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NHKの教育番組「おかあさんといっしょ」にて「体操のお兄さん」として活躍した佐藤弘道さんが、2024年、脊髄梗塞による下半身麻痺のため、芸能活動を一時休止すると発表しました。 脊髄梗塞は誰にでも発症する可能性がある疾患です。 とくに背中の痛みや両手足の痺れを感じているなら、すでに初期症状が現れているかもしれません。 本記事では脊髄梗塞の概要や症状、診断方法などを解説します。 脊髄梗塞とはどのような状態? 脊髄とは、脳から腰までの背骨の内部を走る、神経群を指します。 脊髄は、主に脳からの指令を体の各部に伝え、また体が受けた刺激を脳に伝える役割を果たします。 私たちが自由に手足を動かしたり、何かに接触したときに反応したりできるのは、脊髄のはたらきがあるからに他なりません。 脊髄は、いわば「情報伝達の高速道路」のような役割を担っています。そして、高速道路を機能させるためには、酸素と栄養を供給する血液が欠かせません。 しかしなんらかの原因で血管が詰まると、脊髄に対して血液が行き届かなくなり、酸素と栄養も十分に行き渡りません。この状態を脊髄梗塞と呼びます。 脊髄梗塞になると、脊髄は正常に機能しません。 また酸素と栄養の供給が絶たれたことにより、脊髄がダメージを被り、身体に以下のような症状が現れます。 突然の背中の痛み 両手足の痺れ、感覚の喪失 筋力の低下 排泄の障害 症状が重篤な場合は、「歩くのも難しい」状態に陥ります。 脳梗塞のようにただちに生命が危ぶまれるものでないものの、適切な治療と十分なリハビリが必要になるでしょう。 メール相談 オンラインカウンセリング 脊髄梗塞の発生頻度 脊髄梗塞はまれな疾患であり、発生率は年間10万人中3.1人と報告されています。 広い年齢層で症状が見られますが、50〜60代での発症例がとくに多く報告されています。 また性差はありません。男女ともに同程度の可能性での発症がありえます。 参考:日本関東救急医学会|J-STAGE 脊髄梗塞は治るのか?後遺症は? 脊髄梗塞を根本的に治療する方法は、現時点で確立されていません。 一方で早期発見や専門的治療、適切なリハビリにより、症状を緩和したり、機能を回復させることは可能です。 とくにリハビリの効果は高く評価されており、約7割のケースで歩行可能な状態に回復します。 参考:JCHO大阪病院 脊髄梗塞の症状・前兆 脊髄梗塞の前兆として、以下があげられます。 突然の背中の痛み 両側の手足の筋肉の弛緩 両側の感覚の喪失 それぞれ以下で詳しく解説します。 突然の背中の痛み 脊髄梗塞の一般的な症状としては、突然現れる背中の痛みから始まることが多いです。 とくに予兆もなく突然症状が現れるのは、血管の詰まりや破裂を引き起こす病気の特徴です。 脊髄梗塞もこのケースに当てはまり、脊髄を栄養する動脈が詰まったり破裂したりして、突然の痛みの発生へとつながります。 また、症状は背中だけにとどまらないこともあり、肩などにも広がりやすいです。 両側の手足の筋肉の弛緩 両手足の筋肉が弛緩し、力が入らなくなるのも前兆のひとつです。 具体的には以下の症状が現れます。 両足がふらつく 物を強く握れなくなる 症状の進行は急速であり、数時間で歩行が困難になるケースも存在します。 また左右一方ではなく、両手足同時に症状が現れるのも、脊髄梗塞の前兆の特徴です。 両側の感覚の喪失 身体の感覚は脊髄を通して脳へと伝わりますが、この経路にある脊髄が障害されてしまうため、両側の感覚までもが障害を受けてしまいます。 また、脊髄梗塞の感覚障害にはある特徴が見受けられます。 それは、痛覚や温覚を伝える神経経路が主に障害されるため、痛みや温度が感じにくくなります。 その一方で、触覚(触れている感覚)や振動覚(振動を感じる感覚)、また自分の手足がどの位置にあるのかなどの感覚を伝える神経経路は比較的障害を受けない場合もあります。 このように脊髄梗塞では突然の症状に襲われて、これまで経験をしたことがないような背中の痛みや手足の脱力感、感覚の異常を経験します。 後ほど治療法についても詳しく説明しますが、脊髄梗塞に対してはまだまだ確立された治療法がなく、苦しい日々を送っている方がたくさんおられます。 再生医療を専門とするリペアセルクリニックでは、この稀な疾患である脊髄梗塞に対しても治療実績があり、高い効果が得られており、300名以上の脊髄疾患の方が治療に来られています。 通常では点滴により投与される幹細胞治療ですが、当院では国内でも珍しく脊髄腔内へ直接幹細胞を投与しております。 詳しくはこちらの動画をご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=9S4zTtodY-k メール相談 オンラインカウンセリング 脊髄梗塞の原因とは? 脊髄梗塞の原因にはさまざまな要因が考えられますが、ここでは身体の構造にしたがって原因を分類します。 脊髄動脈の疾患 脊髄は前方と後方の2方向から血液が供給されています。 前方の血管を前脊髄動脈と言い、脊髄の前方3分の2を栄養しています。 そして、後方の血管を後脊髄動脈と言い、脊髄の後方3分の1を栄養しています。 栄養を送る血管の損傷 心臓からつながる動脈には栄養が豊富に含まれています。 そのなかでもとくに太い血管である大動脈の動脈硬化や大動脈解離などが発症すると、脊髄へ送られる栄養が行き届かなくなり、脊髄梗塞が起きてしまいます。 また病気が原因ではなく、手術中の手技により脊髄へ栄養を送る動脈が損傷されてしまい、脊髄梗塞となることも事例もあります。 脊髄梗塞の診断方法 脊髄梗塞の診断は、主に以下二つの検査でおこなわれます。 MRI検査 CT脊髄造影検査 最初にMRI検査を実施します。 脊髄梗塞が疑われる段階では、急性横断性脊髄炎、脱髄疾患、脊髄炎、転移性硬膜外腫瘍などを発症している可能性もあり、正確に疾患名を特定できません。 しかしMRI検査によって、何を発症しているか判断ができます。 MRI検査でも判断が難しい場合は、CT脊髄造影検査をおこない、疾患名を特定します。 脊髄梗塞の治療法やリハビリ、後遺症や予後については以下の記事で詳しく解説しています。 脊髄梗塞の治療法 脊髄梗塞を発症した場合、脊髄や周辺がダメージを被っています。 そのダメージを取り除く根本的な治療法は確立されていません。 したがって根治ではなく、症状の緩和や機能の部分的な回復を目的とした、以下の治療法が用いられます。 リハビリ|地道に筋力や感覚の回復を目指す 血行再建術|手術による血行を回復させる 血栓溶解療法|薬剤注入により血栓を解消する それぞれ以下で解説します。 メール相談 オンラインカウンセリング リハビリ|地道に身体機能を目指す 脊髄梗塞の治療では、身体機能を回復させるためのリハビリが用いられます。 リハビリはほとんどの症例で必要となるでしょう。 とくに運動療法による股関節や膝関節の訓練を重視し、歩行をはじめとした基本的な動作を取り戻すことを目指します。 また食事や入浴、更衣などの日常生活動作を取り戻すリハビリもおこなわれます。 また心理的なサポートを目的としたカウンセリングが用いられるケースもあるでしょう。 脊髄梗塞による症状改善を目指すリハビリは長期にわたるため、精神的な支援が必要だからです。 なお長期的なリハビリは、脊髄梗塞からの回復に対して効果的だとされており、たと例えばJCHO大阪病院は、約7割の人が歩行回復なまでに回復すると述べています。 参考:JCHO大阪病院 血行再建術|手術により血行を回復させる 血行再建術とは、血管が詰まった、閉じた状態を改善し、血流を活発化させるための手術です。 先ほど脊髄梗塞は血管がなんらかの原因で詰まることで発症すると解説しました。 したがって詰まりを放置していると症状が悪化すると考えられ、看過できません。 しかし血行再建術の実施により、詰まりが解消されれば、脊髄に酸素や栄養が十分に行き渡ります。 症状の程度によりますが、手術後の症状の悪化は避けられるでしょう。 また早期に実施できれば脊髄梗塞による症状を軽微な状態でとどめられます。 なお血行再建術だけでは、現在の症状の改善は期待できません。 すでに生じた神経の壊死などを回復する手術ではないからです。 症状の回復は、後述のリハビリにて目指します。 血栓溶解療法|薬剤の注入により血栓を解消する 血栓溶解療法とは、アルテプラーゼなどの特殊な薬剤を血管に注入し、つまりの原因である血栓を溶かす治療法です。 血栓が解消されれば、脊髄梗塞の症状の悪化は避けられるでしょう。 早期に血栓溶解療法を実施できた場合、脊髄梗塞の症状を軽微な状態でとどめられます。 ただし血栓溶解療法が有効なのは、発症から6〜8時間以内とされています。 それ以上経過した場合、症状の改善や治療はリハビリや血行再建術などで図られるでしょう。 まとめ・脊髄梗塞は早期診断・治療が大切 この記事では脊髄梗塞の症状の経過や診断方法、原因などについてまとめました。 記事の中でも触れたように、脊髄梗塞は稀な疾患で、明確な治療方法が確立している病気ではありません。 また、急激な背中の痛みは脊髄梗塞かどうかに関わらず、とても危険な状態であると示す身体からの信号です。 そのような痛みを感じたときには、すぐにお近くの医療機関に連絡するようにしましょう。 メール相談 オンラインカウンセリング 参考文献 脊髄への血流遮断 - 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 - MSDマニュアル家庭版 脊髄梗塞 - 07. 神経疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版 診断に難渋した脊髄梗塞の 1 例 脊髄梗塞 14 例の臨床像および予後の検討 ▼こちらもあわせてご参考ください。
2024.06.14 -
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リゾトミーの術後後遺症にお悩みですか?日帰り最新医療のご紹介 「つらい腰痛が良くなると思って受けた治療で、後遺症が残ってしまった…」 そのようなお悩みはありませんか。 リゾトミーは慢性難治性腰痛の原因となる神経の伝達を遮断し、痛みをとる方法です。体への負担は少ないとされていますが、医療行為である以上は合併症のリスクからは逃れることはできません。人によっては後遺症が長期化してしまうこともあり得ます。 この記事では腰痛に対するリゾトミーの詳細と、術後後遺症としての神経損傷について、そして最新の後遺症治療の「再生医療」について解説しています。 リゾトミーとは?高周波熱凝固療法について解説 リゾトミーは英語でrhizotomyと表記されます。主に脊椎の椎間関節の痛みをもたらす脊髄神経後枝内側枝に対する「高周波熱凝固療法」のことです。整形外科、あるいは疼痛を専門に扱う「ペインクリニック」で行われています。 この高周波熱凝固療法の技術は、従来の神経ブロック注射で効果が一時的である慢性難治性疼痛に用いられるものです。リゾトミーにおいては、椎間関節ブロックによって痛みが椎間関節由来だと診断された場合に行われます。 高周波熱凝固療法では、ターゲットの神経のすぐ近くにピンポイントで高周波(ラジオ波)を流す特殊な針を刺します。ラジオ波が神経組織内のイオン分子を高速振動させることで神経組織が高温となり、熱で変性するのです。変性した神経は痛みを伝える機能を失うため、痛みを感じなくなります。 このような治療は、神経の伝達を遮断して痛みが脳に伝わらないようにするため「神経破壊法」と呼ばれています。神経を破壊するというと恐ろしく感じるかもしれませんが、長期に痛みを抑える優れた治療法として広く用いられています。 従来、リゾトミーはX線による透視画像を見ながらターゲットになる神経を探していました。一部の施設では内視鏡の技術を用いたリゾトミーも行われています。この内視鏡とは、坐骨神経痛などを起こす椎間板ヘルニアの手術(PELD手術)で実用化されているものです。内視鏡で直接ターゲットの神経を探すことで、より確実にねらった神経を遮断することができます。日本国内ではまだできる病院やクリニックは少ないですが、今後普及していくかもしれません。 リゾトミーの術後合併症としての神経損傷 リゾトミーの合併症のうち、後々まで問題になりやすいのが神経損傷です。滅多に起こることではありませんが、神経を傷つけてしまうことで、痺れ・痛み・麻痺などが起こります。 傷ついた神経の再生は非常に困難です。確実に治るという治療法はなく、内科的な投薬治療やリハビリテーションを組み合わせて自然に良くなるのを待つことになります。徐々に改善する方もいますが、症状が長期にわたって続く場合も残念ながら存在します。 術後後遺症に再生医療 術後後遺症が良くならない場合の選択肢として、「幹細胞治療」が期待されています。幹細胞治療とは、臓器や器官の機能再生を目的とした再生医療のひとつです。 幹細胞治療では、「幹細胞」と呼ばれる万能細胞を用います。