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もやもや病の手術後に仕事復帰できるのはいつ?後遺症や退院後の働き方を医師が解説

もやもや病 後遺症
公開日: 2023.06.19 更新日: 2025.02.10

もやもや病の手術後にどのくらいで仕事復帰ができるのか、そもそも仕事ができるのか気になっていませんか。

もやもや病のような脳の手術は、長く休まなければいけないのか、以前と同じように仕事ができるのかなど不安は尽きないかもしれません。

結論、もやもや病の手術後は、個人差はあるものの「2週間以上」は静養が必要です。麻痺や感覚障害などの後遺症がある場合は、リハビリを実施し、日常生活・仕事への復帰を目指します。

本記事では、もやもや病の手術後の仕事復帰について詳しく解説します。この記事を参考に、仕事復帰までの期間を把握して今後に備えましょう。

当院「リペアセルクリニック」では、再生医療によるもやもや病をはじめとする脳卒中の後遺症改善・再発予防の治療を行っております。

メール相談」または「オンラインカウンセリング」にて無料相談を受け付け中です。気になる方はぜひ当院までご連絡ください。

もやもや病の手術後の仕事復帰までは2週間以上かかる可能性がある

もやもや病の手術後は個人差があるものの、静養が必要なため、仕事復帰まで2週間以上かかる可能性があります。

もやもや病は、脳の主要な血管(内頸動脈終末部)が徐々に狭くなり、その部分を補うように煙のようなもやもやした細い血管が発達する病気です。

新しく形成された血管は弱いため、血管の壁が破れて脳出血や脳虚血に陥るリスクがあります。脳卒中に発展するリスクがあるため、十分な静養や入院期間が必要である旨を職場に伝えておくと安心でしょう。

しかし、重篤な症状を発症する前に、バイパス手術などの治療を行うことができれば、後遺症なく社会復帰できる可能性が高い疾患です。

ただし、退院後も定期的な診察と検査は欠かせないため、医師の指示に従い受診しましょう。

もやもや病の手術については、以下のコラムで詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

仕事復帰に影響するもやもや病の後遺症5つ

もやもや病の術後には、以下の後遺症があらわれる可能性があります。

  • 麻痺
  • 感覚障害
  • 構音(こうおん)障害
  • 嚥下(えんげ)障害
  • 高次脳機能障害

これらの症状は、仕事復帰に影響する可能性があります。本章で後遺症を把握して今後に備えましょう。

麻痺

もやもや病で多いのが、片側の手足が麻痺して動かなくなる症状です。

麻痺の度合いは出血の大きさによって異なります。全く動かない場合もあれば、少しなら動かせる場合もあります。

リハビリで改善は認められるものの、何らかの障害が残り、肉体労働が困難になるリスクも考えられるでしょう。

感覚障害(触感が鈍くなる)

触った感覚が鈍くなる「感覚障害」も後遺症のひとつです。

物に触れたときに分かる温度や硬さ、痛みなどが感じにくくなる症状です。重度の場合は火傷やケガを負っても気づかないことがあるため、業務内容に制限がかかる場合があります。

また、鈍くなるだけではなく、反対に過敏になりすぎるケースもあります。

構音障害(話すのが困難)

口の中または周辺が麻痺して呂律(ろれつ)が回りにくくなる「構音(こうおん)障害」も後遺症としてあげられます。

構音障害になると、文字の読み書きは問題なく行えるものの言葉が不明瞭で鼻にかかったような話し方になる場合が多いです。話すのが困難になるため、対人業務が難しくなるケースがあります。

嚥下障害(飲み込みにくくなる)

