ヘルニアの種類と再生医療の適応について
目次
ヘルニアの種類と再生医療の適応について
ヘルニアには数多くの種類があります。代表的なヘルニアの1つは椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアは、誰しも発症する可能性があるよくある疾患の1つです。椎間板ヘルニアは強い症状で悩んでいる場合などに手術療法を行います。しかし、場合によっては手術後の後遺症に困ることがあるため注意が必要です。
本記事では、ヘルニアの種類、そして再生医療と呼ばれる最新の治療方法について解説します。特に椎間板ヘルニアに不安がある方や、手術後の後遺症でお困りの方はぜひ参考にしてください。
ヘルニアの種類
ヘルニアとは、体の中にある臓器や器官などが本来あるべき部位から出てきてしまった状態です。さまざまな種類のヘルニアがありますが、ここでは代表的なヘルニアについて紹介します。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアとは、数多くある背骨の骨と骨の間の、椎間板と呼ばれる組織が飛び出した状態です。若い男性に比較的多い疾患であり、タバコを吸うことで発症しやすくなります。椎間板には骨と骨とをつなぐクッションのような役割がありますが、飛び出すと周りにある神経を圧迫してさまざまな症状が出現します。
椎間板ヘルニアの種類と症状
首(頚)にある椎間板が飛び出せば頚椎椎間板ヘルニアと呼ばれ、手のしびれや痛みなどの症状が現れます。
また、胸部や腰部の椎間板ヘルニアはそれぞれ胸椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニアと呼ばれます。
椎間板ヘルニアの検査
椎間板ヘルニアを診断するためにはMRI検査やCT検査、レントゲン検査などを行います。MRI検査は神経の状態をチェックするのに優れており、椎間板ヘルニアを診断するために最も重要な検査です。
椎間板ヘルニアの治療方法
椎間板ヘルニアの治療は、手術以外の治療(保存療法)と手術療法の大きく2つに分けられます。
保存療法
一般的に、椎間板ヘルニアは痛み止めの飲み薬や注射、コルセットなどの装具療法やリハビリなどで改善することが多いです。
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しかし、椎間板による神経圧迫の根本的な治療ではないため、再発する可能性が高いです。
手術療法
しびれや痛みなどの症状が強い場合や保存療法では改善しない場合などには手術療法を検討します。
手術療法は、目で見て確認しながら治療できるというメリットがありますが、体にかかる負担や入院が必要となるケースも多く、患者さんの苦痛になりやすいというデメリットもあります。
また、椎間板ヘルニアの手術にはリスクがある場合もあります。手術の際に脊髄と呼ばれる背中の神経を傷つけてしまうと、手や足のしびれ、感覚異常などの脊髄損傷による症状が現れます。当クリニックでは脊髄損傷に対して有効な最新の再生医療を用いた治療を行っています。
鼠径ヘルニア
鼠径ヘルニアは、いわゆる脱腸の状態であり、太ももの付け根にある筋肉のすき間から腸がお腹の外に飛び出して、膨らみや痛みを感じる疾患です。
先天性により生まれつき鼠径ヘルニアがある場合や、重い荷物を持つ、排便する時にお腹に力を入れる、年を取ることなどが原因で発症する場合もあります。
鼠径ヘルニアは、触診や超音波検査、CT検査などで診断します。そして基本的には手術療法でのみ治療できます。
発見したら速やかに手術をしないといけないわけではありませんが、脱腸がお腹の中に戻らなくなる嵌頓(かんとん)という状態となり、激しい痛みが出て腸が腐ってしまう場合があるため、はやめに手術をしておくのがおすすめです。
大腿ヘルニア
大腿ヘルニアは鼠径ヘルニアの近くから腸がお腹の外に脱出する疾患です。やせ型の高齢女性に多く見られます。
鼠径ヘルニアよりも嵌頓する危険性が高いため、速やかな手術療法が望ましいです。
臍ヘルニア
臍ヘルニアは、一般的に「でべそ」と呼ばれる状態です。
子どもの場合、産まれた時にへその緒がついている部位が閉じきれなかった場合に臍ヘルニアになります。また、大人では肥満、妊娠などが原因で臍ヘルニアを発症することもあります。
子どもでは成長とともに改善する場合も多いです。一方で大人の場合は改善することはほとんどなく嵌頓する危険性も高いため、基本的には手術を行います。
リペアセルクリニックが再生医療を行う疾患
再生医療とは、自身の体を再生する力を利用した最新医療です。例えば、怪我をした時に自然にかさぶたができてやがて元の状態に戻っていきますが、再生医療ではこのような自然治癒力を利用しています。
近年、さまざまな医療分野の最先端の治療法として再生医療が用いられています。当クリニックでは、椎間板ヘルニアの術後後遺症に対して再生医療である幹細胞治療を行っています。
再生医療の1つ「幹細胞治療」
幹細胞とは、さまざまな細胞に変化できる細胞のことです。まわりの細胞が傷ついたり細胞の個数が減ったりした時に、幹細胞が分裂してその細胞の代わりとなります。幹細胞には、軟骨や皮膚などさまざまな細胞に変化できる分化能と呼ばれる機能があります。
当クリニックでは、お腹の脂肪(米粒2粒程度)を採取して幹細胞を培養し、規定量にまで増やしてから患部に戻しています。自身の脂肪や血液を用いて再生医療を行うため、アレルギーや拒絶反応が起こりにくく、安全性が高いというメリットがあります。
当院独自の培養方法
当クリニックの幹細胞の培養方法は、一般的な医療機関で行われる冷凍して保存する方法とは異なり、冷凍せずに都度培養することで新鮮な幹細胞を数多く得られます。元気で質の良い幹細胞を多く投与するほど治療効果が高いと報告されています。
また、当クリニック独自の技術により幹細胞を1億個以上まで増やせるため治療成績も良く、余分な薬剤や不純物を使わず自身の血液を用いて細胞を培養するためアレルギーや拒否反応などの合併症も極めて少ないです。
そして米粒2~3粒程度の脂肪を採取すれば十分な数にまで幹細胞を増やせるため、体への負担を少なく幹細胞を準備できます。
椎間板ヘルニアの術後後遺症には再生医療がおすすめ
当クリニックでは、幹細胞を脊髄損傷部位に直接投与する脊髄内幹細胞療法という国内でもほとんど行われていない最新の治療法で神経を再生することを目指しています。
一般的な再生医療では点滴によって細胞を体に戻しますが、損傷部位に到達する細胞は少なくなってしまいます。当クリニックの治療法では細胞を直接投与するためすべての細胞が損傷部位に到達でき、再生医療による効果がより期待できます。
治療自体は注射を行うのみであり数分で終了します。注射にともなう痛みも強くないため気軽に受けられる治療法です。また、幹細胞の点滴も同時に行えばさらに治療効果を期待できます。
まとめ・ヘルニアの種類と再生医療の適応について
代表的なヘルニアの1つが椎間板ヘルニアです。椎間板ヘルニアは手足の痛みやしびれなどの症状が現れ、日常生活を送りにくくなる疾患です。
まずは保存療法を行いますが、改善が見られない場合や強い症状に悩む時には手術療法を選択します。しかし、手術後の手や足のしびれが残存したり、感覚異常などの術後後遺症が出たりすることがあるため注意が必要です。
椎間板ヘルニアの術後後遺症には最新の再生医療である幹細胞治療がおすすめです。当クリニックでは独自の培養技術により高い安全性と効果をかねそなえた治療を行っています。椎間板ヘルニアの術後後遺症にお困りの方はぜひ一度ご相談ください。
No.158
監修:医師 坂本貞範