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【医師監修】インピンジメント症候群の治し方|リハビリやストレッチの方法を解説

インピンジメント症候群 ストレッチ
公開日: 2023.03.24 更新日: 2026.03.31

「腕を上げると肩が引っかかる」

「洗濯物を干す動作がつらい」このような肩の違和感が続くと、「インピンジメント症候群ではないか」と不安に感じる方もいるかもしれません。

インピンジメント症候群とは、肩の動きに関わる腱や組織が肩峰の下でこすれることで、腕を上げたときに痛みや動かしにくさが生じる状態です。放置すると症状が長引き、日常生活やスポーツへの復帰に影響を及ぼす可能性があります。

しかし、インピンジメント症候群は適切な評価と治療を行うことで改善が期待できる疾患です。早めに医療機関へ相談し、症状に応じた対応を行うことが大切です。

本記事では、現役医師がインピンジメント症候群の治し方を詳しく解説します。リハビリやストレッチ方法もわかりやすく紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。インピンジメント症候群に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。

インピンジメント症候群のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。

インピンジメント症候群の治し方(治療法)

治し方(治療法) 詳細
保存療法(安静・動作制限・リハビリテーション) 肩に負担がかかる動作の調整や安静を基本とし、肩甲骨や腱板の機能改善を目的としたリハビリを行う治療
薬物療法 消炎鎮痛薬や外用薬を用いて肩関節周囲の炎症を抑え、症状の軽減を図る治療
ステロイド注射(肩峰下滑液包内注射) 肩峰下滑液包にステロイド薬を注入し、局所の炎症反応を抑えることで症状の改善を目指す治療
物理療法(温熱療法・電気療法など) 温熱や電気刺激を利用して血流改善や筋緊張の緩和を図り、肩周囲の機能回復を促す治療
手術療法 保存療法で改善が乏しい場合に、肩峰下スペースの拡大や腱板修復などを行う外科的治療
再生医療 患者自身の血液や細胞を用いて組織の修復や機能回復を促すことを目的とした治療

インピンジメント症候群の治療は、保存療法が基本です。肩への負担がかかる動作を見直しながら、リハビリで肩関節の機能回復を図ります。症状の程度に応じて、消炎鎮痛薬などの薬物療法・ステロイド注射・温熱療法や電気療法といった物理療法を併用することがあります。

保存療法で十分な改善が得られない場合は、手術療法や再生医療が検討されますが、いずれも医師の診断が必要です。

保存療法(安静・動作制限・リハビリテーション)

目的 詳細
炎症を落ち着かせて症状の悪化を防ぐ 肩への負担を減らす安静や動作制限による炎症悪化の予防と症状軽減
肩関節の可動域を回復させる リハビリによる関節や周囲組織の柔軟性維持と可動域改善
腱板や肩甲骨周囲筋の機能を改善する 腱板や肩甲骨周囲筋を強化することで、肩関節の安定性を高める
手術を回避できる可能性がある 保存療法による症状改善によって手術を回避できる可能性

文献1

インピンジメント症候群の治療は、手術を行わない保存療法が基本です。炎症を落ち着かせながら筋肉・関節の機能を改善し、肩関節の動きを正常に近づけることが目的です。

なかでもリハビリやストレッチといった運動療法は、肩関節の動きを整える上で中心的な役割を担います。運動療法を主体とした保存療法の有効性は、多くの研究で報告されています。(文献2

薬物療法

目的 詳細
炎症の程度を和らげる手助け 消炎鎮痛薬などによる肩関節周囲の炎症反応の抑制
運動療法の効果を高めるサポート 炎症軽減による関節可動性の改善とリハビリ実施のしやすさ
継続的な治療環境を整える 炎症反応の一時的な軽減による理学療法やストレッチ継続の補助

文献3

薬物療法は、肩関節周囲の炎症を抑えることを目的に用いられます。炎症が強い状態では、肩を動かすたびに組織へ刺激が加わり、リハビリの進行に支障をきたすことがあります。

