肉離れが全治するまでの期間は?早く治すコツや再発予防も紹介
公開日: 2022.03.15更新日: 2024.11.06
肉離れが全治するまでの期間は、重症度によって異なります。
筋繊維のわずかな損傷である軽症の場合は1〜2週間程度、筋繊維の一部断裂を伴う中等症では3〜5週間程度、筋繊維が完全断裂する重症の場合は全治までに2〜3カ月ほどかかります。
本記事では、肉離れが全治するまでの期間を重症度別に詳しく解説します。肉離れを早く治すコツや再発予防のポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
肉離れの全治までの期間
肉離れの全治までの期間は、重症度によって異なります。肉離れの重症度は以下の3段階に分類されます。(文献1)
- 軽症
- 中等症
- 重症
重症度ごとの全治までの期間を見ていきましょう。
軽症
軽度の場合は、全治までの期間は1〜2週間ほどです。
軽度は、筋繊維が微細に損傷している状態です。筋肉が小さなダメージを受けており、筋肉に出血が見られます。
受傷部を押すと痛みを感じますが、何もしなければ痛みはほとんどありません。歩行やストレッチはわずかな痛みを感じる程度です。
中等症
中等症の場合、全治までの期間は3〜5週間ほどです。
中等症は、筋繊維や筋膜が損傷または一部断裂している状態です。筋肉へのダメージがやや大きく、皮下出血が見られます。
受傷部を押すと強い痛みを感じます。歩行やストレッチはできるものの痛みを伴うため、継続して身体を動かすのが難しくなります。
重症
重症の場合は、全治までの期間は2〜3カ月ほどかかります。
重症は、筋繊維が完全に断裂している状態です。なにもしていなくても強い痛みを感じ、歩行やストレッチといった日常の軽い動作も困難です。
肉離れの全治を目指した代表的な2つの治療法
肉離れに有効な2つの治療法を解説します。
- 安静・固定・リハビリ
- 再生医療(PRP療法)
順番に見ていきましょう。
固定・安静・リハビリ
肉離れの基本的な治療は、固定・安静・リハビリです。
肉離れは、筋肉が切り傷や裂傷を起こしている状態です。実際に起きていることは、転んだときにできる切り傷や裂傷と一緒といえます。傷は皮膚と皮膚を寄せ合い固定することによって修復していきます。
肉離れが起きた際も、テーピングや包帯などで固定して、症状が落ち着くまで安静にします。そして、徐々に可動域を広げるリハビリをおこなっていくのが基本的な治療パターンです。
再生医療(PRP療法)
「再生医療(PRP療法)」とは、患者さまの血液に含まれる血小板の治癒力を利用して、傷ついた組織を修復する医療技術です。
治療方法は、採取した血液を遠心分離機にかけて、血小板を濃縮した液体を注射で患部に注入するだけです。30分ほどで一連の治療を終えられるので、身体への負担も大きくありません。
再生医療(PRP療法)は肉離れを含むスポーツ外傷に高い効果が期待できる治療法なので、スポーツに早期復帰したい方にもおすすめです。
「再生医療(PRP療法)で肉離れはどうやって治療するの?」と気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。実際の治療例をお見せしながら、再生医療の仕組みをわかりやすくお伝えいたします。
以下の記事では、PRP療法の詳細やメリット・デメリットを解説しています。PRP療法についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひあわせてご覧ください。
肉離れを早く治すコツ
肉離れを早く治すには、応急処置の実施がとても大切です。適切な応急処置をおこなえば、腫れや内出血を最小限に抑えられ、結果的に全治までの期間も短縮できます。
肉離れに有効な応急処置は、RICE処置です。RICE処置は、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字から名付けられました。
肉離れにおけるRICE処置の内容は以下のとおりです。
処置 |
内容 |
安静 |
・無理に身体を動かさず安静にする |
冷却 |
・ビニール袋やアイスバックに氷を入れて患部を冷やす |
圧迫 |
・テーピングや弾性包帯で軽く圧迫気味に固定する |
挙上 |
・患部を心臓より高く挙げる |
参考:日本整形外科学会監修|スポーツ外傷の応急処置(RICE処置)
肉離れを起こしたときは、病院にかかるまでの間にこのRICE処置を試してみてください。
まとめ|肉離れが全治するまでの期間を知って回復を目指そう
肉離れが全治するまでの期間は、重症度によって異なります。
全治までにかかる期間の目安
- 軽症:約1〜2週間
- 中等症:約3~5週間
- 重症:約2〜3カ月
上記の期間はあくまで目安です。怪我の具合や回復速度は個々によって違うので、担当医の指示に従いながら、焦らず着実に回復を目指しましょう。
肉離れに効果的な治療法の1つに「再生医療(PRP療法)」があります。PRP療法とは、人間の組織や血液に含まれる自然治癒力を活用して、傷ついた筋肉を修復させる医療技術です。
身体に負担の少ない治療法として、今注目されています。「具体的な治療内容や効果が知りたい!」という方は、再生医療を専門とする『リペアセルクリニック』にご相談ください。
肉離れに関するよくある質問
最後に肉離れに関するよくある質問と回答をまとめます。
太ももやふくらはぎの肉離れが全治するまでの期間は?
太ももやふくらはぎの肉離れが全治するまでの期間は、重症度によって異なります。重症度別の全治までの期間の目安は、前述した情報が参考になります。以下でもう1度、情報を振り返りましょう。
- 軽症:約1〜2週間
- 中等症:約3~5週間
- 重症:約2〜3カ月
自身の症状の程度にあわせて適切な治療を進めてください。
以下の記事では、ふくらはぎの筋断裂(肉離れ)について解説しています。原因や予防法なども紹介しているので、詳細が気になる方は参考にしてみてください。
軽度の肉離れだと1週間ほどで治りますか?
軽度(筋繊維が微細損傷したレベル)の肉離れであれば、1週間で治るケースもあります。先述のとおり、軽度肉離れの全治までの期間は、およそ1〜2週間です。
ただし、期間を気にして焦って治そうとするのは禁物です。担当医の指示のもと、無理のない範囲で回復を目指しましょう。
肉離れを予防する方法はありますか?
肉離れの予防には、運動前の十分なストレッチが効果的です。
肉離れは、筋肉の疲労や柔軟性の低下が原因となって起こります。運動前にしっかりストレッチをして筋肉をほぐしておけば、筋肉への負担を軽減でき、肉離れのリスクを下げられます。
肉離れが一生治らない可能性もありますか?
肉離れは適切なケアをすれば、完治する可能性が高いケガです。
ただし、1回肉離れを起こした筋肉は再発を繰り返すと言われています。そのため、肉離れが起きたら完全に治すことに集中するのが望ましいといえます。中途半端に治療すると再発のリスクが高まってしまうためです。
また、肉離れが治ったあとは、運動前のストレッチを念入りにおこない、再発防止に努めましょう。
【参考文献】 文献1:https://www.rinspo.jp/journal/2010/files/24-3/331-333.pdf |