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PELD(PED)内視鏡下手術とは|手術の適応・費用・後遺症

つらい腰椎椎間板ヘルニアの症状にお困りではありませんか?
「薬やリハビリでは効果を感じられず、根本的に改善したい。でも、できれば体に大きな負担がかかる手術はしたくない」と、お考えの方も多いでしょう。
腰椎椎間板ヘルニアの治療に悩んでいる方でも、近年技術の進歩が目覚ましい内視鏡を用いた体への負担が少ない手術「PELD(PED)」なら、抵抗感が少ないかもしれません。
本記事では、内視鏡による椎間板ヘルニアの手術の一つである「PELD(PED)」の概要についてご説明します。
PELD(PED)の費用や合併症、術後のしびれ・痛みといった後遺症についても解説するので、治療に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、PELD(PED)合併症の後遺症に対する選択肢の一つ「再生医療」の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。
PELD(PED)が適用になる腰椎椎間板ヘルニアについて、手術を避けたいとお考えの方は、ぜひ一度公式LINEから再生医療についてご覧ください。
目次
PELD(PED)とは|腰椎椎間板ヘルニアの内視鏡手術
PELDは、Percutaneous Endoscopic Lumbar Discectomyの略で、日本語では「経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術」と呼びます。
7mm程度の細い筒状の手術器具を用いて、内視鏡を見ながら椎間板内に直接アプローチし、脱出したヘルニアそのものを摘出する手術です。
このPELDに対してL=Lumbar(腰)」が入っていないものをPED(Percutaneous Endoscopic Discectomy)と呼びますが、どちらも同じ椎間板ヘルニアの内視鏡手術を指します。
近年、同様の手術手技の適応が広がっており、ヘルニア以外の疾患の治療や頚椎の疾患にも用いられるため、PELDとPEDのように呼び方が異なる場合があるのです。
そのため、腰椎という意味の”Lumbar”ではなく、脊椎という意味の「スパイン」“Spine”という単語を使ってFESS: Full Endoscopic Spine Surgery(あるいはFED: Full Endoscopic Discectomy)とも呼ばれます。
椎間板ヘルニアについては、以下の記事でも医師がわかりやすく解説しているので、さらに理解を深めたい方はご覧ください。
PELD(PED)の特徴
PELD(PED)は、腰椎椎間板ヘルニアに対する低侵襲な手術法です。
主な特徴は、以下の通りです。
- 皮膚切開が7mmほどと小さい
- 筋肉や骨への損傷がほとんどない
- 局所麻酔で手術が可能
- 術後の回復が早く、日帰りまたは1泊入院が可能
- 再発や合併症のリスクが比較的低い
従来の手術と比較すると術後の痛みや出血が少なく、早期の社会復帰が期待できる治療法です。
また、再発率も低いとされており、とくに高齢者や持病のある方の選択肢として有望といえます。
ただし、すべての症例に適応できるわけではありません。まずは対応している病院を受診し、専門医による精密な診断が必須です。
PELD(PED)の手術方法
PELDには、主に以下2つのアプローチ方法があり、患者のヘルニアの部位や状態に応じて選択します。(文献1)
- インターラミナ法
- トランスフォラミナ法
インターラミナ法とは、背骨のすき間(椎間)から内視鏡を挿入する手術方法です。
ヘルニアを摘出し、硬膜管と神経根の圧迫が解放されたのを確認したら、体内に貯留した血液や体液、気体などを体外に排出するための管「ドレーン」を留置して終了となります。
トランスフォラミナ法は、椎間孔という神経の通り道からアプローチする方法です。
神経根への接触を最小限に抑えられる治療法で、腰椎の高位や側方型のヘルニアに適しています。
PELD(PED)の手術費用
PELD(PED)は、公的医療保険の対象です。手術を受ける方の状況により、1〜3割負担で治療を受けられます。
さらに、「高額療養費制度」にも対応しており、定められた上限額を超えることはありません。
保険適用時の最終的な自己負担は、数万〜20万円程度が目安です。
ただし、手術の内容や入院の有無・期間、患者の世帯の収入などによって、実際の負担額は異なります。
また、病院によっては自費診療で施術している場合もあります。検査の日程や手術器具など、さまざまな制約が生じる公的保険を適用した手術と異なり、自費診療のほうが柔軟な対応が可能です。
