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外反母趾の治療法を医師が解説|自宅でできる手術しないで治す方法も紹介

外反母趾 治療
公開日: 2024.11.20 更新日: 2025.05.30

「外反母趾を手術しないで治す方法ってある?」

「自宅でもできる外反母趾の治療方法を知りたい」

このような不安を抱える方は多いでしょう。

外反母趾は、初期段階であれば自宅でのケアや生活習慣の見直しによって進行を抑えられます。

しかし、放置してしまうと症状が悪化し、手術を検討しなければならないケースも少なくありません。

本記事では、外反母趾を手術せずに治す方法から、手術の種類・リハビリまで、医師の知見をもとにわかりやすく解説しています。

外反母趾の治療法を把握できれば、自分の症状に合った適切な選択ができるので、ぜひ最後までご覧ください。

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外反母趾の非外科的治療法|手術しないで治す

外反母趾の非外科的(手術しない)治療法を、5つ紹介します。

  • テーピング・サポーターの活用
  • インソールの使用
  • 足の運動や体操・ストレッチ
  • 湿布やクリームの併用
  • 日常生活の見直し

非外科的治療法は、外反母趾の程度が軽度から中等度の場合に有効です。

ここでは、5つの非外科的治療法について詳しく解説します。

外反母趾の原因について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

テーピング・サポーターの活用

テーピング・サポーターの活用は、外反母趾の症状を軽減できる可能性があります。

テーピングやサポーターを使うと、内側に入り込む母趾の向きを変えられ、母趾にかかる負担を軽減できるためです。

実際にテーピングを巻く手順を解説します。

■準備
足の親指と人差し指の間にスポンジなどをはさみ、親指が正しい位置になるように調整する。

■テーピングの手順

1.親指の付け根(内側)から、かかとの内側に向かってテープ(幅2.5cmの細め)を貼る
2.足裏の親指付け根から内くるぶしへ貼る
3.足の甲の親指付け根から、かかとの裏側まで貼る

