症のリスクも気になるでしょう。 この記事では、PLDDのメリット・デメリット、後遺症の可能性、費用感について詳しく解説します。治療方法の参考にしてください。 メリット・デメリットを理解するための PLDD治療に関する基礎知識 PLDD(Percutaneous Laser Disc Decompression経皮的レーザー椎間板減圧術)は、レーザーを使用して椎間板内の圧力を低下させ、神経への圧迫を軽減する治療方法です。 具体的には、皮膚とその下の筋肉に局所麻酔を施した後、非常に細い針(0.4㎜)を背中から椎間板に挿入します。その針の中にレーザーファイバーを通し、レーザーを照射して椎間板内の髄核の一部を蒸発させます。この過程により、椎間板が縮小するため圧力が下がり神経への圧迫が軽減する手術です。 PLDDは主に頚椎や腰椎のヘルニア治療に用いられ、従来の手術に比べて侵襲性(体への負担)が低いのが特徴です。 PLDD治療のメリット PLDD治療のメリットは4つあります。 直接神経に触れない治療のため安心して受けやすい 切開をほとんど伴わず手術後に日帰りできる 局所麻酔で手術可能なので身体への負担が少ない 再生医療とPLDD治療を併用しやすい それぞれ詳しく解説します。 直接神経に触れない治療のため安心して受けやすい PLDD治療は、直接神経に触れることなく施術を行えるのがメリットです。レーザーファイバーを椎間板内に直接挿入し、神経から十分に距離をとった状態で処置を行うため、手術中の神経損傷を起こしにくく安全性が高いとされています。 従来の外科手術に比べて出血も少なく、身体への負担が軽減できるため、高齢者や体力に不安がある方でも安心して受けやすい治療法です。また、局所麻酔で行うため、全身麻酔ほどのリスクがありません。 ただし、すべてのヘルニアに適応できるわけではなく、効果にも個人差があるため、事前の画像診断や診察による適応判断が重要です。 切開をほとんど伴わず手術後に日帰りできる PLDD治療は、直径0.4㎜程度のレーザーファイバーを挿入するだけであり、切開をほとんど伴わない治療法です。施術時間は30〜60分程度と短く、多くの場合は手術当日に退院できます。 皮膚を大きく切開しないので感染症のリスクが低く、術後の回復もスムーズです。術後の痛みも少なく、歩行や軽い日常動作はすぐにできます。入院が不要なため、以降の仕事や家庭への影響はほとんどありません。 保存療法でなかなか改善しない方、高齢で大がかりな手術が難しい方などにおすすめの治療方法です。 局所麻酔で手術可能なので身体への負担が少ない PLDD治療は、局所麻酔で手術が可能なため、身体への負担が少ない治療法です。全身麻酔のリスクを避けられるため、手術中の負担を軽減できます。高齢者や全身麻酔が困難な方でも、安心して治療を受けることが可能です。 局所麻酔による手術は、術後の回復が早く、長時間の入院も不要です。とくに持病を抱えている方や体力に不安がある方に適しています。全身麻酔が不要なため、術後の体調管理も容易です。痛みが比較的少なく、社会復帰もスムーズに進められます。 身体への負担を抑えながら、効果的な治療を受けたい方におすすめです。 再生医療とPLDD治療は併用しやすい PLDD治療は、レーザーで椎間板の圧力を下げて神経の圧迫を和らげやすい低侵襲の治療法です。再生医療と組み合わせることで、さらに治療効果を高められます。 PLDD後に幹細胞を注入すると、神経の修復が促進され、炎症の軽減や組織の再生が期待できます。PLDDは皮膚を小さく穿刺するだけで負担が少ないため、再生医療との相性が良好です。 細胞の修復能力を活用することで術後の回復が早まり、痛みの再発リスクも抑えられます。ヘルニアの再発を防ぎたい場合、PLDDと再生医療の併用が有効です。 PLDD治療のデメリット(リスク) PLDD治療のデメリットは以下の5つがあります。 効果が即効性に乏しい 治療にかかる費用が全額負担になる ヘルニアの状態・種類によって治療を適用できない場合がある 手術後に後遺症が出ることがある ヘルニアが再発するリスクがある それぞれ解説します。 効果が即効性に乏しい PLDDは即効性に乏しい点がデメリットです。手術後すぐに症状が改善するわけではなく、1週間程度経過してから徐々に効果が現れます。完全に改善するまでには2〜3カ月ほどかかることが一般的です。ヘルニアの状態によっては、痛みの軽減が十分でない場合も考えられます。 レーザーによる椎間板の減圧が少しずつ進むため、即効性を求める方には向いていません。日常生活への影響を抑えながら治療を受けられる反面、効果を実感するまでに時間が必要です。そのため、改善までの期間を考慮した治療計画を立てることが大切です。 治療にかかる費用が全額負担になる PLDDの治療費は自己負担となり、保険が適用されません。病院によって費用は異なりますが、30〜50万円程度が相場です。自由診療のため、高額療養費制度は利用できません。 治療を検討する際は、費用と想定される効果を考慮し、納得した上で選ぶことが大切です。クレジットカード払いや医療ローンを利用できる場合もあるため、支払い方法について事前に確認すると安心でしょう。 また、PLDD治療費は他の医療費と合わせて年間10万円を超える場合、医療費控除の対象となり還付金を受け取れる可能性があります。ただし、医療費控除を受けるには確定申告が必要なので注意してください。 ヘルニアの状態・種類によって治療を適用できない場合がある PLDDは、すべての椎間板ヘルニアに適用できるわけではありません。ヘルニアの状態や種類によっては、治療を行えないか効果が限定される場合があります。 たとえば、椎間板の変性が進んでいると、PLDDのレーザー照射による減圧が十分に機能しない可能性が高いです。 また、大きく突出したヘルニアや、神経を強く圧迫しているケースでは、手術が必要になる場合もあります。骨の変形を伴うヘルニアや脊柱管狭窄症がある場合も、適応外となる可能性があります。 このようなケースがあるため、事前に画像診断を受けることが大切です。適用範囲に制限がある点を理解した上で治療を検討しましょう。 手術後に後遺症が出ることがある PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)は低侵襲な治療法ですが、手術後に後遺症が出ることがあります。主な後遺症は以下の通りです。 症例 概要 神経障害 神経の損傷や圧迫によるしびれや感覚異常が生じることがあります。 炎症の持続 手術後の炎症が長引き、痛みが続くケースもあります。 症状の再発 PLDDは根治治療ではなく、時間の経過とともに症状が再発することがあります。 椎間板の損傷 レーザーによる熱ダメージで椎間板が脆くなり、損傷が広がる可能性があります。 感染症 低侵襲手術とはいえ、感染リスクが少なからずあります。 PLDDは侵襲性が低いものの、少なからず後遺症のリスクがあります。 これらの後遺症に対し、再生医療が適用できます。再生医療の幹細胞治療により、損傷した組織の回復を促すことが可能です。症状に応じた適切な治療を受けることで、改善が見込めます。 ヘルニアが再発するリスクがある PLDDの有効率は、文献によって異なりますが、約70%と報告されています(文献1)。一方、一般的に行われる椎間板切除術では、術後5年で再発率が1.5〜8.5%です(文献2)。単純な比較はできませんが、PLDDはこれらより治療成績が劣ると考えられます。 PLDDは、椎間板の内圧を下げることでヘルニアの圧迫を改善する治療法です。しかし、ヘルニアが後縦靭帯を突き破っている場合、すでに椎間板内圧が低下しているため、レーザーで髄核を焼いてもヘルニアが縮小しません。そのため、PLDDの適応は保存療法が効かず、後縦靭帯を破っていないヘルニアに限られます。 頸椎・腰椎ヘルニア・狭窄症の治療や後遺症には再生医療をご検討ください 頸椎・腰椎のヘルニア・脊柱管狭窄症は、十分な改善が得られず手術後も後遺症が出ることがあります。 当院リペアセルクリニックでは、幹細胞を脊髄の損傷部位へ直接投与する再生医療を提供中です。この治療法は、国内ではほとんど届出されていない先進的な治療方法で、損傷部位の神経修復を目的としています。 脊髄の神経が損傷し、慢性的なしびれや痛みが続く方におすすめです。リハビリと組み合わせることで、症状の改善や生活の質の向上も期待できます。 従来の治療で十分な改善が見られなかった方、治療後に後遺症が出てお悩みの方はぜひ当院の再生医療をご検討ください。 PLDD治療のデメリットが気になる方は再生医療もご検討ください PLDDは、低侵襲で回復期間が短いため日帰りで手術を受けられるのがメリットの治療法です。 検討する際は適応やリスクを十分に理解し、他の治療法と比較することが重要です。再生医療と組み合わせることを選択肢の一つとして検討するのも良いでしょう。 また、症状によっては再生医療のみでも高い治療効果が出ています。 当院では、脊髄損傷や椎間板の変性に対する再生医療として、自己脂肪由来幹細胞治療や脊髄腔内ダイレクト注射療法により直接投与する方法を提供しております。 椎間板ヘルニアや術後の後遺症にお悩みの方は、一度リペアセルクリニックまでご相談ください。 参考文献 (文献1) 佐藤 正人ほか.「レーザー照射が椎間板細胞に与える影響ーPLDDへの警鐘ー」『日本レーザー医学会誌』 31(2),pp.146-151, 2010. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslsm/31/2/31_2_146/_pdf/-char/ja (最終アクセス:2025年3月20日) (文献2) 日本整形外科学会「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021 改訂第3版」2021年 https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.php?file=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00645.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b (最終アクセス:2025年3月20日)
2024.03.12 -