幹細胞は自分自身を複製できる能力(自己複製能)と体の様々な臓器・組織の細胞に変化できる能力(分化能)をもつ細胞のことを指します。 幹細胞治療では幹細胞のもつ分化能を利用しています。傷ついた部位に幹細胞を投与することでその臓器や器官が「再生する力」を引き出しているのです。 これまで、幹細胞治療は多くの疾患への可能性が示唆されてきましたが、神経もその一つです。従来、傷ついた神経組織は回復が非常に困難と考えられていました。しかし、最先端の再生医療では、この神経の修復もできるのではと期待されています。 https://www.youtube.com/watch?v=5HxbCexwwbE 日帰り再生医療の実際 当院では様々な神経損傷に対して幹細胞治療を提供しています。実際の治療の流れを3ステップでご説明します。 ①脂肪採取 診察や各種検査の結果から、幹細胞治療を行うことが決定したら、まずは幹細胞の採取を行います。当院では、患者様ご自身の脂肪から幹細胞を採取しています。お臍の下あたりから、脂肪を米粒2~3粒ほどの少量を採取します。傷は1cmほどと小さく、局所麻酔で可能な上、痛みもほとんどありません。 ②細胞培養・増殖 取り出した脂肪から、幹細胞を取り出して培養していきます。当院の細胞加工室の技術は国内トップクラスです。他施設で用いられる牛などの血清でなく、患者様ご本人の血清を用いた培養をすることで、感染症やアレルギーのリスクを抑えています。輸送や保存の際に幹細胞を凍結しないため、フレッシュで生き生きとした状態で細胞の投与が可能です。 ③患部への投与 4〜6週間かけて幹細胞を培養したら、患者様に投与を行います。当院では点滴だけでなく、「脊髄腔内ダイレクト注射療法」を行なっています。背中から細い針を刺して、幹細胞を脊髄のすぐ近くに直接注入する方法です。直に幹細胞を届けることができるため、神経の再生能力がより高まることが期待されます。投与は局所麻酔下で行い、当日にご帰宅いただけます。 まとめ・リゾトミーの術後後遺症にお悩みですか?日帰り最新医療のご紹介 リゾトミーと術後後遺症、また合併症治療の最先端についてご紹介いたしました。 つらい神経障害の後遺症に対してお困りであれば、幹細胞治療をご検討されてはいかがでしょうか。 当院ではしっかりご納得いただいた上で治療を選んでいただくことを大切にしております。お電話やメールでの無料相談も受け付けております。 気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。 参考文献 伊達久. 医学と薬学. 77(1): 31-37, 2020. 山口忍, 吉村文貴, 松本茂美, 竹中元康, 飯田宏樹. 日本臨床麻酔学会誌. 34(7): 938-946, 2014. 濱口眞輔, 山田哲平. 麻酔 68(9): 959-965, 2019. 奥田泰久. 日本臨床麻酔学会誌 38(5): 622-626, 2018. 金子和生, 田口敏彦. 日本腰痛学会雑誌 12(1):72-76, 2006. 腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版 Chen KT, Kim JS, Huang AP, Lin MH, Chen CM. Current Indications for Spinal Endoscopic Surgery and Potential for Future Expansion. Neurospine. 2023 Mar;20(1):33-42. doi: 10.14245/ns.2346190.095. Epub 2023 Mar 31. PMID: 37016852; PMCID: PMC10080449. 再生医療ポータル 再生医療について 再生医療の現状と展望 ▼こちらもあわせてお読みください。
2024.03.29 -
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慢性腰痛の治療に!Rhizotomy(リゾトミー)とは 「腰の痛みがつらい」「慢性的な腰痛の治し方を知りたい」と思いませんか? 慢性腰痛とは、3ヶ月以上続く腰痛のことです。治るわからない慢性的な痛みは日常生活に支障をきたし、心身ともに大きなストレス をもたらします。 マッサージや 薬でもリハビリでも良くならず、ブロック治療を考えた方や実際に試された方もいるでしょう。 「 ブロック治療の効果ってすぐ切れちゃうんでしょう?」 そう思った方は、椎間関節ブロックの効果が一時的であった場合に考慮される「リゾトミー」について知っておくと良いでしょう。 本記事では、リゾトミーの概要や どのような人に有効なのか、 費用や合併症などについても説明していきます。 リゾトミーってなに? リゾトミー(rhizotomy)とは、腰痛に対して行われる痛みを伝える神経を遮断する治療法で、高周波熱凝固法とも呼ばれます。 高周波熱凝固法は、特定の神経をラジオ波と呼ばれる高周波電流を用いて焼き固める治療です。特に 「リゾトミー(rhizotomy)」と呼ぶ場合は椎間関節の痛みに対して行われる「facet rhizotomy」を指すことが多く、ターゲットとなる神経は腰椎の「椎間関節」を支配する脊髄神経後枝内側枝です。 もともと、腰痛はいわゆる「背骨」の構成要素である椎骨や間に挟まった椎間板、その中を通る脊髄から伸びる神経など様々な要素が関わる病態です。中でも特に椎骨同士が連結する関節である「椎間関節」由来の痛みは腰痛の大きな原因を占めます。日本国内の研究では、腰痛患者の5人に1人は椎間関節性の疼痛であると報告されているのです。 椎間関節由来の痛みに有効なのが、脊髄神経の後枝内側枝に局所麻酔薬を投与する神経ブロック(椎間関節ブロック)です。しかし、局所麻酔薬の効果は一時的で、短期間に繰り返しの投与が必要になることもあります。何度も繰り返してしまう場合、神経自体を変性させてしまうことで痛みの伝達を遮断する方法が用いられます。それがリゾトミーなのです。 リゾトミーにおいて、 痛みを伝える神経だけをピンポイントで変性させるため使われるのは特殊な針です。針の先端部以外は絶縁体で覆われ、針先のみ金属が露出しています。X線透視画像と患者様の症状を確認しながら、この針先をターゲットの神経のすぐ近くに移動します 。そして、針端の金属部分から高周波のラジオ波電流を流します 。 ラジオ波電流は神経組織のイオン分子を高速で振動させ、熱を生じます。こうして高温になった神経の変性が起こり、痛み情報が脳へと伝達されなくなるのです。 リゾトミーが有効なのはどんな人? 腰椎の椎間関節ブロックが一時的に効くが、何度も痛みが繰り返してしまい良くならない人に対して適応があります。リゾトミーは、ピンポイントではあるにせよ神経を変性させてしまう処置です。あらかじめ「特定の椎間関節の痛み」であると診断されていることが前提となります。そのため、腰椎関節ブロックが効くことがわかっている必要があるのです。 リゾトミーの費用は?保険は利くの? リゾトミー(高周波熱凝固法を 用いた腰椎後枝内側枝神経ブロック)の費用は、 公的健康保険の対象です。 手技にかかる費用としては保険点数で340点、つまり3400円が算定されます。1割負担の方では340円、3割負担の方では1020円の窓口負担です。 ただし、各種診察や検査、ほかに処方された薬剤などについての諸費用が加算されるため、実際にはもう少し高額になります。また、保険を使うためにはさまざまな制約があります。 一方、自由診療で行なっている施設もあります。自由診療の場合は健康保険を使用する場合と異なり、制約がありません。自由診療では医療機関側が価格を設定できるため、それぞれ費用が異なります。30~60万円程度が相場ですが、詳細は医療機関にお問い合わせください。 リゾトミーの合併症ってあるの? リゾトミーは比較的安全とされていますが、危険性はゼロではありません。針を血管や神経に刺してしまい出血や神経損傷が起こる、針を刺したところに感染が起こるなどが主 です。熱凝固を行う際に穿刺部の痛みを生じることがあります 。また、体内に埋め込まれた金属があると火傷の恐れがあるため、適応外になります。 たとえばペースメーカーや心臓のステント、手術で用いられる釘などがある場合などが挙げられます。 また、非常に稀な合併症に、脊髄梗塞が挙げられます。脊髄の栄養血管が何らかの理由で虚血に陥ることで起こる合併症です。梗塞を起こした神経が支配する部分が痛み、筋力低下や感覚が障害されます。なぜ起こるのかはわかっていません。過去には頚椎後枝内側枝の熱凝固療法時に脊髄梗塞を起こした例が報告されています。 このような合併症で後々まで問題になりやすいのが神経の障害です。神経が傷つくと、新たな痛みやしびれ・麻痺などの後遺症に悩まされることになります。従来はこれらに対してできることは対症療法のみでした。 しかし、最近では最先端の再生医療である幹細胞治療が神経の障害にも有効である可能性が示されています。幹細胞という万能細胞を投与することで、傷ついた神経の再生を促すのです。幹細胞治療を受けることで、神経障害により不自由になった生活を元どおりに戻すことができる人が増えています。 https://www.youtube.com/watch?v=5HxbCexwwbE ▶こちらの動画でも詳しく解説しています。併せてご覧ください。 リゾトミーの弱点とは?これからの可能性について リゾトミーは神経を変性させるため、効果は永続的と考えるかもしれません。 実際は、しっかりと焼き切れていないと神経が再生して痛みが繰り返し てしまうため、長期に効果が続くわけではありません。 しかし、新たな手法により、この弱点をカバーできるかもしれません。それはPELD(Percutaneous Endoscopic Lumbar Discectomy :経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術)という最先端のヘルニア治療で使われる技術を応用した「内視鏡的リゾトミー」です。 PELDでは7mm程度のとても細い筒状の内視鏡を用いてヘルニアの手術を行います。この内視鏡を、リゾトミーで焼く神経を定めるのに使うのが、内視鏡的リゾトミーです。内視鏡で実際に神経を確かめるため、より確実な神経の焼灼ができます。 実際に海外の研究では、椎間関節の内視鏡的リゾトミーは、従来の透視下で行う方法よりも効果がある期間が長かったという報告がされています。日本で内視鏡的リゾトミーを行なっている施設はまだ少ないのが現状ですが、今後普及すればより確実に腰痛を治療することができるようになるでしょう。 慢性腰痛について、気になるQ&A Q:腰痛は温めるのと冷やすのではどちらが良いの? A:慢性腰痛でははっきりとどちらが良いということは分かりません。ただし、急性・亜急性腰痛では温熱療法が痛みの緩和に良い可能性が示されています。ただし、やりすぎは禁物です。皮膚が赤くならない程度にしましょう。 Q:腰痛に対する鍼灸やあん摩・マッサージ・ヨガなどの効果は? A:これらは効果のほどを確かめる研究が難しく、医学的に効果があるかをはっきりと証明することが難しい部分があります。研究の多くは海外からの情報で、日本の実情と異なる可能性も否定できません。そのため、医療者としてこれらの効果に対して言及することは困難です。なお、鍼灸については公的健康保険の対象になることがありますが、医師の同意が必要です。 Q:リゾトミーは内科?整形外科?どこの病院で受けることができるの? A:多くはペインクリニック専門医という痛みの緩和を行う医師が行なっています。また、一部の整形外科でも行なっていることがあります。リゾトミーだけでなく、「高周波熱凝固法」や「ラジオ波焼灼脱神経化」など様々な呼び名で紹介されているため、お探しの際にはご注意ください。 まとめ・慢性腰痛の治療法!Rhizotomy(リゾトミー)とは リゾトミーについて、どのような治療なのか、またリスクや今後の可能性について解説しました。 腰痛の方全員にリゾトミーが必要なわけではありません。しかし、条件が合えば、長く続く辛い腰痛から解放される可能性がある治療と言えるでしょう。 当然ですが、どのような治療法にもリスクは伴います。治療を受ける前にはしっかりとした情報収集と、医師との相談が必要です。 なお、当院ではリゾトミーの術後後遺症に対する幹細胞治療を行っております。術後後遺症でお悩みであれば、まずはカウンセリングを受けてみませんか? 参考文献 福井 晴偉, 大瀬戸 清茂, 塩谷 正弘, 有村 聡美, 多久島 匡登, 大野 健次, 唐沢 秀武, 長沼 芳和. 日本ペインクリニック学会誌. 3(1): 29-33. 1996. 伊達久. 医学と薬学. 77(1): 31-37, 2020. 山口忍, 吉村文貴, 松本茂美, 竹中元康, 飯田宏樹. 日本臨床麻酔学会誌. 34(7): 938-946, 2014. 濱口眞輔, 山田哲平. 麻酔 68(9): 959-965, 2019. 大瀬戸清茂. 日本ペインクリニック学会誌. 16(3): 301-301, 2009. 腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版 全国健康保険協会 はり・きゅう、あん摩・マッサージのかかり方 出沢 明. 臨床整形外科. 58(9): 1167-1172, 2023. Chen KT, Kim JS, Huang AP, Lin MH, Chen CM. Current Indications for Spinal Endoscopic Surgery and Potential for Future Expansion. Neurospine. 2023 Mar;20(1):33-42. doi: 10.14245/ns.2346190.095. Epub 2023 Mar 31. PMID: 37016852; PMCID: PMC10080449. ▼こちらもあわせてお読みください。
