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椎間板ヘルニアと手術後、後遺症の治療法について

公開日: 2023.11.16
更新日: 2024.10.07

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椎間板ヘルニアと手術後、後遺症の治療法について

椎間板ヘルニアは、高齢者はもちろんのこと、スポーツや重労働をする若い人もなりうる病気の1つです。手や足のしびれや痛みが出てくるので、生活の質を低下させてしまいます。

治療法として保存治療や手術がありますが、術後でも症状が残ってしまう可能性があります。

これまでは術後の後遺症に対しては、対症療法が中心でしたが、最新治療として再生医療(幹細胞治療)を用いた治療が注目されており、根治につながるのではないかと期待されています。

そこで、本記事では椎間板ヘルニアの概略から最新の治療までを紹介していきます。

椎間板ヘルニア手指のチェックをイメージ

椎間板ヘルニアとは

人間の背骨は、脊椎といわれる骨とその間にある椎間板という組織から構成されます。脊椎は場所により名称が変わり、頸椎・胸椎・腰椎・仙椎に分類されます。

また、椎間板は脊椎が柔軟に動くためのクッションの役割を果たしています。椎間板ヘルニアとは、何らかの原因で椎間板が変形してしまい後ろに飛び出してしまっている状態のことです。椎間板ヘルニアは先述したどの脊椎にも起こる可能性があり、生じた部位により名称が変わります。

椎間板ヘルニアの原因

原因は、加齢による椎間板の変性や、外力により椎間板に過度な負担がかかることが挙げられています。脊椎の中でも腰椎が最も外力による負担が大きいため、腰椎椎間板ヘルニアが最多です。

椎間板ヘルニアの症状

椎間板ヘルニアの症状としては、椎間板の脱出により脊椎内を通過している脊髄などの神経を刺激することで、痛みやしびれが生じます。どの部位の神経が刺激されるかにより、症状が生じる部位も変わります。

例えば、頚椎では首や肩、手のしびれや痛みが主に生じますが、腰椎では坐骨神経痛と呼ばれる足のしびれや痛みが生じます。

椎間板ヘルニアの治療法

椎間板ヘルニアの治療法は保存療法と手術療法とがあり、多くの場合、まずは保存療法が行われます。

保存療法

保存療法としては、椎間板にかかる負担が少なくなるように安静を保つことや、しびれや痛みを抑えるために鎮痛薬の内服や神経ブロック、リハビリをメインとした理学療法が行われます。

  • 椎間板ヘルニア治療、保存療法の種類

  • ・鎮痛薬の内服
  • ・神経ブロック
  • ・リハビリテーション

これらの保存療法を行っても症状の改善が乏しい場合や症状が強い場合は手術を検討することになります。

手術療法

例えば、椎間板ヘルニアで最も多い腰椎の手術には、「顕微鏡下椎間板摘出術」や、「内視鏡下ヘルニア摘出術」、

「経皮的髄核摘出術」があります。

また、「経皮的レーザー椎間板減圧術」と呼ばれる治療法もあります。これは神経を圧迫しているヘルニアにレーザーを照射することで、ヘルニア内に空洞を形成します。それにより神経への圧迫を減らすことが出来るというものです。

各々アプローチは異なりますが、どの手術も脱出している椎間板を取り除くことで神経への刺激を軽減することが目的です。

  • 椎間板ヘルニアの手術療法

  • ・顕微鏡下椎間板摘出術
  • ・内視鏡下ヘルニア摘出術
  • ・経皮的髄核摘出術
  • ・経皮的レーザー椎間板減圧術

 

脊髄の損傷は手術しなくても治療できる時代です。

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手術後の後遺症について

先述した治療により、ヘルニアによる神経への刺激が軽減されることで手や足のしびれや痛みは改善することが多いです。

しかし、手術を受けたにも関わらず手足のしびれや痛みが残ったり、中には手術前よりも強い症状が見られる場合があります。このような後遺症を抱える原因としてはいくつかあります。1つはヘルニアの再発です。

1.ヘルニアの再発

腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021(改訂第3版)によると、症状の有無にかかわらず術後2年で23.1%(25/108)の患者が再発していたというデータがあります。

症状のない人も含めてですが、およそ4人に1人はヘルニアが再発してしまうということになります。仮にヘルニアが再発したとしても、症状がなければ様子をみるだけですし、症状があったとしても軽いものであれば保存療法がまず行われます。

しかし、保存療法でも奏功しない場合は再手術が必要となりますが、以前の手術による影響で難易度は高くなってしまうことが多いです。

2.脊髄神経の損傷

その他の後遺症が起こる原因としては脊髄の不可逆的な損傷があります。脊髄を含む神経は外力などの刺激により一度損傷が起こると、元通りに回復することはありません。

そのため、手術により神経を刺激する要因を取り除いたとしても、手術前に受けた損傷が激しい場合は、手術後も手足の痛みやしびれに悩まされる場合があります。

保存療法である鎮痛薬や神経ブロックなどが行われますが、どれも対症療法にしか過ぎません。そこで、最新の治療法として紹介したいのが、再生医療の1つである脊髄腔内幹細胞療法というものです。

この治療法を説明する前に、「再生医療」や「幹細胞」についてお話します。

再生医療による治療

再生医療とは、病気や外傷により失われた臓器や機能を正常な状態に回復させる医療のことです。その中でも特に注目されているのが、幹細胞を利用した再生医療です。

人間の体にある細胞は体細胞と生殖細胞に分けられます。体細胞は心臓や肺といった各臓器を構成する一般的な細胞で、生殖細胞は精子や卵子のように遺伝情報を伝えることの出来る細胞です。

この2つの細胞の元となるのが幹細胞で、その他の細胞と異なり自己複製能と多分化能をもちます。この2つの能力が再生医療に応用されているのです。

脊髄腔内 幹細胞療法

先に紹介した脊髄腔内幹細胞療法は幹細胞を直接脊髄に投与することで、損傷した神経の再生を促し、失った神経の機能を回復させることが期待できます。

幹細胞を用いた脊髄損傷の治療として血管内に点滴で幹細胞を投与することも行われていますが、その治療と比較すると脊髄に直接投与するため、損傷している神経に行き届く幹細胞が多くなります。

その結果、損傷した神経の再生効果を高めることが出来るのです。従来の対症療法に過ぎなかった治療法と異なり、脊髄腔内幹細胞療法は根本的な治療法になりえると考えられます。

まとめ・椎間板ヘルニアと手術後、後遺症の治療法について

今回は椎間板ヘルニアの術後後遺症と治療方法についてお話しました。

再生医療の1つである脊髄腔内幹細胞療法は、上述のように症状を根本的に改善させる可能性があり非常に期待されている治療法です。

▶椎間板ヘルニア術後の後遺症に悩んでいる方がいらっしゃいましたら、一度この治療法について検討してみてはいかかでしょうか。お困りの方はぜひ一度ご相談ください。

 

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