消炎鎮痛薬によって炎症を抑えることで関節の動きが改善しやすくなり、運動療法を進めやすくなりますが、薬物療法は原因そのものを治すものではなく、リハビリと併用する補助的な治療です。

ステロイド注射(肩峰下滑液包内注射)

目的 詳細
炎症が強い時期の反応を抑える 肩峰下滑液包へのステロイド注射による局所炎症反応の抑制
リハビリの効果を高める補助 炎症軽減による肩関節可動性の改善と運動療法実施のしやすさ
治療を進めやすくする環境づくり 症状が強い時期の反応軽減によるリハビリ継続の支援

文献4

ステロイド注射(肩峰下滑液包内注射)は、肩峰下スペースの炎症を抑えることを主な目的とする治療です。

炎症が強い時期は肩を動かすたびに組織への刺激が生じ、リハビリやストレッチを進めにくくなります。そのため、注射によって炎症が落ち着くと関節の動きが改善しやすくなり、運動療法にも取り組みやすくなります。

物理療法(温熱療法・電気療法など)

治療法 詳細
温熱療法 肩周囲の血流促進による筋肉・組織の柔軟性向上と運動療法実施のしやすさ
電気療法 電気刺激による筋緊張の緩和と肩関節可動域訓練・筋力訓練の補助

インピンジメント症候群では、炎症によって筋肉のこわばりや肩周囲の緊張が生じ、リハビリの妨げになることがあります。

温熱療法は肩周囲の血流を促し、筋肉や組織の柔軟性を高めることで、運動に取り組みやすい状態を整える治療です。一方、電気療法は筋肉や神経に刺激を与え、筋緊張の調整や可動域訓練を補助します。

これらの物理療法は、リハビリやストレッチの前処置として併用され、運動療法の効果を高める補助的な治療です。

手術療法

保存療法を続けても症状が改善しない場合、手術療法が検討されます。手術の目的は、肩峰下スペースで生じている腱板や滑液包への圧迫を取り除き、組織が挟まれにくい状態をつくることです。

代表的な術式として、関節鏡を用いて滑液包の処置や骨を整える肩峰下除圧術が行われます。

腱板断裂や骨の変形など構造的な問題がある場合は、腱板修復術が選択されることもあります。手術の適応は、症状の程度や日常生活への影響をもとに判断されます。

再生医療

インピンジメント症候群では、腱や周囲組織への繰り返しの負担により、炎症やこわばりが慢性化することがあります。このような場合、運動療法に加えて組織の回復を促す目的で再生医療が検討されることがあります。(文献5

再生医療のひとつであるPRP(多血小板血漿)療法は、血液から濃縮した血小板を患部に注射する治療法です。

血小板に含まれる成長因子が組織修復を促すと考えられており、インピンジメント症候群に対するPRP注射後に、肩関節の可動域や機能の改善がみられたとする報告もあります。文献5

従来の保存療法で十分な改善が得られない場合や手術を避けたい場合には、組織の修復プロセスへの働きかけが期待されるPRPや幹細胞などの再生療法が治療の選択肢として検討されることがあります。(文献6

以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。

手術しなくても治療できる時代です。

肩の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。

インピンジメント症候群におけるリハビリ・ストレッチ方法

リハビリ・ストレッチ方法 詳細
炎症に対するリハビリ・ストレッチ 炎症が強い時期に肩関節へ過度な負担をかけず、可動域の維持や関節のこわばり予防を目的とした軽い運動
猫背を改善するリハビリ・ストレッチ 胸郭や肩甲骨周囲の柔軟性向上による姿勢改善と肩関節への負担軽減を目的としたストレッチ
肩関節の動きを改善するリハビリ 肩関節後方組織の柔軟性向上や可動域の改善を目的としたストレッチや関節運動
腱板機能を改善するトレーニング 腱板や肩甲骨周囲筋の筋力強化による肩関節の安定性向上とインピンジメント予防を目的とした運動

