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頚椎ヘルニアは座りっぱなしの人に多い病気で、腕や首の痛み・痺れが特徴です。 「頚椎ヘルニアにはストレッチが有効」という情報を耳にして、具体的にどのような動きをすれば良いのか疑問に思っているのではないでしょうか。 結論、頚椎ヘルニアは首の疾患ですが、実は首だけでなく胸のストレッチ・運動も重要といわれています。 そこでこの記事では、頚椎ヘルニアに対して有効なストレッチのやり方や注意点をくわしく解説します。頚椎ヘルニアでお困りの方はぜひチェックしてください。 頚椎ヘルニアに効果的なストレッチ5選 結論からいえば、頚椎ヘルニアには首・胸のストレッチが効果的と考えられています。 頚椎ヘルニアは頚椎(首の骨)の間にある椎間板と呼ばれるクッションが変性してしまい、後ろに押し出されることで神経を圧迫する病気です。頚椎は本来後ろ向きに湾曲していますが、なんらかの原因で首が前に倒れると椎間板が後ろに押し出されやすくなります。 頚椎が前に倒れる原因は、ストレートネックや猫背といった不良姿勢です。 不良姿勢は首や胸の筋肉の緊張によって引き起こされることも多いため、ストレッチが効果的と考えられています。つまり、不良姿勢を改善するストレッチが頚椎ヘルニアの予防・改善につながるのです。 ここからは首・胸の部位にわけてストレッチの方法を解説します。頚椎ヘルニアでお悩みの方はぜひ最後までチェックしてください。 僧帽筋・肩甲挙筋のストレッチ 首のストレッチでは、僧帽筋(そうぼうきん)・肩甲挙筋(けんこうきょきん)という首〜肩甲骨にかけてついている筋肉を伸ばします。これらは首の後ろに位置するため、固まると頭が前方に突出し、ストレートネックの原因になりかねません。 僧帽筋・肩甲挙筋をストレッチすればストレートネックの改善につながる可能性があります。 アゴを首に近づけるように後ろに引きながらストレッチすることがポイントなので、ぜひ参考にしてください。 首を動かす僧帽筋・肩甲挙筋のストレッチ 1. 椅子に座って正面を向く 2. 左手を頭頂部に置き、右のこめかみ付近に指先を当てる 3. 手の重みを利用してゆっくり左側に頭を傾ける 4. 15秒から30秒程度キープする 5. 元の位置に戻す 6. 左手を後頭部に回し、指先を右耳の後ろに当てる 7. 手の重みを利用してゆっくり左前側に傾ける 8. 15秒から30秒程度キープする 9. 元の位置に戻す 10. 反対も同様に行う このストレッチは息を止めてしまいやすいため、呼吸を意識しながら行いましょう。 また、手で強く押さえつけると首を痛める原因となります。手や頭の重みを血要する程度にとどめ、ゆっくりストレッチしてください。 肩を動かす僧帽筋・肩甲挙筋のストレッチ 1. 椅子に座ってアゴを引き、リラックスする 2. できるだけ強く肩をすくめて持ち上げる 3. 持ち上げ切ったところで肩を止め、5秒間保持する 4. 5秒経ったら力を抜き、ストンと落とす 5. 10〜20回繰り返す このストレッチでは力を入れるところと抜くところのメリハリが重要です。 しっかりと力を入れて肩を持ち上げて、一気に脱力するように意識すればより僧帽筋・肩甲挙筋が伸びるでしょう。 また、ストレッチ中はアゴが上がらないように注意してください。 大胸筋のストレッチ 大胸筋は胸の前方〜鎖骨・腕にかけてついている筋肉です。 大胸筋が固くなると鎖骨や腕が前に引っ張られ、猫背になってしまうことがあります。猫背になると同時に首も前方に倒れ、頚椎ヘルニアの原因になりかねません。 こまめに大胸筋のストレッチを行い、猫背や頚椎ヘルニアを改善しましょう。腕や体を大きく動かしながらストレッチするとよく伸びるので、ぜひ試してください。 立ってできる大胸筋のストレッチ 1. 壁に対して横向きに立つ(右側が壁になるように) 2. 右側の手のひらと腕を壁につける(肩と肘が同じ高さになる位置) 3. ゆっくり体を左側にひねる 4. 右胸の前側が伸ばされるのを感じた状態で15秒から30秒キープする 5. 反対側も同様に行う ポイントは手のひらを壁につけたまま、しっかりと体を捻ることです。体の捻りに腕がついてくると大胸筋のストレッチが弱くなるため、壁に手をつけたまま動かないように体を捻ってください。 座ってできる大胸筋のストレッチ 1. 椅子の背もたれから少し体を離してまっすぐ座る 2. タオルを持ったままバンザイする 3. タオルを引っ張るように腕を開きながら腕を後ろに引く 4. 肩甲骨を背骨に寄せるようにしながら肘を曲げていく 5. バンザイ→肘を曲げる動作を10回程度繰り返す このストレッチでは、胸を張るように肩甲骨を背骨に寄せる動きが重要です。 また、腕を開いて肘を曲げていく際に頭が下を向きやすいため、頭の位置を変えないように注意してください。 寝ながらできる大胸筋のストレッチ 1. 横向きに寝て、上になった側の足を前に出す 2. 上になった側の手を天井に向けて伸ばす 3. 上に伸ばした手を手のひらが前に向いたまま背中に向かって倒していく 4. 後ろに倒した手を元に戻し、10回繰り返す 後ろに倒すときには、肘をしっかり伸ばしたまま倒すようにこころがけてください。 また、後ろに倒しながら息を吸うことで胸が膨らみ、大胸筋が伸びやすくなります。 頚椎ヘルニアの原因は「ストレートネックや猫背」 そもそも頚椎ヘルニアとは、首の骨(頚椎)の間にある椎間板が圧迫されることで、椎間板の中にある髄核(ずいかく)が後ろに突出し、首の後ろにある神経が圧迫される病気です。 頚椎ヘルニアの主な原因は、猫背やストレートネックなど首が前に倒れる不良姿勢です。また、加齢や飲酒・喫煙などの生活習慣の乱れによって起こることもあります。 猫背やストレートネックが原因で頚椎ヘルニアを発症した場合、首や胸のストレッチを行うことで症状が緩和・改善する可能性があります。 しかし、不良姿勢以外が原因である場合は、ストレッチのみでの症状改善は難しいかもしれません。放置すると首〜腕にかけての痛みや痺れが悪化したり、歩行が困難になったりする可能性もあるため、ストレッチをしても症状の変化がない場合には、早めに整形外科を受診しましょう。 ちなみに、当院リペアセルクリニックでは再生医療を中心に、頚椎ヘルニアの治療にも取り組んでいます。頚椎ヘルニアに対しての治療で気になる方は、メール相談もしくはオンラインカウンセリングでお気軽にご相談ください。 頚椎ヘルニアの初期症状についての記事はこちら: 頚椎ヘルニアの詳しい原因と症状についての記事はこちら: ストレッチ以外で頚椎ヘルニアを予防するポイント2つ 頚椎ヘルニアの症状を改善・予防するためには、生活習慣の改善と筋トレが効果的です。 乱れた生活習慣や筋力の低下は猫背やストレートネックにつながるため、意識して改善することで頚椎ヘルニアの改善・予防効果が期待できます。 それぞれどのような効果があるのか、詳しくみていきましょう。 生活習慣の改善 生活習慣の改善には、以下に挙げる3つに気をつけてください。 不良姿勢の改善 適切な枕の使用 首に負担のかかる生活の改善 猫背やストレートネックといった不良姿勢は頚椎ヘルニアを強めるため、普段から姿勢を正す意識を持ちましょう。 また、枕の高さが合っていないと寝ている間首への負担が強くなるため、適切な高さに調整することをおすすめします。 首に負担がかかる生活、とくにスマホの見過ぎには注意が必要です。スマホの見過ぎによってストレートネックになることが予想されるため、姿勢を正して使う意識を持ってください。 なお、以下の記事でも頚椎ヘルニアで注意してほしいことをご紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。 筋トレ 頚椎ヘルニアの原因に多い猫背やストレートネックは、体幹を中心とする筋トレによって矯正できる可能性があります。体幹を鍛え、猫背やストレートネックが解消されれば、頚椎ヘルニアの改善にもつながるでしょう。 ただし、筋トレをするにあたって痛みが強い場合には避けてください。痛みがあるにもかかわらず無理に筋トレをすると、頚椎ヘルニアの症状を強めてしまう可能性があります。 無理のない範囲での筋トレをこころがけ、少しずつ取り組むことが大切です。 まとめ|頚椎ヘルニアには首と胸のストレッチが重要!早めの受診も検討しよう 頚椎ヘルニアに効果的なストレッチは、首だけでなく胸を伸ばすのがポイントです。とくに僧帽筋・肩甲挙筋・大胸筋に対するストレッチをして、猫背・ストレートネックといった不良姿勢の改善を目指しましょう。 毎日続けることでより効果が出やすくなる可能性が高いため、少しずつでも良いので取り組んでみてください。 ストレッチを続けても効果が出ない場合や、腕・首の痛みが強い場合は、整形外科の受診がおすすめです。整形外科ではストレッチでは改善しなかった頚椎ヘルニアに対して、薬物療法や注射といった選択肢があり、専門的な治療が可能です。 ちなみに当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による頚椎ヘルニアの治療も行っています。もしあなたが頚椎ヘルニアの治療法で悩んでいるのであれば、ぜひメール相談もしくはオンラインカウンセリングにてお気軽にご相談ください。 この記事が少しでも頚椎ヘルニアの症状緩和につながれば幸いです。 頚椎ヘルニアについてよくある質問 頚椎ヘルニアはストレッチで良くなりますか? 頚椎ヘルニアはストレッチをすれば症状が改善する可能性があります。 しかし、頚椎ヘルニアの程度が重度である場合、ストレッチのみでは改善しないかもしれません。その場合には、できるだけ早い整形外科への受診をおすすめします。 頚椎ヘルニアに筋トレは有効ですか? 頚椎ヘルニアの原因が不良姿勢の場合、筋トレが有効といえます。 頚椎ヘルニアの原因である猫背・ストレートネックなどの不良姿勢は、筋力不足によって引き起こされることがあります。筋トレによって不良姿勢が改善されれば、頚椎ヘルニアの症状も和らぐ可能性があるでしょう。 ただし痛みや痺れがあるにもかかわらずトレーニングを行うと逆効果になってしまうため、注意が必要です。整形外科の医師に相談の上、無理のない範囲で行いましょう。
2023.12.07 -
