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肝硬変は、肝炎やアルコール性肝疾患、脂肪肝などが進行した結果、肝臓に線維化が起こり機能が低下する病気です。初期段階では自覚症状が見られないため、症状が現れた時には既にかなり進行していることがあります。 肝機能の悪化や肝がんへの進行を防ぐには、早期発見・早期治療が重要です。 本記事では肝硬変の原因・症状・治療法・予防法について解説します。 なお、肝硬変を含む肝臓疾患に対しては再生医療という治療法があります。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しているので、肝臓疾患でお悩みの方はぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肝硬変とは?肝臓が線維化して機能が低下する重篤な疾患 肝硬変とは、肝臓が長期に及ぶ慢性的な飲酒やさまざまな疾患などにさらされた結果、肝臓が線維化と再生結節の形成により機能が衰える疾患を指します。肝臓は再生能力の高い臓器で、約7割を切除しても再生されるのが特徴です。 ただ、飲酒や疾患の影響で日常的に損傷を受け続けた場合、肝臓に炎症が発生します。炎症が発生した際にも修復は進むものの、その際にたんぱく質の一種であるコラーゲンが生成されます。コラーゲンが過剰に増えて肝臓自体が全体的に線維化が進んだ状態が肝硬変です。 肝硬変の原因 肝硬変の原因には、さまざまな要素が考えられるため、日頃から十分な注意を要します。肝硬変の原因としてよく挙げられるものが、以下のものです。 長期の過剰なアルコール摂取 乱れた生活習慣 ウイルス感染 薬物による肝障害 以上の原因をあらかじめ知った上で、肝硬変のリスクを下げることが大切です。 長期の過剰なアルコール摂取 肝硬変の原因の一つに、長期にわたる過剰なアルコールの摂取があります。 アルコールは肝臓で代謝されますが、その過程でアセトアルデヒドという有害物質が生成され、肝細胞を傷つけます。継続的な大量飲酒により肝細胞の損傷が繰り返されると、肝臓に慢性的な炎症が生じ、やがて肝硬変に進行します。 アルコール性肝疾患は段階的に肝硬変に進行する疾患です。まず肝臓に脂肪が蓄積するアルコール性脂肪肝が起こり、飲酒を続けることでアルコール性肝炎へと進行、最終的にアルコール性肝硬変に至ります。 なお、2018年から2021年の調査によると、日本国内における肝硬変の原因の内訳は以下のとおりです。 アルコール性肝疾患:35.4% C型肝炎:23.4% NASH:14.6% B型肝炎:8.1% (文献1) このように、近年はアルコール性肝疾患が肝硬変の大きな原因となっています。(文献1) 肝硬変に進行する前のアルコール性肝炎の初期症状について解説している以下もご覧ください。 乱れた生活習慣 乱れた生活習慣も肝硬変の原因の一つです。具体的には、日頃の過度なストレスや運動不足、バランスの取れていない食生活などが挙げられます。 生活習慣が乱れて肥満や糖尿病のような生活習慣病を発症すると、肝臓に脂肪肝ができるケースがあります。この脂肪肝も何の対策もせずに放置すると、肝炎を経て肝硬変に発展するリスクがあるため、注意が必要です。 ウイルス性肝炎 ウイルス性肝炎から肝硬変への進行は、一般的に感染から20~30年程度の経過を経て起こります。とくにC型肝炎が肝硬変まで進行した場合、肝がんへの進展リスクが高くなるため注意が必要です。 近年、C型肝炎に対する抗ウイルス薬治療の進歩により、ウイルスの排除が可能となっています。早期にウイルスを排除することで、肝硬変や肝がんへの進行を大幅に抑制できるため、感染が判明した場合は専門医による適切な治療を受けることが重要です。 B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎は、肝硬変の主要な原因の一つです。これらのウイルスが長期間にわたって肝臓に炎症を起こし続けることで、肝細胞の壊死と再生が繰り返され、最終的に肝硬変に進行します。 とくに、高齢者や糖尿病の方は肝臓がんまで進行するリスクが高いため、注意が必要です。 薬物による肝障害 薬物の影響で発症した肝障害が肝硬変の原因になる場合があります。医薬品やサプリメントなどを適正用量を超えて摂取すると、肝臓は損傷を受けます。 また、薬物性肝障害には個人の体質が大きく関わるケースが多く、同じ薬剤でも人によって反応が全く異なります。体質に合わない薬剤では、服用量に関係なく肝障害が起こることがあり、事前の予測は非常に困難です。 肝硬変の症状 肝硬変は進行度により「代償性肝硬変」と「非代償性肝硬変」に分類されます。 代償性肝硬変とは、肝臓の一部が損傷を受けていても、残った健康な肝細胞が機能を補っている状態のことです。この段階では重篤な症状は現れず、多くの患者さんは無症状です。ただし、倦怠感・疲労感・食欲不振などの軽微な症状を感じることがあります。 これらの症状は風邪や日常的な疲労と区別がつきにくく、肝硬変と気づかずに見過ごされることが多いため、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。 病気がさらに進行し非代償性肝硬変になると、以下のような症状が現れます。 腹水 黄疸(おうだん) 食欲不振や体重減少 くも状血管腫 手掌紅斑(しゅしょうこうはん) こむら返り 女性化乳房 これらの症状について解説します。 腹水 腹水はお腹を包む膜(腹膜)とお腹周りの臓器の間にある腹腔に、過剰に水が溜まる症状です。肝硬変の場合、門脈(血管)における圧力の高まりと、血液中のアルブミンの低下が腹水の主な要因です。 肝硬変の進行によって肝臓の機能が衰えると、消化器官から肝臓に向かう血管である門脈の圧力が高まって、流れが悪くなります。すると血液に含まれる成分の血漿(けっしょう)が血管の外に漏れるため、腹水を生じます。 また、肝機能の低下は、血液に含まれるアルブミンと呼ばれるたんぱく質を減少させます。アルブミンには血液中の水分を維持するはたらきがあるのが特徴です。もしアルブミンが減少すると、水分が血管から腹腔に漏れ出て腹水が発生します。 黄疸(おうだん) 黄疸とは、疾患の影響で皮膚や、目の白い部分である眼球結膜が黄色くなる症状です。黄疸もまた、肝硬変の症状が進んだ際に見られます。 黄疸の発生には、赤血球に含まれるビリルビンと呼ばれる色素が関係しています。血液に含まれる赤血球は古くなって機能しなくなると、肝臓で分解されるのが一般的です。赤血球の分解で現れたビリルビンは体外に排出されますが、肝臓の機能が衰えると血液中のビリルビンが増加します。そのために皮膚や眼球結膜が黄色くなります。 なお、皮膚などが黄色くなるほかにも、尿が異常に濃い点や便が白くなる点も特徴です。 食欲不振や体重減少 肝機能が低下した結果、食物に含まれる栄養素の消化吸収能力が衰えるとともに、食欲不振も起こります。十分な栄養を摂取できないため、体重減少や筋肉量の低下、慢性的な疲労・倦怠感が生じます。 くも状血管腫 くも状血管腫とは、皮膚上に発生する、毛細血管が赤い点からクモの足のように広がって見える症状です。肝硬変の場合、首や肩、二の腕などの上半身に起こります。 肝硬変によってくも状血管腫が発生する流れは、具体的には解明されていません。ただ、肝機能の低下でホルモンの代謝が進まなくなったことで発生すると考えられています。 手掌紅斑(しゅしょうこうはん) 手掌紅斑(しゅしょうこうはん)とは、手の親指や小指の付け根部分をはじめ、手のひらに生じる赤い斑点です。紅斑自体に痛みなどの特別な症状はないものの、肝硬変が進んでいるサインとして出現するケースがあります。 こむら返り 夜中寝ている間などに足がつるこむら返りも、肝硬変によって生じる症状です。肝硬変の進行で肝機能が低下すると、体内の水分のバランスや電解質の調整がうまくいかなくなります。 加えて、肝硬変が進むと必須アミノ酸メチオニンの消費量が減ります。メチオニンは筋肉を動かす際に欠かせないタウリンやカルニチンを生み出すのに必要です。しかし、メチオニンの消費量が減る分、2つの物質の生成量も減るため、こむら返りが起きるケースが増えると考えられています。 以下の記事では、こむら返りと肝硬変との関係性について解説しているので、あわせてご覧ください。 女性化乳房 女性化乳房とは、男性の乳房や乳首が肥大化する症状です。男性にも女性ホルモンのエストロゲンはあるものの、通常であれば肝臓の機能によって分解されるため、乳房などは肥大化しません。 しかし、肝硬変を抱えている男性の場合、エストロゲンの分解能力も衰えています。このため、残ったエストロゲンのはたらきによって、男性の乳房や乳首が肥大化する女性化乳房が発生する仕組みです。 肝硬変患者の余命|腹水が溜まった場合は? 肝硬変を診断された際の余命は、病気の進行度によって大きく異なります。腹水が溜まるなどの症状が見られる場合は、肝硬変がある程度進行した状態です。 医学的な重症度分類に基づいた研究では、肝硬変患者の3年後も生存している割合は以下のように報告されています。(文献2) 症状が中程度まで進んだ場合:約71% 症状が重度まで進んだ場合:約31% ただし、実際の経過は患者様の年齢、他の病気の有無、治療への反応などにより大きく異なります。また、腹水などの症状が現れていても、適切な治療を継続することで症状の改善や病気の進行を遅らせることが期待できます。 肝硬変の検査・診断方法 肝硬変への対策には、こまめに検査や診断を受けることが大切です。肝硬変に対して用いられる検査や診断には、次のような方法があります。 血液検査 画像診断 腹腔鏡検査・肝生検検査 それぞれの検査や診断の特徴を知り、有効活用しましょう。 血液検査 血液検査では、肝機能に関する複数の指標を測定し、肝硬変の診断や病態の評価を行います。主な検査項目と基準値は以下のとおりです。 指標 指標が意味するもの 正常値 異常値 AST ・肝細胞の破壊度 ・肝臓の炎症の程度 13~36U/L 51U/L以上 ALT ・肝細胞の破壊度 ・肝臓の炎症の程度 8~36U/L 51U/L以上 γ-GTP ・アルコール性肝障害 ・胆汁の分泌がうまくいっているかどうか 9~47U/L 101U/L以上 血小板数 ・肝臓の線維化の程度 ・門脈圧亢進の指標 15.8~34.8 10⁴/μL 9.9以下・40.0以上 10⁴/μL アルブミン値 ・肝臓でつくられるたんぱく質の量 4.1~5.1g/dL 3.6g/dL以下 (文献3)(文献4) なお、血液検査は会社や自治体、学校の健康診断の一環でも行われています。定期的な健康診断の受診も、肝硬変対策として大切です。 画像診断 血液検査で肝機能の数値に異常がある場合、より精密な画像診断が必要です。画像診断はCTやMRI、腹部超音波など専門の機械によって確認されます。 診断時に撮影された画像をもとに、肝臓のサイズの変化や表面の凹凸、異常な血管の有無をチェックします。肝臓のサイズや形、表面がゴツゴツしているなどの変化が見られる場合、肝硬変の疑いが考えられます。 腹腔鏡検査・肝生検 画像診断とともに腹腔鏡検査や肝生検も行われます。腹腔鏡検査ではお腹に穴を空けた上で、腹腔鏡(内視鏡)を入れて、肝臓の状況を医師が映像で確認する検査方法です。この方法と今までの他の診断結果から肝硬変かどうかを総合的に判断します。 一方、肝生検は、肝臓組織の一部を採取して顕微鏡で観察する方法です。ただし、現在では画像や映像、超音波を用いた方法が主流になっており、肝生検には出血リスクがあることから採用されるケースは必要性が高い場合に限られています。 肝硬変の治療法 肝硬変の診断を受けた場合は、なるべく早い段階での治療が重要です。主な治療法として、以下の方法が挙げられます。 生活習慣の見直し 肝炎の治療 腹水の治療 肝臓の移植 再生医療 肝硬変の治療法を知れば、今後どのように肝硬変を治していくのかをイメージできます。 生活習慣の見直し 肝硬変の治療では、生活習慣の見直しが欠かせません。肝硬変になった際に生活習慣を見直す方法として、以下が挙げられます。 禁酒 食事療法 軽めの運動 肝硬変になっている場合は、禁酒が重要です。とくにアルコール性肝硬変を診断された場合は、それ以上の飲酒は症状をさらに悪化させ、合併症や命の危険のリスクを高めます。肝機能の数値が正常値に下がるまでお酒は控えましょう。 また、肝硬変を改善するためには普段の食事内容の見直しも大切です。野菜や果物でビタミン・食物繊維を、大豆類で良質なタンパク質を摂取しましょう。1日3回、腹八分目でよく噛んで食べると肝臓への負担を軽減できます。 とくに腹水やむくみが見られる場合は、これ以上腹水が増えないように1日に摂取する水分や塩分の制限も大切な要素です。水分は1日1リットル、塩分は1日5~7gに抑えます。(文献5) 運動は軽めに留めることが大切です。肝機能が低下している状態では、激しい運動は体調悪化を招く可能性があります。ただし、休んでいるだけでは筋肉が衰えるため、軽い体操などで筋力を維持しましょう。 肝炎の治療 肝硬変の治療では、原因に応じた肝炎の治療も行います。一言で肝炎といってもさまざまな原因があるため、それぞれに対して適切な方法で治療する必要があるためです。(文献6) 原因 投与する薬剤 B型肝炎ウイルス 抗ウイルス薬の投与: エンテカビルやテノホビルアラフェナミドフマル酸塩など C型肝炎ウイルス 経口抗ウイルス薬 (医師との相談が必要) 脂肪性肝炎 禁酒・食事療法・運動療法 自己免疫性肝炎(免疫異常による肝炎) 副腎皮質ステロイドの投与 なおB型肝炎やC型肝炎の原因ウイルスに対して抗ウイルス薬の効果が見られないときは、肝細胞の破壊を抑える薬剤の投与や、体内の鉄分を減らす瀉血(しゃけつ)療法がとられます。 腹水の治療 腹水が溜まっている状況であれば、塩分の制限とともに、利尿内服薬やアルブミン剤も投与されます。利尿内服薬は尿の生成を促し、体内の余分な水分の排出が期待できる薬剤です。もし通常の利尿内服薬で効果が見込めない場合は、より強力な利尿作用があるトルバプタンなどを使用します。 アルブミン製剤も腹水の改善によく使われる薬剤で、点滴で投与するのが一般的です。腹水を発症している状態は体内の水分量を調整するアルブミンが減少しているため、補うことで腹水の改善効果が期待できます。 肝臓の移植 薬剤の投与などの方法で症状の改善が期待できないときは、肝臓移植を行います。条件に合致する健康な親族の肝臓の一部を移植し、肝硬変自体の改善を図る方法です。 移植の判断は、病状の深刻度や移植しなかった場合に予想される死亡率をもとに判定されます。 再生医療 肝硬変の治療には再生医療をもあります。再生医療では「幹細胞治療」と「PRP(多血小板血漿)療法」と呼ばれる手法が一般的です。 幹細胞治療では、患者様の脂肪から採取した幹細胞を培養してから、患部に投与します。また、PRP療法は患者様の血液から採取した血漿を遠心分離によって血小板の濃度を高め、患部に注射する治療法です。 幹細胞は培養に1カ月ほどかかりますが、施術はどちらも短時間で終了します。入院・手術を必要としないのも特徴です。 当院リペアセルクリニックの肝硬変に対する治療例については、以下の症例記事をご覧ください。 また、再生医療についての詳細は、以下のページをご覧ください。 肝硬変の予防法 肝硬変を予防し、肝疾患の進行を防ぐには、日常生活での取り組みが重要です。 以下の予防法を実践して、肝臓の健康を守りましょう。 適量の飲酒 バランスのとれた食事 定期的な健康診断の受診 これらの生活習慣を継続することで、肝疾患のリスクを大幅に減らせます。 適量の飲酒 普段から飲酒の習慣がある方は、飲む量の調整が欠かせません。多量のアルコールは肝臓を傷つけるとともに、脂肪肝から症状が進行すれば肝硬変になるリスクがあります。 発症のリスクを抑えるには、お酒と上手に付き合うことが大切です。1日に飲むお酒の量に上限を設けたり、週に1、2日は休肝日を設けて肝臓をいたわるのがポイントです。 なお、厚生労働省では「節度ある適度な飲酒」として、アルコール度数5%のビールであれば1日に中瓶1本分(500ml)、アルコール度数15%の清酒であれば1合180mlとしています。(文献7) バランスのとれた食事 無理な飲酒を抑えるとともに、栄養バランスのとれた食事を心掛けることも肝硬変の予防に役立ちます。 食事のメニューは主食・主菜・副菜の組み合わせを意識し、食物繊維や良質なたんぱく質の多い食材を使った料理を食べることが大切です。 なお食べる量や回数も、すでに肝硬変を発症している場合と同じく、1日3回・腹八分目を心掛けます。 一方で脂肪や塩分の多い食事は、肝臓を傷つける恐れがあるため、なるべく避けるべきです。添加物を多く含むインスタント食品も推奨できません。 定期的な健康診断の受診 肝硬変を予防するために、定期的な健康診断を受けましょう。肝硬変は症状が現れにくいため、血液検査により脂肪肝や慢性肝炎の段階で早期発見することが大切です。 健康診断で肝機能異常が見つかった場合は、専門医による詳しい検査を受けて原因を特定します。 脂肪肝であれば生活習慣の改善により改善可能で、ウイルス性肝炎の場合は抗ウイルス薬による治療でウイルスを排除できます。これらの治療により、肝硬変への進行を防ぐことができます。 年1回の健康診断を欠かさず受診し、異常が指摘された場合は早めに医療機関を受診しましょう。 まとめ|肝硬変の治療は早めの定期検診や生活習慣の見直しで対策を 肝硬変は、肝炎やアルコール性肝疾患、脂肪肝などが進行した病気です。症状が進行するまでほとんど自覚が無く、黄疸や腹水などのはっきりした症状が現れる頃には、病気が進行しています。さらに肝硬変まで進行すると完治が難しく、命にもかかわることがあるため、定期的な健康診断による早期発見・早期治療が重要です。 肝硬変の治療法には、食事や飲酒量などの生活習慣の改善や薬剤の投与、肝臓移植、再生医療などの手段もあります。 当院「リペアセルクリニック」では、肝硬変を含む肝臓疾患に対する再生医療を提供しております。肝硬変でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEにご登録いただき、再生医療に関する症例をご確認ください。 肝硬変に関するよくある質問 肝硬変の原因で最多のものは? 近年の研究では、国内で発症する肝硬変の原因として過剰なアルコール摂取が最多である結果が出ています。 アルコール性肝疾患:35.4% C型肝炎:23.4% NASH:14.6% B型肝炎:8.1% (文献1) 肝硬変を予防するためには、アルコールの摂取量を適切な範囲に抑えることが大切です。 肝硬変で死ぬ前は苦しい? 進行した肝硬変では多くの場合、苦しさを伴う症状が現れます。 肝硬変の末期症状は腹水や黄疸、浮腫(むくみ)などが深刻化している状態です。なかでも腹水は症状の進行によって腹部が膨らみ、呼吸困難さえも引き起こします。 また肝機能の低下で体内のアンモニアが分解されないまま脳に達すれば、肝性脳症に陥る場合もあります。肝性脳症では昏睡状態になるケースさえあるほど危険な症状です。 参考文献 (文献1) Hirayuki Enomoto et al. (2024) Etiological changes of liver cirrhosis and hepatocellular carcinoma-complicated liver cirrhosis in Japan: Updated nationwide survey from 2018 to 2021”| Hepatol Res. (文献2) 肝硬変患者の生命予後の検討|厚生労働省 (文献3) 臨床検査のガイドライン JSLM2024|日本臨床検査医学会 (文献4) 判定区分 2025年度版|日本人間ドック・予防医療学会 (文献5) 肝硬変診療ガイドライン 2020(改訂第 3 版)|日本消化器病学会・日本肝臓学会 (文献6) 肝臓病の理解のために |日本肝臓学会 (文献7) アルコール|厚生労働省
2025.11.26 -