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PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)は、切らずに施術できる椎間板ヘルニア治療として注目されていますが、術後に予期せぬ症状が現れることもあります。 「しびれが残る」「痛みが強まる」「ヘルニアが再発した」といったケースもあり得るため、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。 本記事では、PLDDによって生じる恐れのある後遺症やリスク要因、近年注目されている再生医療による治療の可能性について詳しく解説します。 なお、椎間板ヘルニアに対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 椎間板ヘルニアのお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 PLDDの後遺症・合併症 PLDDは低侵襲な椎間板ヘルニア治療法として注目されていますが、すべての患者において合併症や後遺症のリスクがゼロになるわけではありません。 術後にさまざまな症状が発生する可能性があるため、リスクを事前に把握しておくことは治療の選択において重要です。 ここでは、PLDDにおける代表的な後遺症や合併症について詳しく解説します。 神経障害 PLDDでは、レーザー照射で椎間板の中心にあるゼリー状の組織「髄核(ずいかく)」を減圧しますが、熱や操作によって神経に以下のような影響が及ぶリスクがあります。 知覚異常(しびれ、感覚鈍麻) 運動麻痺(筋力低下、動作困難) 神経痛の持続または悪化 これらの症状は手術直後に発症するケースが多く、早期の対応により回復が見込まれることもあります。 神経障害が疑われる場合には、速やかな診察と神経学的検査が必要です。 炎症 PLDDによる熱処理は、局所的な炎症を引き起こす可能性があります。 術後にみられる主な炎症反応は、以下のとおりです。 浮腫や腫脹による神経圧迫 滑膜炎や線維化による可動域の制限 発痛物質の増加による痛覚過敏 これらの症状は術後の痛みや違和感の一因となる場合があり、アイシングや消炎鎮痛薬が必要です。 症状が強い場合は画像検査などで評価し、追加の治療が検討されます。 ヘルニアの再発 PLDDは根治的な手術ではなく、髄核の圧力を一時的に軽減する治療方法です。 以下の要因により、再発のリスクを伴います。 髄核減圧が不十分だった場合 椎間板変性が進行している場合 術後に過度な負荷がかかった場合 再発した場合には再度の保存療法やPLDDの再施行、もしくは別の治療が必要になるケースがあります。 椎間板損傷 PLDDでは、レーザーの熱によって椎間板自体が損傷を受ける可能性があります。 主な損傷例としては以下のとおりです。 椎間板の線維輪に亀裂が生じる 組織のタンパク質が変性し、弾性が低下する 椎間板変性が加速する これらは術後の疼痛や運動制限の原因となり、長期的には椎間板の機能低下につながる恐れがあります。 症状が持続する場合は、MRIなどで評価と追加の治療の検討が必要です。 感染症 PLDDは切開を伴わない低侵襲手技ですが、穿刺操作があるため感染のリスクを完全になくせるわけではありません。 以下のような感染症のリスクがあります。 椎間板炎(椎間板内への細菌感染) 硬膜外膿瘍(硬膜外腔への波及) 皮膚および皮下組織の感染 感染が進行すると激しい痛みや発熱が起こるため、術後の経過観察が重要です。 感染が疑われる場合は、抗生剤の投与や外科的処置が必要になるケースもあります。 PLDD術後に症状が悪化するケースとその原因 PLDDは、切開を伴わない低侵襲治療として注目されていますが、術後にかえって症状が悪化するケースが報告されています。 ここでは、PLDD術後に症状が悪化する代表的な原因を2つの視点から見ていきましょう。 術後の痛みが増す理由 PLDDの術後に痛みが増す理由としては、以下のようなレーザー照射による炎症反応が挙げられます。 椎間板組織や周囲の組織が熱刺激を受けることで炎症が起こる 炎症による浮腫(むくみ)や発痛物質が神経根を圧迫・刺激する 術後早期に一時的な痛みの増強が見られることがある 次に、神経そのものへの刺激や損傷も痛みの原因となります。 照射位置や針の操作がずれた場合、神経線維を損傷するリスクがある 熱や機械的刺激により、神経性疼痛が発生しやすくなる しびれやビリビリとした感覚が持続することがある また、PLDDの構造的な限界として、ヘルニア突出部が直接取り除かれない点が挙げられます。 髄核の一部を蒸発させるだけで、飛び出た部分はそのまま残る 除圧が不十分な場合、残存ヘルニアが神経を継続的に刺激し続ける 結果として、術前よりも強い痛みを感じる場合がある さらに、交感神経の過敏化や疼痛感作といった慢性痛の機序も関与します。 手術による神経刺激が自律神経系を介し、痛みの過敏化を引き起こす 中枢神経での痛覚調整が乱れ、慢性的な痛みが残ることがある このように、PLDD術後に痛みが増す要因には、複数の要素が複合的に関係しているため、術後の経過観察と適切な対応が不可欠です。 PLDDが失敗する要因 PLDDが十分な効果を発揮しない、あるいは術後に症状が悪化する原因には複数の要因が複雑に関係しています。 以下のような症例では、PLDDの効果が限定的です。 脱出型・遊離型のヘルニア:突出が大きく、髄核の蒸発だけでは物理的な除圧が不十分になる 高度な椎間板変性:構造が劣化しており、減圧効果が発揮されにくい 症状と画像所見の不一致:痛みの原因と照射対象が合致していない 以下のような術中操作の不備も失敗の一因となります。 照射量が少なすぎる:十分な髄核蒸発が得られず、除圧効果が不十分 照射方向の誤り:標的に正確に照射できず、効果が局所に偏る 熱損傷や血腫形成:神経や周辺組織を損傷し、痛みやしびれを悪化させる さらに、術後管理の不適切さも見逃せません。 安静期間が不十分:早期の過度な動作が治癒を妨げ、炎症を助長 再突出のリスク:負荷管理が徹底されていないと、再発や隣接椎間板の障害につながる 上記のリスクを最小限に抑えるためには、適応の厳密な判断と術中の精密な操作、術後の継続的フォローアップが不可欠です。 LDDを成功させるためには単に手技を実施するだけでなく、患者ごとの状態を的確に把握し、全過程を通じて一貫した管理が求められます。 PLDD術後後遺症の神経障害に対する再生医療の可能性とは 再生医療の「幹細胞治療」がPLDD術後後遺症への新たな希望となるかもしれません。 従来、神経が傷ついてしまうと完全にもとに戻すことは難しいとされてきました。 そのため椎間板ヘルニアの術後後遺症が残ってしまっても、薬やブロック注射などの対症療法を行うことしかできなかったのです。 しかし、再生医療の幹細胞治療により、神経の回復を目指せるのではないかと期待されています。 幹細胞治療は、他の細胞に変化できる「幹細胞」を使用するのが特徴で、体への負担が少ない低侵襲な新しい治療法です。 PLDDの術後の後遺症が心配な方、椎間板ヘルニアの症状でお困りの方はチェックしてみてください。 PLDDの基本知識 ここでは、PLDDを理解するために必要な椎間板ヘルニアの発症メカニズムから、PLDDの具体的な治療内容・メリット・リスク・適応条件までわかりやすく解説します。 治療を検討しているなら、まず基本知識から理解を深めていきましょう。 椎間板ヘルニアのメカニズム 椎間板ヘルニアは、椎間板内部の構造の破綻によって、神経が圧迫されることで発症する疾患です。 人間の背骨は椎骨(ついこつ)という骨が縦に積み重なって形成されており、その間には「椎間板」という軟らかい組織が存在します。 椎間板は、以下の2つの構造で構成されています。 髄核(ずいかく):中心部にあるゲル状の柔らかい組織で、水分を多く含み、衝撃を吸収する役割を担っている 線維輪(せんいりん):髄核を外側から包む硬い繊維性の組織で、椎間板全体の形を保持する 通常、髄核は線維輪の内部に収まっていますが、過度な負荷や加齢による変性が進行すると、線維輪に亀裂が生じる場合があります。 髄核が亀裂から外へ飛び出し、近くを走行する神経根を物理的に圧迫すると、椎間板ヘルニアは発症するというメカニズムです。 圧迫が生じると、以下のような神経症状が引き起こされます。 痛み(神経の圧迫による電気が走るような感覚) しびれ(知覚神経の障害) 筋力低下や麻痺(運動神経の障害) 腰椎や頚椎など、神経が密集している部位で髄核が飛び出すと、症状が強く現れる傾向があります。 したがって、治療では圧迫状態をいかに早く緩和するかが重要なポイントです。 治療方法 PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)は、レーザーによって椎間板内の圧力を下げ、神経への圧迫を軽減する低侵襲の治療法です。 背中から極細の針を刺して、内部にレーザーファイバーを通し、椎間板の中心部へレーザーを照射します。 照射されたレーザーは髄核の一部を熱で蒸散させて椎間板内の内圧を下げます。その結果、次のような変化が期待されます。 髄核の体積が減少し、内部の圧力が緩和される 椎間板の膨らみが小さくなり、神経の圧迫がやわらぐ 神経根への圧迫が軽減され、痛みやしびれの改善が期待できる メスを使用しない手術であり、皮膚に針を刺すだけの処置で切開・縫合は不要です。 ごく小さな刺し傷ができるのみで、出血や傷跡も最小限に抑えられます。 さらに、PLDDは体への負担が少ないため入院を必要とせず、医療機関によっては日帰り手術も可能です。 治療を検討する際は、MRIなどの画像検査をもとに、担当医と十分に相談しながら決めることが大切です。 メリット・デメリット PLDDは、体への負担が少ない低侵襲手術として注目されていますが、デメリットも存在します。 以下に、主なメリットとデメリットをまとめました。 <主なメリット> メスを使わないため、出血や傷跡がほとんど残らない 局所麻酔で施術でき、全身麻酔が不要 針穴程度の傷のみで、体への侵襲が極めて少ない 1椎間あたりの手術時間が短い 入院不要な場合が多く、日帰り手術が可能 術後の回復が早く、社会復帰までの時間が短い 神経や周辺組織への影響が少なく、合併症リスクが比較的低い <主なデメリット> 健康保険が適用されず、自費診療となる 効果が現れるまで1〜3カ月かかることがある すべての椎間板ヘルニアが適応になるわけではない 術者の技量や施設によって治療成績に差が出る可能性がある 稀に感染症や椎間板炎、神経障害などの合併症リスクがある 一度で十分な効果が得られない場合、再施術が必要になる 上記の特性を把握したうえで後遺症の状態やヘルニア形態などを総合的に考慮し、治療を検討することが重要です。 PLDD治療のメリット・デメリットについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。 安全性 PLDDは比較的安全性の高い手術法であり、日帰り手術でも実施されています。 出血や大きな傷がほとんどなく、周辺組織への直接的な損傷リスクが小さい点も特徴です。 ただし、術中・術後の合併症リスクはゼロではありません。 レーザーによる神経合併症の報告もあるため、治療の検討はさまざまな点を考慮しながら慎重に進めましょう。(文献1) 適している人 PLDDは、すべての椎間板ヘルニアに適応できるわけではありません。 比較的効果が期待できる患者には、以下のような条件が挙げられます。 膨隆型・突出型のヘルニア:髄核の飛び出しが比較的小さく、線維輪を突き破っていない 椎間板の変性が軽度:加齢による変化が進みすぎておらず、椎間板に弾力性・可動性が残っている 保存療法で効果が見られないケース:薬物療法やリハビリを3カ月以上行っても、症状が改善しない 中等度の神経圧迫があるが、重度ではない:痛みやしびれはあるが、明確な麻痺や排尿障害は認められない 一方で、以下のような症例ではPLDDの効果が限定される、あるいは適応外となる場合があります。 脱出型・遊離型の大きなヘルニア 高度に変性した椎間板 脊柱管狭窄症など、骨性の圧迫が主因 広範囲な神経障害や運動麻痺、膀胱直腸障害を伴う重症例 このように、PLDDは限られた症例に対して効果が期待される治療法である点に留意しておきましょう。 