2024.03.25 -
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慢性腰痛治療のリゾトミー、メリット・デメリットはある?医師が解説します 「 慢性的な 腰痛にいい治療法はないの?」「痛の治療を知りたい」このような疑問や悩みはありませんか?! 慢性痛に対する治療方法として、「リゾトミー」をご存知でしょうか? しかしリゾトミーについては情報が少なく、具体的な治療について知らない方も多いでしょう。本記事ではリゾトミーの詳細として、適応となる腰痛や治療の方法、メリット・デメリットを解説します。 腰痛の治療方法について気になる方は参考にして頂ければと思います。 リゾトミーとは リゾトミーとは、変形した椎間関節で起こる痛み、神経が過敏状態(痛みが感じやすくなっている)を治療するために行う手術です。この手術は、過敏になっている知覚神経にある枝をラジオ波という高い周波数を発生する熱で焼灼して痛みを軽減させるものです。 リゾトミーの適応 リゾトミーは、長く続く治りにくい腰痛(慢性腰痛:まんせいようつう )に対する治療です。 慢性難治性腰痛はさまざまな原因がありますが、背骨の関節である椎間関節(ついかんかんせつ)の変形により増殖した知覚神経が原因となっている腰痛の場合、リゾトミーが適応になります。 ここでは椎間関節の変形による腰痛と、 リゾトミーの適応となる腰痛について詳しく解説します。 椎間関節とは? 背骨は椎骨(ついこつ)というブロックのような骨 が積み重なってできています。椎骨の背中側には、 関節突起(かんせつとっき)と呼ばれる出っ張りが上下にあります。 積み重なった上下の椎骨にある関節突起が重なってできた関節が、 椎間関節です。 背骨の動きは、この 椎間関節によって作られます。 椎間関節の変形により起こる腰痛 加齢や運動、衝撃などで繰り返し腰に負担がかかると椎間関節に変形が生じます。 椎間関節が変形すると、知覚神経と呼ばれる痛みを感じる神経が過剰に増えてしまいます。知覚神経は感覚神経とも呼ばれ、痛みを感じる神経でもあります。 上記のように知覚神経の過剰な増殖により痛みを感じやすくなってしまう状態が、慢性腰痛の原因の1つです。 知覚過敏による慢性腰痛がリゾトミーの適応 椎間関節の変形により知覚神経が過剰に増えて 、腰痛が慢性化してしまうと、コルセットや薬物療法などの保存療法では改善しない場合があります。 慢性腰痛 に対して、痛みの原因となっている知覚神経へアプローチ して痛みの改善を図るのがリゾトミーによる治療です。 リゾトミーの具体的な方法 リゾトミーとは、痛みに敏感になった知覚神経の枝が、変形した椎間関節に入り込んでいる所に対して、ラジオ波と呼ばれる高周波数で発生する熱を利用して焼いてしまいます。その結果、神経の過敏状態の改善が図られることで、 疼痛が緩和されるのです。 ラジオ波の照射には皮膚を切開する必要はなく、針のような電極を刺してレントゲンで透視しながら患部にあてます。針は鉛筆やボールペンよりも細いため、大きな傷を作ることなく治療が可能です。 もし椎間関節の変形が複数あり、複数箇所にラジオ波の照射が必要な場合でも、局所麻酔で同時に治療できます。局所麻酔下で治療が可能ですので 、短時間かつ日帰りで手術できます。 リゾトミーのメリット リゾトミーは、 保存療法では改善されない難治性の腰痛に対して改善が期待できる点が大きなメリットです。 また治療内容に関しても以下のようなメリットがあります。 メリット 短時間の治療 入院するケースが少ない 治療による傷が少ない 手術の時間は短く、15分〜30分 程度で終了します。 局所麻酔による手術ですので入院の必要がなく、術後は1時間程度安静にした後、 歩いて帰宅することが可能です。 また、2mm〜5mm程度の大きさの傷(ラジオ波を照射する針を刺すときにできる傷)のみで、皮膚を切開しないため、術後に縫合する必要もありません。 複数箇所行う場合でも、上記の大きさの傷が4箇所程度で済むため体に対する負担の少ない手術です。 リゾトミーのデメリット リゾトミーは保険が適用されない自由診療の治療です。 腰痛に対する自由診療の手術として、他にもPELD(内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術)やMEL(内視鏡下脊柱管拡大術)などの治療方法があります。 どの治療方法も自由診療だと全額自己負担になるため、治療費が高額になります。リゾトミーの治療費の相場はは60万円〜70万円 です。 また、どの病院でも治療が可能なわけではなく、日本では脊柱を専門とする一部の整形外科で実施されています。そのため、リゾトミーに 関する知識や技術を持った医師がいる施設で、自由診療でしか治療を受けられない点はデメリットです。 リゾトミーを受けるためには、治療とに必要な高額な費用 と施対応している医療機関が少ない設を探す手間 が必要な点は理解しておきましょう。 なお、リゾトミーの術後後遺症として以下のようなものがあります。 デメリット 術後の血腫 術部の感染 神経損傷/li> 血栓症 自由診療で健康保険の適用外 治療費が高額(60~70万円) 術後後遺症として神経損傷による障害が残った場合は、再生医療(幹細胞治療)が適応となります。術後後遺症に対する再生医療(幹細胞治療)についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。 https://www.youtube.com/watch?v=GcUDE6GCblE まとめ・リゾトミーは難治性慢性腰痛の治療として自由診療で可能 リゾトミーは、 薬物療法やリハビリなどの保存療法では改善できなかった慢性的な腰痛の改善が期待できる手術です。 この手術は、過敏になった知覚神経をラジオ波で焼灼することで、痛みを軽減させるものです。特に、椎間関節の変形によって引き起こされる腰痛に効果的で、保存療法では改善しない場合に適用されます。 この治療法の大きなメリットは、短時間で済む手術であり、入院の必要がなく、日帰りでの治療が可能な点です。手術自体も皮膚を大きく切開する必要がないため、体への負担が少なく、術後の回復も早いです。 また、リゾトミーは複数箇所に対して同時に治療が可能であり、局所麻酔で行われるため、患者への負担がさらに軽減されます。 一方で、リゾトミーにはデメリットも存在します。まず、保険が適用されない自由診療であるため、治療費が高額になります。治療費の相場は60万円から70万円とされており、全額自己負担です。 また、日本ではこの治療を提供している医療機関が限られているため、適切な施設を探す手間と費用が必要です。さらに、術後に血腫や感染、神経損傷、血栓症などのリスクも存在する点も理解しておくことが必要です。 総じて、リゾトミーは慢性腰痛に悩む患者にとって有効な治療法ですが、その高額な費用と限られた実施医療機関、術後のリスクを考慮する必要があります。 治療を検討する際は、医師と十分に相談し、自分に適した最善の方法を選択することが重要です。 慢性腰痛でお悩みの方は、リゾトミーのメリット、デメリットをよく理解した上で、適切な判断を行うよう心がけましょう。 尚、術後後遺症の治療に対しては、再生医療(幹細胞治療)も適応となるので、詳しくはお問い合わせください。 ▼こちらもあわせてお読みください。
2024.03.22 -
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慢性腰痛にリゾトミーは有効?手術の費用や期間について 慢性腰痛は多くの人が抱える問題であり、その治療方法は多岐にわたります。慢性的な痛みは日常生活に影響を及ぼすことがあり、適切な治療が求められます。 この記事では、慢性腰痛の治療法の一つであるリゾトミー(高周波熱凝固法)の効果や手術費用、治療期間について詳しく解説します。 慢性腰痛とは 慢性腰痛は、一般的に「12週間以上持続する腰痛」のことを指します。 慢性腰痛で多くの場合は、 腰の痛みに対する治療が効かないために慢性化してしまっています。そのため、疼痛を一気に解決するような効果的な治療法が存在しないことが多いとされています。 また、腰痛のための安静や活動制限が続いてしまうと、廃用性に体幹や全身の機能が低下します。この結果、日常生活や職業などの社会参加が障害されることになってしまいます。 慢性腰痛の原因 慢性腰痛の原因はさまざまです。例えば、椎間関節や椎間板、靭帯、筋などの組織が、過度な負荷によって傷ついて しまうことがあります。また、椎間板ヘルニアや、腰椎すべり症、腰椎分離症、変形性脊椎症なども腰痛の原因となります。 その他、慢性腰痛には心因性、つまり心の問題が原因となることもあります。実際に、ストレスによっても腰痛が生じることがわかっています。 慢性腰痛の治し方 慢性腰痛に対しては、マッサージや鍼治療が有効な場合があります。 マッサージは筋肉の緊張を和らげ、鍼治療は身体の特定のポイントを刺激することで痛みを緩和する効果が期待できます。 また、症状に合わせて痛みがある部分を冷やすことで炎症を抑えたり、温めることで血流を促進し筋肉の緊張を和らげたりすることも効果的です。 痛みを和らげるために、運動療法や薬物療法も役立つと考えられます。 リゾトミーの概要と効果 リゾトミーは、慢性腰痛の治療法の一つで、高周波熱凝固法(こうしゅうはねつぎょうこほう)とも呼ばれます。 この手術では、高周波の熱を使って痛みの原因となる神経を焼き切ります。リゾトミーは、特に神経根の圧迫による痛みに対して効果があるとされています。 リゾトミーを行う際には、以下の 手順で行っていきます。 1.患者様の準備 患者様は手術台にうつ伏せになります。医師は、対象となる腰椎の横突起関節(おうとっきかんせつ)の皮膚を洗浄・滅菌します。 2.局所麻酔 局所麻酔薬を注射し、皮膚とその下の組織の痛覚を抑え ます。 3.針の挿入 X線透視下で、皮膚を通して特殊な針を挿入し、腰痛の原因と考えられる細い神経に針先を向けます。 4.テスト 針が正しい位置にあることを確認したら、小さな電流を通して流し ます。そして、神経に近いことを確認し、筋肉のひきつれや痛みの誘発をテストします。 5.高周波焼灼 正しい針の位置を確認した後、高周波エネルギーが針を通して送られ、神経を加熱・焼灼(破壊)し、痛みの信号を遮断します。 6.手術後のケア 針を除去し、挿入部位を包帯で覆います。しばらく経過観察し、その後には帰宅が可能です。 治療の費用と期間 リゾトミー治療の費用は医療施設によって異なるものの、一般的には数十万円程度が相場となっています。治療費用には、手術費用、検査費用、入院費用などが含まれています。 リゾトミー治療は、保険の適応外の自費診療になり、治療費は高額になる場合が多いです 。そのため、リゾトミー治療を受ける患者様は保険の適用条件や具体的な費用について、事前に医療機関に確認することが重要です。 腰痛が治るまでの期間については、手術自体は通常1日で完了しますが、完全な痛みの軽減を実感するまでには個人差があり、数週間から数ヶ月かかることがあります。 治療後は、手術を受けた整形外科病院等へ定期的に通院し、フォローアップやリハビリテーションが必要になることもあります。そのため、医師の指示に従って適切なケアを続けることが大切です。また、治療の効果や安全性に関する最新の情報を確認し、リスクや副作用についても十分に理解しておくことが望ましいです。 リゾトミーのリスクと再生医療 リゾトミーは慢性腰痛の治療法ですが、いくつかのリスクが伴います。 リスクしては、感覚低 、筋力の低下、感染、出血や神経損傷などがあります。これらの症状に対して、再生医療が有望な治療法として注目されています。 再生医療は、損傷した組織や細胞を修復または再生させる技術で、リゾトミーの後遺症を克服する可能性があります。例えば、幹細胞療法は神経損傷の修復や機能回復を目指すもので、今後の研究の進展が期待されています。 まとめ・慢性腰痛にリゾトミーは有効?手術の費用や期間について 慢性腰痛の治療法としてのリゾトミーは、神経根の圧迫による痛みに効果的ではありますが 、リスクも伴います。治療を受ける前には医師としっかりと相談し、利点とリスク を十分に理解することが重要です。 リゾトミー治療には感覚低下や筋力の低下、神経損傷などの後遺症が生じるリスクもありますが、再生医療の進展により神経の修復が期待されています 。リゾトミー治療と再生医療を組み合わせることによって、今後さらに治療法の選択肢が広がることが望まれます 。 参考文献 慢性腰痛の疼痛管理─リハビリテーションの視点で.日本腰痛会誌.2004;10(1): 23-26. No.1 ストレスと腰痛 こころの耳 厚生労働省 Lumbar Facet Syndrome and the Use of Radiofrequency Ablation Technique as an Alternative Therapy: A Systematic Review.Rev Bras Ortop (Sao Paulo). 2023 Apr; 58(2): 199–205. Cohen SP, et al. Regenerative medicine and pain management.StatPearls [Internet].Last Update: January 16, 2023. ▼こちらもあわせてお読みください。
