脳出血で後遺症なしの確率は?発症後の意識レベルによる予後や余命を解説
- 脳出血が起きたら予後は良くないの?
- 脳出血で後遺症が残らない確率はどのくらい?
- 脳出血になったら余命は短いの?
脳出血が起きたら予後が悪いと聞いて、心配になっていませんか?
本人はもちろん、ご家族にとっても余命がどのくらいで、退院後の生活がどうなるのか想像できないと不安ですよね。
結論、脳出血は予後が悪い病気ですが、早期に適切な治療をすれば改善することもあります。
実際に重度の後遺症なしで退院後に自宅で過ごせる確率は約26%と報告されています。
脳出血が起きたあとの経過について正しく理解し、治療やリハビリ・予防を続けることが大切です。
本記事では脳出血後の予後や余命を解説します。
回復過程についても説明していますので、最後まで読んで退院後の過ごし方の参考にしてください。
参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」
目次
脳出血の予後を予測する上で知っておきたい2つのこと
脳出血の予後を決めるのは、以下の2つです。
2022年の脳卒中データバンクによると、脳出血の割合は脳卒中全体の18.0%と高くないものの、入院中に13.8%が亡くなると報告されてます。
脳梗塞と比較すると予後が悪く、後遺症に悩む人も少なくありません。
脳出血の予後について正しく理解し、治療の見通しを立てましょう。
参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」
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脳出血の発症で死亡してしまう方に多いタイプ
脳出血で死亡してしまう方が多いタイプは以下の通りです。
- 血腫の量が多い
- 混合型の出血
- 脳幹の出血
- 急性閉塞性水頭症の合併
特に血腫量が多い場合や水頭症を合併している場合は手術が適応になることがあります。
2022年のデータでは急性期に手術した割合は12.6%と報告されており、
重症例と考えられるでしょう。
時間の経過とともに症状が進行するので、予後を悪化させないためには急性期の治療が重要です。
参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」
▼脳出血の中でも生存率の低い脳幹出血について知りたい人は以下の記事もご覧ください。
脳出血の予後は発症したときの意識レベルで変わる
脳出血の予後や死亡率は発症時の意識レベルに大きく影響を受けます。一般的に発症時に意識状態が悪いほど、後遺症も重くなり、死亡率が高くなるからです。
実際に2022年のデータでは、19.6%の方は脳出血を発症し、来院した時には昏睡状態(Japan Coma Scale 100以上)だったと示されています。
まずは脳出血を発症させないよう日々の血圧管理が必要ですが、発症したらすぐに受診することも予後をよくするためには重要です。
参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」
脳出血の回復過程は3段階【適切なリハビリが必要】
脳出血を起こした後の回復過程には、以下の3段階があります。
2022年の脳卒中データバンクによると、脳出血後のリハビリとして86.4%の人が理学療法を、84.4%の人が作業療法を、74.3%の人が言語聴覚療法を受けています。
段階に応じた治療・リハビリが必要ですので、概要を確認しておきましょう。
参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」
▼脳出血の後遺症やリハビリについて詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。
急性期【発症~2週間】
急性期は発症直後から2週間程度です。
出血が広がらないように血圧を下げる治療や呼吸・循環を補助する治療や場合によって手術が行われます。急性期のリハビリは筋肉が衰えたり、関節が固くなったりしないよう無理のない範囲で行います。
回復期【急性期後~6カ月】
回復期は、急性期の終了後から6カ月までの期間です。
麻痺や動作の障害には理学療法や作業療法、しゃべり辛さや飲み込みの障害には言語聴覚療法を行います。
生活期【6カ月以降】
生活期には軽めの運動を取り入れながら、生活の範囲を広げ、動作に慣れるリハビリを行っていきます。
脳出血を発症した際の余命や後遺症なしの確率【平均余命12年】
発表済みのデータによると、脳出血を発症した際の平均余命は約12年、重大な後遺症なく退院して自宅で過ごせる方は約26%です。
脳出血は脳の血管が破れて出血する病態なので、出血が脳の重大な機能を司る箇所に影響を与える可能性があります。回復できるかどうかは出血の程度や治療の速さにかかっており、発症時に早期に治療へ結びつけることが大切です。
脳出血の1年以内の再発率は25%、5年以内の再発率は50%との報告もあります。余命を延長し後遺症が残る確率を減らすなら、脳出血を起こさないよう、また起きた後も再発しないよう血圧コントロールを継続しましょう。
参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」
まとめ|脳出血を起こしたらすぐに病院へ受診を
脳出血の予後を良くするためには、発症してからできるだけ早く治療を始める必要があります。
脳出血が起きた箇所やタイプにもよりますが、発症から時間が経つほど症状は悪化し、意識レベルが低くなってしまいます。
意識レベルが低いほど後遺症の残る確率が上がるので、発症したらすぐに救急車を呼んで治療を受けるようにしましょう。
万が一、後遺症が残ってしまい痺れや麻痺でお困りの場合は、リペアセルクリニックへご相談ください。
▼脳出血の再生医療について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。
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脳出血を発症した場合についてよくある質問
Q.脳出血は治りますか。
A.完治することはありませんが、適切に治療をすれば残っている機能を回復させることができます。特に問題になる後遺症は、軽度であればリハビリを通して回復が期待できます。重度の場合は難しいケースもありますが、再生医療が役に立つ可能性がありますので、一度リペアセルクリニックへご相談ください。
Q.脳出血を発症したあとに後遺症なしの確率はどのくらいですか。
A.2022年の脳卒中データバンクによると、退院時に自宅に戻れた人は約26%です。
一方、リハビリ目的の施設へ退院した人が約68%なので、生活機能が低下して自宅で過ごせないほどの後遺症が残ってしまうケースが多いことが分かります。
参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」
Q.脳出血の予防方法はありますか。
A.血圧をコントロールすることです。脳出血の原因は、高血圧性脳出血が約8割と最も多いです。
高血圧は基本的には無症状ですが、動脈硬化による脳梗塞や脳出血の原因になってしまいます。異常値を指摘されている方は、早めに医療機関を受診して治療を始めましょう。
▼脳出血の予防方法や原因について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。
Q.意識障害はよくなりますか。
A.出血した場所、出血の量によって異なりますが、適切な治療で改善するケースがあります。
意識障害を起こしている場合は、脳幹という神経が集まっている部位の出血や、出血の量が多く脳が浮腫を起こしている可能性があります。そのため、血圧を下げる、浮腫を和らげる、呼吸を補助するといった治療が必要です。
ただし、損傷した神経自体を回復させる治療はまだないため、重度の意識障害では症状が残る可能性が高くなります。
脳出血を発症しないように、血圧管理を含めて日常的な生活習慣に気をつけることが重要です。
Q.脳出血はどこまで回復しますか。
A.脳出血による後遺症が回復するかどうかは、発症時の症状とその後リハビリにより大きく異なります。
発症した時に意識障害がある場合や高度の麻痺がある場合には、一般的に後遺症が残ってしまいます。また、発症後6ヶ月までは回復する見込みがあるので、集中してリハビリを行うことが勧められます。
ご自身の想定される回復の程度やリハビリが必要な期間については、担当の医師とよく相談するようにしましょう。
▼脳出血の後遺症・リハビリについて詳しく知りたい人は以下もご覧ください。