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「痛風って腎臓にも悪いって本当?」 「尿酸値が高いって言われたけど、腎臓にどんな影響があるのか不安…」 このような疑問や不安を抱えている方も多いでしょう。 痛風は関節に関わる疾患のイメージが強いかもしれませんが、実は腎臓とも深い関係があります。具体的には、腎機能の低下や痛風腎・尿酸結石などの腎臓系の病気を引き起こす可能性があるのです。 腎臓の状態を良好に保つためには、定期的な検診を受け、腎臓に負担のかからない生活を送ることが大切です。 本記事では、痛風と腎臓の関係や発症しうる腎臓病を詳しく解説します。尿酸値・クレアチニン値が示す健康状態や腎機能を低下させない方法、治療法も紹介するので、参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 「痛風による腎臓病」について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 痛風と腎臓の関係 痛風は単に関節の問題だと思われがちですが、実は腎臓とも密接な関わりがあります。 ある調査では、26,753名の痛風患者のうち、7,245名(27.1%)が腎機能低下と判定されました。(文献1) 痛風患者では、以下のようなプロセスを経て、腎機能が低下していきます。 血中尿酸値の上昇 尿酸塩結晶の形成 腎臓への尿酸塩結晶の蓄積 腎臓の炎症・組織の硬化 腎機能低下 痛風患者の体内では、尿酸が過剰に産生されるか、十分に排出されないことで血液中の尿酸値が上昇します。尿酸値が高くなると、尿酸は血液中で溶けきれなくなり、尿酸塩と呼ばれる結晶の形で沈殿するのです。 この尿酸塩の結晶が腎臓の細い管(尿細管)に詰まると、尿の流れを妨げたり、腎臓の組織に炎症を引き起こしたりします。炎症が起こると、腎臓の組織が傷ついて硬くなりやすいです。これらの変化が長期間続くと、徐々に腎臓の機能が低下していきます。 さらに、血中尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が続くと、それ自体が腎臓の血管を傷つける可能性も指摘されています。 このように、痛風は腎臓に深刻なダメージを与える恐れがあるため、早期発見と適切な管理が重要です。痛風によって引き起こされる高尿酸血症と尿酸塩結晶の蓄積は、さまざまなメカニズムを通じて腎機能の低下を招きます。 痛風で発症しうる腎臓の病気 痛風の影響で発症しうる腎臓の病気は以下の3つです。 痛風腎 尿酸結石 腎炎 病気の特徴を順番に見ていきましょう。 痛風腎 痛風腎は、痛風または痛風と同等ほどの高い尿酸値が長時間持続することで発症する疾患です。 高い尿酸値により腎臓がダメージを受けはじめた段階では、無症状であるケースが多いです。 しかし、腎臓に負担のかかる状態が続き、腎機能が低下していくと、関節の痛みやむくみ、倦怠感といった症状が現れるようになります。 尿酸結石 尿酸結石とは、尿が通る尿路に結石ができる疾患です。 痛風で尿酸値が高くなると、尿が酸性となります。酸性は水に溶けにくい性質があるため、尿酸結石ができやすくなります。 とあるデータでは、痛風患者312例のうち、23.7%に相当する60例に腎結石が認められたと報告されています。(文献2) 尿酸結石の主な症状は、わき腹や下腹部の強い痛みや血尿です。 小さな結石であれば、薬物療法を中心に自然と体外に排出されるのを待ちます。大きな結石の場合は、内視鏡治療で、結石を砕く治療が選択されます。 腎炎 腎炎とは、腎臓が炎症を起こしている状態です。 尿酸値が高いと体内で、尿酸塩結晶が形成されます。この尿酸の結晶が関節や腎臓に溜まることで、炎症や組織の損傷を引き起こすのです。 主な症状は、発熱や腰痛です。慢性化すると、食欲不振や多尿などの症状が現れます。 痛風の腎臓機能低下と関連のある2つの数値 痛風で腎臓機能が低下した場合「尿酸値」「クレアチニン値」の変化が重要な指標となります。 それぞれの値がどんな意味を持つのか、見ていきましょう。 尿酸値 尿酸は、プリン体と呼ばれる物質から生成されます。体内でプリン体が分解される段階でできた老廃物が尿酸で、通常は尿から排出される仕組みです。 尿酸値とは、体内の尿酸濃度を示す数値です。尿酸値は、7.0mg/dLまでは正常値内とされています。(参考3)それ以上の値になると、高尿酸血症となり、痛風や腎臓病の発症リスクを高めます。 尿酸値は血液検査で調べられるので、健康診断や内科の受診を通して検査を受けましょう。 【関連記事】 尿酸値と痛風の関係性|8.0mg/dLはやばい?高い原因と治療法を解説 尿酸値を下げて腎臓の健康を守る!今すぐ始めたい痛風・腎臓病予防の生活習慣 クレアチニン値 クレアチニンは、筋肉を動かすエネルギーを生み出したあとに産生される老廃物です。主に腎臓から排出されますが、腎機能が低下していると体内に残りやすくなります。 クレアチニン値は血中のクレアチニン濃度を示した数値です。 クレアチニン値の正常基準値は以下のとおりです。 男性:0.61〜1.04(mg/dL) 女性:0.47〜0.79(mg/dL) 数値が上昇すると、疲労感や食欲不振、むくみといった症状が現れます。 クレアチニンは血液検査や尿検査を組み合わせて総合的に評価されます。健康診断や自主的な検査の機会で、クレアチニン値の変化をチェックしてみてください。 痛風で腎機能を低下させない方法 ここでは、痛風で腎機能を低下させない方法を解説します。 主な方法は以下の4つです。 食生活を改善する 適度な運動をする 禁煙する 高血圧・糖尿病の治療をする 普段の生活を見直し、腎機能の維持・改善につなげましょう。 食生活を改善する 腎臓を保護するための食事では、以下の点に気を付けましょう。 食事の工夫 説明 プリン体の多い食品を控える 肉類、魚介類、ビールなどのプリン体を多く含む食品は、尿酸値を上昇させるため、摂取を控えめにする。 プリン体の少ない食品を選ぶようにしましょう。 塩分や蛋白質の摂取を控えめにする 塩分や蛋白質の過剰摂取は、腎臓に負担をかけるため、適量を心がける。 塩分は1日6g未満、蛋白質は体重1kgあたり0.8gを目安に摂取しましょう。 十分な水分を摂取する 水分補給は尿酸の排泄を促進し、腎臓の負担を軽減するために重要。 1日1.5~2リットルの水分摂取を心がけましょう。 野菜や果物を積極的に取り入れる 野菜や果物に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維は、腎機能の維持に役立つ。 1日に350g以上の野菜や果物を摂取するようにしましょう。 アルコールは控えめにする アルコールは尿酸値を上昇させ、腎臓に負担をかけるため、摂取は控えめにする。 1日の飲酒量は、ビールなら500ml、日本酒なら1合未満を目安にしましょう。 管理栄養士と相談しながら、自分に合った食事の計画を立てることが大切です。バランスの取れた食事を心がけ、腎臓にやさしい食生活を送りましょう。 適度な運動をする 腎臓の健康を守るには、適度な運動と体重管理が大切です。 適度な運動は体重管理に役立ち、血圧を安定させる効果があります。これにより腎臓への負担が軽減され、腎機能の保護につながります。 肥満は高尿酸血症や腎臓病のリスクを高めます。標準体重を目指し、必要に応じて医師や栄養士に相談しましょう。 禁煙する 喫煙は、腎臓の血管を収縮させ、腎機能を低下させる可能性があります。そのため、喫煙している方は禁煙を検討しましょう。 以下は禁煙の方法です。 禁煙外来で専門家に相談する ニコチンパッチやガムを使う たばこを吸いたくなったときの気分転換方法を見つける 急に断ち切る必要はありません。少しずつたばこの本数を減らし、無理のないペースで禁煙を進めてみてください。 高血圧・糖尿病の治療をする 痛風と高血圧を併発している人は、腎臓に負担がかかりやすくなります。 高血圧によって腎臓の血管が傷つき、尿酸の結晶がたまりやすくなるためです。血圧のコントロールが悪いと、腎臓の障害がさらに進行してしまう可能性があります。 また、糖尿病も腎臓病のリスクを高める重要な因子です。血糖値が高い状態が続くと、腎臓の細い血管が損傷を受け、機能が低下していきます。 高血圧・糖尿病を患っている方は、それらの疾患を適切に治療することで痛風や腎機能低下の根本治療につながるケースも少なくありません。 糖尿病治療の選択肢として、再生医療があります。 再生医療を提供する当院では、メール相談、オンラインカウンセリングを承っておりますので、詳しい治療方法を知りたい方はお気軽にお問い合わせください。 痛風における腎臓病の治療法 痛風で腎臓病を発症した場合、適切な治療を進めていく必要があります。 腎臓病における代表的な治療法は以下の3つです。 薬物療法 透析治療 再生医療 順番に見ていきましょう。 薬物療法 痛風による腎臓病の際に用いられる薬物療法では、尿酸値を下げたり、腎機能を保護したりする治療が行われます。 主な薬物療法の種類と効果を以下にまとめました。 治療法 説明 尿酸値を下げる薬物療法 アロプリノール、フェブキソスタットなどの薬を使用し、尿酸値をコントロールする。 尿酸の産生を抑えたり、排泄を促進したりすることで、尿酸値を下げる。 腎機能を保護する薬剤 腎臓の血管を保護し、タンパク尿を減らす働きのある薬を使用し、腎臓の機能低下を防ぐ。 代表的な薬には、血圧を下げる作用もあるACE阻害薬やARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)などがある。 医師の診断と指導のもとで患者様の状態にあった治療法が選択されます。 透析治療 腎機能が著しく低下し、老廃物が体内に蓄積した場合は、透析治療が検討されます。 透析治療では、腎臓の代わりに尿として排出されるはずの余分な水分や老廃物を取り除きます。 2008年のあるデータでは、痛風腎による新規透析導入数は100人で、透析治療患者全体の0.3%とそこまで高い数値ではありませんでした。(文献4) 透析療法では水分制限や食事制限なども開始されるため、担当医と相談しながら患者様のペースで治療を進める流れが多いです。 再生医療 痛風による腎機能低下の治療法には再生医療の選択肢もあります。 再生医療とは、人間の組織や血液を活用する治療法です。自身の細胞を使用するため副作用も少なく、注射や点滴による治療が多いため、身体への負担が少ないのが特徴です。 再生医療を専門とするリペアセルクリニックでは、無料のメール相談またはオンラインカウンセリングを受け付けております。再生医療の詳しい治療内容や症例を知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。 痛風と腎臓の関係性を知って腎機能を高める生活を送ろう 痛風と腎臓は深く関係しているため、日々の生活で腎機能を守る工夫が必要です。 高尿酸血症のコントロール、腎臓にやさしい食事療法、生活習慣の改善など、さまざまな角度からのアプローチが求められます。 また、定期的な医療チェックと継続的なケアを通じて、合併症の早期発見と適切な対処を心がける必要があります。 痛風と腎臓病を抱える患者さんには、医療従事者とのパートナーシップを大切にしながら、積極的に健康管理に取り組んでいきましょう。 腎臓病の治療の選択肢に再生医療があります。 再生医療を提供している当院では、メール相談、オンラインカウンセリングを承っております。再生医療について詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。 参考文献 (文献1) 痛風患者における腎障害の関連因子の検討|GoutandNucleicAcidMetabolismV (文献2) 原著2痛風患者における腎結石の有病率|J-STAGE (文献3) 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版|日本痛風・尿酸核酸学会 ガイドライン訂正委員会 (文献4) 腎予後に及ぼす高尿酸血症の影響|琉球大学医学部附属病院血液浄化療法部 (文献5) 痛風|MSD マニュアルプロフェッショナル版 (文献6) 健康を考える皆さまへ|千葉県栄養士会 (文献7) 高尿酸血症・痛風の食事療法|順天堂大学医学部附属順天堂医院栄養部 (文献8) 高尿酸血症/痛風|日本生活習慣病予防協会 (文献9) 「高尿酸血症/痛風」|日本生活習慣病予防協会 (文献10) 高尿酸血症・痛風ハンドブック|沢井製薬株式会社 (文献11) 腎臓の病気について調べる 6.全身性疾患に伴う腎障害 7.痛風腎|日本腎臓学会 (文献12) 痛風(高尿酸血症)|愛知県薬剤師会 (文献13) 腎臓の病気について調べる 7.治療|日本腎臓学会 (文献14) 腎臓の病気について調べる 11.腎代替療法|日本腎臓学会
2025.09.30 -
- 関節リウマチ
- 内科疾患
関節の腫れや痛み、朝のこわばりが続いて「もしかしてリウマチ?」と、不安に感じる方もいるのではないでしょうか。 関節リウマチは自己免疫の異常によって関節に炎症が起こる慢性疾患で、進行すると関節の破壊や変形につながるケースがあるため注意が必要です。 本記事では、関節リウマチの特徴や原因、診断方法、治療の選択肢などをわかりやすく解説します。 症状の悪化を防ぎながら生活の質を維持したい方、予防したい方は参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、治療の選択肢の一つ「再生医療」の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 関節リウマチとは 関節リウマチとは、自己免疫の異常によって関節の滑膜(関節を包む薄い膜)に炎症が起こり、腫れや痛み、こわばりを生じる慢性疾患です。 炎症が続くと軟骨や骨が破壊され、関節の変形や機能障害が進行します。 手指や手首、足首など小さな関節から症状が現れるケースが多く、全身の倦怠感や微熱を伴うことも少なくありません。 とくに女性に多く、30〜50歳代での発症が目立つのが特徴です。 関節リウマチの治療には長い期間を要する場合があるものの、早期に診断・治療を開始すれば、関節の破壊を予防して日常生活の質を維持できる可能性があります。 なお、似ている言葉に「リウマチ熱」がありますが、リウマチ熱は溶連菌感染が原因で起こる病気であり、関節リウマチとの関係性はありません。 関節リウマチの初期症状 関節リウマチは、発症初期から指の関節のこわばりや関節の腫れといった、体に特徴的なサインが現れます。 もっとも多いのが指の関節のこわばりで、とくに朝起きた直後に手指が動かしにくくなる「朝のこわばり」が典型的な初期症状です。 こわばりは30分以上続く場合もあり、症状が進むと日常動作に支障をきたします。 また、関節の腫れも初期からよく見られる症状です。 手指や手首、足首などの小関節が赤く腫れて押すと痛みを伴うほか、倦怠感や微熱、食欲低下など全身症状が併発するケースもあります。 炎症によって関節が熱を持ち、左右対称に症状が出るのも特徴です。 指や手首の違和感や腫れが数週間以上続く場合は、早めにリウマチ専門医を受診しましょう。 初期段階で適切な治療を開始すれば、関節破壊や変形の進行防止を目指せます。 以下の記事では、関節リウマチの初期症状についてさらに詳しく解説しているので、参考にしてみてください。 関節リウマチの原因・メカニズム 関節リウマチを発症する原因には、おもに以下3つの要因が考えられています。 自己免疫疾患 滑膜(かつまく)の炎症 遺伝的な素因 関節リウマチは自己免疫疾患の一種であり、本来は体を守る免疫が誤って自分自身の組織を攻撃し、発症します。 関節を覆う滑膜が標的となり、炎症が持続するのが特徴です。 滑膜は関節の動きを滑らかに保つ役割を持ちますが、炎症によって厚く腫れると関節内に炎症細胞や異常な組織が増殖します。 炎症が続くと組織が軟骨や骨を破壊し、関節の破壊や変形を引き起こすのです。 さらに、炎症物質が血流を介して全身に広がると、倦怠感や微熱、貧血などの全身症状を伴うケースもあります。 発症には遺伝的な素因も関与しており、特定のHLA遺伝子型を持つ人では発症リスクが高いことが知られています。 ただし、遺伝だけでなく喫煙や感染症、ホルモンバランスの変化など環境要因も複雑に関係している点も見逃せません。 また、やや専門的になりますが、体内で炎症が起こると「IL-6」や「TNFα」などのサイトカインという物質が過剰に分泌され、さらに炎症を悪化させる点も押さえておきましょう。 なお、関節リウマチの原因については以下の記事でも詳しく解説しています。 関節リウマチになりやすい人 関節リウマチは誰にでも発症の可能性がありますが、特定の年齢層や生活習慣を持つ人で発症率が高いことが知られています。 遺伝的素因と環境要因の組み合わせが影響しており、生活習慣や性別、年齢によってリスクが異なるのです。 ここでは、関節リウマチになりやすい人の特徴を解説します。 30~50代の女性 関節リウマチを発症する男女比は約1:4と女性に多く、とくに30〜50代の発症が目立ちます。(文献1) 女性が多い背景には、女性ホルモンの変動が関係していると考えられています。 女性ホルモンのエストロゲンには免疫調整作用がありますが、分泌が減少すると免疫異常が起こりやすくなるのです。 妊娠や出産、更年期などでホルモンバランスが変化する時期には、関節リウマチの早期発見に敏感になることも対策の一つといえるでしょう。 喫煙している人 喫煙は、関節リウマチの発症リスクを高める重要な要因の一つと考えられています。 タバコの煙に含まれる有害物質が免疫細胞を刺激し、自己抗体の産生を促進するとされているのです。 また、喫煙は発症後の病状悪化や治療効果の低下とも関連します。 禁煙すればリスクを低下させる効果が期待できるため、予防や症状管理の観点からも有効です。 喫煙が関節リウマチに与える影響については、以下の記事でも詳しく解説しています。 関節リウマチの診断基準 関節リウマチの診断には、米国リウマチ学会(ACR)と欧州リウマチ学会(EULAR)が2010年に策定した分類基準が用いられます。(文献2) 診断は以下の表のように臨床所見と血液検査、症状の持続期間を点数化し、合計6点以上で関節リウマチと診断されます。 項目 内容 点数 関節の腫脹 1関節〜10関節以上で加点 0〜5 血清学検査 RFや抗CCP抗体の有無・値 0〜3 炎症反応 CRPや赤沈(ESR)の異常 0〜1 症状の持続期間 6週間以上で加点 0〜1 ただし、上記の診断基準は、あくまで早期から治療を開始するための目安であり、必ずしもすべての症例に当てはまるわけではありません。 実際には、医師による総合的な判断によって診断されます。 関節リウマチの検査 関節リウマチの検査では、症状の確認に加えて複数の検査を組み合わせます。(文献1) 早期発見・治療のためには、血液検査や画像検査などを総合的に評価することが重要であるのが理由です。 ここでは、関節リウマチのおもな検査方法を紹介します。 血液検査 血液検査は、炎症の有無や自己抗体の存在を調べるために行われます。 代表的な検査項目は以下の通りです。 検査項目 目的 リウマトイド因子 自己抗体の値を確認するため 抗CCP抗体 免疫異常の有無をチェックするため CRP(C反応性タンパク) 関節リウマチによる関節炎の度合いを確認するため 赤沈 慢性炎症の有無を評価するため 以下の記事では、関節リウマチにおける血液検査の種類や数値について医師が詳しく解説しています。 尿検査 尿検査は関節リウマチそのものの診断よりも、病気や治療による腎機能への影響を確認する目的で行われ、蛋白尿や潜血の有無を調べて腎臓の健康状態を評価します。 とくに、抗リウマチ薬や生物学的製剤を使用している場合は、副作用の早期発見に有用です。 画像検査 画像検査は、関節や骨の状態を直接評価する方法です。 X線やCT検査は、おもに治療開始後の関節破壊を評価するために行われます。 MRIは、より早期の炎症や骨の損傷を捉えられるのに役立ち、超音波検査は滑膜の炎症や関節液の貯留をリアルタイムで観察可能です。 上記のさまざまな画像検査の組み合わせにより、発症初期から進行度までを的確に把握し、治療方針を決定します。 関節リウマチの治療 関節リウマチの治療は、日常生活の質を維持しながら関節の破壊を防ぐことが主な目的です。薬による治療が中心ですが、生活習慣の改善や自然療法、さらには再生医療まで選択肢は広がっています。 ここでは、「薬物療法」「自然療法」「再生医療」について見ていきましょう。 薬物療法 関節リウマチの治療は、炎症を抑えて関節破壊を防ぐのが目的であり、薬物療法が基本です。 以下のような薬を用います。 