2024.03.19 -
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この記事を読んでいる方は「椎間板ヘルニアのPLDD手術で失敗したらどうなるのだろう」と不安になっているのではないでしょうか。 椎間板ヘルニアのPLDD手術は、メスを使わないため出血が少なく、全身麻酔の必要もないため、患者さんの負担の少なさが特徴です。しかし、適応できるヘルニアは限られ、自分の状態に合うかをよく見極める必要があります。 本記事では、椎間板ヘルニアのPLDD手術について、失敗と言われる例や失敗を防ぐポイント、失敗した際の対処法などを詳しく解説します。記事を最後まで読めばPLDD手術の注意点がわかり、より失敗の少ない施術を検討できるでしょう。 【効果なし?】ヘルニアのPLDDが失敗だったと言われる3つの例 椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が飛び出して神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こす病気です。その治療法として、経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD:Percutaneous Laser Disc Decompression)が注目を集めています。 しかし、PLDDはすべての患者さんにとって最適な治療法とは限りません。 「ヘルニアのPLDDが失敗だった」と言われる主な例は以下の3つです。 十分な効果が得られずに痛みが続く 合併症や後遺症が起こる ヘルニアが再発する 本章の内容をもとに、PLDDが失敗だったと言われる例を確認しておきましょう。 なお、PLDD手術の詳細は、以下の記事で詳しく説明しています。 十分な効果が得られずに痛みが続く もともと効果が期待できない人が手術を受けた場合、術後も痛みが続いて「PLDDに失敗した」と思う可能性があります。 PLDDはレーザー照射により椎間板の内圧を下げて、ヘルニアによる圧迫を改善する手術です。適するヘルニアの大きさや症状には限りがあり、残念ながら他の手術法の方が良い方におこなわれて「効果がなかった」となるケースもあります。 PLDDが適するヘルニアの種類については、記事の後半で説明します。 合併症や後遺症が起こる PLDDはリスクが少ないと言われていますが、以下のような合併症が起こるケースもあります。 手術後の感染 レーザーの影響による骨壊死 レーザーの誤照射や針による損傷 どんな手術にもリスクは存在します。メリットだけでなくデメリット・リスクなども事前によく確認するようにしましょう。 ヘルニアが再発する 手術後に痛みが改善しても、その後ヘルニアが再発して「PLDDは失敗だった」と思うケースも考えられます。 PLDDの治療成功率は約70%で比較的高い傾向ですが、約5%の確率で再発するといわれています。(文献1) ただしPLDD以外の手術であっても、手術後の再発リスクはゼロではないことが多いでしょう。 手術を受ける前に再発リスクについて確認し、PLDDを受けるべきか検討することが大切です。 当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアのPLDDにおける後遺症の治療に再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。従来の点滴による投与方法のほかに、より神経の再生にアプローチしやすい「脊髄腔内ダイレクト注射」も選択可能です。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」から気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/ ヘルニアのPLDD手術で失敗しないためのポイント3選 リスクが少ないといえども、PLDD法が失敗する可能性はあります。治療を後悔しないために大切な内容は、以下のとおりです。 自分のヘルニアにPLDD手術が適しているかチェックする 費用や期待できる効果を事前に確認する 手術後の注意点を守る 本章の内容をもとに、PLDDの失敗を防ぐための知識を身に着けておきましょう。 自分のヘルニアにPLDD手術が適しているかチェックする 椎間板ヘルニアには、PLDDが適するものと適さないものがあります。 ここからの内容をもとに、自分のヘルニアが、PLDDに適しているかどうかを確認しましょう。 症状が似ている「脊柱管狭窄症」とヘルニアの見分け方については、以下の記事をごらんください。 PLDDが適している可能性が高いケース 椎間板ヘルニアに対してPLDDが適する可能性が高いケースは、以下のとおりです。(文献2) 内容 詳細 神経根の圧迫による症状である 以下の典型的な症状がある: 下肢への放散痛(坐骨神経痛) 腕への放散痛など 画像診断でヘルニアが確認され、症状と一致する 椎間板の突出が神経根を圧迫しているのが明確である とくに椎間板が全体的に膨らんだような形になっているヘルニア(膨隆型:ぼうりゅうがた)は良い適応 保存的治療(薬物療法、物理療法など)で十分な改善が見られない 数週間から数カ月の保存的治療後に効果が不十分な場合、PLDDを検討することがある 医師の説明を良く聞き、相談した上で手術を受けるか検討するようにしましょう。 腰椎椎間板ヘルニアについては、以下の記事で詳しく解説しています。 PLDDが適していない可能性が高いケース PLDDが適さない可能性が高いケースは、以下のとおりです。 内容 理由・解説 椎間板の破裂や大きな脱出がある PLDDは椎間板の小さな突出に対して効果的だが、大きな脱出や破裂には適さないため 重度の椎間板狭窄や脊椎管狭窄がある PLDDによる改善が難しく、他の手術的治療が必要な可能性があるため 椎間板感染症や腫瘍がある PLDDの適応外であるため 椎間板以外の原因による症状がある 椎間板ヘルニア以外の原因で症状が出ている場合は、PLDDが適さないため 例) 筋肉の緊張 関節の問題など PLDDの適応は状態や症状によって異なるため、専門医による詳細な診断と評価が欠かせません。他の治療方法との比較検討も含めて、専門医と十分に相談しましょう。 PLDD以外の手術法については、以下の記事で詳しく説明しています。 費用や期待できる効果を事前に確認する PLDD手術を受ける前は、以下の4点を確認しておきましょう。 費用 期待できる効果 副作用 治療後の経過観察やリハビリの必要性 痛みがつらいときは、「早く痛みを取り除きたい」という一心で手術を決断しがちです。しかし、手術後のトラブルや失敗を減らすには、費用や副作用、術後のケアなども事前に確認すべきです。 気になる点は必ず質問し、疑問を残さないようにしましょう。 PLDDの費用については、以下の記事で解説しています。 手術後の注意点を守る PLDDは、身体に与える負担が小さい治療です。しかし、治療後には以下のような注意点を守る必要があります。 術後は安静にし、医師の指示に従って徐々に活動を再開する 痛みやしびれが再発した場合は、早めに医師に相談する 定期的な通院やリハビリなどのフォローアップを受け、症状の変化に注意する 手術後の不十分なケアによる再発防止にも、注意点は大切な役割を果たします。 PLDDの有効性や手術後の痛みについては、以下の記事も参考にしてみてください。 ヘルニアのPLDDで失敗したら再生医療を検討しよう PLDDは、ヘルニアによる短期的な痛みの軽減に有効であると考えられます。しかし、変性した椎間板そのものの修復はできません。 PLDDの他に、椎間板ヘルニアに対する治療選択肢としては、再生医療があります。 再生医療の一つである「幹細胞治療」は、身体から採取した幹細胞を培養して投与する治療法です。椎間板ヘルニアによる神経損傷や変性した椎間板に対する治療として実施されています。 また、PLDDと再生医療を組み合わせることで、椎間板ヘルニアの痛みの軽減と椎間板の修復・再生の両方を目指すアプローチとなる可能性があります。。 ただし、再生医療は治療費が高額になる可能性があるため、費用と効果のバランスを考慮する必要があります。 まとめ|ヘルニアのPLDDで失敗しないためのポイントを知っておこう PLDDは、椎間板ヘルニアの治療に有効な選択肢ですが、すべての患者さんに適するわけではありません。 治療を受ける前には、自分の状態がPLDDに適するかを理解し、医師と十分に相談することが重要です。また、治療後の適切なケアとフォローアップも欠かせません。 患者さんご自身が積極的に情報を収集し、自分に適した治療法を選択することが、後悔しないための鍵となるでしょう。 当院「リペアセルクリニック」では、ヘルニアにおけるPLDDの失敗や後遺症に関して再生医療(幹細胞治療)を提供しています。 もし術後の後遺症にお困りであれば、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」にご相談ください。 PLDDのヘルニア手術の失敗が気になる人によくある質問 PLDDを失敗しない名医を探す方法はありますか? どんな手術にもリスクはあります。 そのため、「絶対失敗しない名医」ではなく、「自分が信頼できる医師」を探す方が現実的ではないでしょうか。 医療機関を探す際は、以下のポイントを確認しましょう。 病院や医師の実績 納得できる説明がされたか なお、PLDDは自由診療のため、金額をはじめとする詳細は医療機関によって異なります。他の手術方法も念頭に置き、自分に合う治療法・医師を探してみてください。 PLDDが失敗する確率はどのくらいですか? 文献によってばらつきがありますが、PLDDが有効な症例に対して行った場合の成功率は75~89%というデータがあるため、失敗する確率は11~25%程度とわかります。(文献3) しかし、効果がなく、失敗する確率が高いヘルニアの人にPLDDがおこなわれる可能性を考えると、正確な失敗率は何とも言えません。 自分の症例にどの程度の確率でPLDDの効果が期待できるかは、医師へ確認してみるのが良いでしょう。 当院「リペアセルクリニック」では、PLDD手術の失敗例や後遺症に対して再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。相談は無料で受け付けておりますので、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」まで気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 参考文献 (文献1) 石井克典ほか,椎間板ヘルニア髄核組織の光学特性の算出と経皮的レーザー椎間板減圧術の最適波長に関する一考察.2010;31(2):152-157 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslsm/31/2/31_2_152/_pdf(最終アクセス:2025年2月25日) (文献2) 中溝 寛之ほかレーザーによる経皮的椎間板減圧術 (PLDD法) の経験.中四整会誌.1997;10 (2): 229-233. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcsoa1989/10/2/10_2_229/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年2月17日) (文献3) Hellinger J. ,Technical aspects of percutaneous laser disc decompression (PLDD),Lasers in Surgery and Medicine, 1999.Dec;16(6):325-31. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10204439/(最終アクセス:2025年2月17日)