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頚椎椎間板ヘルニア、原因と症状、首や肩の痛みからわかることを解説します 首が痛い、手がしびれるなどの症状で悩む場合は、頚椎椎間板ヘルニアの可能性があります。頚椎椎間板ヘルニアはどなたでも発症する可能性がある疾患の1つであり、首の神経が圧迫されることによりさまざまな症状が現れます。 本記事では頚椎椎間板ヘルニアとはどのような疾患か、頚椎椎間板ヘルニアを発症する原因や症状の変化について解説します。特に首や肩が痛い方や手にしびれがある方など、頚椎椎間板ヘルニアを疑う症状がある方はぜひ参考にしてください。 頚椎椎間板ヘルニアとは 人の首には7個の頚椎(けいつい)と呼ばれる骨があり、頚椎と頚椎の間には椎間板(ついかんばん)という組織があります。頚椎椎間板ヘルニアはこの椎間板が一般的に後ろ向きに飛び出る疾患です。椎間板には首の骨をつなぎあわせるクッションのような役割があり、椎間板が動くことで首が回ったり曲がるなど可動できます。 椎間板はやわらかい組織である髄核のまわりを、固い繊維輪と呼ばれる組織が取り巻いています。そして線維輪がダメージを受けてひびが入ると、中身の髄核が外に飛び出してきて椎間板ヘルニアの状態となります。 頚椎椎間板ヘルニアは30~50代に多く発症し、さまざまな症状により日常生活に支障が生じることがある疾患です。 頚椎椎間板ヘルニアの原因 頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎の椎間板の中にある髄核が脱出することが原因ですが、以下のようなことが原因となり発症することがあります。 原因について ・加齢による椎間板の衰え ・激しく体をぶつけあうスポーツ ・急に強い力が首にかかるスポーツ ・首を前に突き出す動作、反り腰、猫背などの姿勢の悪さ ・喫煙による血行不良での椎間板の劣化 ・合わない枕の使用など、寝方の姿勢 脱出する最大の原因は、加齢による椎間板機能の衰えです。首にある椎間板は、常に頭を支えているため老化しやすいと考えられています。 また、最近では加齢以外でも、スポーツや姿勢の悪さが原因となることもあります。 格闘技や柔道、ラグビー、アメリカンフットボールなど激しく体をぶつけあうスポーツや、急に強い力が首にかかる器械体操やスキー、スノーボードなどでも発症します。 そして、スマートフォンやパソコン、タブレットなどの画面を見ようとして首を前向きに突き出す動作や、反り腰、猫背なども頚椎椎間板ヘルニアを発症する原因になるため注意が必要です。 そのほか、タバコにより毛細血管の血流が悪くなって椎間板が劣化しやすくなるため、禁煙するようにしましょう。また、寝方によって頚椎椎間板ヘルニアが発症しやすくなり悪化することがあるため、自分に合った枕を使うのがおすすめです。 頚椎椎間板ヘルニアの症状 頚椎椎間板ヘルニアの主な症状は、首が痛い、首がこる、手がしびれる、力が入りにくいなどさまざまな症状が現れます。 椎間板ヘルニアの症状は、原因である髄核の脱出によって圧迫される部位により、大きく2つに分けられます。 一般的に椎間板ヘルニアは、脊髄と呼ばれる脳につながる神経の束がある背中側(後ろの方)に髄核が飛び出しますが、脊髄の左右には脊髄から分岐した神経根という神経があります。髄核が脊髄を圧迫すれば脊髄症、神経根を圧迫すると神経根症の症状が現れます。 脊髄症の症状 脊髄症の代表的な症状は手のしびれです。手のしびれはどちらか片側のみの場合と、時間がたつと反対側にも現れることがあります。 また、手指を細かく動かせなくなって衣服のボタンをとめたり外したりしにくくなる、お箸をうまく使えなくなるなどの症状も出現します。そして次第に手指だけではなく足がこわばってきて、階段の昇り降りがしにくく歩きにくいという痙性(けいせい)歩行と呼ばれる症状も認めます。 神経根症の症状 神経根症の場合は、主に首から肩、手指にかけての痛み、しびれが現れます。 また、多くの場合には両側ではなく片側にのみ認めます。飲料水を飲む時やうがいをする時などに首を後ろ側に傾けると、神経根がより一層圧迫されることで症状が増強するのが特徴です。 頚椎椎間板ヘルニアによる症状の変化 頚椎椎間板ヘルニアを初期症状、中期症状、後期症状の3段階に分けて説明します。 頚椎椎間板ヘルニアは、このように発症段階によって症状の現れ方が異なります。しびれや痛みが強まり、症状が進行すると手術が必要になることもあるため、放っておかずに早めの対処することが大切です。 頚椎椎間板ヘルニアの初期症状 初期の頃は首や肩に違和感が出たり鈍い痛みを感じたりしますが、動かずに安静にすれば症状は改善します。初期段階で医師の診察を受ければ約1~8週間で症状はおさまります。 頚椎椎間板ヘルニアの中期症状 中期の段階になると、首や肩にはっきりとした痛みやしびれを認めるようになり日常生活にやや支障が出てきます。 この段階で病院を受診すれば、初期段階と同様に約1~8週間で症状は改善していきますが個人差が大きいです。 具体的には、痛み止めなどを使いながら安静に過ごしたりリハビリテーションを行ったりします。 頚椎椎間板ヘルニアの後期症状 後期の段階では、首や肩の痛みやしびれが強くなるとともに、顔や手指、足などにも痛みやしびれが広がることがあります。強い症状が影響して首がスムーズに動かせなくなり、基本的には手術が必要な状態です。 具体的には約2週間の入院中に患部の手術とリハビリテーションや薬物療法を行います。手術は体への負担が大きいとともに、脊髄損傷と呼ばれる術後合併症が起こるリスクもあります。 そして退院後も定期的な通院が必要なため、治療期間は数ヶ月から約1年かかってしまいます。 まとめ・頚椎椎間板ヘルニア!原因と症状 頚椎椎間板ヘルニアは、首の骨を支える椎間板の一部が飛び出て神経を圧迫することでさまざまな症状が現れる疾患です。椎間板が脱出する原因として、加齢やスポーツ、悪い姿勢、生活習慣などがあげられます。 頚椎椎間板ヘルニアの主な症状は首や肩の痛みやしびれですが、進行するにつれて症状が強まるとともに、手指や足などにも症状が現れる場合があります。症状が増悪すると手術が必要になることもあるため、首の痛みに気づいたら早めに医療機関を受診するようにしましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▼首のヘルニアのセルフストレッチなどご自分でできる事は解説しました 頚椎(首)椎間板ヘルニアを自分で治す!ストレッチと予防のポイント
2023.12.04 -
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頚椎椎間板ヘルニアの初期症状を見逃さないための3つのポイントを解説します 次のような症状でお困りの方は、もしかすると頚椎椎間板ヘルニアを発症しているかもしれません。 「首が痛いけど寝違えかな?」 「手がしびれている気がする…」 頚椎椎間板ヘルニアは、発症すると非常につらい痛みが出現し、病状によっては手足を使うことが難しくなることもあります。 薬や負担を避けることで症状が落ち着く人がいる一方、生活が不自由になり手術を受ける方もおられます。本記事では、「頚椎椎間板ヘルニアの初期に見られやすい3つの症状」と、「治療の流れ」や放置するとどうなるか?を解説します。 頚椎椎間板ヘルニアの初期に見られやすい3つの症状 頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎(首の骨)間のクッションである「椎間板」組織の一部が何らかの理由で本来の場所から逸脱することで起こる疾患です。この椎間板は年齢とともに成分である水分がぬけてきて、脆くなりヘルニアとして突出してきます。「ヘルニア」という言葉は臓器や組織が本来あるべき場所からはみ出してしまうことを指します。 頚椎椎間板ヘルニアの初期に見られやすい3つの症状 ①首の痛み ②片方の腕や手の痛み・痺れ ③両手の痺れ・感覚障害 ①首の痛み 首の痛みは頚椎椎間板ヘルニアの最初期の症状です。 頚椎椎間板ヘルニアの症状の特徴は急激な発症です。ある日突然に首が痛い、とくに後ろが痛いと感じます。寝違えのような疼痛で、後頭部や肩甲骨周りまで痛みが広がることもあります。 ②片方の腕や手の痛み・痺れ 片方の肩から腕、手にかけての痛みや痺れは「神経根の圧迫」が起こることで認められる症状の典型例です。 「神経根」とは脊髄から体の各部位に伸びる神経の付け根のことです。各椎体と椎体の間から、左右それぞれに1本ずつ神経の束が伸びていきます。 神経根が出てくるのは椎体の外側やや後ろです。椎間板組織がやや斜め後ろに飛び出すことにより神経根の圧迫が起こると、その神経の領域を中心に強い痛みをはじめとした症状が起こります。 頚椎から伸びる神経は主に肩から腕、手にかけて分布する神経です。そのため頚椎椎間板ヘルニアの神経根症状は主に肩・腕・手に認められます。症状は圧迫された側のみに起こるため、左右どちらか一方のみが痛んだり痺れたりします。 神経根圧迫による症状は「電気が走るような」「ビリッとした」などと表現されることが多いです。ときに激痛となり、日常生活が困難になる人もいます。 ③両手の痺れ・感覚障害 片手でなく両手が痺れる場合はヘルニアによる「脊髄」のダメージが起こっている可能性があります。脊髄は椎体(いわゆる背骨)の真後ろを走っています。椎間板の組織が体の後方へ飛び出すことで、脊髄が圧迫されます。 脊髄の圧迫による症状は指先から始まり、徐々に範囲が広がっていくことが多いです。片側から始まることも多いですが、最後には両手に認めます。感覚も鈍くなります。その後はさらに体幹部や足へも症状が広がっていきます。 神経根の圧迫と異なり、脊髄の圧迫では強い痛みはあまり感じません。「なんとなく痺れた感じがする」という一見軽そうな症状が、実は脊髄圧迫のサインであるかもしれないのです。 鑑別診断として、ALSなど神経系疾患、糖尿病の合併症である末梢神経障害、手根管症候群、足根管症候群なども注意しなければいけません。 初期段階で対応しない(放置すると)と何が起こるか 神経根症状の場合は悪化すると、支配神経の感覚障害や筋力低下が起こることがあります。 ただし、神経根症状の場合は安静を心がけるだけでも約2ヶ月から3ヶ月で自然治癒する方も多くいます。 一方、脊髄圧迫の症状が進行すると厄介です。進行していくと、まず手の「巧緻(こうち)性運動障害」が起こります。細かく指を使う動作が難しくなり、箸を使う・ボタンをかける・文字を書くなどの当たり前にできていたことができなくなるのです。 続いて、足の運動障害により歩行が難しくなります。さらに進行すると排尿のコントロールに重要な神経の障害が起こり、頻尿・残尿感・失禁などを認めることもあります。 脊髄圧迫の症状が進行すると ①手の「巧緻(こうち)性運動障害」が起こる ・細かく指を使う動作が難しくなる。 ・箸を使う、ボタンをかける、文字を書けなくなる ・当たり前にできていたことができなくなる ②足の運動障害 ・歩行が難しくなる。 ③さらに進行すると ・排尿の障害 ・頻尿、残尿感、失禁 治療について 初期の症状のうちは保存療法が基本です。 保存療法 最も重要なのは首の安静を保つことです。特に後屈動作、つまり顎を上げる動作は症状悪化の原因になります。なるべく首を動かさないように、頚椎のカラーという装具の使用を指示されることもあります。 痛みが強いときは鎮痛薬の内服やブロック注射など選択肢です。 手術療法 一方、脊髄症状が進行してしまい、巧緻運動障害・歩行障害・排尿障害などが起こると手術を考えることになります。また、神経根症状でも治療抵抗性の場合は手術が選択肢となります。しかし、脊髄の損傷は手術しなくても治療できる時代です。脊髄に対する幹細胞に対する再生医療というものがあります 頚椎椎間板ヘルニアについてよくある質問 Q:頚椎椎間板ヘルニアが心配です。何科に受診すれば良いでしょうか? 頚椎椎間板ヘルニアをはじめとした頚椎疾患は次のいずれかの診療科で診察を受けることができます。 ・整形外科 ・脳神経外科 ただし、これらの診療科であっても医師によって専門領域が異なることもあります。場合によっては他の病院や診療科に紹介となる可能性も否定できません。 受診希望時に迷うようであれば予め「頚椎の病気」を診てもらえるか問い合わせをしておくとスムーズです。 Q:頚椎椎間板ヘルニアはレントゲンで分かりますか? レントゲンで確定診断をすることはできません。同様の症状をきたす他の病気がないかを診る目的で行います。 頚椎椎間板ヘルニアがあるかどうかはMRI撮影を行って調べます。 まとめ・頚椎椎間板ヘルニアの初期症状を見逃さないための3つのポイント 頚椎椎間板ヘルニアはときに自然軽快することもある疾患です。しかしながら、人によっては急激に悪化し、麻痺などの重い神経症状を認めることもあります。 一度重症化してしまうと手術を行わなければならないこともあり、早期に診断して適切な治療を行うことが望ましいです。 今回ご紹介した「首の痛み」「片方の腕や手の痛み・痺れ」「両手の痺れ・感覚障害」があれば、早めに病院を受診しましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▼こちらのご覧になりませんか 参考文献 山崎正志. 臨牀と研究. 97(7): 790-796, 2020. 鎌田修博. 整形外科看護. 12(9): 856-858, 2007. 中川幸洋. MB Orthop. 33(3): 27-34, 2020. 吉井俊貴, 江川聡. MB Orthop. 30(10): 7-13, 2017. ▼首のヘルニアについて症状のレベルは以下をご覧ください 頚椎椎間板ヘルニアの症状レベル、軽度から重度まで医師が解説!