インピンジメント症候群の改善には、肩関節だけでなく姿勢や周囲筋の機能を整えるリハビリ・ストレッチが欠かせません。炎症が強い時期は関節への負担を抑えた軽い運動で可動域を維持し、状態に応じて姿勢改善や肩甲骨周囲の柔軟性を高めるストレッチへ移行します。

さらに肩関節の動きを改善する運動や腱板・肩甲骨周囲筋のトレーニングを加えることで、肩関節の安定性を高め、再発予防と機能回復につなげます。

以下の記事では、インピンジメント症候群のリハビリ前に行うセルフチェックについて詳しく解説しています。

炎症に対するリハビリ・ストレッチ

肩を動かしていない状態でも違和感が出る場合や、夜間に症状が強くなる場合は、インピンジメントにより肩周囲の組織に炎症が生じている可能性があります。

このような時期は無理に運動を行うよりも、炎症を落ち着かせる対応を優先します。具体的には、肩のアイシングや安静時のポジショニング(肩の位置の調整)を行い、肩関節への負担を軽減する方法です。

ポジショニングでは、肩や肘の下にタオルなどを入れ、肩に負担がかかりにくい姿勢を保つことが大切です。

振り子運動

手順 動作 ポイント
1.上体を支える 痛みのない方の手を机や椅子の背もたれに置き、上体を安定させる 前傾姿勢になりすぎないよう注意
2.腕の力を抜く 痛みのある方の腕をだらりと下げ、完全に脱力する 肩に力が入らないよう意識する
3.身体をゆっくり動かす 身体を小さく前後・左右・円を描くようにゆっくり揺らす(1回20〜30秒) 腕を自分で動かさず、身体の揺れに任せる
4.腕が「つられて動く」状態をつくる 身体の揺れに合わせて腕が自然に動いている状態が理想 肩を動かす意識を持たないことが大切

振り子運動は、肩の症状が強い時期でも取り組みやすい基本的なリハビリです。腕の重みを利用して肩関節を軽く動かすことで、炎症によるこわばりの軽減や血流改善が期待されます。

方法は、症状のない側の手を机や椅子に置いて上体を支え、症状のある側の腕を脱力して自然に下げます。その状態で身体を小さく前後・左右、または円を描くようにゆっくり動かします。

振り子運動の姿勢は以下の画像を参考に行うと良いでしょう。

振り子運動

運動中は肩を意識して動かすのではなく、身体の揺れに合わせて腕が自然に動く状態を保ちます。症状が強く出る範囲まで動かさず、肩に力を入れないことも大切です。

入浴後など筋肉が緩みやすいタイミングで行うと取り組みやすく、状態に応じて振り幅を少しずつ広げていきます。

猫背を改善するリハビリ・ストレッチ

猫背になると肩甲骨の動きが妨げられ、肩関節の正常な動きが損なわれるためインピンジメントが起こりやすくなります。

肩関節を動かしにくい時期でも、姿勢改善のリハビリは肩関節を動かさずに行えるため、積極的に取り組むことが大切です。

ストレッチポールでのストレッチ

手順 動作 ポイント
1.準備 ストレッチポールを床に置き、頭から尾骨まで背骨に沿って仰向けに寝る ポールが背骨と一直線になる位置に調整する
2.足を安定させる 膝を軽く曲げ、足裏を床につけて安定させる この姿勢で背中・胸郭がリラックスしやすくなる
3.腕を広げる 両腕を自然に横へ広げる 肘を軽く曲げるなど、無理のない位置で行う
4.深呼吸する ゆっくり深呼吸しながら胸を開く(5〜10回) 呼吸を止めず、ゆったりと繰り返す
5.慣れてきたら 腕を大きく円を描くようにゆっくり動かす(肩回し)を加える 肩甲骨の可動性向上にも効果的

