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【画像あり】脊柱管狭窄症とヘルニアの違いとは?見分け方や原因を医師が解説
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「脊柱管狭窄症とヘルニアは何が違うの?」「自分でも見分けられる方法はある?」と考えている方も多いのではないでしょうか。
腰痛や足のしびれを出す疾患を調べると脊柱管狭窄症とヘルニアの2つがヒットしやすく、疾患名を目にしたことがある人も多いかもしれません。
結論からいえば、脊柱管狭窄症とヘルニアの違いは、発症しやすい年齢や症状が出る動作が挙げられます。対処法もそれぞれ異なるため、正しく見分ける必要があるでしょう。
この記事では脊柱管狭窄症とヘルニアの違いを詳しく解説しつつ、それぞれの治療法を解説します。腰の痛みに悩まされている人は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
目次
脊柱管狭窄症とヘルニアの違い
脊柱管狭窄症とヘルニアは腰痛や足のしびれを引き起こす疾患で、どちらも腰の神経が圧迫されることで生じます。これらの疾患には以下のようなポイントで違いがあります。
- 発症しやすい年齢の違い
- 病態による痛みの出方の違い
- 歩くほど痛みが増すかどうかの違い
腰の痛みや足のしびれに悩んでいる方は、自分の症状と照らし合わせてみましょう。
ちなみに、脊柱管狭窄症とヘルニアの詳しい病態は以下の記事で解説しています。以下の記事も目をとおしておくと本記事の内容も理解しやすいので、こちらもぜひチェックしてみてください。
発症しやすい年齢
脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアは、発症しやすい年齢に違いがあります。脊柱管狭窄症は高齢者に多く、椎間板ヘルニアは若い世代に多いのが特徴です。
発症しやすい年齢に差がある理由は、それぞれの疾患の発症原因が異なるためです。
脊柱管狭窄症は、腰椎(腰の骨)を後ろから支える黄色靭帯が加齢により厚くなり、脊柱管(神経が通る部分)を狭めることで神経を圧迫して起こります。
一方、椎間板ヘルニアは、椎間板(腰椎にあるクッション)の中心部にある髄核が後方へ押し出され、神経を圧迫する疾患です。
髄核は、重いものを持つなどして腰に強い負荷がかかった際に押し出されやすいため、若年層が発症しやすいとされています。
痛みが出やすい姿勢
脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアでは、痛みが出やすい姿勢にも違いがあります。
脊柱管狭窄症は後ろに反ると痛みが出やすく、椎間板ヘルニアは前に屈むと痛みが出るのが特徴です。
痛みが出やすい姿勢が異なる理由は、神経が圧迫される仕組みの違いがあるからです。
脊柱管狭窄症では、腰椎の後ろを上下に走る神経が、後ろに反る姿勢によって脊柱管が狭くなり圧迫されやすくなります。そのため、後ろに反った姿勢で痛みやしびれが生じやすくなります。
一方、椎間板ヘルニアでは、髄核が後方へ突出して神経を圧迫するため、前かがみの姿勢で圧迫が強まり、痛みやしびれを引き起こします。
歩行時における腰から足の痛みや排尿・排便障害の有無
脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアは、歩行時の痛みや排尿・排便障害があるかどうかも違いがあります。これらの症状は、脊柱管狭窄症でよくみられるものです。
とくに歩行中に腰から足にかけて痛みが生じる「間欠性跛行」は、脊柱管狭窄症の代表的な症状です。
また、排尿や排便に支障が出る場合もあり、これは腰部の神経の一部である馬尾神経(ばびしんけい)が圧迫されることによって起こります。
脊柱管狭窄症では加齢が原因で馬尾神経が圧迫されることが多い一方、椎間板ヘルニアで馬尾神経が圧迫されるケースは少ないとされています。
当院リペアセルクリニックでは、脊柱管狭窄症やヘルニアの治療として、神経や筋肉に対する効果的な再生医療を提供しています。
気になる方はお気軽に当院のメール相談もしくはオンラインカウンセリングをご利用ください。
【症状チェック】脊柱管狭窄症とヘルニアの見分け方
脊柱管狭窄症とヘルニアの見分け方として、以下の項目で症状をチェックしてみてください。
- 腰痛の出方
- 歩いて痛みがあるかどうか
- 排尿・排便障害の有無
これらの症状は、脊柱管狭窄症とヘルニアを見分けるときの重要な手がかりとなります。
ただし、両疾患は似た症状を持つことが多く、自己判断が難しい場合もあります。その際は無理をせず、整形外科を受診して医師の診断を受けましょう。
腰痛の出方
まず、体を後ろに反る動きや、前屈みの動きを試してみてください。
- 後ろに反ると痛む場合:脊柱管狭窄症が疑われます。
- 前屈みで痛む場合:ヘルニアの可能性があります。
後ろに反って痛みが出るのは、脊柱管が狭くなり神経が強く圧迫されるためです。そのため脊柱管狭窄症の可能性があるといえるでしょう。
一方、前屈みでは脊柱管は広がりますが、椎間板内の髄核が後方に押し出されます。よってヘルニアの場合は前屈みで痛みが出るケースが多くあります。
歩いて痛みが強くなるかどうか