2023.11.30 -
- 頚椎椎間板ヘルニア
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「頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる治療方法は?」 「頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげるための注意点は?」 頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎と頚椎の間にある椎間板と呼ばれるクッションのようなものが後ろに飛び出して、神経を圧迫してしびれや痛みなどが生じる病気です。 頚椎椎間板ヘルニアの症状が緩和されないときは、医療機関で専門家に相談しながら、今後の治療方針を検討する必要があります。 自分の症状に合わせた治療方法を知るためにも、頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる治療方法を医師が解説します。 最後まで読んでいただければ、負担を減らすためにできる日常生活での注意点も理解できるので、ぜひ参考にしてみてください。 頚椎椎間板ヘルニアの原因と発症メカニズム 首の部位にある背骨を医学用語で「頚椎(けいつい)」と呼びます。背骨は頚椎が積み重なるようにして、作られているのが特徴です。 頚椎の間には「椎間板(ついかんばん)」と呼ばれるクッションのような構造があります。 椎間板は、ゴムのような線維性軟骨からなる環状部分(繊維輪)と、ゼリーのような柔らかい(髄核)でできています。 以下画像のように、頚椎椎間板ヘルニアとは、椎骨の間にある椎間板が後ろに飛び出てしまい、脊髄や神経根が圧迫されて症状が出る病気です。 また、頚椎椎間板ヘルニアは、椎間板が加齢などの理由で変性して、後ろのほうへ突出して起こるのが原因です。 30〜50代の働き盛りの方に多く、誘因なく、突然発症する場合も多い傾向にあります。 悪い姿勢での仕事や、スポーツなどがきっかけとなる場合もあるでしょう。 ほかにも、頚椎椎間板ヘルニアの症状としては、急な首の痛みに引き続き、腕や手指のしびれが特徴です。 飛び出した椎間板が大きく、脊髄を圧迫してしまうと、歩行障害や手指の運動障害が生じる可能性もあります。 頚椎椎間板ヘルニアの診断・検査 頚椎椎間板ヘルニアの診断には、首の骨のレントゲン撮影やCT検査、MRI検査などが行われます。 MRI検査では、変性した頚椎の椎間板や、頚椎椎間板ヘルニアの確認が可能です。 椎間板が後ろのほうへ飛び出している場合、脊髄や神経根が圧迫されているか、また程度の確認も行う流れです。 画像検査の結果と症状を照らし合わせながら、矛盾がない場合は、頚椎椎間板ヘルニアの症状であると診断できます。 また、首を斜め後ろへ反らすと、腕や手に痛みが走るのも症状の特徴なので、診断の際にはこのような手技が用いられる場合もあります。(文献1)(文献2) 頚椎椎間板ヘルニアのテスト 頚椎椎間板ヘルニアの確認方法として、以下のようなテストが行われます。 ・頚椎伸展テスト:首を後ろにそらすと、腕から手指にかけてのしびれや痛みが増強します。 ・ジャクソンテスト:頭を少し後ろにして首をそらし、頭を上から圧迫すると、腕から手指にかけて痺れや痛みが出てきます。 ・スパーリングテスト:頭を症状のある方向へ傾けると、腕から手指にかけてしびれや痛みが出てきます。 頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる治療方法 頚椎椎間板ヘルニアの治療法は、症状の程度によって「保存的治療」もしくは「外科的治療」に分けられます。まずは症状が軽いときの治療法から解説します。 ・保存的治療 ・外科的治療 保存的治療 頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる方法には、鎮痛薬や神経ブロックなどの薬物治療、牽引(けんいん)治療、理学療法が行われます。 また、頚椎椎間板ヘルニアによる症状は、ヘルニアが自然に吸収されると自然に治癒する例も多数報告されています。(文献3)(文献4) そのため、まずは保存的な治療で様子をみていく場合が多いです。 薬物治療 痛みが強いときには、首の安静保持を心がけます。 また、鎮痛薬の内服や神経ブロックを行う場合もあります。 牽引治療 頚椎カラー装具で首を固定したり、首の牽引治療を行ったりする場合もあります。 首の牽引治療を行うと、理学療法のみの場合よりも、治療開始5週間後の握力の回復が優れていたという報告も見受けられました。 また、頚椎の牽引を行うと神経根が減圧され、再髄鞘化と血流の改善が起こると考えられています。 理学療法 頚椎椎間板ヘルニアを含み、頚椎が変性して起こる疾患には理学療法も効果的です。 理学療法としては、マッケンジー法や首のエクササイズなどがあります。 マッケンジー法では、首の反復運動の検査や姿勢保持検査を行い、症状を見ながら運動療法の内容や負荷、強度などの治療方法を決めていくものです。 運動の内容としては、首の曲げ伸ばし、側屈、回すことなどを組み合わせて行います。(文献5) 外科的治療 保存的治療の開始から約3カ月経っても症状の改善がないときは、手術を考慮したほうが良いという報告もあります。 また、早く症状を改善したい希望が強い場合にも、外科的手術が推奨されます。 ほかにも、脊髄症の症状である運動麻痺が強く出ているときも、手術が考慮されるのが一般的です。 外科的手術の方法としては、以下が標準的な術式として推奨されています。 ・前方除圧術 ・前方除圧固定術(文献6) 頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる方法【日常生活の注意点2つ】 日常生活での動作に注意しておくと、ヘルニアを含め、頚椎症による神経症状の悪化をある程度予防できると考えられています。 また、頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる行動にもつながるでしょう。 頚椎椎間板ヘルニアに限らず、頚椎の変性で起こる病気について、日常生活での注意点をご紹介します。 ・良い姿勢を保つ ・寝るときに面積が広い枕を使う 良い姿勢を保つ 保存的治療や予防の段階では、頚椎に負担をかけないためにも、良い姿勢を保つのが大切です。とくに、後屈(後ろに反らす動作)を避けるのが重要になります。 【負担をかけないためのポイント】 ・上を見上げる姿勢は取らない ・首をぐるぐると回す運動は避ける ・腹ばいでの読書はやめる ・不適切な姿勢でテレビを見ない 寝るときに面積が広い枕を使う 頸椎への負担を減らすには、寝方にもポイントがあります。 寝るときは、頭だけでなく首もしっかりと固定できるような、面積の広い枕を選びましょう。(文献7) まとめ|頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる治療方法で悪化を防ごう 頚椎椎間板ヘルニアで症状が重い方には、手術療法が選択されます。 一方で、手術を行っても脊髄や神経根の損傷が完全に修復されない場合もあります。結果として、しびれや痛みといった症状が残ってしまう場合もみられるでしょう。 頚椎椎間板ヘルニアの痛みが和らがないときは、医療機関への受診を検討する必要があります。 当院リペアセルクリニックでは、脂肪由来の幹細胞を使用した脊髄腔内ダイレクト注射療法を使い、傷ついた神経の再生を試みています。 頚椎椎間板ヘルニアの手術を受けても、なかなか症状が改善しない方、痛みが続く方は、ぜひ一度当院までご相談ください。 【リペアセルクリニックへのご相談方法】 ・メール相談 ・来院予約 ・電話相談:0120-706-313(オンラインカウンセリングの予約) ▼再生医療による治療事例については、以下の動画もぜひご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=5WTj47BqXbQ 頚椎椎間板ヘルニアに関するよくあるQ&A 頚椎椎間板ヘルニアに関するよくある質問と答えをまとめています。 Q.頚椎椎間板ヘルニアの入院期間・休業期間は? A.一般的な入院期間、休業期間は以下のとおりです。 ・入院期間(リハビリなども含め):10〜14日ほど ・休職期間(手術を行なった場合):2〜3週間ほど 頚椎椎間板ヘルニアの治療に関する詳細は、以下の記事も参考になります。 Q.頚椎椎間板ヘルニアのストレッチ方法は? A.首の筋肉を始め、胸の前側にある筋肉のストレッチを行うのがおすすめです。 ただし、違和感や痛みがある場合、無理にストレッチを行わないように注意しましょう。 ストレッチの方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。 Q.頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないことは? A.以下の5つがあげられます。 ・スポーツでの違和感は放置しない ・姿勢が良くないまま過ごさない ・体重管理をせず体に負担をかけない ・自転車・バイクなどに乗って負担をかけない ・喫煙を習慣化しない 詳細については、以下の記事も参考にしてみてください。 参考文献 文献1 頚椎椎間板ヘルニア|一般社団法人日本脊髄外科学会 文献2 「頚椎椎間板ヘルニア」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる 文献3 頚椎症性神経根症(椎間板ヘルニア含む)の 外科治療に関する指針.Spinal Surgery.2015;29(3)242-251. p242-p243 文献4 自然消退がみられた頚椎椎間板ヘルニアの1例.整形外科と災害外科.2012;61:(1)89-93. 文献5 頸椎変性疾患患者に対する理学療法の効果.理学療法学.2020. 文献6 頚椎症性神経根症(椎間板ヘルニア含む)の 外科治療に関する指針.Spinal Surgery.2015;29(3)242-251. p246 文献7 頸椎症の診療.臨床神経学.2012;52(7)469-479. p476
2023.11.27 -
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頚椎椎間板ヘルニアの具体的なリハビリの方法と目的、注意点について! 頚椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニアとは、首の骨である頚椎と頚椎の間にある椎間板が飛び出して、神経を圧迫してさまざまな症状が現れる整形外科の疾患です。頚椎椎間板ヘルニアを発症した場合、一般的に治療法の1つとしてリハビリ(理学療法)を行います。 本記事では頚椎椎間板ヘルニアの概要やリハビリの目的、効果、注意点、具体的な方法などについて解説します。頚椎椎間板ヘルニアと診断を受けた方やリハビリ方法について知りたい方はぜひご参考にしてください。 頚椎椎間板ヘルニアのリハビリとは 頚椎椎間板ヘルニアを発症すると首や肩、腕に痛みやしびれが現れます。病状が進むと、手術が必要となる場合もあります。 しかし、頚椎椎間板ヘルニアの治療においてリハビリ(運動療法)を適切に行えば病状や症状の進行や再発を防げるとともに、手術を行わなくても場合によっては治ることがあります。 頚椎椎間板ヘルニアのリハビリは、症状を改善し、日常生活を送るために必要な身体機能の回復を目指すための治療法です。そして椎間板は年を取るとともに老化して頚椎椎間板ヘルニアが再発するリスクが高まるため、適切なリハビリを行って予防することも重要です。 リハビリの頻度と期間は、症状と重症度によってことなりますが、通常は週に1~3回程度で、少なくとも4週間は必要です。 またリハビリで通院する際の1回あたりの費用は、レントゲン検査の有無やリハビリを行う時間によって様々ですが、保険診療を用いて1割負担の方で約600円~1000円程度、3割負担の方で約2000円~3000円程度かかります。 