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側弯症の手術後に感じる後悔は?リスクやメリットを感じる瞬間も【医師監修】

公開日: 2022.12.07
更新日: 2024.11.06

側湾症の手術は、神経が通る脊髄の近くを手術操作するため、運動・感覚麻痺の後遺症を引き起こすリスクがあります。また、術後に合併症や感染症などを引き起こす可能性もゼロではありません。

側湾症の手術をするなら、これらの懸念点をしっかり理解しましょう。覚悟を決めて臨めば、後悔は少なくなるかもしれません。

本記事では、側湾症の手術後に起こりうる後悔を解説します。側湾症の手術におけるリスクを正しく理解しておきたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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側湾症の手術後に起こりうる3つの後悔

さっそく、側湾症の手術後に起こりうる後悔について解説します。

  • 後遺症が出る可能性がある
  • 合併症や感染症を引き起こすリスクがある
  • すぐには元の生活に戻れない

順番に見ていきましょう。

後遺症が出る可能性がある

脊椎という背骨の中には、脳と身体をつなぎ運動や感覚を伝える脊髄という神経の束が通っています。万が一、手術中に脊髄を損傷してしまうと、運動麻痺や知覚麻痺といった後遺症が出るリスクがあります。

手術前に動かせていた体の一部が動かせなくなったり、感覚が鈍くなったりすれば、手術したことを後悔する可能性があるでしょう。

脊髄損傷の後遺症における有効な治療法に「再生医療」があります。再生医療とは人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術です。

近年、研究が進み幹細胞を使った再生医療により脊髄損傷の後遺症が回復した症例が数多く報告されています。具体的な治療方法が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお問い合わせください。

合併症や感染症を引き起こすリスクがある

背骨の周囲には、さまざまな臓器が隣接しています。そのため、呼吸器や循環器、泌尿器などの合併症を引き起こす可能性もあるのです。

また、手術後の創部管理が行き届いていないと、免疫が低下して感染症を起こすことも考えられます。

合併症や感染症は、発熱や痛みが伴うケースが多くなります。そんな身体的な苦しさや不安から、手術したことを後悔する場合もあるでしょう。

すぐには元の生活に戻れない

手術後にもっとも重要な課題は、処置した箇所の骨癒合(骨がくっつくこと)を待つことです。骨癒合のために安静にすることが第一優先となり、すぐに元の生活には戻れません。

たとえば、背骨を過度に反らしたり、ねじったりする動作は制限されます。負荷がかかり、治癒を遅らせるリスクがあるためです。また、無理に身体を動かすと、脊椎を固定している金属挿入部が緩んでしまうことがあります。症状によっては、再手術が必要となる場合もあります。

このように、完治までは日常の動作や運動も思うようにはできません。不自由さを感じて、後悔する可能性もあるでしょう。

以下の記事では、手術後すぐにできないことを解説しています。手術後の過ごし方のイメージを深めたい方は、参考にしてみてください。

側湾症の手術を受けて良かったと感じる瞬間

側弯症の手術を受けると側弯の度合いが軽減され、さまざまな改善効果が感じられるようになります。以下は、側湾症の手術を受けて良かったと感じる瞬間の例です。

・背骨の歪みが矯正され、身体が動かしやすくなる
・見た目が変わり心理的ストレスが減る
・自信を持ってスポーツや習い事に挑戦できる
・姿勢が改善され疲れにくくなる

これらの効果は、生活の質を大きく向上させるでしょう。

以下の記事では、側湾症の方におすすめのストレッチを紹介しています。術後のセルフケアをする際の参考にしてみてください。

側湾症の手術後に後悔しないために理解を深めることが大切

側湾症の手術で後悔しないためには、病気と治療への理解を深めることも大切なポイントです。ここでは、以下3つのトピックスで側湾症について詳しく解説していきます。

  • 側湾症とは
  • 側弯症の種類
  • 側弯症の治療方法

疑問を取り除いて、安心につなげていきましょう。

側弯症とは

側弯症とは、背骨(脊柱)が曲がっている(捻れている)状態のことを言います。

側弯症とは

側弯症の説明で必ずと言っていいほど出てくる指標がコブ角です。これは、背骨の横方向への曲がり方を表す角度になります。

角度を測る際に用いられるのが、レントゲン画像です。背骨(椎体)の上下で最も曲がりの強い椎体から線を引き、その2つの線が重なってできた角度がコブ角になります。

側弯症 コブ角

出典:脊椎手術.com (https://www.sekitsui.com/specialist/sp014-html/)

コブ角が大きければ大きいほど側弯が強い、という判断になります。コブ角の程度により治療方法の選択が変わりますので頭に入れておきましょう。治療方法についてはこのあと詳しく解説するので、このまま読み進めてみてください。