費用目安 PLDDは自由診療(保険適用外)として提供している施設が多く、治療の費用は医療機関によって大きく異なります 一般的な相場は30万〜50万円程度ですが、施設によって価格設定が異なるため、事前に確認が必要です。 また、2カ所以上の複数椎間に対して行う場合には、追加の費用が発生するのが一般的です。 なお、費用に術前の検査費用や術中管理費用、術後フォロー費用がすべて含まれるかどうかも施設ごとに異なるので、しっかり確認しておきましょう。 PLDD治療と費用に関しては、以下の記事もご覧ください。 まとめ|PLDD術後後遺症に対する治療法をチェック PLDDの術後に後遺症が起こらないことが一番ですが、どのようなリスクや症状があるのかを知っておくことは、治療法を検討するうえで大切です。 万が一後遺症が起こってしまった場合には、再生医療という選択肢もあります。 再生医療の幹細胞治療は、PLDDをはじめとした椎間板ヘルニアの術後後遺症に対応する新しい治療法のひとつです。 幹細胞治療では、患者様自身から採取・培養した幹細胞を患部に投与します。 幹細胞が他の細胞に変化する「分化能」という能力を活用する治療法です。 一般的には培養した幹細胞を冷凍保存して使用しますが、当院では患者様ごとに「その都度」培養を実施。細胞を凍結せずに保存・輸送することで、新鮮で生存率・活動率の高い幹細胞の提供に努めています。 以下は、当院のヘルニアに対する再生医療の症例です。 椎間板ヘルニアのお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」までお気軽にご相談ください。 PLDDの後遺症に関するよくある質問 PLDDの術後に悪化するケースはありますか? PLDDは低侵襲な治療法ですが、術後に新たな腰痛やしびれ、太ももの筋肉の張りなどを感じるケースがあります。 術中の熱刺激や炎症反応によって周囲組織が過敏になったり、神経への一時的な負担が生じたりするのが主な原因です。 多くは一過性の症状で、時間の経過とともに軽快する傾向がありますが、症状が強い場合は早期に医師に相談しましょう。 ヘルニアの治療でPLDDが失敗するケースはある? PLDDは比較的安全な治療法ですが、効果が十分に得られない・後遺症が残る・再発するといった結果により、患者が「失敗した」と感じるケースがあります。 なかでも、脱出型ヘルニアや変性が進んだ椎間板、複数部位の神経圧迫では効果が限定される可能性があるのです。 適応症の見極めや術者の技量、術後の管理が失敗を防ぐ上で重要となります。 以下の記事では、PLDD治療前のチェックポイントを解説しているので参考にしてみてください。 PLDDは先進医療として厚生労働省に指定されていますか? PLDDは、かつて厚生労働省の先進医療に指定されていましたが、2012年に先進医療の対象から除外されています。 現在は公的医療保険の対象外であり、自由診療として各医療機関が独自に提供しているのが現状です。 治療を受ける際は費用や提供体制について、事前にしっかりと確認しておきましょう。 参考文献 (文献1) 腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン改訂第2版|日本内科学会雑誌(J-STAGE)
2024.03.08 -
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PLDD治療と費用、再生医療の可能性について解説します 椎間板ヘルニアは多くの人々が抱える健康問題であり、その治療法は常に進化を続けています。そこで近年、注目を集めているの先進医療をご紹介いたします。それが「PLDD(Percutaneous Laser Disc Decompression )」といわれるもので日本語に直すと「経皮的レーザー椎間板減圧術」といわれるものです。 この治療法は、レーザーを用いて椎間板の圧力を軽減し、痛みを和らげるもので、従来の手術に比べて身体への負担が少ないことが特徴というものです。 本記事では、PLDDについてと、その治療メカニズムと併せて気になる健康保険の適用や医療費控除の適用、費用に関する解説をします。 また後遺症の治療における再生医療の可能性について詳しく解説します。 PLDDとは PLDDは、1980年代初頭に開発されたレーザーを用いた最新の治療法です。主に頚椎や腰椎の椎間板ヘルニアに対して行われます。 治療は局所麻酔のもと、針を椎間板に挿入し、レーザーを照射して椎間板内の圧力を低下させ、ヘルニアを小さく縮ませることで神経の圧迫を押さえて痛みを軽減させるものです。 この方法の大きな利点は、局所麻酔下で行うことができるので入院の必要がなく、日帰りで行えるため、患者の負担が少ないことです。従来の外科手術に比べて侵襲が少なく、術後の回復も早いという利点もあります。また針を刺して行うため傷口が大きくならない点も利点です。 手術もレーザー用の注射痕程度になるため、感染による合併症の心配も少ないと言えます。 PLDDが最も適応するのは、「膨隆型(ぼうりゅうがた:椎間板が膨らんだような形になり、神経を少し圧迫しているタイプのヘルニア)」とされています。 ただし、椎間板の変性が進んでしまったケースでは、PLDDを行っても椎間板ヘルニアの症状が改善しないことがあるようです。 PLDDの利点 治療:レーザーによる手術 入院:不要(日帰りで可能) 手術痕:レーザーを照射するための針穴のみ 手術:局所麻酔 手術:合併症(細菌感染等)の可能性が低い レーザー治療の仕組み PLDD治療は、局所麻酔のもとで行われます。まず、針を椎間板に挿入し、その後レーザーをファイバーを通して照射します。レーザー光によって椎間板内の水分が蒸発し、ヘルニアが縮小するため、神経への圧力が減少します。これにより、神経根への圧迫が緩和され、痛みが軽減されるという仕組みです。 治療時間は約30分程度で、多くの場合は日帰りでの治療が可能です。 PLDDの費用と保険適用の現状 PLDDの費用は、クリニックによって異なりますが一般的には30万円から50万円程度が相場とされています。現在、PLDDは日本では健康保険の適用外となっています。そのため、治療費は全額自己負担となりますが、医療費控除の対象となる可能性があります。 医療費控除とは、一定期間内に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超えた分について所得税から控除される制度です。PLDDの治療費も、他の医療費と合わせて年間10万円を超える場合は医療費控除の対象となる可能性があります。しかしながら、医療費控除を受けるためには確定申告が必要です。 健康保険:適用外 費用感:30万円~50万円 先進医療とPLDD 頚椎椎間板ヘルニアに対するPLDDは、厚生労働省による先進医療の指定を受けていましたが、数年前に取り消されています。 その理由としては、PLDDは日本での普及がまだ進んでいないからといったものです。 しかし、その後もPLDDの効果や安全性については多くの臨床研究によって実証されており、今後は保険適用の対象となることが 期待されています。 PLDDはどんな病院で受けられるのか PLDDを受けられるクリニックは全国にありますが、施設によって技術や設備に差があります。 治療を受ける際には、事前に情報を収集し信頼できる施設 を選ぶことが重要です。また、治療後のフォローアップ体制も確認しておくと安心です。 後遺症の治療と再生医療 PLDD治療は、傷口も少なく身体に与える負担はとても小さい治療です。そのため、PLDDそのものによる後遺症はほとんどないと考えられます。 その一方で、ヘルニアそのものによる症状が残ることもあり、後遺症となってしまう場合があります。このようなヘルニアの後遺症に対しては、脊髄神経の再生を目的とする再生医療 による治療が有効な場合があります。 再生医療では、患者自身の幹細胞を用いて損傷した脊髄神経の再生を目指します。具体的には、患者様ご自分の血液や脂肪を採取し、培養「自己間葉系幹細胞 」として損傷部位に投与するものです。 この自己間葉系幹細胞 には、脊髄神経の再生を促したり 、部分的に再生したりするといった能力があるとされますが、厚生労働省の許認可が無ければできない先端医療です。 脊髄の再生医療では、手術やPLDD治療ではできない、脊髄神経そのももの再生が可能となるのです。 https://www.youtube.com/watch?v=GcUDE6GCblE まとめ・PLDD治療と費用、再生医療の可能性について 今回は、PLDDはどのようなものなのか、費用、保険適用、医療費控除、どのような病院で受けられるのか、そして後遺症の治療における再生医療の可能性について解説しました。 PLDDは、レーザーを活用した医療技術として、椎間板ヘルニア の治療に新たな選択肢を提供しています。費用は自己負担となりますが、医療費控除の対象となる可能性があります。 治療を検討する際には、クリニック選びやフォローアップ体制にも注意が必要です。PLDDは今後、さらなる普及と発展が期待される治療法です。 一方で、PLDDを行っても頚椎あるいは腰椎の椎間板ヘルニアによる後遺症が残ってしまうこともあります。こうした場合には、再生医療による治療も選択肢として上がります。 当院では、脊髄損傷 に対し、自己脂肪由来幹細胞治療という再生医療を行っています。 これは、自分の脂肪組織や血液から幹細胞を抽出、培養し、点滴で静脈注射、 あるいは当院独自技術として脊髄腔内に直接幹細胞を投与することができる、脊髄腔内 ダイレクト注射療法もあります。 再生医療にご興味のある方や、治療を考えたいという方は、 ぜひ一度当院までご相談ください。 参考文献 レーザーによる経皮的椎間板減圧術 (PLDD法) の経験.中四整会誌.1997;10 (2): 229-233. Hellinger J. "Technical aspects of percutaneous laser disc decompression (PLDD)." Lasers in Surgery and Medicine, 1999.Dec;16(6):325-31. 【保険適用外の手術費用の補助】保険適用外の手術(ヘルニアのレーザー手術)を受けたのですが、その費用(約50万円)は高額医療費として一部支給されないのでしょうか?また、支給を受けるためにはどのような手続きが必要になるのでしょうか? | よくある質問 | 日本アイ・ビー・エム健康保険組合 既存の先進医療に関する保険導入等について 平成 22 年1月 20 日 先進医療の各技術の概要|厚生労働省 Mochida J, et al. "Regeneration of intervertebral disc by mesenchymal stem cells: Potentials, limitations, and future direction." European Spine Journal,2006 Aug;15(Suppl 3): 406–413. ▼以下もご参照いただけます ヘルニア治療、PLDDの術後後遺症に対する最新治療とは!?