テーピングにより、親指の位置を安定させ、外反母趾の進行を抑える効果が期待できます。

しかし、無理に親指の位置を直そうとすると、かえって症状が悪くなる場合があります。

テーピング・サポーターはあくまで応急処置程度に考えておきましょう。

インソールの使用

インソールの使用は、外反母趾の予防や症状の改善に有効です。

外反母趾の原因には、足の骨が弓状に並んで形成されたアーチの崩れが関係しているからです。

足のアーチが崩れる要因として加齢や肥満、運動不足や足に合わない靴の使用が挙げられます。

足の縦アーチが崩れると「扁平足」、足の横アーチが崩れると「開張足」となり、それぞれ外反母趾を引き起こす一因です。

インソールの使用で、以下の効果が期待できます。

  • 足のアーチをサポートし崩れを防ぐ
  • 足裏の圧力を分散し母趾への負担軽減
  • 立位や歩行時の痛みを和らげる

足のアーチの崩れを予防する目的であれば、市販のインソールを購入するだけでも足のアーチの崩れ防止効果を実感でき、靴屋またはスポーツショップで数千円で購入できます。

一方で、すでに外反母趾による痛みがある方は、オーダーメイドのインソールの使用が効果的です。

価格は数万円と高額ですが、足にぴったり合うようにインソールを作成するため、市販の物よりも足へのサポート力があり、痛みの軽減につながります。

注意点として、インソールの使用は簡単に行える対策ですが、あくまで症状の緩和や予防の一環であり、根本的な治療法ではないことを理解しておきましょう。

足の運動や体操・ストレッチ

外反母趾の予防や痛み、進行を緩和するためには、以下3つの足の運動やストレッチが有効です。

  • 足ゆびを開く運動
  • 足指でタオルを引き寄せる運動
  • Hohmann(ホーマン)体操

「足指を開く運動」は、足指で「パー」の形を作ることです。

足指を開くことで「母趾外転筋」を強化できるため、母趾が小指側へ向きにくくなります。

「足指でタオルを引き寄せる運動」は、床に敷いたタオルの上に足を置き、足指でタオルをつまんで離してを繰り返し、タオルを手前に引き寄せる運動です。

「長母趾屈筋」と「長趾屈筋」が強化され、足のアーチの崩れを予防できます。

「Hohmann(ホーマン)体操」は、幅の広いゴムを両足の親指にかけ、かかとを合わせたまま両足のつま先を開き5〜10秒間キープさせ、20回ほど繰り返します。

小指側に曲がった母趾を元の位置に戻す効果があります。

ゴムがない場合は、手で母趾を元の位置に戻すように動かすだけでも同様の効果を得られます。

これらの運動やストレッチは、日常生活の中で簡単に取り入れられますが、すぐに効果が出ないため、日頃からの継続が大切です。

湿布やクリームの併用

外反母趾による炎症を和らげる方法として、湿布やクリームの使用が有効です。

湿布には、冷感タイプと温感タイプがあります。

湿布のタイプ

期待できる効果

冷感湿布

腫れや熱感を伴う感覚への対処に適しており、捻挫や打撲などの初期段階での使用が推奨される

温感湿布

慢性化した症状や血行不良によるこりに効果的で、長期的ケアや肩こり・腰痛などに用いられる

外反母趾の場合、初期段階では冷感湿布を、慢性化した症状には温感湿布を選択すると良いでしょう。

市販の消炎鎮痛クリームは、患部に直接塗って使うため、とくに局所的な対処に適しています。

炎症を抑える成分が直接患部に作用するため、炎症に伴う痛みや腫れを落ち着かせる効果が期待できます。

注意点として、湿布やクリームだけでは外反母趾の進行は防げません。

あくまで他の治療法との併用が前提です。

日常生活の見直し

外反母趾の発症や進行には、以下3つの生活習慣が大きく影響しています。

  • 幅の狭い靴の着用
  • 長時間の立ち仕事
  • 乱れた食生活

幅の狭い靴、とくに革靴やハイヒールを頻繁に履くと、母趾が小指側へ押し付けられ、変形のリスクを高めます。

予防のためには、幅が広く適切な大きさの靴を選びましょう。

ハイヒールの場合は、かかとの低い靴の使用が推奨されています。

長時間の立ち仕事や歩行は足のアーチを崩す原因となるため、適度な休息が必要です。

仕事により長時間の立ち仕事が避けられない場合は、インソールを使用すると足のアーチが支えられ、足にかかる負担が減り、外反母趾の予防につながります。

また、食生活の乱れによる体重増加もリスクの1つです。

肥満になると足への負担が増え足のアーチが崩れ、外反母趾の発症・悪化につながります。

そのため、栄養バランスが取れた食事で体重管理にも気を配りましょう。

外反母趾の外科的治療法|手術で治す

外科的(手術)治療法は、外反母趾の症状が重度である場合や、痛みが強く日常生活に支障が出ている際に選択されます。

ここでは外科的(手術)治療法にかかわる以下4つの事柄について紹介します。

  • 手術の種類
  • 手術のメリット
  • 手術のリスク
  • 手術後に行うリハビリテーション

それぞれ詳しく解説していきます。

手術の種類

外反母趾は症状が重くなると手術の適応となります。

具体的には、以下のケースが手術の適応とされます。

  • 母趾の見た目が気になる
  • 母趾の付け根が痛く日常生活が大変になる
  • 母趾の付け根が飛び出し靴が合わない

これらに該当する場合、手術適応となりますが、リスクも伴います。

手術を受ける際は、リスクを事前に把握しておきましょう。

外反母趾の外科的(手術)治療法には多くの種類が存在し、大きく分けると以下の3つに分類されます。

  • 遠位骨切り術
  • 骨幹部骨切り術
  • 近位骨切り術