ストレッチポールを用いたストレッチは、猫背姿勢の改善と胸郭の柔軟性向上を目的としたリハビリです。ポールの上に仰向けで寝ることで背骨が自然に伸び、胸が開きやすい姿勢が得られます。これにより胸部前面や肩甲骨周囲の筋肉が伸ばされ、猫背による肩・背中のこわばり軽減が期待されます。

以下の画像のようにストレッチポールの上に仰向けで寝て、胸を開くように背中をストレッチしましょう。

ストレッチポールでのストレッチ

ストレッチポールを背骨のラインに沿って置き、頭から尾骨まで一直線になる位置で仰向けになります。膝を軽く曲げて足を床につけ、両腕を無理のない位置に広げましょう。

そのままゆっくりと深呼吸を繰り返し、胸を開く意識で身体をリラックスさせます。慣れてきたら腕を円を描くように動かし、肩甲骨の可動性を高める運動を加えます。

Cat&Dogストレッチ

手順 動作 ポイント
1.準備 四つ這いになり、手は肩幅よりやや広め・膝は腰幅に置く 背骨が中立になる位置に身体を整える
2.Cat(猫のポーズ) 息を吐きながら背中を丸め、おへそを見るように背骨を伸ばす 両肩甲骨を外側に引き離す意識で背中全体を丸くする
3.Dog(犬のポーズ) 息を吸いながら背中をゆっくり反らせ、胸を前方に押し出す 肩甲骨を内側に寄せ、胸を軽く開く感覚で行う
4.繰り返す 2と3を呼吸に合わせてゆっくり5〜10回繰り返す 無理のない範囲で行う

文献7

Cat&Dogストレッチは、背骨(脊柱)や肩甲骨周囲の柔軟性を高め、猫背などの姿勢不良の改善を目的とした体操です。

四つ這いの姿勢で背中を丸めたり反らしたりする動作を繰り返すことで脊柱全体の可動性が高まり、肩や背中への負担軽減が期待されます。デスクワークなどで背中が丸まりやすい方にも取り入れやすい運動です。

Cat&Dogストレッチの姿勢は以下の画像を参考に行いましょう。

キャットバック

四つ這いの姿勢で手を肩幅よりやや広め、膝を腰幅に置き、背骨を中立の位置に整えます。息を吐きながら背中を丸めておへそを見るように動かし、息を吸いながら胸を前に出すように背中をゆっくり反らせます。

この動作を呼吸に合わせて5〜10回繰り返します。急に大きく動かすと肩や腰に負担がかかるため、背骨全体をゆっくり動かす意識で行いましょう。

肩関節の動きを改善するリハビリ

炎症が落ち着いてきた段階では、肩関節の可動域を改善するストレッチを取り入れます。肩後方の組織が硬くなると腕を上げる動作が制限され、肩峰下での衝突が起こりやすくなります。そのため、肩後方の関節包や周囲筋の柔軟性を高めるストレッチが有効とされており、無理のない範囲で行いながら可動域を徐々に広げていくことが大切です。

クロスボディストレッチ

手順 動作 ポイント
1.腕を上げる 症状のある側の腕を肩の高さまで上げる 肩に力を入れず自然な高さで止める
2.腕を引き寄せる 反対の手で肘を掴み、身体の内側へゆっくり引き寄せる 急に引きすぎず、無理のない範囲で行う
3.キープする 肩後方が伸びているのを確認しながら30秒保持する 呼吸を止めず、ゆっくり深呼吸しながら保持する

クロスボディストレッチは、肩関節後方の柔軟性を高める運動です。腕を身体の前で反対側へ引き寄せ、肩後方が伸びる位置で保持します。反対の手で肘を支えると、姿勢を安定させやすくなります。