2024.03.07 -
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腰椎椎間板ヘルニアの治療でPLDDを検討している方の中には、「本当に効果があるのか」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。 PLDDは体への負担が少ない低侵襲の治療として注目されていますが、選択する際には医学的な根拠に基づいた理解が欠かせません。 本記事では、PLDDにどのような効果があるのか、信頼性の高い論文データに基づいて解説していきます。 また、合併症のリスクも解説するので、PLDDで治療すべきか迷っている方は参考にしてみてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、PLDD後の後遺症に対する治療として再生医療を導入しており、公式LINEにて情報提供および簡易オンライン診断を行っております。 PLDDの術後後遺症に不安をお持ちの方は、ぜひご登録ください。 PLDDの効果【データを基に解説】 PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)は、腰椎椎間板ヘルニアに対する治療法のひとつですが、その効果に関しては信頼できるデータに基づいた理解が重要です。 ここでは、医学論文に記載された統計データをもとに、PLDDの有効性と安全性について詳しく解説します。 保存療法と比較して約7倍の疼痛改善効果 PLDDの疼痛軽減効果は、従来の保存療法と比較して大幅に優れていることが示されています。 医学論文によれば、薬物療法や理学療法などの保存的治療を受けた患者群では、6カ月後の痛みの程度を示すスコア(VASスコア:視覚的アナログスケール)が平均4.1%しか減少しなかったのに対し、PLDDを受けた群では同期間で平均30%もの有意な減少が確認されました。(文献1) さらに、機能評価のひとつである「Macnab基準」においても、PLDDを受けた患者の約39.8%が「優良」または「良好」と評価され、生活の質の改善が裏付けられています。 この報告から、PLDDは保存療法と比べて、約7倍の疼痛軽減効果を示す治療法といえます。 成功率70〜89%|合併症率は0.3〜1.0% PLDDの有効性は、長期的かつ国際的なデータでも明らかにされています。 オーストリアのグラーツ大学脳神経外科によると、1986〜2009年にかけての23年間の集計で、PLDDの成功率は70〜89%という高水準で推移していたと報告しています。(文献2) 一方で、合併症発生率は0.3〜1.0%と非常に低く、主な合併症は椎間板炎に限られていました。また、再発率も4~5%に抑えられており、長期的な予後も比較的安定しています。 これらの結果から、PLDDは高い成功率と低い合併症率を兼ね備えた、安全性と有効性の両面で信頼性のある治療法といえます。 3年後も効果が持続|年齢に関わらず有効 PLDDの治療効果は一時的なものではなく、長期的に維持されることが示されています。 42名を対象とした3年間の追跡研究では、治療後3カ月で臨床症状が有意に改善し、その効果が3年間にわたり持続していました。(文献3) また、年齢別の効果比較においても、45歳以下および45歳超の両グループで同様に良好な治療成績が確認されています。 年齢によって治療効果に差は見られず、PLDDは幅広い年代の患者にとって有効な選択肢のひとつです。 手術後の日常生活への復帰は平均1週間 PLDDのメリットのひとつが、術後の回復が早い点です。 複数の研究によれば、PLDDの治療が成功した患者は、平均して1週間以内に通常の日常生活に復帰していました。(文献2) 外来で実施できるため全身麻酔を必要とせず、身体への負担が少ないという特徴が背景にあります。 また、手術後のリハビリテーションが短期間ですむことも、早期回復に寄与しています。 結果として、仕事や家庭生活への影響を最小限に抑え、早期の社会復帰を可能にしています。 PLDDは効果が期待できても合併症のリスクがある PLDDは、椎間板ヘルニアに対する低侵襲な治療法として注目されています。 成功率が高く回復も早い一方で、一定の合併症リスクが存在します。 ここでは、PLDDの主な合併症リスクについて解説します。 神経障害 PLDDでは、レーザーの熱によって神経根に障害が及ぶリスクがあります。 主に照射範囲の誤りや過剰な出力が原因で、まれに術後のしびれや感覚異常、疼痛の悪化が現れることがあります。術者の技術と経験が重要な治療法です。 とくに、術中に使用する針の挿入角度やレーザーのパルス設定が適切でないと、周辺神経への熱損傷を引き起こす可能性があります。 また、術後の神経学的評価も欠かせません。 炎症 PLDDの治療では、椎間板内での熱反応や物理的刺激により、非感染性の炎症(無菌性椎間板炎)が生じるケースがあります。 炎症によって術後一時的に疼痛が強くなる場合もありますが、通常は消炎鎮痛薬で管理可能です。 エネルギー設定と照射時間の適切な管理が重要であり、実績がある医療機関で施術してもらう必要があります。 また、治療後数日以内に発熱や局所の痛みが増した場合は、感染症との鑑別が重要となるため、医師の診察を早期に受けましょう。 ヘルニアの再発 PLDDの術後も、椎間板にかかる力や加齢による変性によって再発が生じる場合があります。 蒸散量が不十分な場合や、術後の生活管理が不適切な場合に再発リスクが高まるのです。 報告によると、PLDDの再発率は約4~5%とされています。(文献2) ただし、肥満や重労働など椎間板に過度な負担がかかる状況では再発率が上昇する可能性があるため、医師による生活指導とフォローアップが極めて重要です。 椎間板損傷 レーザー照射による過熱や針の位置が不適切な場合、椎間板の線維輪に損傷を与えることがあります。 損傷が進行すると椎間板の変性や再突出の原因となるため、術者による照射出力の調整と正確な針の操作が重要です。 また、椎間板損傷は術中には見逃されやすいため、術後の画像検査や定期的なモニタリングによって早期に変性の兆候を見つける体制が望まれます。 感染症 PLDDは皮膚から椎間板にアプローチするため、無菌操作が不十分な場合には感染症のリスクがあります。 とくに、椎間板炎は重大な合併症であり、予防のためには抗生物質の使用や術中の滅菌管理が不可欠です。 早期の症状把握と治療介入が重症化を防ぐ鍵となります。 感染予防としては、術直前の抗菌薬投与やディスポーザブル機器の使用、清潔操作の徹底が基本です。 術後は倦怠感や発熱、患部の疼痛増強がないか、注意深く観察する必要があります。 PLDDを避けたい方へ|再生医療という治療選択肢 手術を伴う治療に不安を感じる方には、再生医療という選択肢もあります。 再生医療とは、本来の機能を失った組織や細胞に対して、自分自身の幹細胞や血液を用いる治療法です。 幹細胞は、細胞環境に応じて異なる細胞に変化する能力を持ち、PRP(多血小板血漿)に含まれる成長因子には、炎症を抑える働きがあります。 体への負担を抑えた治療を検討している方にとって、手術を伴わない選択肢になっています。 当院「リペアセルクリニック」では、脂肪由来の幹細胞を用いた治療や、PRP療法を実施しています。 いずれの治療法も入院や手術は不要で、日帰りでの対応が可能です。 当院のヘルニアに対する再生医療について、詳しくは以下をご覧ください。 まとめ|PLDDの効果と合併症リスクを見極めよう PLDDは体への負担が少なく、日常生活への早期復帰を希望する方にとって検討しやすい治療法のひとつです。 一方で、神経障害などの合併症リスクもあるため、慎重な検討が求められます。 とくに、保存療法や他の選択肢と比較検討する際には、医師による十分な説明と理解が不可欠です。 当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアの術後の後遺症や神経に関する悩みに対して、再生医療の「自己脂肪由来の幹細胞治療」を提供しています。 幹細胞の投与方法として、静脈点滴に加え、脊髄腔内への直接投与も行っており、損傷部位への到達経路の工夫に取り組んでいます。 公式LINEでは、再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を行っています。 再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひご登録ください。 PLDDの効果に関するよくある質問 PLDDの費用は? PLDDは公的健康保険の対象外であるため、治療にかかるすべての費用が自己負担です。 手術そのものの費用にとどまらず、適応の判断に必要な診察や検査、治療後の薬剤処方なども含まれます。 医療機関によって金額は異なりますが、数十万円程度の費用がかかるケースが一般的です。 PLDDの費用感については、以下の記事でも詳しく解説しています。 PLDDの手術中や手術後の痛みはどのくらい? PLDDは、皮膚に小さな針を刺すだけの低侵襲な治療法であり、一般的な手術に比べて術中や術後の痛みが少ない点が特徴です。 施術ではまず局所麻酔を行い、針を刺したときの痛みを感じにくくする工夫がされています。 また、メスで皮膚を切開する必要がないため、術後に傷口の痛みで悩まされることもありません。 PLDDは身体への負担が少なく、手術に伴う痛みを抑えやすい治療法といえるでしょう。 PLDDに治療のデメリットはある? PLDDは体への負担が少ない治療法とされていますが、いくつかの注意点もあります。 たとえば、術後に新たな腰痛やしびれ、筋肉の張りを感じるなど、今までになかった症状が現れるケースがあるのです。 術前より悪化するとは限りませんが、まれに数週間続く場合もあります。 また、神経根炎や椎間板炎、感染症などの合併症が起こる恐れもあり、適応を誤ると十分な改善が得られません。 PLDDを選択する際には、リスクも含めて事前に十分な説明を受けた上で慎重に検討しましょう。 PLDDに後遺症はある? PLDDは、術後に後遺症が残る可能性も完全には否定できません。 後遺症には、次のような症状があります。 神経障害:術後に新たなしびれや感覚異常が残る 慢性的な痛み:炎症が長引き、椎間板や隣接組織の変性により疼痛が継続する 椎間板の変性・損傷進行:照射による熱刺激が線維輪や隣接構造に影響を与える 再発性ヘルニア:時間の経過とともに症状が再燃する 頻度として高くはないものの、術前適応の判断や術中操作、術後管理を慎重に行わなければリスクが高まる点に留意しておきましょう。 PLDDは厚生労働省に認可されている先進医療? かつては、厚生労働省が定める「先進医療」として認められていた時期があり、手術費用のみが自費扱いで、診察や検査などは保険適用が可能でした。 しかしながら、平成24年に「有効性や効率性が十分に示されていない」として、先進医療の対象から除外されています。 したがって、現在ではすべてが自由診療として取り扱われており、治療を検討する際には事前に費用の確認が重要です。 ヘルニアの治療でPLDDに失敗はある? PLDDは低侵襲で体への負担が少ない治療法とされていますが、効果が得られず失敗と感じるケースもあります。 治療の適応が不十分だった場合や、椎間板の変性が進行していた場合などは、症状が改善しないことがあるのです。 また、再発や別の治療を検討せざるを得ないケースもあるため、PLDDを検討する際は、事前に治療の限界や再施術の可能性についても確認しておきましょう。 PLDD手術で失敗があるかに関しては、以下の記事もご覧ください。 参考文献 (文献1) Comparative Efficacy of Percutaneous Laser Disc Decompression (PLDD) and Conservative Therapy for Lumbar Disc Herniation: A Retrospective, Observational, Single-Center Study|PubMed (文献2) 23rd Anniversary of Percutaneous Laser Disc Decompression (PLDD)|PubMed (文献3) Efficacy evaluation of percutaneous laser disc decompression in the treatment of lumbar disc herniation|PubMed