以下の記事では、側湾症の人がやってはいけない動作や行動を解説しています。詳細が気になる方は、ぜひあわせてご覧ください。

側弯症の種類

側弯症には、原因や症状が異なる複数の種類があります。ここでは代表的な3つの種類について解説します。

  • 機能性側弯症
  • 特発性側弯症
  • 原因疾患がある側弯症

順番に見ていきましょう。

機能性側弯症

機能性側弯症とは、日常の姿勢や、仕事動作の反復、腰痛を含む逃避的な姿勢など、左右非対称に偏った姿勢を高頻度にとる人に多くみられる側弯症です。

機能性側弯症の場合、コブ角も小さいことが多く、根本となる姿勢の問題を改善することで解消できます。

特発性側弯症

特発性側弯症は原因不明の側弯症です。発症する時期により、以下のように分類されます。

  • ・乳児期側弯症・・・3歳以下で発症(男児に多い)
  • ・学童期側弯症・・・4〜9歳で発症
  • ・思春期側弯症・・・10歳以上で発症(女性に多い)

日本では思春期側弯症が多く、学校検診で発見されるケースも珍しくありません。コブ角が少ない初期の段階では見逃されやすいのですが、背骨に左右差が確認された場合は専門の整形外科への受診をすすめられるケースもあります。

進行のスピードには個人差があるため、1回のみでなく、定期的な受診により変形の程度を確認しましょう。治療の内容については後で述べますが、早ければ早いほど治療効果も高まります。

原因疾患がある側弯症

もともと原因となる疾患が引き金となって側弯症が発症するケースもあります。原因疾患の例は、以下のとおりです。

  • ・先天性側弯症・・・背骨の一部である椎骨の先天的な変形によって起こる側弯症
  • ・症候性側弯症・・・筋ジストロフィーや脳性麻痺、レックリングハウゼン病、マルファン症候群、やけど、脊椎の腫瘍などに続発して起こる側弯症

しかし、原因疾患が必ずしも側弯症につながるわけではありません。側弯の程度も個人差があるため、専門の医療機関でしっかりみてもらうことが必須となります。

側弯症の治療方法

側湾症の治療法は主に2つあります。

  • 装具療法
  • 手術療法

以下のようにコブ角により推奨される治療方法が変わってきます。

コブ角

推奨される治療方法

〜25°

見た目にもわかりにくい状態。多くは経過観察

25°〜40°

見た目にも変形がわかるようになる。進行の防止および変形の矯正のために装具療法が用いられるケースが多い。

40°〜

高度の側弯が見られる状態。場合によっては神経症状や呼吸機能の低下がみられる。手術療法により側弯を矯正する方法が推奨される。

装具療法と手術療法の内容を詳しく見ていきましょう。

装具療法

側弯症アンダーアーム

アンダーアーム装具(出典:日本側弯症学会

装具療法では、進行しやすい成長期の段階で装着するケースが多いです。

側弯が進行しないようにするのが一番の目的であり、装具をしたからといって側弯した背骨が戻るわけではありません。骨の成長が終了するまで装具を装着し、できるだけ側弯の進行を抑える目的で処方されます。

基本的には装着時間が長ければ長いほど効果が高いと言われており、“お風呂以外の時間は装着”や、“家にいる時間は装着”、“24時間できるだけ装着”などと医療機関により多少ばらつきがあります。

海外の権威ある研究においても「装具の装着時間が長くなるにつれて、高リスク湾曲の進行が大幅に減少する効果が増大した」とという報告もあがっているので、装着時間を守っていくのがおすすめです。(文献1

手術療法

高度の側弯症に対しての唯一有効な治療法が手術療法です。

コブ角が50°を超えてしまうと、骨が成熟した後でも変形が進行する可能性があります。変形が進行すれば、合併症の危険性が高まるため、変形を矯正するための手術を前向きに検討する必要があります。

現在は、手術技術や機器の向上により治療成績が格段に上がっているため、手術を推奨するケースが多いです。以下は、手術前と手術後のレントゲン写真です。

側弯症 術前後

側弯症の術前(左)と術後(右)(出典:日本側弯症学会

上の写真を見れば、手術前と後での違いが一目瞭然ですよね。

脊髄損傷に対する有効な治療法に「再生医療」があります。再生医療とは人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術です。具体的な治療方法が気になる方は再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお問い合わせください。

まとめ|側湾症の手術後に起こりうる後悔を知った上で手術の決断をしよう

側湾症の手術後は後遺症や合併症などを引き起こすリスクがあります。事前に起こりうるリスクを知っておけば覚悟を決めやすいので、後悔も少なくなるかもしれません。

手術後は傷口の回復と、骨の癒合が優先となるため、すぐには元の生活に戻るのは難しい傾向にあります。手術後の生活への見通しをもって準備するためにも、担当医に手術後のスケジュールを確認しておくと良いでしょう。

脊髄損傷の後遺症における有効な治療法に「再生医療」があります。再生医療とは人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術です。

近年、研究が進み幹細胞を使った再生医療により脊髄損傷の後遺症が回復した症例が数多く報告されています。具体的な治療方法が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお問い合わせください。

参考文献

文献1:出典: 国立医学図書館 Weinstein SL, Dolan LA, Wright JG, Dobbs MB. Effects of bracing in adolescents with idiopathic scoliosis. N Engl J Med. 2013 Oct 17;369(16):1512-21. doi: 10.1056/NEJMoa1307337. Epub 2013 Sep 19. PMID: 24047455; PMCID: PMC3913566. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24047455/

 

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