ストレッチは以下の画像を参考に行いましょう

クロスボディストレッチ

肩後方組織の柔軟性が高まることで、肩関節の動きが改善しやすくなります。動作はゆっくり行い、強く引きすぎないようにしましょう。

スリーパーストレッチ

手順 動作 ポイント
1.横向きに寝る ストレッチする側の肩が下になるように横向きに寝る 身体がぐらつかないよう安定した姿勢を保つ
2.腕を肩の高さに合わせる 脇を開き、腕を肩の高さに合わせる 肩に力を入れず自然な位置に置く
3.肘を曲げる 肘を直角(90度)に曲げる(前ならえの形) 肩・肘・手首が一直線になるよう意識する
4.前腕を倒す 反対の手で前腕をゆっくり床方向へ内側に倒す 急に押し込まず、伸び感を感じる位置で止める
5.キープする 限界まで倒した状態で30秒ほど保持する 呼吸を止めず、肩後方の伸びを確認しながら保持する

スリーパーストレッチは、肩の内旋可動域を改善する運動です。横向きに寝た状態で肘を90度曲げ、前腕を床方向へゆっくり倒します。

肩後方が伸びる位置で一定時間保持します。肩関節後方の柔軟性を高める方法として広く用いられており、無理に押し込まずゆっくり行いましょう。

腱板機能を改善するトレーニング

腱板の図

腱板(ローテーターカフ)とは、肩甲骨と上腕骨をつなぐ棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋の4つの筋肉の総称です。これらは肩関節を包み込むように位置し、関節を安定させながら腕を滑らかに動かす役割を担っています。

腱板の機能が低下すると肩関節の安定性が損なわれ、動きのバランスが崩れることでインピンジメント(肩峰下での組織の挟み込み)が起こりやすくなります。そのため、腱板の筋力や協調性を高める運動を取り入れ、肩関節の安定性と動作の改善を図ることが大切です。

棘上筋トレーニング

棘上筋は腱板を構成する筋肉のひとつで、腕を持ち上げる動作や肩関節の安定に重要な役割を担います。インピンジメント症候群では、この筋肉の機能が低下すると肩関節の動きのバランスが崩れ、症状の要因となることがあります。

そのため、リハビリでは棘上筋の筋力や働きを高めるトレーニングが取り入れられます。腱板は関節を安定させるインナーマッスルであるため、強い負荷よりも軽い負荷で丁寧に動かすことが大切です。

以下は腱板のひとつである棘上筋のトレーニング手順です。

手順 動作 ポイント
1.準備 腕を身体の横につけ、親指が上を向くようにする 肩に力を入れず自然な位置に腕を置く
2.腕を上げる 肘を伸ばしたまま、身体から腕が離れるようにゆっくり上げる 反動をつけず、ゆっくりと持ち上げる
3.元に戻す バレーボール1個分程度の高さまで上げたら、ゆっくり元の位置に戻す 下ろす動作も力を抜かずコントロールして行う

負荷を加える場合は、500mlのペットボトルやトレーニングチューブを使用します。軽い負荷で20〜30回を目安に3〜4セット行うのが一般的です。腕を高く上げすぎると他の筋肉が優位に働くため、無理のない範囲で行いましょう。

チューブがある場合、以下の棘上筋トレーニングも導入できます。

手順 動作 ポイント
1.チューブを握る 鍛えたい側の手でチューブを握る 握りすぎず、自然な力加減で持つ
2.チューブを固定する 反対側の足でチューブを踏んで固定する チューブがずれないよう足の中央で踏む
3.持ち上げる 肘を伸ばしたまま3〜5秒かけてチューブをゆっくり持ち上げる 反動をつけず、肩に力を入れすぎない
4.元に戻す 3〜5秒かけて元の位置にゆっくり戻す 下ろす動作も力を抜かずコントロールして行う

