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側弯症の原因は?考えられる要因や症状を現役医師が解説

側弯症
公開日: 2022.08.08 更新日: 2025.02.10

ご自身あるいは家族が側弯症と診断された方の中には「なぜ側弯症になったのか?」と疑問をもつ方もいることでしょう。

側弯症は思春期に多く発症する疾患で、発症する原因は現時点で完全には特定されていません。しかし、先天性異常や遺伝的要因が影響していると考えられています。

本記事では、側弯症の原因や発症リスクに関する最新の知見をわかりやすく解説します。治療の選択肢も紹介しているので、治療方針の検討にお役立てください。

【基礎知識】側弯症とは?

膝の痛み、変形性膝関節症

側弯症とは、文字通り、背骨が横側に弯曲する病気です。多くは思春期に診断されますが、大人になって発症するケースもあります。

ごく軽度の側弯症の場合は、経過観察で問題ありません。しかし、弯曲の角度が大きいと装具の着用や手術が必要となってきます。

側弯症の原因|姿勢や遺伝との関連性

側弯症は、原因が特定されていません。ただし、家族内で発症するケースがあるため、遺伝的要因が関係している可能性が考えられています。

原因がわからない側弯症は、特発性側弯症と呼ばれています。特発性側弯症の特徴を以下にまとめました。

  • 年齢:一般的に思春期に始まる
  • 性別:女児に多くみられる
  • 進行リスク:女児の方が側弯が悪化し、治療を必要とするリスクが高い
  • 家族歴:家族に遺伝する可能性がある(全く家族歴がない場合もある)

そのほか、脳性麻痺や筋ジストロフィーなどの特定の神経筋疾患、脊椎の骨の発育に影響を及ぼす先天性異常、乳児期に胸壁の手術を受けたことなどが影響する場合もあります。

側弯症の症状

側弯症の症状には、以下のようなものがあります。

  • 肩の位置が左右で異なる
  • 腰の位置が異なる
  • 片方の肩甲骨が飛び出して見える
  • 胸郭の片側が前に突き出ている
  • 前屈みになったとき背中の片側が隆起する

進行すると胸郭が肺に圧迫され、呼吸が困難になる場合があります。また、体の中心が片方へ傾いてしまうため、運動や生活に支障をきたすケースも珍しくありません。

適切に治療されていないと、慢性的な背中の痛みを抱えやすくなるため、早期発見・早期治療が大事になってきます。

側弯症の治し方

ここでは、側弯症の治し方について解説します。側弯症の代表的な治療方法は以下の3つです。

  • 装具の着用
  • 外科手術
  • ストレッチ・エクササイズ・姿勢の改善

弯曲の重症度によって治療法が異なるので、医師と相談の上で最適な方法を選択しましょう。

装具の着用

骨がまだ成長過程で側弯症が中程度の場合、装具(主にコルセット)の着用が検討されます。

装具をつけても側弯症が完全に治るわけではありませんが、弯曲の進行を防ぐ効果があります。

一般的な装具はプラスチック製で、胴体にぴったり合うように作られます。腕の下や胸の周り、腰にフィットするため、服を着ればほとんど目立ちません。

装着時間は症例により異なるため、医師の指示に従って装着することが重要です。

装具をつけていても、普段の生活に大きな支障はありません。スポーツや運動に参加する際は、必要に応じて装具を外せる場合もあります。

装具の使用は、身長の伸びが止まるまで続けます。

外科手術

重度の側弯症は、時間がたつにつれて悪化しやすいため、手術の選択が視野に入ってきます。手術の治療目的は、背骨の歪みを矯正し、進行を防ぐことです。

一般的な手術方法は「脊椎固定術」です。この方法では、背骨のいくつかの骨(椎骨)をつなぎ合わせて、それ以上の進行を防ぎます。

成長期に急速に進行しているときは「ロッド」と呼ばれる矯正器具を背骨に沿って取り付ける手術をする場合もあります。ロッドは長さを変えられ、成長に合わせて定期的に調節可能です。

なお手術にはリスクもあります。具体的には、手術部位による感染症や、周辺神経の損傷などです。

手術の必要性やリスクについては、専門医とよく相談した上で判断する姿勢が大切です。

脊髄損傷の治療においては「再生医療」も選択肢として挙げられます。近年、研究が進み幹細胞を使った再生医療により脊髄損傷の後遺症が回復した症例が数多く報告されています。

「再生医療で脊髄損傷をどうやって治療するの?」と気になる方は、再生医療を専門とする『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。

手術しなくても治療できる時代です。

脊髄の損傷は手術しなくても治療できる時代です。

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ストレッチ・エクササイズ・姿勢の改善

体のバランスが崩れると、筋肉への負担が増し、姿勢を維持するために余計な力が入りやすくなります。

そこで効果的なケアが、ストレッチ・エクササイズ・姿勢の改善です。

それぞれのケア方法と期待される効果を以下の表にまとめました。

<td”>姿勢の改善

ケア方法

期待される効果

ストレッチ

筋肉の緊張を和らげる

エクササイズ
(筋力トレーニングやフィットネス、体操など)

適切な運動で体幹を強化できる

姿勢の改善

正しい姿勢の維持で症状改善が期待できる

医師に相談のもと、無理のない範囲でケアを行い症状の改善を目指しましょう。

まとめ|側弯症の原因を知って理解を深めながら治療を進めよう

側弯症は、背骨が横側に弯曲する病気です。主に思春期に診断されることが多い病気です。

原因が特定されていない特発性側弯症が最も一般的で、家族歴や性別、年齢が関連している場合があります。

早い段階で発見し、適切に治療すれば、症状の進行を抑制できる可能性が高くなります。

専門医との相談のもと適切な治療を進めながら、日常生活での姿勢や運動習慣にも気を配り、改善を目指していきましょう。

\まずは当院にお問い合わせください/

側弯症に関するよくある質問

大人で側弯症を発症するケースはありますか?

側弯症は、思春期の子どもに多い疾患ですが、大人になって急に発症し、進行が始まるケースもあります。

大人になって側弯症を発症する原因は主に以下の2つです。

  • 子どもの頃に発症した側弯症が老化により進行した
  • 中高年になって加齢により急速に症状が進んだ

大人の側弯症の代表的な症状は、腰痛と下半身に出る神経痛です。側弯症の疑いがあれば、早めに専門医へ受診をしましょう。

側弯症は寿命に影響しますか?

側弯症自体が、直接的に寿命を縮めることはありません。

しかし、側弯が進行し、背骨の歪みが大きくなると心臓や肺を圧迫し、呼吸機能に悪影響を与えるケースがあります。

その結果、平均寿命が短くなるリスクが高まります。

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