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頭を打つと危ない場所は?おでこは要注意?危険な打ち方・症状を医師が解説

公開日: 2023.03.31
更新日: 2024.10.23

「頭を打つと危ない場所はある?」
「おでこを打ったけど、放置して良いの?」

日常生活のなかで、頭・おでこを打った経験がある方も多いのではないでしょうか。

立ち上がろうとして頭を打ったり、転倒や階段から落ちたりするなど、さまざまな状況で頭を打つ可能性があります。

頭を打つとより危ない場所や問題のない場所はありません。

打った部位と強さによっては、危険な症状が出る場合もあるでしょう。では、どのような打ち方が良くないのでしょうか。

今回の記事では、頭・おでこを打ったときに見られる危険な症状や、起きやすい病気を含めて詳しく解説していきます。

最後まで読んでいただければ、頭を打ったときにどのような危険があるのかを理解できるはずです。

また、頭を打ったときは自己判断しないように注意をしながら、早めに医療機関を受診してみてください。

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頭を打つと危ない場所【おでこ以外も危険】

頭の部位にかかわらず、頭を打つこと自体が危険です。

頭には人間らしさをコントロールするために重要な前頭葉などの脳があるため、打ち方によっては脳に損傷を与えてしまい、危険な状態に陥る場合があります。

たとえば、側頭部(耳の上部分・こめかみの辺り)は、頭蓋骨のなかでも薄い傾向にあり、強く打つと損傷から出血などを起こす可能性があるでしょう。

しかし、頭のどの部位を打つかに関係なく、頭を打ったときに問題のない場所はありません。

自覚できる症状がなかったとしても、脳に影響が出ている場合もあるため、頭を打った段階で早めに医療機関の受診をおすすめいたします。

頭・おでこの危険な打ち方

「強い力がかかって頭・おでこを打った場合」は注意が必要です。

たとえば、以下のような場面があげられます。

【危険な頭の打ち方】

・1m以上の高さから転落した
・階段で5段以上の高さから落ちた
・受け身をとらずに転倒した
・交通事故で頭を打った
・車の外に放り出された など

しかし、上記以外の打ち方でも問題がないわけではなく、その人ごとに判断する必要があります。

とくに高齢者の方は年齢により脳が萎縮する傾向にあり、脳と頭蓋骨の間に隙間ができて頭を打ったときに脳を損傷しやすいリスクがあるでしょう。

また、薬を飲まれている方(とくに血液を固まりにくくする薬剤)は、頭を打った際の出血リスクが高まります。

ほかにも、どのような原因で頭を打ったかも重要です。

・気を失って転倒して頭を打った場合
→疾患や不整脈など、失神の原因を探る必要があります。

・急に手足の力が抜け、転倒して頭を打った場合
→脳卒中などの可能性もあります。

医療機関を受診したときは「どのように頭・おでこを打ったか」を伝えると良いでしょう。

さらに家族などの目撃者がいれば、より詳細な情報を医師に伝えられて適切に処置を受けやすくなります。

また、頭やおでこを打ったときは、衝撃により「こぶ」ができて不安を感じる方もおられるかもしれません。

こぶが脳に与える影響を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

頭・おでこを打ったときに危険な症状

以下のように誰が見ても重症な場合は、救急で受診しましょう。

・明らかに意識の状態が悪い
・手足の一部が動かない
・血が止まらない など

重症に見えない場合でも、以下の症状があるときは、早い段階で医師の診察を受ける必要があります。

【医師に相談すべき状態】

・何回も嘔吐する
・頭を打った理由に関わる記憶がない
・けいれんがある
・耳や鼻から液体(血も含む)が出てくる
・目の周りや耳の後ろが黒くなる など

また、子どもや高齢者の方などを始め、症状によっては、周りにうまく伝えられないときもあります。

何かがおかしいと思ったときは、周りや消防救急無線(119番)に助けを求めるなど、すぐに医療機関を受診してみてください。

頭・おでこを打ったときに起きやすい4つの病気

頭・おでこを打ったときに起きる可能性がある病気は、主に「急性期(頭を打ってすぐ)」と「慢性期(頭を打って、しばらく経ってから目立つようになる)」に分けられます。

実際の病気における症状を知るためにも、以下で代表的なものを紹介いたします。

急性硬膜下血腫・急性硬膜外血腫
外傷性くも膜下出血
脳挫傷
高次脳機能障害

急性硬膜下血腫・急性硬膜外血腫

脳と骨の間には、膜が3層(外側から硬膜、くも膜、軟膜)あります。

頭を打った数時間以内に、硬膜と脳の間で出血するものを「急性硬膜下血腫」、骨と硬膜の間で出血するものを「急性硬膜外血腫」といいます。

急性硬膜下血腫は受傷すぐから意識が悪くなる場合が多く、一方で急性硬膜外血腫は受傷しても数時間ほど症状が出ない「意識清明期」があるのが特徴です。

ほかの症状には、手足の麻痺(まひ)、悪心・嘔吐、けいれん、瞳孔の左右差などがあります。いずれもCTで診断でき、重症な場合には緊急で手術を行います。

実際に消費者庁では、高齢者が階段からの転倒により、急性硬膜下血腫になった事例が掲載されていました。

自宅の階段 12 段目から転落した。
頭部及び下腿部から出血。
急性硬膜下血腫で入院。 
(事故発生年月:平成30年4月 80歳代男性)