抗リウマチ薬:免疫の異常を根本的に抑える 非ステロイド性抗炎症薬:炎症や痛みを軽減する 副腎皮質ステロイド:急性期の症状緩和に用いる また、近年は生物学的製剤やJAK阻害薬など、特定の炎症物質に作用する治療薬も選択肢となっています。 関節機能を長く保つには、これらの薬を症状や進行度に応じて組み合わせ、早期に治療を開始することが必須です。 関節リウマチの薬については、以下の記事でも取り上げています。 「薬を飲まないとどうなのか」なども詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。 自然療法 関節リウマチの治療には、以下の3つの方法による自然療法もあります。 方法 内容 炎症コントロール 抗炎症食材(青魚、野菜など)を積極摂取し、炎症を悪化させる赤身肉、加工食品は控える 腸内環境の改善 免疫細胞の約7割が集まる腸を整えることで、免疫システム全体の正常化を図る。プロバイオティクスや消化酵素の補充が有効。 免疫システムの調整 ホルモンバランスの調整、デトックス、薬用キノコ(椎茸など)による免疫バランスの正常化を行う。 これらのアプローチは数ヶ月単位の継続が必要ですが、体質改善を目指せます。 再生医療 再生医療では、患者様自身の幹細胞や血液を利用する治療法です。 治療法 内容 幹細胞治療 患者様から幹細胞を採取・培養して患部に投与 幹細胞が他の細胞に変化する「分化能」という能力を活用する治療 PRP療法 患者様の血液から血小板を濃縮した液体を作製して患部に投与 血小板に含まれる成長因子が炎症を抑える働きを活用する治療 PRP療法は炎症に対するアプローチであり、根本的な原因に対する治療ではないという点には注意が必要です。 以下では関節リウマチに対する再生医療について紹介しています。あわせてご覧ください。 関節リウマチのしてはいけない10項目 関節リウマチでは、日常生活での工夫が症状の悪化や関節破壊の進行を防ぐうえで重要です。 とくに以下に挙げた10項目は、関節に負担をかけたり、炎症を悪化させたりする可能性があります。 1.激しい運動を避ける 2.関節を冷やさない 3.和式トイレを使わない 4.高さのある枕を使用しない 5.体重増加に気を付ける 6.正座しない 7.重い物を持たない 8.ストレスを溜めない 9.喫煙しない 10.加工食品の摂取を控える 激しい運動や重い物を持つ動作は、関節に大きな負担をかけます。 また、冷えや過剰な体重は炎症を悪化させる要因となるため、十分に注意しなければなりません。 日々の生活習慣においては喫煙や加工食品の摂取を避け、ストレスをためないように心がけることも大切です。 避けるべき生活習慣を見直すことは、結果的に炎症や関節破壊の進行を抑え、日常生活の質を維持しやすくなります。 とくに症状が不安定な時期は、無理をせず関節をいたわる生活を心がけましょう。 関節リウマチのしてはいけない生活習慣については、以下の記事でも詳しく解説しています。 より理解を深めたい方はチェックしてみてください。 まとめ|関節リウマチは早期に対処しよう 関節リウマチは自己免疫の異常で関節に炎症が起こり、進行すると関節破壊や変形を引き起こします。 しかし、早期診断と適切な治療により、症状の改善や進行抑制を目指すことも可能です。 指や手首のこわばり、腫れが続く場合には放置せず、速やかに医療機関を受診しましょう。 また、関節の機能を守るための生活習慣の見直しも欠かせません。 当院「リペアセルクリニック」では、公式LINEにて再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を実施しています。 再生医療についての疑問や気になる症状があれば、以下のLINEボタンからお気軽にお問い合わせください。 関節リウマチに関するよくある質問 何科を受診すれば良いですか? 関節リウマチが疑われる場合は、専門的に診療できるリウマチ科を受診しましょう。 また、整形外科や内科から専門医を紹介してもらう方法もあります。 関節リウマチに市販薬はありますか? 薬局では痛み止めを購入できますが、長期的な症状緩和を目的に市販薬を使い続けることは避けてください。 かえって症状を悪化させる恐れもあるため、必ず医師の診断と治療を受けましょう。 関節リウマチは発熱しますか? 関節リウマチでは、炎症の影響で微熱や発熱を伴う場合があります。 発熱が続くなら感染症の可能性も考慮し、早めに受診し医師の診断を受けましょう。 参考文献 (文献1) 関節リウマチ|大正製薬 (文献2) 関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)|慶應義塾大学病院 健康情報ひろば・KOMPAS
2025.08.31 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
「圧迫骨折が治ったあとに痛みが取れないのはなぜ?」 「痛みが取れないのはどんな後遺症?」 結論、胸椎や腰椎などの圧迫骨折では、痛みの慢性化やしびれなどの神経症状が後遺症として発生することがあります。 その原因はさまざまなので、原因に応じた治療を行うことが重要です。 本記事では、圧迫骨折の後遺症による痛みの原因について詳しく解説します。 痛みの原因とその治療方法を理解するために役立ててください。 また、圧迫骨折の痛みに関するお悩みを今すぐ解消したい方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 \骨折の後遺症に有効な再生医療とは/ 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、圧迫骨折の長引く痛みや後遺症にも改善が期待できます。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 3ヶ月以上続く圧迫骨折の痛みを早く治したい 痛みだけでなく、しびれや脱力感がある 現在受けている治療で期待した効果が得られていない 再生医療は、圧迫骨折の長引く痛みだけでなく、後遺症による神経症状(しびれなど)にも有効です。 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは圧迫骨折の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 圧迫骨折の後遺症による痛みについて 圧迫骨折が治っても、後遺症として痛みが現れることがあります。(文献1)後遺症として痛みが現れる原因は、円背(えんぱい:背中が丸くなる)や偽関節(ぎかんせつ:骨がくっついていない状態)など、人によりさまざまです。 痛みが続くと、家事や社会活動、娯楽などあらゆる日常生活の動作の妨げになります。その結果、身体機能だけでなく、生活の質まで低下してしまいます。こうした悪化を防ぐためにも、痛みの原因に応じた適切な治療を行うことが大切です。 圧迫骨折後に痛みが取れない5つの原因 圧迫骨折後に痛みが取れない主な5つの原因は以下の通りです。 円背が起きている 骨が正常にくっついていない 筋肉が硬くなっている 痛み信号が誤って脳に送られている ストレスや不安を感じている それぞれの詳細を解説します。 1.円背が起きている 圧迫骨折が起きると、椎体(ついたい:背骨を構成する円柱の骨のこと)が潰れて円背になってしまうことがあります。円背は重症になると、神経が圧迫されて以下のような症状が現れます。 下肢の痛み しびれ 筋力の低下 尿失禁 歩行障害 骨粗鬆症による椎体圧迫骨折が原因の円背は、胃や食道の逆流現象や膀胱直腸障害(排尿や排便のコントロールが難しくなる状態)などを引き起こすことがあります。(文献2)これらの症状は、日常生活の動作を低下させる大きな要因になってしまいます。 2.骨が正常にくっついていない 圧迫骨折後に、骨癒合(こつゆごう:骨がくっつくこと)が得られず、偽関節という状態になることがあります。とくに高齢者は偽関節になりやすい傾向です。(文献4)圧迫骨折において、偽関節の状態になってしまうと以下のような症状が現れます。 慢性的な痛み 下肢の麻痺 歩行障害 偽関節のままリハビリテーションをしてしまうと、かえって運動能力が低下する恐れがあるため推奨できません。リハビリテーションの前に適切な治療を受けることが大切です。 3.筋肉が硬くなっている 圧迫骨折では、長期間の安静による動きの制限や痛みによる不自然な姿勢によって筋肉が硬直し、痛みが長引くことがあります。(文献1)筋肉が硬くなると、関節の可動域も制限されてしまいます。その結果、日常生活の動作に悪影響を及ぼします。 4.痛み信号が誤って脳に送られている 圧迫骨折が治ったあとも、中枢神経(脳から全身に指令を送る神経)が痛みの信号を誤って送り続けてしまうことがあります。(文献1)また、骨折中に大量の痛み信号を送り続けていた結果、痛みに対して、過敏になっている場合もあります。 このような痛みは、神経痛と呼ばれ、痛み止めなどが効きづらいのが特徴です。神経痛は早期から治療を始めると、多くの場合は予防できるとされています。 「骨折の治癒後1カ月以上痛みが続いている」「痛みの種類が変わってきた」という場合は、神経痛を疑い一度医師に相談しましょう。 5.ストレスや不安を感じている ストレスや不安、抑うつなど心理的な要因により痛みが長引くこともあります。(文献1)そもそも骨折による痛みそのものがストレスを増大させるため、適切な痛みの管理が必要です。 また、圧迫骨折を含む外傷の痛みによるストレスは、以下のようなさまざまな有害事象を引き起こすリスクもあります。 血圧上昇 不整脈 高血糖 免疫機能の低下 消化器機能の低下 治療中の痛みのケアはもちろん、不安や抑うつ気分を解消して、ストレスの軽減を図る必要があります。 圧迫骨折の後遺症の痛みに対する治療方法 圧迫骨折の後遺症の痛みに対しては、原因に応じた治療を行わなければなりません。 ここからは、圧迫骨折の後遺症の痛みに対する治療方法を原因別で解説します。 円背の場合 円背がある場合は、保存療法と手術療法が検討されます。 保存療法の内容は、痛み止めの処方やコルセットによる矯正、リハビリテーションなどです。 リハビリテーションでは、腹部をへこませて体幹を鍛えるドローインなどの体幹トレーニングを行います。ドローインは、腰回りの筋肉を鍛えて体幹を安定させることで、腰の痛みの改善が期待できます。 下肢の痛みやしびれなどの神経症状が現れている場合は、手術を検討しなければなりません。(文献3) 円背の状況に沿った手術が検討されますが、代表的な方法は以下の通りです。 手術方法 詳細 椎体形成術 潰れてしまった椎体に風船を入れて膨らませる。風船を取り出して空いたスペースにセメントを入れて椎体を形成する。 後方・後側方固定術 スクリューを用いて脊椎を安定させる方法。椎体形成術のみでは、固定が弱い場合または骨が脆弱である場合に行われる。 また、円背の神経圧迫による痛みには、先端医療である再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、長引く痛みや神経損傷の後遺症にも改善が期待できます。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 長引く圧迫骨折の痛みを早く治したい 現在受けている治療で期待した効果が得られていない 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは圧迫骨折の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 偽関節の場合 偽関節の場合も保存療法や手術療法が検討されます。偽関節に対する保存療法は、偽関節の周囲に仮骨ができるまで、長期間硬いコルセットを装着する方法です。そのため、患者様は長期間の辛抱強い協力が不可欠です。 手術においては、円背と同様に椎体形成術が検討されます。痛みの他に遅発性麻痺(骨折後しばらくしてから現れる麻痺)が現れている場合は、セメントの代わりにハイドロキシアパタイト(骨の原料になる素材)を椎体内に入れて、さらにスクリューで固定する方法を行うこともあります。 その他 その他の痛みの原因に対しては、それぞれ以下のような治療方法を検討します。 原因 治療方法 詳細 筋肉の硬直・痛み信号の誤送信 神経ブロック注射 痛みの原因となっている周辺に局所麻酔の注射をして、痛みを緩和させる方法。一時的に痛み信号を遮断して、血流や筋肉の硬直が改善する。 ストレスや不安 薬物療法 抗うつ薬や抗てんかん薬により神経を整えることで痛みを軽減させる。 カウンセリング 感情的な側面の理解を通して痛みを軽減させる。 認知行動療法 痛みの捉え方や行動を修正して痛みを軽減させる。 まとめ|適切な治療やリハビリを受けて痛みを軽減しよう 圧迫骨折で痛みが取れない場合、円背や偽関節による後遺症として痛みが生じている可能性があります。 後遺症による痛みを改善させるには、保存療法、手術療法、ブロック注射など、痛みの原因に合わせた治療が必要です。 痛みの状況や症状をできるだけ正確に医師に伝えて、適切な治療やリハビリテーションを受けましょう。 圧迫後遺症による痛みやしびれを早く治したい方は、再生医療による治療をご検討ください。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、圧迫骨折の長引く痛みや後遺症の改善が期待できます。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 長引く圧迫骨折の痛みを早く治したい 痛みやしびれなどの後遺症に悩まされている 現在受けている治療で期待した効果が得られていない 「具体的な治療法を知りたい」「圧迫骨折の後遺症を早く治したい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 ▼まずは圧迫骨折の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 参考文献 (文献1) 滋賀医大病院ニュースTOPICS|滋賀医科大学医学部附属病院ホームページ (文献2) 脊椎圧迫骨折は円背をもたらす|厚生労働科学研究成果データベース (文献3) 成人脊柱変形|昭和学士雑誌 (文献4) 骨粗鬆症性椎体骨折(偽関節)|福島県立医科大学
2025.07.31 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
更年期に入ってから「肩こりがひどくなった」と感じる方は少なくありません。 これは主に、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少によって自律神経が乱れ、筋肉の血流が悪化することが原因と考えられています。 さらに、姿勢の悪さや運動不足、ストレスなども症状を悪化させる一因です。 しかし、肩こりの根本的な原因を正しく理解し、自宅でのケアや医療機関での治療を適切に組み合わせれば、快適な日常を取り戻すことも可能です。 本記事では、更年期の肩こりが起こるメカニズムから自宅でできるケア方法、病院での治療法までわかりやすく解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 ひどい肩こりの症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 更年期で肩こりがひどくなるのはなぜ?メカニズムを解説 更年期に肩こりが悪化するのは、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少によって自律神経が乱れるのが主な原因です。 エストロゲンには自律神経を安定させる働きがありますが、更年期に入るとホルモンの分泌量が大きく減少します。 その結果、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、血管の収縮や筋肉の緊張が続きやすくなるのです。 とくに、肩や首まわりの筋肉が緊張すると血行不良が起こり、肩こりが慢性化する可能性があります。 また、加齢による筋力低下やストレスが蓄積すると、肩こりがさらに強まることも少なくありません。 更年期の肩こりは、ホルモンと神経系の変化が深く関わってひどくなるメカニズムである点を押さえておきましょう。 更年期の肩こりが起こる7つの原因 更年期に差しかかると、肩こりを訴える女性が増加します。 単なる疲労や年齢の影響だけでなく、ホルモンバランスの変化や生活習慣、自律神経の乱れなどさまざまな要因が複雑に絡み、肩こりになりやすい時期なのです。 ここでは、更年期に特有の肩こりの原因を7つに分類し、それぞれ詳しく解説します。 血流の悪化 更年期になると血流の巡りが悪くなり、肩の筋肉に十分な酸素や栄養が行き届かなくなります。 血行不良が老廃物の蓄積や筋肉の緊張を引き起こし、肩こりの症状を悪化させる原因となるのです。 さらに、冷えやすい体質も血流に悪影響を及ぼします。 血流不足が続くと肩や首の筋肉が硬直し、慢性化した痛みへと進行する恐れもあるため注意しなければなりません。 エストロゲンの減少 更年期に入って卵巣の機能が低下すると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。 ホルモンは血管の拡張や筋肉の柔軟性の維持に深く関与しており、不足すると筋肉が硬くなりやすく、肩こりの原因となるのです。 また、骨密度や関節の状態にも影響し、身体の可動域が狭くなりやすい傾向があります。 肩こりがホルモンの変動が原因の場合、単なるマッサージでは改善しにくい点も懸念材料です。 自律神経の乱れ 更年期の肩こりは、自律神経の乱れも原因の一つです。 エストロゲンが減少して自律神経のバランスが崩れると、交感神経が過剰に優位になって血管の収縮や筋肉の緊張が起こります。 その結果、血流の悪化と相まって肩周辺の筋肉がこわばり、肩こりを引き起こしやすくなります。 また、不眠や倦怠感といった他の更年期症状と肩こりが互いに影響し合うこともあるため、体と心の両方からケアしていくことが大切です。 姿勢の悪さ 日常生活における姿勢の悪さも、更年期の肩こりを悪化させる要因となります。 たとえば、長時間のスマートフォンの使用やパソコン作業により、猫背や前傾姿勢が癖になっていると肩甲骨周辺の筋肉が常に引っ張られた状態になってしまうのです。 姿勢の悪い状態を続けると筋肉の緊張で血流が妨げられ、肩こりが慢性化します。 とくに、更年期は筋肉量の低下も重なって姿勢を支える力が弱まっているため、肩こりを感じやすくなる傾向がある点に留意しておきましょう。 ストレス 更年期は体調の変化に加え、仕事や家庭での役割の変化、将来への不安など精神的ストレスが増す時期です。 ストレスが蓄積すると交感神経が活性化し、筋肉が硬直しやすくなります。 さらに、ストレスによって不眠や疲労感が増幅されて筋肉の回復が妨げられると、肩こりが慢性化しやすくなるのです。 リラクゼーションや趣味の時間を確保し、ストレス緩和と肩こりの軽減につなげていく意識が大切です。 心のケアが、体の不調と深く結びついている点を認識しておきましょう。 運動不足 加齢とともに運動量が減ると、肩こりが起こりやすくなるため注意が必要です。 運動不足になると筋肉量の減少と柔軟性の低下が進み、血流も悪化します。 とくに肩周りの筋肉は使わないと硬くなりやすく、日常の動作だけでも疲労しやすくなるのです。 また、筋肉が弱ると正しい姿勢を維持できなくなり、肩こりを引き起こす要因になります。 定期的なストレッチや軽い運動を習慣化し、肩こり予防につなげていきましょう。 ひどい肩こりは病気の可能性も 慢性的に肩こりが続き、以下のような症状がある場合には他の疾患が関与している可能性があります。 痛みが強い 頭痛や吐き気を伴う 手のしびれがある たとえば、頸椎症や椎間板ヘルニア、高血圧や内臓疾患などが肩こりの原因となるケースもあるため要注意です。 とくに、更年期は体調が変化しやすいため「更年期だから仕方ない」と自己判断せず、異常を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 更年期の肩こりを和らげる自宅ケア方法・治し方 更年期に入ると肩こりが慢性化し、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。 