2024.03.15 -
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腰椎椎間板ヘルニアによる慢性的な痛みやしびれに悩む方の中には「手術は避けたいが、痛みを改善したい」と思う方も多いでしょう。 放置すると症状が悪化し、歩行困難や日常生活への影響が深刻になることもあるので、適切な治療を選んで早めに対処することが重要です。とくにPLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)は、低侵襲で回復が早い治療法として注目されています。 手術よりも身体的負担が少なく、日帰りも可能ですが、効果や後遺症のリスクも気になるでしょう。 この記事では、PLDDのメリット・デメリット、後遺症の可能性、費用感について詳しく解説します。治療方法の参考にしてください。 メリット・デメリットを理解するための PLDD治療に関する基礎知識 PLDD(Percutaneous Laser Disc Decompression経皮的レーザー椎間板減圧術)は、レーザーを使用して椎間板内の圧力を低下させ、神経への圧迫を軽減する治療方法です。 具体的には、皮膚とその下の筋肉に局所麻酔を施した後、非常に細い針(0.4㎜)を背中から椎間板に挿入します。その針の中にレーザーファイバーを通し、レーザーを照射して椎間板内の髄核の一部を蒸発させます。この過程により、椎間板が縮小するため圧力が下がり神経への圧迫が軽減する手術です。 PLDDは主に頚椎や腰椎のヘルニア治療に用いられ、従来の手術に比べて侵襲性(体への負担)が低いのが特徴です。 PLDD治療のメリット PLDD治療のメリットは4つあります。 直接神経に触れない治療のため安心して受けやすい 切開をほとんど伴わず手術後に日帰りできる 局所麻酔で手術可能なので身体への負担が少ない 再生医療とPLDD治療を併用しやすい それぞれ詳しく解説します。 直接神経に触れない治療のため安心して受けやすい PLDD治療は、直接神経に触れることなく施術を行えるのがメリットです。レーザーファイバーを椎間板内に直接挿入し、神経から十分に距離をとった状態で処置を行うため、手術中の神経損傷を起こしにくく安全性が高いとされています。 従来の外科手術に比べて出血も少なく、身体への負担が軽減できるため、高齢者や体力に不安がある方でも安心して受けやすい治療法です。また、局所麻酔で行うため、全身麻酔ほどのリスクがありません。 ただし、すべてのヘルニアに適応できるわけではなく、効果にも個人差があるため、事前の画像診断や診察による適応判断が重要です。 切開をほとんど伴わず手術後に日帰りできる PLDD治療は、直径0.4㎜程度のレーザーファイバーを挿入するだけであり、切開をほとんど伴わない治療法です。施術時間は30〜60分程度と短く、多くの場合は手術当日に退院できます。 皮膚を大きく切開しないので感染症のリスクが低く、術後の回復もスムーズです。術後の痛みも少なく、歩行や軽い日常動作はすぐにできます。入院が不要なため、以降の仕事や家庭への影響はほとんどありません。 保存療法でなかなか改善しない方、高齢で大がかりな手術が難しい方などにおすすめの治療方法です。 局所麻酔で手術可能なので身体への負担が少ない PLDD治療は、局所麻酔で手術が可能なため、身体への負担が少ない治療法です。全身麻酔のリスクを避けられるため、手術中の負担を軽減できます。高齢者や全身麻酔が困難な方でも、安心して治療を受けることが可能です。 局所麻酔による手術は、術後の回復が早く、長時間の入院も不要です。とくに持病を抱えている方や体力に不安がある方に適しています。全身麻酔が不要なため、術後の体調管理も容易です。痛みが比較的少なく、社会復帰もスムーズに進められます。 身体への負担を抑えながら、効果的な治療を受けたい方におすすめです。 再生医療とPLDD治療は併用しやすい PLDD治療は、レーザーで椎間板の圧力を下げて神経の圧迫を和らげやすい低侵襲の治療法です。再生医療と組み合わせることで、さらに治療効果を高められます。 PLDD後にPRP(多血小板血漿)や幹細胞を注入すると、椎間板の修復が促進され、炎症の軽減や組織の再生が期待できます。PLDDは皮膚を小さく穿刺するだけで負担が少ないため、再生医療との相性が良好です。 細胞の修復能力を活用することで術後の回復が早まり、痛みの再発リスクも抑えられます。ヘルニアの再発を防ぎつつ、椎間板の機能を維持したい場合、PLDDと再生医療の併用が有効です。 \まずは当院にお問い合わせください/ PLDD治療のデメリット(リスク) PLDD治療のデメリットは以下の5つがあります。 効果が即効性に乏しい 治療にかかる費用が全額負担になる ヘルニアの状態・種類によって治療を適用できない場合がある 手術後に後遺症が出ることがある ヘルニアが再発するリスクがある それぞれ解説します。 効果が即効性に乏しい PLDDは即効性に乏しい点がデメリットです。手術後すぐに症状が改善するわけではなく、1週間程度経過してから徐々に効果が現れます。完全に改善するまでには2〜3カ月ほどかかることが一般的です。ヘルニアの状態によっては、痛みの軽減が十分でない場合も考えられます。 レーザーによる椎間板の減圧が少しずつ進むため、即効性を求める方には向いていません。日常生活への影響を抑えながら治療を受けられる反面、効果を実感するまでに時間が必要です。そのため、改善までの期間を考慮した治療計画を立てることが大切です。 治療にかかる費用が全額負担になる PLDDの治療費は自己負担となり、保険が適用されません。病院によって費用は異なりますが、30〜50万円程度が相場です。自由診療のため、高額療養費制度は利用できません。 治療を検討する際は、費用と想定される効果を考慮し、納得した上で選ぶことが大切です。クレジットカード払いや医療ローンを利用できる場合もあるため、支払い方法について事前に確認すると安心でしょう。 また、PLDD治療費は他の医療費と合わせて年間10万円を超える場合、医療費控除の対象となり還付金を受け取れる可能性があります。ただし、医療費控除を受けるには確定申告が必要なので注意してください。 ヘルニアの状態・種類によって治療を適用できない場合がある PLDDは、すべての椎間板ヘルニアに適用できるわけではありません。ヘルニアの状態や種類によっては、治療を行えないか効果が限定される場合があります。 たとえば、椎間板の変性が進んでいると、PLDDのレーザー照射による減圧が十分に機能しない可能性が高いです。 また、大きく突出したヘルニアや、神経を強く圧迫しているケースでは、手術が必要になる場合もあります。骨の変形を伴うヘルニアや脊柱管狭窄症がある場合も、適応外となる可能性があります。 このようなケースがあるため、事前に画像診断を受けることが大切です。適用範囲に制限がある点を理解した上で治療を検討しましょう。 手術後に後遺症が出ることがある PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)は低侵襲な治療法ですが、手術後に後遺症が出ることがあります。主な後遺症は以下の通りです。 症例 概要 神経障害 神経の損傷や圧迫によるしびれや感覚異常が生じることがあります。 炎症の持続 手術後の炎症が長引き、痛みが続くケースもあります。 症状の再発 PLDDは根治治療ではなく、時間の経過とともに症状が再発することがあります。 椎間板の損傷 レーザーによる熱ダメージで椎間板が脆くなり、損傷が広がる可能性があります。 感染症 低侵襲手術とはいえ、感染リスクが少なからずあります。 PLDDは侵襲性が低いものの、少なからず後遺症のリスクがあります。 これらの後遺症に対し、再生医療が適用できます。再生医療の幹細胞治療やPRP療法(多血小板血漿療法)などにより、損傷した組織の回復を促すことが可能です。症状に応じた適切な治療を受けることで、改善が見込めます。 ヘルニアが再発するリスクがある PLDDの有効率は、文献によって異なりますが、約70%と報告されています(文献1)。一方、一般的に行われる椎間板切除術では、術後5年で再発率が1.5〜8.5%です(文献2)。単純な比較はできませんが、PLDDはこれらより治療成績が劣ると考えられます。 PLDDは、椎間板の内圧を下げることでヘルニアの圧迫を改善する治療法です。しかし、ヘルニアが後縦靭帯を突き破っている場合、すでに椎間板内圧が低下しているため、レーザーで髄核を焼いてもヘルニアが縮小しません。そのため、PLDDの適応は保存療法が効かず、後縦靭帯を破っていないヘルニアに限られます。 頸椎・腰椎ヘルニア・狭窄症の治療や後遺症には再生医療をご検討ください 頸椎・腰椎のヘルニア・脊柱管狭窄症は、十分な改善が得られず手術後も後遺症が出ることがあります。 当院リペアセルクリニックでは、幹細胞を脊髄の損傷部位へ直接投与する再生医療を提供中です。この治療法は、国内ではほとんど届出されていない先進的な治療方法で、損傷部位の神経修復を目的としています。 脊髄の神経が損傷し、慢性的なしびれや痛みが続く方におすすめです。リハビリと組み合わせることで、症状の改善や生活の質の向上も期待できます。 従来の治療で十分な改善が見られなかった方、治療後に後遺症が出てお悩みの方はぜひ当院の再生医療をご検討ください。 PLDD治療のデメリットが気になる方は再生医療もご検討ください PLDDは、低侵襲で回復期間が短いため日帰りで手術を受けられるのがメリットの治療法です。 検討する際は適応やリスクを十分に理解し、他の治療法と比較することが重要です。再生医療と組み合わせることを選択肢の一つとして検討するのも良いでしょう。 当院では、脊髄損傷や椎間板の変性に対する再生医療として、自己脂肪由来幹細胞治療や脊髄腔内ダイレクト注射療法により直接投与する方法を提供しております。 椎間板ヘルニアや術後の後遺症にお悩みの方は、一度リペアセルクリニックまでご相談ください。 参考文献 (文献1) 佐藤 正人ほか.「レーザー照射が椎間板細胞に与える影響ーPLDDへの警鐘ー」『日本レーザー医学会誌』 31(2),pp.146-151, 2010. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslsm/31/2/31_2_146/_pdf/-char/ja (最終アクセス:2025年3月20日) (文献2) 日本整形外科学会「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021 改訂第3版」2021年 https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.php?file=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00645.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b (最終アクセス:2025年3月20日)
2024.03.12 -