頚椎椎間板ヘルニアのリハビリ方法 リハビリでは、理学療法士が患者さまの状態や生活習慣に応じて、一人ひとりに合ったリハビリを行います。具体的なリハビリ方法として、運動療法や物理療法などがあります。 運動療法 頚椎椎間板ヘルニアが発症する原因として、首の筋力低下や筋肉が適切に動かないなどが考えられます。 運動療法では首をサポートする筋肉を強化します。首への負荷を減らし、首がスムーズに動くように可動域を広げます。例えば、頚椎と頚椎の間にある関節に直接ストレッチを行ったり、首を支える筋肉の筋力強化を行ったりします。 また、頚椎椎間板ヘルニアの症状を改善するためには、医療機関だけではなく自宅でのセルフケアも重要です。具体的には、頚椎に負荷をかけている姿勢や動作に対する改善のアドバイス、症状が強い時期には首をそらないようになど指導します。 物理療法 物理療法では痛みを改善させるために温熱療法、電気療法、冷却療法などを行います。例えば、ヘルニアによって神経根が圧迫されて症状が現れている場合、電気的刺激を用いて症状を改善させることがあります。 頚椎椎間板ヘルニアに対してリハビリをする目的 頚椎椎間板ヘルニアに対してリハビリを行う目的は、悩んでいるつらい症状や頚部の機能を改善し、再発を防止することで患者さんが楽しく快適な生活を送ることです。 それぞれの目的や期待できる効果について詳しく説明します。 つらい症状を改善する 頚椎椎間板ヘルニアを発症すると首や肩、腕に痛みやしびれを感じるなどの症状から、日常生活がうまく送れない場合があります。リハビリは、痛みやしびれなどの症状を改善して快適な生活を送るサポートを行います。例えば、物理療法やマニュアルセラピーを行ったり、首を支える筋肉を強化することで頚椎や首の筋肉や神経にかかる負荷を減らし、症状の改善を目指します。 頚部の機能を改善する 頚椎椎間板ヘルニアでは、手足にうまく力が入らない、首がスムーズに動かないなどの症状が現れることがあります。頚椎椎間板ヘルニアによる体の機能制限を回復させることも、リハビリの目的の1つです。例えば、適切なストレッチングや筋力トレーニングを行うことで首の可動域が広がって首がスムーズに動くようになります。 姿勢を改善する 頚椎椎間板ヘルニアのリハビリでは、正しい姿勢を体に学習させ、定着させることで頚椎にかかる負荷を減らします。適切な姿勢を維持することは、症状が改善するだけでなく、ヘルニアの増悪を予防するという点でもとても重要です。 頚椎椎間板ヘルニアの再発を防ぐ 頚椎椎間板ヘルニアは、一度発症すると再発しやすい疾患です。頚椎椎間板ヘルニアが再発しないように、リハビリで悪い姿勢や生活習慣を改善し、首周りの筋力を強化します。 頚椎椎間板ヘルニアのリハビリを受ける場合の注意点 頚椎椎間板ヘルニアヘルニアのリハビリは、患者さまの状態によって個別にリハビリ内容を計画します。リハビリを受ける時には次のようなことに注意しましょう。 ・痛みやしびれが強い場合は無理に運動しない ・リハビリで身につけた正しい姿勢を維持する ・定期的にリハビリを受ける ・理学療法士など専門家の指導を受ける 頚椎椎間板ヘルニアのリハビリを行う場合は、首に大きな負担がかかると症状が増悪することがあるため、症状が強い場合は無理に運動しないようにしましょう。また、リハビリ以外の日常生活も正しい姿勢で送ることが重要です。例えば、頭を前に突き出すと首に負荷がかかって症状が増悪することもあります。 症状を改善するためには、定期的にリハビリを受けるようにしましょう。一度リハビリを受けただけでは効果が現れにくいですが、何度も定期的に受けることでつらい症状が改善していく場合が多いです。 注意点として、自身のやり方で首の運動を行うのはおすすめできません。誤った方法で首を動かすことでかえって症状が増悪してしまう場合があるため、理学療法士や整形外科の医師などと相談した上でリハビリや首の運動を行いましょう。 ただし、専門的にリハビリを行っても痛みやしびれなどの症状が悪くなる場合もあります。症状の増悪や新しい症状に気づいた場合は速やかに医師や理学療法士に相談しましょう。 まとめ・頚椎椎間板ヘルニアの具体的なリハビリの方法と注意点について! 頚椎椎間板ヘルニアは、首の痛みやしびれなど日常生活を送るのに支障が出ることがありますが、適切なリハビリを行うことで症状の改善が期待できます。リハビリでは運動療法や物理療法を用いて治療します。 自身の方法ではなく整形外科の医師や理学療法士の指導のもと、適切なリハビリを定期的に受けるのがおすすめです。そしてヘルニアのつらい症状を改善するとともに頚部の機能を改善させ、正しい姿勢を維持して再発を防ぎましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▼頸椎椎間板ヘルニアの症状について以下もご覧ください 頚椎椎間板ヘルニアの辛い症状の種類と似た病気、検査と治療法
2023.11.24 -
- 頚椎椎間板ヘルニア
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痛みやしびれ、運動障害などを引き起こす頚椎椎間板ヘルニアは、全身機能に支障をきたす病として知られています。 では、首の病気がどうして全身症状として支障をきたすのでしょうか。また、どのような症状が出たら注意すべきなのでしょうか。 そんな疑問や頚椎椎間板ヘルニアでお悩みの読者の皆さんに対して、本記事では軽度から重度までレベルに応じた頚椎椎間板ヘルニアの症状について詳しく紹介します。 自分の悩みにあったアプローチ方法がわかるので、ぜひ最後までお読みください。 【レベル別】頚椎椎間板ヘルニアの症状 頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎の間のクッションである椎間板が本来あるべきところから逸脱して起こる疾患です。 頚椎のすぐ後ろには太い神経の束である脊髄が走っています。また、脊髄は背骨(椎体)の間から体の各部位に向かって神経線維を伸ばしています。 頚椎椎間板ヘルニアが起こると、最初に生じるのは頚部の痛みです。椎間板の逸脱が脊髄の周囲に及ぶと、脊髄やそこから伸びる神経への圧迫も出現します。すると、いろいろな神経症状が出現するのです。 症状レベル 症状部位 主な症状 レベル1 首・肩部 背中の痛み・肩こり etc. レベル2 手指・腕 痛み・しびれ etc. レベル3 顔部・頭部 眼精疲労・頭痛 etc. レベル4 下半身 歩行障害・尿失禁 etc. 頚椎椎間板ヘルニアの分類と神経症状 頚椎椎間板ヘルニアは椎間板組織の逸脱の仕方により、以下のような外側型・正中型・傍正中型の3タイプに分けられます。 外側型 ヘルニアが背中の外側に飛び出すタイプです。主に神経根と呼ばれる脊髄から伸びる神経の付け根を圧迫する可能性があります。 正中型 ヘルニアが背中のちょうど真ん中に逸脱するタイプです。主に脊髄の圧迫が起こります。 傍正中型 正中型と外側型の中間です。 このように逸脱の仕方で、神経のどの部分に障害が起こりやすいかが変化します。 圧迫される部分に応じて「神経根症」あるいは「脊髄症」のいずれか、もしくは両者が混在して認められます。 頚椎椎間板ヘルニアの神経根症とは 神経根症はヘルニアが椎間孔から伸びる神経の根本(神経根)を圧迫し起こります。主に外側型や傍正中型で認められる神経症状です。 椎間孔とは脊髄から神経が出てくる穴です。上下の椎体の後ろの切れ込みから形成され、ちょうど椎間板の後方に左右それぞれ1つずつあります。 頚椎の左右にある椎間孔から出るのは、頸・肩・腕などの運動や感覚を担う神経です。ヘルニアにより左右どちらかの神経根が圧迫されると、圧迫された側の頸・肩・腕に痛みやしびれなどの症状が起こります。体の片側だけに認めるのが特徴です。 【レベル別】神経根症の症状 軽度 重度 神経に走る軽い痛み 腕が上がらない・物が持てないなど 最初の症状は圧迫を受けている神経の支配領域のピリッと走るような痛みです。 進行すると、感覚障害や筋力低下も出現します。腕が上がらなくなったり、箸が持てなくなったりと、日常生活に支障をきたしかねません。 頚椎椎間板ヘルニアの脊髄症とは 椎間板の組織が脊髄の通る場所(脊柱管)に逸脱すると起こる症状です。主に正中型や傍正中型で認められます。 脊髄そのものが圧迫され、感覚障害や筋力の低下を起こします。圧迫のされ方にもよりますが、両側性に症状を認めることが多いです。 上肢、とくに手指のしびれや使いづらさが最初に起こることが多いです。 【レベル別】脊髄症の症状 軽度 重度 手指のしびれ 歩行障害 進行すると、下肢にも症状が出現し、歩行障害を認めます。脊髄の圧迫による歩行障害では足をつっぱって引きずり歩く痙性歩行(けいせいほこう)となることが特徴です。 さらに進むと、排尿機能の障害が認められることもあります。頻尿や残尿感、尿失禁などが起こります。 頚椎椎間板ヘルニアの重症度評価について 頚椎椎間板ヘルニアの症状の出方は、患者さんごとに異なります。 起こりうる症状の重症度を組み合わせて評価していきます。評価方法によっても注目するポイントが少しずつ違いますが、たと例えば次のような症状が評価対象です。 痛みやしびれの強さ ・患者さんの主観的な痛みの強さを評価します。 ・痛みやしびれにより日常生活にどの程度支障があるかも重要な評価ポイントです。 頚椎の動き ・日常生活のさまざまな動きの中で首を上下する運動ができるかを評価します。 ・進行するとコップの水を飲めなくなったり、階段昇降の際に上下を見ることが難しくなります。 上肢の運動機能 ・腕の動きや、手・手指を使った動きを評価します。 ・例えば食事のときに箸やスプーンを使えるか、ボタンをとめられるかなどをみます。 下肢の運動機能 ・注目するのは歩行です。 ・階段の上り下りができるか評価します ・足踏みができるか評価します。 ・上肢・下肢・体幹部の知覚:これらの部位に麻痺、しびれがあるかみます。 排尿障害 ・夜間を中心とした排尿の回数 ・残尿感・排尿がスムーズにできるか ・尿失禁がないかなどがポイントです。 さまざま様々な種類の症状が起こったり、少ない数の障害であっても進行して生活に支障をきたしたりすると、より重症と考えられます。 るという証拠は示されていません。またやり方によっては神経症状を悪化させてしまうリスクもあります。 まとめ|頚椎椎間板ヘルニアの症状レベルを把握しよう 頚椎椎間板ヘルニアの症状レベルについて解説してきました。 頚椎椎間板ヘルニアは神経根症状と脊髄症が混在するため、患者さんによって症状が異なります。同じ重症でも、非常に強い痛み・手の動かしづらさ・麻痺・排尿障害など起こることはさまざまです。 ご自身の症状がどのタイプなのか、進行するとどうなるかを踏まえた上で、治療についてしっかりと主治医と相談をしてください。もし相談先に迷うなら、当院にお気軽にご相談ください。手術をしない再生医療のご提案が可能です。 頚椎椎間板ヘルニアでよくある質問 Q.頚椎椎間板ヘルニアはどれくらい痛いですか? 頚椎椎間板ヘルニアによるの痛みは以下に分類されます。 特定領域の痛み 放散痛 特定領域とは首や肩部などに生じやすく、2〜3週間程度の寝違い症状に似た激しい痛みを伴います。 また、放散痛とは重苦しさや圧迫感が広範囲にわたって生じることを指し、精神的な負担がかかります。 Q.どのような場合に手術を考えるのか 日常生活に差し障る障害がある場合は手術を行います。例えば、手指がうまく使えずに食事ができない・歩けない・尿失禁があるなどです。 最初は麻痺症状がなくても、経過中に運動麻痺が進行していくようであれば手術になります。 痛みやしびれが症状の中心であれば最初の治療は保存療法です。しかし、保存療法を続けても良くならず、痛みが耐え難いようであれば手術が検討されることもあります。 Q.頚椎椎間板ヘルニアで気を付けるべきことは何? 可能な限り、首を動かさずに安静にしてください。とくに後屈(首を後ろに反らすこと)は神経症状の悪化につながるリスクがあるため避けましょう。人によっては頚椎カラー(頸の装具)を着けることもあります。 また、外傷が加わると一気に症状が増悪し、麻痺などを起こすこともあります。転倒には十分に注意してください。 Q.マッサージや整体などを受けていいですか? 積極的に結論、おすすめすることはできません。 少なくとも脊髄症の症状に対しては、マッサージや整体、カイロプラクティックなどが症状改善に有効であるという証拠は示されていません。 また、やり方によっては神経症状を悪化させてしまうリスクもあります。 参考文献 安田宗義. Spinal Surgery 28(3), 246-251, 2014. 高山柄哲. ブレインナーシング 27(4): 344-347, 2011. 和田英路, 米延策雄. MB Orthopaedics 27(2): 11-17, 2014. 山崎正志. 臨牀と研究. 97(7): 790-796, 2020. 平井高志. 整形外科看護. 24(8): 755-762, 2019. 樋口 大輔, 新谷 和文, 内山 靖. 理学療法科学. 22(4):533–539,2007. 鎌田修博. 整形外科看護. 12(9): 856-858, 2007. ▼腰のヘルニア痛みの対処方法は以下を参考にしてください 頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる方法や治療法
