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もやもや病の手術の難易度と成功率とは?入院期間や寿命への影響も医師が解説!
![もやもや病 手術](https://fuelcells.org/wp/wp-content/uploads/2023/06/moyamoyaope.jpg)
「もやもや病の手術は難易度が高いって本当?」「成功率はどのくらい?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
もやもや病は頭の中で血管が詰まる病気で、手術が必要な場合もあります。
しかし脳の手術は難易度やリスクが高いと感じ、不安になるかもしれません。
結論からいえば、もやもや病の手術の難易度は高いといえます。血管をつなぐ繊細な作業が求められ、4~6時間に及ぶ手術になることもあるためです。
この記事では、もやもや病の手術方法の種類や難易度、成功率などを解説しています。もやもや病の手術について理解を深め、治療に前向きに臨むための参考資料になれば幸いです。
また、当院「リペアセルクリニック」では脳梗塞や脳出血の治療も行っております。
もやもや病に関して気になる症状がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
目次
もやもや病の手術の難易度は高め
もやもや病の手術は、脳の血流を改善するために行われるもので、難易度は高めといえます。
繊細な血管を扱う技術が求められ、一般的な手術と比べて以下のとおり難易度が高いのが特徴です。
本章では、手術の難易度が高いとされる理由や背景を詳しく解説いたします。
血管外科医の高度な技術が必要
もやもや病の手術には、血管外科医の高度な技術が欠かせません。
脳の血管は非常に細く、複雑に入り組んでいます。
もやもや病の手術では、顕微鏡を使用しながらミリ単位の血管を縫い合わせる繊細な作業が必要です。そのため、高度な技術と豊富な経験を持つ医師の執刀が求められます。
したがって、もやもや病の手術は難易度が高いといえるでしょう。
手術時間は数時間に及ぶ
もやもや病の手術は、脳の血管を慎重につなぐ作業が続くため、通常4〜6時間ほどかかり、高い集中力が求められます。
とくに、血流を確保する繊細な工程では、一瞬の判断ミスが大きな影響を与えかねません。
そのため、熟練した技術と高い集中力が不可欠です。
難易度の高い手術ですが、具体的な時間など事前に理解を深めておくと不安を軽減できるでしょう。(文献1)
もやもや病の手術方法は主に2種類ある
もやもや病の手術には「直接バイパス手術」と「間接バイパス手術」の2種類があります。
どちらも脳の血流を改善する目的ですが、アプローチや効果に違いがあります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
手術方法 | 特徴 | 主なメリット |
---|---|---|
直接バイパス手術 | 血管を直接接続する方法 | 即効性が高い |
間接バイパス手術 | 血管の自然成長を促す方法 | 身体への負担が少ない |
それぞれの手術について詳しく解説します。
直接バイパス手術
直接バイパス手術は、頭皮や首の血管を脳の血管に接続する方法です。
この手術は即効性が高く、術後すぐに血流改善が期待できます。
一方で、手術には高度な技術が求められ、執刀医の経験が成功率に大きく影響します。
また、術後の合併症リスクを軽減するため、精密検査や丁寧な経過観察が欠かせません。
間接バイパス手術
間接バイパス手術は、頭皮や筋肉を脳表面に移植して血流改善を促す方法です。
新しい血管の成長を利用するため、身体への負担が少ないのが特徴です。
ただし、直接バイパス手術ほど即効性はなく、効果が現れるまでに時間を要する場合があります。
とくに子どもや血管が細い患者に適しており、長期的な観察と適切なリハビリが重要です。(文献2)
また、もやもや病の詳しい症状や治療法については以下の記事でも詳細に解説しているので、参考にしていただけると幸いです。
もやもや病手術の成功率とリスク
もやもや病の手術は成功率が高い一方で、いくつかのリスクも伴います。
適切な手術を受けることで8割以上の成功が見込めますが、合併症や少数の脳出血のリスクも考慮する必要があります。
ここでは、成功率と注意すべきリスクについて詳しく解説します。
適切な手術によって成功率は8割程度
もやもや病の手術は、適切に行われれば成功率は8割程度とされています。手術を行うことで、血流が改善し、症状の進行を抑えられる点が大きなメリットです。
しかし、成功率は手術を担当する医師の技術や施設の設備によって異なります。
経験豊富な医師の執刀によって、さらに高い成果が期待できるでしょう。
手術前には十分な説明を受け、不安を解消した上で治療に臨むことが重要です。
合併症のリスクがある
もやもや病の手術には、術後の感染症や血管の閉塞など、合併症のリスクが伴います。