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ヘルニア治療、PLDDの術後後遺症に対する最新治療とは!? PLDDは、頚椎および腰椎の椎間板ヘルニアの手術のなかでも最小と言っていいほど体への負担が少ない術式です。 しかし、どんなに画期的な手術であっても、術後に後遺症が残る可能性はゼロではありません。特に懸念すべきは神経障害による痺れ、痛み、麻痺などの症状です。 神経障害を改善するために行なった手術で神経障害が悪化してしまうのは不幸なことです。こうした術後後遺症に対して、最新治療である「再生医療」が吉報となるかもしれません。 本記事では、PLDDの概要と起こりうる術後後遺症、そして後遺症に対する最新治療についてご説明します。 椎間板ヘルニアの機序と治療、手術になるのはどんな時? 脊椎の中には、 太い神経の束である脊髄が走っています。脊髄からは運動や感覚を司る神経が出ています。重なる脊椎と脊椎の間には椎間板というクッション材が挟まっており、 椎間板の中央部には柔らかいゲル状の「髄核」があります。 椎間板ヘルニアとは 、この髄核が椎間板の外に飛び出す疾患です。飛び出したヘルニアが脊髄から伸びる神経の根本を圧迫してしまうと、「びりっ」とした痛みを感じるようになります。 症状が進行すると神経へのダメージが大きくなり、感覚障害や麻痺を起こしたり排尿障害が起こることもあります。しかし、重症化することはごく稀です。椎間板ヘルニアの多くは自然に縮小していく疾患 です。 たとえば、 腰椎椎間板ヘルニアは症状がある人の60%以上で吸収されると言われています。頚椎でも腰椎でもほとんどの椎間板ヘルニアと診断された方は、手術を受けることはありません。3ヶ月ほどの保存療法で自然と痛みが取れてくるのです。 では、不幸にも良くならなかったらどうなるのでしょう。保存療法でも改善しない痛みが続く場合や、麻痺・排尿障害をきたす場合は手術が行われます。 手術となると、「全身麻酔が大変」「術後は安静にしなければならない」「傷の痛みに耐えながら回復を待つ 」というイメージがあるかもしれません。 しかし、そのイメージと全く異なり、体への負担を最小限に抑えられる術式があります。それは、PLDD:Percutaneous Laser Disc Decompressionです。日本語では「経皮的レーザー椎間板減圧術」と呼ばれています。 PLDDってどんな手術? PLDDはレーザーを用いて椎間板の中央部にある髄核に照射して 、椎間板内の圧力を減少させる手術です。髄核が焼かれた後の空洞は縮もうとするため、時間経過とともにヘルニアは自然と小さくなっていきます。 椎間板内にレーザーを照射するのみであれば、メスや針・糸は不要です。細い針を刺せばレーザーファイバーを通すことができます。そのため、PLDDを行ってもほんの小さな刺し傷しか残りません。 安静も短くて済むため、日帰り手術をしている医療機関 も少なくありません。 PLDDの合併症について 体への負担の少なさについて強調されがちなPLDDですが、医療行為である以上は治療の合併症とは切っても切り離せない関係にあります。 特に深刻な術後後遺症を残すのが神経障害です。本来は神経の圧迫を改善するための手術なので、時間経過とともに痺れ・痛みなどは良くなるはずです。症状が術後に悪化している場合には神経障害の可能性が考えられます。 神経障害が起こる要因にはいくつかの可能性があります。ひとつはレーザーファイバーを入れる際に針で神経を傷つけてしまうことです。 次に、レーザーの誤照射により、神経がレーザーに当たってしまう可能性も否定できません。他に懸念されるのは、レーザーの熱などの間接的な要因でも神経障害が起こる可能性です。 実際にレーザー照射を直接受けていないはずの近くの骨が壊死を起こしてしまった例が報告されています。 術後後遺症の神経障害に対する再生医療の可能性とは 最新の再生医療である「幹細胞治療」がPLDD術後後遺症への新たな希望となるかもしれません。 従来、神経が傷ついてしまうと完全にもとに戻すことは難しいとされてきました。そのため椎間板ヘルニアの術後後遺症が残ってしまっても、薬やブロック注射などの対症療法を行うことしかできませんでした。 しかし、最新治療の幹細胞治療が神経を回復させてくれるのではないかと期待されています。幹細胞治療では、どんな細胞にも変化できる万能細胞の「幹細胞」 を使用します。幹細胞を投与することにより、傷ついた組織の再生が促されるのです。 まとめ・PLDD術後後遺症に対する最新治療とは! PLDDの概要と合併症のリスク、そして術後後遺症に対する最新治療についてご説明しました。 合併症が起こらないことが一番ですが、万が一起こってしまった時にどのような治療の選択肢があるか知っておくことは重要です。 当院では、PLDDをはじめとした椎間板ヘルニアの術後後遺症に対して、幹細胞治療を行っております。当院ではフレッシュで生き生きとした細胞を多く届けることができるように2つの工夫をしております。 ひとつは細胞の保存や輸送のプロセスにおけるものです。細胞を凍結せずに保存・輸送を行なっているのです。多くの病院の細胞加工室では細胞を保存、輸送する際に凍結してしまいます。 しかし、冷凍された幹細胞は弱くなり、 解凍時の生存率が大きく低下します。 当院では細胞の凍結を行わないため、新鮮で強い細胞が投与可能なのです。 もうひとつは細胞の投与方法です。当院では損傷した脊髄に対して直接幹細胞を投与できる「脊髄腔内ダイレクト注射療法」を行なっております。従来は脊髄の障害があるときの幹細胞投与は点滴でした。 当院では点滴の他に「脊髄腔内ダイレクト注射療法」を行うため、脊髄に届く幹細胞の数がより多くなります。 https://www.youtube.com/watch?v=5JqLxbYwLJ4&t=3s ▶PLDDをはじめ、椎間板ヘルニアの手術における術後後遺症でお悩みであれば、一度当院へご相談ください。 参考文献 日本整形外科学会 パンフレット 「整形外科シリーズ2 腰椎椎間板ヘルニア」 佐藤正人, 石原美弥, 荒井恒憲, 菊地眞, 持田譲治. 日本レーザー医学会誌 31(2): 146-151, 2010. 腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021 改訂第3版. 宮本雅史, 中嶋隆夫. 日内会誌 105:2210-2214, 2016. Tonami H, et al. AJR Am J Roentgenol 173 : 1383―1386, 1999. ▼以下もご欄になりませんか PLDDの有効性と術後の痛みや経過について
2024.03.08 -
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PLDD治療と費用、再生医療の可能性について解説します 椎間板ヘルニアは多くの人々が抱える健康問題であり、その治療法は常に進化を続けています。そこで近年、注目を集めているの先進医療をご紹介いたします。それが「PLDD(Percutaneous Laser Disc Decompression )」といわれるもので日本語に直すと「経皮的レーザー椎間板減圧術」といわれるものです。 この治療法は、レーザーを用いて椎間板の圧力を軽減し、痛みを和らげるもので、従来の手術に比べて身体への負担が少ないことが特徴というものです。 本記事では、PLDDについてと、その治療メカニズムと併せて気になる健康保険の適用や医療費控除の適用、費用に関する解説をします。 また後遺症の治療における再生医療の可能性について詳しく解説します。 PLDDとは PLDDは、1980年代初頭に開発されたレーザーを用いた最新の治療法です。主に頚椎や腰椎の椎間板ヘルニアに対して行われます。 治療は局所麻酔のもと、針を椎間板に挿入し、レーザーを照射して椎間板内の圧力を低下させ、ヘルニアを小さく縮ませることで神経の圧迫を押さえて痛みを軽減させるものです。 この方法の大きな利点は、局所麻酔下で行うことができるので入院の必要がなく、日帰りで行えるため、患者の負担が少ないことです。従来の外科手術に比べて侵襲が少なく、術後の回復も早いという利点もあります。また針を刺して行うため傷口が大きくならない点も利点です。 手術もレーザー用の注射痕程度になるため、感染による合併症の心配も少ないと言えます。 PLDDが最も適応するのは、「膨隆型(ぼうりゅうがた:椎間板が膨らんだような形になり、神経を少し圧迫しているタイプのヘルニア)」とされています。 ただし、椎間板の変性が進んでしまったケースでは、PLDDを行っても椎間板ヘルニアの症状が改善しないことがあるようです。 PLDDの利点 治療:レーザーによる手術 入院:不要(日帰りで可能) 手術痕:レーザーを照射するための針穴のみ 手術:局所麻酔 手術:合併症(細菌感染等)の可能性が低い レーザー治療の仕組み PLDD治療は、局所麻酔のもとで行われます。まず、針を椎間板に挿入し、その後レーザーをファイバーを通して照射します。レーザー光によって椎間板内の水分が蒸発し、ヘルニアが縮小するため、神経への圧力が減少します。これにより、神経根への圧迫が緩和され、痛みが軽減されるという仕組みです。 治療時間は約30分程度で、多くの場合は日帰りでの治療が可能です。 PLDDの費用と保険適用の現状 PLDDの費用は、クリニックによって異なりますが一般的には30万円から50万円程度が相場とされています。現在、PLDDは日本では健康保険の適用外となっています。そのため、治療費は全額自己負担となりますが、医療費控除の対象となる可能性があります。 医療費控除とは、一定期間内に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超えた分について所得税から控除される制度です。PLDDの治療費も、他の医療費と合わせて年間10万円を超える場合は医療費控除の対象となる可能性があります。しかしながら、医療費控除を受けるためには確定申告が必要です。 健康保険:適用外 費用感:30万円~50万円 先進医療とPLDD 頚椎椎間板ヘルニアに対するPLDDは、厚生労働省による先進医療の指定を受けていましたが、数年前に取り消されています。 その理由としては、PLDDは日本での普及がまだ進んでいないからといったものです。 しかし、その後もPLDDの効果や安全性については多くの臨床研究によって実証されており、今後は保険適用の対象となることが 期待されています。 PLDDはどんな病院で受けられるのか PLDDを受けられるクリニックは全国にありますが、施設によって技術や設備に差があります。 治療を受ける際には、事前に情報を収集し信頼できる施設 を選ぶことが重要です。また、治療後のフォローアップ体制も確認しておくと安心です。 後遺症の治療と再生医療 PLDD治療は、傷口も少なく身体に与える負担はとても小さい治療です。そのため、PLDDそのものによる後遺症はほとんどないと考えられます。 その一方で、ヘルニアそのものによる症状が残ることもあり、後遺症となってしまう場合があります。このようなヘルニアの後遺症に対しては、脊髄神経の再生を目的とする再生医療 による治療が有効な場合があります。 再生医療では、患者自身の幹細胞を用いて損傷した脊髄神経の再生を目指します。具体的には、患者様ご自分の血液や脂肪を採取し、培養「自己間葉系幹細胞 」として損傷部位に投与するものです。 この自己間葉系幹細胞 には、脊髄神経の再生を促したり 、部分的に再生したりするといった能力があるとされますが、厚生労働省の許認可が無ければできない先端医療です。 脊髄の再生医療では、手術やPLDD治療ではできない、脊髄神経そのももの再生が可能となるのです。 https://www.youtube.com/watch?v=GcUDE6GCblE まとめ・PLDD治療と費用、再生医療の可能性について 今回は、PLDDはどのようなものなのか、費用、保険適用、医療費控除、どのような病院で受けられるのか、そして後遺症の治療における再生医療の可能性について解説しました。 PLDDは、レーザーを活用した医療技術として、椎間板ヘルニア の治療に新たな選択肢を提供しています。費用は自己負担となりますが、医療費控除の対象となる可能性があります。 治療を検討する際には、クリニック選びやフォローアップ体制にも注意が必要です。PLDDは今後、さらなる普及と発展が期待される治療法です。 一方で、PLDDを行っても頚椎あるいは腰椎の椎間板ヘルニアによる後遺症が残ってしまうこともあります。こうした場合には、再生医療による治療も選択肢として上がります。 当院では、脊髄損傷 に対し、自己脂肪由来幹細胞治療という再生医療を行っています。 これは、自分の脂肪組織や血液から幹細胞を抽出、培養し、点滴で静脈注射、 あるいは当院独自技術として脊髄腔内に直接幹細胞を投与することができる、脊髄腔内 ダイレクト注射療法もあります。 再生医療にご興味のある方や、治療を考えたいという方は、 ぜひ一度当院までご相談ください。 参考文献 レーザーによる経皮的椎間板減圧術 (PLDD法) の経験.中四整会誌.1997;10 (2): 229-233. Hellinger J. "Technical aspects of percutaneous laser disc decompression (PLDD)." Lasers in Surgery and Medicine, 1999.Dec;16(6):325-31. 【保険適用外の手術費用の補助】保険適用外の手術(ヘルニアのレーザー手術)を受けたのですが、その費用(約50万円)は高額医療費として一部支給されないのでしょうか?また、支給を受けるためにはどのような手続きが必要になるのでしょうか? | よくある質問 | 日本アイ・ビー・エム健康保険組合 既存の先進医療に関する保険導入等について 平成 22 年1月 20 日 先進医療の各技術の概要|厚生労働省 Mochida J, et al. "Regeneration of intervertebral disc by mesenchymal stem cells: Potentials, limitations, and future direction." European Spine Journal,2006 Aug;15(Suppl 3): 406–413. ▼以下もご参照いただけます ヘルニア治療、PLDDの術後後遺症に対する最新治療とは!?
