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【医師監修】ヘバーデン結節でやってはいけないこと!治療・予防方法もあわせて紹介

公開日: 2022.01.18
更新日: 2024.10.07

ヘバーデン結節とは、手指部が変形・曲がってしまうことで痛みを感じる原因不明の病気です。現在、ヘバーデン結節を患っており痛みに悩まされている方も多いことと存じます。

そこで本記事では、へバーデン結節を発症した方が日常生活において、やってはいけないことや注意すべきことを詳しく解説します。

また、予防法についても紹介しているので「まだヘバーデン結節と診断はされていないけど不安……」という方も最後までご覧ください。

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【予備知識】ヘバーデン結節の発症要因と症状

ヘバーデン結節とは

ヘバーデン結節とは、手指部における第1関節に相当する箇所が変形、または腫脹し痛みが生じるを感る原因不明の病気です。関節にある軟骨のすり減りと増殖により、変形を引き起こすと考えられています。

手の疾患における変形性関節症の部類で最も罹患数が多く、特に日本人の発症率が高い病気です。

ちなみに傷病名にあるヘバーデンとは、もともと英国人医師の名前です。1802年にヘバーデン氏が、手指の第一関節に慢性的な関節リウマチや痛風とは異なる病変が生じると指摘したことに由来して名づけられました。

関節組織の加齢による変化によってさまざまな変形所見が認められ、第1関節のうしろ(手背)側の中央付近に2つのコブのような結節所見がみられる特徴があります。

発症要因

実はこのへバーデン結節は、これまでの医学的研究をもってしても未だに明確な原因が特定されていません。

しかし、判明しているいくつかの要因もあるためご説明いたしましょう。

一般的に年齢を重ねれば、重ねるほどへバーデン結節など変形性関節症の発生率は高くなると言われています。

また、日常生活や仕事で手指を頻繁に使用する方が発症しやすい疾患とされています。

外傷によるものを除外すると「裁縫や刺しゅう、農業関係の手仕事に従事」していた方々が発症しやすいです。それと同時に、患者さんの概ね8割が主婦であったとの調査結果があります。

また、へバーデン結節は更年期以降の女性に多く発生し、とくに女性は男性の約2倍以上の確率で発症することがわかっています。

したがって、本疾患の背景には女性ホルモンの変調が関与している可能性が推測されています。

くわえて、遺伝や環境といったさまざまな要素が複合的に組み合わさって発症するとも考えられています。ただし、遺伝性と明確にうたえるエビデンス(証明)に乏しいものの、これまでに母娘間あるいは姉妹間などの家族内で多発する例が散見されているのも事実です。

それ以外にも外傷・甲状腺疾患・糖尿病などの疾患に合併して発症する場合や、とくに誘因なく特発性に現れるケースも存在しています。

へバーデン結節の発症原因(発症リスク):明確な原因は未だ不明
  • ・加齢(年齢と共に発生率が上昇)ただし唯一ではない
  • ・仕事等にて手指を頻繁に使用する
  • ・裁縫や刺しゅう、農業関係の手仕事を業務といて日常的に行う
  • ・発生者の88割が主婦 ・更年期以降の女性に多い(女性ホルモン)
  • ・遺伝的要素(母娘間、姉妹間、家族内)証明できていない
  • ・その他(外傷性、甲状腺疾患、糖尿病等の合併症)

症状

へバーデン結節の典型的な症状として軟骨のすり減りや骨の骨棘形成によって出っ張り、関節部分が膨らみがみられます。とくに、母指(親指)や、示指(人差し指)から小指にかけて第1関節が赤く腫れあがる傾向がみられ、過度に屈曲運動をすると疼痛症状(痛み)を合併します。

へバーデン結節の典型的症状
  • ・軟骨のすり減り
  • ・骨の骨棘形成による関節の出っ張り、膨らみ
  • ・母指(親指)、あるいは示指(人差し指)から小指にかけて第1関節の赤い腫れ
  • ・屈曲運動(曲げると)疼痛(痛み)が起こる
  • ・爪が変形(凸凹になることがある)

それらの所見が認められるのと同時に、関節を支える役割を有する靭帯部分が緩むとされていて、たとえば物を指でつまむときなど関節が不安定になり、指の先の力が入りにくくなることもあります。

時間の経過とともに、疼痛症状は落ち着いてくることが多いのですが、早めに症状の悪化を防止するべきです。

また、この疾患を発症した場合に、爪母(爪の根本部分)が影響をうけて「爪が変形して凸凹になる」特徴がみられるため、そのような所見を確認した際には放置せず、皮膚科などで診察を受けるよう心がけましょう。

ヘバーデン結節におけるやってはいけないこと

へバーデン結節における治療・予防方法は、普段から指先に過度な負担が生じる作業を避ける・腫れや熱感があるときは患部を積極的に冷却する・軽くマッサージを実践する・装具などで関節部の安静を保つことが挙げられます。

