押すと痛い!頭のできもの(こぶ)はなに?考えられる疾患や受診の目安を解説
- ・押すと痛い頭にコブができて困っている
- ・押すと痛い頭のできもの(こぶ)の原因を特定したい
- ・押すと痛い頭のできもの(こぶ)を早く治したい
上記のようなお悩みを抱えている方の一助となるべく、本記事では「押すと痛い頭のできもの」について解説します。
痛みが生じる頭のできもの(こぶ)で考えられる疾患から、受診の目安や受診先の提案まで詳細に紹介しているので参考に確認いただきつつ、早急に問題を解決したい方は当クリニックにご相談ください。
目次
押すと痛い頭のできもの(こぶ)は何?考えられる疾患を紹介
シャンプーで頭皮に触れたときや髪をかきあげたときなど、ふとしたタイミングで頭に「こぶ」ができていることに気づいた経験はありますか?
放置により自然治癒した場合は問題ありませんが、押したり触れたりすることで痛みが生じる場合は不安ですよね。
そこでこの項目では、押すと痛い頭のできものの原因やこぶの種類について紹介します。
頭にできる「こぶ」の種類
- ・皮下血腫(たんこぶ)
- ・感染(ニキビ)
- ・皮膚炎
- ・腫瘍(良性、悪性)
まずは頭にできるこぶの種類を把握しておきましょう。
頭のこぶは大きく、皮下血腫・感染症・皮膚炎・腫瘍に分類されます。各こぶの症状や特徴を順番に見ていきましょう。
皮下血腫(たんこぶ)
皮下血腫はいわゆる「たんこぶ」のことです。頭をぶつけた際に、皮膚の近くの血管が切れてしまい、血溜まりを作ってしまった状態です。
皮下血腫自体は特に治療をせずに治ることが多いですが、頭を打撲して嘔吐したり、意識が低下したり、打撲した前後のことを覚えていなかったりする場合にはすぐに受診をするようにしましょう。
感染(ニキビ)
ニキビは皮脂が毛穴を閉塞し、アクネ菌が増殖することで炎症を起こします。ニキビといえば顔のイメージがありますが、頭皮にも起こることはあります。
肌荒れを含むニキビの発生要因は免疫力が関わっているケースがあることから、何度も繰り返し継続的にニキビができてしまう状態はあまりよろしくありません。
また、毛包炎・毛嚢炎は毛穴に黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌などの皮膚常在菌が感染することで炎症を起こす疾患です。どちらも菌により炎症が起こるので、押すと痛い、赤く腫れることがあるのが特徴です。
▼免疫については下記をご確認ください
皮膚炎
頭皮がシャンプーや整髪料、髪染めなどに反応してしまい、炎症を起こす接触性皮膚炎もこぶ・できものの原因になります。ただれ、水ぶくれが多く、大きなしこりはあまり起こりません。原因となるものを使用しないことが重要です。
腫瘍
腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。医療機関でのご相談をお勧めします。
良性の腫瘍(粉瘤・脂肪腫)
良性の腫瘍には「粉瘤(ふんりゅう)」があります。粉瘤は、毛穴の一部に皮脂などが溜まって、袋状となった良性の腫瘍です。柔らかいしこりとして触れ、痛みはあまりありません。
内部で細菌が増殖して炎症を起こしてしまうと、痛くなったり膿が出たりすることがあります。脂肪腫も良性の腫瘍です。同じく、柔らかいしこりとして触れます。
悪性の腫瘍
頭皮にできる悪性腫瘍には、「有棘細胞癌」や「悪性黒色腫」があります。触るとごつごつしたり、硬いという特徴があります。また、潰瘍となって液体が出てきたり、血がでたりすることもあります。
一般に良性のものでは大きさは変わらずに経過することが多いです。しかし、小さな「イボ」として感じていたものがどんどん大きくなっている、血が出ているなどは悪性を疑う情報となります。
「こぶ」と脳卒中の関係は?