2024.03.07 -
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PLDDの有効性と術後の痛みや経過について 首や腰の痛みを引き起こすとともに、手や足へ分布する神経を圧迫して厄介な痺れを引き起こす椎間板ヘルニア。進行すると、筋力低下をきたしたり、排尿障害を起こしたりもします。 つらいヘルニアの治療法の一つであるPLDDは、 手術療法の中でも体への負担が非常に低いとされています。傷は小さく日帰り手術もできる、一見魅力的な方法と思えますが、有効性や安全性はどうなのでしょうか。 この記事ではPLDDについての紹介や、有効性・術後の経過などについて解説します。 椎間板ヘルニアの治療とPLDD 椎間板ヘルニアの治療の基本は、 痛み止めやリハビリなどの「保存療法」です。しかし、保存療法の効果がない場合には手術が検討されます。 現在、椎間板ヘルニアの手術は多くの種類があります。特に「体への負担が少ない」とされている治療の一つがPLDDです。 PLDDはPercutaneous Laser Disc Decompressionの略称で、日本語では経皮的レーザー椎間板減圧術と呼ばれている術式です。現在、いくつかの病院で腰椎や頚椎の椎間板ヘルニアに対する治療として行われています。 PLDDでは特殊な針を使って背中から椎間板の中央へとレーザーファイバーを通します。椎間板の中央部には「髄核」というゲル状の柔らかい物質があり、髄核が飛び出してくるのがヘルニアの原因です。 PLDDではこの髄核をレーザーで焼いて気化させてしまうのです。これにより、椎間板の内圧を下げることができます。焼いた部分は空洞化し、椎間板は穴を埋めようと縮むため、ヘルニアが改善するのです。 PLDDで用いる針は細く柔軟性が高いものです。局所麻酔のみで手術が可能で、侵襲(手術の傷) が少ないため、病院によっては日帰り手術も可能となっています。傷も非常に小さくて済みます。 PLDDの費用は? PLDDは公的健康保険の適応として認められていません。そのため、治療に関連する医療費全てが自費になります。 つまり、手術手技に関連した費用のみでなく、適否を見極めるための診察や検査の費用・関連した処方などもすべて患者さんの自己負担となるのです。病院によって費用は異なりますが、数十万の医療費がかかります。 かつてPLDDは厚生労働省の指定する「先進医療」であり、特定の医療機関では保険診療との併用が認められていました。この場合は手術に関連した費用のみ自費で、その他の診察や検査・処方にかかわる費用は公的保険を用いることが可能でした。 しかし、平成24年に「有効性や効率性が十分に示されていない」ということで先進医療の指定から削除されたのです。 PLDDって効果がないの? 先進医療から取り消されたということは、 効果がないということでしょうか。 PLDDの有効率は文献によってばらつきますが、おおむね70%程度と報告されています。もしかしたら、「そんなに悪くないのでは」と感じた人もいるかもしれません。 腰椎椎間板ヘルニアにおいては、診療ガイドライン上手術療法で推奨されるのは「椎間板切除術」です。椎間板切除術後、ヘルニアが再発して再手術が必要になるのは、術後5年で1.5〜8.5%と報告されています。 単純比較はできませんがPLDDはこれらよりも治療成績に劣るとされています。 もう一つ、頭に入れておかなければいけないことは、PLDDが効かないヘルニアがあるということです。先ほどの「70%の人に有効」というのは、PLDDの効果が期待できる人を選んで行った成績です。 PLDDが適しているのは、保存療法が効かない患者さんのうち、ヘルニアが「後縦靭帯」を突破していない患者さんです。 図1,2 後縦靭帯を突破していない図 引用)腰痛を診る.日本医科大学医学会雑誌.2006(2):42-46. p44 PLDDは,椎間板の内圧を下げることでヘルニアによる圧迫を改善させる効果があります。しかし、後縦靭帯を破って外に出てしまったヘルニアの場合はすでに椎間板内圧が下がってしまっていて、髄核を焼き飛ばしてもヘルニアは縮みません。 残念ながら適切でない方に行われるケースもあり、そうなると「効果がない」のです。 PLDDの手術中や手術後の痛みはどのくらい? PLDDは小さな針を刺すだけなので、他の手術のように手術に伴う痛みが少ないことがメリットの一つです。 最初に皮膚に局所麻酔を行うことで、針を刺すときの痛みもカバーされます。そして、切開をする必要がないため、手術後に「傷の痛みがつらい」ということがありません。 したがって、手術に関連した痛みは最小限で済む術式と言えるでしょう。 PLDDの術後の経過は? PLDDは他の手術よりも即効性には乏しいです。 ヘルニアが退縮することで、神経の圧迫が軽くなっていきますが、それには時間がかかるのです。個人差はありますが、術後1週間程度から徐々に症状が改善され、2〜3ヶ月ほどで良くなったことが実感されてきます。 そのため、すぐにでも良くしたい、という人は他の方法を選んだ方が良いでしょう。 PLDDにも合併症はあるの? 傷が小さく一見安全な手術のように思えるPLDDにも、合併症が起こるリスクがあります。 合併症の例として、感染やレーザーの影響による骨壊死などが挙げられます。 中でも、術後後遺症として長期に日常生活に深刻な影響を与えるのが神経障害です。レーザーの誤照射や針による損傷、血腫を作ることで圧迫されることで神経が傷つき、もともとあった痺れが悪化したり新規に痺れたりすることがあります。 まとめ・PLDDの有効性と術後の痛みや経過について 椎間板ヘルニアの治療法の一つであるPLDDは、低侵襲であることから、早く日常生活に復帰したい人にとっては良い選択肢かもしれません。 しかし、高額な費用負担、有効性の問題、また適応が広くないことなど手術を受ける上での問題も少なくありません。 また、いくら体への負担が少ないといっても、神経障害をはじめとした合併症リスクもあるため、慎重な選択が必要です。 なお、当院ではPLDDを含めたヘルニアの術後後遺症に対して再生医療の一つである「幹細胞治療」を提供しています。これは万能細胞である幹細胞を障害部位へ届けることで組織の再生を促すものです。 従来、神経損傷に対する幹細胞治療では点滴で幹細胞を投与してきました。当院では、点滴に加えて脊髄腔内に直接幹細胞を注入する手法も行っています。 脊髄腔内ダイレクト注射療法により、さらに多くの幹細胞を損傷した神経に届けることができるようになりました。 さらに国内でも有数の細胞加工室の高い技術により、幹細胞を凍結することなく保存しています。フレッシュな幹細胞の投与により、良好な治療成績をおさめています。 https://www.youtube.com/watch?v=5JqLxbYwLJ4&t=3s ▶PLDDの術後後遺症でお悩みであれば、ぜひ当院の最新治療をご検討ください。 参考文献 小坂理也. 整形外科看護 10(4): 329-333, 2005. 加藤昌代, 西山敬浩, 加藤篤史, 笹生豊, 大橋健二郎. 東日本整形災害外科学会雑誌 15(1): 111-114, 2003. 井上和彦, 橋本俊彦, 関根千晶, 千葉純司. 日本レーザー医学会誌 22(1): 5-14, 2001. 慢性疼痛診療ガイドライン 宮本雅史, 中嶋隆夫. 日内会誌 105:2210-2214, 2016. 佐藤正人, 石原美弥, 荒井恒憲, 菊地眞, 持田譲治. 日本レーザー医学会誌 31(2): 146-151, 2010. 腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021 改訂第3版. 厚生労働省 HP 腰痛を診る.日本医科大学医学会雑誌.2006(2):42-46. p44 ▼以下のご覧いただけます PLDD治療、そのメリット・デメリットやリスクとは?
