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【何パック?】納豆は痛風でも食べていい?おすすめの食べ方を医師が解説

natto and gout
公開日: 2024.10.16 更新日: 2025.01.15

「痛風と診断されたけど、納豆が好きで食べるのをやめられない」「納豆は体に良いと聞くけど、痛風の人には危険なのかな?」

痛風と診断され、納豆が好きでも食べるのを控えている方が多いのではないでしょうか。納豆にはプリン体が含まれているため、尿酸値を上げてしまうのではと不安に思う気持ちもありますよね。しかし、納豆の適切な食べ方を理解すれば、痛風の方も納豆の健康効果を活かせます。

本記事では、納豆の栄養価や痛風への影響、適切な食べ方などについて、医療の観点からわかりやすく解説していきます。痛風患者様が納豆を安心して取り入れられるよう、食事療法の手助けとなれば幸いです。

痛風の症状や食事管理でお悩みの場合には、当院のメール相談やオンラインカウンセリングをご活用ください。

また、痛風対策に効果的な食事をさらに知りたい方は、以下の記事をご覧いただければ幸いです。

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納豆は痛風でも「食べすぎなければ問題ない」

納豆は適量であれば、プリン体の摂取量としては問題ありません。なぜなら、納豆に含まれるプリン体の量は、他の肉類や魚介類と比べると比較的少ないことがわかっているからです。

納豆1パック(40g)あたりのプリン体含有量は約45mgで、高プリン食品の基準である200mg(例:レバー類、ビールなど)を大きく下回ります。

つまり、適量の納豆であれば、プリン体の摂取量としては問題ない範囲といえるでしょう。

ほかにプリン体を多く含む食品としては、レバーや肝臓、魚卵、干しシイタケ、ビールなどが知られています。一方、比較的プリン体が少ない食品は卵、乳製品、果物、野菜などです。

プリン体は、体内で代謝されて尿酸になります。尿酸は、通常であれば腎臓でろ過されて尿中に排泄されますが、尿酸の生成量が多すぎたり、排泄が滞ったりすると、血中の尿酸値が上昇してしまいます。

血中尿酸値が高い状態が長く続くと、尿酸の結晶が関節などに沈着し、痛風発作を引き起こすリスクが高まるのです。(文献23

だからといって、プリン体を含む食品を完全に避ける必要はありません。大切なのは、適量を心がけることです。

日本痛風・核酸代謝学会のガイドラインでは、痛風患者様のプリン体摂取量の目安を1日あたり400mg以下としています。

納豆なら、1パック(40〜50g)に含まれるプリン体量は約25〜32mg程度で、この目安の範囲内に十分収まるでしょう。(文献4

ただし、納豆にもプリン体が含まれている以上、摂取量には注意が必要<です。

とくに痛風発作を頻発する方や重症の高尿酸血症の方は、医師や管理栄養士の指導のもと、納豆の摂取量を調整することが大切です。

痛風患者の納豆の適正摂取量は1日1パック

痛風で納豆を食べるときは1日1パックを目安にしましょう。納豆は比較的プリン体が少ない食品ですが、適切な摂取量を守ることが大切です。

痛風で納豆を摂取するときのポイントは以下のとおりです。

注意点 説明
1日の摂取量は1パック(40~50g)程度に抑える 前述の通り、納豆のプリン体含有量は比較的少ないとはいえ、摂り過ぎは禁物です。1日1パック程度を目安に、適量を心がけましょう。
他の高プリン食品との組み合わせに注意する レバーや魚卵など、プリン体を多く含む食品と納豆を同時に食べると、プリン体の摂取量が増えてしまいます。バランスを考えて、組み合わせを工夫しましょう。
アルコールと一緒に摂取するのは避ける アルコールは、尿酸の排泄を妨げる作用があります。とくにビールは、プリン体も多く含むため、納豆と一緒に摂取するのは避けましょう。(文献5
体調や尿酸値の変化に気を配り、適宜摂取量を調整する 定期的に尿酸値を測定し、自分の体の変化を観察することが大切です。もし尿酸値が上昇傾向にあるようなら、納豆の摂取量を一時的に減らすなどの対応が必要かもしれません。