頭は外面から、皮膚・骨膜・頭蓋骨・硬膜・くも膜・軟膜・脳とたくさんの層構造になっています。
頭蓋骨という非常に硬いもので分け隔てられているので、皮膚のできものと脳卒中に直接的な関係はありません。イボやこぶとして触れる病気は、主に頭の皮膚に起こることが多いです。
逆に脳卒中になっても、頭皮にこぶができることもありません。くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤も、皮膚の上から触れるものはありません。脳卒中が考えられる症状は、突然起こることが特徴です。
脳の発症部位によりその症状は様々ですが、代表的な脳卒中の症状は、以下のようなものです。
- ・言葉が出づらい
- ・左右どちらかの手足が動かしにくい
- ・意識の状態が悪い
【注意!】頭の「こぶ」で受診したほうが良いケース
こぶや、しこりが赤く腫れて痛い場合、膿が出てくる場合は感染症の可能性があります。切開や抗菌薬を投与したほうが速やかに治る可能性があるため、数日待っても良くならない場合は受診をおすすめします。
こぶやしこりが大きくなっていたり、数が増えたりする場合は悪性腫瘍を考えなければなりません。早めの受診をしましょう。
また、頭をぶつけた際にできたこぶが、どんどん大きくなっている、意識の状態が悪くなっている、話しづらさや手足の動きづらさが出てきたりするなどの場合は、早急に受診をするようにしましょう。
- ・こぶや、しこりが赤く腫れて痛い:感染症の可能性
- ・膿が出てくる場合:感染症の可能性
- ・こぶやしこりが、大きくなっている:悪性腫瘍の可能性
- ・こぶやしこりがの数が増えてきた場合:悪性腫瘍の可能性
- ・頭をぶつけて「こぶ」が大きくなってきた場合
- ・頭をぶつけて意識の状態が悪くなってきた場合
- ・頭をぶつけて話しづらさ、手足の動きづらい場合
頭の「こぶ」についてよくある質問
頭にできるコブについて患者様から、よく頂く質問から抜粋して記載します。
小さな時からある頭の「こぶ」は、どうしたらよいですか?
幼少期から長期間ある場合は、重篤な病気である可能性はそこまで高くはないでしょう。見た目として気になる場合、赤みや痛みなど新しい症状がでた場合、大きくなる場合は受診するようにしましょう。
頭の「こぶ」は何科を受診したら良いですか?
皮膚科は形成外科を受診するのが良いでしょう。
頭のこぶやしこりが気になるのなら、皮膚科もしくは形成外科を受診しましょう。頭をひどくぶつけて、皮下血腫(たんこぶ)ができた際には、脳外科を受診するのが良いでしょう。
受診する際は、いつ頃からできているか、できものに心当たりはあるか、痛みはどうか、他に症状がないかを言えるようにすると、正確な診断に繋がりやすいです。
頭の「こぶ」に痒みがある場合どうしたら良いですか?
まずは頭を清潔にしましょう。シャンプーや整髪料を変えたなどがあれば、一時的に使わずに様子を見るのがおすすめです。
かゆみがひどくて掻きむしってしまう場合は、皮膚科などを受診するとよいでしょう。
まとめ|頭のできもの(こぶ)に少しでも異常を感じたら早急に受診をしよう!
頭の「こぶ」は自分では見えない部分なのでより不安にも感じやすいと思います。
「こぶ」の原因は、皮下血腫、感染症、皮膚炎、腫瘍などさまざまな原因が考えられます。一般的には良性のものが多いのですが、痛みや腫れがひどい場合や、悪性腫瘍が疑われる場合は、早めの受診をお考え下さい。
尚、頭皮の「こぶ」と脳卒中との関係はありませんし、頭のこぶが脳卒中の前兆というわけでもありません。脳卒中の症状は突然起こることが特徴的であり、言葉が出づらい、手足の動きが鈍くなるなどの症状があります。
頭に「こぶ」ができた際は、症状や変化に注意し、必要に応じて早めに医師の診断を受けることが重要です。
特に痛みや膿がある場合、大きくなっている場合、数が増えている場合は、感染症や悪性腫瘍の可能性があるので、お近くの皮膚科や形成外科、脳外科など、早急に受診をしたほうが良いでしょう。
この記事がご参考になれば幸いです。