医療機関での治療も大切ですが、日常的なセルフケアによって症状を和らげることも十分可能です。 ここでは、自宅で簡単に取り組める更年期の肩こり対策を紹介します。 ツボ押し 肩こりに効くツボを刺激することで、血流を促進し筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。 正しい位置と押し方を確認した上で、毎日の習慣に取り入れてみましょう。 肩こり解消に適した主なツボには、以下のようなものがあります。 肩井(けんせい):首の根元と肩先との真ん中にあるツボ 天柱(てんちゅう):髪の毛の生え際付近で、首の太い骨の外側にあるツボ (文献1) 指の腹でゆっくりと5秒間押すのを数回繰り返すことで、心地良い刺激となって肩まわりの筋肉がほぐれやすくなります。 ただし、強く押しすぎると逆効果になるため、心地良いと感じる程度の力加減がツボ押しのポイントです。 十分な睡眠 十分な睡眠は自律神経を整え、筋肉の回復を促すために不可欠です。 とくに、更年期にはホルモンの変化によって不眠や眠りの質が低下しやすいため、以下のような対策を心がけましょう。 就寝前1時間はスマートフォンを見ない 寝室を暗く静かに保つ 毎日同じ時間に寝起きする 睡眠中は筋肉が緩んで血流も改善されるため、質の高い睡眠は肩こりの軽減に直結します。 また、十分な睡眠は肩こりの軽減だけでなく、全身の健康維持にも重要です。 ぬるま湯で入浴 38〜40度程度のぬるめのお湯にゆっくりと浸かると、自律神経のバランスを整えやすくなります。 入浴によって体温が上がると血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれやすくなるのです。 以下のポイントを意識して実践してみましょう。 15〜20分程度の半身浴 入浴剤を使用してリラックス効果をアップ また、就寝前に入浴すると入眠しやすくなる効果もあるため、睡眠の質向上にもつながります。 患部を温める 肩こりの原因が肩まわりの血行不良である場合、外から温めると症状が改善するケースがあります。 温めることで局所の血行が促進され、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。 とくに、冷房の効いた環境に長時間いると肩が冷えやすくなるため、温熱ケアは積極的に取り入れたい肩こり対策の一つです。 以下のような方法を試してみましょう。 蒸しタオルや温熱シートを使って肩を温める 冬場はカイロや温熱パッドを活用してしっかり温める ただし、炎症を伴うような強い痛みや熱を持っている場合は、温めると逆効果になる点に留意しておきましょう。 ストレッチ 肩まわりの筋肉をやさしく動かすストレッチは、肩こりの予防と解消に効果が期待できます。 なかでも、肩甲骨周辺の筋肉をほぐすストレッチを試してみてください。 手順は以下の通りです。 1.両ひじを曲げて肩より上に上げ、手は軽く握って鎖骨のあたりに置いて腕がV字になるようにする 2.両ひじをゆっくりと後ろに引き、5秒かけて息を吐く。ひじの位置はできるだけ下げないように注意し、肩甲骨を背骨に向かって寄せる意識で強めに引き寄せる 3.肩甲骨を寄せたまま「ひじを下げてから脱力する」を5回繰り返す (文献2) 起床時と就寝時に5回ずつ、上記の肩甲骨ストレッチを習慣にしてみましょう。デスクワークの合間などに行うのもおすすめです。 ただし、無理な動きは避け、心地よく感じる範囲でストレッチしてください。 入浴後など、身体が温まっている時間帯に行うと効果を高められます。 生活習慣の見直し 日常生活の中で、肩こりの原因となる習慣を見直す意識も大切です。 とくに、更年期に入ると日々の体調が変化しやすくなるため、規則正しい生活リズムを心がけましょう。 たとえば、以下のような点に注意してください。 長時間同じ姿勢を避け、1時間に一度は体を動かす スマートフォンやパソコンの画面を目線の高さに合わせる バランスの良い食事を心がける また、カフェインやアルコールの摂取を控えると、自律神経を安定させる効果が期待できます。 これらの生活習慣の改善は、肩こりの軽減だけでなく全身の健康維持にもつながります。 更年期の肩こりの治療法 更年期の肩こりは、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れが主な原因であり、症状が長引く場合は医療機関での適切な治療が必要です。 ここでは、更年期の肩こりに対する代表的な治療法を2つ紹介します。 ホルモン補充療法(HRT) ホルモン補充療法(HRT)は、更年期に減少するエストロゲンを補う治療法です。 エストロゲンの補充によって自律神経のバランスを整え、肩こりや腰痛の緩和を目指します。(文献3) ただし、更年期障害の中でも重い症状に対して実施される治療法であり、副作用のリスクがある点に注意が必要です。 持病がある場合には、医師の診察と管理のもとで慎重に治療を行う必要があります。 漢方療法 漢方療法は、全身のバランスを整えることを目的とした治療法です。 多種多様な漢方の中から個々の体質や症状に合わせて処方され、肩こりや腰痛だけでなく疲れやすさや冷え、不眠といった更年期特有のさまざまな症状の軽減を目指します。 漢方は副作用が比較的少ないため、長期的な体調改善を目的とする方におすすめです。 また、西洋医学との併用も可能で、症状に合わせて柔軟な治療が行える点もメリットです。 更年期の肩こりだけでなく、腰痛にもお悩みの方は以下の記事もご覧ください。 まとめ|更年期に肩こりが悪化しやすい原因を理解して改善に取り組もう 更年期に肩こりが悪化しやすいのは、エストロゲンの急激な減少による自律神経の乱れや血流の悪化が主な要因です。 また、姿勢の悪さや運動不足、ストレスの蓄積なども複合的に影響しています。 肩こりの原因を正しく理解し、自宅でできるケアや生活習慣の見直しから無理なく始めてみてください。 改善が見られない場合は、ホルモン補充療法や漢方治療といった医療的なアプローチの検討も重要です。 早めの対策と継続的なケアで、更年期の肩こりを無理なく和らげていきましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断を行っております。 再生医療についての疑問や気になる症状があれば、公式LINEに登録してぜひ一度ご利用ください。 参考文献 (文献1) 肩こりの解消法③ かんたんなツボ押し|大原薬品 (文献2) 肩こりにおすすめ!肩甲骨ストレッチ|沢井製薬 (文献3) 更年期相談室|更年期の症状!肩こりや腰痛、背中の痛みの原因と対策
2025.07.31 -
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「最近、心臓がドキドキする回数が増えた」「急に息苦しくなり、不安を感じるときがある」 このような不調が増えたなら、更年期のホルモンバランスの乱れが影響している可能性があります。 更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少により、自律神経の働きが不安定になりやすく、不整脈や動悸などの症状が現れる場合があるのです。 本記事では、更年期に起こる不整脈や動悸の原因から、症状、診断方法、予防・対処法までわかりやすく解説します。 とくに、心と体の不調を抱える更年期世代の方は参考にしてみてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 更年期と不整脈の関係性 更年期になると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。 エストロゲンが減ると自律神経のバランスが乱れ、動悸や息切れ、胸の圧迫感といった不整脈の症状が現れやすくなるのです。 ただし、更年期だからといって誰もが不整脈を起こすわけではなく、個人差があります。 また、不整脈の症状は更年期障害によるものだけでなく、心疾患など他の病気が原因の可能性もあるため、自己判断せず医療機関での正確な診断が重要です。 更年期に起きる動悸の症状 更年期における動悸の症状は、心臓が激しく打つように感じたり、胸がドキドキしたりといった不快感として現れます。 日常生活の中で突然出現し、数秒から数分で収まる場合が多いのが特徴です。 動悸に伴って、息切れや胸の圧迫感、不安感を同時に感じるケースもあります。 とくに安静時や夜間に起こりやすく、寝つきが悪くなる原因になる場合も少なくありません。 動悸の頻度や持続時間には個人差がありますが、継続的に「何もしていないのに心臓が急に速くなる」と感じる場合は注意が必要です。 自律神経のバランスの乱れが原因で心拍調整がうまくいかなくなっている可能性があり、早期に医療機関で検査・診断を受けましょう。 脈が飛ぶ不整脈「期外収縮」とは 「期外収縮」とは、心臓が通常よりも早く1回だけ拍動し、そのあとに一拍の休止が生じる不整脈を指します。 脈が一瞬抜けたように感じられるのが特徴です。(文献1) 正常な心拍に混じって突然早い拍動が起こり、その後に長めの休止が生じるため、脈が一瞬抜けたように感じられます。 多くの場合、健康な人にも見られる良性の不整脈であり、一時的であれば治療の必要はありません。 しかし、更年期の女性はホルモンバランスの変化や自律神経の不調が関与し、頻度が増す場合があります。 また、胸の違和感や不安感を伴う場合は心臓疾患の可能性があるため、医療機関で検査を受けましょう。 更年期に起こりやすい不整脈・動悸・息切れの原因 更年期に見られる不整脈、動悸、息切れの主な原因は、エストロゲンの分泌低下による自律神経の乱れです。 エストロゲンは心血管系の安定にも関与しており、減少すると交感神経と副交感神経のバランスを崩し、心拍の変動を引き起こしやすくなります。 また、次のような要因も症状を悪化させる要素です。 ストレスや不安:更年期には心理的な影響を受けやすく、緊張や不安が心拍数を上昇させる 睡眠障害:ホルモン変動によって睡眠の質が低下し、夜間の動悸や不整脈の発生リスクが高まる 体力の低下や運動不足:筋力や心肺機能の低下が息切れや動悸を助長する原因となる カフェインやアルコールの摂取:刺激物の影響で心拍が不規則になる 上記の要因は単独でも症状を引き起こしますが、複数が重なると症状が強く現れる場合があります また、更年期には血圧の変動が激しくなる傾向もあり、血圧の急激な上昇や下降が息切れの原因となる点にも留意しておきましょう。 症状が慢性化する前に生活習慣を見直し、必要に応じて医療機関を受診することが大切です。 更年期に起こりやすい不整脈の診断・治療 更年期に起こる不整脈の診断では症状の詳細な問診に加え、心電図やホルター心電図(24時間心電図)などの検査を行います。(文献2) 不整脈の種類や頻度、持続時間を確認し、危険性の有無を評価するのが目的です。 必要に応じて血液検査や心エコー検査も追加され、心疾患や甲状腺機能異常など他の疾患との区別も行われます。 治療は不整脈の種類や症状の重さによって異なり、軽度であれば経過観察やストレス管理、規則正しい生活、適度な運動といった生活習慣の改善が中心です。 重症で日常生活に支障をきたす場合は、抗不整脈薬などの薬物療法が行われます。 いずれにしても不整脈が気になるなら、深刻な状態になる前に医療機関で適切な診断を受けましょう。 更年期の不整脈による動悸・息切れの対処法・予防法 更年期における不整脈や動悸、息切れの症状は、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。 症状に応じた適切な対処法を知り、予防につなげていく意識が大切です。 ここでは、代表的な対処・予防法を解説します。 ホルモン補充療法 更年期の不整脈がエストロゲンの分泌低下による自律神経の乱れが原因と判断されると、ホルモン補充療法(HRT)が提案される場合があります。 ホルモン補充療法とは、更年期症状の改善を目的とした治療の一つです。(文献3) 飲み薬や貼り薬、塗り薬などの方法があり、身体の状態に合わせて選択されます。 ただし、副作用として不正出血・乳腺の張り・頭痛、さらに子宮体がんや乳がん、血栓症のリスクがあるため定期的な検診が必要です。 リスクを十分に把握した上で、医師に相談しながら検討しましょう。 漢方薬 漢方薬は、体質や症状に応じて処方される自然由来の治療法です。 副作用が比較的少なく、子宮体がんや乳がんなどの持病があってホルモン補充療法が難しい方や、軽症の方の選択肢の一つとなります。 漢方は全身のバランスを整えることを目的としており、体質や症状に応じて処方されるため、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)や眠気などさまざまな更年期の不調に対して用いられる場合があります。 生活習慣を見直す 更年期中のストレス・疲労・睡眠不足は、不整脈による動悸・息切れの症状を悪化させる恐れがあります。 不整脈の負担を減らすべく、以下の生活習慣を取り入れてみましょう。 食事:バランスの良い食事を1日3食摂り、イソフラボンやビタミンE・C・食物繊維の摂取を意識する 睡眠:夜更かしを避け、規則正しい睡眠・起床を心掛ける ストレス管理:趣味やリラックス時間を確保し、精神的負荷を減らす 上記のような生活習慣が自律神経を安定させる基盤となり、軽微な動悸・息切れの症状悪化を防ぐことにつながります。 無理のない範囲で、家族の協力も得ながら実践していきましょう。 運動する 有酸素運動は心肺機能を高めて血行を促進し、自律神経の調整にも効果が期待できます。 ウォーキング・サイクリング・水中運動などを週に3~5回、各30分程度だけでも続けてみましょう。 また、運動は生活習慣病予防や体力維持にもつながります。 無理のない範囲で日常的に取り入れてみましょう。 飲酒や喫煙を控える アルコールは中性脂肪やコレステロールを増やし、タバコは動脈硬化を進行させます。 微小血管の機能低下を招き、動悸や息切れ、胸痛などを悪化させる可能性があるため控えるべきです。 また、飲酒と喫煙は自律神経に刺激を与え、とくにタバコは血管の収縮を促進し、心臓への負担を大きくします。 更年期の不整脈による動悸・息切れを悪化させる原因にもなるため、控えましょう。 こんな症状があったら要注意|更年期の不整脈セルフチェック 更年期の不整脈や動悸・息切れが気になる場合、自覚症状の客観的な把握が重要となります。 自己チェックの方法の一つが、「簡略更年期指数(SMI)」です。 更年期障害の症状を点数化するチェック表で、動悸や息切れを含む10項目に対して自己評価を行います。 症状 強 中 弱 なし 顔がほてる 10 6 3 0 汗をかきやすい 10 6 3 0 腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0 息切れ・動悸がする 12 8 4 0 寝つきが悪い・眠りが浅い 14 9 5 0 起こりやすく、イライラする 12 8 4 0 くよくよしたり、憂うつになる 7 5 3 0 頭痛・めまい・吐き気がよくある 7 5 3 0 疲れやすい 7 4 2 0 肩こり・腰痛・手足の痛みがある 7 5 3 0 症状の程度に応じて自分で〇をつけ、点数を計算しましょう。 症状の強弱の目安は以下の通りです。 強:毎日のように出現 中:毎週みられる 弱:症状として強くはないがある 合計点を以下と照らし合わせ、医療機関を受診する際の目安にしてください。 0~25点:上手に更年期を過ごしており、これまでの生活態度を続けていきましょう 26~50点:食事や運動に注意しながら、無理のない生活を心掛けましょう 51~65点:医師の診察を受け、生活指導・カウンセリング・薬物療法を受けましょう 66~80点:半年以上長期間の計画的な治療が必要な状態でしょう 81~100点:精密検査を受け、更年期障害のみの場合は専門医での長期的な対応が必要でしょう (文献4) ただし、簡略更年期指数はあくまで目安です。 点数が50点以下の場合でも、具合が悪いときは医療機関を受診してください。 まとめ|更年期の不整脈による動悸を予防しよう 更年期に見られる不整脈や動悸は多くの場合、ホルモンバランスの変化と自律神経の乱れに起因しています。 突然の胸のドキドキや脈の乱れが起こると不安になりますが、早期に対処すれば日常生活に大きな影響もなく過ごすことも可能です。 症状が続く場合には、婦人科や循環器科で検査・診断を受けましょう。 更年期の動悸は体からのサインです。 放置せず、自身の身体と向き合いながら適切なケアを心がけてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断が受けられます。 再生医療についての疑問や気になる症状があれば、公式LINEに登録して一度ご利用ください。 更年期の動悸や不整脈に関するよくある質問 更年期の不整脈が気になる場合は何科を受診すれば良いですか? 更年期に不整脈や動悸が気になる場合は、まず「婦人科」でホルモンバランスを確認します。 ただし、症状が軽度であれば婦人科で問題ありませんが、胸痛や強い動悸がある場合は心疾患の可能性もあるため「循環器内科」を受診しましょう。 更年期の動悸はどれくらい続きますか? 動悸の持続期間は個人差があるため一概にいえないものの、2~3年以上続く場合もあります。(文献5) エストロゲンの変動が大きい50歳前後の更年期に動悸が起こりやすいですが、60歳を過ぎても持続するケースがある点に留意しておきましょう。 一般的には、更年期の終わりとともに軽快する傾向があるとされています。 症状が長引く場合や日常生活に支障をきたす場合は、医師機関を受診してください。 動悸が治らないときはどうすれば良いですか? 動悸が継続する場合は、まず医療機関で精密検査を受けましょう。 心電図やホルター心電図により、心臓由来の異常かどうかが判断されます。 心疾患でない場合は更年期障害として判断され、ホルモン補充療法や漢方薬による対処法が一般的です。 また、生活習慣の見直しも重要になります。 男性にも更年期障害はあるのですか? 男性にも、「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」と呼ばれる更年期障害が起こる場合があります。 男性ホルモンであるテストステロンの分泌低下により、疲労感や抑うつ、不眠、性機能低下などが現れるのが特徴です。 症状が気になる場合は、泌尿器科または男性更年期に詳しいクリニックに相談しましょう。 参考文献 (文献1) 「動悸・息切れ、不整脈」は中高年女性に多く、精神的ストレスの影響も。受診の目安は?|家庭画報.com (文献2) 不整脈の診断・治療|キタ・クリニック (文献3) ホルモン療法とは?更年期対策でやるべき3つの理由|更年期相談室 (文献4) 簡略更年期指数PDF|東京大学医学部附属病院 (文献5) 更年期の動悸や息切れの原因、対処法。症状セルフチェック法や不整脈など他の病気との違いも丁寧に解説。|白金高輪海老根ウィメンズクリニック
2025.07.31 -