また、納豆の粘り気を活かした料理を工夫することで、野菜などの食物繊維も一緒に摂取できます。さらに野菜はビタミンやミネラルを含むアルカリ性の食品で、尿酸の排泄も助けてくれます。(文献6

たとえば、納豆サラダ、納豆巻き、冷奴などがおすすめです。

痛風の食事療法では、プリン体の摂取制限とともに、バランスの取れた栄養摂取が重要です。主食、主菜、副菜をバランスよく組み合わせ、食物繊維や低脂肪のたんぱく質を積極的に取り入れましょう。また、十分な水分補給も忘れずに。(文献5

納豆は、適量を守れば、痛風患者様にも有益な食品の一つといえるでしょう。ただし、症状や体質には個人差がありますので、かかりつけ医や管理栄養士に相談しながら、自分に合った食べ方を見つけていくことが大切です。

豆類は血清尿酸値を下げる効果がある

「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版」によると、納豆のような豆類を含む食事を続けたところ、血清尿酸値が低下したという報告があります。(文献4

ただし、豆の種類や加工方法によってプリン体の量には差があります。

「公益財団法人 痛風・尿酸財団」が公開している、豆類ごとプリン体含有量(100gあたり)は以下のとおりです。(文献1

食品名 プリン体含有量(100gあたり)
納豆 113.9
乾燥大豆 172.5
乾燥小豆 77.6
ピーナッツ 49.1
そら豆 35.5
豆腐(冷や奴) 31.1
豆腐(湯豆腐) 29.1
豆乳 22.0
味噌(赤味噌) 63.5
味噌(白味噌) 48.8
醤油 45.2
枝豆 47.9
おから 48.6

上記のプリン体含有量も参考にし、1日あたりの適正摂取量(400㎎)を超えないよう他の食品と組み合わせながら摂りましょう。

痛風患者向けの納豆の食べ方

痛風患者に推奨される食事法の基本は、プリン体の摂取制限と、バランスの取れた食生活です。適量の納豆は、以下のような重要な役割を果たします。

役割 説明
タンパク質源 良質な植物性タンパク質を提供する
食物繊維の供給源 腸内環境を整え、尿酸の排泄を促す
大豆イソフラボンの供給 抗酸化作用と炎症抑制効果が期待できる

このように、納豆は健康的なタンパク源となるだけでなく、食物繊維やイソフラボンの供給源としても優れています。さらに、上手に他の食品と組み合わせることで、痛風患者でも満足度の高い食生活を実現できるでしょう。(文献7

納豆に限らず、さまざまな食品を上手に組み合わせてバランスを取ることが、痛風対策の食事で大切なポイントです。本章では積極的に組み合わせたい食品や実際のレシピ、メニューをご紹介します。

納豆と他の食品との組み合わせ

納豆と組み合わせると良い食品には、以下のようなものがあります。

食品 効果
野菜 尿酸排泄を促進するビタミンCが豊富
低脂肪乳製品 カルシウムが尿酸の排泄を助ける
果物 クエン酸が尿のpHを上げ、尿酸の溶解度を高める
全粒穀物 食物繊維が豊富で腸内環境を整える