2023.11.22 -
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ヘルニアの種類と後遺症に再生医療という新たな治療法を解説 ヘルニアには数多くの種類があります。代表的なヘルニアは椎間板ヘルニアです。 椎間板ヘルニアは、誰しも発症する可能性がある疾患の1つです。椎間板ヘルニアでは強い症状で悩んでいる場合などに手術療法を行います。しかし、場合によっては手術よりも、その後の後遺症に困ることがあり、注意が必要です。 本記事では、ヘルニアの種類と症状、そして再生医療と呼ばれる最新の治療方法について解説します。特に椎間板ヘルニアに不安がある方や、手術後の後遺症でお困りの方はぜひ参考にしてください。 ヘルニアの種類 ヘルニアとは、体の中にある臓器や器官などが本来あるべき部位から出てきてしまった状態です。さまざまな種類のヘルニアがありますが、ここでは代表的なヘルニアについて紹介します。 椎間板ヘルニアとは 椎間板ヘルニアとは、数多くある背骨の骨と骨の間の、椎間板と呼ばれる組織が飛び出した状態です。若い男性に比較的多い疾患であり、タバコを吸うことで発症しやすくなります。 椎間板には骨と骨とをつなぐクッションのような役割がありますが、飛び出すと周りにある神経を圧迫してさまざまな症状が出現します。 椎間板ヘルニアの症状 首(頚)にある椎間板が飛び出せば頚椎椎間板ヘルニアと呼ばれ、手のしびれや痛みなどの症状が現れます。 また、胸部や腰部の椎間板ヘルニアはそれぞれ胸椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニアと呼ばれます。 椎間板ヘルニアの検査 椎間板ヘルニアを診断するためにはMRI検査やCT検査、レントゲン検査などを行います。MRI検査は神経の状態をチェックするのに優れており、椎間板ヘルニアを診断するために最も重要な検査です。 椎間板ヘルニアの治療方法 椎間板ヘルニアの治療は、手術以外の治療(保存療法)と手術療法の大きく2つに分けられます。 保存療法 一般的に、椎間板ヘルニアは痛み止めの飲み薬や注射、コルセットなどの装具療法やリハビリなどで改善することが多いです。 椎間板ヘルニアの治療 ・痛み止めの飲み薬や注射 ・コルセットなどの装具療法 ・リハビリ しかし、椎間板による神経圧迫の根本的な治療ではないため、再発する可能性が高いです。 手術療法 しびれや痛みなどの症状が強い場合や保存療法では改善しない場合などには手術療法を検討します。 手術療法は、目で見て確認しながら治療できるというメリットがありますが、体にかかる負担や入院が必要となるケースも多く、患者さんの苦痛になりやすいというデメリットもあります。 また、椎間板ヘルニアの手術にはリスクがある場合もあります。手術の際に脊髄と呼ばれる背中の神経を傷つけてしまうと、手や足のしびれ、感覚異常などの脊髄損傷による症状が現れます。 当クリニックでは脊髄損傷に対して有効な最新の再生医療を用いた治療を行っています。 鼠径ヘルニア 鼠径ヘルニアは、いわゆる脱腸の状態です。症状としては、太ももの付け根にある筋肉のすき間から腸がお腹の外に飛び出して、膨らみや痛みを感じる疾患です。 先天性により生まれつき鼠径ヘルニアがある場合や、重い荷物を持つ、排便する時にお腹に力を入れる、年を取ることなどが原因で発症する場合もあります。 鼠径ヘルニアは、触診や超音波検査、CT検査などで診断します。そして基本的には手術療法でのみ治療できます。 発見したら速やかに手術をしないといけないわけではありませんが、脱腸がお腹の中に戻らなくなる嵌頓(かんとん)という状態となり、激しい痛みが出て腸が腐ってしまう場合があるため、早めに手術をしておくのがおすすめです。 原因 ・先天性(生まれつき) ・重い荷物を持つ ・排便時にお腹に力を入れる ・加齢 大腿ヘルニア 大腿ヘルニアの症状は、鼠径ヘルニアの近くから腸がお腹の外に脱出する疾患です。やせ型の高齢女性に多く見られます。 鼠径ヘルニアよりも嵌頓する危険性が高いため、速やかな手術療法が望ましいです。 臍ヘルニア 臍ヘルニアは、一般的に「でべそ」と呼ばれる状態です。 子どもの場合、産まれた時にへその緒がついている部位が閉じきれなかった場合に臍ヘルニアになります。また、大人では肥満、妊娠などが原因で臍ヘルニアを発症することもあります。 子どもでは成長とともに改善する場合も多いです。一方で大人の場合は改善することはほとんどなく嵌頓する危険性も高いため、基本的には手術を行います。 原因 ・子供:出産時、へその緒が閉じきれなかった場合 ・大人:肥満、妊娠など 再生医療 再生医療とは、自身の体を再生する力(治癒力)を利用した最新医療です。例えば、怪我をした時に自然にかさぶたができてやがて元の状態に戻っていきますが、再生医療ではこのような自然治癒力を利用しています。 近年、さまざまな医療分野の最先端の治療法として再生医療が用いられています。当クリニックでは、椎間板ヘルニアの術後後遺症に対して再生医療である幹細胞治療を行っています。 再生医療「幹細胞治療」とは 幹細胞とは、さまざまな細胞に変化できる細胞のことです。まわりの細胞が傷ついたり細胞の個数が減ったりした時に、幹細胞が分裂してその細胞の代わりとなります。 幹細胞には、軟骨や皮膚などさまざまな細胞に変化できる分化能と呼ばれる機能があります。 当クリニックでは、お腹の脂肪(米粒2粒程度)を採取して幹細胞を培養し、規定量にまで増やしてから患部に戻す体への負担も少ない方法です。 自身の脂肪や血液を用いて再生医療を行うため、アレルギーや拒絶反応が起こりにくく、安全性が高いというメリットがあります。 当院独自の培養方法 当クリニックの幹細胞の培養方法は、一般的な医療機関で行われる冷凍して保存する方法とは異なり、冷凍せずに都度培養することで新鮮な幹細胞を投与することが可能です。 新鮮で元気、質の良い幹細胞を多く投与するほど治療効果が高いと報告されています。当クリニックは、独自の技術により幹細胞を1億個以上、増やせるため、高い治療効果を見込むことができます。 また、培養には余分な薬剤や不純物を使いません。さらに牛などの代替血液を用いません。ご自身の血液を用いて細胞を培養するためアレルギーや拒否反応などの合併症も極めて少ないです。 椎間板ヘルニアの術後後遺症に再生医療という選択肢 代表的なヘルニアの1つが椎間板ヘルニアです。椎間板ヘルニアは手足の痛みやしびれなどの症状が現れ、日常生活を送りにくくなる疾患です。 まずは保存療法を行いますが、改善が見られない場合や強い症状に悩む時には手術療法を選択するのですが手術後に手や足のしびれが残存したり、感覚異常などの術後、後遺症が出ることがあるため注意が必要です。 当クリニックでは、幹細胞を脊髄損傷部位に直接投与する脊髄腔内ダイレクト注射療法という国内でもほとんど行われていない最新の治療法で神経を再生することを目指しています。 一般的な再生医療では点滴によって細胞を体に戻しますが、損傷部位に到達する細胞は少なくなってしまいます。当クリニックの治療法では細胞を直接投与するためすべての細胞が損傷部位に到達でき、再生医療による効果がより期待できます。 治療自体は注射を行うのみであり数分で終了します。注射にともなう痛みも強くないため気軽に受けられる治療法です。また、幹細胞の点滴も同時に行えばさらに治療効果を期待できます。 椎間板ヘルニアの術後後遺症には、最新の再生医療である幹細胞治療がおすすめです。当クリニックでは独自の培養技術により高い安全性と効果をかねそなえた治療を数多く行っています。ご不明点がございましたらご遠慮なくお問合せ下さい。 https://youtu.be/4AOGsB-m63Y?si=sQ9ws8CluU_SRVWQ まとめ・ヘルニアの種類と再生医療の適応について ヘルニアは様々な種類があり、その中でも代表的な椎間板ヘルニアは比較的発症する可能性が高い病態です。保存療法での治療もできるものの、症状が強い場合には手術が必要となることもあります ただ手術は、術後に後遺症が残るケースも少なくありません。 そこで、注目されているのが再生医療です。再生医療はご自身の幹細胞を培養し、身体の治癒力を活用して再生を即す治療法です。当クリニックでは、椎間板ヘルニアの術後後遺症に対して、最新の再生医療である幹細胞治療をお勧めしています。 この治療法は、幹細胞を直接損傷部位に投与することで高い効果を期待できます。また、治療自体は注射のみであり、身体にも優しく、安全性が高いとされています。 椎間板ヘルニアの術後後遺症に悩む方にとって、再生医療は新たな希望となるかもしれません。当クリニックでは独自の技術と豊富な経験を活かし、患者様の健康と快適な生活のために最善の治療を提供しています。 気になる点やご相談事がありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。 椎間板ヘルニアの術後後遺症にお困りの方はぜひご相談ください。 ▼ヘルニアの手術の後遺症についても参考にされませんか 椎間板ヘルニアと手術後、後遺症の治療法について
2023.11.20 -