歩行中に腰や足の痛みが強くなる場合、脊柱管狭窄症が疑われます。
とくに歩行後に痛みが強くなり、休むと症状が和らぐ「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」は、脊柱管狭窄症の代表的な症状です。この特徴を確認するために、歩行後に少し休んで痛みが和らぐか試してみましょう。
もし間欠性跛行について詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
排尿・排便障害の有無
排尿・排便障害があるかどうかも重要なチェックポイントです。
排尿・排便障害とは、自分で排尿や排便をコントロールできず、尿や便が出たことに気付けない状態を指します。
これは、馬尾神経が圧迫または損傷された場合に見られる症状で、脊柱管狭窄症に多い特徴です。一方、椎間板ヘルニアではこの症状が現れることは少ないとされています。
自分で判断できない場合には整形外科の受診がおすすめ
これらのチェックポイントを試しても判断が難しい場合は、無理をせず整形外科を受診しましょう。MRI検査を行えば、脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアを明確に区別できます。
診察時には、どのような姿勢で痛みやしびれが出るのかを医師に伝えると、診断がスムーズになります。とくに痛みが出やすい姿勢は診断において重要な情報ですので、忘れずに伝えてください。
脊柱管狭窄症・ヘルニアにおける2つの治療法
脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアには、主に次の2つの治療法があります。
- リハビリや注射などの「保存療法」
- 外科的に神経の圧迫を取り除く「手術療法」
疾患の特性や症状に応じて、適切な治療を選ぶことが重要です。この解説を参考にして、自分に合った治療法を検討してください。
注射やリハビリなどの「保存療法」
脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアのいずれにも、保存療法が有効です。
とくに神経の活動を抑える「神経ブロック注射」は、痛みやしびれを和らげることが期待できます。
また、腰椎を安定させる体幹トレーニングを中心としたリハビリも効果的です。体幹が安定することで神経の圧迫が軽減され、症状の改善が期待できます。
ただし、脊柱管狭窄症とヘルニアではリハビリの内容が異なるため、医師や理学療法士の指導を受けることが必要です。
治療の詳細やリハビリの方法については、以下の記事も参考にしてください。
重症の場合は「手術療法」
痛みやしびれが強く、筋力低下などが見られる場合には、手術療法を検討することもあります。
外科的手術で神経の圧迫を取り除くことで、症状の軽減が期待されます。
ただし、手術によって改善するのは神経の圧迫そのものであり、一度損傷した神経を再生させることはできません。そのため、手術は神経が損傷する前に検討する必要があるでしょう。
手術以外の治療法として、再生医療という選択肢もあります。当院「リペアセルクリニック」でも、神経や筋肉の損傷に対する再生医療を提供しています。気になる方は、メール相談もしくはオンラインカウンセリングからお気軽にご相談ください。
まとめ|脊柱管狭窄症とヘルニアの違いは「発症しやすい年齢や痛み」!痛みが続くなら受診しよう
脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアは似た症状を引き起こしますが、発症しやすい年齢や痛みの出方に違いがあります。それぞれの疾患の特徴を知ることで、大まかな見分けは可能ですが、正確な診断には整形外科での検査が不可欠です。
神経の圧迫が長期間続くと、神経が損傷して元に戻らなくなる可能性があります。早期の受診し、適切な治療を受けることが大切です。
なお、当院「リペアセルクリニック」では、損傷した神経の根本的な治療を目的とした再生医療を実施しています。脊柱管狭窄症やヘルニアの治療法の選択肢として検討したい方は、メール相談もしくはオンラインカウンセリングからお気軽にご相談ください。
この記事が少しでもお役に立てれば光栄です。
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脊柱管狭窄症とヘルニアの違いについてよくある質問
脊柱管狭窄症とヘルニアの違いはなんですか?
発症しやすい年齢や痛みの出方が異なります。
脊柱管狭窄症は高齢者に多く、後ろに反ると痛みやしびれが生じやすいのが特徴です。一方、椎間板ヘルニアは若年層に多く、前屈みで痛みやしびれが出ることが多いです。
脊柱管狭窄症とヘルニアを見分ける方法はありますか?
痛みの出方や特徴的な症状で見分けられます。
後ろに反ると痛ければ脊柱管狭窄症、前屈みで痛ければヘルニアの可能性が高いです。また、間欠性跛行や排尿・排便障害は脊柱管狭窄症の特徴的な症状です。ただし、正確に見分けるためには整形外科での診察をおすすめします。
脊柱管狭窄症 ヘルニアはどっちが痛いですか?
痛みの強さは疾患の重症度によります。どちらも神経の圧迫で発症する疾患のため、痛みの程度は個人差があります。正確な判断には整形外科での画像検査が必要です。