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更年期に入ると、突然視界にチカチカとした光が現れたり、ギザギザした模様が見えたりする「閃輝暗点(せんきあんてん)」に不安を感じる方が少なくありません。 一時的な視覚異常であるケースが多いものの、女性ホルモンの急激な変化や脳・眼の病気が隠れている場合もあります。 とくに、40代〜60代の女性はホルモンバランスの乱れが血管や神経に影響を与えやすく、閃輝暗点を引き起こすリスクが高まるため注意が必要です。 本記事では、更年期における閃輝暗点の原因・症状・治療法・予防法に加え、誤認しやすい他の疾患や注意点について詳しく解説します。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 閃輝暗点と更年期の関係性 突然視界にギザギザした光が現れる「閃輝暗点(せんきあんてん)」と更年期の関係において、現在のところ明確な医学的根拠は確認されていません。 しかしながら、更年期に入っている50代女性に閃輝暗点の発症が見られる傾向がある、という報告もあります。(文献1) ホルモンバランスの変化や血管の収縮・拡張が影響している可能性があり、体調の変化として注意が必要です。 症状が続く場合は、医師に相談することを推奨します。 更年期の方が閃輝暗点を発症する原因 更年期に入ると体の変化によってさまざまな症状が起こり、閃輝暗点による視覚異常を経験する人も少なくありません。 更年期と閃輝暗点に医学的な因果関係は示されていませんが、更年期の女性に多く見られる傾向があることから、いくつかの要因が影響していると考えられています。 ここでは、脳の血管の収縮・拡張、ストレス、食生活の観点から閃輝暗点の原因を解説します。 閃輝暗点の初期症状や治療法など、包括的な解説を見たい方は「【医師監修】閃輝暗点とは|放置によるリスクから初期症状・治療法まで詳しく解説」をご覧ください。 脳の血管の収縮・拡張 閃輝暗点は、視覚をつかさどる脳の後頭葉で一時的に血流が乱れることによって生じると考えられています。 この血流の乱れの背景には、脳の血管が急激に収縮したあと、反動的に拡張するという変化があります。 こうした血管の変動が、視覚情報を処理する神経細胞に一時的な興奮を引き起こし、視界にチカチカとした光やギザギザ模様が現れるのです。 とくに更年期の女性においては、エストロゲンの分泌が急激に低下することによって血管の柔軟性が失われやすくなり、自律神経による血流調整も不安定になりがちです。 そのため、血管の収縮や拡張が起こりやすくなり、結果として閃輝暗点が発生しやすい状態になると考えられています。 このように、ホルモン変動や自律神経の乱れといった体の変化が血管の不安定さを招き、閃輝暗点の原因となる可能性があります。 ストレス 更年期はホルモンバランスの変化だけでなく、仕事や家庭の環境の変化とも重なるケースが多く、精神的なストレスが蓄積しやすい時期でもあります。 ストレスが自律神経を介して血管の収縮や拡張を促進し、結果的に閃輝暗点の原因となる可能性があるため注意しなければなりません。 また、慢性的なストレスは脳内の神経伝達物質の働きにも影響を与え、閃輝暗点を繰り返し発症するリスクを高めると考えられています。 更年期に入ってから視覚に異常を感じるようになった場合、日常生活において精神的な負荷がかかっていないか振り返る習慣も大切です。 食生活 日々の食生活も閃輝暗点の発症と深く関係しているとされています。 たとえば、チーズや赤ワイン、チョコレートなどに含まれるチラミンやフェニルエチルアミンなどの物質は血管を刺激する作用があり、発作の引き金となる可能性があるとされているのです。 また、更年期の女性はカルシウムやマグネシウムが不足する傾向があり、神経伝達や筋肉の収縮に影響を及ぼす可能性が指摘されています。 さらに、基礎代謝の低下によって血糖値の変動も不安定になりがちです。 とくに、高血糖になると脳の血管にダメージを与えやすく、閃輝暗点のリスクが高まります。 バランスの取れた食事を心がけ、急激な血糖値の変化を避ける意識を心がけましょう。 閃輝暗点の症状 閃輝暗点は、突然視界にギザギザとした光や模様が現れる視覚異常です。 視野の中心や端にチカチカとした光が現れ、暗点や視界の欠けが生じる場合があります。 多くは20~30分で自然に消失しますが、人によっては日常生活に支障をきたすケースもあるため注意が必要です。 閃輝暗点の見え方については、以下の記事で詳しく解説しているのであわせてご覧ください。 片頭痛との関連性 閃輝暗点は、片頭痛と深い関わりがあることが知られています。 「前兆のある片頭痛(片頭痛の前に視覚異常が起きるタイプ)」では、閃輝暗点が典型的な前兆症状として出現します。 閃輝暗点の後に、脈に合わせてズキンズキンと激しい頭痛が続くのが特徴です。 ただし、すべての閃輝暗点が片頭痛を伴うわけではありません。 視覚症状だけが単独で現れるケースもあり、とくに更年期以降の女性に多く見られます。 また、月経周期との関連も報告されており、女性ホルモンの変動が神経系に影響を与えている可能性もあるため、発症したら早期に診断を受けましょう。(文献2) 閃輝暗点を放置するとどうなるのか 閃輝暗点そのものは一時的な症状であり、重篤な疾患ではないと考えられがちです。 ただし、繰り返し発症する、頻度が増すといった場合には、脳の血流異常や神経系の障害が進行している可能性も否定できません。 また、一過性脳虚血発作などの視覚異常を起こす他の疾患との鑑別も重要になります。(文献3) とくに高血圧や動脈硬化などの既往がある場合は、脳血管障害の前兆の可能性もあるため注意が必要です。 症状が繰り返される、あるいはこれまでにない状態で出現した場合には、放置せず専門医を受診しましょう。 閃輝暗点の治療法 閃輝暗点の症状は一時的で自然に消失するケースが多いため、ほとんどの場合で特別な治療を必要としません。 しかし、症状が繰り返し現れる、あるいは日常生活に支障をきたす場合には、適切な診断と対処が必要です。 閃輝暗点が片頭痛と関連しているなら、医師の診察のもとで鎮痛剤や制吐剤などを処方される場合があります。(文献4) また、睡眠の質やストレス管理、バランスの取れた食事といった生活習慣の見直しも、発作のリスクを減らせる可能性があります。 はじめて閃輝暗点を経験したり、これまでと異なる症状が出現したりした場合は自己判断で済ませず、「脳神経内科」または「脳神経外科」を受診しましょう。 MRIやCTなどの画像診断で脳の異常を確認できれば、重篤な疾患の早期発見にもつながります。 閃輝暗点の予防法 閃輝暗点の予防には、生活習慣の見直しが必要です。 とくに、更年期の女性はホルモンバランスの変化によって発症しやすいため、徹底した体調管理が求められます。 たとえば、以下のような生活習慣を取り入れてみましょう。 規則正しい睡眠と十分な休養を確保する リラックスできる環境を整える バランスの良い食生活を心がける 長時間のパソコン作業や強い光の刺激を避ける 適度に運動する まず、規則正しい生活を送ることが基本です。 睡眠不足や過度な疲労、急な気温変化などが発症の引き金となるため、十分な休息と体調管理が欠かせません。 また、ストレスも大きな要因の一つであり、過度の緊張や精神的負荷は自律神経のバランスを崩し、発作を誘発しやすくします。 適度な運動や趣味の時間を持つなど、ストレスを溜め込まないように工夫をこらしましょう。 さらに、食事の内容にも注意が必要です。 たとえば、チョコレートやアルコール、コーヒーのカフェインなどは血管を刺激する物質を含むため、摂取を控えたほうが良いとされています。(文献5) 更年期の方が閃輝暗点と誤解しやすい目の病気 更年期の女性は、ホルモンバランスの変化によって身体や精神面にさまざまな症状が現れやすくなります。 突然視界に光が見えたり、欠けて見えたりといった目に関する現象は閃輝暗点として認識される場合が多いですが、実際には他の病気が原因であるケースも少なくありません。 見た目の症状が似ているからと自己判断で済ませてしまうと、重大な疾患を見逃す可能性があるため注意しましょう。 ここでは、閃輝暗点と誤認されやすい代表的な疾患について、それぞれの特徴を解説します。 網膜剥離 網膜剥離は、眼球内の網膜がはがれることで視野に異常が現れる病気です。 放置すれば失明に至る危険もある緊急性の高い疾患であり、視界に突然光が走るほかに、黒い影が出現する「光視症」や「飛蚊症」が前兆として現れる場合があります。(文献6) 閃輝暗点の視覚の異常が突然はじまる症状に類似していますが、網膜剥離は時間とともに悪化する傾向があり、視野の欠損が拡大するため注意が必要です。 視野に異常が続く場合はすぐに眼科を受診しましょう。 頭蓋内疾患 更年期以降は、脳の病気との鑑別も重要です。 脳腫瘍や脳動脈瘤、一過性脳虚血発作などの頭蓋内疾患(ずがいないしっかん)を発症すると、視覚異常が現れる場合があります。 とくに、片側だけの視野障害や持続的な頭痛を伴う場合は頭蓋内疾患の可能性があり、見逃せません。 発症年齢や既往歴からもリスクが高いと判断される場合には、脳神経内科や脳神経外科を早急に受診してください。 飛蚊症 飛蚊症(ひぶんしょう)は視界に浮遊物が見える症状で、閃輝暗点のような光の刺激は少なく、黒い影や点が動いて見えるのが特徴です。 多くは加齢に伴う生理的変化によるものですが、病気が原因のケースもあります。 突然症状が現れたり、数が急増したりする場合は、網膜裂孔や網膜剥離の前兆の恐れもあるため要注意です。 光視症 光視症(こうししょう)は、視界に閃光や稲妻のような光が見える症状です。 閃輝暗点と同じく光が見える症状では似ていますが、光視症は数秒から数分と比較的短時間で消える傾向があります。 ただし、網膜裂孔や網膜剥離の前兆のケースもあるため、決して軽視できません。(文献3) 片眼だけに生じる場合が多く、症状が繰り返されるなら精密検査を受けましょう。 まとめ|更年期の閃輝暗点を放置しないように注意 更年期は心身にさまざまな変化が生じやすく、閃輝暗点のような視覚異常が現れるケースも少なくありません。 一見すると軽い症状に見えても、脳や目の病気が隠れている可能性があるため、安易に自己判断せず適切な医療機関で診断を受けましょう。 症状を繰り返す、長引く、不安を感じるといった場合は、脳神経内科や眼科での受診を検討してください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を実施しています。 再生医療についての疑問や気になる症状があれば、ぜひ一度ご利用ください。 更年期の方の閃輝暗点に関するよくある質問 閃輝暗点は女性ホルモンと関係ありますか? 閃輝暗点は、女性ホルモンやエストロゲンの変動と関係があるとされ、月経や更年期などホルモンバランスが大きく変化する時期に発症しやすい傾向があります。 ホルモンの乱れによって脳内の血流や神経伝達に影響が及ぶと、閃輝暗点が現れるきっかけとなる可能性があるのです。 40代・50代・60代で閃輝暗点を発症し、頭痛なしのケースはありますか? 閃輝暗点は、必ずしも頭痛を伴うわけではありません。 40代以降の女性の場合、視覚異常のみが現れて頭痛を伴わないケースがあります。 ただし、閃輝暗点は加齢や更年期による神経・血管の変化が影響しているため、頭痛がないからといって安心せず、症状が繰り返される場合は医師の診察が必要です。 閃輝暗点を発症した人の脳梗塞になる確率は? 閃輝暗点自体が、脳梗塞を直接引き起こす原因になるとの医学的根拠は現在のところありません。 ただし、閃輝暗点を持つ人に脳梗塞が見つかった症例もわずかながら報告されています。(文献7) とくに、高血圧や糖尿病などのリスク因子がある方は注意が必要です。 また、閃輝暗点が脳梗塞の前兆の可能性もあるため、繰り返す場合は早めに受診してください。 閃輝暗点の発症に、即効性のある治し方はありますか? 閃輝暗点に即効性のある治し方はなく、症状自体に直接作用する特効薬もありません。 発症した際には、以下のような対処法が症状の軽減につながる可能性があるので、試してみましょう。 目を閉じて安静にする 暗い場所で休む 水分を摂る 強い光やストレス、疲労を避ける なお、片頭痛を伴う閃輝暗点の場合は、症状を緩和させる薬物を処方されるケースがあります。 閃輝暗点と肩こり・首こりは関係ありますか? 肩こりや首こりによる血流障害や筋肉の緊張が、脳への血流を不安定にして閃輝暗点の引き金になる場合があります。 とくに、長時間のデスクワークや下を向く姿勢でスマートフォンを使用し続けると、症状が悪化する恐れがあるため気を付けましょう。 正しい姿勢を保つように意識するほか、適度なストレッチで首や肩の緊張をほぐすと予防につながるので試してください。 参考文献 (文献1) 閃輝暗点と更年期障害の関連性|横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 (文献2) 急に視界の一部が見えない:閃輝暗点の原因・症状・対処法|溜池山王 伊藤眼科 (文献3) 閃輝暗点|医療法人脳神経外科たかせクリニック (文献4) 閃輝暗点(せんきあんてん)とは?概要・原因・治療法・予防方法を紹介|わかさ生活 (文献5) 目がチカチカする!?閃輝暗点の原因って?放置するとよくない?症状や予防も解説|医療法人社団慶月会 経堂こうづき眼科 (文献6) 網膜剥離|公益財団法人日本眼科学会 (文献7) 閃輝暗点が脳梗塞である確率|横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
2025.07.31 -
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更年期に差しかかると、心身にさまざまな変化が現れます。 なかでも腰痛は、多くの女性が悩まされる代表的な症状の一つです。 女性ホルモンの急激な減少や加齢、心理的なストレスが複雑に絡み合って腰に不調をもたらしますが、他の病気が隠れている可能性も否定できません。 そこで本記事では、更年期の腰痛の原因と症状、日常生活でできるセルフケアの方法、医療機関での対応について詳しく解説します。 新しい選択肢として注目されている再生医療も紹介するので、腰痛で悩んでいる方は参考にしてみてください。 更年期に発症する腰痛のお悩みを今すぐ解消したいとお考えで、再生医療に興味がある方は当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 更年期と腰痛の関係|主な原因と傾向について 更年期に入ると、多くの女性が体調の変化を実感するようになります。 なかでも腰痛は、日常生活に支障をきたすほどの悩ましい症状の一つです。 ここでは、更年期に起こる腰痛の主な原因と傾向について、4つの視点から解説します。 女性ホルモンバランスの乱れが主な原因 更年期に入ると、エストロゲンを中心とした女性ホルモンの分泌量が大きく減少します。 ホルモンは骨や筋肉、関節の状態に深く関与しており、女性ホルモンの減少が腰痛の原因の一つです。 また、エストロゲンの低下により、骨密度が減少して骨粗しょう症が進行しやすくなります。(文献1) 結果として、腰椎への負担がさらに増してしまうのです。 さらに、関節や筋肉の柔軟性低下も、腰痛を引き起こす要因となります。 ストレスが原因の場合がある 更年期には身体的な変化に加え、心理的ストレスも腰痛に大きく関係します。 ホルモンバランスの乱れによって感情の起伏が激しくなり、不安やイライラを感じることも少なくありません。 自律神経の働きが乱れて筋肉の緊張が続くと、腰痛が悪化するケースがあるのです。 さらに、ストレスは睡眠の質を低下させ、身体の回復機能も阻害します。 身体状態の回復が遅れると慢性的な痛みにつながる恐れもあるため、ストレスに対する心理的なケアも更年期の腰痛対策には欠かせない要素です。 高齢になるほど悪化する傾向がある 加齢に伴う筋力や柔軟性の低下も、腰痛が悪化する一因です。 とくに、女性は閉経後に筋肉量が減少しやすく、姿勢の維持や日常動作に負担を感じるケースがあります。 運動不足が続くと体幹の筋力が低下し、腰椎へのサポート力が弱まってしまうのです。 また、加齢によって背骨の骨と骨の間にある椎間板に亀裂が入ってクッション機能が失われる「椎間板変性症」も、慢性的な腰痛の原因となります。 このような身体の変化は年齢とともに徐々に進行するため、早めの対策が重要です。 他の病気の可能性 腰痛が更年期による可能性が高いとはいえ、他の病気が原因かもしれません。 たとえば、骨粗しょう症による圧迫骨折や変形性脊椎症、椎間板ヘルニアなどの整形外科的疾患が隠れているケースも考えられるのです。(文献2) さらに、腎臓や婦人科系の疾患でも腰部に痛みが出る場合があります。 症状が長引くときや強い痛みがある場合には自己判断で済ませず、医師の診断を受けましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、ヘルニアなどの腰痛に対する再生医療を行っております。 公式LINEでは簡易オンライン診断が受けられるので、腰の痛みにお悩みの方は、登録してぜひ一度お試しください。 更年期の腰の痛み・主な症状 更年期における腰痛には、痛みの部位や強さ、持続時間などさまざまな点で個人差があります。 単なる「腰が痛い」という表現では説明しきれない、多様な症状が存在するのです。 ここでは、具体的な痛みや症状について解説します。 腰全体が重だるい 腰全体に広がる重だるさは、更年期のホルモンバランスの乱れによって筋肉や関節の柔軟性が低下した可能性が考えられます。 とくに、長時間同じ姿勢を続けた後や起床時に感じやすいのが特徴です。 腰全体が重だるい状態は血流の悪化や筋肉の緊張が関係している場合が多く、軽いストレッチや入浴で改善できるケースがあります。 鈍痛が続く 腰の奥の方で感じる鈍い痛みは、慢性的な筋肉のこわばりや骨の異常が関係している場合があります。 鈍痛が続く方は、日常生活の中で無理な姿勢を続けていたり、運動不足が影響していたりするケースも少なくありません。 放置すると悪化する可能性があるため、早めの対処が必要です。 特定の場所が痛い 腰のある一部に集中して痛みが生じる場合、部分的に炎症や筋肉の損傷が起きている可能性があります。 また、関節や椎間板に問題がある場合にも、局所的な痛みとして現れる場合があります。 痛みの範囲が限定されている場合でも、安易に放置せず医師に相談しましょう。 力が入らない 腰部の筋力低下により、物を持ち上げる際に力が入らないと感じるケースも少なくありません。 更年期に伴う筋肉量の減少や運動不足が主な原因であり、体幹の安定性が低下すると腰への負担が増えてしまいます。 とくに、腰周辺のトラブルが原因で神経が影響を受けると、立ち上がりや歩行時に不安定さを感じて危険です。 放置すると転倒リスクが高まる可能性があるため、医師の診断を受けて早めに対処しましょう。 腰に加えて手足にも痛みがある 腰だけでなく手足にも痛みが及ぶ場合は、神経への圧迫や椎間板の変形などが原因になっている可能性があります。 とくに、坐骨神経痛のように腰から足にかけて痛みやしびれが広がる場合には、整形外科的な検査が必要です。 早期の発見と治療が症状の進行を防ぐ鍵になります。 左側・右側など片側だけ痛い 腰の片側だけに痛みを感じる場合、負荷が集中している可能性が考えられます。 たとえば、寝る姿勢や座り方の癖、利き手・利き足の使い方などが原因で、筋肉の使い方に偏りが生じる場合があるのです。 また、腎臓や内臓疾患による関連痛の可能性も否定できません。 片側の痛みが続くときには生活習慣を見直すほか、必要に応じて医療機関を受診しましょう。 更年期の腰痛を治すために自分でできる改善方法 更年期における腰痛は、日常生活の中での工夫で改善できる場合があります。 以下では、セルフケアとして効果が期待できる方法を紹介します。 ツボ押し 体の特定の点を刺激して血流を促進し、痛みを和らげるのが東洋医学のツボ押しです。 腰痛に効果的とされるツボには、「三陰交(さんいんこう)」「八風(はっぷう)」「命門(めいもん)」などがあります。(文献2) 三陰交(さんいんこう):内くるぶしの中心から指4本分ほど上、すねの内側 八風(はっぷう):足の甲の指と指の間、付け根のあたり 命門(めいもん):背骨の腰の部分、へその高さで背面の中央 ツボを指の腹でやさしく押して筋肉の緊張を緩め、血行を良くすることが目的です。 ただし、強く押しすぎると傷める可能性があるので十分に注意してください。 ストレッチ・筋トレ 腰まわりの筋肉を柔らかく保ち、筋力を維持することは腰痛の予防になります。 まずは以下のストレッチを取り入れてみましょう。 【腸腰筋(ちょうようきん)のストレッチ】 1.足を前後に開いて後ろ足の膝を床につける 2.前足の膝に両手を置いて上体をゆっくり前方にスライドさせる 3.元に戻す 4.左右交互に行う 【腰方形筋(ようほうけいきん)のストレッチ】 1.四つん這いの姿勢になる 2.息を吐きながら背中を丸める 3.吸いながら反らす動きをゆっくりと交互に行う 4.5回繰り返す 【脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)のストレッチ】 1.椅子に座って背筋を伸ばす 2.ゆっくりと腰を後ろにひねる 3.深呼吸しながら20秒キープ 4.元に戻って左右交互に行う 体幹トレーニングとして軽い筋力トレーニングも、腰椎を支える筋肉が強化され、痛みの軽減につながります。 ただし、ストレッチや筋トレで筋肉や関節を傷めるケースもあるため、無理のない範囲で継続することが大切です。 温めて血流を改善 腰を温めると血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれやすくなります。 