なお、自費診療では手術費用が高額になる場合があるほか、高額療養費制度の対象外となる点にも留意しておきましょう。
PELD(PED)のメリット
PELD(PED)は従来の手術と比べて体へのダメージが少なく、回復が早い点から、多くの患者にとって有力な選択肢となっています。
以下で、PELD(PED)の具体的なメリットを見ていきましょう。
体への負担を抑えられる
PELD(PED)は、筋肉や骨を大きく削らずに手術できる点が最大の特徴です。
骨のすき間や神経の通り道から内視鏡を挿入する治療法で、以下のような利点があります。
- 筋肉や靭帯を温存できる
- 術後の痛みや炎症が少ない
- 高齢者や持病のある方にも適応しやすい
上記のように体に優しい手術方法であり、回復期間の短縮にもつながります。
とくに、高齢者や持病を抱える方にとって、PELD(PED)の低侵襲性は大きな安心材料となるでしょう。
手術が短時間
PELD(PED)は、症例にもよりますが一般的に30〜60分程度で完了する手術です。
手術の時間が短いと、以下のような点が患者にとってメリットになります。
- 長時間の麻酔が不要
- 体力の消耗が少ない
- 術後の観察時間も短縮できる
短時間で終了するため、日帰りまたは1泊入院での対応も可能です。個人差はありますが、術後の経過も良好で、患者がすぐに歩行を開始できるケースも少なくありません。
入院期間の短縮だけでなく、患者自身の時間的・精神的な負担軽減にもつながる治療法といえるでしょう。
傷口が小さい
PELDの皮膚切開はわずか7mm前後と小さく、以下のような利点があります。
- 傷口が目立ちにくい
- 感染や出血のリスクが低い
- 縫合の必要がほとんどない
見た目にも目立ちにくく、とくに傷跡を気にする方にとっては心理的な安心感があります。また、創部からの感染リスクが低く、術後の管理も容易です。
美容面と医療面の双方でメリットを実感できる点が、PELD(PED)が支持されている理由の一つといえます。
PELD(PED) のデメリット
PELD(PED)は比較的低侵襲で身体に優しい手術ですが、すべての患者に適しているわけではありません。
術式の特性から、以下のようなデメリットや制限も存在します。
手術ができない可能性がある
以下のような条件では、PELD(PED)が適応とならない場合があります。
- ヘルニアの位置が内視鏡では届きにくい部位にある
- 脊柱管狭窄症などの合併症がある
- 石灰化ヘルニアや重度の神経圧迫がある
上記に当てはまる場合は、従来の手術法を選択するケースが一般的です。また、PELD(PED)に対応している病院が限られる点にも留意しておきましょう。
一度に2カ所以上手術できない場合がある
PELD(PED)は狭い視野での操作となるため、基本的には1回の手術で1カ所のヘルニアに限定されます。
2カ所以上の治療を行う場合には、複数回の手術が必要です。
合併症・再発のリスクがある
PELD(PED)が低侵襲な治療法とはいえ、以下のようなリスクが完全にゼロになるわけではありません。
- 神経損傷によるしびれや麻痺
- 感染症や出血
- 椎間板の再ヘルニア
手術を検討する際には、合併症や再発のリスクに対する十分な説明と理解が必要です。
以下では、これらの合併症に焦点を当て、それぞれの特徴や注意点を掘り下げていきます。
PELD(PED)の注意したい合併症
PELD(PED)は比較的体への負担が少ない手術ですが、どのような手術でも合併症のリスクはあります。
とくに、注意すべき合併症は次の4つです。
- 神経障害
- 硬膜損傷
- 術後血腫
- 感染
では、それぞれ詳しく解説していきましょう。
神経障害
神経障害とは、手術中にヘルニアの近くの脊髄やそこから伸びる神経の根本(神経根)を触ってしまい、神経の損傷が起こる障害です。
足がしびれたり痛んだり、足の筋力が落ちたり、排尿機能の障害が起こったりする場合があります。
硬膜(こうまく)損傷
硬膜損傷とは、脊髄を包んでいる硬膜が手術によって破れてしまう障害です。
脊髄神経は硬膜に包まれて脳脊髄液(のうせきずいえき)という液体に浮いていますが、硬膜が破れると脳脊髄液が漏れ出します。
とくに、起き上がった際に脳脊髄液が漏れ出して脳や脊髄を引っ張るケースが多く、頭痛の原因になります。
術後血腫
術後血腫とは、手術後に出血がコントロールできず、血の塊(血腫)を作ってしまう障害です。
脊髄から出てくる神経を血腫が圧迫してしまうと、しびれ・痛みや麻痺などの原因となります。
感染
手術の傷により、感染を起こすケースがあります。