これらのリスクを減らすためには、術前の精密検査や術後の経過観察が欠かせません。また、体調を整えて手術に臨むことも大切です。
医師と密に連携し、不安や疑問をしっかり解消しておきましょう。
脳出血を起こす少数事例もあり
もやもや病の手術では、少数ですが脳出血の事例も報告されています。血流の変化により脳の負担が一時的に増える可能性があるためです。
ただし、こうしたリスクは経験豊富な医師による適切な対応で抑えられます。また、術後は医師の指導に従い、慎重にリハビリを進めていきましょう。
もやもや病が招くリスクについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
もやもや病の入院期間や予後・寿命について
もやもや病の手術後の入院期間は2〜3週間で、リハビリを含めて社会復帰までには1〜2カ月ほどかかるのが一般的です。
ただし、入院期間や回復までの時間には個人差があります。
本章では、入院期間から社会復帰、寿命への影響について詳しく解説します。
入院期間は2〜3週間が一般的
もやもや病の手術後、入院期間は2〜3週間程度が目安です。
術後は脳の血流状態を慎重に観察し、退院後も合併症の兆候がないか定期的な検査を行うことで、寿命へのリスクを最小限に抑えられます。
術前に入院期間を確認し、術後の生活を計画しておきましょう。
社会復帰には1〜2カ月が目安
術後の経過や重症度によって差はありますが、もやもや病の手術後、社会復帰するまでには、通常1〜2カ月程度かかるとされています。
手術後はリハビリを経て、日常生活に戻ることを目指します。
デスクワークや軽作業は比較的早く再開できますが、体力が必要な作業はできるだけ避けたほうが良いでしょう。
医師やリハビリスタッフのアドバイスを受けながら、無理のない範囲で復帰を進めることが大切です。
術後の回復状況に応じて、焦らず段階的に日常生活を取り戻していきましょう。
完全回復には半年以上かかる場合も
もやもや病からの完全回復には半年以上かかる場合があるため、その間のケアが重要です。(文献3)
手術で血流が改善されることで、もやもや病による寿命へのリスクは大幅に軽減されます。
ただし、重症の場合や術後の合併症がある場合は、引き続き注意が必要です。
健康寿命を延ばすためには、適切なリハビリと生活習慣の改善が欠かせません。
まとめ|もやもや病の手術は難易度とリスクも理解しておこう
この記事では、もやもや病の手術に関する難易度や成功率、入院期間について解説しました。
もやもや病の手術は、脳の血管を扱う繊細な治療であり、難易度は高めといえます。手術を受けるかどうかは、担当医と十分に相談し、納得できる選択を心がけましょう。
また、当院「リペアセルクリニック」では脳卒中の再生医療も行っております。症状に不安がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
もやもや病の手術難易度に関するよくある質問
もやもや病は寿命に影響する?
適切な治療を受ければ、寿命への影響を最小限に抑えられます。ただし、放置すると脳卒中や血流障害が進行し、命の危険が高まる可能性があります。
手術によって血流が改善されれば、日常生活への支障が減り、健康寿命が延びるケースも多いでしょう。
また、術後も医師の指導に従い、定期的な検診を受ける必要があります。
以下の記事では、もやもや病の初期症状やリスクチェックについて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
もやもや病の手術は何回くらい必要ですか?
もやもや病の手術は、基本的に1回で終えるケースが多いです。ただし、血流改善が不十分な場合や再発リスクが高い場合は、追加の手術が検討されることもあります。
1回目の手術で血流が安定すれば、再手術の必要性は低いといえるでしょう。
もやもや病の手術後に運動はできますか?
術後のリハビリを経て、軽い運動が可能になります。ウォーキングやストレッチなどの負担が少ない運動が推奨されます。
ただし、激しい運動は脳への負担が大きいため、術後しばらくは控えるべきといえる医師やリハビリスタッフの指導に従い、段階的に運動量を増やしていきましょう。
手術に失敗して後遺症が出るリスクはありますか?
手術が成功しても、少数ですが後遺症が出るリスクはあります。代表的な例として、軽度のしびれや血管の再閉塞などが挙げられます。
これらのリスクを最小限に抑えるため、経験豊富な医師の執刀と術後の経過観察が重要です。
不安な点は手術前に医師と相談し、納得した上で治療に臨むことが大切です。
もやもや病の後遺症については以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
また、当院「リペアセルクリニック」では、脳疾患の後遺症治療として、再生医療を行っております。後遺症リスクが不安な方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
参考文献一覧 文献1 |