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椎間板ヘルニアと手術後、後遺症の治療法について 椎間板ヘルニアは、高齢者はもちろんのこと、スポーツや重労働をする若い人もなりうる病気の1つです。手や足のしびれや痛みが出てくるので、生活の質を低下させてしまいます。 治療法として保存治療や手術がありますが、術後でも症状が残ってしまう可能性があります。 これまでは術後の後遺症に対しては、対症療法が中心でしたが、最新治療として再生医療(幹細胞治療)を用いた治療が注目されており、根治につながるのではないかと期待されています。 そこで、本記事では椎間板ヘルニアの概略から最新の治療までを紹介していきます。 椎間板ヘルニアとは 人間の背骨は、脊椎といわれる骨とその間にある椎間板という組織から構成されます。脊椎は場所により名称が変わり、頸椎・胸椎・腰椎・仙椎に分類されます。 また、椎間板は脊椎が柔軟に動くためのクッションの役割を果たしています。椎間板ヘルニアとは、何らかの原因で椎間板が変形してしまい後ろに飛び出してしまっている状態のことです。椎間板ヘルニアは先述したどの脊椎にも起こる可能性があり、生じた部位により名称が変わります。 椎間板ヘルニアの原因 原因は、加齢による椎間板の変性や、外力により椎間板に過度な負担がかかることが挙げられています。脊椎の中でも腰椎が最も外力による負担が大きいため、腰椎椎間板ヘルニアが最多です。 椎間板ヘルニアの症状 椎間板ヘルニアの症状としては、椎間板の脱出により脊椎内を通過している脊髄などの神経を刺激することで、痛みやしびれが生じます。どの部位の神経が刺激されるかにより、症状が生じる部位も変わります。 例えば、頚椎では首や肩、手のしびれや痛みが主に生じますが、腰椎では坐骨神経痛と呼ばれる足のしびれや痛みが生じます。 椎間板ヘルニアの治療法 椎間板ヘルニアの治療法は保存療法と手術療法とがあり、多くの場合、まずは保存療法が行われます。 保存療法 保存療法としては、椎間板にかかる負担が少なくなるように安静を保つことや、しびれや痛みを抑えるために鎮痛薬の内服や神経ブロック、リハビリをメインとした理学療法が行われます。 椎間板ヘルニア治療、保存療法の種類 ・鎮痛薬の内服 ・神経ブロック ・リハビリテーション これらの保存療法を行っても症状の改善が乏しい場合や症状が強い場合は手術を検討することになります。 手術療法 例えば、椎間板ヘルニアで最も多い腰椎の手術には、「顕微鏡下椎間板摘出術」や、「内視鏡下ヘルニア摘出術」、 「経皮的髄核摘出術」があります。 また、「経皮的レーザー椎間板減圧術」と呼ばれる治療法もあります。これは神経を圧迫しているヘルニアにレーザーを照射することで、ヘルニア内に空洞を形成します。それにより神経への圧迫を減らすことが出来るというものです。 各々アプローチは異なりますが、どの手術も脱出している椎間板を取り除くことで神経への刺激を軽減することが目的です。 椎間板ヘルニアの手術療法 ・顕微鏡下椎間板摘出術 ・内視鏡下ヘルニア摘出術 ・経皮的髄核摘出術 ・経皮的レーザー椎間板減圧術 手術後の後遺症について 先述した治療により、ヘルニアによる神経への刺激が軽減されることで手や足のしびれや痛みは改善することが多いです。 しかし、手術を受けたにも関わらず手足のしびれや痛みが残ったり、中には手術前よりも強い症状が見られる場合があります。このような後遺症を抱える原因としてはいくつかあります。1つはヘルニアの再発です。 1.ヘルニアの再発 腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021(改訂第3版)によると、症状の有無にかかわらず術後2年で23.1%(25/108)の患者が再発していたというデータがあります。 症状のない人も含めてですが、およそ4人に1人はヘルニアが再発してしまうということになります。仮にヘルニアが再発したとしても、症状がなければ様子をみるだけですし、症状があったとしても軽いものであれば保存療法がまず行われます。 しかし、保存療法でも奏功しない場合は再手術が必要となりますが、以前の手術による影響で難易度は高くなってしまうことが多いです。 2.脊髄神経の損傷 その他の後遺症が起こる原因としては脊髄の不可逆的な損傷があります。脊髄を含む神経は外力などの刺激により一度損傷が起こると、元通りに回復することはありません。 そのため、手術により神経を刺激する要因を取り除いたとしても、手術前に受けた損傷が激しい場合は、手術後も手足の痛みやしびれに悩まされる場合があります。 保存療法である鎮痛薬や神経ブロックなどが行われますが、どれも対症療法にしか過ぎません。そこで、最新の治療法として紹介したいのが、再生医療の1つである脊髄腔内幹細胞療法というものです。 この治療法を説明する前に、「再生医療」や「幹細胞」についてお話します。 再生医療による治療 再生医療とは、病気や外傷により失われた臓器や機能を正常な状態に回復させる医療のことです。その中でも特に注目されているのが、幹細胞を利用した再生医療です。 人間の体にある細胞は体細胞と生殖細胞に分けられます。体細胞は心臓や肺といった各臓器を構成する一般的な細胞で、生殖細胞は精子や卵子のように遺伝情報を伝えることの出来る細胞です。 この2つの細胞の元となるのが幹細胞で、その他の細胞と異なり自己複製能と多分化能をもちます。この2つの能力が再生医療に応用されているのです。 脊髄腔内 幹細胞療法 先に紹介した脊髄腔内幹細胞療法は幹細胞を直接脊髄に投与することで、損傷した神経の再生を促し、失った神経の機能を回復させることが期待できます。 幹細胞を用いた脊髄損傷の治療として血管内に点滴で幹細胞を投与することも行われていますが、その治療と比較すると脊髄に直接投与するため、損傷している神経に行き届く幹細胞が多くなります。 その結果、損傷した神経の再生効果を高めることが出来るのです。従来の対症療法に過ぎなかった治療法と異なり、脊髄腔内幹細胞療法は根本的な治療法になりえると考えられます。 まとめ・椎間板ヘルニアと手術後、後遺症の治療法について 今回は椎間板ヘルニアの術後後遺症と治療方法についてお話しました。 再生医療の1つである脊髄腔内幹細胞療法は、上述のように症状を根本的に改善させる可能性があり非常に期待されている治療法です。 https://www.youtube.com/watch?v=4AOGsB-m63Y&t=141s ▶椎間板ヘルニア術後の後遺症に悩んでいる方がいらっしゃいましたら、一度この治療法について検討してみてはいかかでしょうか。お困りの方はぜひ一度ご相談ください。 参考文献 腰椎椎間板ヘルニアガイドライン2021年版 ▼椎間板ヘルニアの手術について参考されませんか 椎間板ヘルニアの内視鏡手術|PELD(PED)、MEDの違いについて
2023.11.16 -
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腰椎椎間板ヘルニアの再発予防!おすすめのストレッチ5選! 腰椎椎間板ヘルニアの症状に悩まされたことがある方は、このような不安や疑問があるかもしれません。 「腰椎椎間板ヘルニアが再発しないか不安…」 「腰のヘルニアの再発を予防する方法はないの?」 不良姿勢や負担のかかる動作を繰り返すことで起こる腰椎椎間板ヘルニアは、手術などで症状が改善しても再発する可能性があります。 再発を予防するためには、正しい姿勢を保つために体の柔軟性を保ち、腰に負担をかけないのが重要です。 本記事では腰椎椎間板ヘルニアの再発予防に大切な、ストレッチの方法を5つ紹介します。自宅で簡単にできる方法ですのでぜひ参考にしましょう。 腰椎椎間板ヘルニアの再発予防にストレッチがおすすめである理由 腰椎椎間板ヘルニアに対するストレッチを紹介する前に、腰椎椎間板ヘルニアになぜストレッチがおすすめなのかを解説します。 再発の原因や再発率についても紹介するので参考にしてください。 腰椎椎間板ヘルニアは改善後も再発の危険性があり予防が不可欠 腰椎椎間板ヘルニアの原因は重量物の持ち上げやスポーツなどで、腰の骨である腰椎や腰椎の間にある椎間板に繰り返し負担がかかることです。 治療により症状が改善されたとしても、上記のような負担を減らさなければ再発の危険性が生じます。 手術後の再発率は術後2年で23%程度との報告があります。 手術後にも痛みが続いていたり、術前のような症状が新たに生じたりした場合は、再発の前兆として注意が必要です。 治療を受けたとしてもヘルニアの再発を防ぐためには、継続して再発予防に取り組む必要があるのです。 ストレッチにより腰椎の過剰な運動を防ぐことが大切 椎間板にかかる負担を減らすためには以下のような対策があります。 ・動作や環境の工夫する ・腹筋や背筋の筋肉をつける ・背骨や股関節の柔軟性を高める モノを持ち上げ方る際に工夫したり、中腰を避けたりなどの動作・姿勢の工夫やスポーツや重労働を減らすなどの環境の調整は腰への負担を減らす大切なポイントです。 腰への負担を減らすため運動療法により腰を守るような筋肉を強化する必要があります。 また背骨や股関節の柔軟性を高めるのも重要です。 背骨や股関節は腰の上下にある関節で、固くなってしまうと腰椎が過剰に動いてしまい椎間板への負担が増えてしまいます。 ストレッチは背骨や股関節の柔軟性を保ち、腰椎の正常な運動を保つために大切なのです。 腰椎椎間板ヘルニアの再発予防におすすめの「股関節ストレッチ」 まずは脚の付け根にある股関節のストレッチを紹介します。 物を拾ったり座ったりするとき、正常であれば股関節と腰椎が連動して曲がります(腰椎骨盤リズム)。 しかし股関節が固くなり十分に曲がらなくなると、腰椎が股関節の動きを補って過剰に曲がってしまいます。腰椎が曲がると椎間板へのストレスが強まるためヘルニアのリスクを高めてしまうのです。 そこで股関節のストレッチ方法を紹介します。 ①股関節のストレッチ まずは股関節を曲げるストレッチを紹介します。 1. 仰向けに寝る 2. 右足を両手で抱えてできる限り胸に近づけ股関節を曲げる 3. できるだけ股関節を曲げた状態で30秒キープする 4. 左足も同様に行う 深く曲げると腰椎も連動して動くため、痛みが出ない範囲で行いましょう。 ②ハムストリングスのストレッチ 太ももの裏側にあるハムストリングスと呼ばれる筋肉が固くなると、股関節や骨盤がスムーズに動かなくなるため腰椎に負担がかかりやすくなります。 そこでハムストリングスのストレッチを紹介します。 1. 仰向けに寝る 2. 膝をできるだけ伸ばした状態で右足を抱えてお腹に近づけます。 3. 太ももの裏が伸びるのを感じた状態で30秒キープします 4. 左足も同様に実施します 足を抱えにくい時はバスタオルを足の裏に引っ掛けて行うとストレッチしやすいです。 腰椎椎間板ヘルニアの再発予防におすすめの「背骨のストレッチ」 腰椎の上には背中の骨である胸椎や首の骨である頚椎とつながっており、連動して動きます。首・肩甲骨周りの動きが固くなると腰椎に負担がかかってしまいます。 またヘルニアは腰を曲げた状態を継続すると生じやすいため、腰を後ろへ反らす柔軟性も大切です。 そこで背骨がうまく連動して動くために必要な柔軟性を高めるストレッチを紹介します。 ③背骨を反らすストレッチ 頚椎から腰椎まで連動してスムーズに動くために、背中全体をゆっくり反らすストレッチを紹介します。 1. うつ伏せに寝る 2. 両手をつくようにして体をゆっくり起こしていく 3. 首、背中、腰と順番に反るような意識でできる限りそらして30秒キープする 痛みの出ない範囲でゆっくり行いましょう。 ④背骨をひねるストレッチ 背骨は曲げ伸ばしだけでなく、回旋する動きも必要です。 そこで背骨をスムーズに回旋するためのストレッチを紹介します。 1. 仰向けに寝て両膝を立てる 2. 両膝をゆっくり右に倒していく 3. 倒しきったところで30秒キープする 4. 左も同様に行う 勢いよく倒すと負担がかかるので、ゆっくり行うのがポイントです。 ⑤胸椎のストレッチ 腰椎の上にある胸椎の動きが制限されると、腰椎の過剰な動きを引き起こします。 そのため胸椎の柔軟性を高めるストレッチを紹介します。 1. 左を下にして横向きに寝る(両膝は軽く曲げた状態にする) 2. 両手を「前ならえ」のようにまっすぐ伸ばした状態で手を合わせる 3. 胸を開くように右手をゆっくり動かす 4. 右手の動きに合わせて顔も右へ回旋させて30秒キープする 5. 左側も同様に行う 胸を開いたときに床に手がつかなくても良いので、痛みのない範囲で動かしましょう。 腰椎椎間板ヘルニアの再発予防のストレッチは無理のない範囲でコツコツ続けよう 腰椎椎間板ヘルニアが改善したからといって、発症前と同じように生活していては再発の危険性があります。 再発予防のストレッチを継続して、背骨や股関節の柔軟性を保ち、腰の負担を減らしたり正常な動きを習得したりすることが大切です。 ストレッチは1日1回で1つの種目から始めても良いので、できるだけ毎日取り組むようにしましょう。 また再発の前兆があればストレッチなどをする前に整形外科を受診して、再発の恐れはないか、どの程度の運動やストレッチをしていいのかなどを確認するようにしましょう。 本記事を参考に辛い腰椎椎間板ヘルニアの再発を予防して、腰痛のない元気で健康な生活を送りましょう。 参照資料 病気がみえるvol.11 運動器・整形外科.MEDIC MEDIA,東京,2017,pp256-259. 日本整形外科学会「腰椎椎間板ヘルニア」 Mindsガイドラインライブラリ 整形外科リハビリテーション.羊土社,東京,2012,pp417-426. ▼腰のヘルニアの初期症状は以下よりご欄になれます 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状|足のしびれや痛みに注意!