この運動は1セット15回を目安に3〜4セット行います。動作を速くすると筋肉への刺激が弱まるため、ゆっくりとした動きで行いましょう。

棘下筋・肩甲下筋トレーニング

棘下筋と肩甲下筋は腱板を構成する筋肉で、肩関節の回旋動作を担い互いに反対の働きをします。これらが適切に機能することで肩関節の安定性が保たれ、腕を動かす際のバランスが整います。

以下の手順を参考に取り組みましょう。

※反対の動きが肩甲下筋のトレーニングになります

手順 動作 ポイント
1.準備 脇を閉じ、肘を90度に曲げて身体の横につける 脇が開かないよう意識する
2.外旋(棘下筋) 脇を閉じたまま、前腕を外側へゆっくり開く 脇が浮かないようにし、肩だけを回す意識で行う
3.内旋(肩甲下筋) 脇を閉じたまま、前腕を内側へゆっくり戻す 反動をつけず、ゆっくりコントロールして行う

これらのトレーニングはチューブなどを用いて軽い負荷で行い、回数を多めにするのが一般的です。腱板は関節を安定させるインナーマッスルであるため、強い負荷よりも丁寧な動作を繰り返すことが大切です。

また、1〜2kgのダンベルがある場合、以下のトレーニングも実施できます。

手順 動作 ポイント
1.横向きに寝る 身体の側部を床につけて寝転がり、膝と背中を軽く曲げる 身体が前後にぐらつかないよう安定した姿勢を保つ
2.肘を固定する 鍛えたい側の肘を身体につけ、前腕を床に対して垂直に曲げる 肘が身体から離れないよう意識する
3.持ち上げる ダンベルを持ち、胸の近くまでゆっくり持ち上げる 反動をつけず、肩の回旋だけで動かす意識で行う
4.元に戻す ダンベルが床につく手前までゆっくり下げる 下ろす動作も力を抜かずコントロールして行う

この動作を15回で1セットとし、3〜4セット程度行います。ゆっくりとした動作を意識し、無理のない範囲で継続することが重要です。

インピンジメント症候群の治療目安

重症度レベル 詳細 回復期間の目安
軽度 日常生活への影響が少ない状態 1〜3週間
中等度 関節の動きに制限がみられる状態 3〜6週間
重度 日常生活にも影響が出る状態 6〜12週間以上

文献8

インピンジメント症候群の治療期間は、症状の程度や原因によって異なりますが、保存療法を中心に数週間〜数カ月かけて徐々に改善していくケースが多いとされています。

炎症を落ち着かせながらリハビリで筋力や可動域を回復させるため、一定の治療期間が必要です。無理に肩を動かすよりも、適切な治療とリハビリを継続することが回復につながります。

インピンジメント症候群の治し方を正しく理解し適切な治療を講じよう

インピンジメント症候群は、肩関節だけでなく姿勢や筋機能など複数の要因が関係することが多い疾患です。そのため、症状を抑える治療だけでなく、原因となる動作や姿勢を見直す必要があります。

保存療法やリハビリで改善が期待できるケースも多いため、医療機関で状態を確認しながら適切な治療を継続することが大切です。

インピンジメント症候群の治療にお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、状態や症状に応じて、再生医療を治療選択肢のひとつとして検討できます。

インピンジメント症候群では、腱や周囲組織への繰り返しの負担によって炎症やこわばりが慢性化することがあります。こうした場合、再生医療が治療の選択肢として検討されることがあります。

再生医療は、身体本来の組織修復の働きを活かして改善を目指す治療法で、手術療法や長期的な薬物療法とは異なるアプローチとして用いられることがあります。適応や効果には個人差があるため、医師と相談しながら検討することが大切です。

ご質問やご相談は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。

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治療方法の選択肢のひとつとして、ぜひ以下の動画もご覧ください。

インピンジメント症候群の治し方に関するよくある質問

インピンジメント症候群の再発を防止するにはどうすれば良いですか?