いずれも、母趾の付け根の骨を切りアライメント(角度)を矯正する手術です。

骨を切る場所により上記のように術式が異なります。

一般的に、外反母趾が軽度から中等度の場合には「遠位骨切り術」、重度の場合には「骨幹部骨切り術」または「近位骨切り術」が選択されます。

手術のメリット

外反母趾の手術により、痛みの軽減や見た目の改善が期待できます。

痛みが軽減されることで、日常生活を快適に過ごせるようになり、運動やウォーキングも楽しめます。

また、母趾の付け根の出っ張りが解消されるため、好きな靴を履けるようになり、おしゃれも楽しめるでしょう。

手術のリスク

外反母趾の手術には、以下のリスクがあります。

感染症のリスクは、外反母趾の手術に限らず、手術全般に伴うリスクです。

また、手術後に骨が癒合するまでには個人差があり、とくに骨粗鬆症の方はさらに時間を要します。

手術後に一定の確率で外反母趾が再発する可能性があります。

術式による再発の可能性は以下の通りです。

術式 再発率
遠位骨切り術 2.5〜19%
近位骨切り術 10〜15%

このように、外反母趾の手術を行う際には、メリットだけでなくリスクもあるため、医師と十分に話し合い、自分に合った治療法の選択が重要です。

手術後に行うリハビリテーション

外反母趾の手術後は、積極的に母趾を動かしたり体重をかけたりはできません。

そのため、手術後すぐは患部の腫れや痛みを抑えるため、冷却パッドの使用や軽度のストレッチから始めます。

リハビリテーションは理学療法士の指導のもと、横になった状態や座った状態で太ももやふくらはぎの筋力トレーニングを行います。

また、松葉杖を使った歩行練習も行い、自力での移動を目指します。

また、再発予防の一環として、運動療法だけでなく正しい靴の選び方も指導されます。

入院期間は約3週間ですが、退院後も外来でリハビリテーションの継続が必要です。

手術後2〜3カ月ほどで、手術部の腫れが引き骨の癒合も完了するため、靴を履いての歩行が可能ですが、長時間の歩行は難しい時期です。

手術後、約4カ月経過ほどで立ち仕事や長時間の歩行が可能になり、6カ月ほどで運動も再開できるようになり、日常生活への支障がなくなります。

外反母趾の治療法を選択する際のポイント

外反母趾の治療法を選ぶ際は、以下の3つのポイントを意識しましょう。

  • 症状や日常生活への影響
  • 外科的(手術)治療にかかる時間や費用
  • 治療法の効果やリスク

外反母趾の症状が軽度で日常生活への影響が少ない場合は、非外科的(手術しない)治療法を選択します。

非外科的治療法では効果をすぐに実感できない場合もありますが、運動やストレッチの継続で、外反母趾の悪化を予防できます。

外反母趾の程度が重度の場合は、医師から外科的(手術)治療法を勧められます。

手術を検討する際は、治療にかかる時間や費用、手術の効果やリスクも考慮する必要があります。

どの治療法を選ぶかは、医師と相談しながら自分にとって適した方法とタイミングを焦らず検討しましょう。

外反母趾の治療方法を把握して適切に対処しよう

外反母趾の治療法には、非外科的(手術しない)治療と外科的(手術)治療法の2つがあります。

それぞれの特徴を理解し、自分の症状に合った方法を選びましょう。

非外科的治療では、足の運動やストレッチ、インソールなどによって、足のアーチ崩れを予防できます。

さらに、幅の広い靴を履いたり、食生活を整えたりするなど、日常生活の見直しも重要です。

外科的治療法を行う際は、以下の4つの内容を理解しましょう。

  • 手術の種類
  • 手術のメリット
  • 手術のリスク
  • 手術後に行うリハビリテーション

手術には必ずリスクがあるため、手術を行う際は、メリットとリスクを十分に理解した上で医師とよく相談し、自分の症状に合った治療法を選択していきましょう。

もし、足の外側が痛い場合は、ほかの疾患である可能性も考えられます。

以下の記事では足の外側が痛む疾患を紹介しているので、合わせてご覧ください。

監修:医師 黄金 勲矢

参考文献

吉野匠,初期の外反母趾は運動でよくなると聞いたが・・・,吉野整形外科
https://www.yoshino-seikei.jp/documents/jh0705p12_000.pdf(最終アクセス:2025年5月22日)

同友会グループ,ガイドラインに基づいた外反母趾の正しい知識と治し方,2020年1月号 2020年
https://www.do-yukai.com/medical/123.html
(最終アクセス:2025年5月22日)

仁木久照,専門医インタビュー,外反母趾の痛み・変形は早期治療が大切です。放置しないで足の外科医に相談を,人工関節ドットコム整形外科治療専門サイト
https://www.jinko-kansetsu.com/ask/419/chap03.html
(最終アクセス:2025年5月22日)

湯浅慶朗,湯浅慶朗の「一生自分で歩く足育塾」1,外反母趾の原因は足の筋力低下!治療方法や改善策は?,まいにち好きがみつかるハルメク365 2024年
https://halmek.co.jp/beauty/c/healthr/2029
(最終アクセス:2025年5月22日)

滝正徳,専門医インタビュー,外反母趾の痛みは我慢しないで専門医へ 靴選びなどの工夫で緩和されることもあります,人工関節ドットコム整形外科治療専門サイト
https://www.jinko-kansetsu.com/ask/436/chap03.htm
(最終アクセス:2025年5月22日)

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