もやもや病の急性期では、食べ物や飲み物を飲み込みにくくなる「嚥下(えんげ)障害」が多く見られます。

出血の部位によっては完全な回復が難しいケースがあり、口から食事を摂取できなくなる場合も考えられるでしょう。

また、飲食物が気道に入ってしまい咳が出る「誤嚥性肺炎」が併発する懸念もあります。

そのため、安全に飲み込めるよう食べ物を人肌の温度まで冷ましたり、ペースト状にしたりするなどの工夫が必要です。

思考力低下・注意力散漫

「高次脳機能障害」は、脳で複雑な情報を処理する部位が損傷して記憶力や注意力に問題が起こる後遺症です。

感情のコントロールが難しくなったり、言葉が出にくくなったりすることで社会生活に支障をきたす場合もあります。

高次機能障害によりできないことをリハビリでカバーしたり、業務内容を調整する必要が出てくるでしょう。

もやもや病による高次機能障害について詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしてください。

もやもや病手術後に仕事復帰するときのポイント

もやもや病の手術後に仕事復帰するときのポイントは、以下の2つです。

  • 後遺症がつらい業務は避ける
  • 症状について職場に理解をもらう

退院後に仕事をする際は、後遺症とうまく付き合う必要があります。本章を参考に術後も安心して仕事ができるような工夫をしましょう。

後遺症がつらい業務内容は避ける

後遺症によっては業務内容が限られます。後遺症で業務に支障が出る仕事は極力控えるようにしましょう。

つらい思いをして無理に業務を行った場合、体調を崩したり職場の人間関係が悪化したりするリスクが考えられます。

以下を例に、後遺症の種類に応じて業務内容を検討しましょう。

後遺症

避けるべき業務の例

運動麻痺

肉体労働

言語障害

電話応対

構音障害

接客業

自分の症状に合わせて職場と相談し、無理なくても働ける環境を整えましょう。

もやもや病の症状を職場に理解をもらう

もやもや病の手術後、仕事の支障をきたす後遺症がある場合は、業務内容が制限されていることを職場へ相談することが大切です。

つらい症状を共有すると、業務内容や負担の調整をしてもらえる可能性があります。

ただし、職場の理解が得られなかったり、業務の継続が難しかったりする場合は、休職や転職も視野に入れましょう。

もやもや病手術後に気を付けるべき日常生活のポイント

もやもや病の術後は以下の点に気を付けるべき日常生活のポイントは、以下の3つです。

1.リハビリは正しく行う
2.処方薬は適切に服用する
3.定期的に診察や検査を受ける

本章を参考に、日常生活の注意点を把握して再発防止や症状の改善を意識しましょう。

リハビリは正しく行う

医師から指示があった場合は、きちんとリハビリを行いましょう。

もやもや病の術後に後遺症が残っている場合は、医師の判断でリハビリを重点的に置いて治療が進められます。

後遺症の種類に応じて、運動療法や言語療法、作業療法などが選ばれます。

個人差はあるものの正しいリハビリを行うことで、後遺症の改善も期待できるでしょう。

処方薬は適切に服用する

脳の血流が不足している場合は、血をサラサラにする抗血小板薬を服用して血行が遮断されないようにします。

根本的な治療にはならないものの、脳卒中の防止になるため薬が処方された際はきちんと服用しましょう。

また、けいれんが見られる場合は抗けいれん薬が処方されることもあります。

定期的に診察や検査を受ける

もやもや病の治療では手術の効果を見るために、脳血管の撮影が行われます。

検査の頻度には個人差がありますが、指示があれば必ず受けましょう。

もやもや病の検査ではMRIやCTで脳の画像を撮影されることが多く、自覚症状がなくても異変を確認できます。

術後に無症状で安定している状態でも、半年〜1年の頻度で検査することが大切です。

まとめ|もやもや病の手術後はしっかり休んで仕事復帰に備えましょう

もやもや病は、症状や後遺症が個々に異なる希少な疾患です。

手術で後遺症なく社会復帰できる場合もあれば、何かしらの症状が残り介助が必要な場合もあります。回復を焦らずしっかり休むことが、社会復帰につながるでしょう。

本記事がご参考になれば幸いです。

当院「リペアセルクリニック」では、再生医療によるもやもや病をはじめとする脳卒中の後遺症改善・再発予防の治療を行っております。

メール相談」または「オンラインカウンセリング」にて無料相談を受け付け中です。気になる方はぜひ当院までご連絡ください。

\まずは当院にお問い合わせください/

もやもや病についてよくある質問

もやもや病の手術の術後、運動はできますか?

術後の状態が安定していれば、その後の運動制限は少ないでしょう。

ただし、退院後すぐの激しい運動は控えることをおすすめします。筋トレのような本格的に運動を行う際は、必ず事前に医師の許可を得てください。

もやもや病の入院期間はどのくらいですか?

もやもや病の入院期間は、2〜3週間程度が目安です。

医師の判断により変動するため、術前に確認しておくと術後の生活が計画しやすいため安心でしょう。

また、退院後も定期的な受診や検査が必要な場合がほとんどです。医師の指示に従い忘れずに定期的な通院をしましょう。

監修者

圓尾 知之(医療法人美喜有会 脳神経外科 部長)

圓尾 知之 医師 (医療法人美喜有会 脳神経外科 部長)

Tomoyuki Maruo

日本脳神経外科学会 所属

脳神経外科の最先端治療と研究成果を活かし、脳卒中から1日でも早い回復と後遺症の軽減を目指し、患者様の日常生活の質を高められるよう全力を尽くしてまいります。

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