これらの食品を積極的に取り入れることで、痛風対策として効果的な食事法を実践できる可能性があります。

痛風の人におすすめの納豆レシピ

納豆は、そのままでも十分においしく食べられますが、他の食材と組み合わせることで、さらに多彩な味わいを楽しめます。

痛風の人でも安心して食べられる、納豆を使ったレシピの一例を表にまとめました。ぜひ普段の食事の参考にしてください。

レシピ 特徴 プリン体含有量の目安
納豆とアボカドのサラダ アボカドに含まれる不飽和脂肪酸は、心血管系の健康に良いとされています。納豆と組み合わせることで、タンパク質と食物繊維、良質な脂肪がバランスよく摂れます 納豆1パック分 (約45mg)
納豆と野菜のスープ 納豆を溶き卵でとじて、野菜スープに加えるレシピ。体を温める効果があり、タンパク質と食物繊維を手軽に摂取できます 納豆1/2パック分(約20~25mg)
納豆とトマトのパスタ トマトに含まれるリコピンは、強力な抗酸化作用を持つカロテノイドの一種です。納豆に含まれるイソフラボンも抗酸化作用を持つため、両者を組み合わせることで、相乗的に活性酸素を除去し、細胞の酸化ストレスを軽減することが期待できます。また、トマトはビタミンCやカリウムも豊富に含むため、免疫機能の向上や血圧の調整にも役立つでしょう 納豆1パック分 (約45mg)
納豆と野菜のチャーハン 納豆に含まれるビタミンB群は、炭水化物や脂質のエネルギー代謝を助ける働きがあります。ビタミンEは抗酸化作用を持ち、細胞の老化を防ぐ効果が期待できます 納豆1パック分 (約45mg)
納豆とキムチのビビンバ風 納豆とキムチはともに発酵食品であり、善玉菌が豊富に含まれています。これらの菌は、腸内環境を整え、免疫機能を高める効果が期待できます。また、キムチに含まれるカプサイシンには、代謝を上げる効果があるとされ、ダイエットにも役立つ可能性があります 納豆1パック分 (約45mg)
納豆とオクラの和え物 オクラのねばねば成分は、納豆の粘り気と相性抜群。食物繊維やビタミンも豊富に含まれています 納豆1パック分 (約45mg)
納豆とトマトのブルスケッタ トマトに含まれるリコピンと納豆のイソフラボンの組み合わせは、強力な抗酸化作用が期待できます。また、トマトに含まれるビタミンCは、コラーゲンの生成を助け、肌の健康維持に役立ちます 納豆1パック分 (約45mg)
納豆と豆腐のハンバーグ 大豆製品同士の組み合わせで、良質なタンパク質が摂れるヘルシーなハンバーグ。野菜を添えれば、バランスの取れた一皿になります 納豆1パック分 (約45mg)

これらはあくまで一例ですが、納豆の持つ栄養価を活かしつつ、プリン体に気を付けた組み合わせを工夫することで、痛風患者様でも納豆を楽しめるはずです。

まとめ|納豆は痛風でも1日1パックならOK!他の食品も組み合わせて食べよう

痛風患者にとって、納豆は適量を守れば食べられる健康的な食品の一つです。

ただし、納豆にもプリン体が含まれていることを意識し、適切な量を心がけて低プリン体の食事を習慣化する必要があります。痛風と診断されたからといって、好きな食べ物をすべて諦める必要はありません。納豆の栄養価を理解し、適切な食べ方を実践することで、痛風の症状改善と予防につなげていきましょう。

日々の食事は、尿酸値コントロールの鍵を握っています。納豆を味方につけながら、バランスの取れた食生活を目指していきましょう。ご不明な点がありましたら、かかりつけ医や管理栄養士にご相談ください。

また、当院でも痛風患者様に対してのメール相談やオンラインカウンセリングを行っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

痛風の食事管理を行うなかで、コーヒーを飲んで良いか気になったことはありませんか?痛風患者のコーヒーの摂取目安について、以下の記事で解説しています。

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参考文献一覧
文献1
帝京大学薬学部物理化学講座 臨床分析学研究室 金子希代子名誉教授提供,食品中プリン体含量(mg/100g)
文献2
千葉県栄養士会,痛風の予防と食事
文献3
MSD マニュアルプロフェッショナル版,痛風

文献4
一般社団法人日本痛風・尿酸核酸学会,高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版
文献5
e-ヘルスネット,アルコールと高尿酸血症・痛風
文献6
順天堂大学医学部附属順天堂医院栄養部,高尿酸血症・痛風の食事療法

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