2024.03.05 -
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「椎間板ヘルニア手術を受ける予定だけど、手術後の生活のイメージが掴めない」「仕事復帰できるのはいつ頃から?」このような不安や疑問を抱えていませんか? 本記事では、椎間板ヘルニア手術後のリハビリや仕事の再開時期を解説します。 手術後の生活で気をつけることや注意点も紹介しているので、参考にしてみてください。 痛みやしびれの回復具合に合わせてリハビリを続け、医師の指示を受けながら徐々に日常生活へと戻していきましょう。 \椎間板ヘルニアの根本改善を目指す「再生医療」/ 椎間板ヘルニアの手術後、一般的にリハビリや保存療法が続けられますが、十分な改善が得られないケースや術後の再発・後遺症に悩む方も多いのではないでしょうか。 そのような場合には、神経や損傷組織へのアプローチを図る治療として、再生医療という選択肢もあります。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 手術後も腰や足の痛み・しびれが続いている 再発を繰り返している 長期間リハビリを続けているが十分な改善がみられない 痛み止めや神経ブロック注射に頼り続けることに不安がある 将来的な後遺症や日常生活への影響が心配 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する https://youtu.be/5JqLxbYwLJ4 当院(リペアセルクリニック)では、椎間板ヘルニアに対する再生医療について無料カウンセリングを実施しています。 「手術前に他の選択肢を知りたい」「手術後も症状が残っている」という段階でも、お気軽にご相談ください。 椎間板ヘルニア手術後の生活|仕事復帰までのステップ 椎間板ヘルニア手術後の生活はどのように変化するのでしょうか。 ここでは、リハビリや仕事復帰、運転などの再開までの流れや期間を解説します。 痛み・しびれ リハビリ期間 仕事復帰 運転 性行為 手術後の生活プランを立てる際の参考にしてみてください。 痛み・しびれは手術後1カ月ほど続く 手術後は、神経の修復に時間がかかるため、痛みやしびれが1カ月ほど続く可能性があります。 痛みやしびれが出ているときは、神経が敏感な状態にあるため、生活のなかで不便さを感じる場面があるでしょう。 そこで、無理に体を動かすと、症状を悪化させたり、再発につなげたりしかねません。 症状が落ち着くまでは安静に過ごす意識をもつようにしてください。 リハビリを始めるのは手術後1カ月ほど リハビリは、手術後1カ月ほどから開始します。 リハビリは手術後すぐに取り組むものというイメージがあるかもしれませんが、実際には手術後すぐにリハビリに取り組む必要性は認められていません。(文献1) 椎間板ヘルニア手術後におけるリハビリの目的は、腰回りの筋肉を強化して再発を防ぎ、日常生活への円滑な復帰を促すことです。 以下に効果的なリハビリの運動例を紹介します。 【お腹を鍛える運動】 お腹を意識しながら腹式呼吸 仰向けになって膝を立て、首を軽く起こしてお腹をのぞき込む腹筋運動 など 【お尻を鍛える運動】 仰向けになって膝を立て、お尻をゆっくり持ち上げるブリッジに似た運動 うつ伏せになり曲げた片足をゆっくり上げ下げする運動 など 動作中に強い痛みがあるときは、回数や力の入れ方を調整しましょう。 仕事復帰できるのは手術後から1.5カ月ほど 手術後、仕事復帰までの期間は、受けた手術の種類や仕事内容によって異なりますが、平均すると1.5カ月程度です。 背中の患部付近を切開する従来の手術法の場合、傷口の完全な回復を待つ必要があるため、復帰までの期間が長くなる傾向にあります。一方で、小さな切開で済む内視鏡手術法の場合は、手術の回復が比較的早く、仕事復帰までの期間が短縮しやすいです。 仕事内容においては、腰を使う重労働業務の場合は、復帰までに時間がかかるケースがあります。 ある調査では、重労働業務における復職までの平均期間は44日ほどと報告されています。(文献2) 運転できるのは手術後2週間ほど 短い距離の運転なら手術後2週間ほどで、運転を再開できます。 ただし、以下のように特殊な状況がある場合は、運転の再開時期が遅れる可能性があります。 旅行や出張など長距離の運転をする場合 バスやタクシーのドライバー 農業や工事現場の重機操縦者 自己判断で運転を再開してしまうと、腰に負担がかかり症状が悪化する恐れがあります。 安全に運転を再開するためにも、医師と相談しながら慎重に復帰の時期を決めましょう。 性行為は手術後2週間ほど控える 性行為は、手術後2週間ほどは控えたほうが安心とされています。 手術後は、傷口の修復や、腰まわりの痛み・しびれが落ち着いていない場合があるためです。 少しでも違和感や痛みがあるうちは、無理をしないことが大切です。腰に負担がかかる動きは、回復を遅らせるほか、再発してしまう恐れもあります。 体の回復を優先し、無理のない範囲で行動を選びましょう。 椎間板ヘルニア手術後の生活でやってはいけないこと・注意点 椎間板ヘルニア手術後の生活でやってはいけないこと・注意点を解説します。 主に以下3つの行動は、回復を遅らせたり、再発リスクを高めたりする可能性があります。 リハビリの中断 腰に負担がかかる運動 腰に負荷がかかる姿勢や動作 順番に見ていきましょう。 リハビリの中断 椎間板ヘルニアの手術後にやってはいけないことは、リハビリの中断です。 手術後は安静にする時間が長くなり、体を支える筋肉が弱まりやすくなります。 続けてきたリハビリを中断してしまうと、再び体に負担がかかりやすくなり、症状の悪化や再発の原因になりかねません。 痛みが和らいだとしても、自分で判断してリハビリを中断せず、医師の指示に従って継続する意識が大切です。 なお「仕事やスポーツでリハビリの時間を確保するのが難しい」という方は、再生医療の治療を検討してみてください。主に注射または点滴を使った治療なので、手術後のリハビリや後遺症の心配はいりません。 腰に負担がかかる運動 手術後3カ月ほどは、腰に強い負担がかかる運動はしばらく控える必要があります。 無理をすると、傷口が開いたり、再発したりする恐れがあるためです。 具体的には以下のような運動は控えましょう。 腰をひねる体操 ダッシュやジャンプなどの衝撃が強い運動 ゴルフやテニスなど腰をひねる動きが多いスポーツ これらは腰部への負担が大きく、早期の復帰はリスクが高いといえます。 ただし、まったく体を動かさないのも良くありません。軽いストレッチや簡単な体操など、筋力を保つ適度な運動は回復に役立つため、医師の指導のもとで取り入れましょう。 腰に負荷がかかる姿勢や動作 椎間板ヘルニアの手術後1週間ほどは、腰に負荷がかかる姿勢や動作は避けるようにしてください。 たとえば、落ちた物を拾うときに腰を曲げてかがむのは負荷のかかる姿勢です。物を拾う際は、膝を曲げてしゃがむようにすれば、腰への負担を減らせます。 また、腰をひねる動きも症状悪化や再発のきっかけになります。 たとえば、後ろに振り向く動作は、腰にねじれの動きが入り負荷がかかります。後ろを振り向きたいときは、足を使って身体ごと向きを変えると腰への負担が少ないです。 日常生活を振り返り、腰に負荷のかかる姿勢や動作があれば、改善していきましょう。 椎間板ヘルニア手術後の生活で脊髄損傷が起こるリスク 椎間板ヘルニア手術後にやってはいけないことや注意点をお話ししてきましたが、手術後早期に腰を曲げたり、腰をひねったりすると、脊椎の中を通る神経の束である脊髄が傷ついてしまい、脊髄損傷を起こしてしまうリスクがあります。 脊髄損傷の主な症状は以下のとおりです。 知覚鈍麻 痛みや痺れ 麻痺脊髄損傷は一度起こってしまうと自然には治りません。手術後に脊髄損傷が疑われる症状が現れたら、すぐに手術をした医療機関に連絡をしましょう。 また、脊髄損傷による後遺症に対しては、従来の治療では改善が見込めないケースもあります。 しかし近年では、損傷した神経の修復・再生を目指す「再生医療」が新たな選択肢として注目されています。 損傷した神経部位に直接アプローチするため、従来の点滴投与よりも修復効果が期待でき、治療は数分の注射処置で入院の必要もありません。 実際に当院で治療を受けられた方の症例は、以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/5ko_0grCYYU 「椎間板ヘルニア手術後の後遺症が改善しない」「他院でこれ以上は難しいと言われた」という方も、まずは一度当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 椎間板ヘルニア・脊髄損傷でお悩みの方へ「再生医療」を紹介 一般的に、損傷した大きな神経は修復することができません。 椎間板ヘルニア手術で脊髄損傷した場合、下肢の麻痺により、歩行困難や車いすでの生活が余儀なくされる可能性もあります。 そんな脊髄損傷の治療法の一つに、幹細胞を用いる「再生医療」があります。 幹細胞とは、体のさまざまな組織に変化できる細胞です。 当院「リペアセルクリニック」では、患者様自身の脂肪を採取・培養した幹細胞を用いる治療を提供しております。 実際に当院で治療を受けられた方の症例は、以下の動画でご確認いただけます。 https://youtu.be/ndLjy0IXzic?si=vB-GvJKpfGEOMRt3 「手術後も症状が残り、今後について不安がある」「他院で難しいと言われたが、諦めきれない」という方は、一度当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ まとめ|椎間板ヘルニア手術後はリハビリを継続して仕事復帰を目指そう 手術後の生活では、リハビリを続けて、日常生活で無理な姿勢や動作をしない意識を持つことが回復への近道です。 腰への負担を避け、正しいリハビリを継続すれば、再発リスクを抑えながら仕事復帰を目指せます。 本記事で紹介した注意点やリハビリ内容を参考に、ご自身のペースで回復に向けた生活習慣を整えていきましょう。 なお、椎間板ヘルニアや手術後の脊髄損傷に対しては「再生医療」という治療法もあります。 再生医療の幹細胞を使った治療では、体のさまざまな組織に変化をする幹細胞を損傷した患部に投与します。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 手術後も腰や足の痛み・しびれが続いている 再発を繰り返している 長期間リハビリを続けているが十分な改善がみられない 痛み止めや神経ブロック注射に頼り続けることに不安がある 将来的な後遺症や日常生活への影響が心配 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 実際の治療法については、以下の動画でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=5dlz3iMYwr8pynjz 再生医療をご検討、あるいは気になる点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 参考文献 (文献1) 宮本 雅史,中嶋 隆夫.「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン改訂第2版」日本内科学会雑誌 105 巻 11 号pp1〜5 2016年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/11/105_2210/_pdf/-char/ja (最終アクセス:2025年4月16日) (文献2) 廣田 勝也, 島﨑 功一.「腰椎椎間板ヘルニア術後における重労働者のホームエクササイズ実施状況と復職状況との関連因子の検討」日本理学療法士協会 2019年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/46S1/0/46S1_H2-207_2/_article/-char/ja/?utm_source=chatgpt.com (最終アクセス:2025年4月16日)
