頚椎症性脊髄症の症状と手術後のしびれ、機能障害への対処
公開日: 2021.11.17更新日: 2024.10.07
目次
頚椎症性脊髄症の症状と手術後のしびれ、機能障害への対処
頚椎症性脊髄症の症状と手術後のしびれや機能障害にいかに対処するか
【はじめに】
頚椎症性脊髄症という病気、難しい病名ですね。
実はこの病気、聞きなれないようですが、比較的多くの方が患われている病なんです。
この病気は、慢性的な神経への圧迫によって脊髄への血液循環が悪くなることで、その結果として細胞が死んでしまうために起こると考えられています。何とも怖いものです。
頚椎症性脊髄症は、年齢的な原因が多く、加齢を重ねることによって頚椎そのものや、頚椎と頚椎の隙間でクッションとして機能しておる椎間板、そして骨と骨の間に存在する靱帯などを含めて脊柱管といわれるものが変形してしまうために起こります。
年齢的には、50歳以降になって加齢とともに発症しやすい病気と考えられているのでご年配の方は注意が必要です。
ただし、年齢について、もともと脊柱管が狭い人がいて、そんなケースでは頚椎などの加齢性変化が始まると言われている40歳前後で発症する可能性もあるので「私は、まだまだ・・・」と思うのは早計です。
そこで気になる、この病気の治療法。一般的には外科手術で「髄神経の圧迫を減らす」ことが解決策になるのですが、手術の部位的にも難しく、いかに安全に神経組織への影響を最小限に抑えて行うえるかが命題でした。
そんな高難度な手術ですが・・・ 先端医療である「再生医療からのアプローチ」なら、そもそも手術を回避できる可能性があったりもしますので興味のある方はご相談ください。 |
次に、頚椎症性脊髄症の症状で手術後の症状としてお悩みの方が多いのが「しびれ」です。
この「しびれの症状」が残ると治療が難しい場合が多いのが実情ですが、最近は、「再生医療という新分野からのアプローチが可能」になってきています。
【第1章】頚椎症性脊髄症の症状
はじめにもご紹介しましたが、頚椎症性脊髄症のほとんどは、加齢による脊椎症性の変化によって脊柱管が狭くなる狭窄を生じることによって、脊髄や馬尾神経根という部分が圧迫されて引き起こされます。
この病気が発症すれば、脊髄が圧迫されるために、その影響で首や背中を含めて手足のしびれといった症状が現れます。それ以外にも、手がうまく使えなくなったり、足に力が十分入らずスムーズに歩行できなくなるなどの運動障害が現れるようになります。
また、神経を圧迫する結果、症状として頻尿や尿失禁などをはじめ、膀胱や直腸の機能が低下して日常生活に大きな支障を及ぼしてしまうことも稀ではありません。
特に困るのが頚椎症性脊髄症を患うと日常生活で必要不可欠な動作ができなくなります。
機能障害
例えば、箸を使う、ボタンをかける、字を書くといった細かい動作ができなくなるだけでなく、歩くことさえできなくなるなど、運動機能に大きな弊害が発生することになります。
このような運動機能障害が起こると、歩き方に障害が起こり、両脚が突っ張って、つま先を引きずるような歩き方になるため注意したいのは、頻繁に躓くようになり、その結果、転倒しやすくなるというものです。こうなると非常に危険です。
それだけではありません。脅すようで申し訳ないのですが、歩行時に足がピクピクとけいれんする異常反射が出現することもあり、バランスを崩して転倒後に頭部や頚部を打撲したり、捻挫すると、頚椎症性脊髄症自体が急速に悪化してしまうため、歩行時は極めて最大限の注意が必要です。
これらの疾患を日頃の症状から正確に診断して神経障害の程度を正確に評価することは、適切な治療を行う上でもたいへん重要な視点になります。
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【第2章】頚椎症性脊髄症 術後のしびれと再生治療による治療効果
仮に本疾患を発症したとしても、手足の軽いしびれ程度しかないなど、自覚のない軽症である場合は鎮痛剤や、神経ダメージを修復する作用を有するビタミンB12などによる薬物療法などを中心とした保存的な治療が行われます。
ところが、日常生活を送るうえで大な支障をきたすような痛みや、しびれ、あるいは運動機能の低下など強い症状がある場合は、脊柱管を拡げるための手術が必要と考えられています。
さらには、近年ではMRIなどの画像検査で神経圧迫が顕著な場合や、骨や靱帯など構造物の物理的変化が明らかに認められるようなケースでは、たとえ症状が軽微であっても早期的に手術した方がよいとの意見もあります。
実際に、症状を改善させる目的で脊椎手術に期待するわけなんですが、ここに問題があって、せっかく手術した後でも実のところ、しびれや、感覚障害が残存する可能性があるのです。
その理由は、長期に渡って脊髄神経の圧迫状態が続いた場合、手術によっても神経は元通りに改善するわけではなく、たとえ「圧迫を取り除いたとしても、神経症状が治らない」からです。
再生医療の可能性
そこで昨今のトピックスとして、術前に強い感覚障害などの自覚症状を呈する症例や、術後にもしびれ症状が残存する強い脊髄症を患っている方々に対して、自己脂肪由来幹細胞を用いて治療する再生医療による治療が話題を呼びはじめています。
この方法は、その患者の体内にある脂肪から幹細胞を取り出し、数千倍~にも培養し、患部への注射や、点滴で培養した幹細胞を投与することで神経再生を促進する治療に繋げるという先端医療です。
幹細胞は、本来人間のあらゆる場所に存在していて、同じ細胞を作る能力と、別の種類に分化する能力を持った細胞なのです。つまりは、何にでも変化できるため、自己修復能力を持った細胞と言えるのです。
実際に、投与された自己脂肪由来・幹細胞が傷ついた神経部位に対して血管の新生や圧迫受傷された神経箇所の修復を促す特徴が認められてきました。
さらには、この再生医療を行った後にリハビリテーションを重ねて実践することで、組織修復力が格段と向上することを期待もできるため、お悩みの方には朗報になるものですね。
再生能力が高く、新しく問題や傷のある部位に働きかける幹細胞は、神経の再生に重点を置いたリハビリテーションを並行して実施することで神経細胞としての機能を獲得して傷んでいる損傷部位の修復に効果的に働きかけることが期待できます。
つまり、「再生医療」は、頚椎症性脊髄症で問題となる「しびれをはじめとした神経症状」に対して有効な治療法として期待が持てる!ということなのです。
まとめ・頚椎症性脊髄症の症状と手術後のしびれ、機能障害への対処
頚椎症性脊髄症とは、頚椎などの脊柱管が加齢性によって変形して、重要な脊髄が走行する脊柱管の隙間が狭くなることで脊髄が圧迫され、色々な問題のある神経症状を覚える病気です。
本疾患を発症する原因としては、加齢に伴う頚椎などの物理的な構造の変化が多いと考えられていますが、もともと日本人は諸外国人に比べて脊柱管が狭い傾向があることもあり、頚椎症性脊髄症を発症しやすいと言われています。
頚椎症性脊髄症では、脊髄へのダメージが軽度なケースでは軽い手足のしびれ症状のみですが、神経へのダメージが大きければ大きなほど、手足の筋力低下や、運動障害などの麻痺、そして頻尿や失禁など膀胱、直腸障害などの症状も併せて見られるようになります。
▼改善を目指し、神経の圧迫を手術で除いたにもかかわらず、術後にしびれや麻痺などの症状が残った場合には、あきらめることなく、近年注目を浴びている「自己脂肪由来の幹細胞を投与する再生治療を受けることで改善の可能性がある」ことを思い出してください。