2024.03.05 -
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PELD(経皮的内視鏡下 腰椎椎間板摘出術)の術後にやってはいけないこと 椎間板ヘルニアは、背骨のつなぎ目にある椎間板がつぶれて飛び出すことにより、脊髄を圧迫し症状が出現します。椎間板ヘルニアによる腰痛や下肢痛、下肢の痺れを改善するには、脊髄を圧迫しているヘルニアを削り取って圧迫を除去しなくてはなりません。以前は4,5cm皮膚を切開して背骨まで達し、背骨を露出してこのヘルニアを除去する切開法が行われていました。 近年、経皮的内視鏡下 腰椎椎間板摘出術(Percutaneous Endoscopic Lumbar Discectomy: PELDまたはPED)という内視鏡手術によって、このヘルニアを摘出する方法が多くの医療機関で行われるようになりました。 患者さんへの負担が少なく、非常に良い手術なのですが、手術に「リスクゼロ」はありません。手術中はもちろん、術後の生活の仕方によっても、脊髄損傷など後遺症が生じる可能性があります。 今回は、PELD(PED)の術後にやってはいけないことや注意点をお話しします。 PELD(PED)とは? PELD(PED)は、脊髄を圧迫している状態のヘルニアを、内視鏡で取り除く手術です。従来全身麻酔が主でしたが、局所麻酔で行う施設も多くあります。傷口も従来の方法とは異なり、内視鏡を挿入する穴を作るだけなので、患者さんの身体への負担が非常に小さい手術です。 しかし、神経の束である脊髄に最接近して行う手術ですので、非常に高度な技術が必要です。手術が成功しても術後の生活動作によって脊髄を損傷してしまうこともあり、術後も注意が必要です。 PELD術後にやってはいけないこと、注意点 PELD(PED)は、脊髄の近くを処置する手術です。内視鏡手術のため、傷口はとても小さく済み、術後の痛みも従来と比べると痛みは少ないです。そのため、術後は腰の痛みも軽減し、日常の生活は普通にできます。 しかし、PELDの術後は腰に負担をかけるような運動は、3か月程度は控える必要があります。 まず、術後1週間は、かがむ際には腰を曲げずに、膝など下肢を曲げて姿勢を低くしてください。腰を曲げて床に落ちたものを拾うことなどはやってはいけません。腰の痛みがずいぶん楽になるので動けてしまうと思いますが、気を付けましょう。 腰を曲げる動作だけではなく、腰をひねる動作もやってはいけません。ふいに振り向く時が非常に危険です。足踏みなど足を使って、身体全体で振り向くようにしましょう。 ヘルニアを手術で削るとき、腰の背骨を支えるじん帯にもある程度の障害が起こります。その傷が安定するまでは腰をひねることはPELD(PED)の術後にはやってはいけません。 2週間後から、通学・通勤可と言われるケースが多いのですが、引き続き腰を曲げる動作や腰をひねる動作もしてはいけません。大体3週間後からは通常の日常生活は問題なく行えるようになることが多くあります。 それでも腰を曲げたり、ひねったりする動作は医師と相談をして、気を付けてゆっくり行いましょう。 術後に注意して欲しいこと かがむ際には腰を曲げずに、膝など下肢を曲げて姿勢を低くする 腰を曲げて床に落ちたものを拾うことはNG ふいに振り向くなど、腰をひねる動作 腰に負担のかかること 手術後3か月経つ頃には、ラグビーなど激しいスポーツも可能となります。 しかし、腰は大切な部分です。今後もヘルニアが起こる可能性や、ぎっくり腰にも注意しつつ、腰に負担をかけないような工夫をして生活しましょう。 PELD(PED)の術後に脊髄損傷が起こってしまったら? PELDの術後にやってはいけないことや注意点をお話ししてきましたが、術後早期に腰を曲げたり、腰をひねると、脊椎の中を通る神経の束である脊髄が傷ついてしまい、脊髄損傷を起こしてしまうことがあるのです。 脊髄損傷は一度起こってしまうと自然には治りません。現代の通常医学、保険診療などでも損傷を修復することはほぼ不可能です。PELD(PED)の手術後は、腰を大切に行動することが必要なのです。 大切に過ごしていても、脊髄損傷が起こってしまう可能性は十分あります。 PELD(PED)の術後の脊髄損傷の主な症状としては、下肢の知覚低下や、痺れ、麻痺などがあります。PELD(PED)の術後にそのような症状が現れたら、手術をした医療機関に連絡をしましょう。 脊髄損傷に効果的な先進技術!再生医療 一般的に、損傷した大きな神経は修復することができません。PELD(PED)での脊髄損傷は、下肢の麻痺による歩行困難となる可能性があります。この場合、車いすでの生活を余儀なくされる可能性もあります。 脊髄損傷に対して、現在では効果的な最新医療があります。それは、幹細胞を使用した再生医療です。幹細胞とは、体のさまざまな組織に変化をすることができる細胞で、損傷した組織に投与することで、組織の修復を促すのです。 脊髄損傷では、脊髄にその幹細胞が届くように投与し、損傷した脊髄の再生を促します。当院では、脊髄腔内に直接幹細胞を注射するダイレクト注射療法を行っており、脊髄損傷の部位に効果的に幹細胞を投与できる独自の技術を持っています。 脊椎という背骨の中に脊髄は入っているのですが、脊髄は膜に包まれて背骨の中に入っています。髄腔とは、その膜と脊髄の間の空間です。当院では、その髄腔に注射で幹細胞を投与するので、脊髄損傷部位に幹細胞が入っていきやすいのです。 まとめ・PELD(PED)の術後にやってはいけないことや注意点 今回は、PELD(PED)の術後にやってはいけないことや注意点を解説しました。 PELD(PED)は、椎間板ヘルニアによる腰痛や下肢痛を改善するための内視鏡を用いた手術です。しかし、手術後には注意が必要で手術の直後から3か月間は、腰に負担をかけるような動作を控えることが重要です。 かがむ際には腰を曲げたり、腰をひねるような動作は避けなければなりません。また術後には、脊髄損傷が起こる可能性もあるため注意が必要です。違和感を感じたら、早めに医療機関に相談してください。 尚、脊髄損傷に対しては再生医療という新しい治療法も注目されています。特に幹細胞は、体のさまざまな組織に変化をする細胞で損傷した組織に働きかけて修復を促します。 PELDの術後の後遺症で悩まれている方は現代医学の最先端である、幹細胞を使った再生医療も選択肢に加えられてはいかがでしょうか。当院は厚生労働省から認可を受けた再生医療専門クリニクですのでお気軽にご相談ください。 腰を守り、健康な生活を送るために、適切なケアを心がけましょう。 参考文献 Mesenchymal stem cell-derived extracellular vesicles for immunomodutation aregeneration:a next generation therapeutic tool? Kou M,Huang L, Yang J, et al Cell Death Dis.2022;13:580. ▼以下も参考にしていただけます 椎間板ヘルニアの内視鏡手術|PELD(PED)とMEDの違いとは
2024.03.01 -
- 幹細胞治療
- 腰椎椎間板ヘルニア
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椎間板ヘルニアの内視鏡手術|PELD(PED)とMEDの違いについて 椎間板ヘルニアに対する手術治療法として、現在内視鏡を用いたPELD(PED)やMEDといった方法が普及しつつあります。いずれも内視鏡を使用した、従来よりも体への負担が小さい手術ですが、それぞれには違いもあります。 今回の記事では、そのようなPELD(PED)やMEDの違い、そして術後の後遺症に対する再生医療の可能性について解説していきます。 椎間板ヘルニアとは まずは、椎間板ヘルニアについて簡単にご説明します。 背骨である椎体と椎体の間には、椎間板というクッションのような構造があります。この椎間板は、髄核(ずいかく)というゲル状の部分と、それを包む線維輪(せんいりん)という構造からできています。 椎間板ヘルニアは、髄核を取り囲んでいる線維輪の後方部分、つまり背中側の部分が破れ、髄核が断裂した部分から背中側にはみ出してしまうことで、脊髄などが圧迫されてしまう病気のことです。 この中でも腰椎椎間板ヘルニアは、腰の骨である腰椎で起こるものです。 そして、男女比は約2〜3:1、20〜40歳代の方に多く、好発する部位は腰椎第4番と第5番の間、もしくは腰椎第5番と仙椎第1番の間が多いとされています。 後ろ側に飛び出した椎間板が脊髄や神経根などの神経を圧迫することで、下半身に痛みが生じてくるといった症状が現れてきます。また、腰椎椎間板ヘルニアの他の症状としては、急に起こる激しい腰痛や下半身の痛みがあります。 そして、ヘルニアが進行すると下半身に力が入りにくいという症状がでてきます。また馬尾という脊髄の一番下の方にある糸のような神経部分が圧迫されると、排尿や排便が障害されることがあります。 椎間板ヘルニア手術の種類とそれぞれの特徴 さて、椎間板ヘルニアについての治療法について解説していきます。 腰椎椎間板ヘルニアでは、ヘルニアによって神経が圧迫されるような場合に手術が行われます。最近では、より小さな傷で手術を行う、低侵襲手術(ていしんしゅうしゅじゅつ)が広がりつつあります。 例えば、経皮的内視鏡下腰椎椎間板切除術(Percutaneous Endoscopic Lumber Discectomy : PELD)や、内視鏡下ヘルニア摘出術(Micro Endoscopic Discectomy : MED)などの手術です。なお、PELDとPEDは、腰椎(つまりLumber)が入っているかどうかの違いなので、ほぼ同義と考えて問題ないでしょう。 では、従来の手術、そしてPELDとMEDについて詳しく解説しましょう。 従来の手術法 一般的な手術として、背中の側からアプローチし、椎弓(ついきゅう)という背骨の一部を切り取り、椎間板を取り除くという手術が最も行われています。 この方法は、皮膚や筋肉、骨を削り取るというもので、手術は全身麻酔が基本となり術後2〜3日後ほどで歩行を開始し、入院期間は2〜3週間程度が目安です。 PELD(経皮的内視鏡下 腰椎椎間板切除術) PELDは、7mmほどの細い筒をまず背中側から直接ヘルニア部分まで挿入し、生理食塩水を流しながら、その筒の中へ針のような専用内視鏡を刺入していき、直接ヘルニアを摘出するというものです。 細い内視鏡でヘルニアへアプローチすることが可能であるため、筋肉や骨などの組織への負担が少ないというメリットがあります。その他の利点は、局所麻酔や硬膜外麻酔で治療可能な点、また日帰り手術も可能という点です。 また、傷口が小さいため、術後の回復が早いことも期待できます。 欠点としては、大きなヘルニアや椎体の変形が強い場合、また脊柱管狭窄症などが併存する場合には適応とならない場合があることです。 MED(内視鏡下ヘルニア摘出術) MEDは、PELDと同じように内視鏡を使う技術です。 皮膚を切開して内視鏡や器具を挿入し、ヘルニアの部分まで進めていきます。PELDよりも内視鏡の筒の径が大きくなるため、筋肉が引っ張られたり視野を確保するために骨を削ったりといった操作が加わります。そのため、PELDと比較するとヘルニアの周囲の組織への負担が大きくなるという欠点があります。 一方で、複数の椎間に渡るようなヘルニアでも手術可能なことが多く、またPELDと比較すると全国的にこのMEDの手術を行っている病院が多いという利点があります。 特徴 PELD MED 従来の手術法 皮膚の切開の大きさ 7mm程度 16mm程度 3〜4cm 麻酔の方法 局所麻酔可能 全身麻酔 全身麻酔 手術の時間 1時間程度 2時間程度 1時間程度 術後の入院期間 日帰り可能 1週間程度 1週間程度 体に与える負担 軽い 軽いがPELDに比べると骨や筋肉などに侵襲が大きい 傷口が大きいため負担になる可能性あり PELDとMED、従来の手術の違い まとめ・椎間板ヘルニアの内視鏡手術|PELD(PED)とMEDの違いについて 今回の記事では、椎間板ヘルニアの症状や治療法としてのPELD(PED)、MEDについて解説しました。PELDとMEDの違いについても表にし詳しく述べました。 これらのPELD、MEDといった手術は、従来のような皮膚を大きく切り、直接ヘルニア病変を摘出するという方法に比べると傷口も小さく、体への負担が少ないというメリットがあります。 一方で、どのような手術であっても脊髄損傷や神経損傷の可能性は少ないですが、一定数あり得ることには注意が必要です。また、椎間板ヘルニアが進行していた場合などは、しびれや下半身麻痺などの症状が手術後にも残ってしまうこともあるでしょう。 そのような後遺症に対する治療法を探しているという方に対して、再生医療という方法があります。 当院では、脊髄損傷に対し、自己脂肪由来幹細胞治療という再生医療を行っています。これは、自分の脂肪組織や血液から幹細胞を培養し、点滴で静脈注射する方法や、あるいは当院独自の技術として脊髄腔内に直接幹細胞を投与することができる、脊髄腔内ダイレクト注射療法をご用意しています。 https://www.youtube.com/watch?v=GcUDE6GCblE ▶椎間板ヘルニアや、その術後の後遺症などにお悩みの方で再生医療に興味のある方は、ぜひ当院までご相談ください。 参考文献 腰椎椎間板ヘルニア 診療ガイドライン 改訂第2版.日内会誌.2016:105;2210-2214. 脊椎脊髄疾患について・主な疾患 腰椎椎間板ヘルニア 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 腰椎椎間板ヘルニアにおける内視鏡下 ヘルニア摘出術.整形外科と災害外科.2002.51(1);47-50. 腰椎椎間板ヘルニアに対する経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術(percutaneous endoscopic lumbar discectomy)の適応と限界.脳外誌.2017:26(5);346-352. p347 経皮内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術の現状と今後の展望.Spinal Surgery.2016:30(2);152-158. p152 腰椎椎間板ヘルニアに対する経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術(percutaneous endoscopic lumbar discectomy)の適応と限界.脳外誌.2017:26(5);346-352. p351 ▼椎間板ヘルニアの手術について参考記事 椎間板ヘルニアのPELD(PED)手術のメリット・デメリット
2024.02.28