インピンジメント症候群の再発予防には肩への負担を見直し、必要に応じて専門家にフォームや動作の指導を受けながら、運動後のアイシングや十分な休息を取り入れることが大切です。

再発を予防するために、以下のポイントを押さえておきましょう。

予防のポイント 内容
投球・送球フォームの見直し 医師や専門家の指導のもと、肩に負担がかかりにくいフォームへの調整
アイシング・休息の確保 運動後のアイシングや十分な休息による肩周囲組織の負担軽減
ウォームアップ・クールダウンの実施 運動前後の準備運動や整理運動による筋肉・関節の負担予防
肩周囲の筋力トレーニング 腱板や肩甲骨周囲筋の筋力維持による肩関節の安定性向上
ストレッチの習慣化 肩や背中の柔軟性向上による関節可動域の維持と負担軽減

ウォームアップ・クールダウンを習慣づけ、腱板や肩甲骨周囲の筋力トレーニングとストレッチを継続することで肩関節の安定性と柔軟性を保ち、再発予防につながります。

インピンジメント症候群に効くツボはありますか?

ツボ 位置
肩髃(けんぐう) 肩峰のやや前下方、肩甲骨の端付近
肩井(けんせい) 首のつけ根と肩先の中間付近

インピンジメント症候群では、肩髃(けんぐう)や肩井(けんせい)などのツボが挙げられることがあります。

これらを指圧することで肩周囲の緊張が和らぐ可能性はありますが、ツボ刺激によってインピンジメント症候群そのものを改善できるかについては科学的根拠が十分とはいえません。

ツボ刺激のみに頼るのではなく、医療機関で状態を評価した上でリハビリや運動療法など適切な治療を行うことが大切です。

インピンジメント症候群の治療において禁忌はありますか?

注意点 理由
痛みを伴う運動やストレッチを無理に続けること 痛みを我慢して肩を動かすと炎症が悪化し、回復が遅れる可能性
腕を頭上に上げる動作や過度な負荷の運動 オーバーヘッド動作や重量トレーニングで腱板が骨に挟まれやすくなるため症状悪化の可能性
肩に強い負担がかかるトレーニング(ベンチプレス・アップライトローなど) 肩関節の圧迫が強まり、腱や滑液包への刺激が増えるため回復期は回避が推奨
痛みがある状態での過度な反復動作(投球・水泳など) 肩を繰り返し頭上に動かすことで炎症が悪化する可能性

文献9

インピンジメント症候群の治療において禁忌とされる動作は多くありません。しかし、不快感を我慢して運動を続けたり、腕を頭上に上げる動作や高負荷トレーニングを行ったりすると、腱板や滑液包への刺激が増して症状が悪化する可能性があります。

とくに回復期は肩への過度な負担を避けることが大切です。医師や理学療法士の指導のもと、肩の状態に合わせて段階的にリハビリを進めることが望ましいとされています。

参考文献

(文献1)

Effectiveness of conservative interventions including exercise, manual therapy and medical management in adults with shoulder impingement: a systematic review and meta-analysis of RCTs|BMJ Journals

(文献2)

An Update of Systematic Reviews Examining the Effectiveness of Conservative Physical Therapy Interventions for Subacromial Shoulder Pain|MOVEMENT SCIENCE MEDIA JOSPT

(文献3)

What is – Shoulder Impingement|Shoulder Impingement

(文献4)

Comparison of corticosteroid injection, physiotherapy and combined treatment for patients with chronic subacromial bursitis – A randomised controlled trial|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information

(文献5)

Efficacy of Single Injection of Platelet-Rich Plasma in Shoulder Impingement Syndrome|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information

(文献6)

Regenerative medicine: Do PRP and stem cell therapies help sports injuries heal faster? | UT Southwestern Medical Center

(文献7)

Cat-Cow Stretch: How To Do It and Benefits|Cleveland Clinic

(文献8)

Depends Severity Acute vs Chronic|Liv Hospital

(文献9)

Impingement Syndrome of the Shoulder|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information