したがって、上記事項に逆行する行為はへバーデン結節を発症した人がやってはいけないことです。

へバーデン結節でやってはいけないこと
  • ・指先に過度の負荷をかけない
  • ・患部を温めない
  • ・強くマッサージしない
  • ・重い鞄を手で持たない(ショルダータイプにする)
  • ・スマホなどにも注意(指を動かしすぎない)
  • ・指を使う作業を避ける

ヘバーデン結節の治療方法

へバーデン結節の治療は、保存的治療・薬物療法・手術療法の概ね3種類の方法から検討します。

保存療法は、テーピングやサポーター、外固定(金属のリング等)によって関節を固定(安定)させたり、アイシング治療が行われることが一般的です。

薬物療法は、関節内へのステロイド注射が用いられます。

痛みや変形症状が進行すると手術療法が必要となり、関節固定術や関節形成術(コブ結節の切除)といった処置が検討されます。

高度変形や強い疼痛が伴う場合には、手指の運動機能障害や整容上(見た目)の問題が発生するため、無理をせずに早期に医療機関を受診しましょう。

へバーデン結節の治療法
  • ・保存療法:テーピング、サポーター、外固定(金属のリング等)で関節を固定(安定)、アイシング
  • ・薬物療法:関節内へステロイド注射
  • ・手術療法:関節固定術、関節形成術(コブ結節の切除)

ヘバーデン結節の予防方法

現代社会では、日常生活においてスマートフォンが手指の障害をきたすと言われ、とくに小指でスマートフォンを持つ動作がヘバーデン結節を誘発すると考えられています。スマホの画面操作は出来る限り両手で行うよう意識しましょう。

また、大豆に含まれているイソフラボンが女性ホルモンと成分が類似していることから、豆乳や豆腐・納豆・きなこなどを日常的に摂取することで症状の改善につな繋がる可能性もあります。

指の第1関節の動作は、日常生活でなかなか意識しづらいことではあるものの、知らず知らずのうちによく利用している部位です。

手指を動かすたびに疼痛症状が出現するようならば、痛みを悪化させないための対策や工夫を講じることが重要です。

へバーデン結節、発症後に気を付けるべきこと
  • ・スマートフォンスマートホンの操作や持つ方の注意
  • ・ペットボトル等のキャップの開閉(オープナーを使う)
  • ・ガーデニング ・鞄は指で持たない(ショルダー等)
  • ・ドアの開け閉め
  • ・タンス、クローゼット
  • ・ボタン掛け、調理、掃除、裁縫ほか
  • ⚪︎手指を使わない工夫を考える
  • ⚪︎家族にできることは依頼する(できないことを説明、理解を得る)

まとめ|ヘバーデン結節のやってはいけないことを避けて症状改善を目指そう

ヘバーデン結節は、高齢者はもちろん若年層でも発症の危険性がある疾患です。

放置すると徐々に指の変形が進行し、最終的には横を向いてしまう危険性もあります。ただし、日常生活におけるさまざまな工夫によって疼痛症状の改善は可能です。

へバーデン結節におけるやってはいけない・予防事項を認識しながら、前向きな対処策を実践していきましょう。

なお、当クリニックではヘバーデン結節をはじめとする手指に関する病気にお悩みの方を対象に無料相談を実施しています。お気軽にご相談ください。

ヘバーデン結節に関するQ &A

この項目では、ヘバーデン結節に関するよくある質問をもとに、当クリニックの観点から回答を提供しています。

ヘバーデン結節にお悩みの方や発症を心配している方は、参考にしてみてご確認ください。

ヘバーデン結節を放置するとどうなる?

ヘバーデン結節を放置してしまうと、長期間にわたって変形が進行するとされています。

変形が進むと屈曲した状態で関節が固まり痛みがなくなる傾向にありますが、骨の変形であることから元に戻すことが困難になってしまいます。

ヘバーデン結節になったら食べてはいけない食べ物は?

ヘバーデン結節における食べ物で気をつけなければならないのは、リン酸を多く含む食品の過剰摂取です。具体的には、加工食品やスナック菓子・インスタント麺などが挙げられます。

対して、イソフラボンを含む豆製品やカルシウムを含む食品はヘバーデン結節の症状改善に有効とされているので、意識的な摂取を心がけましょう。

へバーデン結節は何科を受診したほうがいいですか?

へバーデン結節は整形外科を受診しましょう。

また、へバーデン結節の兆候としてみられる「爪が変形して凸凹になる」現象が顕著で、不安を抱く方は皮膚科の受診を検討しても良いでしょう。

ヘバーデン結節は何人に1人くらいの割合で発症していますか?

ヘバーデン結節は日本の人口約1億2千万人に対して3千万人の推定患者がいると言われています。

高齢であればあるほど発症率は高くなりますが、スマートフォンの普及に伴い若年層でも発症する疾患です。

50代

約29%

60代 約35%
70代 約51%
80代 約59%

疑いがあるときは「自分は大丈夫」と油断せずに、整形外科の受診を検討しましょう。

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