2024.03.01 -
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腰椎椎間板ヘルニアの治療として注目されているMED(内視鏡下椎間板摘出術)とPELD(経皮的内視鏡下椎間板摘出術)は、いずれも内視鏡を用いた低侵襲手術です。 しかしながら、手術の方法や適応となる症状、術後の回復や合併症リスク、費用などに違いがあります。 本記事では、MEDとPELD(PED)の主な違いをわかりやすく整理して解説します。 椎間板ヘルニアの手術を検討している方は、自分に合った術式を選ぶための参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、MEDとPELD(PED)の後遺症治療の選択肢となっている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を行っています。 椎間板ヘルニアの治療で不明な点があれば、ぜひご登録ください。 MEDとPELD(PED)の違い MEDとPELD(PED)の違いを項目ごとにまとめました。 項目 MED PELD 手術 背部から16mm程度の切開。筋肉を押し分けて椎間板を摘出。全身麻酔が必要。 7mm程度の小切開から椎間孔経由で摘出。局所麻酔で実施が可能。 適応 重度のヘルニアや骨の切除が必要な場合、癒着のある複雑な症例にも対応可能。 軽〜中等度のヘルニアで骨切除を必要としない症例に適応。 手術後 術後に筋肉痛や張り感が残ることがある。回復にやや時間がかかる。 傷が小さく、術後の痛みや回復が軽度。当日または翌日から歩行可能。 メリット 術中に目で見える範囲を確保しやすく、再発例や複雑なケースにも対応可能。 低侵襲で回復が早く、高齢者や麻酔リスクがある患者にも適応可能。 デメリット 切開が大きく、PELDと比べて筋肉や骨への侵襲が大きい。全身麻酔が必要。 操作視野が狭く、高度な技術が必要。適応症例が限定される。 入院期間 約7日間の入院が必要。術後経過観察と安静が必要。 日帰りまたは1泊2日での退院が可能。 合併症リスク 骨や筋肉の操作により神経損傷や硬膜損傷のリスクがある。 合併症リスクは低いものの、視認性制限による誤操作のリスクがある。 手術費用 保険適用で20〜30万円前後が目安。自由診療は少ない。 保険適用で20〜30万円前後が目安だが、先進医療機器使用で追加費用の可能性あり。 以下では、それぞれの項目について詳しく解説します。 手術の違い MEDとPELD(PED)は、いずれも内視鏡を用いた低侵襲手術ですが、進入経路や切開の大きさ、術中に扱う組織に違いがあります。(文献1) MEDは、背中側から皮膚を約16mm切開し、筒状の器具(ダイレーター)を用いて筋肉を押し分け、椎間板ヘルニアを摘出する手法です。 骨や靱帯を一部削る場合もあります。 一方、PELD(PED)は直径7mmの小さな切開から椎間孔を通して患部へアプローチする方法で、筋肉や骨への侵襲を最小限に抑えられるのが特徴です。 MEDが全身麻酔が一般的なのに対し、PELD(PED)は局所麻酔で行われることが多く、手術中に患者とコミュニケーションを取りながら進められる利点もあります。 以下の表にそれぞれの手術についてまとめたので、参考にしてみてください。 特徴 PELD MED 従来の手術法 皮膚の切開の大きさ 7mm程度 16mm程度 3〜4cm 麻酔の方法 局所麻酔可能 全身麻酔 全身麻酔 手術の時間 1時間程度 2時間程度 1時間程度 術後の入院期間 日帰り可能 1週間程度 1週間程度 体に与える負担 軽い 軽いがPELDに比べると骨や筋肉などに侵襲が大きい 傷口が大きいため負担になる可能性あり 適応の違い||どんな人・症状に向いている? MEDとPELD(PED)は、いずれも椎間板ヘルニアに対する内視鏡手術ですが、対象となる患者の状態やヘルニアの形態によって適応が異なります。 MEDは骨の一部切除を必要とする中等度から重度のヘルニアや、突出範囲が広いタイプにも対応可能です。 また、癒着が強い例や複雑な解剖構造を伴う場合でも施術できます。 一方、PELD(PED)は、神経に接するように突出したヘルニアが明確に存在し、かつ骨の除去が不要なケースに向いています。 神経の圧迫が軽度から中等度で、椎間孔から安全にアプローチできる症例が理想です。 手術後の違い|傷の大きさ・痛み・回復 MEDは16mmほどの切開と筋肉の牽引が必要なため、術後に筋肉痛や張りを感じることがあります。 傷の小ささや痛みの少なさを重視する場合には、PELDの方が適しているでしょう。 PELD(PED)は、直径6〜8mmの小さな切開で行うため、筋肉や靱帯への負担が非常に少なく、術後の痛みも軽度に抑えられます。 手術直後からの起立・歩行も可能です。 MEDはやや大きな切開と組織剥離が伴うため、術後の痛みや違和感が数日続く場合があり、回復にもやや時間を要します。 PELDは体への侵襲が少ないため、術後の回復が早いのが特徴です。 当日や翌日の歩行が可能なケースもあり、早く社会復帰して日常生活への影響を最小限に抑えたい方に適しています。 メリットの違い MEDは視野が広く、やや複雑な病変や癒着のあるケースにも対応できるのがメリットです。 再発例や重度のヘルニアにも柔軟に対処できます。 PELDは小さな切開で行われるため、身体への負担が少なく、術後の回復が早いことが最大のメリットです。 局所麻酔下で実施できる点から、高齢者や全身麻酔が困難な方にも適しています。 デメリットの違い MEDには、切開が比較的大きく、PELDと比べて筋肉や骨への侵襲がやや大きいというデメリットがあります。 術後には筋肉痛や腰部の違和感が数日間残ることがあり、入院や安静期間もPELDより長くなる傾向があります。 また、手術には全身麻酔が必要となるため、高齢者や持病を抱える方にとっては負担となる場合がある点に留意しておきましょう。 一方、PELDは体への負担が少なく局所麻酔で実施可能ですが、適応症例が限定されています。 重度の椎間板ヘルニアや椎間孔が狭い場合は、適応外となる点に注意です。 さらに、操作範囲が狭いため術中の視野確保が難しく、術者の高度な技術が必要とされます。 入院期間の違い MEDは切開部がやや大きく、筋肉や骨に対する操作も加わるため、術後に安静期間が必要です。 したがって、一般的に平均7日程度の入院が必要とされており、術後の経過観察や痛みの管理を慎重に行う必要があります。 一方、PELD(PED)は体への侵襲が非常に少なく、術後の痛みも軽度に抑えられるため、日帰りまたは1泊2日での退院が可能です。 合併症リスクの違い MEDでは比較的広い術野を確保するべく、筋肉や骨の操作が必要になる場合があり、術中に神経根や硬膜を損傷するリスクがあります。 とくに、癒着が強い症例では、術中の出血や術後の神経障害が起こる可能性が否定できません。 一方、PELD(PED)は切開が非常に小さく、筋肉や靱帯をほとんど傷つけずに行うため、全体として合併症のリスクは低いとされています。 ただし、操作スペースが限られることから、神経周囲の視認性に制限があり、不完全摘出や術中誤操作のリスクも一定程度存在します。 どちらの術式も、医師の技術と適切な術前評価が合併症リスクを左右します。 手術費用の違い|保険は適用されるのか MEDとPELD(PED)ともに、国内の多くの医療機関で保険診療として提供されており、原則として健康保険が適用されます。 術式や入院期間、医療機関によって費用は異なるものの、いずれも3割負担の場合、入院費用を含めて20〜30万円程度が目安です。(文献2) ただし、医療機関によっては、個室料金や特殊な医療機器の使用料など、保険適用外の費用が別途発生する場合があります。 とくに、日帰り手術や先進的機器を用いるケースでは追加費用が発生することもあるため、事前の確認が必要です。 いずれの術式も高額療養費制度の対象であるため、一定の範囲内で自己負担額を抑えられます。 PELD(PED)の費用については、以下の記事もご覧ください。 MED・PELD(PED)の後遺症に対する再生医療の可能性 MEDやPELD(PED)による内視鏡手術は体への負担が少ない一方で、術後に残存する神経症状や、慢性的な腰痛といった後遺症が完全に防げるわけではありません。 また、手術そのものに不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。 このような場合の治療法として、再生医療という選択肢があります。 再生医療とは、本来の機能を失った組織や細胞に対して、自分自身の幹細胞や血液を用いる治療法です。再生医療には主に2つの方法があります。 他の細胞に変化する能力を持つ幹細胞を患部に投与する「幹細胞治療」と、血液中の血小板に含まれる成長因子の働きを活用する「PRP療法」です。成長因子には炎症を抑える働きがあります。 いずれの治療法も入院や手術は不要で、日帰りでの対応が可能です。体への負担を抑えた治療を検討している方にとって、手術を伴わない選択肢となっています。 当院「リペアセルクリニック」では、脂肪由来の幹細胞を用いた治療や、PRP療法を実施しています。ヘルニアに対する再生医療について詳しくは、当院の症例を紹介している以下の記事をご覧ください。 まとめ|MEDとPELD(PED)の違いを理解して治療を検討しよう MEDとPELD(PED)は、いずれも術式の特性や適応範囲、術後の経過などに違いがあります。 MEDは視野が広く再発や重症例にも対応しやすい一方で、切開や侵襲がやや大きくなる傾向があります。 対して、PELDは傷が小さく回復が早いものの、適応症例に制限があるなど、それぞれの特性を正しく理解し、症状や生活の状況に合った手術法を選ぶことが重要です。 手術に対して不安を抱えている方には、再生医療という治療の選択肢があります。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、ヘルニアの治療や手術後の後遺症に対する再生医療情報発信、および簡易オンライン診断を実施しています。 椎間板ヘルニアの治療でお困りのことがあれば、ぜひご登録ください。 MEDとPELD(PED)に関するよくある質問 PELD(PED)手術で失敗はある? PELD(PED)の手術は低侵襲で身体への負担が少なく、成功率も高いとされていますが、結果的に失敗と感じられるケースがあります。 たとえば、術後に十分な症状改善が得られない場合や、ヘルニアの再発、神経症状の残存などが患者にとって「効果がなかった」と捉えられるケースがあるのです。 また、患者様の症状やヘルニアの状態によっては、PELDが適さない場合があります。 適応を誤ると、期待した効果が得られない可能性があるため、術前の十分な検査と評価が重要です。 PELD(PED)手術の名医を教えてください。 PELD(PED)手術において「名医」と断定できる公的な基準はありませんが、技術的な信頼性の目安として「日本脊椎内視鏡下手術・技術認定医」の資格が挙げられます。 日本PED研究会によって認定された制度で、厳格な審査と実績に基づいて付与されるものです。 