日常的に、以下のような方法を取り入れてみましょう。 ぬるま湯の湯船にゆっくり浸かる 使い捨てカイロを腰に当てる 温湿布を使う 冷えによる血流の滞りは痛みを悪化させる要因となります。 とくに、寒い季節や冷房の効いた室内では意識的に腰を温めるようにしてください。 ビタミンEやたんぱく質を摂取 食事による栄養補給も、腰痛の改善に役立ちます。 なかでも、ナッツ類やかぼちゃなどに含まれている「ビタミンE」は血行を促進する作用があり、筋肉や関節の機能をサポートするのが特徴です。 また、筋肉の修復と維持にはたんぱく質の摂取も欠かせません。 良質なたんぱく質を含んでいる、肉・魚や大豆製品などを意識的に摂取しましょう。(文献3) ただし、持病で医師から摂取を控えるように指示されている食材には注意してください。 更年期の腰痛がひどい場合は医療機関で治療を受けよう セルフケアで改善が見られない場合や痛みが続く、あるいは悪化しているなら早めに医療機関を受診しましょう。 まずは婦人科に相談し、ホルモンバランスに起因する可能性があるかを確認してもらってください。 症状によっては、整形外科での画像診断や神経のチェックも必要です。 以下では、更年期の腰痛に対する具体的な治療方法を解説します。 ホルモン補充療法(HRT) ホルモン補充療法とは、更年期に減少するエストロゲンを医薬品で補う治療法です。 骨密度の維持や血流改善に効果があるとされ、腰痛の軽減につながります。 ただし、副作用のリスクがあるため、使用にあたっては医師の診断と経過観察が必要です。 漢方療法 漢方薬は、身体全体のバランスを整えて更年期症状の緩和を目指す治療法です。 血行を促す作用や筋肉のこわばりを和らげるのを目的として、処方される場合があります。 腰痛に限らず、更年期の代表的な処方には以下の種類があります。 種類 対応の症状 加味逍遙散(かみしょうようさん) のぼせ感、肩がこり、疲れ、精神不安、いらだち、不眠症など 温経湯(うんけいとう) 手足のほてり、唇がかわく、不眠など 五積散(ごしゃくさん) 冷え、頭痛など 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 肩こり、頭痛、めまい、のぼせ、足冷え、肩こりなど 温清飲(うんせいいん) 皮膚のかさかさ、のぼせ、神経症など 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 体力虚弱、冷え症、貧血、疲労、むくみ、冷え症など (文献4) ただし、医師や薬剤師と相談しながら適切に使用することが大切です。 再生医療 更年期の腰痛の原因として、「椎間板ヘルニア」や「腰椎すべり症」などが関係している可能性もあります。(文献5) 椎間板ヘルニアなどの治療選択肢の一つに、再生医療による幹細胞治療も含まれます。 幹細胞治療は、患者様から採取した幹細胞を培養して患部に注射する治療法です。 幹細胞には分化能と呼ばれる他の細胞に変化する能力が備わっており、この働きを活用します。 また、再生医療は入院手術を必要としないのも特徴です。 再生医療についての疑問や相談がある方は、お気軽にお問い合わせください。 まとめ|更年期の腰痛に要注意 更年期の腰痛は、ホルモンバランスの乱れや加齢、ストレスなど多くの要因が複雑に絡み合って生じます。 症状には個人差があり、重だるさや鈍痛、片側の痛みなどさまざまな形で現れますが、いずれも早めの対処が大切です。 ツボ押しやストレッチ、食生活の改善など日常生活でできる対策を取り入れつつ、必要に応じて医療機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアなどの腰痛に対して再生医療を行っております。 更年期の腰痛に悩んでいる方は、以下の公式LINEに登録して簡易オンライン診断をお試しください。 更年期の腰痛に関するよくある質問 更年期の腰痛に効く薬はありますか? 更年期の腰痛には、症状に合わせてホルモン補充療法などで薬の使用が検討されます。 ただし、うつや不安などの精神神経症状が主な症状である場合には、抗うつ薬や向精神薬が処方されるケースもあります。(文献6) 更年期の腰痛はいつまで続きますか? 更年期の腰痛がどのくらい続くかについての明確なエビデンスはありません。 一般的に更年期とは、閉経前の約5年と閉経後の約5年、合わせて約10年間を指します。(文献6) ただし、ホルモンバランスが大きく変動する時期であり、約10年の間で収まるとは限りません。 更年期の時期が過ぎても、腰痛が続く場合がある点に留意しておきましょう。 症状が長引いて改善しない場合は、更年期以外の疾患の可能性も考慮し、早めに医療機関を受診することが大切です。 参考文献 (文献1) 更年期対策!運動の効果とは?|更年期相談室 (文献2) 【タイプ別】更年期のつらい腰痛の原因とおすすめのツボ・対策|クラシエ株式会社 (文献3) 更年期の腰痛、その原因や特徴、治し方を解説|キッコーマンニュートリケア・ジャパン株式会社 (文献4) 更年期障害|ツムラ (文献5) 腰痛 背部痛|日本女性医学学会 (文献6) 更年期障害|医療法人社団 公和会 中村記念愛成病院
2025.07.31 -
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指の痛みやこわばりが続いてはいるものの、年齢のせいだと見過ごしていませんか? とくに、40代後半から50代の女性に多く見られる手指の不調は、更年期によるホルモンバランスの変化が関係している可能性があります。 女性ホルモンの減少は、関節や腱に影響を及ぼし、日常生活に支障をきたすほどの指の痛みを引き起こすケースもあるのです。 そこで本記事では、更年期に起こる指の痛みの原因や考えられる疾患、治療法、さらに自宅でできる対処法までわかりやすく解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状がある方や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 指が痛いのは更年期障害が原因の一つ 更年期に差しかかると、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少します。 ホルモンバランスの変化は、体全体にさまざまな不調を引き起こしますが、その一つが関節の痛み、とくに指の関節痛です。 医学的には「関節痛」や「こわばり」として認識され、更年期障害の症状の一つとして起こることが知られています。 なかでも、手や指に特有の不快感や運動障害を伴う症状は「メノポハンド」(文献1)と呼ばれ、以下のような不調を感じるのが特徴です。 朝起きたときに手指がこわばる 指の関節が痛む、または腫れる 手指の動かしにくくなる 握力が低下する 手指がしびれる 上記のような症状は、更年期によるホルモン変化によって関節や腱、神経の働きが影響を受けるために起こります。 更年期と聞くと、のぼせや発汗といった全身症状に注目されがちですが、関節痛や手の不調も見逃せない重要なサインです。 女性ホルモンの減少が関係している 更年期における指の痛みは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量の減少と深く関係しています。 エストロゲンは骨や関節、筋肉の健康を維持する働きがあり、減少すると関節の炎症やこわばりが生じやすくなるのが特徴です。 また、筋肉と骨をつなぐ「腱(けん)」や関節を覆う薄い膜である「滑膜(かつまく)」に影響が及ぶと、手指の不調が現れるケースもあります。 とくに朝の指のこわばりや痛みは、更年期のサインの一つとして見逃せません。 自律神経の乱れや筋力低下も原因 更年期における指の痛みは女性ホルモンの減少だけでなく、自律神経の乱れや筋力低下も影響しています。 自律神経のバランスが崩れると、血流が悪化して手先の冷えや痛みが強まります。 さらに、加齢による筋力や柔軟性の低下が伴うと、関節や腱に負担がかかりやすくなるのです。 複合的にさまざまな要因が重なり、手指のこわばりや痛みが日常生活に支障をきたすケースがある点を押さえておきましょう。 関節リウマチとの違い 更年期の指の痛みと似た症状を持つ疾患に「関節リウマチ」がありますが、両者は異なる原因によるものです。 更年期の関節痛はホルモンバランスの変化による一時的な症状であるケースが多いのに対し、関節リウマチは自己免疫疾患であり、関節に炎症を引き起こして悪化します。 朝のこわばりが1時間以上続く場合や、左右対称に痛む場合はリウマチの可能性もあるため、医療機関で検査を受けましょう。 更年期の女性に多い指が痛い疾患 更年期の女性はホルモンバランスの変化により、関節や腱、神経に不調が生じやすくなります。 とくに手指は日常生活で頻繁に使う部位であり、痛みやしびれといった症状が現れると大きな支障になるため注意しなければなりません。 ここでは、更年期に多く見られる指の疾患について、代表的な4つの病気を紹介します。 指の第一関節が痛む「ヘバーデン結節」 ヘバーデン結節は、指の第一関節に変形や痛みを引き起こす疾患です。(文献2) 更年期の女性に多く見られ、関節が赤く腫れたり、指が曲がったまま戻らなくなったりする場合もあります。 原因は加齢やホルモン変化による関節軟骨のすり減りであり、炎症を伴うケースも少なくありません。 進行すると関節が変形し、見た目にも大きな変化が現れます。 握力が低下して日常生活に支障が出る恐れもあるため、早期の対応が重要な疾患です。 指の第二関節が痛む「ブシャール結節」 ブシャール結節は、指の第二関節に発症する関節疾患で、ヘバーデン結節と同様に更年期以降の女性に多く見られる傾向があります。(文献2) 関節の腫れや痛み、こわばりが生じるのが特徴です。 進行すると、関節の変形を伴う場合もあります。 原因は明確ではないものの、女性ホルモンの分泌量の低下や関節への負担が影響すると考えられています。 しびれが生じる「手根管症候群」 手根管症候群は、手首の内側にある「手根管(しゅこんかん)」というトンネル内で正中神経が圧迫されて起こります。(文献2) 更年期の女性に多く、ホルモンの変化によって腱や滑膜が腫れ、神経が圧迫されるのが原因の一つです。 主な症状は、親指から薬指のしびれや痛みで、夜間や早朝に悪化するケースもあります。 進行すると筋力低下や指先の細かい動作が困難になるため、早めの診断と治療が求められます。 指を伸ばそうとしたときに勢いよく伸びる「ばね指」 ばね指は、指を曲げ伸ばしする際に引っかかりや痛みがあり、無理に伸ばすとカクンと跳ねるように伸びる症状が特徴です。(文献2) 腱鞘炎(けんしょうえん)とも呼ばれ、腱を包む組織が炎症を起こし、腱がスムーズに動かなくなることで発症します。 とくに更年期の女性は、ホルモンバランスの乱れや手の使いすぎにより発症しやすく、悪化すると指が動かなくなることもあるため、早めの休息と医療機関での治療が重要です。 更年期で指が痛いときの治療法 更年期の指の痛みは、ホルモンバランスの変化によるものであるケースが多く、治療ではホルモンの働きを補う方法が重視されます。 ここでは、代表的な治療法の「ホルモン補充療法(HRT)」と、補助療法の「エクオール」を紹介します。 ホルモン補充療法(HRT) ホルモン補充療法(HRT)は、更年期に減少するエストロゲンを外から補って、ホルモンバランスを整える治療法です。(文献3) エストロゲンの補充によって関節や腱の炎症を抑え、痛みやこわばりの軽減が期待されます。 更年期症状全般に効果があるとされ、医師の指導のもとで内服薬や貼付薬などを用いるのが一般的です。 ただし、副作用のリスクや適応の有無があるため、治療については医師との相談が不可欠となります。 エクオール エクオールは、大豆イソフラボンが腸内細菌によって代謝されてできる成分です。(文献1) 体内で、エストロゲンに似た働きをすることが知られています。 更年期にエストロゲンの急激な減少によって起こる関節痛に対して、緩やかにホルモン作用を補うのが特徴です。 とくに、ホルモン補充療法の副作用リスクに不安を感じる方や、軽度の症状を抱える方にとって比較的取り入れやすい選択肢となります。 ただし、体質によってエクオールを産生できない人もおり、サプリメントの効果には個人差がある点に留意しておきましょう。 更年期で指が痛いときに自分でできる対処法 更年期に伴う指の痛みは、日常生活の中でのセルフケアによって軽減できる場合があります。 ここでは、自宅で実践できる具体的な対処法を6つ紹介するので、症状が軽いうちから意識して取り入れてみましょう。 生活習慣を見直す 不規則な生活習慣は、ホルモンバランスの乱れを助長します。 以下の点に注意して、健康的な生活を心がけましょう。 朝食を抜かず1日3食をバランスよく食べる ビタミンDやカルシウムを含む食品を積極的に食べる 適度な運動を日常に取り入れる 上記のような生活習慣がエストロゲンの作用を高め、関節の健康維持につながります。 また、規則正しい生活リズムを整えることも、ホルモンバランスを安定させる上で重要です。 手のケアやストレッチを行う 指の痛みやこわばりを和らげるためには、日々のケアが欠かせません。 以下のような方法を試してみてください。 手を温めながらマッサージする 指の曲げ伸ばし運動を毎日続ける 握力を保つためにタオル握り体操を行う 無理のない範囲で継続すれば、関節の柔軟性と血流改善に役立ちます。 また、手の保湿ケアも大切です。 乾燥によって皮膚が硬くなると関節の動きにも悪影響を与えるため、保湿クリームなどで手指を丁寧にケアしましょう。 体を温める 冷えは血流を悪化させ、関節の痛みを悪化させる原因になります。 次の方法で温めましょう。 入浴時はぬるま湯にゆっくり浸かる 手袋や温熱パッドで手元を保温する 白湯や温かい飲み物を積極的に取る 冷えを防いで体温を保つことで、炎症や痛みの緩和が期待できます。 日中も冷房の風に直接当たらないよう注意するなど、適切に冷え対策を行っていきましょう。 関節に負担をかけないように注意する 手や指に過剰な負荷をかけない工夫も重要です。 日常生活や仕事で、以下のような行動を意識してみてください。 重いものを持つときは両手を使う 指先ではなく手のひら全体で物を持つようにする 家事や手作業はこまめに休憩をとる 関節にやさしい動作を意識すれば、痛みの悪化を防ぐことにつながります。 また、作業の際は補助具やサポーターを活用するなどの工夫をこらしてみましょう。 ストレスや睡眠不足を改善する 自律神経のバランスは、ホルモン分泌にも大きく関わります。 以下のように意識しながら、ストレス管理と十分な休息を心がけましょう。 寝る前にスマートフォンやテレビを控える リラックスできる音楽や香りを活用する ストレッチや深呼吸で副交感神経を高める 就寝前にはスマートフォンの使用を控える、照明を落とすなど、睡眠の質を高める工夫が大切です。 心身のリラックスによってホルモンバランスが安定し、症状の緩和へつながっていきます。 エクオール含有サプリメントを利用する 大豆由来の成分であるエクオールは、体内でエストロゲンに似た働きを持つとされます。 ただし、サプリメントは健康食品であり、効果には個人差があります。 信頼性の高い製品を選ぶことも重要なので、医師と相談のうえ利用を検討しましょう。 更年期で指が痛い場合は何科を受診すべきなのか 更年期に指が痛む場合、症状によって適切な診療科が異なります。 関節や腱の異常が疑われる場合は整形外科、もし近隣にあれば手の怪我や病気を治療する「手外科専門医」を受診しましょう。(文献2) 手外科専門医は変形性関節症やばね指、手根管症候群など構造的な異常の診断・治療に対応しています。 なお、皮膚の変形や外見上の違和感がある場合は、形成外科でも対応可能です。 一方で、ホルモンバランスの乱れが関与していると考えられる場合は、婦人科で更年期障害の検査・相談するのがおすすめです。(文献4) ホルモン補充療法や生活指導を通じて、根本的な改善につながる可能性があります。 まとめ|症状に合わせて適切に治療・対処しよう 更年期における指の痛みは、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れ、筋力低下などさまざまな要因が複雑に関係しています。 関節のこわばりやしびれ、痛みといった症状を放置すると、日常生活に支障をきたす恐れがあるため注意しなければなりません。 早期の対処と継続的なケアを意識しつつ、更年期を前向きに乗り越える気持ちを持つことが大切です。 気になる症状がある場合は、我慢せず専門医に相談しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、PRP療法や幹細胞治療などの再生医療による治療を行っています。 公式LINEでは、再生医療に関する情報の提供や簡易オンライン診断を実施しています。再生医療についての疑問や気になる症状があれば、公式LINEに登録して一度お試しください。 指が痛い更年期に関するよくある質問 更年期の指の痛みはいつ治りますか? 更年期の指の痛みは個人差が大きく、数か月で軽快する人もいれば、数年続く場合もあります。 エストロゲンの低下が原因なので、閉経後数年以内に自然と改善するケースもあります。 生活習慣の見直しやホルモン補充療法により緩和できる可能性があるため、症状が続く場合は医師の診察を受けましょう。 更年期の男性も指が痛くなりますか? 男性も加齢に伴って男性ホルモン(テストステロン)の分泌が低下し、関節のこわばりや指の痛みが現れるケースがあります。 「男性更年期障害(LOH症候群)」と呼ばれており、女性とは異なるホルモン変化によるものです。 指が痛い更年期に漢方は効果ありますか? 漢方薬は直接的に痛みを抑えるのではなく、体全体のバランスを整えて症状の改善を図ります。 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や加味逍遙散(かみしょうようさん)といった漢方を更年期障害に用いる場合があります。 体質や症状に合った漢方薬を選ぶため、使用するときは漢方に詳しい医師や薬剤師へ相談しましょう。(文献5) 朝の寝起きで指が痛いのは更年期が原因ですか? 朝起きたときに指の関節がこわばったり、手が握れなかったりといった症状は、更年期に見られる女性ホルモンの低下による影響の可能性があります。 エストロゲンが減少すると関節や腱の柔軟性が損なわれ、炎症やむくみを引き起こしやすくなるのです。 とくに、朝方に指の動きにくさや痛みを感じる傾向があります。 症状が継続する場合は、整形外科や婦人科での検査を検討しましょう。 参考文献 (文献1) 更年期の手の不調|宝塚 かおるレディスクリニック コラム (文献2) 更年期以降の女性に多い手指の疾患|おおさかグローバル整形外科病院 (文献3) ホルモン補充療法(HRT)とは|あすか製薬株式会社 (文献4) 更年期の「関節痛」と「指のこわばり」リウマチとの違い・受診の目安や治療法を婦人科女医が解説!|白金高輪海老根ウィメンズクリニック (文献5) 更年期の手のこわばりに効く漢方薬とは?市販でおすすめのものやツムラの漢方薬なども紹介|YOJO LIFE
2025.07.31 -