とはいえ、PELD(PED)の傷は小さく、手術中に生理食塩水を流し続けることもあり、創の感染は他の術式に比べて少ないとされています。
PELD(PED)合併症による後遺症に対する再生医療の可能性
PELD(PED)による合併症が起こった際に心配すべきは、後遺症が残ってしまうリスクがある点です。
とくに神経の損傷が起こると、しびれや痛み・麻痺などが残ってしまう可能性があります。神経が傷つくと再生は困難と言われていました。
そんなPELD(PED)に対して現在は、再生医療という治療の選択肢があります。
当院「リペアセルクリニック」では、脊髄損傷後の後遺症に対して再生医療の「幹細胞治療」を行っております。
幹細胞治療は、他の細胞に変化する「分化能」という幹細胞の能力を利用する治療法です。患者様から採取・培養した幹細胞を、脊髄の患部に直接注射します。当院では幹細胞を冷凍せず、投与の度に採取・培養を行うため活性の高い幹細胞を多く投与できます。
再生医療は、患者様自身の幹細胞を使用しているため拒否反応のリスクが抑えられ、手術も必要としないため体の負担が少ないのが特徴です。
再生医療についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

腰の痛みは手術しなくても治療できる時代です。
まとめ|PELD(PED)はヘルニア対して有効な治療法の一つ
PELD(PED)手術は、ヘルニアのつらい症状に対して改善を目指せる治療法の一つです。
内視鏡を使用して行う治療であるため、傷が小さく体への負担も最小限に抑えられます。手術後の安静期間も短く、早い社会復帰が望める点も魅力です。
ただし、病状によっては不向きなケースもあります。
また、体への負担が少ないものの、手術による合併症のリスクがまったくないわけではありません。入手した情報をしっかり理解し、納得した上で手術を受けましょう。
何も起こらないことが一番ですが、万が一後遺症が残ってしまった場合には再生医療の「幹細胞治療」が適応になります。
もし術後の後遺症にお困りであれば、再生医療も治療の選択肢としてご検討ください。以下の公式LINEでは再生医療に関する情報発信を行っています。再生医療ガイドブックも無料でお渡ししているので、ぜひお受け取り下さい。
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PELD(PED)に関するよくある質問
先進医療のPLDD手術とPELD(PED)の違いは何ですか?
PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)は、レーザーファイバーを使って椎間板内の圧を下げる治療法です。(文献2)
一方、PELD(PED)は内視鏡を使用し、飛び出したヘルニア自体を摘出します。
どちらも低侵襲の治療法ですが、椎間板ヘルニアの形態や大きさ、発症部位、変形の度合いなどを総合的に判断し、最善の治療法を選択することが重要です。
PELD(PED)の名医を教えてください。
現時点で「名医」として、公的に認定されているPELD専門医の情報は公表されていません。
ただし、日本PED研究会の公式サイトには、PELD手術が可能な医療機関の一覧が掲載されています。(文献3)
対応できる病院はまだ限られているものの、一覧から信頼性の高い施設を探すことが可能です。
PELD(PED)手術の費用は保険適用ですか?
PELD(PED)手術は、公的医療保険の適用です。
また、高額療養費制度の対象となるため、一定額を超える医療費については還付を受けることもできます。
ただし、入院費用や検査費用を含めた総額は、医療機関や入院日数によって異なる点に留意しておきましょう。
PELD(PED)手術ができないのはどんな人ですか?
PELD(PED)が適応にならないのは、以下のようなケースです。
- ヘルニアが石灰化している
- 神経に強い癒着がある
- 多数のヘルニアが存在する
- 重度の脊柱管狭窄症がある
上記に当てはまるなら、安全性の観点から他の手術法が選ばれる場合があります。
PEDとMEDの違いを教えてください。
PELD(PED)とMED(内視鏡下椎間板摘出術)は、どちらも内視鏡を用いた手術ですが、進入経路と侵襲度が異なります。
PED(PED)は皮膚切開が約6~8mmと小さく、筋肉や骨をほとんど傷つけずに椎間孔や椎弓間から進入するのが特徴です。
一方、MEDは背部を切開するため、ある程度筋肉や骨の剥離が必要で、PELD(PED)より体への負担が大きくなります。
参考文献
(文献1)
内視鏡下腰椎椎間板摘出術(PED)|出沢明PEDクリニック
(文献2)
PLDD vs. PELD|Dclinic