資格を持つ医師が在籍する医療機関は、日本PED研究会の公式サイトで一覧確認が可能です。(文献3) PELD(PED)を検討する際は、認定医が在籍する施設をチェックしておきましょう。 PELD(PED)手術の流れを知りたい PELD(PED)の流れの一例をご紹介します。(文献2) 1.手術前日(入院・準備) 入院して術前の準備を行います。飲食は夕食まで可能で、飲水は夜9時まで摂取できます。 2.手術当日 点滴や注射などの準備をした後、手術室へ移動して手術が行われ、術後は病室に戻ります。 飲食・飲水は腸が動くまではできませんが、立ち上がりや歩行は可能です。 3.退院後〜1週間 食事は問題ありません。軽い運動は可能ですが、体をねじる動作や立ったまま・座ったままでの腰の運動は避けます。 消毒は不要で、絆創膏は7日後に外します。日中はコルセットを着用しますが、就寝時は外して構いません。 4.術後2〜3週間 学校や職場に復帰できますが、1時間ごとに立ち上がって腰を伸ばし、少し歩いてから再び座るようにします。 1週目と同様に、腰をねじる・かがむ姿勢は避けます。入浴は可能で、車の運転も1時間以内であれば許可されます。 5.術後3週間〜3か月 きつすぎない労働や、事務作業・家事・勉強などの日常動作は通常通り行えます。 6.術後3か月以降 重労働も可能になります。椎間板の状態を確認するため、レントゲン検査やMRI検査を行います。 7.術後6〜12か月 定期的に受診し、腰の状態を診察します。その後は、痛みや違和感などがある場合に随時受診します。 ただし、上記はあくまで一例です。 医療機関によって異なる点にご注意ください。 参考文献 (文献1) Japanese Journal of ORTHOPAEDIC SPORTS MEDICINE|一般社団法人日本整形外科スポーツ医学会 (文献2) PEDとは?|出沢明PEDクリニック (文献3) PED手術病院 一覧(認定脊椎内視鏡下手術・技術認定医 在籍施設)|日本PED研究会
2024.02.28 -
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低侵襲治療という言葉を耳にしても、どのような治療かイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。 低侵襲治療とは、手術や検査に伴う体への負担をできるだけ抑える医療を指します。身体を大きく切らずに済む内視鏡やカテーテル、ロボット支援手術など、患者への負担を軽減するさまざまな方法が実用化されています。 この記事では、低侵襲治療の概要、メリット・デメリット、治療の種類や対象疾患について解説します。ご自身やご家族の治療法を検討する際の参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 手術を必要としない再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 低侵襲治療とは 低侵襲治療とは、手術や検査に伴う痛み、出血、発熱などの身体への負担(侵襲)をできるだけ抑える治療法です。 内視鏡やカテーテルなど、体を大きく切らずにすむ医療機器を用いて術後の痛みや回復までの時間を軽減します。高齢者や持病のある方でも治療できる場合があり、幅広い人にとって負担の少ない治療の選択肢となりえます。 低侵襲治療のメリット 低侵襲治療の主なメリットは、以下の通りです。 手術時の痛みや出血が少ない 傷口が小さく、体表へのダメージが少ない 回復が早く、入院期間が比較的短い 早期の日常生活や社会復帰が見込める 低侵襲治療は、患者様の心身の負担を軽減しながら治療に臨めます。手術が不安な方にも、前向きに検討しやすい治療法です。 低侵襲治療のデメリット 低侵襲治療の主なデメリットは、以下の通りです。 すべての疾患に適用できるわけではない 症状や病気の進行などによっては適用できない場合がある 高度な医療機器が必要 術者の技術差が結果に大きく影響する 低侵襲治療は、高度な専門性と設備が欠かせません。また、患者様に適しているとは限らず、病状や施設の体制によっては従来の治療法が選ばれることもあります。 デメリットを十分に理解した上で、医師と相談し慎重に治療法を選びましょう。 低侵襲治療の種類と対象疾患 低侵襲治療の種類と対象疾患は下記の通りです。 治療名 主な対象疾患 治療の特徴 鏡視下手術(PELD) 椎間板ヘルニア 小さな穴から内視鏡を入れて行う手術 内視鏡手術 消化管の早期がん 胃や大腸にカメラを入れて病変を切除 経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD) 椎間板ヘルニア 細い針とレーザーで椎間板の圧迫を緩和 ロボット手術 がん治療 自在に動くロボット器具で難所の手術を実現 カテーテル手術 血管の狭窄 狭心症など カテーテルを血管内に挿入し、血管を広げる 体外衝撃波治療 足底腱膜炎 石灰性腱炎 テニス肘など 衝撃波を当てて痛みや炎症を軽減する 放射線治療 がん治療 放射線でがん細胞のDNAを破壊し死滅 それぞれの治療の特長や適応疾患、治療の流れなどを知ることで、自分に合った治療法を検討する際の参考にしてください。 鏡視下手術・PELD|椎間板ヘルニアや消化器がんなど 鏡視下手術は、体に小さな穴を数カ所開けてカメラや特殊な手術器具を挿入し、モニター映像を見ながら行う治療法です。とくに、椎間板ヘルニアに対して行う鏡視下手術は、PELD(経皮的内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術)と呼ばれます。 手術部位を切開して行う従来の手術に比べて出血が少なく、痛みや傷跡も最小限で済むため、早期の回復や社会復帰が期待できます。 鏡視下手術が検討される可能性がある疾患は、以下の通りです。 椎間板ヘルニア、膝半月板損傷などの整形外科疾患 食道がん、胃がんなどの消化器疾患 肺がん、転移性肺腫瘍などの呼吸器疾患 膀胱がん、尿路結石などの泌尿器疾患 子宮筋腫、子宮腺筋症などの婦人科疾患 鏡視下手術はすべての症例に適しているわけではなく、病状や施設の設備によっては従来の手術が選ばれる場合もあります。治療の選択肢として検討する場合は、医師と十分に相談しましょう。 内視鏡手術|消化管の早期がんやポリープ切除 内視鏡手術は、口や肛門から胃カメラ・大腸カメラを挿入し、消化管の内側から病変を切除する治療法です。主に食道・胃・十二指腸・大腸の早期がんに対して行われます。 体内に傷をつけないので、身体への負担が少ないのが特徴です。 がんの進行が浅く局所に限られている場合に適応されるため、早期発見と正確な診断が重要です。内視鏡手術に関心がある方は、医師に相談してみましょう。 経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD)|椎間板ヘルニア 経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD)は、椎間板ヘルニアに対する低侵襲の治療法です。 経皮的レーザー椎間板減圧術の手順の一例は、以下の通りです。 背中の皮膚から、細い針を椎間板内の中心まで挿入する 針を通して、椎間板内の中心にレーザーファイバーを照射する 椎間板の内圧が下がり、突出していた部分が引っ込み神経の圧迫を緩和する 手術時間は30分程度が一般的で、針穴のみの小さな傷ですみ、入院も半日~1泊程度と短期間です。 重度のヘルニアには適応されなかったり、保険適用外の自由診療となったりするため、事前の検査と医師の判断が必要です。 ロボット手術|泌尿器科や消化器などのがんなど ロボット支援手術は、腹腔鏡手術の進化形といえる治療法です。「ダヴィンチ」は代表的なロボットで、関節のように自在に動く器具により、人の手では届きにくい部位の精緻な手術が可能です。 主な手順は以下の通りです。 患者様の体に小さな穴をあける ロボットアームと内視鏡を挿入する 医師は別の操作台から3D画像を見ながらロボットを遠隔操作する 前立腺がんや胃がん、直腸がん、子宮筋腫など多くのがん手術で導入されており、創が小さく出血も少ないため、術後の痛みが軽く回復も早いのが特徴です。一方、触覚がないことや緊急対応の難しさといった課題もあるため、経験豊富なチームによる対応が不可欠です。 ロボット支援手術は、開腹手術に抵抗がある方や、早期回復を望む方にとって有力な選択肢となります。 カテーテル手術|心臓や脳など カテーテル手術は、心臓や脳、血管などの病気に対し、体への負担を抑えて行う低侵襲治療です。 主な手術の手順は、以下の通りです。 細い管(カテーテル)を、手首や足の付け根から血管内に挿入する X線透視下で狭窄や閉塞部位まで誘導する バルーンを膨らませて血管を広げたり、再狭窄を防ぐために金属製のメッシュで作られた管(ステント)を挿入したりする カテーテル手術は、脳梗塞の原因となる血管の狭窄や狭心症などが対象です。 手術時間は1〜2時間程度と短く、回復も早いのが特徴です。 体外衝撃波治療|足底腱膜炎や石灰沈着性腱板炎、テニス肘など 体外衝撃波治療は、皮膚の上から衝撃波を患部にあてて痛みや炎症を和らげる治療法です。衝撃波によって神経や血管が刺激され再生が促されると考えられています。 メスを使わず入院も不要なため、アスリートや手術に抵抗がある方、保存療法で改善がみられなかった方に用いられています。 体外衝撃波治療の対象となる主な疾患は、以下の通りです。 足底腱膜炎 石灰性腱炎 アキレス腱痛症 テニス肘 早期の骨壊死 疲労骨折 尿路結石 1回の治療は5分程度で、4〜6回の通院で完了するのが一般的です。 放射線治療|がん治療 放射線治療は、がんに対する三大治療の一つで、患部に放射線を照射し、がん細胞のDNAを破壊して死滅させる治療法です。手術のように臓器を取り除くことなく、体の外からがん細胞にアプローチできる点が特徴です。 主に、リニアックと呼ばれる照射装置を用いるのが一般的です。 治療中に痛みはなく、日常生活を続けながら受けられるため、高齢者や体力に不安のある方にも適しています。 喉頭がん、食道がん、子宮頸がん、脳腫瘍など多くのがん種が対象となり、手術や薬物療法と組み合わせる場合もあります。 1回の治療は15分程度で、回数は症状により異なりますが、1〜40回が目安です。治療期間中は効果や体への影響を確認するため、定期的に診察を受けましょう。 身体の負担が少ない再生医療も治療の選択肢 手術や入院が不要で、身体への負担が少ない再生医療は、以下の症状に対して治療の選択肢になる場合があります。 椎間板ヘルニア 変形性膝関節症 変形性股関節症 足底腱膜炎 肩腱板断裂 再生医療は、自身の血液や細胞を用いて、痛みや炎症にアプローチします。治療は注射や点滴で完了するケースが多く、入院せずに通院で受けられる点も魅力です。 手術に不安がある方や、できるだけ早く日常生活に復帰したい方にとって、再生医療は有力な治療法のひとつです。再生医療の詳細を知りたい方は、お気軽に当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。 まとめ|身体への負担を抑えた治療法が、質の高い回復につながる 低侵襲治療とは、手術や処置に伴う痛みや出血などの身体的負担(侵襲)を最小限に抑える治療法です。 内視鏡やカテーテル、ロボット支援手術などを用いるので、手術の傷口が小さく早期の復帰が見込める点がメリットです。一方、すべての疾患に適用できるわけではなく、高度な設備や技術を要するなどのデメリットもあります。 また、注射や点滴で行う再生医療も身体への負担が少ない治療法の一つです。いずれの治療にも向き・不向きがあるため、医師とよく相談し、自分の症状や生活状況に合った治療法を選びましょう。 低侵襲の治療に関するよくある質問 低侵襲手術の入院期間は? 低侵襲手術の入院期間の目安は、以下の通りです。 手術の種類 疾患 目安の入院期間 鏡視下手術 変形性膝関節症 2日〜3日 内視鏡手術 食道や胃などの早期癌 8~10日 経皮的レーザー椎間板減圧術 椎間板ヘルニア 日帰り ロボット手術 前立腺全摘除術 2週間 カテーテル手術 心房細動 2~4日 体外衝撃波治療 足底腱膜炎 日帰り 放射線治療 がん治療 日帰り 手術の内容や症状によって異なるので、詳しい日数は医師に相談してみましょう。 低侵襲手術に欠点はありますか? 低侵襲手術は、すべての疾患に適応できるわけではなく、症状の進行具合や患者様の状態によっては従来の手術が優先されることもあります。また、高度な医療機器や熟練した術者が必要とされるため、医療機関の設備や体制にも左右されます。 欠点を把握した上で医師と十分に相談し、自分に合った方法を慎重に選びましょう。 脊柱管狭窄症の手術は何歳までできますか? 脊柱管狭窄症の手術には、明確な年齢制限は設けられていません。しかし、以下のような持病や既往歴がある場合には、術後の合併症リスクが高くなるため、手術が見送られる可能性もあります。 糖尿病を患っている 呼吸困難や慢性閉塞性肺疾患など呼吸機能に障害がある ステロイド薬を継続的に服用している また、過去に腰椎などの手術を受けた経験や、他疾患による入院歴がある方も、合併症の発生リスクが高まる可能性があります。 手術を検討する際は、年齢だけでなく、全身の健康状態やこれまでの医療歴も含めて、医師と十分に相談しましょう。