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男性更年期障害に関連してうつ症状に悩む方の中には、「バナナが気分の安定に効果がある」と耳にしたことがあるかもしれません。 バナナには、セロトニンの生成に関与するトリプトファンやビタミンB6などの栄養素が含まれており、心のバランスを整えると考えられています。 ただし、バナナだけで症状が改善するわけではなく、食事などの生活習慣全体の見直しが欠かせません。 本記事では、バナナがもたらす栄養的効果の詳細をはじめ、男性更年期障害の症状緩和におすすめの食材や生活改善のポイントまでわかりやすく解説します。 毎日の食事を見直すきっかけとして、ぜひ参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状がある方や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 バナナが男性更年期障害のうつ症状に効果的? バナナが男性更年期障害によるうつ症状に効果的とする明確な科学的根拠は、現在のところ報告されていません。 バナナ自体にテストステロンの分泌を促進する作用はなく、更年期障害の治療手段としては不十分です。 ただし、バナナには「幸せホルモン」(文献1)と呼ばれるセロトニンの生成に関わるトリプトファンやビタミンB6が含まれています。 セロトニンはうつ症状の緩和に寄与すると考えられており、男性更年期の方の気分を安定させる可能性があるのです。 うつ症状の改善に直接的な効果があるとはいえませんが、食生活の一部としてバナナを取り入れることは、間接的なサポートになるかもしれません。 とはいえ、現実的な症状の改善・緩和には、医師による診断と適切な治療が不可欠である点に留意しておきましょう。 バナナに含まれている栄養素 バナナは甘くて食べやすい果物として知られていますが、男性の心身の健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれています。 男性更年期障害による精神的な不調に対して、栄養面からサポートする可能性がある栄養素を見ていきましょう。 トリプトファン バナナには「トリプトファン」という必須アミノ酸が含まれており、脳内でセロトニンの材料になります。 セロトニンは感情を穏やかに保つ作用があり、うつ症状の緩和に役立つ可能性がある栄養素です。 ビタミンB6 ビタミンB6は、トリプトファンをセロトニンに変えるときに必要な栄養素です。 また、神経伝達物質のバランスを整える働きがあり、精神的な健康を支える役割があります。 マグネシウムやカリウム マグネシウムはストレス反応の調整に関与し、カリウムは血圧の安定化を助けるミネラルです。 いずれも自律神経の安定に寄与し、精神的な不調の軽減に貢献します。 炭水化物 炭水化物はエネルギー源として重要であり、トリプトファンの脳内移行を促進します。 セロトニン合成の効率を高める栄養素です。 バナナを食べるなら1日1本が目安 バナナはセロトニンの材料となるトリプトファンやビタミンB6を含む食品ですが、糖質量が高いため摂取量には注意が必要です。 バナナ1本あたり、約21gの糖質が含まれています。(文献2) 過剰に摂取すると血糖値の急上昇や肥満リスクにつながる可能性があるため、セロトニン生成を目的に取り入れる場合でも、1日1本が適量の目安です。 医師に制限されている場合を除いて継続的に食べても問題ありませんが、食べすぎには十分注意してください。 更年期障害におすすめのバナナ以外の食べもの 男性更年期障害の改善には、ホルモン合成に関わる栄養素をしっかり摂る食生活が重要です。 ここでは、日々のメニューに取り入れると、体と心のバランスを支える効果が期待できる食材を紹介します。 牡蠣・レバー 牡蠣とレバーには、テストステロンの生成に必要不可欠な亜鉛が豊富に含まれています。 亜鉛は精巣の機能維持に関与してホルモンバランスの正常化を助け、レバーは鉄分やビタミンA・B群が豊富です。 貧血や疲労感の軽減にも寄与します。 とくに、亜鉛不足と男性ホルモンの減少は密接に関係しているため、定期的に摂取するのがおすすめです。 肉・魚・卵 動物性たんぱく質は、テストステロンの合成に必要な栄養素です。 赤身肉には鉄分やビタミンB12、魚はオメガ3脂肪酸、卵には良質なたんぱく質やビタミンDが豊富に含まれています。 とくに、ビタミンDは血中テストステロン濃度の維持に役立つとされており、過剰な摂取は避けつつバランス良く取り入れると更年期症状の軽減につながります。 山芋・里芋 山芋や里芋には、エネルギー代謝をサポートするビタミンB群と、消化を助ける食物繊維が含まれています。 また、山芋に含まれるジオスゲニンという成分は、ホルモンの前段階の物質になるとされ、体調維持や疲労回復に役立つとされている点にも注目です。 粘り気のある成分には胃腸の保護作用もあり、栄養の吸収を助けます。 きのこ きのこ類は低カロリーながらビタミンDや食物繊維、β-グルカンといった免疫調整成分が豊富です。 ビタミンDは男性ホルモンの合成に関与し、とくに干し椎茸やまいたけに多く含まれます。 きのこに含まれる多糖類は腸内環境の改善にも役立つため、免疫機能と精神面の安定に貢献する見逃せない食材の一つです。 海藻・納豆 海藻にはヨウ素やマグネシウム、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれ、甲状腺機能を整える効果が期待できます。 納豆は発酵食品として腸内環境を整えるとともに、大豆イソフラボンによるホルモンバランスの調整作用を発揮するのが特徴です。 ブロッコリー ブロッコリーには、スルフォラファンという成分が含まれ、体内の余分なエストロゲンの代謝を促進する働きが知られています。 男性更年期障害の改善には、エストロゲンとテストステロンのバランスを整えることが大切です。ブロッコリーのスルフォラファンは、このホルモンバランスの調整をサポートしてくれます。 また、抗酸化作用も高く、細胞の老化を防ぐ効果も期待できます。 野菜ジュース・青汁 野菜類は直接食べるのが理想ですが、忙しい日常の中では野菜ジュースや青汁での補給も有効です。 ビタミン類やポリフェノール、食物繊維が含まれており、抗酸化作用や腸内環境の改善に寄与します。 たとえば、青汁にはクロロフィルやカルシウムなど、現代人に不足しがちな栄養素が含まれているのが特徴です。 プロテイン 筋肉量の減少はテストステロンの分泌低下を促進するため、適度な運動とともにたんぱく質の補給が重要です。 なかでもプロテインは、効率的にたんぱく質を摂取できます。 朝食時や運動後の摂取が推奨されており、筋力維持とホルモンバランスの改善を手軽に行えるのが魅力です。 発酵飲料 発酵飲料には、乳酸菌や酵母など腸内環境を整える微生物が含まれており、免疫機能の調整に加えて精神的なストレス軽減にも関与します。 甘酒や乳酸菌飲料などの継続的な摂取によってストレス耐性を高めると、更年期特有のイライラや不安感の軽減にもつながるのが特徴です。 男性更年期障害の改善に大切な生活習慣 男性更年期障害の症状を軽減するには、医療機関での治療や食事の見直しだけでなく、日常生活の質を高める意識も大切です。 生活習慣の改善ポイントを以下にまとめたので参考にしてください。 生活習慣 内容 ストレス管理 瞑想・深呼吸・趣味の時間などを取り入れ、自律神経の安定を図る。 睡眠の質を向上 就寝前のスマホ利用を控えるほか、入浴やリラックス習慣で深い睡眠を確保する。 筋力トレーニング スクワットや腕立て伏せなど、無理のない筋トレでテストステロン分泌を促す。 有酸素運動 ウォーキングやサイクリングなど週に数回の継続的な運動によって、心身を活性化させる。 禁煙・禁酒 喫煙や過度な飲酒はホルモン低下や血流悪化を招くため控えるべき。 男性更年期障害の症状緩和には、上記の生活習慣の積み重ねが大切です。 無理のない範囲で実践し、継続していきましょう。 まとめ|バナナを含む食事・生活習慣を見直して男性更年期障害の改善を目指そう 男性更年期障害の改善には、バナナに含まれるトリプトファンやビタミンB6といった栄養素の摂取も一助となりますが、食生活全体の見直しも重要です。 亜鉛やビタミンD、良質なたんぱく質を含む多様な食品を取り入れながら、ホルモンバランスの維持を目指しましょう。 また、ストレス管理や適度な運動、良質な睡眠といった基本的な生活習慣も大切です。 当院「リペアセルクリニック」ではPRP療法や幹細胞治療などの再生医療による治療を行っています。 公式LINEでは、再生医療に関する情報や簡易オンライン診断が受けられます。 ぜひ登録してお試しください。 男性更年期障害に関連するよくある質問 男性更年期障害に効くサプリはある? テストステロンを直接的に増やす効果が科学的に証明されたサプリメントは現在のところ存在しません。 ただし、バナナに含まれている亜鉛やビタミンD、マグネシウムなどの栄養素は、食事からの摂取が難しいならサプリメントでも補えます。 とはいえ、できるだけ食事から摂取し、サプリメントはあくまで補助的な手段として位置づけましょう。 男性更年期障害だけどアルコールはOK? 他の疾患で主治医に禁止されている場合を除き、適量のアルコールであれば問題はありません。 ただし、過度の飲酒はホルモンバランスを乱し、肝機能や精神面にも悪影響を及ぼすため、節度を持った摂取が求められます。 飲む量や頻度に注意しながら、たしなむ程度に留めましょう。 男性更年期障害に終わりのサインはありますか? 男性更年期障害は発症時期や症状の出方に個人差があり、明確な終わりのサインを把握するのは困難です。 症状が軽快し、日常生活に支障がなくなる状態が一つの目安となりますが、最終的な判断は医師による適切な評価を受けることが重要です。 男性更年期障害にお茶は効く? お茶に男性更年期障害を改善する直接的な効果は、認められていません。 ただし、緑茶やハーブティーなどにはリラックス効果があり、イライラや不眠といった自律神経の乱れを和らげる手助けになる場合があります。 日常的に手軽に取り入れやすい工夫としてはおすすめです。 バナナが男性機能に効果ある? バナナにはマグネシウムやカリウム、ビタミンB群が含まれているなど、筋肉や神経の働きを支える栄養素が豊富です。 ただし、男性機能を直接的に高める効果は確認されていません。 健康的な体作りには寄与しますが、過度な期待は禁物です。 男性更年期障害を疑う場合は何科に受診? 男性更年期障害が疑われる場合は、「泌尿器科」または「男性更年期外来(LOH症候群外来)」を受診するのが一般的です。 症状に応じてホルモン検査や心理的評価が行われ、必要な治療方針が決定されます。(文献3) 女性の更年期障害にバナナは効果ある? 男性と同様、女性にもバナナに直接的な更年期障害の改善効果は認められていません。 ただし、ビタミンB6をはじめとする栄養素が豊富に含まれているため、ホルモンバランスを整えるサポートとなる可能性があります。 あくまで補助的な役割と考えておきましょう。 参考文献 (文献1) 「幸せホルモン(幸福物質)4つ」ドーパミン・セロトニン・オキシトシン・βエンドルフィンとは?|国立消化器・内視鏡クリニック (文献2) バナナの栄養・栄養素|スミフル (文献3) < 女性だけじゃない!「男性更年期」を知ろう >|Mint+(あすか製薬株式会社)
2025.07.31 -
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男性で「原因不明の疲労感」や「集中力の低下」、「性欲の減退」といった不調に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。 原因がわからない不調は、男性にも起こる「更年期障害」の可能性があります。 男性更年期障害とは、加齢やストレスなどを背景に男性ホルモンが減少して心身に多様な不調を引き起こす状態であり、生活の質を維持するためにも早急な対処が必要です。 本記事では、男性更年期障害の症状・原因・診断方法・治療法をわかりやすく解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状がある方や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 男性更年期障害とは?40代から増えてくる疲労感などの不調 男性更年期障害とは、加齢により男性ホルモン(テストステロン)が減少し、心身にさまざまな不調が現れる状態を指します。 40代以降から症状が出始めるケースが多く、代表的な症状には疲労感やイライラ、性欲・集中力の低下などが挙げられます。 女性の更年期障害が閉経による急激なホルモン変化で起こるのに対し、男性の場合は緩やかにホルモンが減少するため、気づきにくく対処が遅れやすい傾向がある点も特徴です。 「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」とも呼ばれています。(文献1) 男性更年期障害の症状 男性更年期障害は、身体的・精神的・性機能に関わるさまざまな症状が現れるのが特徴です。 ここでは、具体的な症状を3つの側面から解説します。 身体的症状 男性更年期障害による身体的な変化には、日常生活に支障をきたすものが多く含まれる傾向があります。 代表的な症状は以下の通りです。 慢性的な疲労感や倦怠感 頭痛や肩こり、腰痛 多汗、ほてり、動悸 睡眠障害(寝つきの悪さ、中途覚醒) 上記の症状は加齢に伴う一般的な体調不良と混同されやすいですが、男性ホルモンの減少が影響している可能性があります。 以前よりも体力が落ちた、朝の目覚めが悪いといった変化に気づいた場合、加齢のせいと決めつけず、早めに専門医の診察を受けるのがおすすめです。 40代以降になって原因不明の不調を感じられるなら、医療機関で医師に相談してみましょう。 精神的症状 ホルモンバランスの変化は、精神面にも大きな影響を与えます。 男性更年期障害の精神的症状では、以下のような変化が見られるのが特徴です。 抑うつ気分や不安感 イライラしやすくなる 意欲や集中力の低下 とくに、些細なことで怒りっぽくなる、やる気が出ないといった変化は、本人だけでなく周囲にも悪影響を及ぼしかねない点も見逃せません。 また、うつ病と誤認されるケースもあるため、心身の状態を総合的に評価できる医療機関での診断が推奨されます。 性機能に関する症状 性機能の変化は、男性更年期障害における特徴的な症状のひとつです。 たとえば、以下のような症状が現れます。 性欲の減退 勃起力の低下や勃起維持の困難 射精回数や快感の減少 これらの症状は、パートナーシップや自己肯定感にも影響を与える重要な問題です。 また、性機能の変化は自己評価の低下や人間関係のストレスにもつながる可能性があります。 非常にデリケートな問題ですが、正確な診断と適切な治療によって改善を目指すことが可能です。 気恥ずかしいかもしれませんが、医療機関での相談をためらわず、早期の受診を検討しましょう。 男性に更年期障害が起こる原因 男性更年期障害は中高年男性の生活の質に深く関わる問題ですが、単に年齢の問題と考えるのではなく、原因を理解した上で適切に対処していきましょう。 ここでは、発症の主な要因を2つの観点からわかりやすく解説します。 ホルモン低下 男性更年期障害の大きな要因の一つが、加齢に伴うテストステロンの分泌低下です。 テストステロンは筋力や性機能、精神の安定などに関わる重要なホルモンで、30代半ばをピークに年齢とともに徐々に減少していきます。 テストステロンが一定の水準を下回ると、以下のような身体的・精神的にさまざまな不調が現れやすくなります。 疲労感や意欲低下 筋肉量の減少や内臓脂肪の増加 精神的に不安定になる テストステロンの値は血液検査で確認でき、数値が一定の基準を下回ると、男性更年期障害と診断される場合があります。 ストレスや生活習慣 現代社会におけるストレスや生活習慣の乱れも、男性更年期障害の原因の一つです。 仕事の責任や家庭内の役割などが重なる中年期は、精神的・身体的ストレスが蓄積しやすい時期になります。 以下のようなストレスや生活習慣により、テストステロンの分泌をさらに低下させ、症状を悪化させる原因になるため注意が必要です。 睡眠不足や不規則な食生活 運動不足や過剰な飲酒・喫煙 慢性的なストレス状態 ストレスや生活習慣の乱れにより、ホルモンバランスがさらに崩れやすくなる点に留意しておきましょう。 健康的な生活習慣と適切なストレス管理は、男性更年期障害の予防や改善に欠かせないのです。 男性更年期障害の診断・検査方法 男性更年期障害は、症状が多岐にわたる自己判断が難しい疾患です。 正確な診断には、医師による問診や血液検査などの医学的評価が欠かせません。 ここでは、男性更年期障害の診断や検査の主な方法について解説します。 「AMSスコア」でセルフチェック 医師による問診では、疲労感や性欲の変化、精神的な不調などについて詳しく聞き取りします。 その補助として広く用いられているのが「AMSスコア(加齢男性症状質問票)」です。 以下の項目に回答し、合計点数で自己評価します。 項目 点数 総合的に調子が思わしくない なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) 関節や筋肉の痛み なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) ひどい発汗 なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) 睡眠の悩み なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) よく眠くなる・しばしば疲れを感じる なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) いらいらする なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) 神経質になった なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) 不安感 なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) からだの疲労や行動力の減退 なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) 筋力の低下 なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) 憂うつな気分 なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) 「絶頂期は過ぎた」と感じる なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) 力尽きた・どん底にいると感じる なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) ひげの伸びが遅くなった なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) 性的能力の衰え なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) 早朝勃起(朝立ち)の回数の減少 なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) 性欲の低下 なし(1)・軽い(2)・中等度(3)・重い(4)・非常に重い(5) (文献1) スコアの合計が中程度の37~49点以上の場合、男性更年期障害の可能性があると判断できます。 ただし、あくまで診断の参考であり、AMSスコアだけでは確定診断に至らない点に留意しておきましょう。 血液検査でテストステロン値を確認 男性更年期障害の診断では、血液検査によるテストステロン値の測定が欠かせません。 「遊離テストステロン(Free Testosterone)」の値が重視され、正常下限の8.5を下回ると男性更年期障害と診断される可能性があります。(文献2) 検査は朝の8時から10時頃、ホルモン値が最も安定している時間帯に行うのが一般的です。 また、加齢以外にも肥満や慢性的なストレス、生活習慣病などが影響するため、テストステロン値の低下が見られた場合はさまざまな要因も含めて総合的に評価されます。 うつ病など他の疾患との鑑別も重要ですので、必ず専門医の診察を受けましょう。 男性更年期障害の治療 男性更年期障害は心身に広がる多様な症状が特徴ですが、適切な治療によって症状の緩和や改善が期待できます。 ここでは、一般的に行われている3つの治療法についてわかりやすく説明します。 男性ホルモン補充療法 テストステロンが著しく低下していると診断された場合には、男性ホルモン補充療法が検討されます。 テストステロンを補う薬剤を注射で投与し、性欲や活力の回復、筋力の増加、精神状態の改善などを目指します。 ただし、副作用リスクがあり、以下の疾患には適応していません。 前立腺がん 前立腺肥大症 乳がん 多血症 重度の腎機能不全 重度の肝機能障害 うっ血性心不全 重度の高血圧症 睡眠時無呼吸症候群 抗凝固薬を服用中の方 上記の疾患に当てはまっている、もしくは可能性があるなら医師に相談しましょう。(文献3) 漢方薬 軽度の症状やホルモン補充療法に適応していない場合には、漢方薬による治療が選択肢となるケースがあります。 