2023.11.13 -
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腰椎椎間板ヘルニアの治療について|ブロック注射は有効か? 「腰椎椎間板ヘルニアの痛みがつらいけど手術は怖い」「ブロック注射って本当に効果があるの?」このような不安・疑問を抱えていませんか? 腰椎椎間板ヘルニアの治療は大きく分けて保存療法と手術療法に分けられます。保存療法にはリハビリや薬での治療などが含まれますが、その中でも特に強力なのがブロック注射です。しかし、全ての患者さんに有効なわけではありません。また、治療に伴う副作用が起こるリスクの可能性もあります。 この記事では腰椎椎間板ヘルニアのブロック注射はどのような効果や種類があるか、治療上の注意点などについて解説していきます。 ブロック注射の効果とは ブロック注射の効果は、腰椎椎間板ヘルニアによる辛い症状を和らげることです。神経のすぐ近くに局所麻酔薬や炎症を抑える薬を注射して、過敏になっている神経の興奮を落ち着かせたり炎症をとったりすることでその効果を発揮します。 椎間板ヘルニアとは、本来背骨のクッションである椎間板の一部が後方にはみ出してしまう病気です。ヘルニアという言葉には、体の構造物が本来あるべき位置から出てきてしまうことを指します。 出てきた椎間板は近くを走る神経を圧迫し、炎症をおこします。腰椎のあたりから出てくる神経は腰から足にかけての運動や感覚に関与する神経です。そのため、腰椎椎間板ヘルニアでは腰痛や足の痛み、筋力低下などの症状をきたします。 ブロック注射を行うと、腰椎のあたりから出てくる神経の興奮を鎮め、炎症をとることができます。そのため、腰椎椎間板ヘルニアによる症状の緩和につながるのです。 ブロック注射をすればヘルニアは治るのか ブロック注射が腰椎椎間板ヘルニアを完治させるかどうかは、はっきりとわかりません。 実際にはリハビリをしたり一緒に薬を出したりすることが多く、何がどのくらい効いたかというのは明確にはわかりづらいからです。 その上、ヘルニアは自然治癒してしまうことも多いため、ブロック注射が効いて良くなったのか自然経過なのかは断言できないことも多いです。 ただし、つらい症状を緩和してくれるため、注射を行うことで日常生活をしやすくなる可能性はあります。 腰椎椎間板ヘルニアに対するブロック注射の種類 腰椎椎間板ヘルニアに対して行うブロック注射にはいくつかの種類がありますが、ここでは代表的なものをお示ししましょう。 患者様の症状などに応じてこれらのブロック注射を使い分けて治療を行います。また、施設により取り扱っているブロックの種類に差があります。 仙骨裂孔ブロック 骨盤を構成する骨のうち、後ろ側の骨である「仙骨」の穴から針を刺して行うブロック注射です。 尾てい骨のすぐ真上に「仙骨裂孔」と呼ばれる穴があります。仙骨裂孔ブロックは、患者さんにうつ伏せになってもらい、仙骨裂孔から上に向かって細い針を刺す手技です。脊髄は硬膜という膜に包まれていますが、その外側の硬膜外腔に薬を注入します。薬が硬膜外腔に広がるので、腰の痛みや足の痛みが緩和される注射です。 硬膜外ブロック 背中から硬膜外腔に薬を注入する手技です。 そのため、効果は仙骨裂孔ブロックと同様、広範囲にわたります。痛みは仙骨裂孔より少ないですが、難易度は高くなります。そのため、時にレントゲン装置と造影剤で位置を確認しながら行うこともある手技です。 レントゲンを使わない場合は横向きに寝て、エビのようにまるまって背中を突き出した体勢で行います。レントゲンを用いる場合はうつ伏せになった状態で針を刺します。 神経根ブロック 脊髄から伸びる神経の付け根である「神経根」のすぐ近くに薬を注入する方法です。 仙骨裂孔ブロックや硬膜外ブロックと違い、悪いところにピンポイントで薬剤を届けられます。その分、レントゲン装置による位置確認は必須になります。神経根の造影撮影を行うため、本当にその部位が原因かどうかという診断的な価値もある手技です。足の脱力が起こるため、終了後1〜2時間ほど安静が必要です。 ブロック注射はどのくらいの回数を行えば良いのか? 個人差がありますので一概に言えません。少ない回数で良くなる方もいますし、何回も行う必要がある方もいます。 なお、神経根ブロックの場合、同一部位には10〜14日あけて1ヶ月に最大で3回を限度とすることが推奨されています。 ブロック注射の副作用・注意点について 副作用として、感染症、局所麻酔薬や造影剤によるアレルギー症状、神経や血管の損傷などがあります。リスクは手技によっても変わってきますので、ご自身の受ける注射の説明をしっかりと受けましょう。 麻酔薬や造影剤に対してアレルギーがある場合は担当医に申し出る必要があります。 血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合には、状況によっては一時的に休薬をしなければいけないかもしれません。内服中の方はあらかじめ相談をしましょう。 レントゲン装置を使う検査は妊娠中の方には行うことができません。 腰椎椎間板ヘルニアのブロック注射に対するよくある質問 Q:ブロック注射をすれば手術はせずに済みますか? 残念ながら一部の方は手術が必要になります。 まず、非常に稀ですが、必ず手術をしなければならない方がいます。神経障害により急激に排尿障害や下肢の麻痺など重度の神経麻痺症状が出た場合です。この場合は早急に適切な治療を受けないと、その後も症状が残ってしまうことがわかっています。 また、手術を行う方が痛みの回復が早いです。そのため、治療を急ぎたい場合・ブロック注射を行なってもなかなか症状が取れない場合・持続的な効果がない場合などには手術が検討されます。 Q:ブロック注射は痛いですか? 個々人の感じ方や手技の種類にもよりますが、針を刺すため痛みを伴う治療です。なるべく皮膚の麻酔しっかり行うなど、痛みを軽減する対策は取られています。 まとめ・腰椎椎間板ヘルニアの治療について|ブロック注射は有効か? ブロック注射は、腰椎椎間板ヘルニアのつらい症状を楽にしてくれる効果がある治療法です。 仙骨裂孔ブロック・硬膜外ブロックなどの広範囲に効くものや、原因となっている部位に対する神経根ブロックなどいくつかの種類があり、病状により使い分けがなされています。 しかし、万人に効果があるわけではありません。一部には思ったよりも症状が取れず、手術を選ぶ方もいらっしゃいます。 治療にあたっては、ご自身の希望を主治医に伝え、ブロック注射にどこまで期待するのか・よくならなければ手術など別の方法を考えるか・それはいつまでかなどを話し合っておくと良いでしょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 〈参考文献〉 日本腰痛会誌. 9(1):89-94,2003. 整形外科看護. 22(9):816-820,2017. 落合慈之 監修, 下出真法 編集. 整形外科疾患ビジュアルブック. 学研メディカル秀潤社, 2012. 日本ペインクリニック学会. ペインクリニック治療指針改訂第6版. MB Orthop. 22(5):17-22, 2009. 日本ペインクリニック学会・日本麻酔科学会・日本区域麻酔学会. 抗血栓療法中の区域麻酔・神経ブロックガイドライン. 関節外科 41(suppl-1):116-124, 2022. 日本ペインクリニック学会. インターベンショナル痛み治療ガイドライン. 整形外科看護. 21(7):648-652, 2016. ▼腰椎椎間板ヘルニアの再発について知りたい方は以下もご参照ください 腰椎椎間板ヘルニアの再発予防!おすすめのストレッチ5選!
2023.11.09 -
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腰椎椎間板ヘルニアの初期症状|足のしびれや痛みに注意! 腰から足にかけて「しびれがある」、「しびれや痛みがつらい」 このような症状が気になる方はいませんか? 腰から足にかけての痛みやしびれがある方は、もしかすると腰椎椎間板ヘルニアかもしれません。 腰椎椎間板ヘルニアは症状を放置して生活を続けると、病気や症状の悪化を引き起こす危険性があります。 今回は腰椎椎間板ヘルニアで見られる初期症状について解説します。早期発見して適切な治療を受けるためにも、ぜひ参考にしましょう。 腰椎椎間板ヘルニアとは?病態や原因について解説 腰椎椎間板ヘルニアの症状を理解するために、腰椎椎間板ヘルニアがどのような病気で、どのような原因で起こるのかを解説します。 腰椎椎間板ヘルニアの病態 ヘルニアとは英語でherniaと書き、「臓器や組織の一部が突き出た状態」を言います。 腰椎椎間板ヘルニアは何らかの原因で腰にある椎間板という組織の中身(髄核:ずいかく)が突き出てしまい、背骨を通る神経を圧迫してしまう病気です。 腰椎とは背骨の腰の部分にあたり、四角いブロックのような骨が5つ積み重なってできています。 上半身の体重を支える必要があるため、腰椎と腰椎の間には椎間板と呼ばれるクッションのような組織があり、腰にかかる衝撃を吸収しています。 椎間板の中にある髄核は衝撃を吸収しやすいようにゼリーのようになっていますが、繰り返し腰椎に負担がかかると、その中身が突き出てしまうのです。 腰椎椎間板ヘルニアの原因 腰椎椎間板ヘルニアはスポーツや労働などにより、腰にかかる負担が原因となります。 例えば、仕事で重い荷物を頻繁に上げ下ろししたり、野球やサッカーなど腰を急激に反ったり、ひねったりする動作を繰り返したりすることが原因になります。 また特別強い負荷がかからなくても、悪い姿勢を長時間続ける場合でも発症します。 椅子に座る時間が長い仕事や作業も原因となる病気です。 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状 腰椎椎間板ヘルニアの代表的な症状は以下の通りです。 代表的な症状 ・腰や足が痛む ・運動の制限される(特に前かがみが難しくなる) ・お尻から足にかけて広がるしびれる ・感覚が鈍くなる ・足の力が抜ける ・足の力が入りにくくなる ・尿や便が出にくくなる このうち初期から見られる症状は腰痛と足に広がるしびれや痛みです。 初期症状について具体的に解説します。 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状は腰痛と足に広がるしびれ 椎間板の髄核が突き出して腰の神経が圧迫されると、腰痛やしびれが出現します。 初期症状として見られるのは、この腰痛や足に広がる痛みやしびれです。足の痛みやしびれの好発部位は、お尻から太ももの裏です。 しかし、腰椎を通る神経ごとで関連している部位が異なるため、ヘルニアで障害を受ける神経の部位ごとの症状が見られます。神経の障害が進行すると、感覚が障害されたり、力が入らなくなったりします。 排尿や排便の症状はヘルニアが進行して、腰にある神経の束が圧迫されて起こる症状です。 初期からみられる腰痛やしびれは、前かがみになると強まる傾向があります。 手のしびれや痛みは頚椎の症状の可能性も 足ではなく手のしびれや痛みが見られる場合は、腰椎椎間板ヘルニアの可能性は低いです。 腰椎ではなく、背骨の首の部分にあたる頚椎の椎間板ヘルニアが生じている可能性があります。 なぜなら腰椎の周辺には足につながる神経があるのに対して、頚椎周辺は手につながる神経があるからです。 頚椎椎間板ヘルニアも腰椎椎間板ヘルニアと同じように、頚椎の椎間板の髄核が突き出して、手の感覚や動きを支配する神経を圧迫することで、手のしびれや痛みを生じさせます。 腰椎椎間板ヘルニアで初期症状が見られる場合の治療法 腰椎ヘルニアで初期症状が見られた場合は、すぐに整形外科に受診して適切な治療を受けることが大切です。 具体的な治療方法としては、炎症や神経痛を抑える薬を内服したり、神経の周りに炎症や痛みを抑える薬を注射したりします。 また腰の負担を軽くするために腹筋などの筋力をつける運動や生活の工夫を行います。 初期症状の段階で上記の治療を実施していき、徐々にヘルニアが少なくなり、症状が改善する場合が多いです。 しかし症状が改善しない、前述のようなヘルニア進行後の症状が出る場合は、手術による治療が選択されます。 初期の腰椎椎間板ヘルニアでの注意点 初期の腰椎椎間板ヘルニアは症状を悪化させないために知っておきたい注意点があります。 生活の中で腰椎の椎間板に負担を与えない工夫を紹介するので実践してみましょう。 椎間板に負担のかかる作業や姿勢をしない 椎間板に負担がかかる作業としては以下のようなものがあります。 ・重量物を抱える ・繰り返し腰をひねる ・長い時間中腰になる ・長い時間座り続ける など 腰椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させないためには、上記のような椎間板に負担がかかる作業をできる限り行わないようにするのが大切です。 