2024.02.22 -
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「椎間板ヘルニアの手術にはどんなリスクがある?」「手術の後遺症が不安……。」 椎間板ヘルニアの手術を勧められたものの、リスクが気になり決断できない人も多いのではないでしょうか。 手術には合併症や後遺症、再発のリスクが伴います。これらを正しく理解した上で、手術を受けるべきか判断することが大切です。 本記事では、椎間板ヘルニア手術のリスクとその対策を医師が詳しく解説します。リスクを理解した上で適切な治療方法を選択できるように、ぜひ最後までご覧ください。 また、当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による治療も行っております。 椎間板ヘルニアの症状でお悩みの方は、お気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 椎間板ヘルニア手術による合併症リスク 椎間板ヘルニアの手術は、症状を改善する有効な治療法ですが、合併症のリスクも伴います。椎間板ヘルニアの手術による主な合併症リスクには以下の4つが挙げられます。 出血や血腫形成 術後感染(化膿)や骨髄炎の可能性 硬膜損傷による髄液漏れ 血栓症や癒着 本章を参考に、椎間板ヘルニアの手術にはどのようなリスクがあるのか、理解を深めておきましょう。 出血や血腫形成 手術では出血が避けられませんが、過度な出血や血腫が形成されると、神経の圧迫による痛みの悪化や運動機能の低下を引き起こす場合があります。 内視鏡下椎間板摘出術(FELD)では、止血操作が困難な場合があり、顕微鏡下手術に切り替える可能性もあります。(文献1) リスクを最小限に抑えるためには、手術中の止血処置が重要です。 また、抗凝固薬を服用している方は、手術前に医師へ相談しておきましょう。 術後感染(化膿)や骨髄炎の可能性 手術部位の感染が起こると、創部が化膿するだけでなく、重症化して骨髄炎を引き起こす場合があります。 術後の免疫力低下や傷口の管理不足が原因となる場合が多く、全内視鏡下手術(FELD)では、約0.5%の確率で細菌感染が発生すると報告されています。(文献1) 感染を防ぐためには、術後の傷口の清潔を保ち、医師の指示に従って抗生物質を適切に服用することが重要です。 硬膜損傷による髄液漏れ 椎間板ヘルニアの手術では、脊髄を包む硬膜が損傷し、髄液が漏れ出すリスクがあります。 とくに、内視鏡下手術(FELD)では、硬膜に穴が開く場合があり、術後3~30日後に髄液漏が発生する可能性もあるため、注意が必要です。(文献1) 髄液漏れが発生すると、術後に強い頭痛を伴い、場合によっては髄膜炎を引き起こすケースもあります。 そのため、硬膜損傷を防ぐためには、経験豊富な医師のもとで手術を受けるのが良いでしょう。 血栓症や癒着 術後に長時間動かずにいると、血流が滞り血栓が形成されるリスクが高まります。 たとえば、深部静脈血栓症(DVT)や肺塞栓症は重篤な合併症となる可能性があるため、注意が必要です。(文献2) また、手術部位の組織が癒着すると、神経が圧迫され、術後の痛みが長引くケースもあります。(文献5) そのため、術後のリハビリは、合併症を防ぐためにも非常に重要です。 医師の指示に従い、適切なタイミングで開始するのが良いでしょう。 椎間板ヘルニアの手術後に起こり得る後遺症リスク 手術後の経過が順調でも、しびれや痛みが一時的に残る場合があります。これは、神経が圧迫されている状態が続いていた場合、手術後もしばらく神経の回復に時間がかかるためです。 本章では、椎間板ヘルニアの手術後に起こり得る後遺症リスクとして、以下の2つを紹介します。 一時的なしびれ・痛みのリスク 神経の損傷による麻痺・筋力低下のリスク それぞれ詳しくみていきましょう。 一時的なしびれ・痛みのリスク 椎間板ヘルニアの手術後には、しびれや痛みが一時的に悪化するケースがあります。 これは、術中に神経根や神経節が圧迫されるために起こる現象です。(文献1) 術後のしびれや痛みを軽減するには、リハビリやストレッチが有効です。 神経の回復には時間がかかるため、焦らず経過を見守る必要があります。 術後1〜2カ月で症状が軽減するケースが多く、長引く場合は医師と相談し、追加の治療を検討しましょう。 神経の損傷による麻痺・筋力低下のリスク 手術時の器具操作によって神経が傷つくと、運動麻痺や筋力低下が残る可能性があります。(文献1) このリスクを減らすためには、経験豊富な医師を選ぶことが重要です。 また、術後のリハビリを積極的に行い、神経機能の回復を促すのも大切だといえます。 椎間板ヘルニアに関する手術後の後遺症や治療法については以下の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。 椎間板ヘルニア手術後の再発リスク 椎間板ヘルニアの手術は痛みを軽減する有効な手段ですが、再発の可能性があることも理解しておく必要があります。 ヘルニアの再発率は6〜10%前後といわれています。(文献1) 椎間板ヘルニアは、飛び出した椎間板の一部を取り除く手術ですが、完全に除去できるわけではありません。残った部分が再び突出することで、ヘルニアが再発するケースもあります。 また、過度な運動や姿勢の悪さ、椎間板の老化なども再発リスクを高める要因です。とくに、手術後すぐに無理な動作を行うと再発の可能性が高まります。 再発予防のためにも、適切なリハビリを行いつつ、普段の生活習慣の見直しを行いましょう。 椎間板ヘルニア手術の麻酔時のリスク 手術には麻酔が不可欠ですが、全身麻酔と局所麻酔のそれぞれにリスクが存在します。 麻酔の種類 リスク 副作用 全身麻酔 血圧低下、呼吸抑制、心肺機能への負担 術後の吐き気、めまい、のどの違和感 局所麻酔 神経損傷、麻酔が効かない場合の痛み 注射部位の違和感、軽度のしびれ 本章では、全身麻酔と局所麻酔のリスクや副作用について、さらに詳しく解説します。 全身麻酔のリスクと副作用 全身麻酔は、意識を完全に失わせるため、呼吸や血圧の管理が重要です。 麻酔の影響で血圧が低下し、心肺機能に負担をかける場合があり、術後には、吐き気やめまい、のどの違和感が生じるケースもあります。 また、これらの副作用は一時的なものですが、高齢者や持病を持つ人は注意が必要です。 手術前に医師と相談し、適切な麻酔方法を選ぶことでリスクを軽減できます。 局所麻酔によるリスクや副作用 局所麻酔は、手術部位のみに作用し、意識を保ったまま行う方法です。 全身麻酔に比べて体への負担は少ないですが、神経損傷や血圧変動が起こる可能性があります。 また、局所麻酔が十分に効かない場合、手術中に痛みを感じる場合もあるとされています。 そのため、麻酔が適切に作用しているかを医師が確認しながら進めるのが一般的です。 椎間板ヘルニア手術の後遺症には再生医療も検討しよう 手術による後遺症が出る場合、近年注目されている再生医療を検討するのも選択肢の一つです。 神経損傷や筋力低下が長引く場合には、幹細胞治療やPRP療法など、再生医療による治療が有効な可能性があります。 手術後の回復が思わしくない場合は、再生医療の専門医に相談してみるのも良いでしょう。 以下の記事では、術後のつらい後遺症、痺れや痛みについて、再生医療に期待できる有効性を紹介しています。 治療法の選択肢を広げたい方は、ぜひあわせてご覧ください。 【関連記事】 ヘルニア治療|PELD(PED)術後のつらい後遺症、痺れや痛みについて ヘルニア治療、PLDDの術後後遺症に対する最新治療とは!? まとめ|椎間板ヘルニアの手術はリスクを理解した上で医療機関を選ぼう! 椎間板ヘルニアの手術には、合併症や後遺症、再発、麻酔のリスクが伴います。 成功率が高いとはいえ、リスクを軽視すると術後のトラブルにつながる可能性があります。 そのため、手術を検討する際は、医師と十分に相談し、自身の症状に合わせた治療方法を選ぶことが重要です。 また、手術後のリハビリや生活習慣の見直しも、回復や再発予防のために欠かせません。 リスクを理解し、信頼できる医療機関を選択することで、安全かつ納得のいく治療が受けられるでしょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による治療も行っております。 椎間板ヘルニア手術の後遺症でお悩みの方は、お気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 椎間板ヘルニア手術のリスクに関するQ&A 椎間板ヘルニアの手術で失敗する確率は? 手術効果や手術の有効性は70〜80%といわれています。(文献1) そのため、「失敗」の定義にもよりますが、再発リスクを含めると20%程度はなんらかのトラブルを考慮する必要があるでしょう。 ただし、合併症の多くは一時的なものであったり、適切な処置で改善が見込めます。 ヘルニア手術はしたほうがいいですか? 手術はあくまで選択肢の一つです。 保存療法で改善が見込まれる場合は、無理に手術を受ける必要はありません。 また、手術を検討する際は、医師と相談し、他の治療法と比較した上で適切な選択をすることが重要です。 椎間板ヘルニアのPELD(PED)手術に関する詳細や、メリットについては以下の記事も参考にご覧ください。 リペアセルクリニックは再生医療専門クリニックです。 椎間板ヘルニアの手術でお悩みの方は、お気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 参考文献 (文献1) 香川労災病院「全内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出手術」 https://www.kagawah.johas.go.jp/wp-content/themes/kagawarousai/assets/doc/hospital/department/neurosurgery/department-neurosurgery_002.pdf(最終アクセス:2025年2月26日) (文献2) 日本整形外科学会「術後肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症」 https://www.joa.or.jp/public/pdf/joa_033.pdf(最終アクセス:2025年2月26日)
2024.02.19