たとえば、以下のような漢方薬が処方されます。 漢方薬名 適応症状・使用場面 八味地黄丸(はちみじおうがん) 腎の機能低下がある場合に使用 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん) 浮腫やしびれのある場合に使用 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) 仕事や日常生活の疲労感、食欲不振を伴う場合に使用 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう) 気力体力が低下している場合に使用 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) 心因的なうつ症状が大きい場合に使用 (文献4) 漢方薬は全身のバランスを整えることを目的としており、西洋薬に比べて副作用が少ない点が利点とされています。 ただし、効果が現れるまでに時間がかかる傾向がある点がデメリットです。 また、体質や症状に応じて処方されるため、医師による判断も重要となります。 生活習慣の改善・運動 男性更年期障害の予防と改善においては、生活習慣の見直しが重要です。 可能な限り、以下のような取り組みを行っていきましょう。 十分な睡眠と規則正しい生活リズム 栄養バランスの取れた食事 適度な有酸素運動や筋力トレーニング ストレスの軽減とリラクゼーション 上記を生活習慣に取り入れるとテストステロンの自然な分泌を促し、自律神経の安定にも寄与します。 なかでも、運動は血流改善とメンタルヘルスの向上にもつながるため、無理のない範囲で日常的に取り入れると良いでしょう。 また、薬物療法と並行して生活習慣を整えると、より効果的な治療につながります。 男性更年期障害になりやすい人の特徴 男性更年期障害は年齢やホルモンの変化だけでなく、性格や心理的な傾向、生活環境も大きく影響します。 ここでは、男性更年期障害になりやすいとされる方の特徴を解説します。 真面目で責任感が強い人 責任感が強く、常に仕事や家庭の義務を果たそうとする真面目な人は、男性更年期障害になりやすい傾向があります。 たとえば、以下に当てはまる人は無理をしてでも成果を上げようと努力を重ねるため、心身に過度な負担が蓄積しやすいのです。 常に自分に厳しく、休むことに罪悪感を感じやすい 完璧を求める姿勢が精神的な疲労につながる 小さな不調を軽視し、我慢し続ける傾向がある 上記のような性格の方は社会的に評価される一方で、プレッシャーや負担を感じやすく、自律神経やホルモンバランスに悪影響を及ぼす可能性があります。 また、自分の不調を他人に相談せずに我慢する傾向があるため、症状が深刻化するまで放置してしまうケースも少なくありません。 ストレスを抱えやすいタイプの人 感受性が高く、環境の変化や人間関係に強く反応する人も、男性更年期障害のリスクが高くなります。 過剰なストレスは自律神経やホルモン分泌に悪影響を与え、男性更年期障害のきっかけになるのです。 たとえば、以下に当てはまる方は注意しましょう。 仕事や家庭のプレッシャーを一人で抱え込む 失敗を引きずりやすく、気分の切り替えが難しい 緊張状態が続きやすく、常に心が落ち着かない とくに、仕事の不安や将来への漠然とした不安を抱える中高年男性に多く見られる傾向があります。 定期的な休養やリラクゼーション法を積極的に取り入れるなど、予防する意識を持ちましょう。 人間関係に悩んでいる人 対人関係のトラブルや孤立感も、男性更年期障害を引き起こす要因となります。 職場や家庭での人間関係がうまくいかず孤独や不満を感じている人は、以下のような不安で精神的な負荷が増幅しやすくなるのです。 周囲に悩みを打ち明けられない どうしても自分の感情を抑え込んでしまう 社会的役割からの疎外感を感じている また、対人関係のストレスに長期間さらされると、気分の落ち込みや意欲の低下を引き起こしやすくなり、結果として更年期障害の症状が顕在化しやすくなります。 問題を一人で抱え込まず、必要に応じて専門家に相談しましょう。 まとめ|男性更年期障害を理解し、適切な診断・治療へつなげよう 男性更年期障害は40代以降の男性に現れやすい心身の不調であり、加齢によるテストステロンの低下やストレスなどが原因です。 症状は疲労感や意欲低下、性機能の衰えなど多岐にわたりますが、正しい診断・治療によって改善も目指せます。 また、なにより自分の状態を正しく知り、無理をせず適切な対処で心身の健康を保つ意識も大切です。 当院「リペアセルクリニック」では、PRP療法や幹細胞治療などの再生医療による治療を行っています。 公式LINEでは再生医療に関する情報や簡易オンライン診断が受けられます。 ぜひお気軽に登録してみてください。 男性更年期障害に関するよくある質問 男性更年期障害は何科を受診すれば良いですか? 男性更年期障害が疑われる場合、まずは内科や泌尿器科を受診するのが一般的です。 なかでも泌尿器科は、男性ホルモンの低下や性機能の問題などを専門的に診療する診療科であり、ホルモン検査や治療を適切に行う体制が整っています。 男性更年期障害は何歳がなりやすいですか? 男性更年期障害は、40代後半から50代の男性に多く見られます。 テストステロンの分泌が30代半ばをピークに緩やかに減少し、40代後半になると影響が顕在化するのです。 ただし、年齢だけでなくストレスや生活習慣も発症に関与するため、若年層だからといって大丈夫とは限りません。 男性更年期障害にサプリは有効ですか? サプリメントには一定の栄養補助効果がありますが、医療的な治療や根本的な改善を目的とする場合には、まず食生活の見直しが優先されます。 とくに、ビタミンDや亜鉛などテストステロンの合成に関わる栄養素は、なるべく食事から摂取しましょう。 ただし、食事で十分にビタミンDや亜鉛を摂取できない場合は、サプリメントも選択肢となります。 男性更年期に効く食べ物はありますか? 特定の食品に頼るのではなく、栄養バランスの取れた食事を心がけ、ビタミンD・亜鉛・たんぱく質などを含む食品を日常的に摂取しましょう。 一部では、バナナがうつ症状を軽減する可能性を説明している場合がありますが、明確な科学的エビデンスは確認されていません。 また、適度な運動やストレス管理を含めた生活習慣全体の見直しも、症状の予防と改善に重要です。 参考文献 (文献1) 男性更年期障害(LOH症候群)の治療について|医療法人社団 實理会 東京国際大堀病院 (文献2) 加齢にともなうテストステロン分泌の衰えについて|大東製薬工業| (文献3) 西南泌尿器科クリニック|5分でわかる「男性更年期障害」 (文献4) 漢方で治そう|クラシエ薬品
2025.07.31 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
40代以降の女性にとって避けて通れないのが更年期です。 ホットフラッシュ(更年期に起こる急なほてりや発汗)やイライラ、眠れないといった不調を感じながらも、「年齢のせい」と我慢している方もいるのではないでしょうか。 更年期障害はすべての方に起こるわけではありませんが、発症しやすい体質や生活習慣、性格には一定の特徴があります。 本記事では、更年期障害になりやすい女性の特徴やリスク要因をわかりやすく解説し、重症化を防ぐためのポイントも紹介します。症状に悩む方は、ぜひ参考にしてください。 「当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状がある方や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 更年期障害になりやすい女性の5大特徴を解説 更年期障害はすべての女性が経験する可能性がありますが、症状の出やすさや重さには個人差があります。ここでは、なりやすい女性に共通する以下の「生理的要因」について詳しく解説します。 生理的要因(年齢・ホルモンバランス) ライフスタイル要因 心理的要因 社会的・環境的要因 遺伝的要因 生理的要因(年齢・ホルモンバランス) 以下のような生理的背景を持つ女性は、更年期障害が起こりやすくなる傾向があります。 早期閉経 月経不順になりがち 子宮・卵巣の手術歴がある 早期閉経 閉経が40歳未満で起こる「早発閉経(POI)」の女性は、エストロゲンが急激に減少してしまいます。(文献1)その結果、自律神経の不調やうつ症状、骨粗しょう症などのリスクが高まるため、注意が必要です。 また、早発閉経は自己免疫疾患や染色体異常、卵巣手術などが要因となることもあります。加齢による更年期とは異なり、ホルモンが急激に減少するため、体が急な変化に対応しにくく、重い更年期症状を引き起こす可能性もあります。 婦人科でのホルモン補充療法や漢方薬の活用、定期的な婦人科受診で、早めに自分の体の変化を把握することが大切です。 月経不順になりがち 月経が不規則な女性は、ホルモンの変動に体が慣れていません。そのため、更年期に入った際のエストロゲンの減少に敏感で、自律神経症状が出やすくなります。(文献2) 不眠や動悸、集中力低下などを感じやすく、精神面の不調も目立ちます。月経不順になりがちの女性は、規則正しい生活習慣だけでなく、基礎体温や月経周期の記録を残して自分のホルモンの変化に気づきやすくすると、症状を和らげる準備が可能です。 子宮・卵巣の手術歴がある 卵巣や子宮を摘出すると、エストロゲンの分泌が急に止まり、自然な閉経とは異なり「外科的閉経」となります。(文献3)この急激なホルモン断絶により、強い更年期症状が出やすくなります。 術後の不調にはホルモン補充療法が効果を期待できるといわれており、体の変化に合わせた定期的な医療サポートが不可欠です。子宮・卵巣の手術の予定がある女性は、術前・術後に医師と今後の体調管理について相談しておきましょう。 ライフスタイル要因 更年期症状を軽くするためには、生活習慣の改善が重要です。 以下では、代表的な4つの要因について説明します。 睡眠不足 運動不足 偏食・過度なダイエット 飲酒・喫煙 睡眠不足 睡眠不足は夜間のホットフラッシュや不眠を悪化させ、自律神経のバランスを乱します。(文献4)さらに、睡眠が不足するとストレスホルモン(コルチゾール)が増加し、更年期症状としてのイライラや集中力低下を引き起こしやすくなります。 睡眠不足を防ぐためには、就寝前のスマホ制限や寝室の環境(遮光カーテン・騒音対策)を整えるのが有効です。また、就寝時間を毎日一定にすることで、症状の悪化を防ぎやすく効果も期待できます。 運動不足 定期的に運動をする習慣がないと、筋力低下や骨密度の低下が進みやすくなります。(文献5)加えて、軽度な運動でもセロトニンやエンドルフィンの分泌が促され、メンタル面や睡眠の質の改善に影響してきます。 運動不足はうつ・不安・不眠などの更年期症状を強めることにつながります。そのため、運動不足が気になる方は、週に3〜5日ほど、ウォーキングや軽めの筋トレを取り入れてみましょう。 定期的な運動は、骨の健康を保ち、気分を安定させる効果が期待できます。毎日の生活に無理なく続けられる範囲で、体を動かす習慣をつけましょう。 偏食・過度なダイエット 極端なダイエットや特定の栄養に偏った食事を続けると、女性ホルモン(エストロゲン)をつくるために必要なビタミンやミネラルが不足してしまいます。その結果、ホルモンのバランスが乱れやすくなり、更年期の不調が強く出る原因になることがあります。 とくに栄養不足が続くと、骨量減少や身体疲労、免疫力低下を招き、更年期不調を増幅させやすくなります。 偏食やダイエット中の女性でも、カルシウムやビタミンD、タンパク質、良質な脂質を含むバランスの取れた食事を心がけてください。和食のように多様な食材を取り入れ、極端な減量は避けることが望ましいです。 飲酒・喫煙 喫煙はエストロゲンの代謝速度を速めて早期閉経を引き起こし、飲酒はホットフラッシュや不安症状を悪化させます。 また、重度の飲酒やたばこは更年期以外の骨粗しょう症や心疾患といった健康リスクを引き上げます。飲酒や喫煙が要因の可能性があるなら、禁煙を目指すことはもちろん、飲酒も1日1杯程度の節度ある量にとどめましょう。 心理的要因 人によっては、ストレスに敏感な性格や感情表現の苦手さが、更年期症状の悪化につながることがあります。以下4つのタイプを解説します。 真面目・神経質・完璧主義・責任感が強い 感情を表に出すのが苦手 感情の起伏が激しい・ストレス耐性が低い 真面目・神経質・完璧主義・責任感が強い 完璧主義や責任感が強い方は、自己への評価が厳しく、失敗への不安から慢性的なストレス状態に陥りがちです。これはコルチゾール分泌の増加につながり、更年期に伴うイライラや不眠、うつ傾向を悪化させます。 真面目で神経質、完璧主義、責任感が強い方は、自分の考え方のくせに気づき、少しずつ変えていきましょう。 その方法の一つが、「認知行動療法」です。これは気になる考え方や感じ方を整理する方法で「少し失敗しても次に活かせばよい」といった別の考え方を持てるよう練習します。 また、失敗したときやつらいときには、自分を責めすぎず、やさしく接することも大切です。 感情を表に出すのが苦手 自らの感情を抑え続ける傾向がある方は、外から見えないストレスが蓄積しやすく、その反動として不安感や身体症状(頭痛・動悸・消化不良など)が現れることもあります。 感情を表に出すのが苦手な方は、日記や信頼できる方への相談、自分の心の声に耳を傾ける時間を持つことが大切です。自分の気持ちを表現し、共感してもらえる環境を作ることで、内向的な緊張を軽減できます。 感情の起伏が激しい・ストレス耐性が低い 感情の起伏が激しい方は、ホルモンバランスの揺らぎに対しても敏感に反応します。とくに、うつ・不安・更年期のイライラ・涙もろさが強く出やすい傾向にあります。 対処法としては、呼吸法やヨガなどのリラクセーション法を習慣化し、心拍数を安定させる「自律神経トレーニング」が効果的です。また、専門家との定期カウンセリングもおすすめです。 社会的・環境的要因 仕事や家庭・社会的環境からのストレスが、更年期の症状をさらに悪化させます。以下3点について解説します。 仕事のストレス 家族問題によるストレス 更年期障害に対する周りのサポート(理解)がない 仕事のストレス 職場の過大な業務負担や不明瞭な役割、上司や同僚のサポート不足も更年期障害を引き起こす可能性があります。とくに、転職や昇進による責任の増加、職場の人間関係の変化、プレッシャーの強いポジションへの就任などは、自律神経を乱しやすくなるでしょう。 強いストレスは、ホットフラッシュや不眠、抑うつ感などの症状を悪化させる要因となります。仕事でストレスを感じている方は、テレワークや時差出勤などの柔軟な勤務方法や休憩、職場環境の調整を上司や人事に相談してみるのがおすすめです。 家族問題によるストレス 更年期世代の女性は、家庭内でも多くの課題を抱えがちです。親の介護負担や、子どもの反抗期・受験・進学・独り立ちなどによるストレスは、精神的な消耗を招きます。 とくに、子どもが巣立った後の喪失感や孤独感は、更年期うつの要因の一つです。こうした家庭の問題は、女性ホルモンの変動による心身の不安定さと重なり、更年期の症状をさらに悪化させる要因となります。 家族問題は一人で抱え込まず、地域の介護支援センターや教育相談窓口の活用、家族や専門家との対話を通じて負担を分散することが重要です。 更年期障害に対する周りのサポート(理解)がない 更年期症状への理解が職場や家庭で不足していると、症状を気兼ねなく話せなくなる方もいるでしょう。すると、孤立感や羞恥感が強まり、不調を助長してしまいます。 まずは自身が更年期について正しい知識を持ち、周囲に理解を促すことが大切です。 職場では、管理職や人事、産業医などが中心となって勉強会や支援制度の導入を進めることで、環境全体の理解が深まります。 こうした環境が整うことで、更年期の症状に対して安心して向き合えるようになります。 遺伝的要因 更年期障害の症状や重症度には、遺伝的な影響があるとされています。とくに母親や姉妹が更年期障害で強い不調を経験していた場合、自分も同様に重い症状が出るリスクが高まります。 さらに、更年期症状を和らげる効果があるとされる「エクオール」という成分を体内で作れない体質の方は、症状が重くなりやすい傾向があります。エクオールは大豆イソフラボンから作られる女性ホルモンに似た成分です。これを作れるかどうかは、遺伝的に決まります。 家族に更年期が重かった方がいる場合は、生活習慣の改善や早期の医療相談、必要に応じたサプリメントの活用などで、事前に対策しておきましょう。 更年期障害に関連する健康リスク 更年期障害の主な症状に加えて、エストロゲンの急速な低下が引き金となり、さまざまな健康リスクが高まります。リスクがある症状(病気)は主に以下です。 骨粗しょう症 生活習慣病 肥満 エストロゲンの減少によって骨密度が急激に低下し、骨折リスクが増加します。また、体脂肪の内臓への蓄積や血糖・血圧・脂質の乱れが起こりやすくなり、糖尿病・心疾患・脳卒中などのリスクが上昇します。 さらに、 中年期以降は腹部脂肪が増えやすく肥満の原因になりがちです。リスクを軽減するためには、骨密度を保つ運動(ウエイトトレーニングなど)、カルシウム・ビタミンD摂取、バランスの取れた食生活、適度な有酸素運動が効果的とされています。 これら対策は更年期症状を和らげつつ、将来の骨折や心血管疾患の予防にも直結します。更年期障害の自覚を少しでも感じたら、早めに生活習慣を見直すことが大切です。 【関連記事】 骨粗しょう症の原因は?骨がもろくなる要因や骨量を上げる予防策を解説 更年期関節痛とリウマチの違いは?見分けるポイントや治療法を医師が解説 【50代女性必見】糖尿病の初期症状とは?セルフチェック方法や予防法を医師が紹介 更年期障害にならない人はいる?発症割合をもとに紹介 更年期障害はすべての女性に起こるわけではありません。しかし、実際には「症状を自覚していない人」「症状があっても軽度な人」も多く存在します。 厚生労働省の調査では、年齢ごとの発症傾向が以下のように示されています。(文献6) 年齢層 医療機関を受診したことはないが、更年期障害を疑ったことがある/疑っている 更年期障害と診断されたことがある 40〜49歳 24.3% 3.6% 50〜59歳 34.5% 9.1% 60〜64歳 24.9% 6.9% 更年期症状を感じる方が多いのは50〜59歳の層で、約3割以上が「更年期障害を疑ったことがある/疑っている」と回答しています。一方で、実際に婦人科などの医療機関を受診している方は全体の10%未満にとどまり、多くの女性は「症状が軽い」「我慢できる」と判断して受診を控えているのが現状です。 この結果から、更年期障害は症状の重さに大きな個人差があることがわかります。約6〜8割の女性は軽い症状にとどまるか、医療機関での治療が不要なレベルで済んでいます。更年期を穏やかに過ごすには、日頃からの生活習慣管理や早めの情報収集がカギとなるでしょう。 更年期障害の症状が気になる場合は医師へ早めに相談しましょう 更年期障害は、年齢・性格・生活習慣・ストレス環境・遺伝的背景など、さまざまな要因が複雑に影響して発症します。ホットフラッシュや不眠、イライラなどの症状が現れても、すべての方に重い不調が出るわけではありません。 また、生活習慣病や骨粗しょう症、メンタル不調など将来的な健康リスクと関わることもあり、早めの対策が重要です。気になる症状がある場合は、婦人科や女性外来など専門医に相談し、適切なケアを受けましょう。 早めの対応が、健康的な更年期とその後の人生の第一歩になります。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を実施しています。気になる症状がある方は、ぜひ公式LINEにご登録ください。 (文献1) 早発閉経|MSDマニュアル (文献2) 更年期以降、エストロゲン減少に伴う症状はどのように変化するのか?|医療法人社団 冬城産婦人科医院 (文献3) 自然閉経と外科的閉経の更年期症状の違い|医療法人社団 冬城産婦人科医院 (文献4) 不眠の原因・症状と対策方法|更年期ラボ (文献5) 運動で更年期症状を緩和|大塚製薬 (文献6) 更年期症状・障害に関する意識調査|厚生労働省
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