例えば床にある物をかかえる場合、対象物にしっかり近づき腰を曲げずに、膝を曲げてしゃがんでから物を持ち上げるようにすると腰の負担が軽減されます。 台所や洗面台での作業は中腰になりやすいため、踏み台に片足を乗せると腰をあまり曲げずに作業をすることが可能です。 就寝時、寝方にも要注意 腰椎にある椎間板に極力負担を与えないためには、寝方にも注意する必要があります。 例えば横向きになる場合、体の重みで腰が「くの字」に曲がりやすく、腰椎への負担がかかってしまいます。 そのため、腰の下にタオルを丸めたものを入れて、腰椎へ負担を支える工夫が必要です。 また柔らかすぎるマットレスでは、体重が分散されず、腰の一部に負担が集中してしまう恐れがあるためヘルニアを悪化させる可能性があります。 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状である腰痛や足のしびれが見られたら早めに整形外科に受診しよう 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状は腰痛と足の痛みやしびれです。 初期の段階で早めの治療を受けることで、症状の改善や進行の予防につながります。 またヘルニアは日常生活での負担による生じるため、生活の中で椎間板にかかる負担を軽くする工夫をするのも重要です。 本記事を参考にしながら、早めに整形外科を受診して、医師や理学療法士などの専門家による指導を受けましょう。 参照資料 ・病気がみえるvol.11 運動器・整形外科.MEDIC MEDIA,東京,2017,pp256-259. ・日本整形外科学会「腰椎椎間板ヘルニア」 ▼腰椎椎間板ヘルニアの手術について以下も参考にされませんか 腰椎椎間板ヘルニアのPELD(PED)内視鏡下手術ついて
2023.11.06 -
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「腰椎椎間板ヘルニアの症状とはどのようなものか?」 「どの程度で手術が必要になるのか?」 このように疑問を抱く方は多いのではないでしょうか。 腰椎椎間板ヘルニアは、非常によく見かけるヘルニアの一種であり、症状やその重さは人によってさまざまです。場合によっては手術が必要となるケースもあります。 本記事では、腰椎椎間板ヘルニアの具体的な症状や程度、さらに治療法について詳しく解説します。 腰椎椎間板ヘルニアとは? 腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の各骨と骨の間に存在する椎間板と言われる部位が膨隆(膨らんで高くなった状態)や外へ飛び出して神経を圧迫することで、痛みや痺れといった症状が生じるものをいいます。 次章より、腰椎椎間板ヘルニアの症状レベルや治療、そして再生医療の可能性についても触れていきます。 腰椎椎間板ヘルニアの種類(分類) 腰椎とは、腰のあたりにある背骨のことで、5つの骨(椎体:ついたい)から成り立っています。 そもそも背骨は、椎体という骨が上下に積み重なっているような構造をしています。 この椎体と椎体の間には、椎間板(ついかんばん)というクッションのようなものがあり、衝撃を和らげるなどの働きをしています。 椎間板ヘルニアは、この椎間板の中身(髄核:ずいかく)やその中身を包む袋のようなもの(線維輪:せんいりん)が膨らんだり、また外に脱出、飛び出したりすることで、神経を圧迫した状態です。症状が出ていない場合でもヘルニアと診断されることもあります。 人口の約1%(100万人〜120万人)がこの腰椎椎間板ヘルニアに悩んでいるという報告もあり、決して珍しいヘルニアではありません。 男女比はやや男性の方が多く(約2〜3:1)、好発年齢は20〜40才代、好発部位はL4-L5、L5-S1(※)とされています。(※L=腰椎 S=仙椎) 椎間板ヘルニアは、椎間板がどの程度飛び出しているかによって、正中型ヘルニア・傍正中ヘルニア・外側ヘルニアの3種類に分類されます。 それぞれがどのようなヘルニアなのか詳しくみていきましょう。 正中型(せいちゅうがた)ヘルニア 正中型ヘルニアでは、椎間板の中央部で、脊柱の正中、つまり背骨に対してほぼ垂直に飛び出します。(脊柱管の内側に飛び出す) 正中型ヘルニアになると、脊髄や馬尾神経(ばびしんけい)が圧迫されます。 症状としては、まず腰痛があるでしょう。そのほか、両足の痺れや歩行障害、馬尾神経にまで影響があった場合には、排泄障害が伴う可能性があります。 傍正中(ぼうせいちゅう)ヘルニア 傍正中ヘルニアは、正中型よりもやや左右どちらかの外側にずれた方向へ、椎間板が突出する状態です。(脊柱管の内側に飛び出した状態) 症状として、腰の痛みが挙げられます。ただ、それ以外の症状が、正中型と異なる点に注意しましょう。 傍正中ヘルニアは、左右どちらかに寄っているだけあり、左右片方だけで症状が現れやすいです。 たとえば、片足だけが痺れる、痛むといった症状が現れます。 外側(がいそく)ヘルニア 外側ヘルニアは、椎間板が脊柱管の外側に飛び出すことを意味します。 上記ふたつは、背骨の方向、つまり脊柱管に収まる範囲で起こるヘルニアでした。 しかし外側ヘルニアは、脊柱管の外、つまり傍正中ヘルニアよりもさらに左右に偏った方向へ飛び出します。 症状として、左右どちらかの神経圧迫により、片足だけの痺れや痛みを感じやすいでしょう。また筋力低下や、坐骨神経痛なども伴いやすい傾向があります。 オンラインで相談する 腰椎椎間板ヘルニアの症状レベル 腰椎椎間板ヘルニアでは、椎間板の変性などの度合いによって症状を段階分けできます。 具体的には以下のようなレベル、段階があります。 ・軽度レベル ・中程度レベル ・重症レベル(手術するレベル) それぞれがどういうものか見ていきましょう。 軽症レベル 椎間板がわずかに飛び出しているものの、神経を圧迫するほどではない段階です。 この時の症状として、軽度の腰痛などが挙げられます。また、首にわずかな痛みを感じるケースもあるでしょう。 しかし軽症レベルでは、痺れや筋力低下などの症状はほとんど見られません。あったとしても、本人がほとんど知覚できない程度です。 軽症レベルでは、簡単な工夫による改善が期待できます。 たとえば簡単なストレッチや姿勢の改善によって、症状が楽になるかもしれません。 中等度レベル 中等度では、椎間板の突出が進み、神経が圧迫され始めます。さらに繊維輪を断裂するようになります。 この段階では以下の症状が表れるでしょう。 ・強い腰痛 ・両足または片足の痛み ・首周辺の痛み ・手足の痺れ ・坐骨神経痛 ・筋力の低下 中等度レベルでは、症状がより強くなります。 場合によっては、普段の仕事や家事がこなせなくなることもあります。 また特に痛みが強いため、状況に応じて痛み止めなどの服用が必要になるでしょう。もちろん根本的な解決を図るための治療も進めていく必要があります。 重症レベル 重度レベルになると、椎間板が大きく飛び出し、より強く神経を圧迫します。この状況を「脱出」あるいは「遊離」といいます。 症状として以下が挙げられるでしょう。 ・激しい腰痛や首の痛み ・足に限らない、幅広い部分での痺れ ・感覚の鈍麻 ・筋力の低下と麻痺 ・歩行困難 ・排泄障害 ・馬尾症候群 重症レベルでは、かなり重い症状が現れます。この段階で、通常通りの生活を送るのはほぼ不可能でしょう。 いわゆる「手術するレベル」の症状です。 このような状態になる前に、治療や改善を図るのが重要となるでしょう。 オンラインで相談する 腰椎椎間板ヘルニアの治療(治し方) 腰椎椎間板ヘルニアを治すためには、まずは画像検査が必要で、それにはMRIが最も有用です。 変性してしまった椎間板は正常なものと異なっているように写し出されるため、脱出した椎間板の部位や分類診断についても役立ちます。 椎間板ヘルニアは、自然治癒する可能性もあります。 時間の経過により、飛び出した椎間板が体の中に吸収され、外へ排出される場合があります。 そのため、排尿や排便にも影響が出るような膀胱直腸障害など重い神経障害がある場合を除いて、まずは保存療法が選択されます。 保存療法による改善が期待できない場合、手術療法や再生医療が選択されます。それぞれ治療法の詳細を見ていきましょう。 保存療法 保存療法としては、非副腎皮質ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの鎮痛薬を使用するケースが多いです。 その他、神経ブロック注射も選択肢にあがるでしょう。 また、体を柔らかくするストレッチやリハビリもとても効果的です。 手術療法 膀胱直腸障害や運動麻痺などの重い神経症状がある場合や、保存療法でも強い痛みが続く場合には、手術療法が行われます。 その場合は、症状の原因となっている椎間板を摘出するような方法が取られます。 手術の仕方によっていろいろな種類があり、内視鏡を使った最小侵襲の手術が今は主流となっています。 関連記事:ヘルニア治療のPLDD手術|失敗しないためのポイントとは 関連記事:椎間板ヘルニアの内視鏡手術|PELD(PED)とMEDの違いとは 再生医療 再生医療では幹細胞を用いて、傷ついた椎間板の修復や再生を目指します。腰椎椎間板ヘルニアの治療法としては最新のもの。 ヘルニアになった場合、脊髄が損傷している、炎症を起こしているケースが多々あります。そのままだと、痛みや痺れなどの症状が現れます。 しかし保存および手術療法では、十分な治療効果が得られないかもしれません。 そこで再生医療によって脊髄を再生させ、根本的な治療を図ります。 私たちは再生医療として、効果を高めるため「脊髄腔内ダイレクト注射療法」などを実施しています。 オンラインで相談する https://fuelcells.org/treatment/spinal_cord/ 腰椎椎間板ヘルニア|よくある質問 腰椎椎間板ヘルニアについて、よくご質問頂くことについて記しました。その他ご質問、再生医療の可能性などはお問い合わせください。 Q1:椎間板ヘルニアの際は安静にした方が良いですか? A1:絶対安静が必要ということではありません。 腰の痛みや足の痛み、痺れ感がある場合には安静にしておく方が良いといわれることも多いかと思います。 しかし、自宅で安静にした方が早く治るという科学的な根拠はありません。 痛みが強すぎて動けない場合は自宅で安静にしている他ありませんが、動けるのであれば腰や足の筋力が弱くならないように、少しずつ動くようにすると良いでしょう。 Q2:保存療法としてコルセットは効果がありますか? A2:試してみる価値はあると考えられます。 腰椎椎間板ヘルニアの患者さんは、立っている方が座った姿勢よりも痛みが楽に感じるケースが多いようです。それは立っている状態の方が姿勢を保持しやすいのが理由です。 コルセットを着用して姿勢の保持をしやすくするのは痛みを和らげるために効果があると言えます。 ただし、コルセットに頼りすぎると筋力が低下してしまい、コルセットがなければ生活ができないということもあるので注意が必要です。 コルセットをするなら必ず筋力トレーニングは必要となります。 まとめ・腰椎椎間板ヘルニアの症状レベルを把握して最善の治療を 今回は腰椎椎間板ヘルニアの症状や治療法などを解説しました。 腰椎椎間板ヘルニアで症状が重い方には手術療法が選択されます。 しかし、手術をおこなっても圧迫され続けた脊髄や神経根の損傷が完全に修復されないこともあります。すると、痺れや痛みといった症状が残るかもしれません。 そのような場合、当院の再生医療、幹細胞で治療するという方法をご検討ください。 脊髄腔内ダイレクト注射で投与という当院独自の方法を用いて、傷ついた神経の再生を試みます。これまで多くの症例を経験し、症状の改善がみられています。詳しくは以下の動画をご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=4AOGsB-m63Y&t=132s ▶腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けてもなかなか症状が改善しない、というような方は、一度当院までご相談ください。 オンラインで相談する 参考文献) 腰痛を診る.日本医科大学医学会雑誌.2006(2):42-46. p44 腰痛を診る.日本医科大学医学会雑誌.2006(2):42-46. p43 腰椎椎間板ヘルニアの治療 Mindsガイドラインアプリ p37 腰椎椎間板ヘルニアの治療 Mindsガイドラインアプリ p40 ▼腰椎ヘルニアの治療は以下も参考にしていただけます 腰椎椎間板ヘルニアの治療について|ブロック注射は有効か?
2023.11.02