引用:消費者庁|(4)高齢者の転倒・転落事故の事例 

外傷性くも膜下出血

「外傷性くも膜下出血」とは、頭を打ったことにより、くも膜と脳の間で出血が広がった状態です。

くも膜下出血の多くは脳動脈瘤(血管の一部が「こぶ」のようにふくらみ、破れやすくなった状態)によるもので、頭を打った場合は区別して外傷性くも膜下出血と呼びます。

基本は入院での経過観察で、脳圧が高くなる場合は投薬や手術などを行います。

以下のように消費者庁では、実際に高齢者が外傷性くも膜下出血になった事例が掲載されていました。

高さ約2mの脚立を使用中、バランスを崩し肩から落下。
外傷性くも膜下出血及び頭蓋骨骨折で入院。 
(事故発生年月:平成 28年4月 70歳代男性)

引用:消費者庁|(4)高齢者の転倒・転落事故の事例

脳挫傷

「脳挫傷(のうざしょう)」とは、頭部打撲により、脳そのものが損傷してしまうことです。

頭を打ったときは、打った部分とその反対の部分を損傷する場合があります。損傷された部位により、以下のような症状が表れる可能性があるでしょう。

・片麻痺(左右どちらかの手足が動かしにくい)
・失語症(言葉が理解できない、言葉を表に出しにくい)
・高次脳機能障害 など

重症な場合は意識が悪くなったり、うまく呼吸ができなくなったりします。

呼吸と循環(血圧や脳血流量)、脳圧と体温コントロールを第一に行い、それでも進行する場合は手術も検討します。

高次脳機能障害

頭部外傷では後遺症として、高次脳機能障害を起こす場合があります。

高次脳機能障害における症状の例は、以下のとおりです。

症状の名前

症状の詳細

記憶障害

・新しくものを覚えられない
・思い出せない など

注意障害

・作業や生活の中で集中できなくなる
・気が散りやすくなる など

社会的行動障害

・自分から何もしようとしない
・無関心、社会常識から外れた行為が目立つ
・怒りやすい
・性的に逸脱する行為
・ギャンブルに熱中しすぎる など

遂行機能障害

・考えて、判断して、課題を解決するといった

 一連の流れができない など

脳卒中の治療

まとめ|頭・おでこを打って症状があるなら迷わず受診しよう

頭・おでこを打つことは日常生活でよくありますが、強い力がかかって頭を打ったときや、頭部を損傷するような事故に遭った場合には注意が必要です。

頭・おでこを打った際には、以下のような危険な症状が出ていないか確認しましょう。

【危険な症状の例】

・嘔吐が続く
・頭を打った理由に関わる記憶がない
・けいれんがある
・耳や鼻から液体(血も含む)が出てくる
・目の周りや耳の後ろが黒くなる など

頭・おでこを打った際には、症状や事故の状況をしっかりと把握し「何かがおかしい」と感じた際には、迷わず病院を受診しましょう。

この記事が危険な頭の打ち方、症状を知りたいときのご参考になれば幸いです。

再生医療とは

頭を打ったときによくある質問

頭を打ったときによくある質問をまとめています。

Q.頭・おでこを強く打ちましたが、どのようなときに受診したら良いですか?

A.以下の症状がある場合は、医療機関を受診しましょう。

・意識が不明瞭
・手足の麻痺
・嘔吐
・転倒の記憶がない
・けいれん など

とくに高齢者や基礎疾患のある方を始め、血液を固まりにくくする薬を飲んでいる場合は、病気のリスクを避けるためにも受診をおすすめいたします。

症状がない場合でも、何かしらの病気が隠れている可能性もあるため、できる限り自己判断せずに医療機関で診察を受けておくと良いでしょう。

Q.何科を受診すれば良いですか?その際の注意点は?

A.頭・おでこを打ったときは、脳神経外科や脳神経内科の受診を検討しましょう。

また、顔面などを打ったときは、ほかの部分で問題がないかを検査するために眼科や耳鼻咽喉科、歯科などを並行して受診するのも良いかもしれません。

医療機関を受診する際は「どのようにして頭・おでこを打ったのか」を伝え、目撃者がいるときは、周りから様子を説明してもらう方法がおすすめです。

普段飲んでいる薬があれば、忘れずに医師へお伝えください。

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